JP3268090B2 - 原子炉の過渡緩和システム - Google Patents

原子炉の過渡緩和システム

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JP3268090B2
JP3268090B2 JP27461993A JP27461993A JP3268090B2 JP 3268090 B2 JP3268090 B2 JP 3268090B2 JP 27461993 A JP27461993 A JP 27461993A JP 27461993 A JP27461993 A JP 27461993A JP 3268090 B2 JP3268090 B2 JP 3268090B2
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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、沸騰水型原子炉(以下
BWRという)に好適な過渡緩和システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のBWRの中で最新のものに新型B
WR(以下ABWRという)がある。このABWRの非
常用炉心冷却系(ECCS)は1系統の原子炉隔離時冷
却系(以下RCICという)と、2系統の高圧注水系
(以下HPCFという)を設けており、原子炉水位検出
装置により原子炉水位が所定水位に低下したのを検出し
たときに原子炉に冷却水を補給して炉心を冷却するよう
になっている。
【0003】そして、ABWRでは、万一、原子炉へ常
時給水している給水ポンプが何らかの理由により停止し
てしまう給水喪失過渡事象が発生しても、原子炉の安全
性が維持されるように設計することが要請されている。
【0004】そこで、ABWRでは、実際には極めて希
なことであるが、給水喪失過渡事象が仮に発生した場合
でも、原子炉水位を常に安全水位に回復させるようにな
っている。つまり、図5に示すように原子炉水位Lの低
下に応じて各種機器を運転停止させ、あるいは起動させ
るようになっており、例えば原子炉水位が給水ポンプの
運転停止等により徐々に低下し、L4に低下すると、ま
ず、再循環ポンプが運転停止され、さらに原子炉水位が
L3に達すると原子炉スクラムが自動的に行なわれ、こ
れらにより原子炉水位が安全水位を確保するようになっ
ている。
【0005】しかし、この間に給水ポンプの運転が再開
されない場合には、原子炉水位が再び低下を始め、L2
に達すると、RCICが起動して復水貯蔵タンクから原
子炉へ補給水が給水される。このために、原子炉水位が
L1.5まで低下することなく、安全水位を回復する。
【0006】しかし、ここで仮にRCICが故障し、そ
の起動に失敗すると、さらに原子炉水位がL1.5に低
下するので、この場合はHPCFの2系統が起動し、復
水タンク水または圧力抑制プール水が原子炉に給水され
ると共に、主蒸気隔離弁(MSIV)が閉鎖され、原子
炉とタービンを接続して蒸気を導く主蒸気配管が遮断さ
れる。これにより、原子炉水位がさらにL1に低下して
自動減圧系(ADS)と、低圧ECCSが起動すること
を回避できるようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のABWRでは、L1.5でHPCFが起動し
た場合、原子炉水位は直ちに回復するものの、MSIV
が同時に閉鎖されてしまうので、原子炉内で発生する蒸
気をタービンに付設される主復水器によって冷却するこ
とができなくなる。このために、原子炉圧力が短期的に
上昇し、逃し安全弁が自動的に作動する。
【0008】その後の長期間経過後において、万一、M
