JP3264125B2 - 再生装置 - Google Patents

再生装置

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JP3264125B2
JP3264125B2 JP05255395A JP5255395A JP3264125B2 JP 3264125 B2 JP3264125 B2 JP 3264125B2 JP 05255395 A JP05255395 A JP 05255395A JP 5255395 A JP5255395 A JP 5255395A JP 3264125 B2 JP3264125 B2 JP 3264125B2
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治夫 井阪
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転ヘッドにより磁気
テープ上に斜めトラックとして記録された情報信号を再
生する再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、回転ヘッドにより磁気テープ上に
斜めトラックとして記録された情報信号を再生する再生
装置は小型化,高密度記録化の傾向にあり、再生ヘッド
自身が直接トラックからの誤差を検出し、トラッキング
のための固定ヘッドを必要としない、ATF制御を用い
た再生装置が注目されている。
【0003】以下に従来のATF制御を用いた再生装置
について説明する。図2は従来のATF制御を用いた再
生装置のブロック図を示すものである。また図3はこの
再生装置に用いるテープのトラックパターンを示すもの
である。図2において、20は誤差信号検出部、21は
入力極性切り換え部、22はトラッキング制御部、23
はテープ、24は回転シリンダ、25は再生信号を出力
するヘッドを切り換えるヘッド切り換えスイッチ、26
R,26Lは互いに異なるアジマス角(それぞれをR,
Lとする)を有するヘッドである。このように構成され
た再生装置について、以下その動作を説明する。
【0004】通常、テープ上に斜めトラックとして記録
された情報信号を再生する再生装置においては、回転ヘ
ッドによるヘリカルスキャンが行なわれる。またテープ
上に記録される信号はこの再生方式の都合上トラックご
とに分割される。
【0005】このような信号を再生するために従来のA
TF制御では、あらかじめトラック上に通常の記録信号
に加えて、あるトラック周期で一巡する、それぞれが異
なる周波数を持った、トラッキングエラー検出用のトラ
ッキングパイロット信号を記録しておく。ここではトラ
ッキングパイロット信号の周波数をf1,f2(ただ
し、f1<f2)とし、図3で示すようにf0,f1,
f0,f2の順に4トラック周期で各トラックに記録す
る。ただし、f0はトラッキングパイロット信号を記録
しないことを意味するものとする。
【0006】そして再生時には、ヘッド26Rがf1,
f2の信号が記録されたトラック(アジマス角R)を走
査し、ヘッド26Lがそれ以外のトラック(アジマス角
L)を走査するものとする。このとき各ヘッドの再生信
号にはクロストークと呼ばれる、異なるアジマス角を持
つ両隣のトラックの信号成分が混入している。ATF制
御ではこの混入した信号成分を検出することによりトラ
ッキングを調整する。
【0007】たとえば、図3のトラック31Bをヘッド
26Lが走査するとき、トラッキングの基準をヘッド2
6Lの中心がL1Bで示す矢印に沿って走査するとする
と、ヘッド26Lの中心がL2Bで示す矢印に沿って走
査する場合には周波数f2のトラッキングパイロット信
号成分が多くなり、周波数f1のトラッキングパイロッ
ト信号成分が少なくなる。よって、再生信号に含まれる
トラッキングパイロット信号成分のレベル差をトラッキ
ング誤差情報とすることにより、トラッキングを調整す
ることができる。
【0008】つまり、ヘッド26Lの走査するアジマス
角Lのトラックの前後トラックにはf1,f2の周波数
をもつトラッキングパイロット信号がそれぞれ記録され
ているため、この混入した信号成分のレベルを比較する
ことによりトラッキング制御を行なう。
【0009】一方、アジマス角Lのトラックにはトラッ
