JP3268676B2 - コークス炉の原料炭装入方法 - Google Patents
コークス炉の原料炭装入方法Info
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- JP3268676B2 JP3268676B2 JP00754993A JP754993A JP3268676B2 JP 3268676 B2 JP3268676 B2 JP 3268676B2 JP 00754993 A JP00754993 A JP 00754993A JP 754993 A JP754993 A JP 754993A JP 3268676 B2 JP3268676 B2 JP 3268676B2
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、コークス炉の原料炭装
入方法、特に石炭装入直後における炉蓋近傍からのガス
リークを抑制するコークス炉の原料炭装入方法に関す
る。
入方法、特に石炭装入直後における炉蓋近傍からのガス
リークを抑制するコークス炉の原料炭装入方法に関す
る。
【０００２】
【従来の技術】室炉式コークス炉の操業において、石炭
装入直後に炉蓋近傍からガス漏れがよく発生することが
知られている。このリークガスは人体に対して有害であ
り、劣悪な作業環境の源となっているので、炉蓋近傍か
らのガスリークを抑制することは従来からの大きな課題
であった。ガスリーク抑制手段としては、炉蓋と炉体の
密着性を良くして、シール性を向上させるために、炉
蓋の炉体への接触部に付着した凝縮タールやカーボンを
乾留サイクルごとにクリーニングする方法や定期的に
炉蓋の熱歪をとる方法などが従来試みられてきた。しか
し、炉蓋クリーニングは、手間がかかる割にはガス漏れ
防止効果が小さい。また、炉蓋メンテナンスは、効果が
あがるが、労力・費用を恒常的にかなり要するため根本
的な解決策とはいえない。そこで、従来この石炭装入直
後における炉蓋近傍でのガスリークについては、目をつ
ぶってきたのが実状である。
装入直後に炉蓋近傍からガス漏れがよく発生することが
知られている。このリークガスは人体に対して有害であ
り、劣悪な作業環境の源となっているので、炉蓋近傍か
らのガスリークを抑制することは従来からの大きな課題
であった。ガスリーク抑制手段としては、炉蓋と炉体の
密着性を良くして、シール性を向上させるために、炉
蓋の炉体への接触部に付着した凝縮タールやカーボンを
乾留サイクルごとにクリーニングする方法や定期的に
炉蓋の熱歪をとる方法などが従来試みられてきた。しか
し、炉蓋クリーニングは、手間がかかる割にはガス漏れ
防止効果が小さい。また、炉蓋メンテナンスは、効果が
あがるが、労力・費用を恒常的にかなり要するため根本
的な解決策とはいえない。そこで、従来この石炭装入直
後における炉蓋近傍でのガスリークについては、目をつ
ぶってきたのが実状である。
【０００３】一方、近年環境規制が厳しくなると共に労
働作業環境向上が強く要望されるようになってきた。か
かる状況下で、もはや従来と同様なレベルの炉蓋ガスリ
ークは許されず、炉蓋ガスリークを抑制する抜本的な解
決策が期待されている。
働作業環境向上が強く要望されるようになってきた。か
かる状況下で、もはや従来と同様なレベルの炉蓋ガスリ
ークは許されず、炉蓋ガスリークを抑制する抜本的な解
決策が期待されている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、石炭装入直
後における炉蓋近傍からのガスリークを抑制するコーク
ス炉の原料炭装入方法を提供することを目的とする。
後における炉蓋近傍からのガスリークを抑制するコーク
ス炉の原料炭装入方法を提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段及び作用】発明者らは、上
記のような問題点を解決するため、炉蓋近傍からのガス
リークを抑制する乾留方法について検討を行ってきた。
発明者らはコークス炉炉蓋から発生ガスリークが生じる
のは主に装入初期であることに着目し、これは乾留初期
においてガス道（炉蓋−炉壁間のガス通過空間）内部の
ガス圧が高いことが原因であることをみいだした。そし
てこのガス圧が高いのはガス発生量が乾留初期に多
く、熱分解発生ガスの流路であるコークス−炉壁間の
通気抵抗が大きいことが原因であることを見いだした。
ガス発生量は炉に装入する石炭銘柄と乾留条件により決
定されるので減少させることは難しいが、コークス−炉
壁間の通気抵抗は、空隙率の大きな物質をスペーサーと
して装入することにより低減可能である。本発明はこの
知見に基づいてなされた。
記のような問題点を解決するため、炉蓋近傍からのガス
リークを抑制する乾留方法について検討を行ってきた。
発明者らはコークス炉炉蓋から発生ガスリークが生じる
のは主に装入初期であることに着目し、これは乾留初期
においてガス道（炉蓋−炉壁間のガス通過空間）内部の
ガス圧が高いことが原因であることをみいだした。そし
