JP3268805B2 - 高い衝撃強度と良好な装飾性とを有する顔料添加ポリカーボネート組成物 - Google Patents

高い衝撃強度と良好な装飾性とを有する顔料添加ポリカーボネート組成物

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JP3268805B2
JP3268805B2 JP35824391A JP35824391A JP3268805B2 JP 3268805 B2 JP3268805 B2 JP 3268805B2 JP 35824391 A JP35824391 A JP 35824391A JP 35824391 A JP35824391 A JP 35824391A JP 3268805 B2 JP3268805 B2 JP 3268805B2
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バイエルコーポレーション
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L69/00Compositions of polycarbonates; Compositions of derivatives of polycarbonates

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の分野】本発明は熱可塑性成形用組成物に、より
特定的にはポリカーボネート樹脂を含有する組成物に関
するものである。
【0002】
【発明の概要】(i) 約94ないし98パーセントの
芳香族ポリカーボネート、 (ii) 約ないしパーセントの ABS、および (iii) 約ないしパーセントのグラフトオレフィ
ン共重合体よりなる熱可塑性成形用組成物が開示されて
いる。
【0003】このグラフトオレフィン共重合体は、1種
または 2 種以上の不飽和ジカルボン酸またはその無水
物のオレフィン性共重合体骨格へのグラフト重合体であ
る。この組成物が良好な機械的性質を有し、これから成
形した物品が良好な装飾性を有することが注意される。
【0004】
【発明の背景】芳香族ポリカーボネート樹脂は当該技術
において周知されており、長いこと単独で、また、成形
用組成物の成分として使用されている。耐衝撃性改良剤
を含有するポリカーボネート基剤組成物も当該技術にお
いて知られている。比較的少量の低いガラス転移温度を
有する弾性体の組み入れは、樹脂の耐衝撃性能を改良す
るものとして知られている。たとえば EPDM、SB
S および SEBS ブロック共重合体、MBS、AB
S、ポリオレフィン、ならびにアクリル酸エステル基剤
共重合体複合材料のいずれかポリカーボネート樹脂への
添加も特許文献に報告されている。
【0005】弾性体添加物は一般に改良された耐衝撃性
能を提供するが、これらの組成物のあるものを特徴付け
る有利な効果は、熱への長時間の暴露に耐えない。AB
Sまたは MBS のようなブタジエンに富むグラフト共
重合体の組み入れにより改良された耐衝撃性能を与えら
れたポリカーボネート組成物は、その貧弱な熱老化特性
で周知されている。さらに、ゴム様耐衝撃性改良剤を含
有するポリカーボネート組成物はしばしば低い流動性お
よび/または貧弱な装飾性を示す。装飾性の語は本件の
関連では真珠光沢白化、脱色および赤化のような公知の
効果を含む。したがって、本発明はこれらの問題の技術
的解決を指向するものである。
【0006】ポリカーボネートと ABS との混合物は
周知されており、たとえばベイブレンド(Bayblend)の
商品名でモーベー社(Mobay Corporation)から市販さ
れている。この技術に関する特許の中では米国特許 3,1
30,177 および 3,852,393 が注意される。同様な組成物
が米国特許 3,954,905 および 3,988,389 に開示されて
いる。
【0007】オレフィン性樹脂様成分を含有するポリカ
ーボネート組成物は、米国特許3,801,673;4,122,131;
4,205,141;4,410,662;および 4,420,584 に開示され
ている。
【0008】強靭な熱可塑性ポリカーボネート組成物が
