JP3266243B2 - 複合光磁気記録媒体 - Google Patents

複合光磁気記録媒体

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JP3266243B2
JP3266243B2 JP22374388A JP22374388A JP3266243B2 JP 3266243 B2 JP3266243 B2 JP 3266243B2 JP 22374388 A JP22374388 A JP 22374388A JP 22374388 A JP22374388 A JP 22374388A JP 3266243 B2 JP3266243 B2 JP 3266243B2
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    • G11B11/10Recording on or reproducing from the same record carrier wherein for these two operations the methods are covered by different main groups of groups G11B3/00 - G11B7/00 or by different subgroups of group G11B9/00; Record carriers therefor using recording by magnetic means or other means for magnetisation or demagnetisation of a record carrier, e.g. light induced spin magnetisation; Demagnetisation by thermal or stress means in the presence or not of an orienting magnetic field
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    • G11B11/10586Record carriers characterised by the selection of the material or by the structure or form characterised by the selection of the material
    • G11B11/10589Details
    • G11B11/10593Details for improving read-out properties, e.g. polarisation of light

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、一般的には、新規な複合光磁気記録媒体に
関するものであり、特に、文書ファイル、画像ファイ
ル、コンピューターの外部メモリー等の分野で用いられ
る光磁気ディスク、光磁気カード、光磁気テープ等に有
効に利用することのできる光磁気記録メディアに関する
ものである。
発明が解決しようとする課題 高速・高密度の記録・再生・消去が可能な書換え可能
なメモリーとしての磁気光学効果を利用した光磁気記録
媒体では、磁性体層の所定の領域に光を照射することに
よる光−熱効果で逆磁区を形成して情報を記録し、磁気
光学効果によって書込んだ情報を読み出す。
上記の光磁気記録媒体では、読出し時の信号強度は光
磁気記録材料層の反射率とカー(Kerr)回転角(θ)と
に強く依存するので、光磁気記録媒体としての特性を向
上するためには、カー回転角を大きくすることが一つの
課題となる。しかし、従来一般に使用されている希土類
−遷移金属系の合金膜の場合のθは0.2〜0.3度程度で
ある。
そこで、見掛けのθを大きくするために、従来か
ら、磁性層の上に誘電体層を重ねた干渉膜構造や、磁性
層の下に反射膜を設けた反射膜構造等が提案されてい
る。
しかし、干渉膜構造の場合には、干渉膜構造を形成す
