JP3267466B2 - 光周波数多重通信を行う光通信システム及び光送信器及び光周波数制御方法 - Google Patents

光周波数多重通信を行う光通信システム及び光送信器及び光周波数制御方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光周波数多重通信を行
う光通信システム及び光通信方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光周波数多重通信は、1つの伝送路内に
独立した多数のチャンネルをもつことができる。フレー
ム同期等の時間軸上での多重化が不要なため、各チャン
ネルの伝送速度を一致させる必要がなく、ネットワーク
の柔軟性が求められるマルチメディア通信にも適してい
る。
【0003】光周波数多重通信システムの一例として、
各端局が光周波数可変な1組の光送信器と光受信器を持
つシステムがある。送信する端局は光送信器の光周波数
可変光源の光周波数を通信に使われていない光周波数
(光周波数多重通信の”チャンネル”)に合わせる。一
方、受信する端局は受信する光周波数に光受信器の光バ
ンドパスフィルタ(以下、光フィルタと呼ぶ)の透過ス
ペクトルの中心光周波数(以下、光フィルタの光周波数
とも呼ぶ)を一致させて受信する。システムで利用でき
る光周波数範囲は光送信器及び光受信器の光周波数可変
範囲から決まる。また、チャンネルの光周波数間隔(以
下、チャンネル間隔と呼ぶ)は光受信器の光フィルタの
透過スペクトルの幅から決まる。
【0004】光周波数可変光源としては光周波数可変半
導体レーザ(以下、半導体レーザをLDと呼ぶ)を用いる
ことができる。光周波数可変幅を広げるための研究が進
められているが、現時点で実用レベルのものは、多電極
のDBR(distributed Bragg refrector)型やDFB(distri
buted feedback)型のもので、光周波数可変幅は数nmで
ある。一例としては、電子情報通信学会の刊行物OQE89-
116、”三電極長共振器λ/4シフトMQW-DFBレーザ”記
載のものが挙げられる。一方、光周波数可変フィルタと
しては、ファブリペロ共振器型のものを用いることがで
きる。光周波数可変幅は数10nm、スペクトル幅は0.1nm
程度のものが実用レベルになっている。一例としては、
刊行物ECOC '90-605、”A field-worthy, high-perform
ance,tunable fiber Fabry-Perot filter”記載のもの
を挙げることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】チャンネル間隔を狭く
することにより、同じ光周波数可変幅で多くのチャンネ
ルをとることができる。LD、光フィルタの光周波数のド
リフトによる変動幅以下の間隔にするためには、制御に
よりドリフトの影響を抑えなければならない。ドリフト
の影響を抑えるためには、光周波数を絶対的、あるいは
相対的に安定させることが必要である。しかし、光周波
数の絶対的な基準は簡易ではない。また、LANのように
光送信器が離れた場所にある通信システム内では通信シ
ステム内において絶対的な基準を設け、それに対して相
対的に安定化することも難しい。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明では上記
課題を解決するために、光周波数の絶対的な安定化を必
要としない光通信システム及び光送信器及び光周波数制
御方法を提供する。また本発明では基準となる光周波数
を設定する必要もない。本発明の基本原理は以下の通り
である。
【0007】光送信器においては、光周波数多重通信
を行う光周波数領域の端部に自光送信器の出力光の光周
波数を寄せていく。
【0008】自光送信器の出力光の光周波数が、他の
光の光周波数と所定の間隔を越えて近づくことによる混
信をさけるために、隣接する他の光の光周波数との間隔
を所定の光周波数間隔に保つように制御する。
【0009】以上のにより光周波数軸上では送信開
始順に順次光周波数領域の端から、各局の送信光周波数
が多重されることになる。本発明においては、隣接する
他の光の光周波数との間隔を所定の光周波数間隔に保つ
ために、光送信器からは少なくとも3つの光周波数の光
を互いに所定の間隔を保って出力する。そして例えば光
周波数の大きい方に自光送信器の出力光の光周波数を寄
せていく場合には、自光送信器の出力する3つの光周波
数の光のうちの最大の光周波数の光の光周波数よりも大
きく、かつ隣接する周波数の光の周波数と、自光送信器
の出力する3つの光周波数のうちの最大の光周波数の光
の光周波数とを一致させる。この一致した状態を維持す
ることにより前記3つの光周波数の光のうち中間の光周
波数の光は他の光と混信することが予防される。このと
き前記3つの光周波数の光のうち最小の光周波数の光
は、後に送信を開始する他の光送信器が該光送信器の出
力する3つの光周波数の光のうちの最大の光周波数の光
の周波数と一致させるのに用いられる。
【0010】以上の制御を実現するために本発明では、
以下の如き光通信システム、及び光周波数制御方法を提
供する。更に光通信システムにおける光送信器も提供す
る。
【0011】1、 まず光通信システムとしては、光伝
送路上で光周波数多重通信を行う光通信システムであっ
て、該光通信システム内の光送信器が、少なくとも3つ
の光周波数の光を、互いに所定の光周波数間隔を保ち、
かつ光周波数を制御して出力できる光源部と、前記3つ
の光周波数の光のうちで、最大の光周波数の光の光周波
数と、前記光周波数多重通信を行う光周波数領域におい
て該最大の光周波数の光よりも光周波数が大きく、かつ
隣接する光周波数の光の光周波数との2つの光周波数を
一致させるべく制御するか、もしくは、前記3つの光周
波数の光のうちで、最小の光周波数の光の光周波数と、
前記光周波数多重通信を行う光周波数領域において該最
小の光周波数の光よりも光周波数が小さく、かつ隣接す
る光周波数の光の光周波数との2つの光周波数を一致さ
