JP3268237B2 - フォトカソードを用いた電子銃 - Google Patents

フォトカソードを用いた電子銃

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JP3268237B2
JP3268237B2 JP20319097A JP20319097A JP3268237B2 JP 3268237 B2 JP3268237 B2 JP 3268237B2 JP 20319097 A JP20319097 A JP 20319097A JP 20319097 A JP20319097 A JP 20319097A JP 3268237 B2 JP3268237 B2 JP 3268237B2
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J3/00Details of electron-optical or ion-optical arrangements or of ion traps common to two or more basic types of discharge tubes or lamps
    • H01J3/02Electron guns
    • H01J3/021Electron guns using a field emission, photo emission, or secondary emission electron source
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J23/00Details of transit-time tubes of the types covered by group H01J25/00
    • H01J23/02Electrodes; Magnetic control means; Screens
    • H01J23/06Electron or ion guns
    • H01J23/065Electron or ion guns producing a solid cylindrical beam

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  • Electron Sources, Ion Sources (AREA)
  • Particle Accelerators (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子銃に関し、特
に電子ビームのエネルギを増大し、電子ビーム取り出し
の繰り返し周波数を高くするのに適した電子銃に関す
る。
【0002】
【従来の技術】フォトカソードを用いた高周波電子銃
(RFガン)は、空洞を画定する導電性の容器、空洞内
に光電子を放出するフォトカソード、空洞内に高周波電
場を発生させる導波路を含んで構成される。フォトカソ
ードに周期的に光を照射すると、空洞内にパルス的に光
電子が放出される。この光電子が、空洞内に発生した高
周波電場によって集束、加速される。高周波電場は、フ
ォトカソードへの光照射に同期して印加される。例え
ば、光照射の繰り返し周波数は10Hz程度にされる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】電子銃から周期的に放
出される電子ビームの繰り返し周波数を高くすることが
望まれている。また、取り出される電子ビームのエネル
ギを高くすることが望まれている。
【0004】本発明の目的は、電子ビーム取り出しの繰
り返し周波数を高くし、高エネルギの電子ビームの取り
出しに適した電子銃を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の一観点による
と、電子ビームが伝搬する空洞を画定する導電性容器
と、光照射によって前記空洞内に光電子を放出するフォ
トカソードと、前記空洞内にマイクロ波を導入する導波
管と、記導電性容器の壁に設けられ、前記空洞内に放出
された光電子を空洞外に導出するための開口部と、記導
電性容器を強制的に冷却するための冷媒を流す流路とを
有し、前記導電性容器が、円筒状の内周面を画定する円
筒部と、該円筒状の内周面の軸方向のある位置におい
て、全周囲からその中心軸に向かって庇状に突出し、中
心部分に貫通孔を画定する突出部とを有する電子銃が提
供される。
【0006】空洞内にマイクロ波を導入すると、空洞内
に高周波電場が励起される。この電場により、フォトカ
ソードから放出された光電子が加速される。また、高周
波電場により、導電性容器の温度が上昇する。流路に冷
媒を流すことにより、温度上昇を抑制することができ
る。
【0007】
【発明の実施の形態】本願発明の実施例を説明する前
に、フォトカソードを用いた高周波電子銃(RFガン)
の構造及び動作原理について説明する。
【0008】図6は、最も簡単なRFガンの概略断面図
を示す。導電性の容器100によりキャビティ101が
画定されている。容器100の内面にフォトカソード1
02が取り付けられている。容器100の壁に設けられ
た窓103を通してキャビティ101内に光が入射し、
フォトカソード102の表面を照射する。フォトカソー
ド102からキャビティ101内に光電子が放出され
