JP2859990B2 - 沸騰水型原子炉設備 - Google Patents

沸騰水型原子炉設備

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JP2859990B2
JP2859990B2 JP4037955A JP3795592A JP2859990B2 JP 2859990 B2 JP2859990 B2 JP 2859990B2 JP 4037955 A JP4037955 A JP 4037955A JP 3795592 A JP3795592 A JP 3795592A JP 2859990 B2 JP2859990 B2 JP 2859990B2
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Structure Of Emergency Protection For Nuclear Reactors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は主蒸気系、何らかの原因
で原子炉の水位が低下した場合に冷却水を補給する原子
炉隔離時冷却系および非常用炉心冷却系を有する沸騰水
型原子炉設備に関する。
【0002】
【従来の技術】従来は、柏崎刈羽6・7号機の設置許可
申請書添付八章の工学的安全設備で記載されているよう
に、再循環系にインターナルポンプを用いた原子炉の異
常時に原子炉冷却水を補給する系統は、原子炉隔離時冷
却系(RCIC)と非常用炉心冷却系(ECCS)から
構成されている。非常用炉心冷却系は、2系統の高圧注
水系(HPCF)と3系統の低圧注水系(LPFL)を
有し、原子炉隔離時冷却系を高圧注水系としても用いる
ことにより高圧注水系も3系統とし、3系統の非常用電
源に3系統各々高圧、低圧の注水系1系統ずつ接続した
電源3区分の構成としている。
【0003】これらの注水系の容量は、設計上の必要容
量の50%で設計されており実際には2区分の高圧/低
圧注水系が起動すれば十分な容量が確保できるようにな
っている。このため、万一原子炉の異常時に、厳しい仮
定であるが、電源1区分に故障が発生しても機能上十分
な設計としている。
【0004】RCICは、タービン駆動のポンプを用い
ており、原子炉隔離のような過渡時に原子炉水位低(L
1)より高く通常運転水位より低い位置に設定された原
子炉水位L2で起動し原子炉水位の低下を防止する。ま
た、冷却材喪失事故時等においてもL2で起動し、原子
炉圧力の高い状態でも冷却水の注水を行う。
【0005】HPCFは、水位L1とL2の間に設定さ
れている原子炉水位L1.5で起動し、冷却材喪失事故
時に、RCICと同様に原子炉圧力の高い状態から冷却
水の注水を行う。またHPCFは、過渡時に万一RCI
Cが起動しなかった場合でもRCICの代りに水位低下
の防止を行う機能も有している。
【0006】一方、LPFLは原子炉水位がL1に達し
た場合に起動し、同様にL1到達後30秒の時間遅れで
ドライウェル圧力高信号が同時に出ていれば起動する自
動減圧系(ADS)により原子炉減圧した後原子炉への
注水を行い、常に炉心を冠水維持させる働きを持つ。こ
のLPFLは、残留熱除去機能も併せ持っており、LO
CA後の崩壊熱除去ばかりでなく通常のプラント停止、
プール冷却、格納容器スプレイ等多機能な性能を有して
いる。
【0007】以上のRCIC,HPCF,LPFLは、
ECCSとして用いられるため自動の流量調整は行わ
ず、起動要求が満されるとシステムの注水能力に基づい
て原子炉に注水を行うようにしており、注水能力が過剰
なため原子炉水位が上昇しすぎるような場合は、運転員
が手動で停止するようにしている。但し、RCICは原
子炉隔離等の過渡時に用いる設備でもあるため、手動に
よる流量調整が行えるようになっている。
【0008】また、LOCA時には、どの様な破断を想
定し、かつ最も厳しい単一故障を仮定しても原子炉の圧
力が高い期間はRCICあるいはHPCFによる注水に
より炉心の露出を回避するようにしているが、原子炉水
位がL1に達しドライウェル圧力高信号が出るとADS
が起動して原子炉圧力を低下させ、原子炉の圧力が約
2.8Kg/cm2 以下となるとLPFLが炉内に注入
