JP3265263B2 - 固形ルウの製造方法 - Google Patents

固形ルウの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カレー、ハヤシ、
シチュー等を作るために用いる容器入り固形ルウの製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、カレー、ハヤシ、シチュー等を
作るために用いる固形ルウは、小麦粉、食用油脂、調味
料などを加熱混合した後、これを容器に入れ冷却固化す
ることにより製造されている。この冷却固化は、通常室
温で放置する方法で行われるが、冷却固化処理に長時間
を要し、また冷却固化処理後、ルウ表面に油脂が浮き出
るという問題があった。これに対し、ルウの油浮きを防
止するために比較的低い温度で冷却処理を施した場合、
冷却後、ルウ表面に光沢のある縞模様が発生するという
新たな問題が生じた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ルウ表面の
油浮きを防止でき、かつルウ表面に光沢のある縞模様が
発生しない、品質の優れた容器入り固形ルウの製造方法
を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究の
結果、加熱溶融ルウを容器に充填した後、該ルウの冷却
処理を、その表面温度が特定温度範囲を特定の短時間内
に通過するように急速に行うことにより、所期の目的が
達成されることを見い出した。すなわち、本発明は、澱
粉質原料、油脂及び調味料を含む原料を加熱混合処理し
て得られた加熱溶融ルウを容器に充填した後、冷却固化
させる固形ルウの製造方法において、加熱溶融ルウを容
器に充填した後、ルウの表面温度を5分以内に上記油脂
の上昇融点より5℃以上低い温度にまで冷却すると共
に、この際、上記ルウの表面温度が上記油脂の上昇融点
の±5℃に相当する温度域を2分以内に通過させること
を特徴とする固形ルウの製造方法を提供する。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明において、「ルウ」とは、
水と共に、生の肉や野菜、茹でた肉や野菜等の食材を必
要に応じて加え、煮込み等で加熱調理することにより、
カレー、ハヤシ、シチュー等の所望の食品を調理するた
めの食品素材である。
【0006】本発明でルウの原料として用いる澱粉質原
料としては、小麦粉、コーンスターチ等を挙げることが
できる。固形ルウ中の澱粉質原料の含有量は、1〜40
重量%(以下、%と略称する。)が好ましく、特に10
〜30%が好ましい。本発明では、小麦粉をそのまま原
料として使用することができるが、小麦粉を食用油脂
(特に豚脂と牛脂の混合油脂)を用いて予め焙煎処理し
てから用いると、得られるルウの風味を向上させること
ができるので好ましい。この際、小麦粉1重量部当たり
食用油脂を0.5〜2重量部の割合で用いるのがよい。
【0007】また、本発明でルウの原料として用いる油
脂としては、天然油脂、加工油脂及びこれらの混合物の
いずれをも使用することができる。具体的には、バタ
ー、マーガリン、豚脂、牛脂、あるいはこれらの混合物
等が例示できる。上記食用油脂の固形ルウ中の含有量
は、25〜45%が好ましく、特に30〜40%が好ま
しい。油脂含量が多い場合には、油脂がルウ表面上に浮
き出し、外観が損なわれやすい。反対に、油脂含量が少
ない場合には、ルウの物性が固くなり、これを容器に充
填する作業等を円滑に行いにくくなる。
【0008】本発明で使用する調味料としては、通常、
カレー、ハヤシ、ビーフシチュー等のルウを製造すると
きに使用されるものが挙げられる。具体的には、食塩、
各種ブイヨン、グルタミン酸ナトリウム、トマト、リン
ゴ、ニンジン、ガーリック、ジンジャー、チーズなどの
粉末或るいはペースト、脱脂粉乳等が例示できる。ま
た、調味料の固形ルウ中の含有量は、所望に応じて決定
することができるが、20〜50%が好ましく、特に3
0〜40%が好ましい。また、カレー粉等の香辛料を用
いてもよく、香辛料の固形ルウ中の含有量は、所望に応
じて決定することができるが、1〜8%、特に3〜6%
が好ましい。また、本発明においては、小麦粉等の澱粉
質原料、油脂及び調味料を含む原料が、乳化剤を含まな
いのが好ましい。つまり、上記原料が乳化剤を含む場合
は、ルウの油浮きをある程度防止することができる反
面、ルウの風味・香りの際立ちが弱くなる。従って、本
発明によれば、乳化剤を用いなくともルウの油浮きを好
適に防止することができるため、ルウの風味・香りの際
立ちを有効に活かすことができる。尚、ここでいう乳化
剤とは、合成乳化剤のことを指しており、天然原料が元
来的に含有しているものまでを指すものではない。
【0009】本発明は、上記した原料を加熱混合してル
ウを製造する。加熱混合は、ミキサー中で70〜120
℃で、20〜60分間行うのがよい。このようにして加
熱溶融したルウをそのまま容器に充填することができる
が、該ミキサー中であるいは他の冷却装置を用いて50
〜65℃程度に冷却した後、容器に充填してもよい。ま
た、本発明においては、任意の形状及び容量を有する容
器を使用することができるが、トレイ状容器を用いるの
が好ましい。トレイ状容器の材質も任意とすることがで
きる。例えば、トレイ状容器としては、高さ15〜50
mm、長さ80〜250mm、幅80〜150mmでポ
リプロピレン/EVOH/ポリプロピレン製(厚み0.2
〜0.5mm)のものが好ましく、直方体又は立方体形の
ものであってもよい。
【0010】本発明では、加熱溶融ルウをトレイ状容器
に充填した後、その表面温度を5分以内、好ましくは3
分以内に、上記油脂の上昇融点より5℃以上低い温度
