JP2001057168A - 加速空洞を有する電子銃及び電子ビーム発生方法 - Google Patents

加速空洞を有する電子銃及び電子ビーム発生方法

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JP2001057168A
JP2001057168A JP11232541A JP23254199A JP2001057168A JP 2001057168 A JP2001057168 A JP 2001057168A JP 11232541 A JP11232541 A JP 11232541A JP 23254199 A JP23254199 A JP 23254199A JP 2001057168 A JP2001057168 A JP 2001057168A
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JP
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cavity
refrigerant
flow rate
temperature
electron beam
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Kinhou You
金峰 楊
Yasushi Aoki
康 青木
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Sumitomo Heavy Industries Ltd
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Sumitomo Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子ビーム取り出しの繰り返し周波数を高く
し、高エネルギの電子ビームの取り出しに適した電子銃
を提供する。 【解決手段】 導電性容器が、電子ビームが伝搬する空
洞を画定する。光照射によってフォトカソードから空洞
内に光電子が放出される。導波管を経由して空洞内にマ
イクロ波が導入される。導電性容器を強制的に冷却する
ための冷媒を流す流路が設けられている。冷媒供給手段
が、冷媒の温度及び流量のうち少なくとも一方を制御し
て流路に冷媒を供給する。観測手段が、導波管を通じて
空洞内に導入される入射波と、空洞からの反射波とを観
測する。制御手段が、観測手段による観測結果に基づい
て、冷媒の温度及び流量のうち少なくとも一方を調節す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、共振空洞内にマイ
クロ波を供給し、その共振空洞内に発生した電界により
電子ビームを加速する電子銃及び電子ビーム発生方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】フォトカソードを用いた高周波電子銃
(RFガン)は、空洞を画定する導電性の容器、空洞内
に光電子を放出するフォトカソード、空洞内にマイクロ
波を導く導波路を含んで構成される。フォトカソードに
周期的に光を照射すると、空洞内にパルス的に光電子が
放出される。この光電子が、空洞内に発生した高周波電
場によって加速される。マイクロ波は、フォトカソード
への光照射に同期してパルス的に導入される。例えば、
光照射の繰り返し周波数は10Hz程度にされる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】電子銃から周期的に放
出される電子ビームの繰り返し周波数を高くすることが
望まれている。また、取り出される電子ビームのエネル
ギを高くすることが望まれている。
【0004】本発明の目的は、電子ビーム取り出しの繰
り返し周波数を高くし、高エネルギの電子ビームの取り
出しに適した電子銃を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の一観点による
と、電子ビームが伝搬する空洞を画定する導電性容器
と、光照射によって前記空洞内に光電子を放出するフォ
トカソードと、前記空洞内にマイクロ波を導入する導波
管と、前記導電性容器の壁に設けられ、前記空洞内に放
出された光電子を空洞外に導出するための開口部と、前
記導電性容器を強制的に冷却するための冷媒を流す流路
と、冷媒の温度及び流量のうち少なくとも一方を制御し
て前記流路に冷媒を供給する冷媒供給手段と、前記導波
管を通じて前記空洞内に導入される入射波と、該空洞か
らの反射波とを観測する観測手段と、前記観測手段によ
る観測結果に基づいて、前記冷媒供給手段から供給され
る冷媒の温度及び流量のうち少なくとも一方を調節する
制御手段とを有する電子銃が提供される。