せるべく制御する制御手段とを有することを特徴とする
光通信システムを提供する。これにより光周波数の絶対
的な安定や、基準光周波数を用いることなく隣接する光
周波数との間隔を所定の間隔に保つことができ、また高
密度な光周波数多重を実現できる。
【0012】2、 前記光送信器は、前記3つの光周波
数の光のうち、少なくとも中間の光周波数の光を変調す
る手段を有していればよい。
【0013】3、 前記光送信器が、透過中心光周波数
を制御可能な光バンドパスフィルタを有しており、前記
制御手段は、前記光源部と前記光バンドパスフィルタを
制御して、光バンドパスフィルタが前記一致させるべき
2つの光周波数の光が同時に前記光バンドパスフィルタ
を透過する状態になるように制御するものである1及び
2いずれかに記載の光通信システムでは光バンドパスフ
ィルタを用いることによる構成の簡略化、及び制御の容
易化が実現できる。また光バンドパスフィルタは各光送
信器は1つ有していればよい。
【0014】4、 光通信システム内の全ての光送信器
において、前記制御手段が、前記3つの光周波数の光の
うちで、最大の光周波数の光の光周波数と、前記光周波
数多重通信を行う光周波数領域において該最大の光周波
数の光よりも光周波数が大きく、かつ隣接する光周波数
の光の光周波数との2つの光周波数を一致させるべく制
御するものか、もしくは、前記3つの光周波数の光のう
ちで、最小の光周波数の光の光周波数と、前記光周波数
多重通信を行う光周波数領域において該最小の光周波数
の光よりも光周波数が小さく、かつ隣接する光周波数の
光の光周波数との2つの光周波数を一致させるべく制御
するものかのどちらかに統一されている1乃至3いずれ
かに記載の光通信システムでは、光周波数領域のどちら
か一方からのみ光周波数が多重化されていくので、送信
要求のある光送信器が光伝送路上に出力を開始する際
に、多重化されていく反対側の光周波数で出力を開始す
ることにより出力開始時の混信を回避することができ
る。
【0015】5、 前記光通信システムは、1つの前記
光送信器が前記光伝送路に出力した光の一部が該光送信
器にも入力される構成である1乃至4いずれかに記載の
光通信システムでは、各光送信器において、自発光光を
自光送信器内の検出手段に入力するための特別な構成が
不要となる。
【0016】6、 一方光送信器内に、前記光源部から
の出力の一部を自光送信器内の検出手段に直接入力する
手段を更に有することにより、一度光伝送路上に出力し
た自発光光を自光送信器に入力できる構成にする必要が
なくなる。また光通信システムの光伝送路を介して自光
送信器に入力される光よりも充分高いレベルの光を直接
検出手段に入力できる。さらにそれにより、光送信器が
出力する光周波数を微少変調して誤差信号を生成し、帰
還制御を行う場合でも、光通信システム内の各光送信器
でその微少変調の変調周波数を異ならせる必要がなくな
る。
【0017】7、 また前記3つの光周波数を得る手段
としては、3値のFSK信号で光変調を行う構成があ
る。具体的には、3値の信号でLD等の光源を直接変調
したり、光源からの光を変調器に通して3値の信号で変
調する構成がある。この構成では、光送信器は1つの光
源を有するだけでよい。
【0018】8、 光周波数制御方法としては、光伝送
路上で光周波数多重通信を行う光通信システムで用いる
光送信器における光周波数制御方法であって、光送信器
内の光源部から少なくとも3つの光周波数の光を、互い
に所定の間隔を保って出力させ、前記3つの光周波数の
光のうちで、最大の光周波数の光の光周波数と、前記光
周波数多重通信を行う光周波数領域において該最大の光
周波数の光よりも光周波数が大きく、かつ隣接する光周
波数の光の光周波数との2つの光周波数を一致させるべ
く制御するか、もしくは、前記3つの光周波数の光のう
ちで、最小の光周波数の光の光周波数と、前記光周波数
多重通信を行う光周波数領域において該最小の光周波数
の光よりも光周波数が小さく、かつ隣接する光周波数の
光の光周波数との2つの光周波数を一致させるべく制御
することを特徴とする光周波数制御方法を提供する。こ
れにより光周波数の絶対的な安定や、基準光周波数を用
いることなく隣接する光周波数との間隔を所定の間隔に
保つことができ、また高密度な光周波数多重を実現でき
る。
【0019】9、 該光周波数制御方法において、前記
光送信器は透過中心光周波数を制御可能な光バンドパス
フィルタを有しており、前記光源部と前記光バンドパス
フィルタを制御して、光バンドパスフィルタが前記一致
させるべき2つの光周波数の光が同時に前記光バンドパ
スフィルタを透過する状態になるように制御することに
より前記一致させるべき2つの光周波数を容易に一致さ
せることができる。
【0020】10、 その具体的な方法としては、前記
一致させるべき2つの光周波数の光が同時に前記光バン
ドパスフィルタを透過する状態になるようにする制御
が、前記一致させるべき2つの周波数のうちのいずれか
一方と、前記光バンドパスフィルタの透過中心光周波数
とを一致させる第1の過程と、該第1の過程で一致させ
た状態を保ったまま、前記互いに所定の間隔を保った3
つの周波数を該間隔を保ったまま変化させて、前記一致
させるべき2つの周波数の光が同時に前記光バンドパス
フィルタを透過するように制御する第2の過程を有する
光周波数制御方法がある。
【0021】11、 該光周波数制御方法において、前
記光送信器は、出力する3つの光周波数の内、少なくと
も前記光バンドパスフィルタを透過させる光周波数を微
少変調することにより、帰還制御の為の誤差信号を生成
し、該光周波数を前記光バンドパスフィルタの透過波長
に引き込み及び安定化を行うことにより、引き込み及び
安定化を容易に行うことができる。
【0022】12、 またその際に、光通信システム内
の各光送信器において、前記微少変調の変調周波数を異
ならせることにより、前記一致させる2つの光周波数が
それぞれ微少変調されている場合でも、制御誤差を低減
することができる。
【0023】
【実施例】
(実施例1)上記課題を解決するために手段で述べた、