米国特許 4,172,859 に開示されている。この組成物
は、その一般的記述がエチレン-プロピレンを含むエチ
レン共重合体を包含する共重合体を含有する。無水マレ
イン酸が可能な共重合単量体として挙げられており、製
造方法としてのグラフト反応が言及されている。米国特
許 4,677,162 はポリカーボネート樹脂、ABS グラフ
ト共重合体および耐衝撃性改良用グラフトを含有する組
成物を開示している。この組成物は低い光沢値を示すと
言われる。
【0009】本発明記載の好ましいグラフトオレフィン
共重合体は、その熱老化特性およびそのポリカーボネー
トを含む熱可塑性樹脂用の耐衝撃性改良剤としての有用
性に関して有意に知られている。他方、この共重合体は
ポリカーボネート樹脂と非混和性で、ポリカーボネート
樹脂中の分散体を形成するのみである。さらに、好まし
いグラフトオレフィン共重合体は、ポリカーボネートに
おける使用に通常は適している着色剤によっては十分に
着色または染色されない。この性質は、成形品の好まし
くない装飾性につながる。
【0010】
【発明の詳細な記述】本発明に従えば、 (i) 約94ないし98パーセントの芳香族ポリカ
ーボネート、 (ii) 約ないしパーセントのABS、および (iii) 約ないしパーセントのグラフトオレフィ
ン共重合体
【0011】よりなる熱可塑性成形用組成物が提供され
る。
【0012】
【0013】この組成物は、改良された機械的性質、老
化特性および装飾性を与える。
【0014】本発明の範囲内の芳香族ポリカーボネート
は単独重合ポリカーボネートおよび共重合ポリカーボネ
ート、ならびにその混合物である。
【0015】本件ポリカーボネートは一般に 10,000 −
200,000 の、好ましくは 20,000− 80,000 の重量平均
分子量を有し、その熔融流動速度は ASTM D-1238
に従って 300℃ で測定して約1ないし約 65 グラム/1
0 分、好ましくは約 2 −15 グラム/10 分である。本
件ポリカーボネートは、たとえば公知の二相界面法によ
り、炭酸誘導体たとえばホスゲンとジヒドロキシ化合物
とから縮重合により製造することができる(いずれも引
用文献として本件明細書に組み入れられているドイツ公
開明細書 2,063,050、2,063,052、1,570,703、2,211,95
6、2,211,957および 2,248,817;フランス特許 1,561,5
18;ならびにシュネル(H. Schnell)の著書“ポリカー
ボネートの化学と物理学(Chemistry and Physics of P
olycarbonates)”インターサイエンス出版(Interscie
nce Publishers,New York)、1964を参照)。
【0016】本発明との関連では、本件発明者のポリカ
ーボネートの製造に適したジヒドロキシ化合物は構造式
(1)または(2)
【0017】
【化1】
【0018】式中、A は1ないし 8 個の炭素原子を有
するアルキレン基、2 ないし 8 個の炭素原子を有する
アルキリデン基、5ないし 15 個の炭素原子を有するシ
クロアルキレン基、5 ないし 15 個の炭素原子を有する
シクロアルキリデン基、カルボニル基、酸素原子、硫黄
原子、−SO− および −SO2−、または
【0019】
【化2】
【0020】に合致する基を表し;e および g はと
もに 0 ないし1の数を表し;Z は F、Cl、Br また
は C1-C4-アルキルを表し、数個の Z 基が1個のア
リール基中の置換基である場合にはこれらは同一であっ
ても相互に異なっていてもよく;d は 0 ないし 4 の
整数を表し;fは 0 ないし 3 の整数を表すに合致する
ものである。
【0021】本発明の実施に有用なジヒドロキシ化合物
の中には、ハイドロキノン、レゾルシノール、ビス-
(ヒドロキシフェニル)-アルカン、ビス-(ヒドロキシ
フェニル)-エーテル、ビス-(ヒドロキシフェニル)-
ケトン、ビス-(ヒドロキシフェニル)-スルホキシド、
ビス-(ヒドロキシフェニル)-スルフィド、ビス-(ヒ
ドロキシフェニル)-スルホンおよび α,α-ビス-(ヒ
ドロキシフェニル)-ジイソプロピルベンゼン、ならび
