JP3264062B2 - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置

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JP3264062B2
JP3264062B2 JP27582593A JP27582593A JP3264062B2 JP 3264062 B2 JP3264062 B2 JP 3264062B2 JP 27582593 A JP27582593 A JP 27582593A JP 27582593 A JP27582593 A JP 27582593A JP 3264062 B2 JP3264062 B2 JP 3264062B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用空調装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両用空調装置では、外気温
または車室内への目標吹出温度TAOより決定される目
標エバ後温度TEO(冷媒蒸発器の目標吹出温度)に基
づいて、冷媒圧縮機の起動(ON)および停止(OF
F)を制御するエバ後温度制御(オートエコノミ制御)
が行なわれている。なお、目標エバ後温度TEOは、外
気温により決定される値と目標吹出温度TAOにより決
定される値の低い方が選択される。
【0003】外気温により決定される目標エバ後温度T
EOは、図7に示すように、窓ガラスの防曇のために除
湿を必要とする冬期、および冷房負荷の大きい夏期には
低いTEO値が設定されて、冬期および夏期ほど低いT
EO値を必要としない中間期(春、秋)では、エアコン
からの異臭の発生を防止するために必要な最低TEO値
が設定されている。
【0004】また、目標吹出温度TAOにより決定され
る目標エバ後温度TEOは、図8に示すように、実際の
車室内温度を設定温度に保つために、目標吹出温度TA
Oが高くなるに従って目標エバ後温度TEOも高くなる
ように設定されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、TEO値の
高い中間期では、雨降り時等で外気湿度が高い場合に冷
媒圧縮機がOFFすると、外気温が高くなる程大きな湿
度変化を生じる(図10参照)。なお、図10は、車室
内湿度と外気温との関係を示すもので、図中の破線は、
窓ガラスに曇りが発生する境界線で、この境界線より車
室内湿度が高くなると窓ガラスに曇りが発生する。図中
の実線は、冷媒圧縮機がOFFした時の車室内湿度のバ
ランス線で、外気湿度条件により変化する。また、図中
の一点鎖線は、上記の図7に示した目標エバ後温度TE
Oに基づいて冷媒圧縮機をON/OFF制御した時の車
室内湿度のバランス線を示す。
【0006】上述のように、冷媒圧縮機の停止あるいは
起動に伴う車室内湿度の変動幅が大きくなると、乗員が
不快感を感じる。また、湿度変動が小さくても(安定湿
度状態)、高湿度域あるいは低湿度域であれば、同様に
不快感を感じる。本発明は、上記事情に基づいて成され
たもので、その目的は、冷媒圧縮機の起動あるいは停止
によって生じる車室内湿度の変化に伴う乗員の不快感を
低減することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本願発明者は、湿度変化と乗員の快適性との関係を
検討した結果、図6に示すように、許容できる湿度変動
幅は、湿度が増える側より減る側の方が広くなるととも
に、温度変動幅(+ΔT、−ΔT)の影響を受けて、湿
度変動幅がプラスの場合(+ΔRH)は+ΔTが大きく