できるようになり、最終的にはLOCAの全期間を通じ
て炉心は常に冠水維持される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来の原子炉の異常時
の注水系は、以上述べたように過渡事象から事故に至る
すべての事象を包含する能力を有しており、高信頼性か
つ多機能なシステム構成となっており、沸騰水型原子炉
システムの安全性が十分に確保できるようになってい
る。
【0010】しかしながら、従来の設備は高圧注水系も
ECCSとなっているため、原子炉隔離あるいは破断面
積の小さなLOCA時には注水能力過剰となる場合もあ
り、このような場合、運転員は手動でRCICの流量調
整を行うか、HPCFの手動による停止起動操作により
原子炉水位の安定確保を行うことが必要である。このよ
うな運転員操作は、安全上の問題とはならないが、原子
炉の異常状態での運転員の操作であり、なるべく軽減す
ることが望しい。
【0011】また、高圧注水系、低圧注水系はともにE
CCS機能を有するため、信頼性が高く大容量の非常用
電源を必要とする。また、ECCSは運転中のサーベラ
ンス試験、定検中の起動前試験等多大な保守作業が必要
となる。
【0012】本発明の目的は、非常用炉心冷却系の設備
を簡素化し、操作性を向上した沸騰水型原子炉設備を提
供することである。
【0013】本発明の他の目的は、非常用電源を簡素化
し、保守点検性を向上した沸騰水型原子炉設備を提供す
ることである。
【0014】上記目的を達成するために、本発明は、異
常時に原子炉圧力容器に冷却水を補給する原子炉隔離時
冷却系および非常時炉心冷却系と、原子炉圧力容器の気
相部に接続された自動減圧系とを備えた沸騰水型原子炉
設備において、前記自動減圧系を通常運転水位より低い
第1の原子炉水位に設定された原子炉水位低信号のみで
起動するようにし、前記非常用炉心冷却系を、前記原子
炉水位低信号を受けて起動し、原子炉の炉心を露出させ
ることのない吐出圧力と吐出流量とを有するポンプを備
えた低圧注水系のみで構成し、前記原子炉隔離時冷却系
を、前記第1の原子炉水位より高い第2の原子炉水位に
設定された原子炉水位低信号を受けて起動するポンプを
備えた高圧注水系で構成したものである。また上記目的
を達成するために、本発明は、異常時に原子炉圧力容器
に冷却水を補給する原子炉隔離時冷却系および非常時炉
心冷却系と、原子炉圧力容器の気相部に接続された自動
減圧系とを備えた沸騰水型原子炉設備において、前記自
動減圧系を通常運転水位より低い第1の原子炉水位に設
定された原子炉水位低信号のみで起動するようにし、前
記非常用炉心冷却系を、前記原子炉水位低信号を受けて
起動し、原子炉の炉心を露出させることのない吐出圧力
と吐出流量とを有するポンプを備えた低圧注水系のみで
構成し、前記原子炉隔離時冷却系を、前記第1の原子炉
水位より高く通常運転水位より低い第2の原子炉水位に
設定された原子炉水位低信号を受けて起動するポンプを
備えた高圧注水系で構成したものである。
【0015】また、前記原子炉隔離時冷却系の高圧注水
系に備えられたポンプは、原子炉隔離事象で前記第1の
原子炉水位に至ることない吐出圧力と吐出流量とを有す
るものである。
【0016】上記沸騰水型原子炉設備において、好まし
くは、前記非常用炉心冷却系の低圧注水系を3系統設
け、前記原子炉隔離時冷却系の高圧注水系を1系統また
は2系統設ける。
【0017】また、好ましくは、前記原子炉隔離時冷却
系の高圧注水系を常用系とする。
【0018】更に、好ましくは、前記原子炉隔離時冷却
系の高圧注水系に自動流量調整機能を持つ流量制御弁を
配置する。
【0019】また、好ましくは、前記原子炉隔離時冷却
系の高圧注水系のポンプを蒸気タービン駆動のポンプと
し、このポンプに発電機を接続し、この発電機で生じた
電気を原子炉隔離時冷却系の制御系に供給する。
【0020】
【作用】自動減圧系(ADS)を通常運転水位より低い
第1の原子炉水位に設定された原子炉水位低信号のみで
起動するようにし、非常用炉心冷却系(ECCS)を、
その原子炉水位低信号を受けて起動し、原子炉の炉心を
露出させることのない吐出圧力と吐出流量とを有するポ
ンプを備えた低圧注水系(LPFL)のみで構成するこ