にその核アルキル化化合物がある。これらの、およびそ
の他の適当な芳香族ジヒドロキシ化合物は、たとえば、
いずれも本件明細書に引用文献として組み入れられてい
る米国特許 3,028,356;2,999,835;3,148,172;2,991,
273; 3,271,367;および 2,999,846 に記載されてい
る。
【0022】その他の適当なビスフェノールの例は 2,2
-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-プロパン(ビスフェ
ノール A)、2,4-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-2-
メチルブタン、1,1-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-シ
クロヘキサン、α,α′-ビス-(4-ヒドロキシフェニ
ル)-p-ジイソプロピルベンゼン、2,2-ビス-(3-メチ
ル-4-ヒドロキシフェニル)-プロパン、2,2-ビス-(3-
クロロ-4-ヒドロキシフェニル)-プロパン、ビス-(3,5
-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)-メタン、2,2-ビス-
(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)-プロパン、ビ
ス-(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)-スルフィ
ド、ビス-(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)-ス
ルホキシド、ビス-(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニ
ル)-スルホン、ヒドロキシベンゾフェノン、2,4-ビス-
(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)-シクロヘキサ
ン、α,α′-ビス-(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニ
ル)-p-ジイソプロピルベンゼンおよび 4,4′-スルホ
ニルジフェノールである。
【0023】特に好ましい芳香族ビスフェノールの例は
2,2-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-プロパン、 2,2-
ビス-(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)-プロパ
ンおよび 1,1-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-シクロ
ヘキサンである。
【0024】最も好ましいビスフェノールは 2,2-ビス-
(4-ヒドロキシフェニル)-プロパン(ビスフェノール
A)である。
【0025】本発明記載のポリカーボネートは、その構
造中に1種または 2種以上の上記の適当なビスフェノー
ルから誘導した単位を含有することができる。
【0026】本発明の実施に適した樹脂の中には、いず
れも本件明細書に引用文献として組み入れられている米
国特許 3,036,036 および 4,210,741 に記載されている
ようなフェノールフタレイン基剤のポリカーボネート、
共重合ポリカーボネートおよび三元ポリカーボネートが
含まれる。
【0027】本発明記載のポリカーボネートは、その中
に少量の、たとえば 0.05 − 2.0モル%(ビスフェノー
ルに対して)のポリヒドロキシ化合物を縮合させること
により枝分かれさせることもできる。この型のポリカー
ボネートは、たとえばドイツ公開明細書 1,570,533、2,
116,974 および 2,113,374;英国特許 885,442 および
1,079,821;ならびに米国特許 3,544,514 に記載されて
いる。以下のものは、この目的に使用し得るポリヒドロ
キシ化合物の若干の例である:フロログルシノール;4,
6-ジメチル-2,4,6-トリ-(4-ヒドロキシフェニル)-ヘ