1つの光送信器が出力する3つの光周波数は、それぞれ
の光周波数を常に出し続ける必要はない。即ち1つの光
源の出力光の光周波数を所定の間隔の3つの光周波数f
s、fm、fg、で切り替えて出力させることにより、光源
部に3つの光源を備えて、それぞれfs、fm、fgで出力さ
せるのと同等の作用を得ることができる。このとき前述
したように、出力する光周波数を制御して変化させ、例
えば光周波数の大きい方にシフトさせていくときには、
3つの光周波数に対して同じ光周波数変化を与えるよう
にする。
【0024】本実施例では、上述の如く、1つの光源の
出力光周波数を切り替えて3つの光周波数を得ている。
これに関連して述べると、従来より光変調方式として光
FSK方式が知られている。この方式は2値の送信信号
をそれぞれ異なる光周波数に割り当て、即ち送信信号
が”0”の時はスペース周波数fsで、”1”のときはマ
ーク周波数fmの光周波数で送信し、受信側ではfsかfmの
少なくともどちらか一方を受信し、その強度変化により
復調する方式である。中でも直接FSK変調はレーザ等
を光源に用い、駆動電流に変調電流を重畳することによ
りFSK変調出力を得ることができ、簡易性の面で優れ
ている。受信方法の一例を挙げると、受信側では光バン
ドパスフィルタで、一方の光周波数を取り出し、復調す
る。また光FSK変調を用いた光周波数多重通信システ
ムについては、刊行物ElectronicsLetters,第25巻,23
号,1600-1602項,”FDMA-FSK noncoherent star netwo
rkoperated at 600Mbit/s useing two-electrode DFB l
asers and fibre opticalfilter demultiplexer”にそ
の一例が記載されている。
【0025】本実施例ではこの光FSK変調を応用し、
3値の変調電流を用いて半導体レーザを直接変調し3つ
の光周波数出力を得ている。前述の電子情報通信学会の
刊行物OQE89-116、”三電極長共振器λ/4シフトMQW-D
FBレーザ”記載の如き構成の素子を用いる場合には、3
つの電極のうち、センター電極の注入電極に変調電流を
重畳することで出力光の光周波数を切り替えることがで
きる。このとき3値の変調電流を重畳することにより、
3つの光周波数で切り替えることができる。また両側の
電極(サイド電極)と中央の電極(センター電極)の注
入電流を調整することにより出力光の光周波数を掃引で
きる。このとき前記の3値の変調電流による3つの光周
波数の周波数間隔を所定の間隔に保ったまま掃引するこ
とは可能である。掃引範囲としては1547.3〜1549.0nmの
約1.7nm、光周波数に換算すると約210GHzの掃引が可能
である。本実施例では光FSK方式に倣って、3つの光
周波数をマーク周波数fm、スペース周波数fs、及び本発
明では3つの光周波数を用いることによる3つめの光周
波数であるガード周波数fgと表記する。
【0026】以下、図面を用いて本発明の第1実施例に
ついて詳細に説明する。
【0027】図1は本発明の光周波数の配置の模式図で
ある。本発明の光周波数制御方式が適用される光通信シ
ステムにおいて、ある時点で行われている送信の内、送
信開始時刻の早い順に第1、第2、第3送信光ノードと
し、その光ノードの送信光の光周波数、光フィルタの光
周波数の位置関係を示している。図中、fmn(n=1〜3)
はマーク光周波数、fsn(n=1〜3)はスペース光周波
数、fgn(n=1〜3)はガード光周波数、ffn(n=1〜3)は
光フィルタの光周波数である。
【0028】図2は本発明の光周波数制御方式を用いた
光送信器の構成図である。図示するように、光周波数制
御系2-1、ガード信号付加回路2-2、LD2-3、光フィルタ2
-4、受光素子2-5、LD駆動回路2-6,7、増幅器2-8、光フ
ィルタ駆動回路2-9により構成する。
【0029】LD2-3は、電子情報通信学会の刊行物OQE89
-116、”三電極長共振器λ/4シフトMQW-DFBレーザ”
記載の素子を用いることができる。光フィルタ2-4は、
刊行物ECOC '90-605、”A field-worthy, high-perform
ance, tunable fiber Fabry-Perot filter”記載の素子
を用いることができる。縦モード間隔以下の範囲で電圧
制御型の波長(光周波数)可変フィルタとして動作す
る。本実施例では透過スペクトルの半値幅:1GHz、縦
モード間隔:100GHzとする。ガード信号付加回路2-2は
マーク、スペースの2値信号をマーク、スペース、ガー
ドの3値信号に変換する。尚、光周波数制御系2-1は本
発明の中核をなすものでその詳細な構成については後で
説明する。
【0030】この光送信器は端局と伝送路を接続する光
ノードの一部である。端局から送信信号とチューニング
ON/OFF信号が入力される。送信信号はマーク、スペース
の2値信号である。ガード信号付加回路2-2はこの信号
を3値信号に変換してLD駆動回路2-6に出力する。LD駆
動回路2-6には、光周波数制御系2-1からトラッキングの
ための低周波(数10kHz以下)の変調信号と光周波数制
御のためのバイアス信号を、ガード信号付加回路2-2か
らFSK変調のための変調信号(数MHz以上)を入力する。
LD駆動回路2-7には光周波数制御のためのバイアス信号
を入力する。LD駆動回路2-6は入力電圧に対応する電流
をLD2-3のセンター電極に、LD駆動回路2-7は入力電圧に
対応する電流をサイド電極に注入する。光フィルタ制御
回路2-9には光周波数制御系2-1からトラッキングのため
の低周波(数10kHz以下)の変調信号と光周波数制御の
ためのバイアス信号を入力する。光フィルタ制御回路2-
9は入力電圧に対応する電圧を光フィルタ2-4に加える。
光フィルタ2-4は伝送路から入射する光のうち、透過ス
ペクトルのピークの光周波数に対応する光のみを透過す
る。その光は受光素子2-5で電気信号に変換され、増幅
器2-8で増幅され、光周波数制御系2-1に入力され、LD2-