SIVの再開に運転員が失敗した場合には、逃し安全弁
を運転員が手動で開放して原子炉を減圧し、原子炉停止
時冷却系で冷却することになる。
【0009】このような一連の手動操作はよく訓練され
た運転員にとっては比較的容易な操作であるが、これら
一連の手動操作を回避することができれば、運転員への
負担を軽減し、ひいては原子炉の安全性を向上すること
にも繋る。
【0010】そこで本発明はこのような事情を考慮して
なされたもので、その目的は、万一、給水喪失過渡事象
と、その際に原子炉に冷却水を補給するRCICの故障
が重複した場合であっても、HPCFを確実に起動させ
て原子炉水位を所定水位に回復させることができると同
時にMSIVの閉鎖を回避でき、原子炉内で発生する蒸
気を主復水器に導いて冷却できる原子炉の過渡緩和シス
テムを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するために次のように構成される。
【0012】本願の請求項1に記載の発明(以下、第1
の発明という)は、原子炉水位が所定水位に低下したと
きに起動して原子炉に冷却水を補給する原子炉隔離時冷
却系と、この原子炉隔離時冷却系が起動されるべき前記
原子炉水位よりも低い所定水位に原子炉水位が低下した
ときに起動して前記原子炉に冷却水を注水する高圧注水
系と、前記原子炉隔離時冷却系が起動されるべき原子炉
水位よりも低い所定水位に原子炉水位が低下したときに
閉鎖する主蒸気隔離弁と、この主蒸気隔離弁が閉鎖され
るベき原子炉水位より高い所定水位よりも原子炉水位が
低下したときに起動するタイマーと、前記原子炉隔離時
冷却系の故障を検出する故障検出装置と、前記タイマー
が所定時間の経過を計時したときに前記故障検出装置に
よって前記原子炉隔離時冷却系の故障が検出された場合
に前記高圧注水系を起動せしめる手段を有することを特
徴とする。
【0013】また、本願の請求項2に記載の発明(以
下、第2の発明という)は、前記タイマーの起動する原
子炉水位は前記原子炉隔離時冷却系が起動されるべき原
子炉水位であることを特徴とする。
【0014】本願の請求項3に記載の発明(以下、第3
の発明という)は、前記高圧注水系を起動せしめる手段
は、少なくとも、故障検出装置からの原子炉隔離時冷却
系故障信号と、前記タイマーが所定時間の経過を計時し
たときに出力されるタイムアップ信号と、を受けたとき
にANDロジック信号を出力するANDロジックと、前
記ANDロジック信号および高圧注水系が起動されるべ
き所定水位以下に原子炉水位が低下したときに出力され
る水位信号の少なくとも一方の信号を受けたときに、前
記高圧注水系を起動せしめる起動信号を出力するORロ
ジックと、を有することを特徴とする。
【0015】さらに、本願の請求項4に記載の発明(以
下、第4の発明という)は、前記高圧注水系を起動せし
める手段は、原子炉水位が原子炉隔離時冷却系を起動せ
しめるべき所定水位に回復しないときに出力される水位
不回復信号と、故障検出装置からの原子炉隔離時冷却系
故障信号と、前記タイマーが所定時間の経過を計時した
ときに出力されるタイムアップ信号と、を同時に受けた
ときにANDロジック信号を出力するANDロジック
と、前記ANDロジック信号および高圧注水系が起動さ
れるべき所定水位以下に原子炉水位が低下したときに出
力される水位信号の少なくとも一方の信号を受けたとき
に、前記高圧注水系を起動せしめる起動信号を出力する
ORロジックと、を有することを特徴とする。
【0016】さらにまた、本願の請求項5に記載の発明
(以下、第5の発明という)は、前記故障検出装置は、
原子炉隔離時冷却系の起動時の原子炉隔離時冷却系ポン
プの流量を検出し、この検出流量が所定時間内に所定流