キングパイロット信号が記録されていないのでヘッド2
6Rの再生信号に混入する複数のトラッキングパイロッ
ト信号成分はない。すなわちヘッド26Lの再生信号の
みがトラッキング制御に用いられることになる。
【0010】まず、回転シリンダ24は回転数が所定の
値になるように制御される。このとき、ヘッド切り換え
スイッチ25は回転シリンダ24の回転位置信号2kに
よって切り換わり、ヘッド26R,26Lのうちトラッ
クを走査中のヘッドから再生信号を選択して出力する様
に動作する。このうち、ヘッド26Lから得られる再生
信号2aは誤差信号検出器20の検波回路20A,20
Bにより、それぞれf1成分とf2成分の振幅信号(そ
れぞれ|f1|,|f2|と記す)に変換され、加算器
20Cでトラッキングパイロット振幅差信号2b(|f
2|−|f1|)が出力される。この信号は回転シリン
ダ24の回転位置に合わせてヘッド26Rの走査時には
サンプルホールド20Dによってホールドされ、サンプ
ルホールド振幅差信号2cとして出力される。
【0011】ところで、ヘッド26Lがトラックを走査
する毎に、その前後のトラックに記録されたトラッキン
グパイロット信号の周波数の位置関係が入れ代わるの
で、この信号からは調整方向を知ることができない(図
3のトラック31Bではf2→f0→f1の順であるが
トラック31Dではf1→f0→f2)。このため分周
器21Aはシリンダの回転位置信号2kを入力し、回転
シリンダ24が1回転する毎に、入力されるサンプルホ
ールド振幅差信号2cの極性を切り換えるように入力極
性切り換えスイッチ21Bを制御し、極性がトラッキン
グ調整方向と一意に定まったトラッキング誤差信号2e
を出力する。
【0012】一方、トラッキング制御部22では、キャ
プスタン22Aから得られる回転速度信号2fを速度誤
差検出器22Bに入力し、速度誤差信号2gを出力す
る。そしてトラッキング誤差信号2eと速度誤差信号2
gとを補償器22Cに入力することにより、誤差に応じ
たトラッキング制御信号2hを出力する。キャプスタン
22Aはこのトラッキング制御信号2hを用いて、テー
プ23を矢印方向に所定の速度で送ると同時に、各ヘッ
ドが同じアジマス角をもつトラックを正しくトレースす
るようにテープ送りを制御する。
【0013】次に、検出されるトラッキング誤差信号の
観点からこのトラッキング制御を説明する。図4はヘッ
ドがトラックを走査する際に検出されるトラッキングエ
ラーの値を時間経過とともに示した模式図である。図4
は横軸を時間とし、図2中のヘッド26Lが図3中のト
ラック31Bを、つづいてヘッド26Rがトラック31
Cを、以後ヘッド26Lがトラック31Dというように
順に走査したときの状態とする。
【0014】図4において、HSWはヘッド切り換えス
イッチの状態を示す。すなわち、HSWの値が”H”
(高レベル)のときヘッド26Lがトラック上を走査の
上、再生信号を出力し、逆にHSWの値が”L”(低レ
ベル)のときヘッド26Rがトラック上を走査の上、再
生信号を出力する。また、±SWは入力極性切り換えス
イッチの状態を示し、シリンダが1回転する毎に正負が
切り換わる。すなわち+側にあるときには入力信号をそ
のまま出力し、−側にあるときは入力信号の正負を反転
した信号を出力する。
【0015】まず、ヘッド26Lの中心がL1Bで示さ
れる矢印に沿ってトラック31Bを走査し、次にヘッド
26Rの中心がR1Cで示される矢印に沿ってトラック
31Cを、さらにヘッド26Lの中心がL1Dで示され
る矢印に沿ってトラック31Dを走査するというよう
に、各ヘッドの中心が各トラックの中心を走査している
ときを考える。再生信号に混入するトラッキングパイロ
ット信号の再生レベルが周波数f1,f2によらず、ヘ
ッドとトラックの位置関係のみによって決まると仮定す
ると、このとき検波されるトラッキングパイロット信号
成分はf1,f2ともに等しく、(図2の2cで示す)
検出されるサンプルホールド振幅差信号はTE1cで示
されるように0となるはずである。また、この信号が入
力切り換えスイッチを通して出力される(図2の2eで
示す)トラッキング誤差信号もTE1eで示されるよう
に0となるはずである。
【0016】一方、ヘッド26Lの中心がL2Bで示さ