とにより、原子炉水位の安定確保が万一できなかった場
合、迅やかにADSによる原子炉減圧とECCSによる
補給により炉心は常に冠水維持される。このため、AD
Sが起動以前の高圧時に注入する系統(高圧注水系:R
CIC,HPCF)を、ECCSではなく過渡時専用の
常用系とすることができ、これによりECCSを低い吐
出圧力のポンプを用いた系統だけで構成することがで
き、系統数も従来に比べて少なくすることができるた
め、沸騰水型原子炉設備を簡素化することができると共
に操作性を向上することができる。
【0021】また、高圧注水系は常用系とすることによ
り非常用電源を必ずしも設ける必要はなくなり、非常電
源等の設備の簡素化、保守点検性の向上を図ることがで
きる。また、非常用電源を必要としないことから、電動
あるいは蒸気駆動以外の駆動源、たとえばガスタービン
駆動のような手段を用いて系統を構成することも可能と
し、系統設計が簡素化できる。また、原子炉隔離の原因
が全交流電源の喪失であったとしても、高圧注水系は他
系統からの電気供給を期待せずに稼働し続けることがで
きるため、高圧時の原子炉水位確保能力は向上する。
【0022】また、高圧注水系(RCIC)に自動流量
調整機能を持つ流量制御弁を配置することにより、過渡
時の水位維持能力を高めることができる。
【0023】更に、高圧注水系のポンプを蒸気タービン
駆動のポンプとし、このポンプに発電機を接続し、この
発電機で生じた電気を制御系に供給することにより、高
圧注水系に自己発電機能を持せ、全交流電源の喪失状態
でも注水機能の維持を持たせ、水位維持機能を高めるこ
とができる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1〜図6により
説明する。図1において、圧力容器4には核燃料を装荷
した炉心が内包されており、炉心出力は図示しない制
御棒を出し入れすることにより制御される。圧力容器4
で発生した蒸気は主蒸気管7を経て図示しないタービン
に送られ、タービン駆動後の蒸気は図示しない復水器及
び給水管をへて圧力容器4に戻される。このように構成
した原子炉に対して、本実施例の非常用炉心冷却系(E
CCS)及び自動減圧系(ADS)14が設けられてい
る。
【0025】ECCSは3系統の低圧注水系(LPF
L)20からなり、電源及び機器構成が独立の3区分の
構成となっている。すなわち、各LPFL20は、所内
電源及び独立の非常用電源11を含む電源系と、これに
連結され、水源12より冷却水を吸い上げるポンプ9と
を有し、ポンプ9は、従来1350MWのインターナル
ポンプを採用した沸騰水型原子炉でいかなる一次系の配
管破断あるいはADSの減圧時においても炉心の一時的
な露出を起さないようにするために、定格吐出圧力を少
くとも14Kg/cm2 以上にする。また、吐出流量
は、従来と同程度の全揚程120mで約950m3 /
hであり、必要設計流量の50%に相当する。また、本
LPFL20にも従来例と同様に熱交換器13を直結さ
せ、LPFLの起動と同時に残留熱除去が行なわれるよ
うにする。また、各LPFL20は、水位計6からの原
子炉水位低信号により開閉し、LPFLを起動する空気
圧動作(AO)の注入弁10を備えている。
【0026】一方、ADS14は主蒸気系配管7上に設
置した複数の弁を有し、水位計6からの原子炉水位低信
号のみで起動して、排気管13Aを経て格納容器の圧力
抑制プールへ圧力容器4内の蒸気を放出する。
【0027】ADS14を起動する水位計6からの原子
炉水位低信号は、通常運転水位より低い第1の水位L1
に設定されており、注入弁10を起動する水位計6から
の原子炉水位低信号も、同じ第1の水位L1に設定され
ている。
【0028】一方、図2は本実施例の原子炉隔離時冷却
系を示し、本来の原子炉隔離時冷却系(RCIC)21
と予備の高圧注水系(HPCF)22との2系統から構
成されている。RCIC21は、主蒸気配管7に接続さ
れたタービン2と、タービン2により駆動されるポンプ
1と、水位計6からの信号により開度が調整される電動
駆動(MO)の流量制御弁8aとから構成されている。
HPCF22は、電動駆動のポンプ3と、これに給電す
る所内電源及びディーゼル発電機11Aを含む電源系
