JP3265675B2 - バイアス回路およびこれを用いた集積回路 - Google Patents

バイアス回路およびこれを用いた集積回路

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はバイアス回路およびこれ
を用いた集積回路に関し、特に高周波帯で用いられるト
ランジスタのバイアス回路およびこのバイアス回路を用
いた高周波帯のモノリシック集積回路に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の電界効果トランジスタのバイアス
回路は、主に図15に示す固定バイアス(A)、(B)
に示す自己バイアスおよび(C)に示す電圧分割バイア
スの各回路のなかから、主回路の電界効果トランジスタ
に対し所望の特性を得るに適切と思われる方式が選択し
用いられていた。もちろん、主回路の電界効果トランジ
スタが複数の場合には2つ以上の方式を併用することも
あるが、各電界効果トランジスタのバイアス回路は基本
的には各々独立であり、相互作用は基本的に無いような
構成となっていた。
【0003】上記固定、自己および電圧分割の各バイア
ス回路はそれぞれ一般に下記に示すような特徴を有して
いる。
【0004】固定バイアス回路は、ソースを接地しゲー
トにバイアス電圧VGを供給する回路である。この回路
の利点は(1)動作点を自由に選択できる、(2)ソー
スが直接接地されるので利得等の高周波特性が優れてい
る、(3)構成が最も簡単で小さくできることである。
欠点は、(1)バイアス電源ととして2電源必要であ
る、(2)素子のばらつき(すなわち、ドレイン電流飽
和値Idss)がそのままドレイン電流(Id)のばら
つきになることである。
【0005】自己バイアス回路は、ソースに一端がバイ
アス電圧VGまたは接地電位に接続されたソース抵抗R
sを接続し、ゲートに抵抗R2を介して上記バイアス電
圧VGまたは接地電位を供給する回路である。この回路
の利点は、(1)ソース抵抗RsによりIdのばらつき
が抑えられる、(2)ソース抵抗Rs側を接地電位とす
ればバイアス電源は単電源でよいことである。欠点は
(1)IdによりRsが決定され設計の自由度が小さ
い、(2)利得等の高周波特性が劣化する、(3)Rs
で消費されるエネルギーの分だけ効率が低下することで
ある。
【0006】電圧分割バイアス回路は、自己バイアス回
路と同様の抵抗Rs,R2に加えて、ゲートに抵抗R1
を介して電源VDをさらに供給し、電源VDとVG間の
電圧を抵抗R1,R2で分割した電圧を供給する回路で
ある。この回路の利点は、(1)設計自由度がある、
(2)Idのばらつきが最も小さく抑えられる、(3)
ソース抵抗Rs側を接地電位とすればバイアス電源は単
電源でよいことであり、欠点は(1)利得等と高周波特
性が劣化する、(2)Rsで消費されるエネルギーの分
だけ効率が低下する、(3)構成が複雑で大きくなるこ
とである。なお、上記自己バイアス回路および電圧分割
バイアス回路では、高周波用途では、高周波的にソース
を接地する目的でソース抵抗Rsに並列にコンデンサが
付加される。
【0007】また、図15(D)に示すような自動バイ
アス回路も考案されている。これはドレイン電流Idを
検出しこの情報をゲートバイアスにフィードバックしド
レイン電流Idを一定値に保つ方式で、トランジスタを
用いた一種の閉ループ制御回路である。この回路の利点
は、(1)設計自由度がある、(2)Idのばらつきが
最も小さく抑えられることであり、欠点は、構成が複雑
で大きくなることである。
【0008】従来のバイポーラトランジスタのバイアス
回路も電界効果トランジスタと同様に、図16(A)、
(B)、(C)に示すようなバイアス回路の中から、適
切と思われる回路が選択し用いられていた。各バイアス
回路の特徴は、電界効果トランジスタの場合に示したも
のと同様である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】この従来のバイアス回
路では、上述したようにそれぞれ一長一短があり、例え
ば、利得等の高周波特性を最優先にするために固定バイ
アス回路を用いると、製造上の素子のばらつきに対応し
ドレイン電流がそのままばらつくことを許容するか、あ
るいは許容できない場合には個々のバイアス調整を要す