3と光フィルタ2-4の光周数制御のために用いられる。
【0031】図3は光周波数制御系の構成図である。図
示するように、ランプ信号発生器3-1,2、LD制御回路3-
3、光フィルタ制御回路3-4、加算器3-5,6,7,8、正弦波
発振器3-9,10、乗算器3-11,12、ローパスフィルタ(以
下、LPFと呼ぶ)3-13,14,15,16、帰還制御回路3-17,1
8、スイッチ3-19,20、基準電圧源3-21,22、比較器3-23,
24により構成する。
【0032】ランプ信号発生器3-1は、LD2-3の光周波数
の掃引を行うためのランプ信号を作り出す。その出力で
あるランプ信号の制御は、トリガー信号、ホールド信号
の2つ信号により制御される。〔トリガー信号:L、ホ
ールド信号:L。(Hはデジタル信号の1、Lはデジタル
信号の0を示す)〕で初期値、〔トリガー信号:H、ホ
ールド信号:L〕で掃引、〔トリガー信号:H、ホールド
信号:H〕でホールド信号がLからHに変化したときの出
力を保持する。
【0033】ランプ信号発生器3-2は、光フィルタ2-4の
光周波数の掃引を行うためのランプ信号を作り出す。そ
の出力であるランプ信号の制御は、トリガー信号、ホー
ルド信号の2つ信号により制御される。〔トリガー信
号:L、ホールド信号:L〕で初期値、〔トリガー信号:
H、ホールド信号:L〕で信号に変化があったときの出力
から掃引、〔トリガー信号:H、ホールド信号:H〕でホ
ールド信号がLからHに変化したときの出力を保持する。
【0034】LD制御回路3-3は、入力信号に対応してLD2
-3の光周波数が変化するようにLD駆動回路2-6,7を制御
する。同様に光フィルタ制御回路3-4は、入力信号に対
応して光フィルタ2-4の光周波数が変化するように光フ
ィルタ駆動回路2-9を制御する。
【0035】帰還制御回路3-17,18は誤差信号から操作
信号を生成する。周知のPID(proportional integral d
ifferential)を用いることができる。スイッチ3-19,20
は、ON/OFF信号:Hで出力を入力に接続、ON/OFF信号:L
で出力を0にする。比較器3-23,24は、〔−入力端子電
圧〕≦〔+入力端子電圧〕でH、〔−入力端子電圧〕>
〔+入力端子電圧〕でLを出力する。
【0036】ランプ信号発生器3-1のトリガー信号は端
局からのチューニングON/OFF信号を、ホールド信号には
比較器3-23の出力を入力する。その出力を加算器3-5で
スイッチ3-19の出力と加算し、LD制御回路3-3に入力す
る。LD制御回路3-3は2つの出力をもち、その一方をLD
駆動回路2-6に、もう一方をLD駆動回路2-7に入力する。
ランプ信号発生器3-2のトリガー信号には比較器3-23の
出力を入力し、ホールド信号には比較器3-24の出力信号
を入力する。その出力を加算器3-6でスイッチ3-20の出
力と加算し、光フィルタ制御回路3-4に入力する。光フ
ィルタ駆動回路2-9にはフィルタ制御回路3-4の出力を入
力する。
【0037】乗算器3-11には、増幅器2-8の出力信号と
正弦波発振器3-9からの変調信号を入力する。その出力
信号の低周波成分をLPF3-13で抽出し、帰還制御回路3-1
7に入力する。帰還制御回路3-17で生成された操作信号
は加算器3-7で正弦波発振器3-9からの変調信号と加算
し、スイッチ3-19に入力する。乗算器3-12、正弦波発振
器3-10、LPF3-13、帰還制御回路3-18、加算器3-8、スイ
ッチ3-20でも同様のことを行う。
【0038】LPF3-15,16は増幅器2-8の出力の低周波成
分を抽出する。比較器3-23の+入力端子にはLPF3-15の
出力、−入力端子には基準電圧源3-21の出力を入力す
る。比較器3-24の+入力端子にはLPF3-16の出力、−入
力端子には基準電圧源3-22の出力を入力する。比較器3-
23、3-24は+端子からの入力が−端子からの入力を越え
ているときにHを出力し、越えていないときはLを出力
する。
【0039】図4は本発明の光送信器を用いる光通信シ
ステムの一例の構成図である。端局数nのスター型のネ
ットワークである。図示するように、端局4-1-1〜n、光
ノード4-2-1〜n、n×nスターカプラ4-3、光ファイバ4
-4-1〜n、4-5-1〜nで構成する。また、光ノード4-2-1〜
nは、光送信器4-6、光受信器4-7、光分岐器4-8で構成す
る。
【0040】端局4-1-1〜nは各々光ノード4-2-1〜nによ
りネットワークに接続する。各光ノード4-2-1〜nは送信
用の光ファイバ4-4-1〜nと受信用の光ファイバ4-5-1〜n
でn×nスターカプラ4-3と接続する。光送信器からの
送信光は送信用の光ファイバ4-4-1〜nでn×nスターカ
プラ4-3へ送る。n×nスターカプラ4-3は、その送信光
を均等に各受信用の光ファイバ4-5-1〜nに分配し各光ノ
ード4-2-1〜nに送る。受信用の光ファイバ4-5-1〜nから
の入射光を光分岐器4-8で2つに分け、光受信器4-7と光
送信器4-6に入力する。
【0041】この構成では光受信器、光送信器の光フィ
ルタに入射する光量は各光送信器の出力光でほぼ等し
い。
【0042】図5は光周波数制御系の動作の説明図であ
る。光通信システム内のある光ノードが送信に先立ち行
うLDのチューニング動作について、6つの段階に分けて
説明している。図中、fg,fm,fsはその光ノードの光送信
器のLDのガード光周波数、マーク光周波数、スペース光
周波数、ffは光フィルタの光周波数である。fgo,fmo,fs
oはその光ノードが送信を開始するまえに送信を開始し
た光ノードの光送信器のガード光周波数、マーク光周波
数、スペース光周波数である。矢印は掃引の方向、スペ
クトル(LDは線、光フィルタはピークで示す)が太くな
っているのはトラッキングのために微小変調をかけてい
ることを示している。
【0043】”動作0”はチューニング開始前、”動作
1”は〔チューニング開始時(fsの掃引)〕、”動作
2”は〔fsのffへの引込、ffの掃引〕、”動作3”は
