JP3269871B2 - 変性低分子量エチレン系重合体およびその製造方法 - Google Patents

変性低分子量エチレン系重合体およびその製造方法

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JP3269871B2 JP01058793A JP1058793A JP3269871B2 JP 3269871 B2 JP3269871 B2 JP 3269871B2 JP 01058793 A JP01058793 A JP 01058793A JP 1058793 A JP1058793 A JP 1058793A JP 3269871 B2 JP3269871 B2 JP 3269871B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、変性低分子量エチレン
系重合体およびその製造方法に関し、特に、分子内に極
性基を有するため、極性基を有する樹脂との相溶性が良
好であり、また顔料の分散性も良好である変性低分子量
エチレン系重合体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、低分子量ポリオレフィンは、α−
オレフィンを主成分とする単量体を、チタンやバナジウ
ムを主成分とする遷移金属系触媒、いわゆるチーグラー
系触媒の存在下に中低圧法によって重合して直接製造す
る方法、高圧法または中低圧法によって重合して得られ
る高分子量のポリオレフィンを熱減成法やラジカル減成
法によって低分子量化する方法などによって工業的に製
造されている。
【0003】これらの方法で製造される低分子量ポリオ
レフィンは、極性基を有していないため極性を有する樹
脂との相容性が悪く、そのため従来より各種の変性が検
討されてきた。特に、酢酸ビニルによる変性について
は、低分子量エチレン・酢酸ビニル共重合体を合成する
ことが検討されてきたが、得られる共重合体は酢酸ビニ
ルの含有量が高くなると結晶性が低下し、ブロッキング
性も低下するという欠点を有していた。また、エチレン
系重合体に酢酸ビニル単量体をグラフト共重合する方法
も知られている。(特公昭59−68318号公報)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特公昭
59−68318号公報に記載の方法においては、用い
られるエチレン系重合体は、結晶化度が50%以下のエ
チレン系重合体に限られている。この結晶化度が50%
以下の低分子量エチレン系重合体は、耐薬品性、耐熱
性、耐摩耗性等の機械物性において、高結晶化度のエチ
レン系重合体に及ばない。
【0005】そこで本発明の目的は、分子内に極性基を
有するため、極性基を有する樹脂との相溶性が良好であ
り、顔料の分散性も良好であり、また、耐薬品性、耐熱
性、耐摩耗性等の機械物性において、高結晶化度のエチ
レン系重合体と同等の特性を有する変性低分子量エチレ
ン系重合体、およびその変性エチレン系重合体を得るこ
とができる方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明は、極限粘度[η]が0.01〜0.70d
l/gの低分子量エチレン系重合体と、一般式(a):
【0007】
【化3】
【0008】〔式中、R1 は炭素数1〜5のアルキル基
であり、R2 、R3 およびR4は同一でも異なっていて
もよく、水素原子またはメチル基であり、nは0または
正の整数である〕で表される単量体を1〜60重量%グ
ラフト共重合させてなる変性低分子量エチレン系重合体
を提供するものである。
【0009】前記低分子量エチレン系重合体が、結晶化
度Rが50%<R≦95%のものであると、好ましい。
【0010】
【0011】前記低分子量エチレン系重合体が、密度が
0.80〜1.00g/mlのものであると、好まし
い。
【0012】前記低分子量エチレン系重合体が、エチレ
ン単独重合体およびエチレンと炭素数3〜20のα−オ
レフィンとの共重合体から選ばれる少なくとも1種であ
ると、好ましい。
【0013】前記単量体が、酢酸ビニルであると、好ま
しい。
【0014】また、本発明は、前記変性低分子量エチレ
ン系重合体の製造方法の中でも、好ましい方法として、
低分子量エチレン系重合体と、一般式(a):
【0015】
【化4】
【0016】〔式中、R1 は炭素数1〜5のアルキル基
であり、R2 、R3 およびR4は同一でも異なっていて
もよく、水素原子またはメチル基であり、nは0または
正の整数である〕で表わされる単量体とを、溶融状態で
グラフト共重合させる工程を有する、変性低分子量エチ