るという欠点があった。また、上記ばらつきを吸収し歩
留まりを向上するなどの目的で電圧分割バイアスを用い
ると、利得等の高周波特性の劣化を許容せざるをえない
という欠点があった。
【0010】さらに、自己バイアス回路および電圧分割
バイアス回路においては、高周波的にソースを接地する
ためにソース抵抗に並列に数pF〜数百pF程度のコン
デンサを付加する必要があり、回路規模の増大のみなら
ず、固定バイアス回路のような理想的な接地よりは利得
等の特性が劣という欠点があった。
【0011】また、自動バイアス回路では高周波特性を
確保しつつ、素子の製造ばらつきを吸収できるが、構成
および設計が複雑となり、閉ループ回路を構成している
ため、ループの発振等には注意が必要であるという欠点
があった。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のバイアス回路お
よびこれを用いた集積回路は、ゲートまたはベースに動
作点設定用の固定バイアス電圧または電流である固定バ
イアス信号が供給され直流的にソースまたはエミッタ接
地された電界効果トランジスタまたはバイポーラトラン
ジスタである第一のトランジスタを含み主機能を有する
主回路と、前記第一のトランジスタと同一の工程により
同時に形成した第二のトランジスタと前記第二のトラン
ジスタにバイアス電圧または電流を供給する副バイアス
回路とを含み前記第二のトランジスタのバイアス動作
反映する第一および第二の電極の各々の電圧信号である
第一および第二のバイアス参照電圧を発生する副回路
と、前記第一および第二のバイアス参照電圧を演算処理
し前記固定バイアス信号を生成する演算回路とを備えて
構成されている。
【0013】
【実施例】次に本発明について図面を用いて説明する。
図1は本発明の第一の実施例のバイアス回路を示す回路
図である。本実施例のバイアス回路は主要機能素子であ
る電界効果トランジスタ1を含む主回路2と、電界効果
トランジスタ1と同一チップ上に同一工程で同時に作ら
れた他のトランジスタ3および複数個の抵抗により構成
されバイアス参照電圧V1,V2を発生する副回路4
と、バイアス参照電圧V1,V2を演算処理しトランジ
スタ1のバイアス電圧V3を生成する演算回路5とを備
える。
【0014】主回路2のトランジスタ1はソース接地の
固定バイアス方式でありドレイン端子には電圧VDが供
給される。トランジスタ1のゲートには、副回路4の出
力電圧V1およびV2の差電圧V3=V1−V2を出力
する演算回路5の出力電圧V3が供給される。したがっ
て、トランジスタ1のゲートバイアス電圧Vgs1は、
トランジスタ3のゲートバイアス電圧Vgsrと同一で
あり、次式で示される。
【0015】Vgs1=V3=Vgsr 図2は、ガリウム砒素電界効果トランジスタの平均的な
電圧電流特性およびそのばらつきの一例を示す図であ
る。
【0016】副回路4は電圧分割バイアス方式が用いら
れてあり、図2(A)に示すように、トランジスタ3の
ドレイン電流飽和値(Idss)が直線(H),
(T),(L)のようにばらついても、ドレイン電流I
dのばらつきがΔIの範囲内に収まるようなゲートバイ
アス電圧Vgsrを生成する抵抗R1,R2,Rsの値
が設定されている。
【0017】すなわち、図2(B)に示される電圧分割
バイアス回路において、 i=(Vdr−Vgr)/(R1+R2) …(1) Vgsr=R2/(R1+R2)・(Vdr−Vgr)−Rs・Id =R2・i−Rs・Id …(2) である故、トランジスタの相互コンダクタンスgmを一
定値とすると図2(A)より直線Hおよび(L)は式
(3),(4)で示される。 Ih=gm・Vgs+Idssh …(3) I1=gm・Vgs+Idssh−ΔI =Ih−ΔI …(4) したがって、 Idhh=(R2・i−Vgsh)/Rs =gm・Vgsh+Idssh …(5) Idll=(R2・i−Vgsl)/RS =gm・Vgsl+Idssh−ΔI …(6) 式(5),(6)より Vgsh=(R2・i−Rs・Idssh)/(1+gm・Rs) …(7) Vgsl={R2・i−Rs(Idssh−ΔId)}/(1+gm・RS) …(8) ∴ΔI=(R2・i−Vgsh)/Rs−(R2・i−Vgsl)/Rs =(Vgsl−Vgsh)/Rs=ΔId/(1+gm・Rs)…(9) ∴ΔI/ΔId=1/(1+gm・Rs) …(10) すなわち、固定バイアス回路におけるドレイン電流ばら