〔ffの掃引〕、”動作4”は〔ffのfgoへの引込〕、”
動作5”はチューニングの定常状態(送信時の定常状
態)を示している。
【0044】図6はガード付きFSK信号の模式図であ
る。本実施例ではFSK信号4ビットに1ビットのガード
信号を加えて3値信号としている。具体的には、ガード
信号付加回路2-2が端局からの2値信号4ビット毎にガ
ード信号を付加し、3値信号にする。LD駆動回路2-6は
ガード信号、マーク信号、スペース信号に対応した電流
を出力する。光周波数の配置は、fg>fm>fsとし、その
間隔は2GHzとする。この結果、LD2-3の出力光は図6に
示すような3値のFSK信号になる。
【0045】以下、光周波数の一致(fsとff、ffとfg
o)の方法、チューニング制御の切り替え、チューニン
グの総合的な動作について説明する。
【0046】本発明では、1つの光フィルタ(光周波数
ff)からの信号を用いて隣接チャンネルとの光周波数間
隔を一定に保つ。そのため、マーク、スペースの2値の
従来のFSK信号にガード光周波数を加え、各チャンネル
の光周波数を、ガード光周波数fg、マーク光周波数fm、
スペース光周波数fsの順に配置する。本発明ではあるノ
ードにおいて、そのノードが出力する3つの光周波数
(fg、fm、fs)の内の、所定の間隔に保とうとする隣接
チャンネルに近い方の光周波数と、該隣接チャンネルの
出力する光周波数の内の自ノードに近い方の光周波数を
一致させる。(ただし、本願では2つの光周波数が一致
しているというのは、該二つの光周波数がある所定の間
隔以内に接近している状態(本実施例では光フィルタに
該二つの光周波数が入力されることにより所定の閾値を
越える透過出力が得られる状態)を含むものとする。)
本実施例ではfsを隣接チャンネルの光周波数の内の最も
近い周波数であるfgoに一致させることにより隣接チャ
ンネルとの光周波数間隔を所定の間隔に保つわけだが、
そのために、fsをffに一致させ、その状態を保って、ff
を隣接チャンネルのfg、すなわちfgoに一致させる。そ
の結果、fsとfgoが一致する。各チャンネルの光周波数
配置は図1のようになる。
【0047】本実施例では、2つの光周波数の一致(fs
とff、ffとfgo)のために、掃引、及び引込・安定化を
行っている。即ち〔fsとffの一致〕とはfsを掃引してff
に近づけさらにffに引込及び安定化することを指し、
〔ffとfgoの一致〕とはffの掃引を掃引してfgoに近づけ
さらにfgoに引込・安定化を行うことを指す。掃引につ
いては、チューニングの総合的な動作として後で述べる
こととし、ここでは引込・安定化について説明する。
【0048】〔fsのffへの引込・安定化〕、〔ffのfgo
への引込・安定化〕ともに、線スペクトルであるLDの光
周波数と半値幅1GHzの光フィルタの透過スペクトルのピ
ークの光周波数がその対象である。光フィルタ2-4の透
過光強度はLDの光周波数と光フィルタのピーク光周波数
と一致したときに最大になり、離れるにしたがって小さ
くなっていく。引込を行うためには、LDの光周波数と光
フィルタのピーク光周波数の大小関係(高光周波数側か
低光周波数側か)を検知し制御を行わなければならな
い。引込・安定化の方式として、公開特許公報、平1-17
7518、”波長フィルタ自動同調制御方式”の従来例に記
載されているものを用いることができる。その概要は、
制御量(光周波数)を微小振幅で変調し、この変調信号
と検出信号(光フィルタ2-4の透過光量)を乗算し、そ
の低周波成分を誤差信号として帰還制御を行うことであ
る。
【0049】〔fsのffへの引込・安定化〕は、加算器3-
7、正弦波発振器3-9、乗算器3-11、LPF3-13、帰還制御
回路3-17によって行う。fsの微小変調の振幅は、変調に
よる光周波数の周期的変動が通信に影響をおよぼさない
範囲に設定する。一方、fsの微小変調の周波数は送信信
号の帯域(>1MHz)より十分低域に設定する。本実施例
では、振幅を50MHz、周波数を1kHz〜10kHzの範囲で光通
信システム内の各送信器で異なるように設定する。これ
は、チューニングが終了し定常状態になったときに発生
する引込の制御誤差の増大を防ぐためである(fsを変調
するとfm、fgも変調される。定常状態(fsとfgoが一致
しているとき)では光フィルタ2-4の透過光にはfsとfgo
の2つの信号が含まれ、光フィルタの透過光出力が所定
の閾値を越えるるようになる。fsの微少変調周波数とfg
oの微少変調周波数が同じ場合は、変調信号との乗算に
より得られる信号にfgoの成分が寄与し、これが制御誤
差を増大させることになる為好ましくない)。LPF3-13
の遮断周波数は増幅器2-8の出力信号の変調成分を十分
減衰するように設定する。
【0050】〔ffのfgoへの引込・安定化〕は、加算器3
-8、正弦波発振器3-10、乗算器3-12、LPF3-14、帰還制
御回路3-18により行われる。ffの微小変調の振幅は、fs
のものと同程度とし50MHzとする。周波数は20kHzとする
(光フィルタの変調は光通信システム内の他の各光送信
器での引込・安定化に影響を及ぼさないので、各光送信
器で変える必要はない)。LPF3-14の遮断周波数は増幅
器2-8の出力信号の変調成分を十分減衰するように設定
する。
【0051】本実施例におけるチューニング動作は、ま
ずfsをffの近傍まで掃引した後、fsをffに引込・安定化
し、その状態を保ったまま、続いて、もしくはfsをffに
引込・安定化動作と重複しながら、ffをfgoの近傍まで
掃引した後、ffをfgoに引込・安定化する。チューニン
グは端局からのチューニングON/OFF信号で始まり、その
後の動作(掃引、引込・安定化)の切り替えは、光フィ
ルタ2-4の透過光量の監視により行う。
【0052】透過光量の監視は増幅器2-8の出力信号の
低周波成分をLPFで抽出し、比較器で基準電圧と比較す
ることにより行う。制御の切り替えを行うのは図5の”
動作2”と”動作4”である。”動作2”での切り替え
は、LPF3-15、基準電圧源3-21、比較器3-23を、”動作