プタン;1,3, 5-トリ-(4-ヒドロキシフェニル)-ベン
ゼン;1,1,1-トリ-(4-ヒドロキシフェニル)-エタン;
トリ-(4-ヒドロキシフェニル)-フェニルメタン;2,2-
ビス-[4,4-ビス-(4,4′-ジヒドロキシフェニル)]-
シクロヘキシル-プロパン;2,4-ビス-(4-ヒドロキシフ
ェニル-1-イソプロピリジン)-フェノール;2,6-ビスー
(2,2′-ジヒドロキシ- 5′-メチルベンジル)-4-メチ
ルフェノール;2,4-ジヒドロキシ安息香酸;2-(4-ヒド
ロキシ)-2-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-プロパンお
よび 1,4-ビス-(4,4′-ジヒドロキシトリフェニルメチ
ル)-ベンゼン。他の多官能性化合物の若干の例は 2,4-
ジヒドロキシ安息香酸、トリメシン酸、シアヌル酸塩化
物および 3,3-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-2-オキ
ソ-2,3-ジヒドロインドールである。
【0028】上記の縮重合法に加えて、本発明記載のポ
リカーボネートの他の製造方法には均一相における縮重
合およびエステル交換法もある。適当な方法は、本件明
細書に引用文献として組み入れられている米国特許 3,0
28,365;2,999,846;3,153,008;および 2,991,273 に
開示されている。
【0029】ポリカーボネートの好ましい製造方法は界
面縮重合法である。
【0030】たとえば本件明細書に引用文献として組み
入れられている米国特許 3,912,688に記載されているよ
うな、本発明記載のポリカーボネート形成における他の
合成方法を使用することもできる。
【0031】適当なポリカーボネート樹脂、たとえばマ
クロロン(Makrolon)FCR、マクロロン 2600、マク
ロロン 2800 およびマクロロン 3100 は商業的に入手す
ることができ、その全てがビスフェノール基剤の単独重
合体樹脂であって、その個々の分子量において異なり、
その熔融流動指数(MFR)が ASTM D-1298 に従
ってそれぞれ約 16.5 − 24、13 − 16、7.5 − 13.0
および 3.5 − 6.5 グラム/10 分であることにより特
徴付けられる。これらはモーベー社(Mobay Corporatio
n of Pittsburgh,Pennsylvania)の製品である。
【0032】本発明の実施に適したポリカーボネート樹
脂は公知物質であり、その構造および製造方法はたとえ
ば、いずれも本件明細書に引用文献として組み入れられ
ている米国特許 3,030,331;3,169,121;3.395,119;3,
729,447;4,255,556;4,260,731;4,369,303 および 4,
714,746 に開示されている。
【0033】本発明記載の ABS グラフトはグラフト
の重量に対して約 35 ないし 85 %の、好ましくは約 5
0 ないし75 %のブタジエン含有量と約 0.05 ないし 5
ミクロンの、好ましくは 0.2 ないし 0.7 ミクロンの粒
子サイズとを特徴とするABS(アクリロニトリル −
ブタジエン −スチレン)樹脂である。
【0034】基本的には、ABS グラフト重合体の部
分は化学的に結合した 2 種または 3種以上の異なる組
成の重合体部分よりなるものである。このグラフト重合
体は少なくとも1種の共役ジエン、たとえばブタジエン
を、または共役ジエンとこれと重合可能な単量体、たと
えばスチレンとを重合させて骨格を与え、続いて少なく
とも1種の、好ましくは 2 種のグラフト用単量体をあ
らかじめ重合させた骨格の存在下に重合させてグラフト
重合体を完成させる方法により製造することができる。
【0035】上記のように、骨格は好ましくは共役ジエ
ンの重合体または共重合体、たとえばポリブタジエン、
ブタジエン-スチレン、ブタジエン-アクリロニトリル等
である。
【0036】グラフト重合体の骨格の製造に利用し得る
特定の共役ジエン単量体は一般に、式
【0037】
【化3】 式中、X は水素、1ないし 5 個の炭素原子を含有する