る。
【0009】容器100に取り付けられた導波管104
を通してキャビティ101内にマイクロ波が入射し、キ
ャビティ101内に高周波電場が励起される。フォトカ
ソード102から放出された光電子が、高周波電場によ
り加速され、容器100の壁に設けられた開口105を
通って外部に放出される。
【0010】通常、フォトカソード102にパルス的に
光が照射され、光の照射に同期したパルス状の電子ビー
ムが取り出される。マイクロ波は、光の照射に同期して
断続的にキャビティ101内に入射される。
【0011】従来、フォトカソードを用いたRFガン
は、主に研究用装置として開発されてきた。このため、
電子ビームの取り出しの繰り返し周波数が10Hz程度
以下となる条件で使用されていた。
【0012】本願発明者は、解析的検討により電子ビー
ム取り出しの繰り返し周波数を高くしていくと、容器の
温度上昇により安定した動作が困難になることを見出し
た。以下に、本願発明者の行った解析について説明す
る。
【0013】図6に示す容器100を、銅製の中空の円
筒状形状と仮定し、1次元簡易モデルについて解析的検
討を行った。円筒状容器の内周面から熱が流入し、外周
面から放熱される。内周面からの入熱量をQin(kca
l/hr)、容器の熱伝導率をλ(kcal/m/hr
/℃)、容器の長さをL(cm)、容器の内周面の温度
をθ1 (℃)、外周面の温度をθ2 (℃)、容器の内周
面の半径をr1 (cm)、外周面の半径をr2 (cm)
とすると、
【0014】
【数1】 Qin=2πλL(θ1 −θ2 )/ln(r2 /r1 ) …(1) が成立する。
【0015】定常状態では、内周面からの入熱量と外周
面からの放熱量が等しくなくなる。このため、容器の外
周面における境膜伝熱係数をh(kcal/m2 /hr
/℃)、周囲の温度をθ3 (℃)とすると、
【0016】
【数2】 Qin=h×2πr2 L(θ2 −θ3 ) …(2) が成立する。
【0017】RF電力を入力したときの円筒状容器の内
周面における電力損失をqin(W/cm2 )とすると、
内周面からの入熱量Qinは、 Qin=qin(2πr1 L/1000)×3600/4.18…(3) と表される。
【0018】エミッタンスの高い電子ビームを取り出す
には、電子ビームのエネルギをなるべく高くすることが
好ましい。例えば、4.3MeVの電子ビームを得るた
めには、入力するRF電力を6〜7MWとする必要があ
る。RF電力を6〜7MW、電子ビーム取り出しの繰り
返し周波数を50Hz、1周期あたりの入射時間を3.
5μsとしたとき、経験的に銅表面において約5W/c
2 程度の電力損失を生ずると考えられる。qin=5W
/cm2 、λ=332kcal/m/hr/℃、L=
3.2cm、r1 =4.125cm、r2 =6.67c
mとした場合、式(3)からQin=357.15kca
l/hrとなる。これを式(1)に代入すると、θ1
θ2 =2.57℃となる。すなわち、円筒状容器の内周
面から5W/cm2 の入熱があると、内周面と外周面と
の間に2.57℃の温度差が生ずることになる。
【0019】銅表面を自然対流で除熱する場合の境膜伝
熱係数hは、約10kcal/m2/hr/℃程度であ
る。式(2)において外気温度θ3 を25℃とすると、
θ2=2688℃となる。このように、自然対流による
除熱では、銅の融点以上まで温度が上昇することにな
り、6〜7MWのRF電力を入力できないことがわか
る。
【0020】円筒状容器の外周面の温度を40℃とする
ために必要な境膜伝熱係数hは、式(2)においてθ2
=40℃とすることにより、h=1775kcal/m
2 /hr/℃となる。この程度の境膜伝熱係数は、乱流
域の水流を用いることにより達成可能である。
【0021】上記考察から、空冷により円筒状容器を十
分冷却することは困難であるが、水冷により十分な冷却
が可能であると思われる。
【0022】次に、図1及び図2を参照して、本発明の
実施例によるRFガンについて説明する。
【0023】図1(A)は、実施例によるRFガンの断
面図を示す。銅製の円筒状の容器1により空洞2が画定
されている。円筒状容器1の一方の端は、銅製の蓋3で
密閉されている。蓋3と円筒状容器1との間には、金属
製のOリングが介在し、気密性が保たれている。円筒状
容器1の他端は、中央に円形の開口4が形成されたフラ
ンジ構造を有する。
【0024】蓋3の内面のほぼ中央に、マグネシウム製
のフォトカソード5が取り付けられている。
【0025】円筒状容器1の内周面の軸方向の所定の位
置に、全周囲からその中心軸に向かって庇状に突出した
突出部6が形成されている。突出部6は、その中心部分
に円形の貫通孔7を画定する。突出部6により、空洞2
が、フォトカソード5側の第1空洞2aと開口4側の第
2空洞2bに分離される。
【0026】蓋3の内部に流路10が形成されている。
流路10は、蓋3の中心軸に関して4回回転対称になる
ように配置された4つの流路から構成される。各流路1
0は、蓋3の外周面から中心軸に向かって延在し、中心
に至る手前で折り返し、外周面に戻る。
【0027】円筒状容器1に、流路11及び12が形成
されている。流路11は、円筒状容器1の中心軸方向に
関して突出部6に対応する位置に設けられている。流路
12は、円筒状容器1の開口4が設けられた端部近傍に
