JP5975722B2 - 電子銃及び電子管 - Google Patents

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Description

本発明は、電子銃及び電子管に関する。
従来のインダクティブ出力管(Inductive Output Tube、IOT)として、例えば、特許文献1に開示されたものが知られている。このIOTは、電子ビームを発生させる電子銃を備えており、電子銃は、カソード及びアノードを有している。カソード及びアノードは、互いに対抗するように、同軸上に配置されている。カソードにはヒータが取り付けられており、カソードが加熱されると、熱電子を放出可能な状態になる。
電子銃の周囲には、環状の共振空胴が形成されており、共振空胴は、肉厚の環状の誘電体部材によって、内側空胴と外側空胴に分割されている。共振空胴の外壁面には、入口ポートと出口ポートが1つずつ設けられている。入口ポートと出口ポートは共振空胴の軸線に対して対象に配置されている。誘電体部材には、厚さ方向に貫通する比較的径の小さな複数の孔が周方向に沿って形成されている。
真空容器内に高周波信号を入力すると、共振空胴で共振が発生し、カソードとグリッドの間に高周波電界が形成される。それに伴い、ヒータで加熱されたカソードから、熱電子の集合体である電子ビームが放射される。
上述した電子銃部は一体に構成されている。また、ヒータが発した熱及び高周波信号の大部分は共振空胴の壁面に吸収される(Wall Loss)。このため、IOTは加熱され、高温になり、各構成部品が熱膨張する。その後、IOTの運転が終了すると、各構成部品が収縮し、元の大きさに戻る。各構成部品の熱膨張率は互いに異なっており、温度の上昇・低下に伴う膨張・収縮の度合は、構成部品ごとに異なる。このため、運転に伴う膨張と運転停止に伴う収縮を繰り返すと、構成部品間の接続部にひずみが生じ、構成部品の相互間の同軸性が維持できなくなる場合がある。構成部品の相互間の同軸性が維持できなくなると、電子ビームの放射方向に誤差が生じ、IOTが本来の機能を発揮できなくなってしまう。
上述した不具合を回避するために、特許文献1に開示されたIOTは、冷却材流体である空気によって電子銃及び共振空胴を冷却している。この冷却構造では、入口ポートから外側空胴に冷却材流体を流入し、その一部が外側空胴及び内側空胴を通過し、残りは外側空胴のみを通過し、出口ポートから流出する。
特開平7−46420号公報
上述した従来のIOTは、内側空胴と外側空胴を仕切る誘電体部材が肉厚で且つそこに形成された孔の径が小さいため、内側空胴に空気が流入しにくい。したがって、電子銃を十分に冷却することができない。
また、入口ポートから共振空胴内に流入した空気は、周囲との熱交換によって、その温度が上昇するので、入口ポート付近の冷却度合が高いのに対し、出口ポート付近の冷却度合は低く、温度差が生じてしまう。上述した従来のIOTでは、入口ポートと出口ポートが、共振空胴の径方向に反対の位置に配置されているので、この温度差により、電子銃部の構成部品に発生する熱変形の大きさが偏ってしまう。したがって、電子銃部の構成部品の相互間の同軸性が維持できなくなり、IOTの効率が低下してしまう。
本発明は、以上のような課題を鑑みてなされたものであり、構成部品相互間の同軸性を良好に維持しながら、適切に冷却することができる電子銃及び電子管を提供することを目的とする。
この発明に係る電子銃は、電子を放出するカソードと、カソードを加熱するヒータと、カソードの電子ビーム放射方向に設けられたグリッドと、カソード及びグリッドを包含し、共振用の空胴を備える入力空胴容器と、を備える。また、電子銃は、入力空胴容器の空胴を、カソードを境にして、グリッドを含む第1の空胴と、グリッドを含まない第2の空胴とに、入力空胴容器の軸線方向に分割する絶縁体と、を備える。入力空胴容器の第2の空胴側には、入力空胴容器の軸線に対して回転対称にそれぞれ配置された、入力空胴容器の外部から内部に冷却用の流体が流入する複数の流入路及び入力空胴容器の内部から外部に流体が流出する複数の流出路が形成されている。入力空胴容器には、入力空胴容器の軸線に沿って移動自在に配置され、第2の空胴のサイズを調整する調整板がさらに配置されている。