レン系重合体の製造方法をも提供するものである。
【0017】以下、本発明の変性低分子量エチレン系重
合体およびその製造方法(以下、「本発明の方法」とい
う)について詳細に説明する。
【0018】本発明の変性低分子量エチレン系重合体
は、低分子量エチレン系重合体に、前記一般式(a)で
表される単量体をグラフト共重合させてなるものであ
り、該低分子量エチレン系重合体に由来する主鎖と、前
記一般式(a)で表される単量体に由来する側鎖とを有
するものである。
【0019】本発明の変性低分子量エチレン系重合体の
主鎖をなす低分子量エチレン系重合体は、エチレンの単
独重合体、あるいはエチレンと炭素数3〜20のα−オ
レフィンから選ばれる少なくとも1種とのランダム共重
合体等が挙げられる。炭素数3〜20のα−オレフィン
としては、例えば、プロピレン、ブテン−1、ペンテン
−1、2−メチルブテン−1、3−メチルブテン−1、
ヘキセン−1、3−メチルペンテン−1、4−メチルペ
ンテン−1、3,3−ジメチルブテン−1、ヘプテン−
1、メチルヘキセン−1、ジメチルペンテン−1、トリ
メチルブテン−1、エチルペンテン−1、オクテン−
1、メチルペンテン−1、ジメチルヘキセン−1、トリ
メチルペンテン−1、エチルヘキセン−1、メチルエチ
ルペンテン−1、ジエチルブテン−1、プロピルペンテ
ン−1、デセン−1、メチルノネン−1、ジメチルオク
テン−1、トリメチルヘプテン−1、エチルオクテン−
1、メチルエチルヘプテン−1、ジエチルヘキセン−
1、ドデセン−1、ヘキサドデセン−1等が挙げられ
る。
【0020】この低分子量エチレン系重合体は、通常、
耐薬品性に優れる変性低分子量エチレン系重合体が得ら
れる点で、エチレン含有量が55〜100重量%のもの
であり、さらにエチレン含有量が60〜100重量%の
ものが好ましく、特に90〜100重量%のものが好ま
しい。エチレン以外の構成成分の炭素数3〜20のα−
オレフィンの含有量は0〜45重量%の範囲であり、さ
らに、0〜40重量%の範囲にあることが好ましく、特
に0〜10重量%の範囲にあることが好ましい。
【0021】この低分子量エチレン系重合体は、結晶化
Rが、通常、50%<R≦95%であるものであり、耐
薬品性に優れる変性低分子量エチレン系重合体が容易に
得られる点で、特に55%≦R≦95%の範囲であるも
のが好ましい。本発明における結晶化度は、X線分析に
より測定される値である。
【0022】また、この低分子量エチレン系重合体は、
溶融状態でグラフト共重合による変性を行う際に溶融粘
度が適正な範囲にあり、しかも硬度等の機械的物性に優
れる変性低分子量エチレン系重合体を得ることができる
点で、極限粘度[η]が0.01〜0.70dl/gの
ものが好ましく、さらに0.02〜0.60dl/gの
範囲のものが好ましく、特に0.02〜0.55dl/
gの範囲のものが好ましい。
【0023】さらに、この低分子量エチレン系重合体
は、密度が0.80〜1.00g/mlのものが好まし
く、特に、耐薬品性および硬度等の機械的強度に優れる
変性低分子量エチレン系重合体が得られる点で、0.8
5〜1.00g/mlのものが好ましい。
【0024】これらの低分子量エチレン系重合体は、特
に制限されず、公知の方法のいずれの方法にしたがって
製造されたものでもよい。例えば、高圧ラジカル重合
法、およびチーグラー触媒等の各種遷移金属化合物触媒
の存在下に行なわれる中・低圧重合法等の重合による製
造方法、また、該重合法により製造された高分子量ポリ
オレフィンを熱減成あるいはラジカル減成等により熱分
解する方法なとのいずれの方法にしたがって製造された
ものでもよい。
【0025】本発明の変性低分子量エチレン系重合体に
おいて、低分子量エチレン系重合体に由来する主鎖に、
側鎖としてグラフト共重合される単量体は、前記一般式
(a)で表される化合物である。この一般式(a)中、
1 は炭素数1〜5のアルキル基であり、この炭素数1
〜5のアルキル基として、例えば、メチル基、エチル
基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、i−ブチ
ル基、t−ブチル基、ペンチル基、i−ペンチル基、n
eo−ペンチル基、t−ペンチル基等が挙げられる。ま
た、R2 、R3 およびR4 は同一でも異なっていてもよ
く、水素原子またはメチル基である。さらに、nは0ま
たは正の整数であり、好ましくは0〜20の整数であ
る。
【0026】この一般式(a)で表される単量体の具体
例として、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等が挙げら