てこのガス圧が高いのはガス発生量が乾留初期に多
く、熱分解発生ガスの流路であるコークス−炉壁間の
通気抵抗が大きいことが原因であることを見いだした。
ガス発生量は炉に装入する石炭銘柄と乾留条件により決
定されるので減少させることは難しいが、コークス−炉
壁間の通気抵抗は、空隙率の大きな物質をスペーサーと
して装入することにより低減可能である。本発明はこの
知見に基づいてなされた。
【０００６】本発明は、室炉式コークス炉において原料
炭を装入する際、炉長方向内側の装入口より配合炭を装
入し、両端の装入口より装入初期に成型炭もしくは成型
炭を含む配合炭を、装入後期に配合炭を装入して、炉底
部の炉蓋近傍に成型炭を集中装入させ、相互に融着させ
ることを特徴とするコークス炉の原料炭装入方法。
炭を装入する際、炉長方向内側の装入口より配合炭を装
入し、両端の装入口より装入初期に成型炭もしくは成型
炭を含む配合炭を、装入後期に配合炭を装入して、炉底
部の炉蓋近傍に成型炭を集中装入させ、相互に融着させ
ることを特徴とするコークス炉の原料炭装入方法。
【０００７】室炉式コークス炉において原料炭を装入す
る際、炉長方向内側の装入口より配合炭を装入し、両端
の装入口より装入初期に塊炭もしくは塊炭を含む配合炭
を、装入後期に配合炭を装入して、炉底部の炉蓋近傍に
塊炭を集中装入させ、相互に融着させることを特徴とす
るコークス炉の原料炭装入方法である。
る際、炉長方向内側の装入口より配合炭を装入し、両端
の装入口より装入初期に塊炭もしくは塊炭を含む配合炭
を、装入後期に配合炭を装入して、炉底部の炉蓋近傍に
塊炭を集中装入させ、相互に融着させることを特徴とす
るコークス炉の原料炭装入方法である。
【０００８】本発明方法によれば、炉底部の炉蓋近傍部
分に集中的に装入された成型炭は、装入直後に融着する
が、熱分解発生ガスは融着した成型炭間の空隙を通って
炉頂方向に流れるため、炉底部炉蓋近傍でのガス圧が高
くならず、炉蓋からのガスリークが生じない。すなわ
ち、熱分解発生ガスの流路であるコークス−炉壁間の通
気抵抗を小さくすることにより、ガスリークを抑制す
る。また成型炭は相互に融着するため、押出時において
もコークスケーキは崩れる事なく、操業上なんら問題を
生じない。
分に集中的に装入された成型炭は、装入直後に融着する
が、熱分解発生ガスは融着した成型炭間の空隙を通って
炉頂方向に流れるため、炉底部炉蓋近傍でのガス圧が高
くならず、炉蓋からのガスリークが生じない。すなわ
ち、熱分解発生ガスの流路であるコークス−炉壁間の通
気抵抗を小さくすることにより、ガスリークを抑制す
る。また成型炭は相互に融着するため、押出時において
もコークスケーキは崩れる事なく、操業上なんら問題を
生じない。
【０００９】また、本方法は成型炭でなく、粒度の大き
な塊炭を用いても同様に成立する。
な塊炭を用いても同様に成立する。
【００１０】
【実施例】この発明を実炉に適用する際には、図１に示
すように、コークス炉の炉長方向内側にある装炭ホッパ
ー１に配合炭２を受け込み、炉蓋３側の装炭ホッパー下
部に成型炭もしくは成型炭を含む配合炭４を、上部に配
合炭２を受け込む。そして、各ホッパーより装入し、炉
底部の炉蓋近傍に成型炭を集中的に装入する。
すように、コークス炉の炉長方向内側にある装炭ホッパ
ー１に配合炭２を受け込み、炉蓋３側の装炭ホッパー下
部に成型炭もしくは成型炭を含む配合炭４を、上部に配
合炭２を受け込む。そして、各ホッパーより装入し、炉
底部の炉蓋近傍に成型炭を集中的に装入する。
【００１１】次に試験コークス炉によりこの発明を実施
した場合について説明する。
した場合について説明する。
【００１２】実験には、幅４００ｍｍ，高さ６００ｍ
ｍ，長さ６００ｍｍの炭化室を有する試験コークス炉を
用い、石炭装入後炉温１３５０℃で１８時間乾留し、押
しだした後窒素冷却した。実験１では全量粉炭を装入
し、実験２では図２に示すように炉底部の炉蓋５近傍に
成型炭６を集中的に装入し、上から粉炭７を装入した。
なお試験コークス炉は装入口８が一つのため、実炉のよ
うに成型炭と粉炭を別々のホッパーに受け込むことがで
きない。そこで実験では、まず初めに成型炭を装入し、
装入口から差し込んだ棒で成型炭を炉蓋近傍にかき寄せ
た後、上から粉炭を追加装入した。このような条件下で
乾留を行い、両者において、炉底部の炉蓋近傍における
ガス圧力の経時変化を測定した。
ｍ，長さ６００ｍｍの炭化室を有する試験コークス炉を
用い、石炭装入後炉温１３５０℃で１８時間乾留し、押
しだした後窒素冷却した。実験１では全量粉炭を装入
し、実験２では図２に示すように炉底部の炉蓋５近傍に
成型炭６を集中的に装入し、上から粉炭７を装入した。
なお試験コークス炉は装入口８が一つのため、実炉のよ
うに成型炭と粉炭を別々のホッパーに受け込むことがで
きない。そこで実験では、まず初めに成型炭を装入し、
装入口から差し込んだ棒で成型炭を炉蓋近傍にかき寄せ
た後、上から粉炭を追加装入した。このような条件下で
乾留を行い、両者において、炉底部の炉蓋近傍における
ガス圧力の経時変化を測定した。