4”での切り替えは、LPF3-16、基準電圧源3-22、比較
器3-24を用いて行う。切り替えポイントはfs,fgoが光フ
ィルタ2-4の透過スペクトルの裾にかかった時点からピ
ークに到達する時点の間に設定する。本実施例ではfs,f
goの光量の50%が光フィルタ2-4を透過するようになった
とき、切り替える。
【0053】上記の光量で切り替えを行うための基準電
圧源3-21,22の出力電圧の設定について説明する。fg,f
m,fsの各光量は、各光周波数のビット数に対応する。本
実施例ではfm,fsで構成されるデータ4ビットに1ビット
のfgがつく。さらにfmとfsの時間平均(数μ秒オーダ)
は等しい。これにより、fgの光量:fmの光量:fsの光量
=1:2:2となる。また、一致させるべき二つの光周波
数fs、fgoの光量比はシステムの構成により決まる。本
実施例では図4の説明の部分で述べたように、光フィル
タ2-4に入射する自局の光源の光量と他局の光源の光量
はほぼ等しい。つまり、fsの光量:fgoの光量=2:1に
なる。fsとffが完全に一致する時の光量をPとする
と、”動作2”におけるfsのffへの引き込み・安定化
及びffの掃引への移行の閾値は、fsの光量の50%なので
0.5P、”動作4”におけるffのfgoへの引き込み・安定
化への移行の閾値は、fsとffが完全に一致したことによ
る光量Pとfgoの光量の50%である0.25Pが寄与するので1.
25Pとなる。したがって、基準電圧源3-21の出力電圧をV
tとすると、基準電圧源3-22の出力電圧をVtの2.5倍にな
る。
【0054】チューニングの総合的な動作について以下
に説明する。本実施例では通常、図5に示すように”動
作0”から”動作5”でチューニングを行う。以下、各
動作について説明する。
【0055】”動作0” この動作は、チューニング開始前(つまり、送信を行っ
ていない場合)の状態を表している。端局からのチュー
ニングON/OFF信号はL、比較器3-23,24の出力信号は共に
Lである。これにより、ランプ信号発生器3-1,2は初期値
(最低値)でホールド状態、スイッチ3-19,20はOFF状態
となる。ffはこの光通信システムで用いられる光周波数
の最も高い側からある程度(10GHz程度;この値は光周
波数の高い側から低い側に向けて掃引される自局の発光
周波数を確実に検知するためのものであり、制御の精度
等により決めることができる。)低い位置にある。
【0056】”動作1” この動作は、送信要求が発生して、チューニングを開始
する時(fsの掃引)の動作である。端局からのチューニ
ングON/OFF信号はH、比較器3-23,24の出力信号はLPF3-1
5,3-16からの入力が共に閾値を越えていないため共にL
である。これにより、ランプ信号発生器3-1は掃引状
態、ランプ信号発生器3-2は初期値(最低値)でホール
ド状態、スイッチ3-19,20はOFF状態となる。LDの光周波
数を、この光通信システムで用いられる光周波数の最も
高い側から低い側に向かい掃引する。チューニング時に
は端局からアイドリング信号が入力されており、fg,fm,
fsが光周波数が高い側から順に一定間隔で並び、光周波
数が低い側に掃引されていく。
【0057】”動作2” この動作では、fsのffへの引込、ffの掃引を行う。fsが
光フィルタ2-4の透過スペクトルの裾にかかり、閾値を
越えると、比較器3-23の出力信号はLからHになる(端局
からのチューニングON/OFF信号はH、比較器3-24の出力
信号はLのまま)。スイッチ3-20はOFF状態を維持し、ス
イッチ3-19はON状態、ランプ信号発生器3-1はホールド
状態、ランプ信号発生器3-2は掃引状態になる。スイッ
チ3-19がON状態になったことによりLDの光周波数(fg,f
m,fs)は微小振幅で変調され、帰還制御によりfsがffに
引き込み・安定化される。ランプ信号発生器3-2が掃引
状態になったことによりffは光周波数が低い側に掃引さ
れ始める。
【0058】”動作3” この動作は引き続きffの掃引を行う。”動作2”からの
ffの掃引状態が維持され、LDの光周波数(fg,fm,fs)、
ffの全体が周波数が低い側に移動していく。
【0059】”動作4” この動作では、ffのfgoへの引込・安定化を行う。fgoが
光フィルタ2-4の透過スペクトルの裾にかかり、閾値を
越えると、比較器3-24の出力信号はLからHになる。スイ
ッチ3-19はON状態、ランプ信号発生器3-1はホールド状
態を維持し、スイッチ3-20はON状態、ランプ信号発生器
3-2はホールド状態になる。スイッチ3-20がON状態にな
ることにより光フィルタ2-4の光周波数が微小振幅で変
調され、ffがfgoに引込まれる。
【0060】”動作5” この動作はチューニングの定常状態を示している。”動
作4”の状態が維持され、fs,ff,fgoが一致(fsがffに
引き込み・安定化され、ffがfgoに引き込み・安定化さ
れる)状態が維持される。
【0061】自局より低い光周波数にある光送信器が送
信を終了すると、空きができ、自局の送信光周波数を更
に低周波側に寄せることができる。具体的には、隣接チ
ャンネルがなくなると、光フィルタにfgoが入力されな
くなるので、、比較器3-24の出力信号がHからLに変わ
る。それにより”動作5”の状態から”動作3”の状態
に切り替わり、ランプ信号発生器3-2はホールド状態の
値から再び掃引を行う。また、スイッチ3-20はOFF状態
になり、”動作4”の状態になるまで光フィルタ2-4の
微小変調は停止する。また隣接チャンネルが低周波側に
シフトしていくと、光フィルタはそれに追従するべく制
御されているため、”動作5”から”動作4”になり、
同じ状態を維持しながら隣接チャンネルと共に低い周波
数側に移動していく。
【0062】また、自局の光周波数の低い側に既に送信
しているチャンネルがない場合には、ランプ信号発生器
3-1に予め設定された最大出力値で掃引がホールドさ
れ、LDの光周波数(fg,fm,fs)の掃引はある光周波数で
停止する。
