JP3265219B2 - 排気処理装置 - Google Patents

排気処理装置

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JP3265219B2
JP3265219B2 JP06412497A JP6412497A JP3265219B2 JP 3265219 B2 JP3265219 B2 JP 3265219B2 JP 06412497 A JP06412497 A JP 06412497A JP 6412497 A JP6412497 A JP 6412497A JP 3265219 B2 JP3265219 B2 JP 3265219B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は排気中に含まれる有
機原ガスを除去する吸着剤を再生する脱着塔を備えた排
気処理装置に関するものである。
【0002】近年、半導体工場には、半導体装置(LS
I)の大量製造に伴って、半導体装置の製造装置の排気
に含まれる有機原ガスを吸着剤にて除去する排気処理装
置が設置されている。吸着剤は、排気処理装置内の脱着
塔にて再生され、循環活用されるので、吸着剤を効率良
く再生することが要求されている。
【0003】
【従来の技術】図9(a)は、従来の排気処理装置に備
えられた脱着塔1の概略縦断面図である。脱着塔1に
は、図示しない吸着塔にて有機原ガスを吸着した吸着剤
としての活性炭がその上端から供給される。活性炭は脱
着部2にて加熱される。脱着温度まで活性炭が加熱され
ると、活性炭に吸着した有機原ガスが活性炭から離れて
活性炭が再生される。再生された活性炭は冷却部3にて
冷却され、再び吸着塔に供給される。
【0004】図9(b)に示すように、脱着部2は、円
筒形の脱着塔1内面に沿って設けられた真鍮電熱ヒータ
4と、脱着塔1の中心部とヒータとの間に放射状に設け
られヒータの熱が伝導されるフィン5とから構成され
る。フィン5は、活性炭が直接落下しないように、垂直
方向(図9(b)において図面表裏方向)において一部
が重なり合うように設けられている。従って、活性炭
は、落下する際に当たったフィン5に伝導された熱によ
って間接的に加熱される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、半導
体装置の製造工程には、沸点の高い有機原ガス(例え
ば、Nメチル−2ピロリドン(NMP)、沸点202
℃)が用いられるようになってきている。そのため、脱
着塔1では、沸点の高い有機原ガスに対応して活性炭を
200℃以上の高温な脱着温度に加熱して活性炭の再生
を行う必要がある。
【0006】しかしながら、従来の脱着塔1では、活性
炭をヒータ4から放射状に備えられたフィン5にて間接
的に加熱しているため、200℃以上の高温に加熱する
ことが難しく活性炭を効率よく再生することができな
い。低温にて活性炭を再生すると、活性炭の吸着能力が
低下し排気処理装置の処理能力が低下する。例えば、低
温にて再生した活性炭の吸着性能を示す比表面積は、新
しい活性炭の比表面積の約40%にまで低下する。その
ため、従来の排気処理装置では、処理能力を維持するた
めに活性炭を常に新たな活性炭と交換する必要があり、
その交換に多くの費用がかかるので、排気処理装置の稼
働費用が上昇するという問題がある。
【0007】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであって、その目的は吸着剤を高温にて効率よ
く再生することができる脱着塔を備えた排気処理装置を
提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明は、上端に設けられた供給口
から供給され塔内を落下する原ガスを吸着した吸着剤を
所定の脱着温度に加熱して該吸着剤を再生する脱着部を
有する脱着塔を備えた排気処理装置において、前記脱着
部には、塔内を落下する吸着剤を加熱するヒータを脱着
塔内に直装し、前記ヒータの表面に、前記吸着剤の一部
表面が接する凹部を形成したことを要旨とする。
【0009】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の排気処理装置において、前記供給口とヒータとの間
に、落下する吸着剤を塔内に均等に分散させる分散部を