つきΔIdに対し、電圧分割バイアス回路のドレイン電
流ばらつきΔIは1/(1+gm・Rs)に改善され
る。トランジスタ1およびトランジスタ3は同一チップ
上に同一工程で同時に製造された素子であるゆえ、両素
子のばらつきには正の強い相関がある。
【0018】これにより、主回路2のトランジスタ1は
固定バイアス回路として高周波特性を損なうことなく、
トランジスタ3を含む副回路4から得られるV1,V2
なる電圧情報、すなわちトランジスタ3のゲートバイア
ス電圧Vgsrと同一の電圧をトランジスタ1のバイア
ス電圧として供給することにより、素子の製造ばらつき
に対応するトランジスタ1のドレイン電流のばらつきを
抑圧することが可能となる。
【0019】式(10)から明らかなように、Rsおよ
びgmが大きいほど、トランジスタ1のドレイン電流の
ばらつきは改善される。しかし、通常、電圧分割バイア
ス方式においてRsを大きくすると、Rsで消費される
電力が増大しエネルギー効率が低下するため、あまり大
きくはできなかった。一方、本実施例によれば、副回路
4は主回路2とは独立であり、副回路4のトランジスタ
3は小規模でよいため回路電流は小さくできる。ゆえに
Rsでの消費電力も小さい。したがって、Rsの値を大
きく設定することが可能となるため、通常の電圧分割バ
イアス回路に比較して、よりドレイン電流のばらつきを
小さく抑えることが可能となる。
【0020】さらに、主回路2で電圧分割バイアス回路
を用いた場合には、前述のごとくソース抵抗Rsと並列
にコンデンサを付加する必要があるが、本実施例の方式
によればコンデンサを付加する必要はなく回路を小型化
できる。このことは、後述するように主回路の電界効果
トランジスタが複数個の場合に特に有効である。
【0021】次に、具体的な設計例を示す。図2におい
て、素子のゲート幅100μmの場合、素子の特性およ
びばらつきは次のようになる。すなわち、Idss=2
0mA,gm=15mS(一定)、ΔId=10mAと
し、また、Id=7.5±0.75mA(ΔI=1.5
mA)に設定するとすれば、式(10)より、ソース抵
抗Rsは次式で求められる。 Rs=1/gm・(ΔId/ΔI−1) ・・・(11) ∴Rs 378Ω ここで、Ids=7.5mAの特に、トランジスタのド
レイン・ソース間電圧Vdsとして通常2V以上確保す
る必要があるため、 Vds=(Vdr−Vgr)−Id・Rs>2V ∴Rs<(Vdr−Vgr−2)/Id でなければならない。Vdr=5V、Vgr=−2Vと
すると、(Vdr−Vgr−2)/Id 667Ω ∴Rs 378Ω<667ΩであるゆえRsの値として
は問題ない。
【0022】また、Vgs≒−0.5VにてIds≒
7.5mAとすると、式(2)より i・R2≒2.34V ここで、i=2mAとすると R2=1170Ω を得る。式(1)より R1=(Vdr−Vgr)/i=3500Ω となる。上記のごとく必要とされる特性に応じて副回路
4の回路設計がなされる。
【0023】演算回路5は副回路4の出力電圧1および
V2を受けて V3=V1−V2 なる電圧を供給する回路であればどのような回路形成で
もかまわない。図3はこのような演算をおこなう回路の
一例を示す図であり、(A)は汎用演算増幅器を用いた
ごく一般的な差動増幅回路であり、電圧利得を1倍とし
たものである。図3(B)はトランジスタを用いた最も
一般的な差動増幅回路である。トランジスタのエミッタ
抵抗をreとすると、抵抗RC,REの値を次式を満足
するように設定することにより所望の機能を満足するこ
とができる。 V3=Rc/2(re+Re)・(V1−V2) …(12) ∴Rc/2(re+Re)=1 …(13) これらはほんの一例に過ぎず、他にも様々な回路形式で
演算回路5の機能を実現できることはいうまでもない。
【0024】図4は本発明の第二の実施例のバイアス回
路を示す回路図である。本実施例の副回路4Aは第一の
実施例の副回路4において、R1=∞すなわちi=0と
した場合に相当しており、いわゆる自己バイアス回路と
なっている。したがって、第一の実施例で説明したと同
様に、ドレイン電流のばらつきΔIdは1/(1+gm
・Rs)に改善される。