なる程小さくなり、湿度変動幅がマイナスの場合(−Δ
RH)は−ΔTが大きくなる程小さくなることが判っ
た。なお、図6に示すグラフは、湿度変動と温度変動に
よる環境変化を許容できるか不快と感じるかの境界線を
示すもので、図7の目標エバ後温度TEOに基づいて冷
媒圧縮機をON状態からOFFした時の湿度変動幅(+
ΔRH)と、OFF状態からONした時の湿度変動幅
(−ΔRH)とを、その時に生じた乗員部での温度変動
幅(+ΔT、−ΔT)で整理したものである。
【0008】また、湿度変動のない定常時(安定湿度状
態)における快適湿度域を測定(実車環境下での実験)
した結果、図9に示すように、約25〜65%RHの湿
度レベルが快適湿度域であることが判った。従って、冷
媒圧縮機の起動あるいは停止によって生じる湿度変化の
変動幅が図6に示す許容域にあり、且つ冷媒圧縮機の起
動後あるいは停止後の湿度レベルが図9に示す快適湿度
域にあれば、湿度変化に対して乗員が不快感を感じるこ
とは少ないと言える。
【0009】そこで、本発明は、請求項1では、車室内
へ空気を導くダクトと、吸引した冷媒を圧縮して吐出す
る冷媒圧縮機、前記ダクト内に配されて、前記冷媒圧縮
機の作動によって供給された低温低圧の冷媒と前記ダク
ト内の空気との熱交換を行なう冷媒蒸発器を備えた冷凍
サイクルと、前記冷媒圧縮機の作動停止を指示する圧縮
機停止指示手段と、前記冷媒圧縮機が作動している時の
車室内湿度を検出する車室内湿度検出手段と、前記圧縮
機停止指示手段によって前記冷媒圧縮機の作動停止が指
示された時に、前記冷媒圧縮機の作動停止後の車室内湿
度を推定する車室内湿度推定手段と、前記圧縮機停止指
示手段によって前記冷媒圧縮機の作動停止が指示された
時に、前記車室内湿度検出手段によって検出される車室
内湿度と前記車室内湿度推定手段によって推定される推
定車室内湿度との差から予想湿度変動幅を算出する予想
湿度変動幅算出手段と、この予想湿度変動幅算出手段で
算出された予想湿度変動幅が所定の湿度変動幅より大き
いか否かを判定する第1判定手段と、この第1判定手段
で前記予想湿度変動幅が前記所定の湿度変動幅より大き
いと判定された場合は、前記作動停止の指示にかかわら
ず、前記予想湿度変動幅が前記所定の湿度変動幅以下と
なるように前記冷媒圧縮機を作動させる圧縮機制御手段
とを備えたことを技術的手段とする。
【0010】請求項2では、車室内へ空気を導くダクト
と、吸引した冷媒を圧縮して吐出する冷媒圧縮機、前記
ダクト内に配されて、前記冷媒圧縮機の作動によって供
給された低温低圧の冷媒と前記ダクト内の空気との熱交
換を行なう冷媒蒸発器を備えた冷凍サイクルと、前記冷
媒圧縮機の作動停止を指示する圧縮機停止指示手段と、
この圧縮機停止指示手段によって前記冷媒圧縮機の作動
停止が指示された時に、前記冷媒圧縮機の作動停止後の
車室内湿度を推定する車室内湿度推定手段と、この車室
内湿度推定手段によって推定される推定車室内湿度が所
定値より大きいか否かを判定する第2判定手段と、この
第2判定手段で前記推定車室内湿度が前記所定値より大
きいと判定された場合は、前記作動停止の指示にかかわ
らず、前記推定車室内湿度が前記所定値以下となるよう
に前記冷媒圧縮機を作動させる圧縮機制御手段とを備え
たことを技術的手段とする。
【0011】請求項3では、車室内へ空気を導くダクト
と、吸引した冷媒を圧縮して吐出する冷媒圧縮機、前記
ダクト内に配されて、前記冷媒圧縮機の作動によって供
給された低温低圧の冷媒と前記ダクト内の空気との熱交
換を行なう冷媒蒸発器を備えた冷凍サイクルと、前記冷
媒圧縮機の作動開始を指示する圧縮機作動開始指示手段
と、前記冷媒圧縮機が停止している時の車室内湿度を検