れる。これらの中でも、反応性が高く、しかも容易に入
手でき、コスト的にも有利である点で、酢酸ビニルが特
に好ましい。
【0027】本発明の変性低分子量エチレン系重合体に
おいて、前記一般式(a)に由来する単量体の含有量、
すなわち単量体のグラフト量は、極性基を有する樹脂と
の相溶性が良好であり、しかも融点、軟化点等の物性に
おいても満足できる変性低分子量エチレン系重合体が得
られる点で、通常、1〜60重量%であり、好ましくは
1〜55重量%であり、特に好ましくは5〜40重量%
に調整される。
【0028】本発明の変性低分子量エチレン系重合体の
極限粘度[η]は、通常、0.02〜0.70dl/g
程度であり、また、密度は、通常、0.85〜1.10
g/cm3 程度である。
【0029】本発明の重合体を製造する方法として、前
記単量体を低分子量エチレン系重合体にグラフト共重合
させる方法は、特に制限されず、公知の方法にしたがっ
て行うことができ、また、得られる変性低分子量エチレ
ン系重合体に要求される物性、用途等に応じて適宜選択
することができる。例えば、低分子量エチレン系重合体
と、前記一般式(a)で表わされる単量体とを、溶融状
態でグラフト共重合させる方法:低分子量エチレン系重
合体を有機溶媒に加熱溶解して得られる溶液に、前記一
般式(a)で表される単量体を逐次滴下してグラフト共
重合させる溶液グラフト法:または低分子量エチレン系
重合体を水に分散して得られる水性懸濁液に、前記一般
式(a)で表される単量体と有機過酸化物を逐次滴下し
てグラフト共重合させる水性懸濁法方法などが挙げられ
る。
【0030】これらの方法の中でも、有機溶媒、水等の
分散媒を除去する工程等の後工程が不要となるため、簡
便な工程で行なうことができ、低分子量エチレン系重合
体として結晶化度が高いものを使用して高グラフト量の
変性低分子量エチレン系重合体が得られる点で、低分子
量エチレン系重合体と、前記一般式(a)で表わされる
単量体とを、溶融状態でグラフト共重合させる方法が、
好ましい。
【0031】低分子量エチレン系重合体と、前記一般式
(a)で表される単量体とを、溶融状態でグラフト共重
合させる方法としては、例えば、ヘンシェルミキサー、
ブレンダー等の混合機に、低分子量エチレン系重合体、
前記単量体および有機過酸化物を入れ、混合し、得られ
た混合物を押出機などの加熱溶融装置にいれ、過酸化物
の分解温度以上で、しかも低分子量エチレン系重合体の
融点以上の温度でグラフト共重合反応を行う方法;反応
器に低分子量エチレン系重合体を入れ、融点以上かつ用
いる有機過酸化物の分解温度以上の温度で加熱溶融し、
前記単量体と有機過酸化物を逐次滴下し、グラフト共重
合反応を行う方法;低分子量エチレン系重合体に単量
体、必要に応じて有機過酸化物を含浸させておき、加熱
あるいは活性光線を照射してグラフト共重合反応を行う
方法などを挙げることができる。これらの方法では、有
機過酸化物は必ずしも必要ではなく、有機過酸化物の非
存在下でもグラフト共重合反応を行うこともできる。
【0032】これらの方法において、低分子量エチレン
系重合体と、前記一般式(a)で表される単量体との仕
込み割合は、通常、低分子量エチレン系重合体99〜4
0重量部と、一般式(a)で表わされる単量体1〜60
重量部の割合である。
【0033】上記のグラフト共重合において、有機過酸
化物を使用する場合、用いられる有機過酸化物は、特に
制限されず、汎用のものが使用できる。特に、低分子量
エチレン系重合体の融点以下の温度で分解するものが好
ましい。この有機過酸化物として、例えば、有機ペルオ
キシド化合物または有機ペルエステル化合物が好ましく
用いられる。有機ペルオキシド化合物または有機ペルエ
ステル化合物としては、例えば、ベンゾイルペルオキシ
ド、ジクロロベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオ
キシド、ジーt−ブチルペルオキシド、2,5ージメチ
ルージ(ペルオキシベンゾエート)ヘキシンー3、1,
4ービス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼ
ン、ラウロイルペルオキシド、t−ブチルペルアセテー
ト、2,5−ジメチル−2,5−じ(t−ブチルペルオ
キシ)−ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(t−ブチルペルオキシ)−ヘキサン、t−ブチルペル
ベンゾエート、t−ブチルペルフェニルアセテート、t
−ブチルペルイソブチレート、t−ブチルペル−s−オ
クトエート、t−ブチルペルオキシピバレート、クミル
ペルピバレート、t−ブチルペルジエチルアセテート等