量に到達しないときに、原子炉隔離時冷却系故障信号を
発生させるように構成されていることを特徴とする。
【0017】また、本願の請求項6に記載の発明(以
下、第6の発明という)は、前記高圧注水系は、前記タ
イマーが起動するときの原子炉水位よりも低い所定の水
位でも起動するように構成されていることを特徴とす
る。
【0018】
【作用】〈第1〜第6の発明〉 万一、給水喪失過渡事象が発生すると、原子炉水位が低
下して行き、原子炉隔離時冷却系を起動すべき所定水
位、例えばL2まで低下すると、この原子炉隔離時冷却
系が起動して冷却水が原子炉に補給され、炉心が冷却さ
れると共に高圧注水系の起動のためのタイマーが起動さ
れる。しかし、このタイマーが所定時間の経過を計時し
たときに故障検出装置により原子炉隔離時冷却系の故障
を検出した場合に高圧注水系起動手段により高圧注水系
が起動され、冷却水が原子炉内に補給される。
【0019】したがって本発明によれば、万一の給水喪
失過渡事象と原子炉隔離時冷却系の故障とが重複した場
合でも、高圧注水系を確実に起動させて、原子炉水位を
所定水位に回復させることができるので、原子力プラン
トの安全性を向上させることができる。また、主蒸気隔
離弁の閉鎖前に原子炉隔離時冷却系を起動するので、主
蒸気隔離弁が閉鎖する確率を十分に低減することができ
る。このために、主蒸気隔離弁が閉鎖した場合に、その
後、その主蒸気隔離弁の再開のための運転操作等が必要
になるが、本発明によれば主蒸気隔離弁が閉鎖する確率
が低くなるので、かかる主蒸気隔離弁の再開のための運
転操作等の運転員の負担を軽減することができ、ひいて
は原子炉の安全性を向上させることができる。
【0020】〈第4の発明〉 前記高圧注水系起動手段は、水位不回復信号と、原子炉
隔離時冷却系故障信号と、タイマータイムアップ信号と
がANDロジックに同時に入力されたときに、そのAN
D条件を満足させて例えば「1」のANDロジック信号
が出力される。
【0021】このANDロジック信号、または原子炉水
位が高圧注水系を起動すべき水位の例えばL1.5以下
に低下したときに出力される水位信号の少なくとも一方
の信号が、ORロジックに与えられると、そのOR条件
を満足させてORロジックから起動信号が高圧注水系を
確実に起動させることができる。
【0022】よって、原子力プラントの安全性を向上さ
せることができる。
【0023】〈第5の発明〉 故障検出装置は、原子炉隔離時冷却系の起動時の原子炉
隔離時冷却系ポンプの流量を検出し、この検出流量が所
定時間内に所定流量に到達しないときに、原子炉隔離時
冷却系の故障信号を発生させるように構成されているの
で、原子炉隔離時冷却系の起動失敗、つまり故障を確実
に検出することができる。
【0024】〈第6の発明〉 高圧注水系は、タイマーが起動するときの原子炉水位よ
りも低い所定水位、例えばL1.5でも起動するように
構成されているので、タイマーが万一故障した場合でも
高圧注水系を確実に起動させることができる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1〜図4に基づい
て説明する。
【0026】図1は本発明に係る原子炉の過渡緩和シス
テムの一実施例の構成図を示す。原子炉11に収容され
た炉心12の核加熱によって発生した蒸気は、MSIV
13を介して主蒸気配管14によってタービン15に導
かれ、タービン15を駆動して発電機(図示せず)を回
転させて発電に供している。その後、蒸気はタービン1
5に付設された復水器16に導かれ、冷却され凝縮水と
なり、給水ポンプ18を介して給水配管17によって再
び原子炉11に導かれる。
【0027】原子炉11にはL4,L3,L2,L1.