(好ましくは上記油脂のSFCが10%以上となる温
度)、好ましくは8℃以上低い温度(好ましくは上記油
脂のSFCが20%以上となる温度)にまで冷却する。
また、この際、上記ルウの表面温度が、上記油脂の上昇
融点の±5℃に相当する温度域(又は上記油脂のSFC
が0〜10%となる温度域)を2分以内、好ましくは1
分30秒以内に通過させる。本発明においては、冷却固
化後に密封包装をすることができるが、冷却固化の前に
密封包装することもできる。本発明では、上記冷却を任
意の方法で行い得るが、一例として、加熱溶融ルウを充
填した容器をスチールなどの金属製の搬送面を有するコ
ンベヤの搬送面に載せて−30〜−10℃の冷却室内に
搬送するとともに、上記搬送面を冷却媒体を当てるなど
の適宜手段によって冷却し、冷却された搬送面からの伝
達によって冷却することが好ましい。これにより、加熱
溶融ルウの冷却処理を急速に行うことができる。尚、上
記冷却は、市販のスチールベルトフリーザーなどを用い
て実施することができる。
【0011】上昇融点とは、油脂のほとんどが液相に転
じ、残ったわずかな量の固相が存在するまま全体が流動
を開始する温度のことをいい、用いる油脂によって変動
する。油脂のSFCとは、液体油のNMRのシグナルの
大きさを基準にして求めた、所定温度における固体脂含
量の百分率のことをいう。また、ルウの表面温度とは、
ルウの表層3mm以内の部分の温度のことであり、熱電
対を突き刺すことによって容易に測定することができ
る。
【0012】
【発明の効果】本発明によれば、ルウ表面の油浮きを防
止でき、かつルウ表面に光沢のある縞模様が発生しな
い、品質の優れた固形ルウの製造方法が提供される。本
発明により製造されたルウは、カレールウ、シチュー用
ルウ、ハヤシライス用ルウなどとして、幅広く使用する
ことができる。次に実施例により本発明を説明する。
【0013】
【実施例】実施例1 小麦粉20重量部と食用油脂(豚脂と牛脂の混合脂)3
0重量部を用いて焙煎処理した小麦粉ルウ50重量部、
食用油脂(豚脂と牛脂の混合脂)5重量部、カレー粉5
重量部、食塩10重量部及び各種ブイヨン等の調味料3
0重量部をミキサーにて90℃で30分間加熱混合して
溶融状のルウを得た後、これを一旦60℃まで冷却し、
この溶融状のルウ250gを充填機によりトレイ状容器
に充填した。ここで用いたトレイ状容器は、ポリプロピ
レン/EVOH(エチレン・ビニルアルコール共重合体
又はエチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物)/ポリプロ
ピレン厚さ0.3mm、高さ22mm、長さ190mm、
幅95mmの上方に開放部を有する直方体状のトレイで
ある。また、上記食用油脂は、上昇融点が約46℃のも
のである。次いで、溶融したルウ250gを充填したト
レイ状容器をスチールベルトフリーザーのスチールベル
ト(搬送面)に載せて、風速1.5m/秒の−20℃の冷
風が流れる冷却室内に搬送するとともに、上記搬送面に
−35℃の冷却板を当てて冷却しながら、当該ルウの表
面温度をトレイ状容器に充填後約3分間で約38℃(上
記食用油脂のSFCが約20%となる温度)にまで冷却
固化した。また、この際、上記ルウの表面温度は51〜
41℃の温度域(上記食用油脂のSFCが約0〜14%
となる温度域)を約1分20秒で通過していた。得られ
た固形ルウの表面には、油浮きや光沢のある縞模様がな
く、品質の優れたものであった。この後、トレイ状容器
の開放部にポリプロピレンテレフタレート/EVOH/
シーラントからなる蓋シートを載せ、カートンに入れた
後、カートンをプラスチックフィルムで密封収容し、ト
レイ状容器入り固形ルウを得た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−255434(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/40 JICSTファイル(JOIS)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 澱粉質原料、油脂及び調味料を含む原料
    を加熱混合処理して得られた加熱溶融ルウを容器に充填
    した後、冷却固化させる固形ルウの製造方法において、
    加熱溶融ルウを容器に充填した後、ルウの表面温度を5
    分以内に上記油脂の上昇融点より5℃以上低い温度にま
    で冷却すると共に、この際、上記ルウの表面温度が上記
    油脂の上昇融点の±5℃に相当する温度域を2分以内に
    通過させることを特徴とする固形ルウの製造方法。
  2. 【請求項2】 澱粉質原料、油脂及び調味料を含む原料
    が乳化剤を含まない請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 澱粉質原料、油脂及び調味料を含む原料
    を加熱混合処理して得られた加熱溶融ルウを容器に充填
    した後、冷却固化させる固形ルウの製造方法において、
    加熱溶融ルウを容器に充填した後、加熱溶融ルウを充填
    した容器を金属製の搬送面を有するコンベヤの搬送面に
    載せて−30〜−10℃の冷却室内に搬送するととも
    に、上記搬送面を冷却し、冷却された搬送面からの伝達
    によって冷却して、ルウの表面温度を5分以内に上記油
    脂の上昇融点より5℃以上低い温度にまで冷却すると共
    に、この際、上記ルウの表面温度が上記油脂の上昇融点
    の±5℃に相当する温度域を2分以内に通過させること
    を特徴とする固形ルウの製造方法。
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