本発明によれば、電子銃部を、その構成部品の相互間の同軸性を良好に維持しながら、適切に冷却することができる。
本発明の実施の形態に係るIOTの主要部分の概略構成を示す側断面図である。 IOT全体の概略構成を示す側断面図である。 共振周波数調整板をカソード側から見た平面図である。 変形例1の共振周波数調整板をカソード側から見た平面図である。 変形例2の共振周波数調整板をカソード側から見た平面図である。 変形例3の共振周波数調整板をカソード側から見た平面図である。
以下、本発明の実施の形態に係る電子銃とIOTについて図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態)
はじめに、本発明の実施の形態に係るインダクティブ出力管(Inductive Output Tube、以下「IOT」という)100について説明する。まず、その構成について、図1及び図2を参照しながら説明する。なお、図1及び図2において、出力される電子ビームは軸線AXに沿って図面左側より右側に放射されるため、図面の左側を「上流」、右側を「下流」と呼ぶこととする。
IOT100は、図1に示すように、上流側の電子銃部101と、下流側のボディ部102と、それらを連結するとともに電気的に絶縁する絶縁部103とから構成されている。
電子銃部101は、図2に拡大して示すように、カソード1、グリッド2及び入力空胴容器4などから構成されている。
カソード1は、熱電子を放出するものであり、全体として円盤状の形状を有し、上流側の面が平坦に、下流側の電子放射面が凹状に形成されている。軸線AXは、平坦面に垂直で、電子放射面の中心を通る。
グリッド2は、カソード1と後述するアノード14との間を流れる電子の量を調整するものであり、カソード1の電子放射面と対向するように所定の間隔を設けて同軸上に配置されている。グリッド2は、カソード1とほぼ同じ径の円盤状の形状を有しており、かつカソード1の電子放射面と同じ曲率で湾曲している。グリッド2の中央部には格子状に複数の開口が形成されている。グリッド2には、カソード1に対して正極性の直流のグリッドバイアス電圧が印加されている。
入力空胴容器4は、電子銃部101の軸線に対して回転対称に形成された一体の容器である。入力空胴容器4は、カソード1及びグリッド2を内部の空胴(以下「入力空胴」という)に含み、カソード1及びグリッド2と同軸上に配置されている。また、入力空胴容器4の上流側部分は、内筒4aが形成されており、有底の二重管を形成している。
図1に示すように、カソード1の上流側の平坦面には、カソード1を加熱するためのヒータ3が取り付けられている。ヒータ3は、タングステン線などで構成されており、ヒータ電源24に電気的に接続されている。
図2に拡大して示すように、カソード1の外周面には、入力空胴の周端まで延びる円環板状の絶縁体7が固定されている。絶縁体7は、入力空胴を、下流側の第1の空胴5と上流側の第2の空胴6とに分割している。絶縁体7は、空気が通過不能で、且つ、高周波信号が透過可能な素材(例えばアルミナセラミックス)から構成される。第1の空胴5は、空気がほとんど存在しない真空状態に維持されている。
入力空胴容器4の上流側の端部には、入力空胴容器4の軸線に直交する共振周波数調整板20が、入力空胴容器4の軸方向に移動自在に嵌合している。共振周波数調整板20の移動範囲は任意であるが、例えば、入力空胴容器4の上流側の端から、後述する第2の通風孔23a,23bにかからない位置の範囲に、例えば、ストッパを配置すること等により、適宜調整される。
共振周波数調整板20には、その厚さ方向に貫通する一対の第1の通風孔22a、22bが形成されており、第1の通風孔22aと22bとは、入力空胴容器4の軸線AXに対して回転対称に配置されている。各第1の通風孔22a、22bには、入力空胴容器4の外部まで延びるパイプ21a、21bが接続されている。このパイプ21a、21bは、ホース(図示せず)を介して、送風機(図示せず)の送風口に接続されている。ホースの長さはほぼ等しく、その太さは均一に形成されている。