5,L1の水位を計測する水位計23が設けられてお
り、水位信号25は起動ロジック10に入力されてい
る。また、水位計23からの水位信号25を入力するH
PCFタイマー28が設けられている。このHPCFタ
イマー28は、原子炉水位がL2に低下した場合に起動
され、所定の時間、例えば120秒経過した場合にHP
CFタイマータイムアップ信号7を起動ロジック10に
入力する。
【0028】また、サプレッションチャンバ21と復水
貯蔵タンク22を水源としてRCICポンプ19によっ
て原子炉11内に注水するRCIC系26が設けられて
いる。RCIC系26は、給水ポンプ18が停止したと
きに原子炉11の水位が低下するのを防止するために、
復水貯蔵タンク22あるいはサプレッションチャンバ2
1から原子炉11へ補給水を供給するものである。RC
ICポンプ19の下流側にはRCIC故障検出装置の一
例として流量計24が設けられている。この流量計24
によって測定されるRCICポンプ19の流量が、所定
の時間、例えば30秒以内に所定の流量に到達しない場
合にはRCIC故障信号6が起動ロジック10に入力さ
れる。この所定の時間は、水位計23によって発生する
原子炉水位L2の水位信号25を流量計24に入力する
ことによって流量計24を起動して計時する。本実施例
においてはRCIC故障検出装置の一例として流量計2
4を示したが、RCIC故障検出装置はRCICポンプ
19が起動していないことを確認するものであるので、
RCICポンプ19の回転数等を検出するものでもよ
い。また、本実施例においては、水位計23から流量計
24にL2の水位信号29を分岐入力して流量計24を
起動し、例えば30秒を計時し、所定の流量を検出しな
い場合にはRCIC故障信号6を起動ロジック10に発
信している。しかしながら、流量計24にはL2の水位
信号29を分岐入力せず、流量計24を常時作動させ
て、起動ロジック10に流量の信号を送信し、L2の水
位信号25を水位計23から起動ロジック10が受信し
たときから起動ロジック10内において計時し、RCI
C故障信号6を発生させてもよい。
【0029】さらに、RCIC系26と同様にサプレッ
ションチャンバ21と復水貯蔵タンク22を水源として
HPCFポンプ20によって原子炉11内に注水するH
PCF系27が設けられている。このHPCF系27は
RCIC系26が故障したときに、これをバックアップ
するものである。このHPCFポンプ20は、起動ロジ
ック10からHPCF起動信号4を受信して起動する。
【0030】このように構成された本発明の実施例にお
ける起動ロジック10について、図2を用いて説明す
る。
【0031】図2は本発明の一実施例における高圧注水
系27の起動ロジック10のブロック図であり、図にお
いて、起動ロジック10は例えば給水ポンプの故障等に
よる給水喪失事象と、原子炉隔離時冷却系(以下RCI
Cという)の故障が重なったときに、高圧注水系(以下
HPCFという)を起動させる起動信号を出力するもの
であり、ANDロジック2とORロジック3とを有し、
ORロジック3よりHPCF起動信号4を出力するよう
になっている。
【0032】そして、ANDロジック2は、水位がL2
より低いときに発生する水位L2不回復信号5,流量計
24から発生されるRCIC故障信号6およびHPCF
タイマータイムアップ信号7がAND条件を満足させた
ときに、例えば「1」のANDロジック信号8を出力す
るものであり、このANDロジック信号8と水位L1.
5以下信号9の少なくとも一方がORロジック3に与え
られたときに、このORロジック3からHPCF起動信
号4をHPCFポンプ20に与えてこれを起動させるよ
うになっている。
【0033】このように構成された本発明の原子炉の過
渡緩和システムにおいては、万一、原子炉へ冷却水を常
時給水している例えば給水ポンプが何らかの理由により
停止して給水喪失事象が発生し、原子炉水位が通常運転
水位よりも低下した場合には、その水位の低下に応じて
適切な対応を行なう。そのために、図3に示すように通
常運転水位以下の水位Lを上位から下位に受けて、L
4,L3,L2,L1.5,L1に順次設定している。
【0034】つまり、原子炉水位LがL4に低下する
と、再循環ポンプがトリップし、さらに低下してL3に
達すると、原子炉は自動的にスクラムされる。これらに
より、原子炉水位は一時的に回復するが、それでもなお