【0025】図5(A)は自己バイアス回路を、図5
(B)は(A)の回路における素子のばらつきとバイア
スの様子を示している。図5(B)からも明らかなよう
に自己バイアス回路においては、電圧分割バイアスの場
合ほどRsの値を大きくできないため、ΔIも電圧分割
バイアス方式の場合に比較すると大きくなる。ただし、
電界効果トランジスタのバイアスとして、必ずしもドレ
イン電流を一定とすることが最良とは限らない。場合に
よっては、素子のばらつきに応じて適度にドレイン電流
が変わる方が良いこともある。例えば、A級動作の増幅
器を実現する場合において、素子の特性がばらついても
なるべく広範囲の入力信号レベルにおいてA級動作させ
るには、素子のばらつきに対してドレイン電流を一定値
となるようにバイアスを設定するよりも、自己バイアス
方式を用いるほうが適している。
【0026】図6(A),(B)はA級動作とバイアス
方式の関係を表す図である。例えば、素子の相互コンダ
クタンスgmが一定であり、ドレイン電流は最大、Vg
s=0Vのときの値(Idss)まで流れるとし、図中
(T)で示される平均的な特性の素子の場合にA級動作
として最適な点にバイアスする設定とすることを考え
る。すなわち、Id=Idsst/2に設定する。図6
(A)は定ドレイン電流バイアス方式の場合を示してお
り、出力信号がΔI1以上では波形はクリップされ歪
む。同様に、図6(B)は自己バイアス方式の場合を示
しており、出力信号はΔI2以下ではA級動作であるが
やはり歪む。しかしながら図6から明らかなように、同
一素子のばらつきに対し、ΔI1<ΔI2であり、
(B)の自己バイアス方式の方が、素子がばらついても
広範囲な入力レベルに対しA級動作が可能であることが
理解される。このような用途では、本発明の第二の実施
例のバイアス回路が有効である。
【0027】なお、副回路4,4Aの具体例として電圧
分割バイアス回路および自己バイアス回路の最も典型的
な例を示したが、当然のことながらこれらの変形及び応
用回路を副回路4,4Aとしても同様の結果が得られる
ことはいうまでもない。
【0028】図7は本発明の第三の実施例のバイアス回
路を示すブロック図である。本実施例のバイアス回路
は、第一および第二の実施例において算回路5と主回
路2との問にバッファ回路6を設けた構成となってい
る。演算回路5の駆動能力が、主回路2のトランジスタ
1のゲートを駆動するに十分でない場合に必要となる。
特に、トランジスタ1が大規模な場合や、或いは後述の
ごとくトランジスタ1が複数個のトランジスタから成る
場合にバッファ回路6が必要となる。
【0029】電界効果トランジスタは理想的には電圧制
御型の素子であり通常ゲート電流は無視し得る程度に小
さいが、それでもわずかながら漏れ電流が流れる。特に
入力信号レベルが大きい、いわゆる大振幅動作の場合に
は小信号動作の場合に比較して大幅にゲート電流が流れ
ることがある。このような用途の場合にはバッファ回路
が必要となる。また、後述のバイポーラトランジスタの
場合は、本質的に電流制御素子であるため、大抵の場合
バッファ回路が必要となる。
【0030】バッファ回路6は入力電圧と等しい電圧を
出力し、出力の電流駆動能力が所望の能力以上の回路で
あればどのような回路でもかまわない。図8にバッファ
回路の一例を示す。図8(A)は汎用演算増幅器を用い
たバッファ回路の一例であり、電圧フォロアと呼ばれる
最も基本的な回路である。図8(B)および(C)は電
界効果トランジスタを用いた典型的なバッファ回路の一
例である。(B)の回路においては、二つの電界効果ト
ランジスタは特性の揃ったものであることが望ましい。
また、(C)はコンプリメンタリ電界効果トランジスタ
を使用したものである。
【0031】図9は第4の実施例のバイアス回路のブロ
ック図である。本実施例のバイアス回路は、温度検出回
路8から得られた温度情報、信号レベル検出回路9から
得られた信号レベル情報等の各種検出回路からの情報を
得て、演算制御回路7において演算回路5より得られた
バイアス電圧を演算処理し、より高度なバイアス制御を
行うバイアス回路の概念図である。
【0032】図10は演算制御回路7の一例を示す回路
図である。これは汎用演算増幅器を用いた加算器を基本
とした構成となっている。温度情報等の各種情報Vt,