さらに、入力空胴容器4の内筒4aのカソード1の付近には、一対の第2の通風孔23aと23bが回転対称に形成されている。なお、図1及び図2では、第2の通風孔23aのみが表示されているが、図3を参照して後述するように、軸線AXを介して対称の位置に第2の通風孔23bが配置されている。
これらの構成により、外部の送風機→パイプ21a,21b→第1の通風孔22a,22b→第2の通風孔23a,23b→外気、という冷却媒体としての空気の流通路が形成される。
第2の空胴6内には、ループアンテナ10が設けられている。このループアンテナ10は、高周波線路9を介して交流式の高周波源8に接続されている。高周波源8は、高周波電力(数百MHz〜数GHz)を発生する。
次に、図1に示すボディ部102は、円筒状の金属容器19と、金属容器19の内周面に金属容器19と一体に形成されたアノード14、出力空胴(共振)部15及びコレクタ18を備える。
金属容器19は、絶縁部103を構成する絶縁体13を介して入力空胴容器4の周縁部に気密に固定されている。金属容器19の内部と第1の空胴5とはグリッド2を介して互いに連通しており、金属容器19の内部は、第1の空胴5と同様に、真空状態に維持されている。
アノード14には、直流高電圧電源12によって高電圧が印加されている。
出力空胴部15は、電子ビームから出力高周波信号のエネルギを引き出すのに最適なサイズ及び形状の出力空胴を形成する。最適なサイズ及び形状は、計算及び実測によって求められる。出力空胴部15は、金属容器19に接続された出力導波管16に連通しており、出力導波管16は、出力窓17により気密に塞がれている。
コレクタ18は、金属容器19の内面に配置された、接地電位の導体から形成される。コレクタ18は高温になるので、冷却装置(図示せず)が取り付けられている。
絶縁部103は、絶縁体13から構成され、電子銃部101の空胴容器4の周縁部とボディ102の金属容器19とを絶縁しつつ機密に連結する。
次に、電子銃部101及びIOT100の動作について説明する。まず、電子銃部101から電子ビームを生成し、RF出力を得るまでの動作を説明する。
まず、ヒータ電源24からヒータ3に通電し、ヒータ3を加熱することにより、カソード1を加熱する。カソード1が所定温度(例えば、1000℃程度)に達すると、カソード1は、熱電子を放出可能な状態になる。
続いて、高周波源8で高周波信号を発生し、これをループアンテナ10から第2の空胴6にRF入力信号のマイクロ波として入力する。すると、高周波信号は絶縁体7を通過し、第1の空胴5内にも入力する。それに伴い、第1及び第2の空胴5,6の両方が、その大きさ(体積)で定まる共振周波数で共振し、カソード1とグリッド2の間に高周波電界が形成される。そして、カソード1とグリッド2の間の高周波電圧がカットオフ電圧を超えている間のみカソード1の電子放出面から電子ビームが放射され、グリッド2の開口を通過する。したがって、電子ビームは図1に模式的に示すように、断続するパルス状になる。このように、高周波電圧及びカットオフ電圧に応じて、電子ビームの密度と位相幅が定まる。カットオフ電圧は、カソード1とグリッド2の間隔に応じて定まる。こうして、グリッド2は、グリッドバイアス電圧に応じてカソード1から放射される電子ビームの放射量を調整し、電子ビームの密度を変調する。
カソード1から放射された電子ビームは、アノード14によって加速された後に、出力空胴部15に到達する。出力空胴部15では、電子ビームから出力高周波信号のエネルギが引き出され、その出力高周波信号が出力導波管16の出力窓17を透過してRF出力信号のマイクロ波として取り出される。出力空胴部15でエネルギを失った電子ビームは、コレクタ18で捕捉される。
また、出力窓17を透過して出力されるRF出力信号のマイクロ波の周波数は、出力空胴部15のRF信号の共振周波数に依存する。入力空胴の体積は、固定サイズの第1の空胴5と可変サイズの第2の空胴6の体積の和で表される。第2の空胴6の体積は、共振周波数調整板20の位置を変更することで調整することができる。従って、パイプ21a,21bを移動して、共振周波数調整板20の位置を変更することにより、入力空胴の共振周波数を、固定値である出力空胴の共振周波数に一致させることができる。