れる矢印に沿ってトラック31Bを走査し、次にヘッド
26Rの中心がR2Cで示される矢印に沿ってトラック
31Cを、さらにヘッド26Lの中心がL2Dで示され
る矢印に沿ってトラック31Dを走査するというよう
に、各ヘッドの中心が各トラックの中心からずれた位置
を走査しているときを考える。このとき、検波されるト
ラッキングパイロット信号成分f1,f2はヘッド26
Lが走査するトラックによって異なる。すなわち、ヘッ
ド26Lがトラック31Bを走査するときには|f2|
>|f1|となり、ヘッド26Lがトラック31Dを走
査するときには|f1|>|f2|となる。よって検出
されるサンプルホールド振幅差信号はTE2cで示され
るようにある値を持ち、2トラックごとに正負が反転し
たものとなる。よって、この信号が入力切り換えスイッ
チを通して出力されるトラッキング誤差信号はTE2e
で示されるように一定の値となるはずである。つまり、
この値に相当する分だけヘッドの位置をずらし、トラッ
キング誤差信号が0となるようにキャプスタン22Aを
制御すればよい。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】磁気記録系の伝達特性
は微分系であり、低周波数成分の記録再生レベルが小さ
くなる傾向がある。また、ヘッドアンプやロータリート
ランスの伝達特性やサンプルホールド振幅差信号に含ま
れる、定常的に発生する回路のオフセット電圧などによ
る影響もあるため、同じレベルのトラッキングパイロッ
ト信号を記録しても、周波数によって再生レベルに一定
の差が生じる。
【0018】このため、従来のATF制御はヘッドが正
しいトラッキング位置にあったとしても、検出されるト
ラッキングパイロット信号の振幅差が必ずしも0となら
ず、正確なトラッキング制御ができないという問題点を
有していた。すなわち、図4においては、再生信号に混
入するトラッキングパイロット信号の再生レベルが周波
数f1,f2によらず、ヘッドとトラックの位置関係の
みによって決まると仮定したが、実際にはヘッドとトラ
ックの距離が等しいときにもトラッキングパイロット信
号周波数がf1である場合とf2である場合とでは再生
レベルに一定の差を生じる。これを図5を用いて説明す
る。
【0019】図5は図4と同様に、ヘッドがトラックを
走査する際に検出されるトラッキングエラーの値を時間
経過とともに示した模式図である。
【0020】まず、ヘッド26Lの中心が図3のL1B
で示される矢印に沿ってトラック31Bを走査し、次に
ヘッド26Rの中心が図3のR1Cで示される矢印に沿
ってトラック31Cを、さらにヘッド26Lの中心が図
3のL1Dで示される矢印に沿ってトラック31Dを走
査するというように、各ヘッドの中心が各トラックの中
心を走査しているときを考える。ここで、再生信号に混
入するトラッキングパイロット信号の再生レベルが周波
数f1,f2によって、ヘッドとトラックの距離が等し
いときに、|f2|>|f1|の関係があると仮定する
と、このとき検波されるトラッキングパイロット信号成
分はf2の成分がf1より多く含まれることになり、
(図2の2cで示す)検出されるサンプルホールド振幅
差信号はTE1cで示されるようにΔTEとなるはずで
ある。また、この信号が入力切り換えスイッチを通して
出力される(図2の2eで示す)トラッキング誤差信号
はTE1eで示されるように±ΔTEで振動する。この
トラッキング誤差信号を用いてトラッキング制御をする
ことは、ヘッドがトラックの中心を走査しているとき、
すなわち正しくトラックを走査しているときにトラッキ
ング制御部の動作が安定せず、振動的に振る舞うことを
意味する。
【0021】一方、ヘッド26Lの中心が図3のL2B
で示される矢印に沿ってトラック31Bを走査し、次に
ヘッド26Rの中心が図3のR2Cで示される矢印に沿
ってトラック31Cを、さらにヘッド26Lの中心が図
3のL2Dで示される矢印に沿ってトラック31Dを走
査するというように、各ヘッドの中心が各トラックの中
心からずれた位置を走査しているときを考える。このと
き、出力されるサンプルホールド振幅差信号はTE2c
で示されるように、図4の場合に比べてΔTEだけ正の
方向にずれたものとなる。よって、この信号が入力切り
換えスイッチを通して出力されるトラッキング誤差信号