【0006】本発明の他の観点によると、導電性容器に
より画定された共振空洞内にマイクロ波を導入し、該共
振空洞内の電子ビームを加速する工程と、前記導電性容
器に設けられた流路に冷媒を流し、該導電性容器を冷却
する工程と、前記共振空洞内に導入されているマイクロ
波の進行波と反射波とを観測する工程と、前記観測工程
の結果に基づいて、前記流路に流す冷媒の温度及び流量
のうち少なくとも一方を調節する工程とを有する電子ビ
ーム発生方法が提供される。
【0007】冷媒の温度または流量を調節することによ
り、導電性容器の温度変動を抑制することができる。温
度変動による膨張及び収縮が抑制されるため、空洞の共
振周波数の変動が抑制され、安定した共振が得られる。
【0008】
【発明の実施の形態】図1(A)に、実施例によるフォ
トカソードと共振空洞の断面図を示す。銅製の円筒状の
容器1により空洞2が画定されている。円筒状容器1の
一方の端は、銅製の蓋3で密閉されている。蓋3と円筒
状容器1との間には、金属製のOリングが介在し、気密
性が保たれている。円筒状容器1の他端は、中央に円形
の開口4が形成されたフランジ構造を有する。
【0009】蓋3の内面のほぼ中央に、フォトカソード
5が取り付けられている。フォトカソード5は、例えば
マグネシウムや無酸素銅で形成される。
【0010】円筒状容器1の内周面の軸方向の所定の位
置に、全周囲からその中心軸に向かって庇状に突出した
突出部6が形成されている。突出部6は、その中心部分
に円形の貫通孔7を画定する。突出部6により、空洞2
が、フォトカソード5側の第1空洞2aと開口4側の第
2空洞2bに分離される。
【0011】蓋3の内部に流路10が形成されている。
流路10は、蓋3の中心軸に関して4回回転対称になる
ように配置された4つの流路から構成される。各流路1
0は、蓋3の外周面から中心軸に向かって延在し、中心
に至る手前で折り返し、外周面に戻る。
【0012】円筒状容器1に、流路11及び12が形成
されている。流路11は、円筒状容器1の中心軸方向に
関して突出部6に対応する位置に設けられている。流路
12は、円筒状容器1の開口4が設けられた端部近傍に
形成されている。
【0013】図1(B)は、図1(A)の一点鎖線B1
−B1における断面図、すなわち流路11の形成された
位置における断面図を示す。図1(B)の一点鎖線A1
−A1における断面が図1(A)に相当する。流路11
は、円筒状容器1の外周面から半径方向に沿い突出部6
の内部まで延在する。円筒状容器1の内周面よりも径の
小さな位置において折り返され、半径方向に沿って外周
面に戻る。
【0014】図1(C)は、図1(A)の一点鎖線C1
−C1における断面図、すなわち流路12の形成された
位置における断面図を示す。図1(C)の一点鎖線A1
−A1における断面が図1(A)に相当する。流路12
は、8本設けられている。各流路12は、図1(A)に
示すように、円筒状容器1の中心軸に平行に延在する流
路部分、及びその両端においてその流路部分にそれぞれ
連通し、円筒状容器1の外周面に開口する2本の流路部
分から構成される。なお、図1(C)に示すように、流
路12が中心軸に対して回転対称になるように配置され
ていないのは、図2(B)を参照して後述する導波管の
配置を考慮したためである。
【0015】図2(A)は、図1(B)の一点鎖線A2
−A2における断面図を示す。第1空洞2aの側壁に2
つのレーザ導入孔20が形成されている。レーザ導入孔
20にはレーザ光を透過する窓21が設けられ、空洞2
内が気密に保たれている。レーザ導入孔20から第1空
洞2a内に入射したレーザ光は、フォトカソード5を照
射する。
【0016】図2(B)は、図1(B)の一点鎖線B2
−B2における断面図を示す。導波管8が円筒状容器1
の側壁を貫通し、第2空洞2bに連通している。導波管
8が取り付けられた位置に対向する側壁部に、真空ダク
ト9が取り付けられている。真空ダクト9を介して空洞
2a及び2b内が真空排気される。
【0017】次に、図1及び図2に示すRFガンの動作
について説明する。
【0018】図2(A)に示すレーザ導入孔20から第
1空洞2a内に、紫外レーザ光、例えば波長266n
m、パルス幅5〜10psのNd:YAGレーザ光を入
射する。レーザ光がフォトカソード5を照射すると、フ
ォトカソード5から光電子が放出される。
【0019】レーザ光の照射に同期して、図2(B)に
示す導波管8から第2空洞2b内に、周波数2.856
GHz、電力6〜7MWのマイクロ波を、1周期あたり
約1μs以上の期間だけ入射する。第1空洞2a及び第
2空洞2b内に高周波電場が励起される。
【0020】フォトカソード5から放出された光電子
が、第1空洞2a及び第2空洞2b内に励起された高周