次に、電子銃部101の冷却について説明する。ヒータ3を通電している間、カソード1は加熱される。ここで、送風機を運転すると、第1の通風孔22a、22bから第2の空胴6内に冷却用の空気が流入する。一方、絶縁体7は空気を通さないので、第1の空胴5内には空気が流入しない。第2の空胴6内に流入した空気は、カソード1、絶縁物7及び第2の空胴6の熱を奪い冷却した後に、第2の通風孔23a、23bから流出する。また、絶縁物7及び第2の空胴6の壁が冷却されることで、それに連続する第1の空胴5の壁も冷却される。以上のようにして、電子銃部101の全体が冷却される。
次に、図3を参照しながら、第1の通風孔22a、22b及び第2の通風孔23a、23bの配置と、第2の空胴6内における空気の流れについて説明する。図3は、共振周波数調整板20をカソード1側から見た平面図である。なお、同図において、各矢印は空気の流れを表す。
共振周波数調整板20に形成された第1の通風孔22a,22bは、入力空胴容器4の軸線AXに対して180°回転対称(点対称)の位置に図の上下に配置されており、内筒4aに形成された第2の通風孔23a,23bは、入力空胴容器4の軸線AXに対して回転対称の位置に図の左右に配置されている。第2の通風孔23a,23bは、第1の通風孔22a,22bに対して、入力空胴容器4の軸線を中心として90°ずれている。このため、第1の通風孔22aから第2の通風孔23a,23bまでの距離は、第1の通風孔22bから第2の通風孔23a,23bまでの距離に等しく、相互に中間の位置にある。
第1の通風孔22a、22bから第2の空胴6内に流入した空気は、まず第2の空胴6の中心に向かって(通風孔22aからは図3の真下、通風孔22bからは図3の真上方向に)進み、内筒4aに当たり左右に分割される。そして、分割後の各空気は、内筒4aの外周面に沿って進み、第2の通風孔23a,23bに達し、第2の空胴6外に流出する。以上のように、第2の空胴6に入った冷却用の空気は、入力空胴容器4の軸線に対して回転対称に流れる。前述したように、入力空胴容器4は、その軸線AXに対して回転対称に一体に形成されている。入力空胴容器4の軸線AX上に配置されたカソード1、グリッド2及び絶縁物7も回転対称に一体に形成されている。さらに、パイプ21に接続されたホースの長さ・太さが均一なので、第1の通風孔22a,22bに空気が均等に流入する。したがって、電子銃部101の熱伝導が回転対称になる。その結果、電子銃部101の温度分布が、電子銃部101の軸線に対して回転対称になる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、電子銃部101がほぼ均等に適切に冷却される。このため、電子銃部101の加熱と冷却を繰り返しても、その構成部品の相互間の同軸性を良好に維持することができる。
(変形例)
次に、変形例1による共振周波数調整板20について、図4を参照しながら説明する。
変形例1は、上述した実施の形態と第1の通風孔22a、22b及び第2の通風孔23a、23bの数が異なる。共振周波数調整板20以外のIOT100の構成は、上述した実施の形態と同じである。
図4に示すように、共振周波数調整板20には、8つの第1の通風孔22a〜22hが、入力空胴容器4の軸線AXに対して互いに回転対称にかつ45°ごとに配置されており、内筒4aには、8つの第2の通風孔23a〜23hが周方向に等間隔、即ち、相互に中間の位置に配置されている。
第2の通風孔23a〜23hは、第1の通風孔22a〜22hに対して、入力空胴容器4の軸線AXを中心として22.5°ずれている。したがって、第1の通風孔22aから第2の通風孔23h,23aまでの距離は、第1の通風孔22bから第2の通風孔23b,23cまでの距離に等しくなっている。このことは、他の第1の通風孔22c〜22hについても同様である。
第1の通風孔22aから第2の空胴6内に流入した空気は、まず入力空胴容器4の軸線AXに向かって進み、内筒4aに当たって2つに分割される。そして、分割後の各空気は、内筒4aの外周面に沿って進み、第2の通風孔23h,23aに達し、第2の空胴6外に流出する。このことは、他の第1の通風孔22b〜22hについても同様である。以上から、この変形例においても、空気は入力空胴容器4の軸線AXに対して回転対称に流れる。