もTE2eで示されるように一定の値はならない。つま
り、このトラッキング誤差信号を用いてトラッキング制
御をすると、ヘッドの位置をずらす量が一定でないため
に、トラッキング制御部の動作も安定しない。
【0022】以上のように、実際には上記の構成では、
ヘッド走査位置とトラッキング誤差信号とが一致せず、
安定なトラッキング制御ができないという問題点を有し
ていた。
【0023】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、それぞれが異なった周波数である複数のトラッキン
グパイロット信号間の伝達特性の差異、およびサンプル
ホールド振幅差信号に含まれる定常的に発生する回路の
オフセット電圧を取り除き、正しいトラッキング誤差信
号が得られる再生装置を提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の再生装置は、データが記録された主走査トラ
ックに隣接する2トラックの所定単位長の一部もしくは
全域に、互いに異なる周波数を有するトラッキングパイ
ロット信号が記録され、また、所定単位長毎にトラッキ
ングパイロット信号の周波数の大小関係が主走査トラッ
クに対して逆転するごとく記録された記録担体に対し、
記録担体を走査することによって再生信号を出力するヘ
ッド手段と、再生信号に混入するトラッキングパイロッ
ト信号成分を検出し、それぞれのトラッキングパイロッ
ト振幅情報からトラッキングパイロット振幅差信号を出
力する誤差検出手段と、トラッキングパイロット振幅差
信号を入力し、その直流成分を取り除いたトラッキング
相対誤差信号を出力するハイパスフィルタと、トラッキ
ング相対誤差信号を入力し反転・非反転を切り換えてト
ラッキング誤差信号を出力する極性切り換え手段と、ト
ラッキング誤差信号が所定の値となるように記録担体と
ヘッドとの相対位置を制御するトラッキング制御手段と
の構成を有している。
【0025】
【作用】本発明は上記した構成によって、トラッキング
パイロット振幅差信号からハイパスフィルタにより直流
成分を除去することで、正しいトラッキング誤差信号を
得るよう作用する。
【0026】
【実施例】以下、本発明の一実施例について、図面を参
照しながら説明する。
【0027】図1は本発明の再生装置の一実施例におけ
るブロック図である。図1において、100は誤差信号
検出部、101はハイパスフィルタ部、102は入力極
性切り換え部、103はトラッキング制御部、104は
シリンダ制御部、105は回転シリンダ、106R,1
06Lは回転シリンダ105上にそれぞれ180°の角
度をなすように搭載された互いに異なるアジマス角を有
する磁気ヘッド、107は再生に使用するヘッド106
R,106Lを選択するヘッド切り換えスイッチ、10
8は回転シリンダ105に対して180°の角度でまき
つけられたテープである。ここで、誤差信号検出部10
0、シリンダ制御部104の一部およびトラッキング制
御部103の一部は専用のハードウェアで実現し、シリ
ンダ制御部104のその他の部分,ハイパスフィルタ部
101,入力極性切り換え部102,トラッキング制御
部103のその他の部分は専用のマイクロプロセッサお
よびソフトウェアで実現している。
【0028】図3にこの再生装置に用いるテープのトラ
ックパターンを示す。前述のように、トラッキングパイ
ロット信号の周波数がf0,f1,f0,f2(f1と
f2とは異なる周波数)の順に(ただし、f0のトラッ
クにはトラッキングパイロット信号を記録しない)4ト
ラック周期で各トラックに記録されており、ヘッド10
6Rがf1,f2の信号が記録されたアジマス角Rのト
ラックを走査し、ヘッド106Lがアジマス角Lのトラ
ックを走査することによってデータが正しく再生され
る。このとき、ヘッド106Lの再生信号には、アジマ
ス角Rのトラックから互いに異なる周波数を持ったトラ
ッキングパイロット信号成分が混入しており、この混入
したトラッキングパイロット信号成分を比較することに
よりトラッキング制御を行なう。つまり、前述した従来
の方法と同様に、データの再生にはヘッド106R,1
06Lをともに使用するが、ヘッド106Lの再生信号
のみがトラッキング制御に用いられることになる。この
