JP3269547B2 - ソリッドdcケーブル - Google Patents
ソリッドdcケーブルInfo
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Description
ルに関するものである。
し、そこに高粘度の絶縁油を含浸した絶縁層を有する電
力ケーブル(例えば、常温で5000cst以上の粘度
を有する絶縁油を含浸してなる積層絶縁ソリッド(Mass
-Impregnated)ケーブル)が利用されているが、この絶
縁テープの厚さは一般に70〜200μm程度である。
これは、薄い絶縁テープは機械的強度が低いことと、巻
き枚数が増加に伴って大型の巻回機が必要になるためで
ある。
は異なり、ケーブルの両端からの絶縁油の供給がないた
め、絶縁層中に絶縁油の欠乏からボイドを生じ、そのボ
イドが放電の開始点となりやすい。このようなボイド
は、絶縁テープをスパイラル状に巻回するときに必然的
に生じる油ギャップにまず生じやすく、次いで絶縁テー
プ中の天然繊維の隙間に生じやすい。油ギャップは絶縁
テープが厚いほど大きくなるが、これまでのソリッドD
Cケーブルは、例えば使用電圧が400kv以下、送電電
流が1000A未満と比較的小さかったので、厚さ70
μm以上の絶縁テープを用いても特に問題はなかった。
をソリッドDCケーブルで長距離送電する計画が相次い
で出現するようになってきた。例えば、送電電圧も45
0kvあるいは500kv以上、送電電流も1000Aを越
えるような線路が計画されるようになってきた。このよ
うに高電圧,大電流になってくると、特に負荷遮断時に
発生し易い導体直上の絶縁層中のボイドが無視できなく
なってきた。
ボイドが発生してもボイドでの放電を抑制できるソリッ
ドDCケーブルを提供することにある。
成するもので、その特徴は、導体直上において負荷遮断
時に絶縁油が負圧になる範囲に体積固有抵抗率が絶縁テ
ープ層の体積固有抵抗率よりも1桁以上小さいカーボン
紙を巻回したことにある。
過を述べる。本発明者等は、負荷遮断時にボイドが生じ
るメカニズムを検討するため、従来の厚いクラフト紙
(厚さ70μm以上)を用いたソリッドDC電力ケーブ
ルについて、課通電を開始してから通電を遮断した際に
絶縁層中の各位置における絶縁油の圧力がどのように変
化するかを調べた。図2はこの油圧の変化を示すグラフ
である。同図中、1は導体直上の絶縁層(最内周)にお
ける油圧、2は導体上からクラフト紙10枚程度の位置
における油圧、3は金属シース直下(最外周)における
油圧の変化を示す。
上がり、それに応じて絶縁層も内周から外周に向かって
昇温する。そのとき、絶縁油は、その体積(または単位
体積)と温度膨張係数と温度上昇幅の積に比例して膨張
する。その膨張分は絶縁層の外周に向かって径方向に移
動し、一部は外周の金属被覆(シース)を膨張させる
が、絶縁油自身の圧力も上昇させる。課通電直後は外周
ほど温度が低いため、その部分の絶縁油の粘度は高く、
粘性抵抗も高い。そのため絶縁油の移動は困難で、膨張
した内周側の絶縁油が外周側に直ちに移動できず、内周
側の絶縁層における油圧ほど急峻に上昇する。その後、
時間の経過に伴って絶縁油は外周側に移動するため、導
体直上の絶縁層における油圧も低下し、絶縁層の径方向
における油圧の分布は一様化してゆく。
導体から温度低下が急激に起こるため、絶縁層では導体
側では急峻に、シース側では緩慢に温度が低下する。す
ると、絶縁油は収縮し始めるが、絶縁油の粘度が比較的
高いので導体側の急峻な収縮に追従するほど絶縁油が外
周側から内周側に戻ってこない。その結果、一時的に導
体直上の絶縁層中、特に油ギャップに負圧を生じ、その
部分にボイドを生じるようになってくる。さらに時間が
経過すれば、絶縁層の外周側は正圧なので外周側の絶縁
油が内周側に戻り、ボイドも負圧も解消する。
ン,オフにかかわらず課電されている。そのため、負荷
遮断時に導体直上の絶縁層に負圧が生じてボイドが発生
すれば、そこにかかるDC電気ストレスがある値を超え
ると放電が生じることになり、これはソリッドケーブル
に取って好ましいことではない。
は導体直上に発生し易い。そこで、たとえ導体直上の絶
縁油中にボイドが生じても、その部分で電圧を分担させ
ないように、負荷遮断時に絶縁油が負圧になる絶縁層内
周側の絶縁テープを半導電性のカーボン紙に置換した。
スは分担しないが、導体温度に対しては絶縁テープとほ
ぼ同等の熱抵抗を有し、カーボン紙中に温度勾配を生じ
させることにある。従って、負荷遮断時の導体温度の急
変もこのカーボン紙で大きく緩和されるから、カーボン
紙層の外周の絶縁層では急峻な温度変化が生じにくくな
り、絶縁油の収縮も少なくなって、絶縁層内にボイドが
生じにくくなる。また、ボイドが発生しても、その位置
は導体に近いカーボン紙層中に集中することになる。
(電気ストレス)のかからない材料、例えば銅テープを
巻回することも考えられる。しかし、この場合は銅テー