る誘電体層の厚さを極めて厳密に制御する必要があるた
め、生産性が悪いという欠点がある。
一方、反射膜構造の場合には高い反射率を得るのに反
射層を金属にしなければならないため、情報書込み時の
光−熱効果が熱拡散により低下し、記録感度が低下する
という欠点がある。
さらに、反射膜構造の改良型として、磁性層と反射層
の間にSiO2のような透明誘電体層を設けて、誘電体層と
反射層とによる仮想屈折率を0に近づけることにより、
反射層のみの場合よりも高い性能を実現させると同時
に、誘電体層によって反射層による熱拡散を抑止しよう
とするものが提案されている。しかし、この方式の場合
にも、仮想屈折率は誘電体層の厚さに強く依存するた
め、膜厚の制御を非常に厳密に行う必要がある。
このように、従来から提案されている光磁気記録媒体
の構造では、わずかなカー回転角の向上のために極めて
精密な膜厚制御が要求される。しかし、膜厚依存性のあ
る上記のような製品は、製造技術の上で問題となるだけ
でなく、実際にカー回転角(θ)がエンハンスされる
波長がレーザビームの入射角変動により移動する等の実
用上の問題もある。
従って、本発明の目的は、新しい原理に基づいてカー
回転角を大幅に大きくし、その結果、信号強度を大幅に
大きくした複合光磁気記録媒体を提供することにある。
発明の構成 本発明の提供する複合光磁気記録媒体は、基板と、該
基板上に形成された光磁気記録材料層及び色素層を含む
光磁気記録媒体であって、該色素層は、該光磁気記録材
料層に隣接して形成される少なくとも1層の電子遷移薄
膜層であり、該電子遷移薄膜層が、複素誘電率の大きな
変化を示す波長領域を有し、再生用の光源の波長領域に
おいて該複素誘電率の実数部がほとんど零になり且つ虚
数部が十分小さくなる物質からなることを特徴としてい
る。
上記光磁気記録媒体は基板の形状に応じて、ディス
ク、ドラム、テープ、カード等の任意の形状にすること
ができ、記録層はこれらの片面または両面に形成するこ
とができる。構造的には、表面読出し型、背面読出し
型、反射型、透過型、エアーサンドイッチ型、密着貼合
わせ型等の任意形式のものを使用することができる。
基板材料としては、金属、ガラス、プラスチック、セ
ラミックス等の任意の材料を用いることができる。記録
・再生は一般に基板を介して行われるので、基板材料と
してはポリカーボネイト、ポリメチルメタクリレイト、
アモルファスポリオレフィン等の透明プラスチックを用
いるか、GGG等の透光性セラミックまたは強化ガラスを
用いるのが好ましい。
また、この基板上には記録・再生光を案内したりアド
レスするための情報列を形成しておくことができる。具
体的には、書込み/読出しレーザービームのトラッキン
グ用のプレグルーブあるいはプレピット、アドレスやエ
ラー訂正または同期信号用のプレピット、さらにはプレ
フォーマット信号に対応するビット列等を予め形成して
おくことができる。
上記光磁気記録材料層はカー効果および/またはファ
ラデー効果を示す公知の任意の光磁気記録材料で構成す
ることができる。具体的には、非晶質の希土類−遷移金
属(R−T)合金膜、スピネルフェライト、六方晶フェ
ライト等が例示できる。
本発明の特徴は、記録および/または再生用の光源の
波長領域において電子遷移を起こす物質によって構成さ
れる少なくとも一層の薄膜が上記光磁気記録材料層に隣
接して設けられている点にある。
上記の電子遷移を起こす物質は紫外部、可視部および
赤外部の少なくとも一つの波長領域において電子遷移を
起こす物質であればよいが、実用上は、可視部および近
赤外部領域において電子遷移を起こす物質であるのが好
ましい。
すなわち、現在実際に光磁気記録において実用上用い
られている記録・再生用光源は半導体レーザー、Arレー
ザー、ヘリウムレーザー等のレーザー光源、特に、可視
部および近赤外部に発光波長を有する小型の半導体レー
ザーであるので、上記の電子遷移を起こす物質は可視部
および近赤外部領域において電子遷移を起こす物質が好
ましい。しかし、より高密度な記録密度を達成するため