出する車室内湿度検出手段と、前記圧縮機作動開始指示
手段によって前記冷媒圧縮機の作動開始が指示された時
に、前記冷媒圧縮機の作動開始後の車室内湿度を推定す
る車室内湿度推定手段と、前記圧縮機作動開始指示手段
によって前記冷媒圧縮機の作動開始が指示された時に、
前記車室内湿度検出手段によって検出される車室内湿度
と前記車室内湿度推定手段によって推定される推定車室
内湿度との差から予想湿度変動幅を算出する予想湿度変
動幅算出手段と、この予想湿度変動幅算出手段で算出さ
れた予想湿度変動幅が所定の湿度変動幅より大きいか否
かを判定する第1判定手段と、この第1判定手段で前記
予想湿度変動幅が前記所定の湿度変動幅より大きいと判
定された場合は、前記作動開始の指示にかかわらず、前
記予想湿度変動幅が前記所定の湿度変動幅以下となるよ
うに前記冷媒圧縮機を停止させる圧縮機制御手段とを備
えたことを技術的手段とする。
【0012】請求項4では、車室内へ空気を導くダクト
と、吸引した冷媒を圧縮して吐出する冷媒圧縮機、前記
ダクト内に配されて、前記冷媒圧縮機の作動によって供
給された低温低圧の冷媒と前記ダクト内の空気との熱交
換を行なう冷媒蒸発器を備えた冷凍サイクルと、前記冷
媒圧縮機の作動開始を指示する圧縮機作動開始指示手段
と、この圧縮機作動開始指示手段によって前記冷媒圧縮
機の作動開始が指示された時に、前記冷媒圧縮機の作動
開始後の車室内湿度を推定する車室内湿度推定手段と、
この車室内湿度推定手段によって推定される推定車室内
湿度が所定値より小さいか否かを判定する第2判定手段
と、この第2判定手段で前記推定車室内湿度が前記所定
値より小さいと判定された場合は、前記作動開始の指示
にかかわらず、前記推定車室内湿度が前記所定値以上と
なるように前記冷媒圧縮機を停止させる圧縮機制御手段
とを備えたことを技術的手段とする。
【0013】
【作用】請求項1に係わる本発明の車両用空調装置は、
冷媒圧縮機の作動停止が指示されると、冷媒圧縮機の作
動停止後の車室内湿度が推定され、その推定車室内湿度
と冷媒圧縮機が作動している時の車室内湿度との差によ
って求められる予想湿度変動幅が所定の湿度変動幅より
大きい時は、冷媒圧縮機の作動停止が指示されているに
もかかわらず、予想湿度変動幅が所定の湿度変動幅以下
となるように冷媒圧縮機を作動する。
【0014】請求項2に係わる本発明の車両用空調装置
は、冷媒圧縮機の作動停止が指示されると、冷媒圧縮機
の作動停止後の車室内湿度が推定され、その推定車室内
湿度が所定値より大きい時は、冷媒圧縮機の作動停止が
指示されているにもかかわらず、推定車室内湿度が所定
値以下となるように冷媒圧縮機を作動する。
【0015】請求項3に係わる本発明の車両用空調装置
は、冷媒圧縮機の作動開始が指示されると、冷媒圧縮機
の作動開始後の車室内湿度が推定され、その推定車室内
湿度と冷媒圧縮機が停止している時の車室内湿度との差
によって求められる予想湿度変動幅が所定の湿度変動幅
より大きい時は、冷媒圧縮機の作動開始が指示されてい
るにもかかわらず、予想湿度変動幅が所定の湿度変動幅
以下となるように冷媒圧縮機を停止する。
【0016】請求項4に係わる本発明の車両用空調装置
は、冷媒圧縮機の作動開始が指示されると、冷媒圧縮機
の作動開始後の車室内湿度が推定され、その推定車室内
湿度が所定値より小さい時は、冷媒圧縮機の作動開始が
指示されているにもかかわらず、推定車室内湿度が所定
値以上となるように冷媒圧縮機を停止する。
【0017】
【実施例】次に、本発明の車両用空調装置の一実施例を
図1ないし図9を基に説明する。図1は車両用空調装置
の全体模式図である。本実施例の車両用空調装置1は、
車室内に空気を導くダクト2、このダクト2内に空気を