Vp,Vxは関数回路10,11,12等によりf(V
t),g(Vp),h(Vx)と変換され加算器13に
入力される。加算器13の出力は反転増幅器14を経て
極性反転されバッファ15を経て主回路2のトランジス
タ1のゲートバイアス電圧Vgとして出力される。この
演算制御回路7の出力電圧Vgは次式で示される。 Vg=(r3/Rf)V3+(rt/Rf)f(Vt)+(rp/Rf)g(V p)+…+(rx/Rf)h(Vx) …(14) したがって、Rfおよびrt,rp…,rxの抵抗値お
よび関数回路10,11,…,12を所望の特性が得ら
れるように設定することでより高度なバイアス制御が実
現可能となる。
【0033】図11は第五の実施例のバイアス回路を示
すブロック図である。これは主回路2Aのトランジスタ
が複数個のトランジスタ1a,1b…1nから成る場合
を示している。この場合には、本発明のバイアス回路の
有効性がますます高くなる。すなわち、主回路2Aの電
界効果トランジスタ1a〜1nのバイアス回路は最も簡
易な固定バイアス方式でよいため主回路2のバイアス回
路を最も小規模に構成することができる。したがって、
主回路2そのものの規模も小さくすることが可能となり
価格の低減に有効である。勿論この場合も、利得等の高
周波特性を損なうことなく素子の製造ばらつき等に対応
することができるのみならず、さらに高度なバイアス制
御を行うことができる。
【0034】図12は本発明の第6の実施例のバイアス
回路を示すブロック図である。これは主回路2Bのトラ
ンジスタが複数個あり、二種類以上の副回路4B,4C
を設け、目的に応じたバイアス供給方式を用いる回路で
ある。例えば、副回路4Bは自己バイアス方式、副回路
4Cは電圧分割バイアス方式としておき、主回路2Bの
複数個のトランジスタの各々はそれぞれ都合のよい方の
バイアス電圧を用いてバイアスされる。この場合も第一
〜第五の実施例と同様、主回路2Bの電界効果トランジ
スタ自体は固定バイアス形式となっているゆえ高周波特
性を最大限引き出すことができ、また回路を小型化する
ことができる。
【0035】図13は本発明のバイアス回路を用いた第
7の実施例を示す集積回路のブロック図である。副回路
4の電界効果トランジスタ3は、主回路2の電界効果ト
ランジスタ1となるべく相関が強い方が望ましい。した
がって、モノリシック集積回路は本発明のバイアス回路
を実現するには最適である。
【0036】通常モノリシック集積回路のチップサイズ
は数mm角程度であり、その中に主回路2の電界効果ト
4ランジスタ1といっしょに副回路4の電界効果トラン
ジスタ3を作り込むことにより、非常に強い正の相関を
持たせることが可能である。副回路4のトランジスタ3
は非常に小規模なサイズでよく、また副回路4は単なる
直流回路であるゆえモノリシック集積回路においては、
空いている空間を効率よく利用して構成すれば良い。し
たがって、本発明のバイアス回路を用いた集積回路は、
単に固定バイアス方式を用いた従来の集積回路の比較し
てチップサイズの増大は殆ど無視できる。
【0037】図13では主回路2および副回路4をひと
つのモノリシック集積回路16とし、演算回路5その他
の回路は外部回路とした構成の例を示したが、勿論、演
算回路5その他の回路をひとつのモノリシック集積回路
としてもよい。あるいはまた副回路4のほかにバッファ
6を集積化し残りの回路は外部回路とするなど構成は様
々である。いずれにせよ、少なくとも副回路4の電界効
果トランジスタ3を主回路の電界効果トランジスタ1を
一つのチップ上に形成することで本発明の目的は達成さ
れる。
【0038】以上の説明はトランジスタ素子として電界
効果トランジスタをトランジスタ素子とした例を述べた
が、バイポーラトランジスタであっても本発明のバイア
ス供給方式はもちろん有効である。
【0039】電界効果トランジスタとバイポーラトラン
ジスタとの相違点は、前者が電圧制御素子であるのに対
し後者は電流制御素子である点である。したがって、バ
イポーラトランジスタの場合には参照バイアスを生成す
る副回路のトランジスタのベース電流Ibを検出し主回
路のトランジスタヘフィードバックすることにより本発
明のバイアス回路が実現される。
【0040】図14は本発明の第8の実施例を示すバイ
ポーラトランジスタの場合のバイアス回路のブロック図