に、より波長の短い光源、例えば、400nm付近の波長の
半導体レーザーが将来開発された場合にも、本発明は適
用することができる。
一般に、上記条件を満足する物質としては、可視部に
吸収を有する色素すなわち染料および/または顔料とし
て用いられている物質を始めとして、紫外部および赤外
部において電子遷移と吸収のあるその他の物質を用いる
ことができる。
なお、この紫外部、可視部および赤外部において電子
遷移と吸収のある物質の層は別体の層として形成するの
が一般的であるが、透明基板自体の少なくとも一部と一
体に形成することもできる。
一般に、本発明では上記2つの薄膜、すなわち、磁性
薄膜および本発明による電子遷移を起こす物質によって
構成される少なくとも一層の薄膜の少なくともいずれか
一方を支持する支持体をさらに含んでいる。この支持体
が透明な基板である場合には、光をこの基板を介して入
射することができる。逆に、不透明基板の場合には、反
射型のメデイアとして両面を用いることもできる。
上記の紫外部、可視部および赤外部の少なくとも一つ
の波長領域において電子遷移を起こす物質によって構成
される薄膜は上記基板側に設けてもよく、逆に、上記光
磁気効果を示す材料側に設けてもよい。
なお、上記光磁気記録層が酸化されやすい物質の場合
には、上記の紫外部、可視部および赤外部の少なくとも
一つの波長領域において電子遷移を起こす物質と光磁気
記録層との間に保護層を設けることもできる。
さらに、上記の紫外部、可視部および赤外部の少なく
とも一つの波長領域において電子遷移を起こす物質によ
って構成される薄膜は少なくとも2層以上積層して用い
ることもできる。
作用 本発明による上記構成の複合記録媒体のカー回転角が
増大する機構はメディアの積層構造、上記電子遷移を起
こす物質の種類、光ヘッドによる読み出しの方向等に依
存するので、必ずしも単一のメカニズムによるものとは
いえないが、電子遷移領域での屈折率の大きな変化によ
るものと考えられる。すなわち、電子遷移を行う物質は
共鳴波長あるいは共鳴波長領域(第1図中に点線で囲っ
て示す)において複素誘電率の大きな変化を示す。さら
にこの波長領域内で複素誘電率の実数部がほとんど零と
なり且つ虚数部が十分小さい波長領域においては、反射
率が増大する。換言すれば、この物質は波長に特異な高
効率の反射膜として機能する。
上記のような電子遷移と誘電率の変化並びに物質の波
長特異的な反射効果自体は物理光学において周知のこと
である。例えば、I.Pockrand達の論文「表面プラズモン
スペクトロスコピーによる有機染料の光学的性質」(J.
Chem.Phys.69(9),1 Nov.1978,pp 4001−4011)に
は、銀−有機染料の複合膜の反射率の波長特異的な反射
効果について記載されている。
この波長特異的な反射効果を反射膜として利用すれ
ば、磁性体層に入射した光を多重反射させてカー効果を
多重反射回数だけエンハンスさせ、あるいは、磁性体層
を通過した光のファラデー効果を多重反射光路長だけエ
ンハンスさせることができる。
本発明は、上記の波長特異的な反射効果を磁性体層と
組み合わせて光磁気記録媒体として応用したものであ
る。
本発明の特徴である光磁気記録材料層と、それに隣接
して設けられる記録および/または再生用の光源の波長
領域において電子遷移を起こす物質との組合せは、下記
の基準に基いて選択される: (1) 成膜特性すなわちノイズの無い薄膜が形成でき
ること、および、 (2) 光磁気記録材料を劣化させないこと、特に希土
類−遷移金属アモルファス膜のように空気中の酸素によ
って極めて劣化し易い膜の場合には、真空チャンバー内
で成膜できること、 上記の組合せは適宜実験によって求めることができ
る。この場合には、上記の材料および物質を下記に例示
する公知のものの中から選択することができる。
光磁気記録材料: ここで用いられる磁性体は熱磁気効果で磁区が容易に
反転し、室温付近で磁区が安定に保持されるようなキュ
リー温度や補償温度を有するものが好ましく、磁区を小
さく記録密度を上げるため垂直磁化膜であることが望ま