と、水位系6からの信号により開度が調整される電動駆
動(MO)の流量制御弁8bとから構成されている。
【0029】RCIC21は、従来と同様に、原子炉隔
離のような過渡時に第1の水位L1よりより高く通常運
転水位より低い位置に設定された第2の水位L2で起動
し、ポンプ1の吐出流量も従来と同程度の約180m3
/hとする。また、冷却材喪失事故時等においても第2
の水位L2で起動し、原子炉圧力の高い状態でも冷却水
の注水を行う。
【0030】HPCF22は、第1の水位L1と第2の
水位L2の間に設定された従来と同様の第3の水位L
1.5で起動し、電動駆動のポンプ3の吐出流量も高圧
時(全揚程890m)で約180m3 /hの能力を持
たせるようにし、冷却材喪失事故時に、RCIC21と
同様に原子炉圧力の高い状態から冷却水の注水を行う。
また、HPCF22は、過渡時に万一RCIC21が起
動しなかった場合でも、RCICの代りに水位低下の防
止を行う機能も有している。
【0031】RICI21及びHPCF22は、上記の
非常用炉心冷却系の設置によりECCSにする必要がな
いため、常用系として構成され、上記のように流量制御
弁8a,8bには自動流量調整機能を持たせている。ま
た、電動駆動のポンプ3には、所内電源からだけではな
くディーゼル発電機11Aを接続しておくが、ECCS
にする必要がないため、保安用のディーゼル発電機であ
る。
【0032】次に、本実施例の動作を従来の非常用炉心
冷却系と比較して説明する。図3は従来の非常用炉心冷
却系の系統構成を示す。従来の非常用炉心冷却系は、高
圧注水系を3系統(RCIC30を1系統、HPCF3
1を2系統)設け、低圧注水系(LPFL32)も3系
統設け、高圧と低圧の各1系統つづを非常用電源11に
接続した独立3区分構成で最適化されている。このうち
RCIC30は、原子炉隔離等の過渡時の補給水系とし
ても用いられる。これらの注水系は、RCIC30が第
2の水位L2、HPCF31は第3の水位L1.5、L
PFL32は第1の水位L1で各々起動するようにして
おり、破断口の大きさに応じて順に起動するようになっ
ている。また、以上の系統は、基本的にECCSである
ため注入弁10には自動で流量調整する機能は持たせ
ず、一度起動の要求が出れば所定の注入量を原子炉に注
入するようにしている。従って、原子炉隔離等の過渡時
や破断口径の小さな小LOCAで高圧注水系の注入能力
が過剰である場合等は、図4に示すように、RCIC3
0あるいはHPCF31の起動により水位が回復した後
でもさらに上昇を続けることになり、運転継続保持のた
めに運転員は手動で流量調整あるいは手動停止をしなけ
れなならない。
【0033】一方、本実施例では、RCIC21、HP
CF22はECCSではないため自動流量調整機能を持
った流量制御弁8a,8bを設けることができ、運転員
の手動操作を期待することなく、水位計6の水位信号に
応じて原子炉水位は速やかに安定化保持される。
【0034】また、原子炉隔離時冷却系では、水位の維
持が困難な破断口径の大きな冷却水喪失事故(LOC
A)の場合、従来例ではいかなる単一故障を想定しても
高圧注水系(RCIC30,HPCF31)及び低圧注
水系(LPFL32)のいづれかの組み合せにより十分
な冷却水が炉内に注入されるよう、LPFL32は原子
炉水位が第1の水位L1に達した場合に起動し、同様に
第1の水位L1到達後30秒の時間遅れでドライウェル
圧力高信号が同時に出ていれば、ADS14Aが起動
し、原子炉減圧した後原子炉への注水を行い、炉心は露
出することなく冠水維持することができるようになって
いる。
【0035】本実施例の場合、実際には従来例と同じく
高圧注水系21,22と低圧注水系20の組み合せによ
り炉心は冠水維持されることになるが、原子炉の安全評
価の指針に基づいてECCSでない高圧注水系21,2
2の作動を期待しないとしても、ADS14が第1の水
位L1の水位低信号のみによって起動するため、図5に
示すようにLPFL20は炉心の露出以前に注入が開始
され、この場合においても炉心は常に冠水維持されるこ
とになる。
【0036】さらに、従来例では原子炉隔離や非常に小
さなLOCA時に高圧注水系30,31が万一所定の機