である。主回路19のトランジスタ18は、高周波特性
が最高となるようにエミッタを直流的に接地する固定バ
イアス回路とする。副回路21は主回路19のバイポー
ラトランジスタ18と同一工程で同時に製造されたトラ
ンジスタ20を用いて自己バイアス回路を構成してお
り、ベース抵抗Rbの両端の電位差を検出し、演算回路
22においてトランジスタ18の規模に応じたベース電
流Ibmを流す構成となっている。
【0041】また、演算回路22は、副回路21の検出
電圧を受けて所望の値と差動増幅し、抵抗RxないしR
yにて定電流化する。
【0042】また、電界効果トランジスタの場合と同様
に、副回路として電圧分割バイアス方式を用いても良
い。また、バッファ回路や各種検出回路からの情報を含
め演算処理してさらに高度なバイアス制御が可能なこと
も電界効果トランジスタの場合と同様である。さらに、
集積化しモノリシック集積回路として構成することも電
界効果トランジスタの場合に述べたと同様本発明の効
果がよく表れて有効である。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、主回路の
第一のトランジスタと同一工程で同時に製造された第二
のトランジスタの動作状態を反映する第一および第二の
電極の各々の電圧信号である第一および第二のバイアス
参照電圧から演算処理して上記第一のトランジスタに対
する固定バイアス信号を生成し供給することにより、上
記第一のトランジスタは最も高周波特性の優れた固定バ
イアス回路としつつ、素子の製造ばらつきを適切に吸収
するバイアス状態を実現できる。また、本発明のバイア
ス回路をモノリシック集積回路に応用することにより、
高周波特性を損なうことなく集積回路の小型化が可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例を示すバイアス回路のブ
ロック図である。
【図2】電圧分割バイアス回路の回路図とその電圧電流
特性図である。
【図3】図1の演算回路の一例を示す回路図である。
【図4】本発明の第二の実施例を示すバイアス回路のブ
ロック図である。
【図5】自己バイアス回路の回路図とその電圧電流特性
図である。
【図6】トランジスタのA級動作特性とバイアス方式と
の関係を示す図である。
【図7】本発明の第三の実施例を示すバイアス回路のブ
ロック図である。
【図8】本実施例のバッファ回路の一例を示す回路図で
ある。
【図9】本発明の第四の実施例を示すバイアス回路のブ
ロック図である。
【図10】本実施例の演算制御回路の一例を示す回路図
である。
【図11】本発明の第五の実施例を示すバイアス回路の
ブロック図である。
【図12】本発明の第六の実施例を示すバイアス回路の
ブラック図である。
【図13】本発明の第七の実施例を示す集積回路のブロ
ック図である。
【図14】本発明の第八の実施例を示すバイアス回路の
ブロック図である。
【図15】従来のバイアス回路の第一〜第四の例を示す
ブロック図である。
【図16】従来のバイアス回路の第五〜第七の例を示す
ブロック図である。
【符号の説明】
1,3,18,20 トランジスタ 2,2A,2B,19 主回路 4,4A,4B,4C,21 副回路 5,22 演算回路 6 バッファ回路 7 演算制御回路 8 温度検出回路 9 信号レベル検出回路 10〜12 関数回路 13 加算器 14 反転増幅器 15 バッファ 16 集積回路

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゲートまたはベースに動作点設定用の固
    定バイアス電圧または電流である固定バイアス信号が供
    給され直流的にソースまたはエミッタ接地された電界効
    トランジスタまたはバイポーラトランジスタである第
    一のトランジスタを含み主機能を有する主回路と、 前記第一のトランジスタと同一の工程により同時に形成
    した第二のトランジスタと前記第二のトランジスタにバ
    イアス電圧または電流を供給する副バイアス回路とを含
    み前記第二のトランジスタのバイアス動作を反映する
    一および第二の電極の各々の電圧信号である第一および
    第二のバイアス参照電圧を発生する副回路と、 前記第一および第二のバイアス参照電圧を演算処理し前