が挙げられる。また、本発明においては、これらの有機
ペルオキシド化合物または有機ペルエステル化合物以外
にも、アゾ化合物、例えば、アゾビスイソブチロニトリ
ル、ジメチルアゾイソブチロニトリル等も用いることが
できる。
【0034】有機過酸化物を使用してグラフト共重合を
行う場合、その使用量は、前記一般式(a)で表される
単量体に対して、通常、0.5〜20モル%、好ましく
は1〜10モル%である。
【0035】グラフト共重合反応は、反応の方法、用い
られる低分子量エチレン系重合体の種類によって異なる
が、通常、50〜250℃程度の温度で、5分〜5時間
程度の時間で行なわれる。
【0036】また、有機溶媒を使用してグラフト共重合
を行う場合、用いられる溶媒としては、例えば、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン、デカン等の脂肪族系炭化水
素、シクロヘキサン、シクロヘキセン、メチルシクロヘ
キサン等の脂環式炭化水素、エタノール、イソプロピル
アルコール等の脂肪族アルコ−ル、アセトン、メチルイ
ソブチルケトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶
媒、トリクロルエチレン、ジクロルエチレン、クロルベ
ンゼン等のハロゲン化炭化水素を挙げることができる。
これらは、1種単独でも2種以上を混合系して用いても
よい。これらの中でも、芳香族系炭化水素が好ましく、
特にトルエン、キシレン等のアルキル基置換芳香族炭化
水素が好ましい。
【0037】本発明の方法において、以上のようにし
て、前記単量体を低分子量エチレン系重合体にグラフト
共重合させて変性低分子量エチレン系重合体を製造する
ことができるが、グラフト共重合反応が不十分な場合に
は、適当な溶媒による抽出あるいは減圧下に加熱を行う
ことによって、得られる反応混合物から必要に応じて未
反応の単量体を除去することができる。
【0038】本発明の変性低分子量エチレン系重合体
は、極性基を有するので、顔料に配合することにより、
顔料の分散性を向上させることができる。また、感熱転
写インキ、ホットメルト接着剤、トナ−等の樹脂成分と
の相容性が良好であるため、顔料分散剤、感熱転写イン
キ、ホットメルト接着剤、トナー離型剤などに使用する
ことができる。
【0039】
【実施例】以下に実施例を記すが、本発明は実施例によ
り何等制限されるものではない。なお、以下におけるグ
ラフト量は、酸素分析(HERAEUS社製 CHN−
O−RAPID)により酸素含有量を求めて、算出し
た。
【0040】(実施例1)撹拌翼を備えた1lのオート
クレーブに、低分子量エチレン系重合体(結晶化度:8
7%、[η]:0.15dl/g、密度:0.97g/
ml、融点:122℃、軟化点:130℃、針入硬度:
1mm-1)300gを入れ、160℃に加熱して溶融さ
せた。さらにオートクレーブ底部から40l/hrの流
速で窒素ガスを吹き込んでオートクレーブ内を窒素置換
した。次いで、温度を160℃に保ったまま、酢酸ビニ
ル128gとジ−t−ブチルパーオキシド7.4gを2
時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに1時間反応を
行った後、反応を終了させた。さらに、160℃で減圧
して未反応の酢酸ビニルを除去して、変性低分子量エチ
レン系重合体を得た。得られた変性低分子量エチレン系
重合体の酢酸ビニルのグラフト量、極限粘度[η]、軟
化点、融点および密度を測定し、また、機械的物性の指
標としてJIS K2207に準拠して針入硬度を測定
した。結果を表1に示す。
【0041】(実施例2〜7)各例において、実施例1
と同様の装置を用いて、表1に記したエチレン含有量、
結晶化度、極限粘度[η]、密度の低分子量エチレン系
重合体を原料として、酢酸ビニル、ジ−t−ブチルパー
オキシドの使用量を表1に示したように変える以外は、
実施例1と同様にしてグラフト共重合反応を行なって変
性低分子量エチレン系重合体を得た。得られた変性低分
子量エチレン系重合体の酢酸ビニルのグラフト量、極限
粘度[η]、軟化点、融点、密度および針入硬度を測定
した。結果を表1に示す。
【0042】ここで、実施例4で使用した低分子量エチ
レン系重合体の融点、軟化点および針入硬度は、それぞ
れ116℃、121℃および2mm-1に対して、実施例
4で得られた変性低分子量エチレン系重合体の融点、軟
化点および針入硬度は、それぞれ112℃、116℃お
よび4mm-1であった。
【0043】(比較例1)酢酸ビニルの代わりに、ヒド
ロキシプロピルアクリレートを使用した以外は、実施例