形成されている。
【0028】図1(B)は、図1(A)の一点鎖線B1
−B1における断面図、すなわち流路11の形成された
位置における断面図を示す。図1(B)の一点鎖線A1
−A1における断面が図1(A)に相当する。流路11
は、円筒状容器1の外周面から半径方向に沿い突出部6
の内部まで延在する。円筒状容器1の内周面よりも径の
小さな位置において折り返され、半径方向に沿って外周
面に戻る。
【0029】図1(C)は、図1(A)の一点鎖線C1
−C1における断面図、すなわち流路12の形成された
位置における断面図を示す。図1(C)の一点鎖線A1
−A1における断面が図1(A)に相当する。流路12
は、8本設けられている。各流路12は、図1(A)に
示すように、円筒状容器1の中心軸に平行に延在する流
路部分、及びその両端においてその流路部分にそれぞれ
連通し、円筒状容器1の外周面に開口する2本の流路部
分から構成される。なお、図1(C)に示すように、流
路12が中心軸に対して回転対称になるように配置され
ていないのは、図2(B)を参照して後述する導波管の
配置を考慮したためである。
【0030】図2(A)は、図1(B)の一点鎖線A2
−A2における断面図を示す。第1空洞2aの側壁に2
つのレーザ導入孔20が形成されている。レーザ導入孔
20にはレーザ光を透過する窓21が設けられ、空洞2
内が気密に保たれている。レーザ導入孔20から第1空
洞2a内に入射したレーザ光は、フォトカソード5を照
射する。
【0031】図2(B)は、図1(B)の一点鎖線B2
−B2における断面図を示す。導波管8が円筒状容器1
の側壁を貫通し、第2空洞2bに連通している。導波管
8が取り付けられた位置に対向する側壁部に、真空ダク
ト9が取り付けられている。真空ダクト9を介して空洞
2a及び2b内が真空排気される。
【0032】次に、図1及び図2に示すRFガンの動作
について説明する。図2(A)に示すレーザ導入孔20
から第1空洞2a内に、波長266nm、パルス幅5〜
10psのNd:YLFレーザ光を入射する。レーザ光
がフォトカソード5を照射すると、フォトカソード5か
ら光電子が放出される。
【0033】レーザ光の照射に同期して、図2(B)に
示す導波管8から第2空洞2b内に、周波数2.856
GHz、電力6〜7MWのマイクロ波を、1周期あたり
約1μsの期間だけ入射する。第1空洞2a及び第2空
洞2b内に高周波電場が励起される。
【0034】フォトカソード5から放出された光電子
が、第1空洞2a及び第2空洞2b内に励起された高周
波電場により加速され、開口4を通って外部に放出され
る。このようにして、パルス状の電子ビームが得られ
る。
【0035】図1(A)に示す流路10、11及び12
に、冷却水を流しておく。冷却水により、円筒状容器1
及び蓋3の温度上昇を抑制することができる。RFガン
の各部の熱膨張が抑制され、第1空洞2a及び第2空洞
2bの寸法ずれによる動作の不安定性を解消することが
できる。また、大電力のマイクロ波の入射が可能になる
ため、光エネルギの電子ビームを得ることができる。さ
らに、電子ビーム取り出しの繰り返し周波数を高めるこ
とが可能になる。
【0036】次に、水冷の効果を検証したシミュレーシ
ョン結果について説明する。シミュレーションに用いた
RFガンのモデルは、中心軸に関して回転対称とした。
従って、各流路10、11及び12は、中心軸に関して
回転対称な円環状形状を有する。
【0037】図3は、シミュレーションモデルの回転中
心軸30を含む断面の片側を示す。シミュレーションモ
デルにおける蓋3の厚さは26mm、第1空洞2aの厚
さは23mm、突出部6の厚さは22mm、第2空洞2
bの厚さは32mm、フランジ部の厚さは21.5mm
である。また、円筒状容器1の外周面の半径は66.7
mm、内周面の半径は41.25mm、突出部6の先端
に画定された貫通孔7及び開口4の半径は12.5mm
である。
【0038】流路10は蓋3の内部に埋め込まれてい
る。その内周面の半径は20mm、外周面の半径は40
mm、軸方向の厚さは9mm、第1空洞2aの図の上面
との間隔は10mmである。冷却水は、流路10の外周
面から内周面に向かって径方向に流れる。
【0039】流路11は突出部6の内部に埋め込まれて
いる。その内周面の半径は26.25mm、外周面の半
径は36.25mm、軸方向の厚さは9mm、第2空洞
2bの図の上面との間隔は2mmである。冷却水は、流
路11の外周面から内周面に向かって径方向に流れる。
【0040】流路12は円筒状容器1のフランジ部近傍
に埋め込まれている。その内周面の半径は43.25m
m、外周面の半径は52.25mm、軸方向の厚さは1
0mm、第2空洞2bの図の下面を延長した平面との間
隔は2mmである。冷却水は、流路12の図の上面から
下面に向かって中心軸30に平行な方向に流れる。各流
路とも、水の流入面と流出面(図3において二重線で示
す面)においては断熱状態であり、水流に平行な面での
み熱の流入があると仮定した。
【0041】RFガンの内面をS1からS23までの2
3個の領域に分け、各領域ごとに入熱量を仮定した。領
域S1からS23までの各領域ごとに仮定した入熱量
は、それぞれ0.33W/cm2 、1.40W/c
2 、2.64W/cm2 、2.86W/cm2 、2.