しく、遷移金属−希土類金属及びこれらの合金の群から
選ばれる磁性薄膜が好ましい。
具体的には、以下のものが挙げられる。
(i)ガーネット:R3Fe5O12、R3(FeAl)5O12、R3(FeG
a)5O12(R=希土類元素、例えば、Bi、Y、Sm、Eu、G
d、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)、 (ii)スピネルフェライト:M Fe2O4(M=Mn、Fe、Co、
Ni、Cu、Mg、Li0.5Fe0.5)、 (iii)六方晶フェライト:M Fe12O19(M=Ba、Pb、S
r、Ca、Ni0.5Fe0.5、Ag0.5La0.5)、 (iv)多結晶膜:MnBi、MnCuBi、MnALGe、MnGaGe、PtC
o、EuO、PtMnSb、 (v)希土類−遷移金属膜:Gd−Co、Gd−Fe、Dy−Fe、T
b−Fe、Gd−Tb−Fe、Gd−Dy−Fe、Tb−Fe−Co、Gd−Tb
−Fe−Co、(Gd−Fe)−Bi、(Gd−Fe)−Sn、Nd−Dy−
Fe−Co、 (vi)複合膜:CrO2/ガーネット、希土類−遷移金属/ガ
ーネット、希土類−遷移金属/希土類−遷移金属(例え
ば、TbFe/GdFeCo) 特に、ガーネットやフェライトはスピンコートで膜を
形成できるという利点がある。
紫外から赤外の領域で電子遷移を起こす物質 紫外から赤外の領域で電子遷移を起こす物質は赤外域
〜可視域に電子遷移の波長を有するものあればよく、特
に限定されないが以下のものを挙げることができる。
(i)近赤外用 鉛フタロシアニン、Coフタロシアニン、VOフタロシア
ニン、Pbフタロシアニン等のフタロシアニン系色素; ナフトキノン系色素; ナフタロシアニン系色素; 4,6−ジフェニルピラン−2−イリデン−スクアリウ
ム等のスクアリウム系色素; 1,1'−ジエチル−4,4'−キノカルボシアニンアイオダ
イド; シアニン系色素; アズレニウム系色素; クロコニウム系色素; ジチオール・ニッケル錯体系色素; (ii)可視部用 クリスタルバイオレット、 アクリジン、 ローダミンB、 ピグメントイエロー 37,CI 77199、 ピグメントイエロー 35,CI 77117、 ピグメントオレンジ 20,CI 77196、 ピグメントレッド 108 CI 77202、 ピグメントオレンジ 21,CI 77601、 ピグメントイエロー 34,CI 77603、 ピグメントグリーン 17,CI 77288、 ピグメントグリーン 18,CI 77289、 ピグメントブルー 28,CI 77346、 ピグメントブルー 27,CI 77510、 ピグメントバイオレット 16,CI 77442、 ピグメントオレンジ 23,CI 77201、 ピグメントブラウン 6,CI 77499、 ピグメントレッド 113 CI 77201、 ピグメントレッド 104 CI 77605、 ピグメントイエロー 53,CI 77788、 ピグメントレッド 101 CI 77491、 ピグメントレッド 105 CI 77578、 ピグメントブラウン 7,CI 77499、 ピグメントイエロー 32,CI 77839、 ピグメントブルー 29,CI 77007、 ピグメントバイオレット 15,CI 77007、 ピグメントブラウン 7,CI 77499、 ピグメントレッド 106 CI 77766、 ピグメントイエロー 36,CI 77955、 ピグメントブラウン 11,CI 77495、 ピグメントイエロー 36,CI 77955、 プルシアンブルー、 コバルトバイオレット、 アンチモニーレッド。
上記の各層は、公知の任意の方法、例えば、蒸着、ス
パッタリング等の物理蒸着方法やスピンコート、ディッ
ピング、スプレー噴霧等の塗装方法で形成することがで
きる。上記の物質は必要に応じて溶剤、バインダー等に
溶解・分散させて用いることができる。
本発明による上記2つの材料、物質および基板を積層
する場合の順番は、特に問題がない。一般には、例え
ば、基板上に磁性層、有機色素層の順に作製した複合