ように構成された再生装置について、以下その動作を説
明する。
【0029】シリンダ制御器104Bは、回転検出器1
04Aから得られる、回転シリンダ105の位相情報お
よび速度情報を合わせ持つ回転信号1iを入力し、回転
シリンダ105の回転数が所定の値になるようにシリン
ダ制御信号1jを出力するとともに、回転シリンダ10
5の回転位相信号1kを出力する。このとき、ヘッド切
り換えスイッチ107は、回転シリンダ105の回転位
相信号1kによって切り換わり、トラックを走査中のヘ
ッドからの再生信号を選択して出力する様に動作する。
ヘッド106Lから得られる再生信号1aは誤差信号検
出部100の検波回路100A,100Bにより、それ
ぞれf1成分とf2成分の振幅信号(それぞれ|f1
|,|f2|と記す)に変換され、100Cで示す加算
器でトラッキングパイロット振幅差信号1b(|f2|
−|f1|)が出力される。
【0030】ところで、ヘッド106Rが走査するアジ
マス角Rのトラックの両隣に位置するアジマス角Lのト
ラックにはトラッキングパイロット信号が記録されてい
ないため、ヘッド106Rの再生信号に含まれるトラッ
キングパイロット信号はf1もしくはf2の周波数成分
のみとなる。よって、ヘッド106Rの走査時に出力さ
れるトラッキングパイロット振幅差信号1bからはトラ
ックとヘッドの相対位置関係を知ることができない。そ
こで、ヘッド106Lの走査時には加算器100Cの出
力をそのまま以後の処理に使用し、ヘッド106Rの走
査時には出力をホールドするように、シリンダの回転位
相信号1kを用いてサンプルホールド101Aを動作さ
せ、サンプルホールド振幅差信号1cを出力する。ハイ
パスフィルタ101Bはこのサンプルホールド振幅差信
号1cを入力し、その直流成分を除去することにより、
信号の振幅がヘッドの走査位置ずれ量に相当したトラッ
キング相対誤差信号1dを出力する。
【0031】ところで、ヘッド106Lがトラックを走
査する毎に、その前後のトラックに記録されたトラッキ
ングパイロット信号の周波数の位置関係が入れ代わるの
で、この信号からはトラッキングの調整方向を知ること
ができない(図3のトラック31Bではf2→f0→f
1の順であるがトラック31Dではf1→f0→f
2)。このため、分周器102Aはシリンダの回転位相
信号1kを入力し、回転シリンダ105が1回転する毎
に、入力されるトラッキング相対誤差信号1dの極性を
切り換えるように入力極性切り換えスイッチ102Bを
制御する。その結果、入力極性切り換えスイッチ102
Bは、極性がトラッキング調整方向と一意に定まったト
ラッキング誤差信号1eを出力する。
【0032】一方、トラッキング制御部103では キ
ャプスタン103Eの回転数に比例した周波数の信号を
発生する通称FGと呼ばれる周波数発電機103Dから
得られる回転速度信号1fを速度誤差検出器103Cに
入力し、速度誤差信号1gを出力する。そして、加算器
103Aでトラッキング誤差信号1eと速度誤差信号1
gとを加算し、さらに補償器103Bに入力し、ここか
ら誤差に応じた制御信号1hを出力する。キャプスタン
103Eはこの制御信号1hを用いて、テープ108を
矢印方向に所定の速度で送ると同時に、各ヘッドが同じ
アジマス角をもつトラックを正しくトレースするように
テープ送りを制御する。
【0033】次に、検出されるトラッキング誤差信号の
観点からこのハイパスフィルタ部101の効果を説明す
る。前述したように、ヘッド106Lの中心が図3で示
すトラック31BをL1Bの矢印に沿って走査すると
き、サンプルホールド振幅差信号1cは図5のTE1c
のようになる。入力極性切り換え部102に入力される
トラッキング相対誤差信号1dが図4のTE1cのよう
になっていれば、安定なトラッキング制御が実現される
わけであるから、図5のTE1cをΔTEだけ下にシフ
トすればよい。言い換えると、サンプルホールド振幅差
信号1cから直流信号成分を除去すればよく、本実施例
の再生装置ではハイパスフィルタ101Bによってサン
プルホールド振幅差信号1cから直流成分を除去するこ
とができる。これは、ヘッド106Lの中心が図3で示
すトラック31BをL2Bの矢印に沿って走査するとき
も同様である。
【0034】ここで、ハイパスフィルタ101Bの前段