44W/cm2 、2.40W/cm2 、2.75W/c
2、2.53W/cm2 、0.65W/cm2 、0.
0008W/cm2 、0.0002W/cm2 、0.0
03W/cm2 、0.01W/cm2 、1.17W/c
2 、4.62W/cm2 、5.06W/cm2 、4.
41W/cm2 、4.42W/cm2 、4.41W/c
2 、5.06W/cm2 、4.62W/cm 2 、1.
19W/cm2 、0.01W/cm2 である。なお、こ
れらの入熱量の分布は、経験上得られたデータに従って
決定した。また、その最大値が約5W/cm2 になるよ
うに決めた。
【0042】RFガンの外周面は対大気放熱条件(境膜
伝熱係数h=10kcal/hr/m2 /℃)、内面
(領域S1〜S23)は断熱条件とした。また、各流路
の流入面においては流速が一定であり、流出面において
は流量が保存されると仮定した。 外気温度は25℃、
冷却水の流入面における温度は25℃、流速は0.5m
/sである。この条件で、流路10、11及び12を流
れる冷却水の流量は、それぞれ67.8リットル/mi
n、61.5リットル/min、及び81.0リットル
/minになる。
【0043】図4は、RFガン内の温度分布を示す。図
4内に示す曲線は等温線であり、各等温線に対応して温
度を示している。開口部4近傍で最も高温になり、その
温度は約325K(52℃)であった。また、最低温度
は、約318K(45℃)であった。最高温度と最低温
度との差は約7℃である。
【0044】これに対し、冷却水用の流路を形成しない
場合について同様の条件でシミュレーションしたとこ
ろ、突出部6の先端で最高温度約2310K(2037
℃)を示し、外周面のコーナ部で最低温度約2300K
(2027℃)を示した。最高温度と最低温度との温度
差は、約10℃であった。
【0045】このように、RFガンの容器内に冷却水用
の流路を埋め込み、冷却水を流して冷却することによ
り、RFガンの温度上昇を抑え、温度差も減少させるこ
とができる。
【0046】なお、図3に示すシミュレーションモデル
では、RFガンの容器内に円環状の流路を形成してい
る。これに対し、図1(A)に示すRFガンの各流路
は、中心軸の回りに全周にわたって連続して配置されて
はいない。このため、図1(A)に示すRFガンでは、
シミュレーションモデルよりも冷却性能が低下すると考
えられる。そこで、図3に示すシミュレーションモデル
よりも条件を厳しくし、流路11の第2空洞2b側の面
を断熱状態と仮定した場合(ケース1)、及び流路11
の第2空洞2b側の面と流路12の中心軸30側の面を
断熱状態と仮定した場合(ケース2)について、シミュ
レーションを行った。その他の条件は、上記シミュレー
ションの場合と同様とした。
【0047】ケース1の場合、最高温度は約331K
(58℃)、最低温度は321K(48℃)であり、最
大温度差は10℃であった。ケース2の場合、最高温度
は約341K(68℃)、最低温度は321K(48
℃)であり、最大温度差は20℃であった。このよう
に、図3のシミュレーションモデルに比べて、温度上昇
幅が大きくなる。しかし、空冷のみの場合に比べて温度
上昇幅は少なくなっており、水冷の効果が現れている。
【0048】図1及び図2に示した実施例を、実際のR
Fガンに適用する場合には、RFガンの寸法、印加する
RF電力、繰り返し周波数等の実際の使用条件に応じ
て、好適な流路形状、流路数、冷却水の流量等を求める
ことが好ましい。
【0049】次に、図5を参照して、図1に示す流路1
1の他の構成例について説明する。図5は、図1の一点
鎖線B1−B1に相当する断面図を示す。流路31が、
円筒状容器1の外周面から壁内に入り込み、中心の貫通
孔7の周囲を回って外周面に戻っている。流路31は、
5つの直線状の流路部分31A〜31Eにより構成され
る。
【0050】流路部分31B〜31Eの各々は、貫通孔
7を取り囲む正方形の各辺に沿って配置されている。各
流路部分31B〜31Eは、円筒状容器1の外周面から
この正方形の各辺に沿って直線状の孔を堀ることにより
形成される。流路部分31C〜31Eを構成する孔は、
それぞれ流路部分31B〜31Dに連通する深さまで掘
られている。流路部分31Bを構成する孔は、流路部分