設けたことを要旨とする。請求項3に記載の発明は、請
求項1又は2に記載の排気処理装置において、前記脱着
塔のうち、少なくとも前記脱着部の部分を内壁と外壁と
の二重構造とし、内壁と外壁との間に不活性ガスを供給
したことを要旨とする。
【0010】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
の排気処理装置において、前記内壁と外壁に供給する不
活性ガスの供給量を制御する制御手段を備えたことを要
旨とする。
【0011】請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4
のうちのいずれか1項に記載の排気処理装置において、
前記脱着塔の供給口と、前記再生した吸着剤を排出する
排出口とに前記脱着塔内を密閉する弁を備えたことを要
旨とする。
【0012】請求項6に記載の発明は、上端に設けられ
た供給口から供給され塔内を落下する原ガスを吸着した
吸着剤を所定の脱着温度に加熱して該吸着剤を再生する
脱着部を有する脱着塔を備えた排気処理装置において、
前記脱着部には、塔内を落下する吸着剤を加熱するヒー
タを脱着塔内に直装し、前記脱着塔のうち、少なくとも
前記脱着部の部分を内壁と外壁との二重構造とし、内壁
と外壁との間に不活性ガスを供給したことを要旨とす
る。請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の排気処
理装置において、前記内壁と外壁に供給する不活性ガス
の供給量を制御する制御手段を備えたことを要旨とす
る。請求項8に記載の発明は、請求項6又は7に記載の
排気処理装置において、前記脱着塔の供給口と、前記再
生した吸着剤を排出する排出口とに前記脱着塔内を密閉
する弁を備えたことを要旨とする。
【0013】(作用)従って、請求項1に記載の発明に
よれば、原ガスを吸着した吸着剤は、脱着塔内に直装さ
れたヒータにて直接加熱され、原ガスの沸点より高い所
定の脱着温度まで上昇し、原ガスが脱着される。
【0014】また、ヒータの表面には、吸着剤の一部表
面が接する凹部が形成され、吸着剤とヒータとの接触面
積が大きくなる。請求項に記載の発明によれば、供給
口とヒータとの間には、落下する吸着剤を塔内に均等に
分散させる分散部が設けられ、吸着剤が均一に加熱され
る。
【0015】請求項3、6に記載の発明によれば、脱着
側壁のうち、少なくとも脱着部の部分が内壁と外壁との
二重構造とされ、内壁と外壁との間には不活性ガスが供
給されて脱着部が保温される。
【0016】請求項4、7に記載の発明によれば、内壁
と外壁に供給する不活性ガスの供給量を制御する制御手
段が備えられ、不活性ガスが供給制御される。請求項
5、8に記載の発明によれば、脱着塔の供給口と、前記
再生した吸着剤を排出する排出口とには弁が設けられ、
その弁によって脱着塔内が密閉される。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
形態を図1〜図5に従って説明する。図1に示すよう
に、本実施形態の有機排気処理装置11には、吸着塔1
2と脱着塔13とが設けられている。吸着塔12は、図
示しない半導体製造装置の排気ガスから、その排気ガス
に含まれる有機原ガスを吸着剤としての活性炭に吸着さ
せて浄化するために設けられている。脱着塔13は、活
性炭に吸着した有機原ガスを脱着させ、活性炭を再生す
るために設けられている。
【0018】吸着塔12は、その下端が輸送管14を介
して図示しない半導体製造装置に連結され、その製造装
置の排気が輸送管14に設けられたモーターファン15
によって供給される。吸着塔12には、活性炭流動部1
6が垂直方向に複数段設けられている。最上段の活性炭
流動部16には、脱着塔13にて再生された活性炭(以
下、脱着炭という))が常時供給される。各活性炭流動
部16は、供給される活性炭を所定の方向に水平移動さ
せるとともに、活性炭を上段から下段へ向かって徐々に
搬送させる。
【0019】従って、吸着塔12に供給された排気ガス
は、吸着塔12の下端から上端に向かって上昇する間
に、各活性炭流動部16により搬送される活性炭間を通
過する。そして、排気ガスは、その排気ガスに含まれる
有機原ガスが活性炭に吸着され、浄化された浄化ガスと
して吸着塔12下端から排出される。有機原ガスを吸着