導入して車室内へ送る送風機3、冷房手段を構成する冷
凍サイクル4、暖房手段を構成する温水回路5、および
エアコン制御装置6(図2参照)を備える。
【0018】ダクト2は、その下流端に分岐ダクト2
a、2b、2cが接続されて、各分岐ダクト2a〜2c
の先端が、車室内に開口する吹出口7、8、9に連通さ
れている。吹出口7〜9は、車両の窓ガラス10に向け
て空気を吹き出すデフロスタ吹出口7、乗員の上半身に
向けて空気を吹き出すフェイス吹出口8、乗員の足元に
向けて空気を吹き出すフット吹出口9から成る。この各
吹出口7〜9は、分岐ダクト2a〜2cの上流端開口部
に設けられた吹出口切替ダンパ11、12によって選択
的に開閉される。
【0019】送風機3は、ブロワケース3a、遠心式フ
ァン3b、ブロワモータ3cより成り、このブロワモー
タ3cへの印加電圧に応じてブロワモータ3cの回転数
が決定される。ブロワケース3aには、車室内空気(内
気)を導入する内気導入口13と車室外空気(外気)を
導入する外気導入口14とが形成されるとともに、内気
導入口13と外気導入口14とを選択的に開閉する内外
気切替ダンパ15が設けられている。
【0020】冷凍サイクル4は、電磁クラッチ16を介
して車両の走行用エンジン17によって駆動される冷媒
圧縮機18、この冷媒圧縮機18で圧縮された高温高圧
の冷媒をクーリングファン19の送風を受けて凝縮液化
する冷媒凝縮器20、この冷媒凝縮器20で凝縮された
冷媒を一時蓄えて液冷媒のみを流すレシーバ21、この
レシーバ21より導かれた液冷媒を減圧膨脹する減圧装
置22、ダクト2内に配されて、減圧装置22で減圧さ
れた低温低圧の冷媒を送風機3の送風を受けて蒸発させ
る冷媒蒸発器23の各機能部品より構成され、それぞれ
冷媒配管24によって環状に接続されている。
【0021】温水回路5は、ダクト2内で冷媒蒸発器2
3の風下に配されて、エンジン17の冷却水を熱源とし
て、ダクト2内を流れる空気を加熱するヒータコア2
5、このヒータコア25をエンジン17の冷却水回路
(図示しない)と環状に接続する温水配管26より成
る。ヒータコア25は、ダクト2内で、冷媒蒸発器23
を通過した空気がヒータコア25を迂回して流れるバイ
パス路27を形成するように配されている。このヒータ
コア25を通過する空気両とバイパス路27を通過する
空気量との割合は、ヒータコア25の風上側に配された
エアミックスダンパ28によって調節される。
【0022】エアコン制御装置6は、ROM6a、RA
M6b、CPU6cから構成されるマイクロコンピュー
タを内蔵するもので、図2に示すように、エアコン操作
パネル29より出力される操作信号、および各センサ
(後述する)からの検出信号に基づいて、各ダンパ(吹
出口切替ダンパ11、12、内外気切替ダンパ15、エ
アミックスダンパ28)を駆動する各サーボモータ3
0、31、32、ブロワモータ3cを駆動するモータ駆
動回路33、電磁クラッチ16を駆動するクラッチ駆動
回路34へ制御信号を出力する。
【0023】ROM6aは、読み出し専用のモメリで、
各演算式、各種データ、所定の制御プログラム等が記憶
保持されている。RAM6bは、データの読み出し、書
き込みを自由に行なうことのできるメモリで、処理の途
中に現れる一時的なデータの保持に使用される。CPU
6cは、ROM6aに記憶された制御プログラムに基づ
いて、各種の演算、処理を行なう中央処理装置である。
【0024】上記の各センサは、車室内温度(内気温T
r)を検出する内気センサ35、車室外温度(外気温T
am)を検出する外気センサ36、日射量(日射量Ts)
を検出する日射センサ37、冷媒蒸発器23の通過直後