1と同様にして変性低分子量エチレン系重合体を製造
し、そのグラフト量、融点、軟化点および針入硬度を測
定した。結果を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】次に、実施例1において使用した低分子量
エチレン系重合体、および得られた変性低分子量エチレ
ン系重合体、ならびに実施例4において使用した低分子
量エチレン系重合体、および得られた変性低分子量エチ
レン系重合体、さらに、実施例4で得られた変性低分子
量エチレン系重合体、および比較例1で得られた変性低
分子量エチレン系重合体について、下記の方法にしたが
って曇点を測定し相溶性を評価した。結果を表2に示
す。
【0046】曇点の測定 100mlの試験管に、エチレン・酢酸ビニル共重合体
5gと、低分子量エチレン系重合体または変性低分子量
エチレン系重合体5gとを入れて混合する。この試験管
をアルミブロックヒーターで180℃に加熱して内容物
を溶融させた後、室温下に放置して溶融物が白濁し始め
る温度を測定し、曇点とした。曇点が低い程、相溶性が
良好であると判断される。この試験をエチレン・酢酸ビ
ニル共重合体として、下記の異なる酢酸ビニル含量を有
する2種のものを使用して行った。 EVA210 酢酸ビニル含量 28% EVA410 酢酸ビニル含量 19% (いずれも三井・デュポンポリケミカル(株)製) 結果を表2に示す。
【0047】
【0048】
【発明の効果】本発明の変性低分子量エチレン系重合体
は、分子内に極性基を有するため、特に極性基を有する
樹脂との相溶性が良好であり、顔料の分散性も良好であ
り、また、耐薬品性、耐熱性、耐摩耗性等の機械物性に
おいて、高結晶化度のエチレン系重合体と同等の特性を
有するものである。また、本発明の方法は、この変性低
分子量エチレン系重合体を製造する方法として、好適な
方法である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−241913(JP,A) 特開 昭62−148508(JP,A) 特開 昭62−72709(JP,A) 特開 昭61−155413(JP,A) 特開 昭59−68318(JP,A) 特公 昭47−13617(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 255/02 - 255/06

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】極限粘度[η]が0.01〜0.70dl
    /gの低分子量エチレン系重合体と、一般式(a): 【化1】 〔式中、R1 は炭素数1〜5のアルキル基であり、
    2 、R3 およびR4は同一でも異なっていてもよく、
    水素原子またはメチル基であり、nは0または正の整数
    である〕 で表される単量体を1〜60重量%グラフト共重合させ
    てなる変性低分子量エチレン系重合体。
  2. 【請求項2】前記低分子量エチレン系重合体が、結晶化
    度Rが50%<R≦95%のものである請求項1に記載
    の変性低分子量エチレン系重合体。
  3. 【請求項3】前記低分子量エチレン系重合体が、密度が
    0.80〜1.00g/mlのものである請求項1に記
    載の変性低分子量エチレン系重合体の製造方法。
  4. 【請求項4】前記低分子量エチレン系重合体が、エチレ
    ン単独重合体およびエチレンと炭素数3〜20のα−オ
    レフィンとの共重合体から選ばれる少なくとも1種であ
    る請求項1に記載の変性低分子量エチレン系重合体の製
    造方法。
  5. 【請求項5】前記単量体が、酢酸ビニルである請求項1
    に記載の変性低分子量エチレン系重合体の製造方法。
  6. 【請求項6】極限粘度[η]が0.01〜0.70dl
    /gの低分子量エチレン系重合体と、一般式(a): 【化2】 〔式中、R1 は炭素数1〜5のアルキル基であり、
    2 、R3 およびR4は同一でも異なっていてもよく、
    水素原子またはメチル基であり、nは0または正の整数
    である〕 で表わされる単量体とを、溶融状態でグラフト共重合さ
    せる工程を有する、変性低分子量エチレン系重合体の製
    造方法。
JP01058793A 1992-01-29 1993-01-26 変性低分子量エチレン系重合体およびその製造方法 Expired - Fee Related JP3269871B2 (ja)

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