にサンプルホールド101Aを設ける効果について述べ
る。ヘッド106Rが走査するアジマス角Rのトラック
には、f1もしくはf2の周波数を持ったトラッキング
パイロット信号が記録されており、その両隣に位置する
アジマス角Lのトラックにはトラッキングパイロット信
号が記録されていない。このため、ヘッド106Rの再
生信号に含まれるトラッキングパイロット信号はf1も
しくはf2の周波数成分のみとなる。このとき、求めら
れるトラッキングパイロット振幅差信号1b(|f2|
−|f1|)は、走査するトラックに書かれた、周波数
f1もしくはf2のトラッキングパイロット信号成分の
振幅そのものとなる。このとき出力される信号をそのま
まハイパスフィルタに入力すると、この信号はヘッド1
06Lの走査時に出力されるトラッキングパイロット振
幅差信号1bに対して十分大きいと考えられるので、ハ
イパスフィルタ101Bで取り除く直流成分がこの信号
成分によってほぼ決定される。
【0035】しかし、ヘッド106Rの走査時に出力さ
れるトラッキングパイロット振幅差信号1bからはトラ
ックとヘッドの相対位置関係を知ることができないた
め、この場合にはトラッキング制御に必要な信号成分に
含まれる直流成分を十分除去することができないという
ことが考えられる。そこで、ヘッド106Lの走査時に
は加算器100Cの出力をそのまま以後の処理に使用
し、ヘッド106Rの走査時には出力をホールドするよ
うに、シリンダの回転位相信号1kを用いてサンプルホ
ールド101Aを動作させ、サンプルホールド振幅差信
号1cを出力することで、トラッキング誤差情報に直接
かかわるトラッキングパイロット信号成分の、周波数の
違いによる再生レベルへの影響をより正確に取り除くこ
とができる。
【0036】次に、ハイパスフィルタのカットオフ周波
数について考える。サンプルホールド振幅差信号1cは
回転シリンダ105が1回転するごとに極性が変わるの
で、極性の変わる周波数は回転シリンダ105の回転周
波数の半分となる。このため、サンプルホールド振幅差
信号1cに含まれるトラッキングエラー情報の周波数も
回転シリンダの回転周波数の半分の値を中心とした帯域
をもつ。そこで、ハイパスフィルタのカットオフ周波数
はこの周波数より十分小さくすることが必要となる。
【0037】以上のように、本実施例の再生装置では、
再生信号に混入するトラッキングパイロット信号の再生
レベルが周波数によって異なる場合にも、安定なトラッ
キング制御が実現できる。
【0038】図6に別の実施例のハイパスフィルタ部の
ブロック図を示す。図6において、60は図1の101
にあたるハイパスフィルタ部であり、他の部分は前記実
施例と同じ構成とする。60A,60Bはそれぞれ図1
の101A,101Bと同様のサンプルホールドおよび
ハイパスフィルタであり、60Cはリセットスイッチで
ある。また、61は再生装置全体を制御するシステムコ
ントローラである。この例では図1の場合に比較して、
システムコントローラからの指令により、リセットスイ
ッチ60Cを操作し、クリア信号6Aをハイパスフィル
タ60Bの時間遅延器に供給することによって、保持デ
ータを消去することが可能となっている。この結果、本
実施例の再生装置においては、再生装置の動作を停止か
ら再生に変更したときや、再生するテープを変えたとき
など、それまでのトラッキング誤差信号が無効となる様
な場合に適宜ハイパスフィルタをクリアすることによっ
て、より速く正しいトラッキング制御が実現できる。
【0039】なお、本実施例では、トラッキングパイロ
ット信号が4トラック周期の場合について示したが、こ
れは一例であって、トラッキング信号の周期がこれ以外
の場合にも適用できる。また、図3に示したテープの記
録パターンにはトラック全域にトラッキングパイロット
信号が書かれている様に示したが、トラックの一部に記
録された場合でもよい。すなわち、トラックにはNトラ
ック(Nは整数)毎にトラッキング誤差検出用トラック
が設けられ、このトラッキング誤差検出用トラックに隣
接する2トラックの一部もしくは全域に、互いに異なる
周波数を有するトラッキングパイロット信号を含み、ト
ラッキング誤差検出用トラックに対するトラッキングパ
イロット信号の周波数の大小位置関係がNトラック毎に