能を果せなかった場合、ドライウェル圧力高信号が出な
いため、図6に示すように、水位が第1の水位L1に達
してもADS14Aは自動で起動しないため、運転員は
手動でADS14Aを起動するようにする必要がある。
本実施例では、ADS14は第1の水位L1の水位信号
だけで自動起動するため、この様な場合でも運転員の操
作を期待する必要はない。
【0037】さらに、極めて頻度の低い事象であるが、
過渡時にスクラム信号が発生してもスクラムに失敗した
事象(ATWS)が発生すると、従来は運転員は原子炉
の出力を極力おさえるために手動で給水流量をしぼり、
水位制御することにしているが、本実施例ではATWS
発生に応じて給水を止め、RCIC21を用いて自動で
水位制御せることができる。
【0038】本発明の第2の実施例を図7により説明す
る。本実施例では、LPFL20を4系統にしており、
系統の信頼性を向上させていると同時に、一系統が冗長
となっているため、仮りに運転中不作動となるような事
態となってもプラントの運転継続が可能である。
【0039】本発明の第3の実施例を図8により説明す
る。本実施例では、非常用炉心冷却系の構成は図1ある
いは図7のどちらでも用いることができ、原子炉隔離時
冷却系を蒸気タービン2によりポンプ1を駆動するRC
IC21と、ガスタービン15によりポンプ3を駆動す
るHPCF22Aとで構成したものである。本実施例の
場合、電動駆動のポンプを用いないため、第1の実施例
に対して保安用の電源設備も不要とすることができ、電
源系統の大幅な簡素化を行うことができる。
【0040】本発明の第4の実施例を図9により説明す
る。本実施例では、原子炉隔離時冷却系をガスタービン
15によりポンプ1を駆動する構成とし、電動駆動を1
系統としたものである。電動駆動のポンプ3は通常所内
電源で駆動するが、電源の信頼性を高めるためにディー
ゼル発電機11Aも設けることにする。但し、常用系で
あるため、非常用電源とする必要はないので、保守点検
を簡素にできる。一方、蒸気駆動がなくなったため、主
蒸気系配管7から駆動蒸気を導びいてくる必要はなく、
主蒸気系統を簡素化することができる。なお、非常用炉
心冷却系は実施例3と同じく第1あるいは第2の実施例
のいづれを用いてもよい。
【0041】本発明の第5の実施例を図10により説明
する。本実施例では、RCIC21Bのタービン2に小
型の発電機25を接続しておき、直接又は直流電源26
を介してRCIC21の電気制御系に供給できるように
しておく。これにより、全ての交流電源が期待できない
場合においても電気供給システムが停止することがな
く、信頼性を向上できる。この焦れも、非常用炉心冷却
系は第1あるいは第2の実施例のいづれを用いてもよ
い。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば次の効果が得られる。
【0043】(1)非常用炉心冷却系の設備が簡素化さ
れ、操作性が向上する。
【0044】(2)注水系統の機能分離が明確となるの
で、系統の取扱いが単純になる。
【0045】(3)非常用電源設備の容量、系統数が簡素
となり、保守点検性が向上する。
【0046】(4)過渡及び事故において運転員の手動に
よる水位制御あるいは原子炉の減圧操作は不要となり、
運転操作の容易な原子炉となる。
【0047】(5)異常時の水位安定化は自動制御で行わ
れるので、水位維持性能が向上すする。
【0048】(6)従来にくらべHPCF一系統以上が不
要となるため、設備経済性は向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による沸騰水型原子炉設
備の非常用炉心冷却系を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施例による沸騰水型原子炉設
備の原子炉隔離時冷却系を示す図である。
【図3】従来の非常用炉心冷却系を示す図である。
【図4】従来の非常用炉心冷却系による異常時での原子
炉水位制御の説明図である。
【図5】本発明の第1の実施例による非常用炉心冷却系
のLOCA時の起動を従来と比較して示す図である。
【図6】本発明の第1の実施例による非常用炉心冷却系