の空気温度(エバ後温度Te)を検出するエバ後温度セ
ンサ38、エンジン冷却水の温度(冷却水温Tw)を検
出する水温センサ39、および外気導入口14より導入
される外気の湿度(吸込空気湿度RHo)を検出する湿
度センサ40等である。
【0025】次に、本実施例の作動について説明する。
図3はエアコン制御装置6の処理手順を示すフローチャ
ートである。まず、吸込空気湿度RHoとエバ後温度T
eより車室内湿度RHiを推定する(ステップS1・車
室内湿度検出手段)。続いて、許容湿度変動幅を示す図
6の特性図より、温度変動幅ΔT=0の時の許容湿度変
動幅ΔRH、−ΔRHを求める(ステップS2)。続い
て、図7および図8に示す特性図に基づいて、冷媒圧縮
機18をONする時の目標エバ後温度TEOを決定し、
その目標エバ後温度TEOより、冷媒圧縮機18をON
するかOFFするかの判定を行なう(ステップS3・圧
縮機停止指示手段および圧縮機作動開始指示手段)。
【0026】ステップS3で冷媒圧縮機18をOFFす
ると判定された場合は、下述のステップS4を実行し、
冷媒圧縮機18をONすると判定された場合は、下述の
ステップS5を実行する。次に、冷媒圧縮機18をOF
Fすると判定された時のステップS4の処理を、図4に
示すサブフローチャートに基づいて説明する。まず、ス
テップS1と同様に、冷媒圧縮機18がOFFされた時
の車室内湿度RHi′を推定する(ステップS4a・車
室内湿度推定手段)。続いて、ステップS1で求めた車
室内湿度RHiとステップS4aで求めた車室内湿度R
Hi′との差から、予想湿度変動幅ΔRH′を算出する
(ステップS4b・予想湿度変動幅算出手段)。
【0027】続いて、ステップS2で求めた許容湿度変
動幅ΔRHとステップS4bで算出された予想湿度変動
幅ΔRH′との比較により、冷媒圧縮機18がOFFす
ることによる湿度変動を乗員が許容できるか否かを判定
する(ステップS4c・第1判定手段)。このステップ
S4cの判定結果がNOの場合(ΔRH<ΔRH′)、
つまり乗員が湿度変動を許容できないと判定された場合
は、車室内の湿度バランスから、予想湿度変動幅ΔR
H′を許容できる限界のエバ後温度TEOH′を求め、
そのTEOH′を目標エバ後温度TEOとする(ステッ
プS4d)。
【0028】また、上記ステップS4cの判定結果がY
ESの場合(ΔRH≧ΔRH′)、つまり乗員が湿度変
動を許容できると判定された場合は、図9に示す特性図
に基づいて、ステップS4aで求めた推定車室内湿度R
Hi′が定常時の許容湿度値RHsh(65%RH)以下
であるか否かを判定する(ステップS4e・第2判定手
段)。この判定結果がYESの場合、つまり車室内湿度
RHi′が許容湿度値RHsh以下(RHi′≦RHsh)
の場合は、ステップS6へ進む。ステップS4eの判定
結果がNOの場合、つまり車室内湿度RHi′が許容湿
度値RHshを越える(RHi′>RHsh)場合は、車室
内の湿度バランスから、許容湿度値RHshを越えない最
も高い目標エバ後温度TEOHを選択して、そのTEO
Hを目標エバ後温度TEOとする(ステップS4f)。
【0029】一方、上記ステップS3で冷媒圧縮機18
をONすると判定された時のステップS5の処理を、図
5に示すサブフローチャートに基づいて説明する。ま
ず、ステップS4aおよびステップS4bと同様に、冷
媒圧縮機18がONされた時の車室内湿度RHi′を推
定し(ステップS5a・車室内湿度推定手段)、その車
室内湿度RHi′とステップS1で求めた車室内湿度R
Hiとの差から、予想湿度変動幅−ΔRH′を算出する
(ステップS5b・予想湿度変動幅算出手段)。
【0030】続いて、ステップS2で求めた許容湿度変