波電場により加速され、開口4を通って外部に放出され
る。このようにして、パルス状の電子ビームが得られ
る。
【0021】図1(A)に示す流路10、11及び12
に冷却水を流しておく。冷却水により、円筒状容器1及
び蓋3の温度上昇を抑制することができる。大電力のマ
イクロ波の入射が可能になるため、高エネルギの電子ビ
ームを得ることができる。さらに、電子ビーム取り出し
の繰り返し周波数を高めることが可能になる。
【0022】冷却水を流すことにより円筒状容器1及び
蓋3の温度上昇を抑制することは可能である。ところ
が、電子ビームを安定して取り出すには円筒状容器1や
蓋3を冷却するのみでは不十分であることがわかった。
発明者らの評価実験によると、RFガンの動作中に反射
波の増大が見られた。これは、円筒状容器1及び蓋3の
熱膨張により共振空洞の容積が変化し、共振周波数がず
れたためと考えられる。また、冷却水の流量を増加させ
すぎても、円筒状容器1及び蓋3が収縮し、所定の共振
周波数を維持することができなくなる。すなわち、円筒
状容器1及び蓋3の温度を所定の範囲内に維持しなけれ
ばならない。
【0023】図3に、実施例による電子銃のブロック図
を示す。金属製の容器50が図1及び図2に示された共
振空洞を画定している。金属製の容器50には、図1
(A)に示された冷媒の流路10、11及び12が形成
されている。高周波発振器51から導波路8を経由して
共振空洞内にマイクロ波が導入される。導波路8内の進
行波及び反射波が、観測装置52により観測される。観
測装置52として、例えば電圧定在波比メータ(VSW
Rメータ)を用いることができる。
【0024】冷媒供給装置55が、流路60を経由して
流路10、11及び12に冷媒を供給する。冷媒とし
て、例えば水が用いられる。容器50を冷却して昇温し
た冷媒が、流路58を経由して冷媒供給装置55に回収
される。冷媒供給装置55は、流量調節弁55bと温度
調節器55aを含んで構成される。流量調節弁55b
は、冷媒の流量を調節する。温度調節器55aは、冷媒
が所望の温度になるように温度制御を行う。温度調節器
55aは、例えば冷却装置とヒータにより構成され、冷
媒の温度を+5℃から+90℃の範囲内で調整すること
ができる。
【0025】観測装置52は、観測結果を制御部53に
送出する。制御装置53に入力される情報は、例えば電
圧定在波比(VSWR)である。制御部53は、入力さ
れた情報に基づいて、反射波が最小になるように冷媒の
流量及び温度の少なくとも一方を制御する。以下に、流
量及び温度の制御方法の一例について説明する。
【0026】電圧定在波比が基準値以上である場合に
は、まず、冷媒の流量をある値だけ増加させ、電圧定在
波比の変動を観測する。電圧定在波比が減少する方向に
変動したならば、冷媒の流量をさらにある値だけ増加さ
せる。この制御を繰り返し、電圧定在波比が基準値以下
になるまで冷媒の流量を増加させる。
【0027】冷媒の流量を増加させたときに電圧定在波
比が増加する方向に変動したならば、冷媒の流量をある
値だけ減少させ、電圧定在波比の変動を観測する。電圧
定在波比が減少する方向に変動したならば、冷媒の流量
をさらにある値だけ減少させる。この制御を繰り返し、
電圧定在波比が基準値以下になるまで冷媒の流量を減少
させる。
【0028】冷媒の流量を増加させすぎると、冷媒の圧
力により容器50が変形し、共振周波数が変化する場合
がある。このため、冷媒の流量の最大値を予め記憶して
おき、流量が最大値を超えないように制御することが好
ましい。この最大値は、例えば制御部53内の最大流量
記憶部53aに予め記憶しておけばよい。
【0029】上記調整方法では、電圧定在波比が基準値
を超えた場合に、電圧定在波比のみから流量を増加させ
るべきか減少させるべきかを特定することはできない。
電子銃の動作中にマイクロ波の電力を増減させたい場合
や、パルスの繰り返し周波数を変化させたい場合には、
冷媒の流量や温度をどのように調節すればよいかある程
度予測可能である。以下に、予測に基づく制御方法につ
いて説明する。
【0030】共振空洞内にパルス的にマイクロ波を供給
する場合のマイクロ波の電力、パルスの繰り返し周波
数、パルス幅が決まれば、共振空洞の表面における発熱
量が求まる。例えば、パルス幅を3.5μs、マイクロ
波の電力を1MW、繰り返し周波数を50Hzとした場
合の銅表面における発熱量は107Wである。
【0031】また、冷却水の流量と温度上昇幅が与えら
れれば、吸熱量が決まる。図1及び図2に示す共振空洞
の場合、冷却水の流量が1リットル/分、温度上昇分が
1℃のとき、吸熱量は70Wになる。冷却水の流量の最
大値を1系統あたり8リットル/分とする。
【0032】マイクロ波の電力を7MW、パルスの繰り