アルキル基、クロロおよびブロモよりなるグループから
選択することができるにより記述される。使用し得るジ
エンの例はブタジエン;イソプレン;1,2-ヘプタジエ
ン;メチル-1,3-ペンタジエン;2,3-ジメチル-1,3-ブタ
ジエン;1,3-ペンタジエン;2-メチル-3-エチル-1,3-ブ
タジエン;2-エチル-1,3-ペンタジエン;1,3- および
2,4-ヘキサジエン;クロロおよびブロモ置換ブタジエン
たとえばジクロロブタジエン、ブロモブタジエン、クロ
ロプレン、ジブロモブタジエン、これらの混合物等であ
る。本件明細書中で利用する好ましい共役ジエンはブタ
ジエンである。
【0038】あらかじめ重合させた骨格の存在下におい
て重合させる第1の単量体または単量体のグループは、
好ましくはモノビニル芳香族炭化水素である。利用され
る好ましいモノビニル芳香族単量体は、一般的には式:
【0039】
【化4】
【0040】式中、Y は水素、1ないし 5 個の炭素原
子を含有するアルキル基、クロロおよびブロモよりなる
グループから選択することができるにより記述される。
使用し得るモノビニル芳香族化合物および置換モノビニ
ル芳香族化合物の例はスチレン、ならびにアルキル-、
シクロ-、アリール-、アルカリール-、アルコキシ-、ア
ラールキル-、アリールオキシ-等で置換されたビニル芳
香族化合物を含む他のビニル置換芳香族化合物である。
この種の化合物の例は3-メチルスチレン、3,5-ジエチル
スチレン、4-n-プロピルスチレン、α-メチルスチレ
ン、α-メチルビニルトルエン、α-クロロスチレン、ビ
ニルトルエン、α-ブロモスチレン、クロロフェニルエ
チレン、ジブロモフェニルエチレン、テトラクロロフェ
ニルエチレン、1-ビニルナフタレン、2-ビニルナフタレ
ン、これらの混合物等である。本発明に使用される好ま
しいモノビニル芳香族炭化水素はスチレンおよび/また
は α-メチルスチレンである。
【0041】あらかじめ重合させた骨格の存在下におい
て重合させる第 2 の単量体のグループは、アクリロニ
トリルおよびアクリル酸アルキルたとえばメタクリル酸
メチルで例示されるアクリロニトリル、置換アクリロニ
トリルおよび/またはアクリル酸エステルである。アク
リロニトリル、置換アクリロニトリルまたはアクリル酸
エステルは一般的には式:
【0042】
【化5】 式中、S は水素、1ないし 5 個の炭素原子を含有する
アルキル基、クロロおよびブロモよりなるグループから
選択することができ、Z はシアノおよびカルボアルコ
キシ基のアルキル基が1ないし約 12 個の炭素原子を含
有するカルボアルコキシよりなるグループから選択する
により記述される。この記述の単量体、すなわち上式の
アクリロニトリル、置換アクリロニトリル、またはアク
リル酸エステルの例はアクリロニトリル、エタクリロニ
トリル、メタクリロニトリル、α-クロロアクリロニト
リル、β-クロロアクリロニトリル、α-ブロモアクリロ
ニトリルおよび β-ブロモアクリロニトリル、メタクリ
ル酸エステル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸ブチル、アクリル酸プロピル、アクリル
酸イソプロピル、アクリル酸イソブチル、これらの混合
物等である。本発明に使用する好ましいアクリル単量体
はアクリロニトリルであり、好ましいアクリル酸エステ
ルはアクリル酸エチルおよびメタクリル酸メチルであ
る。
【0043】本件グラフト重合体の製造において、1,3-
ブタジエンの重合体および共重合体により例示される共
役ジオレフィンの重合体または共重合体は全グラフト重
合体組成物の 35 − 85 重量%を、好ましくは約 50 な
いし 75 重量%を占め、スチレンおよびアクリロニトリ
ルで例示される骨格の存在下に重合させる単量体は全グ
ラフト重合体組成物の約 65 ないし 15 重量%を、好ま
しくは 50 ないし25重量%を占める。
【0044】適当な ABS 樹脂の製造は米国特許 3,8
52,393 に記載されており、その開示は本件明細書に引
用文献として組み入れられている。
【0045】適当な ABS グラフト樹脂は当該技術に
おいて公知であり、バイエル社(Bayer AG)からノバド