31Eに連通する直前で止まり、その先端において、流
路部分31Eに平行に掘られた流路部分31Aに連通し
ている。流路部分31B〜31Dの各開口部は、蓋で塞
がれている。
【0051】各流路部分31B〜31Eの一部は、図1
(A)における突出部6の内部、すなわち円筒状容器1
の内径よりも径の小さな部分を通過する。円形断面の中
心から流路部分31B〜31Eの中心までの距離は、例
えば約19mmである。なお、その他の部分の大きさ
は、図3で説明した通りである。このような構成とする
ことにより、突出部6を効果的に冷却することができ
る。
【0052】図5では、正方形の各辺に沿った直線状の
流路部分を有する流路について示したが、貫通孔7のま
わりをほぼ1周するその他の形状の流路も設けてもよ
い。例えば5角形以上の多角形の外周、円周等に沿う流
路を設けてもよい。この場合も、流路の一部が円筒状容
器1の内径よりも径の小さな部分を通過するように構成
することが好ましい。
【0053】以上実施例に沿って本発明を説明したが、
本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種
々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に
自明であろう。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
RFガンの温度上昇を抑制することができ、電子ビーム
のエネルギを増大し、電子ビーム取り出しの繰り返し周
波数を高くすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例によるRFガンの断面図であ
る、
【図2】本発明の実施例によるRFガンの断面図であ
る、
【図3】RFガンのシミュレーションモデルの部分断面
図である。
【図4】RFガン内の温度分布を示す図である。
【図5】RFガンの流路の他の構成例を示す断面図であ
る。
【図6】従来のRFガンの断面図である。
【符号の説明】
1 円筒状容器 2 空洞 3 蓋 4 開口 5 フォトカソード 6 突出部 7 貫通孔 8 導波管 9 真空ダクト 10、11、12、31 流路 20 レーザ導入孔 21 窓 31A〜31E 流路部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 37/073 H01J 37/248

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子ビームが伝搬する空洞を画定する導
    電性容器と、 光照射によって前記空洞内に光電子を放出するフォトカ
    ソードと、 前記空洞内にマイクロ波を導入する導波管と、 前記導電性容器の壁に設けられ、前記空洞内に放出され
    た光電子を空洞外に導出するための開口部と、 前記導電性容器を強制的に冷却するための冷媒を流す流
    路とを有し、 前記導電性容器が、 円筒状の内周面を画定する円筒部と、 該円筒状の内周面の軸方向のある位置において、全周囲
    からその中心軸に向かって庇状に突出し、中心部分に貫
    通孔を画定する突出部とを有する電子銃。
  2. 【請求項2】 前記流路が、前記導電性容器の壁内に埋
    設されている請求項1に記載の電子銃。
  3. 【請求項3】 前記流路が、前記導電性容器の外周面か
    ら壁内に入り込み、前記突出部の内部において、少なく
    とも一部が前記円筒部の内周面の内径よりも径の小さな
    位置を通過し、前記導電性容器の外周面に達する請求項
    1に記載の電子銃。
  4. 【請求項4】 前記流路が、前記突出部の内部において
    前記円筒部の内周面の内径よりも径の小さな位置で折り
    返され、外周面に戻ってくる請求項3に記載の電子銃。
  5. 【請求項5】 前記流路が、前記突出部の中心の貫通孔
    の周囲を回り、外周面に達する請求項3に記載の電子
    銃。
  6. 【請求項6】 前記流路が、前記円筒部の中心軸に平行
    な方向に流れる部分を有する請求項1に記載の電子銃。
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