返し周波数を50Hzとして動作させる場合、発熱量は
749Wになる。流路1系統あたり8リットル/分の冷
却水を流すと、冷却水の温度上昇1℃あたり、1680
Wの熱量が吸収される。749Wの熱量を吸収するため
には、冷却水の温度上昇が約0.4℃となるようにすれ
ばよい。導電性容器50の温度を25℃にしたい場合に
は、冷却水の温度を24.6℃に設定すればよい。
【0033】上述のように、マイクロ波の電力、パルス
の繰り返し周波数、導電性容器50の目標温度を決定す
ると、冷却水の好適な流量及び温度を予測することがで
きる。現在の冷却水の流量と温度が好適な値からずれて
いる場合には、まず、流量及び温度を好適な値になるよ
うに調節する。
【0034】好適な値に調節された後、電圧定在波比が
基準値を上回っている場合には、流量及び温度を微調整
しながら、電圧定在波比が基準値以下になるようにす
る。
【0035】以上実施例に沿って本発明を説明したが、
本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種
々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に
自明であろう。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
共振空洞を画定する導電性容器の温度変動を抑制し、安
定して電子ビームを発生させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例による電子銃に用いられるフォトカソー
ドと共振空洞の断面図である。
【図2】実施例による電子銃に用いられるフォトカソー
ドと共振空洞の断面図である。
【図3】実施例による電子銃のブロック図である。
【符号の説明】
1 円筒状容器 2 空洞 3 蓋 4 開口 5 フォトカソード 6 突出部 7 貫通孔 8 導波管 9 真空排気ダクト 10、11、12 流路 20 レーザ導入孔 21 窓 50 導電性容器 51 マイクロ波発振器 52 観測装置 53 制御部 55 冷媒供給装置 55a 温度調節装置 55b 流量調節弁 58、60 流路

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子ビームが伝搬する空洞を画定する導
    電性容器と、 光照射によって前記空洞内に光電子を放出するフォトカ
    ソードと、 前記空洞内にマイクロ波を導入する導波管と、 前記導電性容器の壁に設けられ、前記空洞内に放出され
    た光電子を空洞外に導出するための開口部と、 前記導電性容器を強制的に冷却するための冷媒を流す流
    路と、 冷媒の温度及び流量のうち少なくとも一方を制御して前
    記流路に冷媒を供給する冷媒供給手段と、 前記導波管を通じて前記空洞内に導入される入射波と、
    該空洞からの反射波とを観測する観測手段と、 前記観測手段による観測結果に基づいて、前記冷媒供給
    手段から供給される冷媒の温度及び流量のうち少なくと
    も一方を調節する制御手段とを有する電子銃。
  2. 【請求項2】 前記制御手段が、最大流量を記憶してお
    り、前記流路に流す冷媒の流量が、前記最大流量を超え
    ないように流量を調節する請求項1に記載の電子銃。
  3. 【請求項3】 前記冷媒供給手段が、冷媒を所望の温度
    にするための冷却装置と加熱装置とを含む請求項1また
    は2に記載の電子銃。
  4. 【請求項4】 導電性容器により画定された共振空洞内
    にマイクロ波を導入し、該共振空洞内の電子ビームを加
    速する工程と、 前記導電性容器に設けられた流路に冷媒を流し、該導電
    性容器を冷却する工程と、 前記共振空洞内に導入されているマイクロ波の進行波と
    反射波とを観測する工程と、 前記観測工程の結果に基づいて、前記流路に流す冷媒の
    温度及び流量のうち少なくとも一方を調節する工程とを
    有する電子ビーム発生方法。
  5. 【請求項5】 前記調節する工程において、冷媒の流量
    が、予め決められた最大流量を超えないように冷媒の流
    量を調節する請求項4に記載の電子ビーム発生方法。
JP11232541A 1999-08-19 1999-08-19 加速空洞を有する電子銃及び電子ビーム発生方法 Pending JP2001057168A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008039766A (ja) * 2006-07-10 2008-02-21 Xnet Corp 光電子銃および殺菌装置

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