ゥール(Novadur)の商品名で市販されている。
【0046】本発明の関連でのグラフトオレフィン共重
合体は、1種または 2 種以上の不飽和ジカルボン酸ま
たは酸無水物の、約 25,000 ないし 500,000 の、好ま
しくは 30,000 ないし 100,000 の重量平均分子量と −
30℃ 以下の、好ましくは−50℃ 以下のガラス転移温度
とを有するオレフィン共重合体骨格へのグラフト重合体
である。適当な酸にはマレイン酸、シトラコン酸、アコ
ニチン酸、イタコン酸、クエン酸およびフマル酸、なら
びにこれらの無水物が含まれる。本発明記載の共重合体
は好ましくは実質的に無定形である。
【0047】好ましい共重合体は、1種または 2 種以
上の不飽和環状無水物、好ましくはマレイン酸無水物に
よりグラフトされたエチレン-プロピレン共重合体骨格
を有し、より好ましい具体例においては、骨格は残留不
飽和を含有しない。共重合体骨格中のエチレンの、およ
びプロピレンの量は、これらの成分のそれぞれに関し
て、骨格の重量に対して1ないし 99 重量%の範囲が可
能である。グラフト相の量は、グラフトオレフィン共重
合体の重量に対して約 0.1 ないし 10 %、好ましくは
0.5 ないし1.0 %、最も好ましくは約 0.7 %である。
適当な共重合体はエクソン(Exxon)からエクセラー(E
xxelor)VA-1803 の商品名で市販されている。
【0048】本発明の組成物は、その使用がポリカーボ
ネート技術で周知されている顔料および/または染料
− 本件明細書中では以後顔料 − を含有することがで
きる。本発明の関連で適当な顔料は商業的に容易に入手
し得る。
【0049】本発明記載の組成物は、熱可塑性成形用組
成物の技術で周知されている方法を用いて幸便に製造す
ることができる。さらに、そのポリカーボネート基剤成
形用組成物の関連における効力が公知である添加剤、強
化剤、充填剤、安定剤、難燃剤および離型剤も、本発明
記載の組成物中での使用に適している。
【0050】本発明を以下に説明する。下に例示した組
成物において、ABSは75%のブタジエンと 25 %の
スチレン-アクリロニトリルとを含有するバイエル社製
の商品名ノボデュール(Novodur)なるグラフト重合体
であり、ポリカーボネートはASTM D-1238に
従って測定して約19.8グラム/10分の熔融流動速
度(MFR)を有するバイエル社製の商品名マクロロン
(Makrolon)なる単独重合ポリカーボネートであり、
オレフィン共重合体は前記したエクソン社製の商品名エ
クセラー VA 1803なるオレフィングラフト共重合
体であった。
【0051】
【実施例】本発明の範囲内の組成物を製造し、その性質
を測定して下に概括してある。これらの性質は他の適当
な組成物との比較で設定してある。報告した衝撃強度は
1/4″ノッチイゾッドであり、示した試料は 120℃で 4
日間老化させた。引っ張り伸長値は同様に老化させた
試料について測定した。
【0052】
【表1】 表 1 組成物 1 2 3 ポリカーボネート(重量%) 100.0 95.0 95.0 ABS(重量%) − 5.0 2.5 オレフィン共重合体 − − 2.5 MFR 19.8 16.6 20.5 衝撃強度(23℃、フィート・ポンド/インチ) < 2.5 8.4 10.1 衝撃強度(−30℃、フィート・ポンド/インチ) < 2.0 5.5 4.1
【0053】
【表2】 表 2 組成物 4 5 6 7 ポリカーボネート(重量%) 100.0 95.5 95.5 95.5 ABS(重量%) − 4.5 2.25 4.5* オレフィン共重合体 − − 2.25 − MFR 19.8 15.5 16.8 16.1 引っ張り伸長(%) <10 18.4 30.5 − 衝撃強度(フィート・ポンド/インチ、老化) <2.5 9.3 10.0 6.2 * 組成物 7(対照例)に使用した耐衝撃性改良剤は
ローム・アンド・ハース(Rohm and Haas)のグラフト
ブタジエンゴム、パラロイド(Pararoid)3607 であっ
た。
【0054】上に示した組成物の中で、本発明記載の組
成物である組成物 3および 6 のみが良好な機械的性質