給水ポンプの故障が回復しない場合には、原子炉水位は
再び低下に転ずる。
【0035】このために、原子炉水位がさらに、L2に
低下すると、RCIC系26,流量計24およびHPC
Fタイマー28をそれぞれ起動させる。ここで、万一、
RCICポンプ19が故障して起動に失敗すると、原子
炉水位はさらに低下していく。このとき、流量計24は
所定の時間、例えば30秒以内に所定の流量を検出しな
い場合には起動ロジック10にRCIC故障信号6を発
信する。
【0036】そして、このRCIC故障信号6はAND
ロジックに与えられる。
【0037】また、HPCFタイマー28は所定の時
間、例えば120秒を計時したときにHPCFタイマー
タイムアップ信号7を発生するものである。本実施例の
HPCFタイマー28は図4の曲線Aで示す感度を有
し、120秒を設定すると原子炉水位L1.5に設計余
裕分の水位を加えた設計目標水位(図4中破線で表示)
より若干上方の水位を確保できることが本図よりわか
る。すなわち120秒を設定すれば、L1.5に対し、
HPCFポンプ20によって余裕をもって原子炉水位は
回復する。
【0038】一方、水位L2不回復信号も原子炉水位が
L2よりも低いときにANDロジック2に与えられる。
このために、ANDロジック2のAND条件を満足させ
てANDロジック8信号がORロジック3に与えられ、
そのOR条件を満たしてHPCF起動信号4が2系統の
HPCFに与えられ、これらを起動させる。
【0039】これにより、HPCF系27から大量の冷
却水が高圧の原子炉11内へ供給されて原子炉水位が急
速に回復する。その結果、炉水位がL1.5に低下して
主蒸気隔離弁13が閉鎖するのを自動的に回避すること
ができる。
【0040】このために、原子炉11からの主蒸気は継
続的に主復水器16に導入されて冷却されるので、原子
炉圧力が急上昇して逃し安全弁(図示せず)が作動する
という状態も未然に回避することができる。
【0041】そして、流量計24とHPCFタイマー2
8とに故障が発生し、HPCFの起動にも失敗した場合
は、原子炉水位は引き続き低下し、L1.5に到達す
る。
【0042】この場合は主蒸気隔離弁13が自動閉鎖し
てしまうが、水位L1.5以下信号9がORロジック3
に与えられるので、このORロジック3からHPCF起
動信号4がHPCFポンプ20に与えられ、これらの起
動を開始させる。したがって、既に主蒸気隔離弁13は
閉鎖されているが、原子炉水位は急速に回復する。
【0043】なお、このような事例は、給水喪失事象と
RCICの故障が重複して発生する上に、さらに、RC
IC故障検出装置、例えば流量計24とHPCFタイマ
ー28の故障とが重複して発生した場合を想定してお
り、このような事態の発生は極めて低い。
【0044】つまり、本発明によれば、原子炉水位がL
1.5に低下してMSIVが閉鎖してしまう確率を十分
に低減でき、原子力プラントの安全性を確保することが
できる。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、給水喪失
過渡事象とRCICの故障とが重複して発生した場合で
あっても、十分に安全な原子炉水位を確保しつつ、HP
CFを確実に起動することができる。
【0046】このために、原子炉水位を急速に回復させ
て主蒸気隔離弁の自動閉鎖を回避し、その後の過渡事象
の変化を大幅に緩和することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る原子炉の過渡緩和システムの一実
施例を示す構成図。
【図2】本発明に係る原子炉の過渡緩和システムの一実
施例におけるHPCF起動ロジックのブロック図。
【図3】図1で示す実施例の原子炉水位と各種機器の起
動ないし停止とを対応させて示す図。
【図4】図1で示す実施例のHPCFタイマーの設定時
間と原子炉水位の最低水位との相対関係を解析した図。
【図5】従来の原子炉水位と各種機器の起動ないし停止
とを対応させて示す図。
【符号の説明】
1 過渡緩和システム 2 ANDロジック 3 ORロジック 4 HPCF起動信号 5 水位L2不回復信号 6 RCIC故障信号 7 HPCFタイマータイムアップ信号 8 ANDロジック信号 9 水位L1.5以下信号 10 起動ロジック 11 原子炉 13 MSIV 19 給水ポンプ 19 RCICポンプ 20 HPCFポンプ 21 サプレッションチャンバ 22 復水貯蔵タンク 23 水位計 24 流量計 28 HPCFタイマー L1,L1.5,L2,L3,L4 原子炉水位