逆転するごとくテープに記録していればかまわない。
【0040】同様に、回転シリンダ上のヘッド配置も図
1に示した構成に限定されるものではない。
【0041】また、サンプルホールドは、ヘッドの再生
信号に互いに周波数の異なる複数のトラッキングパイロ
ット信号が混入するときのみに検出されるデータをハイ
パスフィルタの入力とするものであればよく、それ以外
の場合にはハイパスフィルタへ信号を入力しないように
切り換わるスイッチでもよい。
【0042】さらに、使用されるハイパスフィルタも信
号から一定のレベルを差し引くことによって直流成分を
除去できるものでもよい。また、一部の処理にマイクロ
プロセッサを使用し、ハイパスフィルタをソフトウェア
で実現し、ディジタル信号を用いる例を示したが、本実
施例と等価な機能を有するものであれば他のハードウェ
アであってもよいし、アナログ信号を用いてもよい。
【0043】
【発明の効果】以上のように、本発明の再生装置によれ
ば、入力極性切り換えスイッチの前段にハイパスフィル
タを設けることにより、トラッキングパイロット信号の
周波数の違いによる再生レベルの影響、およびサンプル
ホールド振幅差信号に含まれる定常的に発生する回路の
オフセット電圧の影響を取り除き、正しいヘッド走査と
トラックとの対応関係が一意に定まることにより、安定
なトラッキング制御が可能となる。
【0044】また、ハイパスフィルタの入力を、ヘッド
の再生信号に互いに周波数の異なる複数のトラッキング
パイロット信号が混入するときのみに検出されるデータ
とすることで、トラッキング誤差情報に直接かかわるト
ラッキングパイロット信号成分の、周波数の違いによる
再生レベルへの影響をより正確に取り除くことができ
る。
【0045】また、ハイパスフィルタがディジタルフィ
ルタで実現される場合には時間遅延器の内容を、アナロ
グフィルタで実現される場合にはコンデンサの電荷を、
それぞれ外部からクリアすることにより、再生装置の動
作モードを変更したときや再生するテープを変えたとき
など、それまでのトラッキング誤差信号が無効となる様
な場合に適宜ハイパスフィルタをクリアすることによっ
て、より速く正しいトラッキング制御が実現できる。
【0046】さらに、新たなハードウェアを必要としな
いので、小型化,低コスト化にも有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例におけるATF制御系のブロッ
ク図
【図2】従来のATF制御系のブロック図
【図3】本発明に適用されるテープの記録パターンの一
例を示す模式図
【図4】誤差信号がトラッキングパイロット周波数に無
関係な場合のタイミング図
【図5】誤差信号がトラッキングパイロット周波数によ
って異なる場合のタイミング図
【図6】他の実施例におけるハイパスフィルタ部のブロ
ック図
【符号の説明】
100 誤差信号検出部 101 ハイパスフィルタ部 102 入力極性切り換え部 103 トラッキング制御部 104 シリンダ制御部 105 回転シリンダ 106R,106L ヘッド 107 ヘッド切り換えスイッチ 108 テープ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本庄 謙一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−349158(JP,A) 特開 平6−20345(JP,A) 特開 昭62−145558(JP,A) 特開 昭61−150123(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 15/467

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】記録担体上のトラックにデータが記録さ
    れ、前記トラックは前記記録担体上でヘッド走査方向に
    対して並列に配置され、また前記トラックの所定単位長
    毎の所定位置にトラッキング誤差検出用エリアが存在
    し、前記トラッキング誤差検出用エリアに隣接する両ト
    ラック内の同エリアに、互いに異なる周波数を有するト
    ラッキングパイロット信号がそれぞれ記録され、前記所
    定単位長毎に前記トラッキングパイロット信号の周波数