図4では、第1の通風孔22及び第2の通風孔23の数量をそれぞれ8にしているが、これは一例にすぎず、これに限定するものではない。さらに、第1の通風孔22と第2の通風孔23の数量は異なっていてもよい。例えば、図5に示す変形例2のように、8つの第1の通風孔22a〜22hと2つの第2の通風孔23a,23bの組み合わせでもよい。
また、例えば、図6に示す変形例3のように、第2の通風孔23を形成せず、8つの第1の通風孔22a〜22hのうちの4つを流入孔とし、それ以外の4つを流出孔としてもよい。この場合においても、第1の通風孔22の数量は8でなくてもよく、流入孔と流出孔の数量が異なっていてもよい。
以上のように、本実施の形態の電子管によれば、第1の通風孔22及び第2の通風孔23は、入力空胴容器4の軸線に対して回転対称に配置されているので、電子銃部101の温度分布を、電子銃部の軸線AXに対して回転対称にすることができる。したがって、電子銃部101の偏った熱変形を防止でき、電子銃部101の構成部品の相互間の同軸性を良好に維持することができる。
また、第2の空胴6内に、それぞれ回転対称に配置された第1の通風孔22及び第2の通風孔23の一方から冷却用の空気を流入し、他方から流出するので、入力空胴を適切に冷却することができる。それにより、入力空胴の熱膨張を抑制でき、それに伴う共振周波数の変化や構成部品の劣化を抑制することができる。
入力空胴が絶縁体7によって、真空状態の第1の空胴5と空気が循環する第2の空胴6とに分割されているので、電子ビームの発生・放射に必要な真空領域を確保できる。また、カソード1の付近に十分な量の空気を供給することができるので、カソード1とグリッド2の間隔を適切な範囲内に維持することができる。以上から、電子ビームを適切に放射することができる。
電子ビームが適切に放射されることで、電子ビームが出力空胴15に到達する割合が高まるので、IOT100の効率を高めることができ、電源コストを削減することができる。
構成部品の相互間の同軸性が良好に維持されるので、構成部品の連結部に作用する応力が過大になることなく、真空領域の密閉性を維持することができる。さらに、第2の空胴6を冷却する際に、ループアンテナ10も同時に冷却されるので、ループアンテナ10の熱劣化を抑制できる。したがって、IOT100の信頼性を高めることができる。
第2の通風孔23の配置を、第1の通風孔22に対して、入力空胴容器4の軸線を中心として回転方向にずらすことによって、より広い範囲に空気を行き渡らせることができる。それにより、入力空胴容器4の温度分布が平準化され、必要とされる空気の流量が少なくなり、冷却効率を高めることができる。
第2の空胴6内には、空気の流れを妨げる壁や孔がないので、空気が滑らかに流れる。このため、入力空胴容器4内における圧力損失が小さく、送風機の小型化が可能になる。したがって、騒音の低減やコストダウンを図ることができる。
実施の形態、変形例1及び2では、カソード1の付近に第2の通風孔23が設けられているので、カソード1の付近に空気を導くことができ、その周辺の熱変形を抑制できる。したがって、カソード1とグリッド2の間隔を良好に維持でき、電子ビームの安定性を高めることができる。
上述した変形例1〜3に示すように、第1の通風孔22及び第2の通風孔23の配置が電子ビームの軸に回転対称であれば、その数量や配置を適宜変更することができる。電子銃部の構成に応じて、所望の温度分布になるように通風孔22、23の配置を設定して、その温度分布をきめ細かく調整することができる。
本実施の形態では、共振周波数調整板20によって共振周波数を調整することが可能なので、入力空胴の共振周波数を出力空胴の共振周波数に一致させることができる。また、パイプ21を軸方向に動かすことによって、共振周波数調整板20の位置を変更できるので、位置の変更のために入力空胴容器4を分解する必要がなく、作業性が向上するとともに、IOT100の動作中にも、共振周波数の調整を行うことができる。
なお、本発明は、説明した実施の形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、実施の形態では、第1の通風孔22が流入路で第2の通風孔23が流出路であるが、第2の通風孔23が流入路で第1の通風孔22が流出路でもよい。