フロントページの続き (72)発明者 内藤 真 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株式会社東芝 横浜事業所内 (56)参考文献 特開 昭59−225392(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G21C 15/18

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原子炉水位が所定水位に低下したときに
    起動して原子炉に冷却水を補給する原子炉隔離時冷却系
    と、この原子炉隔離時冷却系が起動されるべき前記原子
    炉水位よりも低い所定水位に原子炉水位が低下したとき
    に起動して前記原子炉に冷却水を注水する高圧注水系
    と、前記原子炉隔離時冷却系が起動されるべき原子炉水
    位よりも低い所定水位に原子炉水位が低下したときに閉
    鎖する主蒸気隔離弁と、この主蒸気隔離弁が閉鎖される
    ベき原子炉水位より高い所定水位よりも原子炉水位が低
    下したときに起動するタイマーと、前記原子炉隔離時冷
    却系の故障を検出する故障検出装置と、前記タイマーが
    所定時間の経過を計時したときに前記故障検出装置によ
    って前記原子炉隔離時冷却系の故障が検出された場合に
    前記高圧注水系を起動せしめる手段を有することを特徴
    とする原子炉の過渡緩和システム。
  2. 【請求項2】 前記タイマーの起動する原子炉水位は前
    記原子炉隔離時冷却系が起動されるべき原子炉水位であ
    ることを特徴とする請求項1記載の原子炉の過渡緩和シ
    ステム。
  3. 【請求項3】 前記高圧注水系を起動せしめる手段は、
    少なくとも、故障検出装置からの原子炉隔離時冷却系故
    障信号と、前記タイマーが所定時間の経過を計時したと
    きに出力されるタイムアップ信号と、を受けたときにA
    NDロジック信号を出力するANDロジックと、前記A
    NDロジック信号および高圧注水系が起動されるべき所
    定水位以下に原子炉水位が低下したときに出力される水
    位信号の少なくとも一方の信号を受けたときに、前記高
    圧注水系を起動せしめる起動信号を出力するORロジッ
    クと、を有することを特徴とする請求項1または2記載
    の原子炉の過渡緩和システム。
  4. 【請求項4】 前記高圧注水系を起動せしめる手段は、
    原子炉水位が原子炉隔離時冷却系を起動せしめるべき所
    定水位に回復しないときに出力される水位不回復信号
    と、故障検出装置からの原子炉隔離時冷却系故障信号
    と、前記タイマーが所定時間の経過を計時したときに出
    力されるタイムアップ信号と、を同時に受けたときにA
    NDロジック信号を出力するANDロジックと、前記A
    NDロジック信号および高圧注水系が起動されるべき所
    定水位以下に原子炉水位が低下したときに出力される水
    位信号の少なくとも一方の信号を受けたときに、前記高
    圧注水系を起動せしめる起動信号を出力するORロジッ
    クと、を有することを特徴とする請求項1または2記載
    の原子炉の過渡緩和システム。
  5. 【請求項5】 前記故障検出装置は、原子炉隔離時冷却
    系の起動時の原子炉隔離時冷却系ポンプの流量を検出
    し、この検出流量が所定時間内に所定流量に到達しない
    ときに、原子炉隔離時冷却系故障信号を発生させるよう
    に構成されていることを特徴とする請求項4記載の原子
    炉の過渡緩和システム。
  6. 【請求項6】 前記高圧注水系は、前記タイマーが起動
    するときの原子炉水位よりも低い所定の水位でも起動す
    るように構成されていることを特徴とする請求項1〜5
    のいずれか1項に記載の原子炉の過渡緩和システム。
JP27461993A 1993-11-02 1993-11-02 原子炉の過渡緩和システム Expired - Fee Related JP3268090B2 (ja)

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