【００１３】図３に、炉底部の炉蓋近傍におけるガス圧
力の経時変化を示す。図より、成型炭を装入した実験２
では、ガス圧力がかなり低くなっていることがわかる。
この試験結果より、炉底部の炉蓋近傍に成型炭を集中装
入することにより、乾留初期におけるガス圧を低減し、
ガスリーク抑制が可能であることがわかる。
力の経時変化を示す。図より、成型炭を装入した実験２
では、ガス圧力がかなり低くなっていることがわかる。
この試験結果より、炉底部の炉蓋近傍に成型炭を集中装
入することにより、乾留初期におけるガス圧を低減し、
ガスリーク抑制が可能であることがわかる。
【００１４】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
石炭装入直後における炉蓋近傍からのガスリークを抑制
することができる。
石炭装入直後における炉蓋近傍からのガスリークを抑制
することができる。
【００１５】この方法は多大な設備投資を必要としない
簡便な方法であり、しかも従来から克服困難であったガ
スリークを抑制することができる。この方法を用いるこ
とにより、現状のコークス炉で厳しい環境規制に耐える
操業が可能である。
簡便な方法であり、しかも従来から克服困難であったガ
スリークを抑制することができる。この方法を用いるこ
とにより、現状のコークス炉で厳しい環境規制に耐える
操業が可能である。
【図１】本発明の一実施例におけるコークス炉への原料
炭装入を示す説明図。
炭装入を示す説明図。
【図２】試験炉での成型炭および配合炭の装入状況を示
す図。
す図。
【図３】炉底部の炉蓋近傍におけるガス圧力の経時変化
を示す図。
を示す図。
【符号の説明】 １…装炭ホッパー ２…配合炭（粉
炭） ３…炉蓋 ４…成型炭 ５…炉蓋 ６…成型炭 ７…配合炭（粉炭） ８…装入口
炭） ３…炉蓋 ４…成型炭 ５…炉蓋 ６…成型炭 ７…配合炭（粉炭） ８…装入口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) C10B 47/00 C10B 57/00
Claims (2)
- 【請求項１】 室炉式コークス炉において原料炭を装入
する際、炉長方向内側の装入口より配合炭を装入し、両
端の装入口より装入初期に成型炭もしくは成型炭を含む
配合炭を、装入後期に配合炭を装入して、炉底部の炉蓋
近傍に成型炭を集中装入させ、相互に融着させることを
特徴とするコークス炉の原料炭装入方法。 - 【請求項２】 室炉式コークス炉において原料炭を装入
する際、炉長方向内側の装入口より配合炭を装入し、両
端の装入口より装入初期に塊炭もしくは塊炭を含む配合
炭を、装入後期に配合炭を装入して、炉底部の炉蓋近傍
に塊炭を集中装入させ、相互に融着させることを特徴と
するコークス炉の原料炭装入方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP00754993A JP3268676B2 (ja) | 1993-01-20 | 1993-01-20 | コークス炉の原料炭装入方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP00754993A JP3268676B2 (ja) | 1993-01-20 | 1993-01-20 | コークス炉の原料炭装入方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06212162A JPH06212162A (ja) | 1994-08-02 |
| JP3268676B2 true JP3268676B2 (ja) | 2002-03-25 |
Family
ID=11668884
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP00754993A Expired - Fee Related JP3268676B2 (ja) | 1993-01-20 | 1993-01-20 | コークス炉の原料炭装入方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3268676B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP7028210B2 (ja) * | 2019-03-19 | 2022-03-02 | Ｊｆｅスチール株式会社 | 石炭塔およびコークスの製造方法 |
-
1993
- 1993-01-20 JP JP00754993A patent/JP3268676B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH06212162A (ja) | 1994-08-02 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20011127 |
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