また、実施の形態では、第1の通風孔22及び第2の通風孔23が何れも複数であるが、何れか一方が入力空胴容器4の軸線AX上に中心を有する単一の孔であってもよい。
実施の形態では、第2の通風孔23及び第1の通風孔22は何れも丸孔であるが、それらが入力空胴容器4の軸線AXに対して回転対称に配置されていればよく、例えば、長丸、多角形孔、スリット等でもよく、間隙でもよい。
実施の形態では、電子銃部101を空気によって冷却しているが、絶縁物7を通過不能な他の適当な冷却用の流体(ガス、液体)によって冷却してもよい。
実施の形態では、パイプ21が共振周波数調整板20の取手を兼ねているが、別個の部材を取手として設けてもよい。
上述の実施の形態では、電子管がIOTの場合を例に説明したが、本実施の形態の構成は、IOT以外の電子管の電子銃部の冷却にも適用できる。その他、本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜、変更することが可能である。
1 カソード
2 グリッド
3 ヒータ
4 入力空胴容器
5 第1の空胴
6 第2の空胴
7 絶縁体
8 高周波源
9 高周波線路
10 ループアンテナ
12 直流高電圧電源
13 絶縁体
14 アノード
15 出力空胴部
16 出力導波管
17 出力窓
18 コレクタ
19 金属容器
20 共振周波数調整板(調整板)
21 パイプ
22、22a〜22h 第1の通風孔(流入路、流出路)
23、23a〜23h 第2の通風孔(流出路、流入路)
24 ヒータ電源
100 IOT(電子管)
101 電子銃部
102 ボディ部
103 絶縁部

Claims (8)

  1. 電子を放出するカソードと、
    当該カソードを加熱するヒータと、
    前記カソードの電子ビーム放射方向に設けられたグリッドと、
    前記カソード及び前記グリッドを包含し、共振用の空胴を備える入力空胴容器と、
    当該入力空胴容器の空胴を、前記カソードを境にして、前記グリッドを含む第1の空胴と、前記グリッドを含まない第2の空胴とに、前記入力空胴容器の軸線方向に分割する絶縁体と、を備え、
    前記入力空胴容器の前記第2の空胴側には、前記入力空胴容器の軸線に対して回転対称にそれぞれ配置された、前記入力空胴容器の外部から内部に冷却用の流体が流入する複数の流入路及び前記入力空胴容器の内部から外部に流体が流出する複数の流出路が形成され
    前記入力空胴容器には、前記入力空胴容器の軸線に沿って移動自在に配置され、前記第2の空胴のサイズを調整する調整板がさらに配置されている、
    電子銃。
  2. 前記流出路は、前記流入路に対して、前記入力空胴容器の軸線を中心として回転方向にずれている、
    請求項1に記載の電子銃。
  3. 前記流入路と前記流出路とは、各前記流入路が対応する2つの流出路の中間位置に配置されるように形成されている、
    請求項2に記載の電子銃。
  4. 前記流入路と前記流出路の一方は、外部より前記入力空胴容器と前記調整板とを通って、前記第2の空胴に連通して形成されている、
    請求項に記載の電子銃。
  5. 前記流入路と前記流出路の他方は、前記調整板の移動可能範囲以外の前記入力空胴容器を通って前記第2の空胴に連通して形成されている、
    請求項に記載の電子銃。
  6. 前記流入路と前記流出路とは共に、外部より前記入力空胴容器と前記調整板とを通って、前記第2の空胴に連通して形成されている、
    請求項に記載の電子銃。
  7. 前記絶縁体は、前記流体を通過させず、高周波信号を通過させる、
    請求項1乃至のいずれか1項に記載の電子銃。
  8. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の電子銃と、
    前記電子銃に連結され、アノードとコレクタと出力空胴部とを備えるボディ部と、
    を備える電子管。
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