した活性炭(以下、吸着炭という)は、脱着塔13上端
に搬送される。
【0020】脱着塔13は四角形筒状に形成されてい
る。脱着塔13には、脱着部17が設けられている。脱
着部17は、搬送される吸着炭を所定の脱着温度まで加
熱するために設けられている。脱着温度は、有機原ガス
の沸点に対応した高温(例えば、400〜500℃)に
設定されている。例えば、有機原ガスとしてNメチル−
2ピロリドン(NMP)の場合、沸点が202℃である
ため、吸着炭は、有機原ガスの沸点よりも十分に高い温
度に加熱される。すると、吸着炭に吸着した有機原ガス
は容易に脱着し、吸着炭が再生されて脱着炭となる。
【0021】例えば、本出願人は、本実施形態の排気処
理装置11を用いて吸着炭を500℃の高温にて再生
し、脱着炭の比表面積が新しい活性炭の比表面積の約9
3%となることを実験により得ている。また、本出願人
は、従来の排気処理装置(脱着温度200℃)にて再生
した脱着炭の比表面積が、新しい活性炭の比表面積の約
41%となることを実験により得ている。従って、吸着
炭は、吸着した有機原ガスのほとんどが脱着され、有機
原ガスの除去効率がよい。
【0022】有機ガスが脱着された脱着炭は、前記吸着
塔12に循環され、再利用される。吸着炭から脱着され
た有機原ガスは、濃縮塔18に送られる。濃縮塔18に
はコンデンサ19が設けられ、その濃縮塔18に送られ
た有機原ガスはコンデンサ19に循環供給される冷却水
によって冷却されて液化し、回収溶剤として図示しない
貯留槽に蓄えられる。
【0023】また、排気処理装置11には、上方搬送部
20が設けられている。上方搬送部20は、吸着塔12
と脱着塔13との間で活性炭を循環させるとともに、搬
送する活性炭を各塔の上方から供給するために設けられ
ている。上方搬送部20は、吸着炭搬送部21と脱着炭
搬送部22とから構成される。両搬送部21,22に
は、モーターファン23にて大気が供給される。吸着炭
搬送部21は、供給される大気によって吸着塔12から
排出された吸着炭を脱着塔13上端へ搬送する。脱着炭
搬送部22は、供給される大気によって脱着塔13から
排出された脱着炭を吸着塔12上部へ搬送する。
【0024】次に、脱着塔13の構成を図2及び図3に
従って詳述する。図2に示すように、脱着塔13は、そ
の上端に供給口24が設けられ、前記吸着炭搬送部21
により搬送された吸着炭25は供給口24を介して脱着
塔13内に供給され、脱着部17へ落下する。
【0025】供給口24と脱着部17との間には、分散
部としての分散板26が設けられている。分散板26
は、供給される脱着炭を脱着部17に対して水平方向均
等に分散させるために設けられている。分散板26は、
脱着炭が通過可能な所定の内径に形成された貫通孔が複
数形成された金属板(パンチングメタル)よりなり、脱
着塔13中心を頂点とする山形状に形成されている。
【0026】脱着塔13内に供給された吸着炭は、分散
板26の頂点付近に集中して落下する。そして、吸着炭
は、山形状の分散板26によって脱着塔13内壁方向に
移動するとともに、その分散板26に形成された貫通孔
を通過して脱着部17上に落下する。その結果、集中し
て供給された吸着炭は、分散板26によって水平方向均
等に分散され、脱着部17に供給される。
【0027】図3に示すように、脱着部17は、四角形
筒状に形成された対向する側面に渡って複数のヒータ2
7が所定の配列で直挿されている。各ヒータ27の配列
は、分散されて落下する吸着炭が必ずヒータ27に当た
るように設定されている。
【0028】図4に示すように、各ヒータ27は、耐熱
性及び熱伝導性のよい材質を断面略円筒状に形成し、吸
着炭25を加熱するためのニクロム線28が内装されて
いる。また、各ヒータ27の表面には、吸着炭の外形形
状と略同一の凹部29が形成されている。従って、吸着
炭の一部表面が凹部29と接触するため、各ヒータ27
と吸着炭との接触面積が大きくなり、ヒータ27の熱が
効率よく吸着炭に伝えられる。また、吸着炭は、前記分
散板26によって脱着部17に均等に分散され落下する
ので、各吸着炭の温度は、ばらつきがなくほぼ均一とな
る。
【0029】従って、吸着炭は、脱着塔13内を落下す
る間にヒータ27により直接加熱されるとともに、大き
な接触面積によってヒータ27の熱が容易に吸着炭に伝