    記固定バイアス信号を生成する演算回路とを備えること
    を特徴とするバイアス回路。
  2. 【請求項2】 前記副バイアス回路が前記第二のトラ
    ンジスタのゲートまたはベースと各々一端が共通接続さ
    れ他端がそれぞれ第一および第二の電源に接続された第
    一および第二の抵抗と前記第二のトランジスタのソース
    またはエミッタと前記第二の電源との間に接続された第
    三の抵抗とを含む電圧分割バイアス回路を備えることを
    特徴とする請求項1記載のバイアス回路。
  3. 【請求項3】 前記副バイアス回路が前記第二のトラ
    ンジスタのゲートまたはベースと一端が共通接続され
    端が第二の電源に接続された第二の抵抗と前記第二のト
    ランジスタのソースまたはエミッタと前記第二の電源と
    の間に接続された第三の抵抗とを含む自己バイアス回路
    を備えることを特徴とする請求項1記載のバイアス回
    路。
  4. 【請求項4】 前記演算回路の出力側に前記固定バイア
    ス信号の電流供給能力を向上するバッファ回路をさらに
    備えることを特徴とする請求項1記載のバイアス回路。
  5. 【請求項5】 前記演算回路が前記第一および第二の
    バイアス参照電圧の演算により生成した第一のバイアス
    信号と温度や信号レベルを含む動作環境のパラメータの
    検出信号である第二のバイアス信号との演算処理結果に
    より前記固定バイアス信号を生成する演算制御回路を備
    えることを特徴とする請求項1記載のバイアス回路。
  6. 【請求項6】 前記第一のトランジスタが同一の工程
    により同時に製造した複数のトランジスタを有するトラ
    ンジスタ群であることを特徴とする請求項1記載のバイ
    アス回路。
  7. 【請求項7】 各々ゲートまたはベースに動作点設定用
    の固定バイアス電圧または電流である第一および第二の
    固定バイアス信号の供給を受け直流的にソースまたはエ
    ミッタ接地された電界効果トランジスタまたはバイポー
    ラトランジスタである第一および第二のトランジスタを
    備え主機能を有する主回路と、 記第一および第二のトランジスタと同一の工程により
    同時に形成した第三のトランジスタと前記第三のトラン
    ジスタにバイアス電圧または電流を供給する第一の副バ
    イアス回路とを含み前記第三のトランジスタのバイアス
    動作を反映する第一の電極対の各々の電圧信号である
    一のバイアス参照電圧対を発生する第一の副回路と、 記第一および第二のトランジスタと同一の工程により
    同時に形成した第四のトランジスタと前記第四のトラン
    ジスタにバイアス電圧または電流を供給する第二の副バ
    イアス回路とを含み前記第四のトランジスタのバイアス
    動作を反映する第二の電極対の各々の電圧信号である
    二のバイアス参照電圧対を発生する第二の副回路と、 前記第一および第二の前記バイアス参照電圧対をそれぞ
    れ演算処理し前記第一および第二の固定バイアス信号を
    それぞれ生成する第一および第二の演算回路とを備え 前記第一の副バイアス回路が、前記第三のトランジスタ
    のゲートまたはベースと各々一端が共通接続され他端が
    それぞれ第一および第二の電源に接続された第一および
    第二の抵抗と前記第三のトランジスタのソースまたはエ
    ミッタと前記第二の電源との間に接続された第三の抵抗
    とを含む電圧分割バイアス回路を備え、 前記第二の副バイアス回路が、前記第四のトランジスタ
    のゲートまたはベースと一端が共通接続され他端が前記
    第二の電源に接続された第五の抵抗と前記第四のトラン
    ジスタのソースまたはエミッタと前記第二の電源との間
    に接続された第三の抵抗とを含む自己バイアス回路を備
    ることを特徴とするバイアス回路。
  8. 【請求項8】 少なくとも前記第一および第二のトラン
    ジスタを同一の工程により同時に同一チップ上に形成し
    請求項1〜6記載のバイアス回路のいずれかを用いたこ
    とを特徴とする集積回路。
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