    の大小関係が前記トラッキング誤差検出用エリアに対し
    て逆転するごとく記録された記録担体に対し、前記記録
    担体を走査することによって再生信号を出力するヘッド
    手段と、前記再生信号に混入するトラッキングパイロッ
    ト信号成分を検出し、それぞれのトラッキングパイロッ
    ト振幅情報からトラッキングパイロット振幅差信号を出
    力する誤差検出手段と、前記トラッキングパイロット振
    幅差信号を入力し、その直流成分を取り除いたトラッキ
    ング相対誤差信号を出力するハイパスフィルタと、前記
    トラッキング相対誤差信号を入力し反転・非反転を切り
    換えてトラッキング誤差信号を出力する極性切り換え手
    段と、前記トラッキング誤差信号が所定の値となるよう
    に前記記録担体と前記ヘッドとの相対位置を制御するト
    ラッキング制御手段とを具備することを特徴とする再生
    装置。
  2. 【請求項2】データが斜めトラックに分割されてテープ
    上に記録され、前記トラックにはNトラック(Nは整
    数)毎にトラッキング誤差検出用トラックが設けられ、
    前記トラッキング誤差検出用トラックに隣接する2トラ
    ックの一部もしくは全域に、互いに異なる周波数を有す
    るトラッキングパイロット信号を含み、前記トラッキン
    グ誤差検出用トラックに対する前記トラッキングパイロ
    ット信号の周波数の大小位置関係がNトラック毎に逆転
    するごとく記録された前記テープに対し、前記テープを
    走査することによって再生信号を出力するヘッド手段
    と、前記再生信号に含まれるトラッキングパイロット信
    号成分を検出し、それぞれのトラッキングパイロット振
    幅情報からそのトラッキングパイロット振幅差信号を出
    力する誤差検出手段と、前記トラッキングパイロット振
    幅差信号を入力し、その直流成分を取り除いたトラッキ
    ング相対誤差信号を出力するハイパスフィルタと、前記
    トラッキング相対誤差信号を入力し反転・非反転を切り
    換えてトラッキング誤差信号を出力する極性切り換え手
    段と、前記トラッキング誤差信号が所定の値となるよう
    に前記トラックと前記ヘッドとの相対位置を制御するト
    ラッキング制御手段とを具備することを特徴とする再生
    装置。
  3. 【請求項3】データが斜めトラックに分割されてテープ
    上に記録され、さらに互いに周波数の異なる2種類のト
    ラッキングパイロット信号が1トラックおきに交互に記
    録され、前記テープに対し切り換えながら回転走査する
    ことによって再生信号を出力する2個のヘッドを搭載し
    た回転シリンダと、前記再生信号にクロストークとして
    混入するトラッキングパイロット信号成分を検出し、ト
    ラッキングパイロット振幅差信号を出力する誤差信号検
    出手段と、前記トラッキングパイロット振幅差信号を入
    力し、その直流成分を取り除いたトラッキング相対誤差
    信号を出力するハイパスフィルタと、前記トラッキング
    相対誤差信号を入力し、反転・非反転を切り換えてトラ
    ッキング誤差信号を出力する極性切り換え手段と、前記
    テープを長手方向へ走行させながら前記トラッキング誤
    差信号が所定の値となるように調整するトラッキング制
    御手段とを具備することを特徴とする再生装置。
  4. 【請求項4】ハイパスフィルタは、ヘッドの再生信号に
    互いに周波数の異なる複数のトラッキングパイロット信
    号が混入するときのみに検出されるトラッキングパイロ
    ット振幅差信号に基づいて動作することを特徴とする請
    求項1,2または3記載の再生装置。
  5. 【請求項5】ハイパスフィルタが、ディジタルフィルタ
    で実現される場合には時間遅延器の内容を、アナログフ
    ィルタで実現される場合にはコンデンサの電荷を、それ
    ぞれ外部からクリアできることを特徴とする請求項1,
    2または3記載の再生装置。
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