達される。その結果、各吸着炭の温度は、高温の脱着温
度(本実施形態では500℃)まで上昇する。
【0030】すると、吸着炭に吸着された有機原ガス
は、高温によって吸着したほとんどが容易に脱着される
ので、吸着炭は新しい活性炭と同様(再生された吸着炭
の比表面積が新しい活性炭の比表面積の約93%以上)
にまで再生された脱着炭となる。また、各吸着炭は、ほ
ぼ均一な温度に加熱されるので、各吸着炭にばらつきが
なく、均一に再生される。
【0031】再生された脱着炭は、脱着部17の下方に
設けられた冷却部30に落下する。冷却部30は、コン
デンサよりなり、脱着部17にて加熱再生された脱着炭
を冷却するために設けられている。即ち、脱着炭は、冷
却部30に供給循環される冷却水により冷却される。そ
して、冷却された脱着炭は、脱着塔13下端に設けられ
た排出口31より排出され、上方搬送部20によって吸
着塔12に再び供給される。
【0032】従って、本実施形態では、従来の低温で活
性炭を再生する場合に比べて、吸着炭を効率よく再生す
ることができるので、活性炭を長期間に渡って利用する
ことができる。その結果、活性炭を交換する必要が少な
くなり、交換期間が長くなるので、排気処理装置11の
稼働コストを低減することができる。また、活性炭を効
率よく再生することができるので、吸着塔12における
有機原ガスの吸着能力、即ち排気処理装置11の初期性
能を容易に維持することができる。
【0033】脱着塔13上端に設けられた供給口24に
は、電磁弁32が設けられている。また、脱着塔13下
端に設けられた排出口31には、電磁弁33が設けられ
ている。両電磁弁32,33は、脱着塔13内を密閉す
るために利用される。また、両電磁弁32,33は、脱
着塔13内の温度を一定に保つために設けられている。
即ち、上端の電磁弁32を開路すると、その電磁弁32
を介してヒータ27により加熱された脱着塔13内の空
気が塔外へ排出される。また、下端の電磁弁33を開路
すると、その電磁弁33を介して脱着塔13内に比べて
低い温度の大気が脱着塔13内に供給され、脱着塔13
内の温度が低下する。従って、電磁弁32,33をそれ
ぞれ適宜開閉することにより、脱着塔13内の温度を一
定とすることができる。
【0034】また、脱着塔13の側壁13aは、内壁3
4と外壁35との二重構造に形成され、外壁35と内壁
34との間には、窒素ガス等の不活性ガスが脱着塔13
下端及び上端に設けられた電磁弁36,37の開閉操作
により加圧供給されている。従って、脱着塔13内の温
度は、二重構造の内壁34、外壁35、及び、供給され
る不活性ガスによって外部へ伝播しにくくなっている。
即ち、二重構造の側壁及び不活性ガスにより脱着塔13
の保温部が構成されている。
【0035】また、不活性ガスは、脱着塔13内の温度
を一定に保つために利用される。即ち、電磁弁36,3
7を閉路のまま保持すると、不活性ガスにより脱着塔1
3内の温度は外部へ伝播し難く、上昇する。一方、電磁
弁36,37を開路して不活性ガスを循環させると、脱
着塔13内の温度は循環する不活性ガスに奪われて低く
なる。これにより、脱着塔13内を所定の温度に保つこ
とができる。
【0036】尚、二重構造の側壁は、いわゆる防爆構造
となっている。即ち、脱着塔13の内壁34が劣化等の
原因により破損しても、二重構造の外壁35によって高
温になったヒータ27、吸着炭等が破損した部分から脱
着塔13外部へ噴出するのを防ぐことができる。
【0037】また、脱着塔13の脱着部17側壁には、
温度計取り付け口38が設けられ、その温度計取り付け
口から図5に示す温度計39(図2において図示略)が
脱着塔13内にて挿入されている。温度計39は、脱着
部17における脱着塔13内の温度を検出するために設
けられている。検出された温度は、例えば前記電磁弁3
2,33,36,37を開閉制御するために用いられ
る。即ち、温度計39により検出した脱着塔13内温度
に基づいて、電磁弁32,33を開閉制御して塔内の高
温の気体を塔外へ排出、温度の低い大気を塔内に供給す
ることにより脱着塔13内の温度を一定に保つようにな
っている。また、塔内温度に基づいて、電磁弁36,3
7を開閉して不活性ガスの供給・停止を制御することに
より、塔内温度を一定に保つようになっている。
【0038】更に、前記冷却部30下方の側壁には、温