動幅−ΔRHとステップS5bで算出された予想湿度変
動幅−ΔRH′との比較により、冷媒圧縮機18がON
することによる湿度変動を乗員が許容できるか否かを判
定する(ステップS5c・第1判定手段)。このステッ
プS5cの判定結果がNOの場合(ΔRH<ΔRH′、
即ち−ΔRH>−ΔRH′)、つまり乗員が湿度変動を
許容できないと判定された場合は、車室内の湿度バラン
スから、予想湿度変動幅−ΔRH′を許容できる限界の
エバ後温度TEOL′を求め、そのTEOL′を目標エ
バ後温度TEOとする(ステップS5d)。
【0031】また、上記ステップS5cの判定結果がY
ESの場合(ΔRH≧ΔRH′、即ち−ΔRH≦−ΔR
H′)、つまり乗員が湿度変動を許容できると判定され
た場合は、図9に示す特性図に基づいて、ステップS5
aで求めた推定車室内湿度RHi′が定常時の許容湿度
値RHsl(25%RH)以上であるか否かを判定する
(ステップS5e・第2判定手段)。この判定結果がY
ESの場合、つまり車室内湿度RHi′が許容湿度値R
Hsl以上(RHi′≧RHsl)の場合は、ステップS6
へ進む。ステップS5eの判定結果がNOの場合、つま
り車室内湿度RHi′が許容湿度値RHslより低い(R
Hi′<RHsl)場合は、車室内の湿度バランスから、
許容湿度値RHslより低下しない最も低い目標エバ後温
度TEOLを選択して、そのTEOLを目標エバ後温度
TEOとする(ステップS5f)。
【0032】上記ステップS4あるいはステップS5を
実行した後、吹出温度一定化制御を行なう(ステップS
6)。これは、図6の特性図に示すように、湿度変動が
温度変動の影響を大きく受けることから、エアミックス
ダンパ28の補正によって吹出温度を一定化するもので
ある。
【0033】続いて、冷媒圧縮機18のON/OFF制
御を行なう(ステップS7・圧縮機制御手段)。この場
合、ステップS4では、図3に示すように、ステップS
3の状態で冷媒圧縮機18がOFFである。従って、ス
テップS4cでは、冷媒圧縮機18がOFF時の許容湿
度変動幅ΔRHよりも予想湿度変動幅ΔRH′の方が大
きいと不快感が発生するため、NOの判定となってステ
ップS4dへ進む。そしてステップS4dで、許容湿度
変動幅ΔRHを越えない目標エバ後温度TEOH′が決
定され、そのTEOH′が目標エバ後温度TEOとなっ
て冷媒圧縮機18をON制御する。
【0034】また、ステップS4cで、ΔRH≧ΔR
H′の場合、即ち予想湿度変動幅ΔRH′が許容湿度変
動幅ΔRH以下であるため、YESの判定となってステ
ップS4eへ進む。このステップS4eでは、冷媒圧縮
機18がOFF時の推定安定湿度RHi′が、高湿度側
の安定時許容湿度RHshより高いか低いかを判定する。
低い場合はYESと判定されて、冷媒圧縮機18はOF
F状態となり、ステップS6へ進む。また、高い場合は
NOと判定され、ステップS4fで、高湿度側の安定時
許容湿度RHshを越えない湿度となる目標エバ後湿度T
EOHを決定し、そのTEOHが目標エバ後温度TEO
となって冷媒圧縮機をON制御する。
【0035】同様に、ステップS5では、図3に示すよ
うに、ステップS3の状態で冷媒圧縮機18がONであ
る。従って、ステップS5cでは、冷媒圧縮機18がO
N時の許容湿度変動幅−ΔRHよりも予想湿度変動幅−
ΔRH′の方が大きいと、湿度が急激に下がり過ぎて不
快感が発生するため、NOの判定となってステップS5
dへ進む。そしてステップS5dで、許容湿度変動幅−
ΔRHを越えない目標エバ後温度TEOL′が決定さ
れ、そのTEOL′が目標エバ後温度TEOとなって冷
媒圧縮機18をON制御する。
【0036】また、ステップS5cで、ΔRH≧ΔR