【0063】以上、本発明の特徴である光送信器のLDの
チューニングについて説明した。次に、この方式を用い
た場合の送信、受信の一例について述べる。
【0064】本実施例では通信データの送信は、図5
の”動作5”後以降、一定時間の待機後、開始する。そ
れまではアイドリング信号を送信する。これは受信側の
光受信器内の光フィルタの光周波数のこのチャンネルへ
の一致、宛先アドレスの識別に要する時間を待つためで
ある。アイドリング信号には宛先アドレスが付けられ、
受信側の受信チャンネルの識別に用いられる。
【0065】受信は、各ノードが出力する光周波数の
内、光周波数配置において重ならない光周波数であるfm
を光受信器内の光フィルタで透過することにより行う。
光フィルタの透過スペクトルのピークをfmに一致させる
ため以下の様に動作する。受信していない時には、光通
信システム内の光ノードの光受信器は光フィルタを入射
光の最も高い光周波数の光(最も光周波数の高いチャン
ネルのfg)に合わせておく。新しく送信を始めたチャン
ネルが詰寄ってきて、元のチャンネルのfgに新しく送信
を始めたチャンネルのfsが引き込まれると、光フィルタ
の透過光量が増加する。この時、光フィルタの光周波数
を光周波数の高い側に掃引し、このチャンネルのfmに引
込・安定化する。送信信号には宛先アドレスが書かれて
おり、そのアドレスが自局である場合には、その状態を
維持し受信する。自局のアドレスでない場合にはffを再
び光周波数の高い側に掃引し、そのチャンネルのfgに引
込・安定化する。掃引、引込・安定化の方式は既に説明
した光送信器の光フィルタの制御で用いたものを適用す
る。
【0066】(実施例2)以下、図面を用いて本発明の
第2実施例について説明する。本実施例では光送信器の
構成が第1実施例と異なっている。図7にその構成図を
示す。
【0067】図2との違いは、LD2-3の2つの端面のう
ち、伝送路への出力端面と逆側の端面からの出力光を光
合流器7-1で伝送路からの入射光と合流し、光フィルタ2
-4に入射することである。自局の光fg,fm,fsはネットワ
ークを介さず直接光フィルタ2-4に入射するため、光フ
ィルタ2-4に入射するfsの光量はfgoのn倍(nはスター
カプラの分岐数)以上になる。これにより、全ての光送
信器で引込・安定化のための微小変調の周波数を同じに
した場合でも、fsのffへの引込・安定化におけるfgoに
よる誤差が小さくなる。つまり、光通信システム内の全
ての光送信器で同一の光周波数制御系を用いることがで
きる。
【0068】本実施例では光フィルタ2-4に入射するfs
の光量が大きくなるため、基準電圧源3-21,22の出力電
圧は第1実施例と異なる。基準電圧源3-21の出力電圧
は、fsとffが完全に一致した時のffの透過光量の50%を
受光素子2-5に入射した場合の増幅器2-8の出力電圧の値
Vt2に設定する。基準電圧源3-22の出力電圧は、fgoとff
が完全に一致した時のfgoの透過光量の50%を受光素子2-
5に入射した場合の増幅器2-8の出力電圧の値とfsとffが
完全に一致した時のffの透過光量の100%を受光素子2-5
に入射した場合の増幅器2-8の出力電圧の値の和に設定
する。
【0069】その他の光周波数制御系の構成、チューニ
ング動作は第1実施例と同じであるのでここではその説
明は省略する。
【0070】(その他の実施例)各構成要素は同様の機
能を有するものならば、実施例記載のものに限定される
ものではない(いくつかの構成要素からなる系について
も同様である)。さらに数値も動作の許容範囲であれば
記載の値に限定されるものではない。
【0071】具体的には、LDとして3電極λ/4シフト
DFB-LDを用いたが、多電極DBR(distributed Bragg ref
rector)-LD等を用いることもできる。光フィルタとし
てファイバ・ファブリ・ペロー型のものを用いたが、DF
B-LDフィルタ等の半導体型の光フィルタを用いることも
できる。引込・安定化の制御系として、微小変調による
系を用いたが、他の制御系を用いることも可能である。
【0072】制御系の動作としては、チューニングの定
常状態においてfgo,fsが一致するならば他のものでもよ
い(この場合制御系の構成はその動作に合わせて変更す
る)。
【0073】光源の光周波数を掃引方向を光周波数の高
い側から低い側としたが、低い側から高い側でも差し支
えない。
【0074】上記実施例ではfsとffを一致させた後、そ
の状態を保ったまま(もしくはfsとffの一致動作と重複
して)、ffとfgoを一致させるべく制御してfsとfgoを一
致させたが、fgoとffを一致させた後、その状態を保っ
たまま(もしくはfgoとffの一致動作と重複して)、fs
とffを一致させるべく制御してfsとfgoを一致させても
良い。
【0075】fg,fm,fsの配置、及びそのうちのどれをff
と一致させるかは、動作に差し支えがない範囲で変える
ことができる。
【0076】また通信システムの光伝送路としては、上
記実施例で用いた光ファイバだけでなく、空間等光を伝
送できる媒体であれば様々なものを用いることができ
る。また本願で言う光とは可視光に限るものではなく、
本願を適用できる全ての周波数領域を含むものである。
【0077】
【発明の効果】上記したように、本発明によれば、光周
波数の絶対的安定化を行うことなく、また基準光周波数
を設けることなく高密度の光周波数多重を行うことがで
きる。光送信器のチューニングのための光フィルタが1
つで済むので、構成が簡単になる。また、光周波数制御
系の制御動作が簡単になり、MPU(micro processing un
it)等を用いた高機能な制御系を必要としない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光周波数制御方法の光周波数配置の模
式図。
【図2】本発明の光周波数制御方法を用いた光送信器の
第1実施例の構成図。
【図3】光周波数制御系の構成図。
【図4】光通信システムの構成図。
【図5】光周波数制御系の動作の説明図。
【図6】ガード付きFSK信号の模式図。