膜、基板上に有機色素層、磁性層の順に作製した複合膜
のどちらの場合もそれぞれ固有の光の波長においてθ
増大が認められる。光ビームの入射、信号の読み出しの
方向も、基板側から、または記録膜側からの両者が可能
である。
上記の基板、磁性体層および色素層の構成に加え、記
録媒体の劣化防止あるいは損傷からの保護と断熱のため
に付加的な層や付加的な反射膜を設けることも可能であ
るが、この場合には、磁性体層と色素層との間は直接接
触している必要がある。
かくして、従来から使われてきたエンハンス膜のよう
に、カー回転角(θ)のエンハンスされる波長が、作
製時の膜厚のばらつきや、レーザビームの入射角変化に
より移動することがなく、さらに、金属を使った反射膜
構造の記録媒体のように、熱拡散による記録感度の低下
もない。
以下、実施例を用いて本発明を説明するが、本発明は
以下の実施例に何等限定されるものではない。
実施例1 先ず、RFスパッタリング法によりガラス基板上に2000
Å厚さのコバルト膜を成膜した。次いで、このコバルト
膜上に蒸着法によって鉛フタロシアニン色素膜を厚さ約
100Å蒸着した。
次いで、上記コバルト膜の膜面に垂直方向に外部磁場
14.2KGをかけてコバルトを膜面に対して垂直方向に飽和
磁化した。
膜面側からモノクロメータの光を入射し、光の波長を
連続的に変化させながら、上記コバルト膜の膜面にほぼ
垂直にレーザー光を入射させた場合のカー回転角
(θ)の波長依存性を測定した。測定結果を第2図A
に示す。
比較のため、鉛フタロシアニン自体の透過スペクトル
を第3図に示す。この第3図からわかるように、鉛フタ
ロシアニン自体は300nmと700nm付近に大きな吸収があ
る。
さらに、比較のため、RFスパッタリング法によりガラ
ス基板上に厚さ2000Åコバルト膜のみを成膜し、実施例
1と同条件でθの波長依存性を測定した結果を第2図
Bに示してある。
第2図のAおよびB、さらには第2図のAと第3図を
比較することによって、本発明に従って作成された実施
例では、鉛フタロシアニンの電子遷移の波長の一つであ
る300nm付近にθの大きな変化が観測されることがわ
かる。
実施例2 ガラス基板上に、2000Åの厚さの鉛フタロシアニン色
素膜を蒸着し、その上にスパッタリング法によって、厚
さ100Åのコバルト膜を光が透過するように成膜した。
このようにして作製した試料に、膜に対して垂直方向に
14.2KGの外部磁場をかけ、膜面に対して垂直方向にコバ
ルトを飽和磁化させ、膜面入射によりカー回転角
(θ)を測定した。測定結果を第4図に示す。
第4図から明らかなように、この層構成の場合にも、
鉛フタロシアニンの電子遷移による吸収波長の300nmお
よび700nm付近に、カー回転角(θ)の変化が見られ
る。特に、700nm付近では、カー回転角(θ)が非常
に増大している。
実施例3 ガラス基板上にコバルトを、実施例1と同様の方法で
厚さ100Åのコバルト膜を成膜し、次いで、このコバル
ト薄膜上にクリスタルバイオレットのイソプロピルアル
コール溶液を塗布して2000Åの色素層を形成した。
このようにして作製した試料を、実施例1と同様に垂
直方向に飽和させ、ガラス側からモノクロメータの光を
入射してカー回転角(θ)を測定した。ガラスのファ
ラデー効果による回転角の増加分を除去するため、上記
で使用したのと同様のガラス基板に、銀を蒸着してガラ
ス側から測定した回転角を差し引いた値を第5図に示し
てある。
クリスタルバイオレットの薄膜での電子遷移による吸
収は、560nm付近に強い吸収があるが、これより少し短
波長の470nm付近にカー回転角(θ)の増大が見られ
る。
実施例4 実施例3のクリスタルバイオレットの代りにアクリジ
ンを使って、実施例3と同様な方法で試料を作製してカ
ー回転角を測定した。得られた結果は第6図に示してあ
る。
アクリジンの薄膜の吸収は540nm付近にあるが、その
カー回転角(θ)は470nmで増大することが示されて
いる。
実施例5 実施例3のクリスタルバイオレットの代りにローダミ
ンBを使って、実施例3と同様な方法で試料を作製して