のドライウエル圧力高信号が出ない場合のLOCA時の
起動を従来と比較して示す図である。
【図7】本発明の第2の実施例による非常用炉心冷却系
を示す図である。
【図8】本発明の第3の実施例による原子炉隔離時冷却
系を示す図である。
【図9】本発明の第4の実施例による原子炉隔離時冷却
系を示す図である。
【図10】本発明の第4の実施例による原子炉隔離時冷
却系を示す図である。
【符号の説明】
1 RCICポンプ 2 RCICタービン 3 電動駆動ポンプ 4 原子炉圧力容器 5 炉心 6 原子炉水位計 7 主蒸気系配管 8 流量制御弁 9 LPFLポンプ 10 LPFL注入弁 11 非常用電源 12 水源 13 熱交換器 14 ADS 15 ガスタービン 20 低圧注水系(LPFL) 21 (原子炉隔離時冷却系)RCIC 22 (高圧注水系)HPCF

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】異常時に原子炉圧力容器に冷却水を補給す
    る原子炉隔離時冷却系および非常時炉心冷却系と、原子
    炉圧力容器の気相部に接続された自動減圧系とを備えた
    沸騰水型原子炉設備において、 前記自動減圧系を通常運転水位より低い第1の原子炉水
    位に設定された原子炉水位低信号のみで起動するように
    し、前記非常用炉心冷却系を、前記原子炉水位低信号を
    受けて起動し、原子炉の炉心を露出させることのない吐
    出圧力と吐出流量とを有するポンプを備えた低圧注水系
    のみで構成し、前記原子炉隔離時冷却系を、前記第1の
    原子炉水位より高い第2の原子炉水位に設定された原子
    炉水位低信号を受けて起動するポンプを備えた高圧注水
    系で構成したことを特徴とする沸騰水型原子炉設備。
  2. 【請求項2】異常時に原子炉圧力容器に冷却水を補給す
    る原子炉隔離時冷却系および非常時炉心冷却系と、原子
    炉圧力容器の気相部に接続された自動減圧系とを備えた
    沸騰水型原子炉設備において、 前記自動減圧系を通常運転水位より低い第1の原子炉水
    位に設定された原子炉水位低信号のみで起動するように
    し、前記非常用炉心冷却系を、前記原子炉水位低信号を
    受けて起動し、原子炉の炉心を露出させることのない吐
    出圧力と吐出流量とを有するポンプを備えた低圧注水系
    のみで構成し、前記原子炉隔離時冷却系を、前記第1の
    原子炉水位より高く通常運転水位より低い第2の原子炉
    水位に設定された原子炉水位低信号を受けて起動するポ
    ンプを備えた高圧注水系で構成したことを特徴とする沸
    騰水型原子炉設備。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の沸騰水型原子炉設備
    において、前記原子炉隔離時冷却系の高圧注水系に備え
    られたポンプは、原子炉隔離事象で前記第1の原子炉水
    位に至ることない吐出圧力と吐出流量とを有することを
    特徴とする沸騰水型原子炉設備。
  4. 【請求項4】請求項記載の沸騰水型原子炉設備におい
    て、前記非常用炉心冷却系の低圧注水系を3系統設け、
    前記原子炉隔離時冷却系の高圧注水系を1系統または2
    系統設けたことを特徴とする沸騰水型原子炉設備。
  5. 【請求項5】請求項記載の沸騰水型原子炉設備におい
    て、前記原子炉隔離時冷却系の高圧注水系を常用系とし
    たことを特徴とする沸騰水型原子炉設備。
  6. 【請求項6】請求項記載の沸騰水型原子炉設備におい
    て、前記原子炉隔離時冷却系の高圧注水系に自動流量調
    整機能を持つ流量制御弁を配置したことを特徴とする沸
    騰水型原子炉設備。
  7. 【請求項7】請求項記載の沸騰水型原子炉設備におい
    て、前記原子炉隔離時冷却系の高圧注水系のポンプを蒸
    気タービン駆動のポンプとし、このポンプに発電機を接
    続し、この発電機で生じた電気を原子炉隔離時冷却系の
    制御系に供給することを特徴とする沸騰水型原子炉設
    備。
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