度計取り付け口40が設けられ、その温度計取り付け口
から図5に示す温度計41(図2において図示略)が脱
着塔13内に挿入されている。温度計41は、脱着炭の
温度を検出するために設けられている。検出された温度
は、図5に示されるポンプ42を駆動制御するために利
用される。即ち、即ち、冷却部30により冷却された脱
着炭の温度が所望の温度よりも高い場合、ポンプ42を
駆動制御して冷却水の供給量を多くし、脱着炭の温度を
低くするようになっている。
【0039】図5は、有機排気処理装置11の電気的構
成の一例を示すブロック図である。有機排気処理装置1
1には、制御装置43が設けられている。制御装置43
には、温度計39,41、ヒータ27、ポンプ42及び
電磁弁32,33,36,37が接続されている。
【0040】また、制御装置43は、ヒータ27を制御
して脱着塔13内に供給される吸着炭を所定の脱着温度
に加熱するとともに、温度計39により検出された脱着
塔13内の温度を入力し、その温度に基づいて電磁弁3
2〜37を開閉制御して脱着塔13内温度を一定に保
つ。また、制御装置43は、温度計41により検出され
た脱着炭の温度を入力し、その温度に基づいてポンプ4
2を制御して冷却水の供給量を制御し、脱着炭の温度を
所定の温度に保つ。
【0041】以上記述したように、本実施形態によれ
ば、以下の効果を奏する。本実施形態では、脱着塔13
の脱着部17にヒータ27を直装し、ヒータ27上に吸
着炭を落下させて吸着炭を直接加熱するようにした。吸
着炭は、高温の脱着温度まで加熱され、吸着炭に吸着さ
れた有機原ガスは、高温によって吸着したほとんどが容
易に脱着され、吸着炭は新しい活性炭と同様にまでほぼ
再生される。その結果、活性炭を長期間に渡って交換す
る必要がないので、排気処理装置11の稼働コストを低
減することができる。また、吸着炭が新しい活性炭と同
様にまでほぼ再生されるので、吸着塔12における有機
原ガスの吸着能力、即ち、排気処理装置11の初期性能
を長期間維持することができる。
【0042】また、吸着炭の供給口と脱着部17との間
に分散板26を設け、その分散板26により吸着炭を分
散させて脱着部17に落下させるようにした。従って、
各吸着炭を均一に加熱することができる。
【0043】また、ヒータ27の表面に吸着炭の外形形
状と略同一の凹部29を形成した。吸着炭は、凹部29
においてヒータ27と接触し、その接触面積が大きくな
る。従って、吸着炭には、ヒータ27の熱が効率よく伝
播するので、吸着炭が高温に効率よく加熱することがで
きる。
【0044】尚、本発明は前記実施の形態の他、以下の
態様で実施してもよい。上記実施形態では、脱着塔13
の脱着部17上方に山形状の分散板26を設けて落下す
る吸着炭が脱着部17に対して平面的に均等に分散する
ようにして加熱効率を高めるようにしたが、図6に示す
ように、二股の分離部26aを設けて活性炭を分散させ
るようにしてもよい。
【0045】上記実施形態では、脱着塔13の側面全体
二重構造として内壁34と外壁35との間に窒素ガス等
の不活性ガスを加圧供給して保温部としたが、保温部を
脱着塔13の一部にのみ設けるようにして実施してもよ
い。例えば、図7に示すように、脱着部17側面のみを
不活性ガスにより覆うようにして実施してもよい。ま
た、図8に示すように、脱着部17側面のみを不活性ガ
スにより覆うとともに、供給口24及び排出口31の電
磁弁のうちの少なくとも一方(図8において双方)を省
略した構成で実施してもよい。
【0046】上記実施形態では、ヒータ27の外周に活
性炭の大きさに対応した径を有する凹部29を形成した
が、外周を単純な円筒形状等の任意の形状にして実施し
てもよい。
【0047】上記実施形態では、脱着塔13に吸着炭を
再生する脱着部17と、再生された脱着炭を冷却する冷
却部30とを一体に備えたが、脱着部17と冷却部30
とを別体の構成として実施してもよい。
【0048】上記実施形態では、吸着剤として活性炭を
用いて有機原ガスを除去したが、モレキュラーシープ,
活性アルミナ,特殊薬剤添加吸着剤等の吸着剤を用いて
実施してもよい。
【0049】上記実施形態では、有機原ガスを吸着して
排気ガスを浄化する排気処理装置11に具体化したが、
有機原ガス以外の原ガスを吸着して処理する排気処理装
置に具体化して実施してもよい。