カー回転角を測定した。得られた結果は第7図に示して
ある。
ローダミンBの薄膜の吸収は580nm付近にあるが、そ
のカー回転角(θ)は500nmで増大することが示され
ている。
実施例6 RFスパッタリング法によりGd26Co74合金ターゲットを
用い、バイアス電圧−100Vを印加してGdCoアモルファス
薄膜をガラス基板上に100Å厚さに成膜した。次いで、
このGdCoアモルファス薄膜上に蒸着法によって鉛フタロ
シアニン色素膜を厚さ2,000Åの厚さで形成した。
次いで、上記GdCoアモルファス薄膜の膜面に垂直方向
に外部磁場3KGをかけてGdCoアモルファス薄膜を膜面に
対して垂直方向に飽和磁化した。
ガラス側からモノクロメータの光を入射し、光の波長
を連続的に変化させながら、上記GdCoアモルファス薄膜
の膜面にほぼ垂直にレーザー光を入射させた場合のカー
回転角(θ)の波長依存性を測定した。測定結果を第
8図に示す。なお、この第8図ではガラスのファラデー
効果による回転角の増加分を除去して示してある。
発明の効果 本発明の原理に基づく光磁気記録媒体の場合には、上
記のような従来技術の欠点が無く、極めて大きなカー回
転角(θ)のエンハンス効果が得られるだけでなく、
その膜厚依存性がないので生産性の観点でも問題はな
い。
上記実施例によって明らかなように、本発明の構成、
すなわち、磁性体層と色素層の積層構造により、特定波
長においてθが大幅に増大することが明らかとなっ
た。その波長は色素の種類、積層構造によって固有なも
のとなり、逆に用いられるレーザー波長に合った膜組成
および構造のデザインが可能となる。
色素層を磁性体層に隣接させ磁性体側から光入射及び
読み出しを行う構成においては、前述のような従来の誘
電体層によるエンハンス法に比べ、膜厚のコントロール
にさほど厳密性が要求されず、または、色素層の熱伝導
率は一般に反射膜に用いられる金属のそれに比べて小さ
いので、熱拡散による記録感度の低下を防ぐことができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の原理を説明するための波長と誘電率
との間の関係を示すグラフである。 第2図は、実施例1および比較例1のカー回転角θ
波長依存性を示すグラフであり、 第3図は、鉛フタロシアニンの透過スペクトルを示すグ
ラフであり、 第4図は実施例2の場合のカー回転角θの波長依存性
を示すグラフであり、 第5図は実施例3の場合のカー回転角θの波長依存性
を示すグラフであり、また、 第6図は実施例4の場合のカー回転角θの波長依存性
を示すグラフである。 第7図は実施例5の場合のカー回転角θの波長依存性
を示すグラフである。 第8図は実施例6の場合のカー回転角θの波長依存性
を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北口 透 茨城県つくば市春日3丁目5―26 アー バン旭筑波1号棟103室 (72)発明者 小澤 丈夫 東京都小平市上水新町1―18―6 合議体 審判長 村山 隆 審判官 犬飼 宏 審判官 今井 義男 (56)参考文献 特開 昭61−11952(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板と、該基板上に形成された光磁気記録
    材料層及び色素層を含む光磁気記録媒体であって; 該色素層は、該光磁気記録材料層に隣接して形成される
    少なくとも1層の電子遷移薄膜層であり、該電子遷移薄
    膜層が、複素誘電率の大きな変化を示す波長領域を有
    し、再生用の光源の波長領域において該複素誘電率の実
    数部がほとんど零になり且つ虚数部が十分小さくなる物
    質からなることを特徴とする複合光磁気記録媒体。
JP22374388A 1988-09-07 1988-09-07 複合光磁気記録媒体 Expired - Lifetime JP3266243B2 (ja)

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