JP2000322935A - 絶縁紙および油浸ソリッド電力ケーブル - Google Patents

絶縁紙および油浸ソリッド電力ケーブル

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JP2000322935A
JP2000322935A JP11129288A JP12928899A JP2000322935A JP 2000322935 A JP2000322935 A JP 2000322935A JP 11129288 A JP11129288 A JP 11129288A JP 12928899 A JP12928899 A JP 12928899A JP 2000322935 A JP2000322935 A JP 2000322935A
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Mamoru Kondo
守 近藤
Ryosuke Hata
良輔 畑
Hiroshi Hirota
博史 広田
Yasushi Takigawa
裕史 滝川
Jun Yoda
潤 依田
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い機械的強度を持つ絶縁紙と、温度変化に
より導体直上や金属シース直下にボイドが形成されにく
い油浸ソリッド電力ケーブルを提供する。 【解決手段】 クラフト紙を絶縁層の少なくとも一部に
油浸ソリッド電力ケーブルである。このクラフト紙は、
厚みが30μm以上70μm以下、密度が1.0g/cm
上、気密度が5000ガーレ秒以上、横方向引破断強度が4.
0kgf/mm以上である。このような絶縁紙は長網抄紙
機を用いて製造することが好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高い機械強度を持つ
絶縁紙と、その絶縁紙を用いた長距離大容量輸送に好適
な油浸ソリッド電力ケーブルに関するものである。特
に、直流海底送電用に最適な油浸ソリッド電力ケーブル
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】直流海底ケーブル用として、導体の上に
絶縁紙を巻回し、そこに高粘度の絶縁油を含浸した絶縁
層を有する油浸ソリッド電力ケーブルが利用されてい
る。
【0003】油浸ソリッド電力ケーブルはOFケーブルと
は異なり、ケーブルの両端からの絶縁油の供給がないた
め、例えば負荷遮断時などの急激な温度変化により絶縁
油の収縮からボイドを生じ、そのボイドが有害な大ささ
になると放電の開始点となりやすい。
【0004】このようなボイドは、絶縁紙をスパイラル
状に券回するときに必然的に生じる油ギャップにまず生
じやすく、次いで絶縁テープ中の天然繊維の隙間に生じ
やすい。特に、温度変化が急激になる導体直上や金属遮
蔽層直下に生じ易く、さらにこの部分は電界が高いので
危険である。
【0005】これまでの油浸ソリッド電力ケーブルは、
例えば使用電圧が400kV以下、送電電流が1000A未満と比
較的小さかったので、ボイドに対して特に問題視されて
おらす、絶縁紙としては、例えば、「ETEP Vol.3,No.
5,September/October 1993、(タイトル)Research
on the Breakdown Under Type Test of Non−
Pressurized Paper−Insulated HVDC Cables」にあ
るように、厚み80μmから110μmが用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、近年大電流
をソリッドDCケーブルで長距離送電する計画が相次いで
出現するようになってきた。例えば、送電電圧も450kV
以上、送電電流も1000A以上を越えるような線路が計画
されるようになってきた。このように高電圧、大電流に
なってくると、特に導体直上や金属シース直下の絶縁層
中の有害なボイドの形成が無視できなくなってきた。
【0007】従って、本発明の主目的は、高い機械的強
度を持つ絶縁紙と、温度変化により導体直上や金属シー
ス直下にボイドが形成されにくい油浸ソリッド電力ケー
ブルとを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明絶縁紙は上記の目
的を達成するもので、その特徴は、クラフト紙からな
り、厚みを30μm以上70μm以下、密度を1.0g/cm3
上、気密度を5000ガーレ秒を越え、横方向引破断強度を
4.0kgf/mm2以上としたことにある。また、本発明油浸
ソリッド電力ケーブルは、上記絶縁紙を絶縁層の少なく
とも一部に用いたこと特徴とする。
【0009】ボイドは、例えば負荷遮断時などの急激な
温度変化により絶縁油の収縮から生じ、そのボイドが有
害な大きさになると放電の開始点となりやすい。高温で
は絶縁油が熱膨張するために、その圧力で鉛遮蔽層(金
属シース)が膨らみ内体積が増え、その状態で負荷遮断
の際に、導体側の温度が下がり絶縁油が収縮するが絶縁
油の粘度が高いことから、外周側の油が導体側まで戻つ
てくるのに時間がかかるため、ボイドが生成するものと
考えられる。
【0010】ボイドの発生しやすい油ギャップを小さく
するには、絶縁紙の厚みを薄くすることが効果的であ
る。しかし、厚みを薄くすると絶縁紙の機械強度が低く
なり、例えばケーブルに必然的に生じる曲がりが発生し
た場合に絶縁紙に座屈しわが生じるようになる。そこ
で、発明者らは、絶縁紙の横方向の強度を向上させるこ
とで座屈しわを解決できることを見い出し本発明に至つ
た。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。図1は油浸ソリッド電力ケーブルの一例を示す断
面図である。このケーブルは、中心から順に導体1、カ
ーボン紙よりなる内部半導電層2、絶縁層3、カーボン紙
よりなる外部半導電層4、鉛遮蔽層(金属シース)5、ケ
ーブルシース(通常ポリエチレンよりなる)6を具えて
いる。
【0012】ここで、絶縁層3に用いる絶縁紙は、厚み
が30μm以上70μm以下、密度が1.0g/cm3以上、気密度