【0050】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1乃至
記載の発明によれば、吸着剤を高温にて効率よく再生す
ることが可能な脱着塔を備えた排気処理装置を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一実施形態の有機排気処理装置の概略構成
図。
【図2】 一実施形態の脱着塔の概略構成図。
【図3】 図2のB−B線断面図。
【図4】 一実施形態のヒータの断面図。
【図5】 有機排気処理装置の電気的構成ブロック図。
【図6】 別の脱着塔の概略構成図。
【図7】 別の脱着塔の概略構成図。
【図8】 別の脱着塔の概略構成図。
【図9】 (a) は従来の脱着塔の概略縦断面図、(b) は
概略平断面図。
【符号の説明】 11 排気処理装置 13 脱着塔 17 脱着部 25 吸着剤としての活性炭 26 分散部としての分散板 27 ヒータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭52−98678(JP,A) 特開 平9−66222(JP,A) 特開 平4−346811(JP,A) 特開 平1−266832(JP,A) 特開 昭49−30275(JP,A) 実開 昭58−137441(JP,U) 特公 昭59−3208(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 53/04 B01D 53/81

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上端に設けられた供給口から供給され塔
    内を落下する原ガスを吸着した吸着剤を所定の脱着温度
    に加熱して該吸着剤を再生する脱着部を有する脱着塔を
    備えた排気処理装置において、 前記脱着部には、塔内を落下する吸着剤を加熱するヒー
    タを脱着塔内に直装し 前記ヒータの表面に、前記吸着剤の一部表面が接する凹
    部を形成し た排気処理装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の排気処理装置におい
    て、前記供給口とヒータとの間に、落下する吸着剤を塔内に
    均等に分散させる分散部を設けた 排気処理装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の排気処理装置に
    おいて、前記脱着塔のうち、少なくとも前記脱着部の部分を内壁
    と外壁との二重構造とし、内壁と外壁との間に不活性ガ
    スを供給した 排気処理装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の排気処理装置におい
    て、 前記内壁と外壁に供給する不活性ガスの供給量を制御す
    る制御手段を備えた 排気処理装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のうちのいずれか1項に
    記載の排気処理装置において、 前記脱着塔の供給口と、前記再生した吸着剤を排出する
    排出口とに前記脱着塔内を密閉する弁を備えた 排気処理
    装置。
  6. 【請求項6】 上端に設けられた供給口から供給され塔
    内を落下する原ガスを吸着した吸着剤を所定の脱着温度
    に加熱して該吸着剤を再生する脱着部を有する脱着塔を
    備えた排気処理装置において、 前記脱着部には、塔内を落下する吸着剤を加熱するヒー
    タを脱着塔内に直装し、 前記脱着塔のうち、少なくとも前記脱着部の部分を内壁
    と外壁との二重構造とし、内壁と外壁との間に不活性ガ
    スを供給した 排気処理装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の排気処理装置におい
    て、 前記内壁と外壁に供給する不活性ガスの供給量を制御す
    る制御手段を備えた排気処理装置。
  8. 【請求項8】 請求項6又は7に記載の排気処理装置に
    おいて、 前記脱着塔の供給口と、前記再生した吸着剤を排出する
    排出口とに前記脱着塔内を密閉する弁を備えた排気処理
    装置。
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