【図7】本発明の光周波数制御方法を用いた光送信器の
第2実施例の構成図。
【符号の説明】
2−1 光周波数制御系 2−2 ガード信号付加回路 2−3 LD 2−4 光フィルタ 2−5 受光素子 2−6,7 LD駆動回路 2−8 増幅器 2−9 光フィルタ駆動回路 3−1,2 ランプ信号発生器 3−3 LD駆動回路 3−4 光フィルタ駆動回路 3−5〜8 加算器 3−9,10 正弦波発振器 3−11,12 乗算器 3−13〜16 LPF 3−17,18 帰還制御回路 3−19,20 スイッチ 3−21,22 基準電圧源 3−23,24 比較器 4−1 端局 4−2 光ノード 4−3 n×n スターカプラ 4−4,5 光ファイバ 4−6 光送信器 4−7 光受信器 4−8 光分岐器 7−1 光分岐器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04J 14/00 - 14/08 H04B 10/00 - 10/28 JICSTファイル(JOIS)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光伝送路上で光周波数多重通信を行う光
    通信システムであって、 該光通信システム内の光送信器が、3値のFSK信号で光変調を行い発生する 3つの光周波
    数の光を、互いに所定の光周波数間隔を保ち、かつ光周
    波数を制御して出力できる光源部と、 前記3つの光周波数の光のうちで、最大の光周波数の光
    の光周波数と、前記光周波数多重通信を行う光周波数領
    域において該最大の光周波数の光よりも光周波数が大き
    く、かつ隣接する光周波数の光の光周波数との2つの光
    周波数を一致させるべく制御するか、もしくは、前記3
    つの光周波数の光のうちで、最小の光周波数の光の光周
    波数と、前記光周波数多重通信を行う光周波数領域にお
    いて該最小の光周波数の光よりも光周波数が小さく、か
    つ隣接する光周波数の光の光周波数との2つの光周波数
    を一致させるべく制御する制御手段とを有することを特
    徴とする光通信システム。
  2. 【請求項2】 前記光送信器が、前記3つの光周波数の
    光のうち、少なくとも中間の光周波数の光を変調する手
    段を更に有する請求項1記載の光通信システム。
  3. 【請求項3】 前記光送信器が、透過中心光周波数を制
    御可能な光バンドパスフィルタを有しており、前記制御
    手段は、前記光源部と前記光バンドパスフィルタを制御
    して、光バンドパスフィルタが前記一致させるべき2つ
    の光周波数の光が同時に前記光バンドパスフィルタを透
    過する状態になるように制御するものである請求項1及
    び2いずれかに記載の光通信システム。
  4. 【請求項4】 光通信システム内の全ての光送信器にお
    いて、前記制御手段が、前記3つの光周波数の光のうち
    で、最大の光周波数の光の光周波数と、前記光周波数多
    重通信を行う光周波数領域において該最大の光周波数の
    光よりも光周波数が大きく、かつ隣接する光周波数の光
    の光周波数との2つの光周波数を一致させるべく制御す
    るものか、もしくは、前記3つの光周波数の光のうち
    で、最小の光周波数の光の光周波数と、前記光周波数多
    重通信を行う光周波数領域において該最小の光周波数の
    光よりも光周波数が小さく、かつ隣接する光周波数の光
    の光周波数との2つの光周波数を一致させるべく制御す
    るものかのどちらかに統一されている請求項1乃至3い
    ずれかに記載の光通信システム。
  5. 【請求項5】 前記光通信システムは、1つの前記光送
    信器が前記光伝送路に出力した光の一部が該光送信器に
    も入力される構成である請求項1乃至4いずれかに記載
    の光通信システム。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の光通信システムにおいて
    用いる光送信器であって、 3つの光周波数の光を、互いに所定の光周波数間隔を保
    ち、かつ光周波数を制御して出力できる光源部と、 前記3つの光周波数の光のうちで、最大の光周波数の光
    の光周波数と、前記光周波数多重通信を行う光周波数領
    域において該最大の光周波数の光よりも光周波数が大き
    く、かつ隣接する光周波数の光の光周波数との2つの光
    周波数を一致させるべく制御するか、もしくは、前記3
    つの光周波数の光のうちで、最小の光周波数の光の光周
    波数と、前記光周波数多重通信を行う光周波数領域にお
    いて該最小の光周波数の光よりも光周波数が小さく、か
    つ隣接する光周波数の光の光周波数との2つの光周波数
    を一致させるべく制御する制御手段とを有することを特
    徴とする光送信器。
  7. 【請求項7】 光伝送路上で光周波数多重通信を行う光
    通信システムで用いる光送信器における光周波数制御方
    法であって、 光送信器内の光源部から3値のFSK信号で光変調を行
    い発生する3つの光周波数の光を、互いに所定の間隔を
    保って出力させ、 前記3つの光周波数の光のうちで、最大の光周波数の光
    の光周波数と、前記光周波数多重通信を行う光周波数領
    域において該最大の光周波数の光よりも光周波数が大き
    く、かつ隣接する光周波数の光の光周波数との2つの光
    周波数を一致させるべく制御するか、もしくは、前記3
    つの光周波数の光のうちで、最小の光周波数の光の光周
    波数と、前記光周波数多重通信を行う光周波数領域にお
    いて該最小の光周波数の光よりも光周波数が小さく、か
    つ隣接する光周波数の光の光周波数との2つの光周波数
    を一致させるべく制御することを特徴とする光周波数制
    御方法。
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