が5000ガーレ秒を越え、横方向引破断強度が4.0kgf/mm
2以上のものを用いる。厚みが70μmを越えると油ギャッ
プが大きくなり負圧発生時にボイドが発生しやすくなり
好ましくない。逆に、30μm未満では絶縁紙の強度が弱
く、ケーブルの曲げ時に座屈しわが発生しやすくなり好
ましくない。
【0013】絶縁紙の密度を1.0g/cm3以上、気密度を5
000ガーレ秒を越えるものとするのは含浸する油の量を
少なくするためである。ボイドの発生を抑えるには含浸
する油の量を少なくすると良く、OFケーブル用絶縁紙の
密度は0.8 g/cm3程度、気密度4000ガーレ秒程度であ
る。そこで、これをカレンダ掛けなどして、密度を1.0g
/cm3以上、気密度が5000ガーレ秒を越えるものとする
ことにより、含浸する油の量を少なくしてボイドの発生
を抑制することができる。
【0014】さらに、絶縁紙の横方向引破断強度を4.0k
gf/mm2以上とするのは、絶縁紙の座屈しわを抑制する
ためである。4.0kgf/mm2未満では、ケーブルに曲げが
かかつた際、絶縁紙に座屈しわが発生しやすくなり、座
屈しわが発生すると油ギャップが大きくなって負圧発生
時にボイドが生じやすくなり好ましくない。横方向引破
断強度が4.0kgf/mm2以上の絶縁紙は、例えば長網抄紙
機を用いて製造するとセルロース繊維が長手方向に配向
が抑えられ、横方向の強度が高い絶縁紙が得られる。
【0015】上述の本発明の絶縁紙は、絶縁層の全体に
巻回することが好ましい。ただし、絶縁紙の枚数が増え
るため、電界の高い絶縁層の最内層および最外層の少な
くとも一方に設けることでも効果がある。特に、絶縁紙
を設ける領域が、導体近傍の絶縁層で負荷遮断時に絶縁
油が負圧になる範囲の主要部とすればボイドの発生抑制
に効果的である。
【0016】(試験例)実施例として図1示す断面を持
つ油浸ソリッド電力ケーブルを作製した。1100mm2の導
体1に内部半導電層2(厚み100μmのカーボン紙6枚)、
絶縁層3(最内層に厚み50μmのクラフト紙40枚、その上
に厚み100μmのクラフト紙80枚)、外部半導電層4(厚
み100μmのカーボン紙6枚)を順次紙巻する。その後、
絶縁油を含浸し、鉛被覆、ポリエチレン被覆を施してケ
ーブルを作製した。
【0017】ここで使用した厚み50μmのクラフト紙は
長網抄紙機で製造した。その縦方向破断強度は10.0kgf
/mm2、横方向破断強度は6.0kgf/mm2、密度は1.1g/cm
3、気密度は7000ガーレ秒である。また、厚み100μmの
クラフト紙の縦方向破断強度は8.7kgf/mm2、横方向破
断強度は5.3kgf/mm2、密度は1.0g/cm3、気密度は4000
ガーレ秒である。
【0018】比較例1として同じく図1に示す断面を持つ
油浸ソリッド電力ケーブルを作製した。1100mm2の導体1
に内部半導電層2(厚み100μmのカーボン紙6枚)、絶縁
層3(厚み100μmのクラフト紙100枚)、外部半導電層4
(厚み100μmのカーボン紙6枚)を順次紙巻する。その
後、絶縁油を含浸し、鉛被覆、ポリエチレン被覆を施し
てケーブルを作製した。比較例1で用いたクラフト紙の
特性も実施例1における厚み100μmのクラフト紙のそれ
と同一である。
【0019】両者のケーブルを導体通電により常温(16
時間)〜60℃(8時間)のヒートサイクルを与えながら
直流1000kVを課電した結果、実施例は30回のヒートサイ
クルを与えても絶縁破壊を起こさなかったのに対し、比
較例1は20サイクル目の通電遮断後の冷却課程において
絶縁破壊を生じた。
【0020】次に、比較例2として図1に示す断面を持つ
油浸ソリッド電力ケーブルを作製した。1100mm2の導体1
に内部半導電層2(厚み100μmの力一ボン紙6枚)、絶縁
層3(最内層に厚み50μmのクラフト紙40枚、その上に厚
み100μmのクラフト紙80枚)、外部半導電層4(厚み100
μmのカーボン紙6枚)を順次紙巻する。その後、絶縁油
を含浸し、鉛被覆、ポリエチレン被覆を施してケーブル
を作製した。
【0021】ここで使用した厚み50μmのクラフト紙は
丸網抄紙機で製造した。その縦方向破断強度は20.0kgf
/mm2、横方向破断強度は3.0kgf/mm2、密度は1.1g/cm
3、気密度は10000ガーレ秒である。
【0022】実施例と比較例2の両ケーブルを直径4mの
円柱に2往復巻き付けた後、両ケーブルを解体し、50μm
絶縁紙を観察したところ、実施例は座屈しわが発生して
いなかったのに対し、比較例2は大きな座屈しわが発生
していた。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明絶縁紙は厚
みを薄くすることで絶縁油の含浸量を少なくすることが
でき、かつ座屈しわが生じない強度を具えている。ま
た、この本発明絶縁紙を用いた油浸ソリッド電力ケーブ
ルによれば、温度変化の繰り返しによるボイドの発生が
抑制でき、電気性能の低下が抑えられて高電圧、大電
力、長距離送電に適した電力ケーブルを得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明油浸ソリッド電力ケーブルの一例を示す
断面図である。
【符号の説明】
1 導体 2 内部半導電層 3 油浸絶縁層 4 外部半導電層 5 金属遮蔽層 6 ケーブルシース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 広田 博史 大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電 気工業株式会社大阪製作所内 (72)発明者 滝川 裕史 大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電 気工業株式会社大阪製作所内 (72)発明者 依田 潤 大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電 気工業株式会社大阪製作所内 Fターム(参考) 5G305 AA02 AB01 AB15 AB27 BA14 BA23 BA25 BA26 BA27 CA43