と良好な装飾性とを結合させていた。
【0055】本発明を説明の目的で上に詳細に記述した
が、この種の詳細は単にその目的のためのものであり、
当業者により、特許請求の範囲により限定され得るもの
を除いても、本発明の精神および範囲から外れることな
く変更が行われ得るものと理解すべきである。
【0056】
【実施態様】
【0057】
【実施態様項1】 (i) 約94ないし98パーセン
トの芳香族ポリカーボネート、 (ii) 約2ないし6パーセントの ABS、および (iii) 約2ないし6パーセントの1種または 2 種以
上の不飽和ジカルボン酸またはその無水物の約25,0
00ないし500,000の重量平均分子量と−30℃
以下のガラス転移温度とを有するオレフィン性共重合体
骨格へのグラフト重合体であるグラフトオレフィン共重
合体よりなる熱可塑性成形用組成物。
【0058】
【実施態様項2】 上記の分子量が約 30,000 ないし 1
00,000 であることを特徴とする実施態様項1記載の組
成物。
【0059】
【実施態様項3】 上記のガラス転移温度が −50℃ 以
下であることを特徴とする実施態様項2記載の組成物。
【0060】
【実施態様項4】 上記の酸がマレイン酸、シトラコン
酸、アコニチン酸、イタコン酸、クエン酸およびフマル
酸よりなるグループから選択したものであることを特徴
とする実施態様項1記載の組成物。
【0061】
【実施態様項5】 上記の共重合体が実質的に無定形で
あることを特徴とする実施態様項1記載の組成物。
【0062】
【実施態様項6】 上記の共重合体骨格がエチレン-プ
ロピレン共重合体よりなるものであることを特徴とする
実施態様項1記載の組成物。
【0063】
【実施態様項7】 上記のグラフトがマレイン酸無水物
よりなるものであることを特徴とする実施態様項6記載
の組成物。
【0064】
【実施態様項8】 上記のエチレンとプロピレンとが骨
格の重量に対して1ないし 99 重量%の範囲内で存在す
ることを特徴とする実施態様項6記載の組成物。
【0065】
【実施態様項9】 上記のグラフトがグラフトオレフィ
ン共重合体の重量に対して約 0.1 ないし 10 %の量で
存在することを特徴とする実施態様項1記載の組成物。
【0066】
【実施態様項10】 上記の量が 0.5 ないし 1.0 %で
あることを特徴とする実施態様項9記載の組成物。
フロントページの続き (72)発明者 シバラム・クリシユナン アメリカ合衆国ペンシルベニア州15241 ピツツバーグ・リトルメドウロード1653 (56)参考文献 米国特許出願公開4705827(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 69/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (i) 94ないし98パーセントの芳
    香族ポリカーボネート、 (ii) 2ないし6パーセントのABS、ただし該A
    BSは(a)ブタジエンをベースとする骨格と(b)該
    骨格の存在下に重合されたグラフト部分とからなり、該
    ブタジエンをベースとする骨格(a)はABSの重量に
    対して35ないし85パーセントのブタジエン含有量と
    0.05ないし5ミクロンの粒子サイズとを有してお
    り、該グラフト部分(b)はモノビニル芳香族炭化水素
    からなる第1のグループの単量体とアクリロニトリルお
    よび/またはアクリル酸エステルよりなる第2のグルー
    プの単量体とを含んでいる、 および (iii) 2ないし6パーセントの1種または2種以上
    の不飽和ジカルボン酸またはその無水物の25,000
    ないし500,000の重量平均分子量と−30℃以下
    のガラス転移温度とを有するオレフィン性共重合体骨格
    へのグラフト重合体であるグラフトオレフィン共重合
    、ただし該グラフト相の量は該グラフトオレフィン共
    重合体の重量に対し0.1ないし10重量%である、 よりなることを特徴とする熱可塑性成形用組成物。
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