プの熱抵抗が小さすぎて、銅テープ層中に温度勾配を生
じない。そのため、結局は銅テープのすぐ外周にある絶
縁テープ層で従来のケーブルと同様の急峻な温度変化と
絶縁油の急峻な収縮とが始まるので、本発明の効果が得
られないことは容易にわかる。
紙がソリッド油に含浸された状態では、使用温度範囲内
における体積固有抵抗率は1013Ω・cm程度以上ある。
そのため、これより一桁以上抵抗率の低い、例えば10
3 〜108Ω・cm 程度のカーボン紙を用いる。DC電界
の分担は、絶縁層の各位置における抵抗に比例して行わ
れるので、抵抗率の低いカーボン紙の層はDC電界を分
担しないことになり、ボイド内での放電を抑制すること
ができる。
ブルの使用条件,寸法,構造が決まってから計算または
試作ケーブルの実験により求めればよい。一般に、カー
ボン紙を巻回する厚さは0.8mm以上とすることが望ま
しい。これ以上小さいと、導体形状の影響を絶縁テープ
が受け、また前述の負荷遮断時における導体温度の急変
をカーボン紙層中で吸収できない。一般に負荷遮断時に
温度が急峻に低下する部分の影響を十分に吸収・緩和す
るには、絶縁層の厚さの10%まで巻回することがより
好ましい。これ以上カーボン紙層を増やすと、カーボン
紙層と主絶縁層となる絶縁テープ層とを合わせた絶縁層
全体の巻回数が多くなり、その厚さも大きくなる。これ
らの巻回数が増えると、ケーブル生産時においてテープ
巻き機が大きくなり過ぎたり作業効率が下がったりす
る。また、できあがったケーブルは大型になって不経済
である。
50μm程度が好適である。50μmよりも薄いとカー
ボン紙の材料強度が低下するし、150μmを越えると
カーボン紙層の油ギャップが大きくなって好ましくな
い。
する。図1は本発明ソリッドDCケーブルの断面図であ
る。このケーブルは、内周から順に、導体1,内部半導
電層2,カーボンテープ層3,主絶縁層4,外部半導電
層5,金属遮蔽層6,シース7で構成されている。主絶
縁層4はクラフト紙またはクラフト紙とポリプロピレン
などのポリオレフィン系樹脂を一体化した半合成紙を巻
回して構成されている。また、カーボンテープ層3は体
積固有抵抗が106 Ω・cmで厚さが80μmのカーボンテ
ープを10枚積層して巻回している。
(実施例と比較例)を試作し、このケーブルについてD
C破壊特性を調べた。試験条件は、スタート電圧:−2
00kv,ステップアップ条件:−20kv/3日,負荷サイ
クル:8時間通電(70℃)・16時間冷却(R.T)
である。ケーブル構成と試験結果を表1に示す。
例1に比べて電気破壊特性に優れ、導体直上部分に仮に
ボイドが生じていても放電が抑制されていることが推定
できる。特に、実施例3はカーボン紙層が全体の絶縁層
の厚さの約10%で、DC破壊値の改善効果が最も大き
い。
DCケーブルによれば、負荷遮断時に絶縁層に負圧が生
じてボイドが発生しても放電を抑制できるため、電気破
壊強度が高く、大電力,長距離送電に適した電力ケーブ
ルを構成することができる。
縁層における油圧の変化を示すグラフである。
Claims (3)
- 【請求項1】 導体直上において負荷遮断時に絶縁油が
負圧になる範囲に体積固有抵抗率が絶縁層の体積固有抵
抗率よりも1桁以上小さいカーボン紙を巻回したことを
特徴とするソリッドDCケーブル。 - 【請求項2】 体積固有抵抗率が103 〜108Ω・cm
のカーボン紙を0.8mm以上巻回したことを特徴とする
請求項1記載のソリッドDCケーブル。 - 【請求項3】 カーボン紙を絶縁層の厚さの10%まで
巻回したことを特徴とする請求項2記載のソリッドDC
ケーブル。
Priority Applications (5)
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Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publications (2)
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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Country Status (1)
Country | Link |
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Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
1997
- 1997-04-29 JP JP12635397A patent/JP3269547B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH10302554A (ja) | 1998-11-13 |
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