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クラフト紙からなり、厚みが30μm以上70
    μm以下、密度が1.0g/cm3以上、気密度が5000ガーレ秒
    を越え、横方向引破断強度が4.0kgf/mm2以上であるこ
    とを特徴とする絶縁紙。
  2. 【請求項2】 長網抄紙機を用いて製造されたことを特
    徴とする請求項1記載の絶縁紙。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の絶縁紙を少なくと
    も絶縁層の一部に巻回してなることを特徴とする油浸ソ
    リッド電力ケーブル。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載の絶縁紙を絶縁層の
    最内層および最外層の少なくとも一方に設けることを特
    徴とする油浸ソリッド電力ケーブル。
  5. 【請求項5】 請求項1または2記載の絶縁紙を設ける領
    域が、導体近傍の絶縁層で負荷遮断時に絶縁油が負圧に
    なる範囲の主要部であることを特徴とする請求項3記載
    の油浸ソリッド電力ケーブル。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP3503124A4 (en) * 2016-08-18 2020-04-15 LS Cable & System Ltd. POWER CABLE

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3503124A4 (en) * 2016-08-18 2020-04-15 LS Cable & System Ltd. POWER CABLE
US11309102B2 (en) 2016-08-18 2022-04-19 Ls Cable & System Ltd. Power cable

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