H′(−ΔRH≦−ΔRH′)の場合、即ち予想湿度変
動幅ΔRH′が許容湿度変動幅ΔRH以下であるため、
YESの判定となってステップS5eへ進む。このステ
ップS5eでは、冷媒圧縮機18がON時の推定安定湿
度RHi′が、低湿度側の安定時許容湿度RHslより高
いか低いかを判定する。高い場合はYESと判定され
て、そのままの目標エバ後温度TEOでステップS6へ
進む。また、低い場合はNOと判定されて、ステップS
5fで、低湿度側の安定時許容湿度RHsLより下がらな
い湿度となる目標エバ後湿度TEOLを決定し、そのT
EOLが目標エバ後温度TEOとなって冷媒圧縮機をO
N制御する。
【0037】続いて、上記の制御による湿度変動が安定
するまでの時間tをタイマーによりカウントさせて、一
定時間xだけ制御を維持(ステップS8)させた後、再
びステップS1へ戻って上述の制御を繰り返す。なお、
一定時間とは、実験結果より3〜4分間の時間である。
【0038】このように、ステップS3で、図7あるい
は図8の特性図に基づいて冷媒圧縮機18をOFF(ま
たはON)すると判定された場合でも、冷媒圧縮機18
をOFF(またはON)することによる湿度変動によっ
て乗員が不快感を感じる時には、図7あるいは図8で得
られる目標エバ後温度TEOに基づいて冷媒圧縮機18
をOFF(またはON)するのではなく、変更後の目標
エバ後温度TEOで冷媒圧縮機18をONすることがで
きる。この結果、冷媒圧縮機18のON/OFFに伴う
湿度変動幅と定常時の湿度レベルとが常に乗員の許容値
内となるように目標エバ後温度TEOが決定されるた
め、中間期のように冷媒圧縮機18のON/OFFによ
り大きく湿度レベルが変化する時でも、車室内湿度が段
階的に変動することから、乗員に不快感を与えることを
防止することができる。
【0039】なお、本実施例では、冷媒圧縮機18をO
FF(またはON)することによる湿度変動によって乗
員が不快感を感じる時には、目標エバ後温度TEOを変
更して制御したが、目標エバ後温度TEOを変更する代
わりに、可変容量型冷媒圧縮機の容量制御、または冷媒
圧縮機の回転数制御で行なっても良い。
【0040】
【発明の効果】本発明の車両用空調装置は、冷媒圧縮機
の作動停止あるいは作動開始が指示された時でも、その
冷媒圧縮機の作動停止あるいは作動開始によって乗員が
不快感を感じる時には、作動停止あるいは作動開始の指
示にかかわらず冷媒圧縮機を作動あるいは停止させるこ
とにより、乗員の不快感を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両用空調装置の全体模式図である。
【図2】本実施例の制御系に係わるブロック図である。
【図3】本実施例の作動を示すフローチャートである。
【図4】本実施例の作動を示すサブフローチャートであ
る。
【図5】本実施例の作動を示すサブフローチャートであ
る。
【図6】湿度変動幅と快適性との関係を示す特性図であ
る。
【図7】目標エバ後温度を決定する特性図である。
【図8】目標エバ後温度を決定する特性図である。
【図9】湿度レベルと快適性との関係を示す特性図であ
る。
【図10】外気温と車室内湿度との関係を示すグラフで
ある。
【符号の説明】
1 車両用空調装置 2 ダクト 4 冷凍サイクル 6 エアコン制御装置(圧縮機停止指示手段、圧縮機作
動開始指示手段、車室内湿度検出手段、車室内湿度推定
手段、予想湿度変動幅算出手段、第1判定手段、第2判
定手段、圧縮機制御手段) 18 冷媒圧縮機 23 冷媒蒸発器
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−134006(JP,A) 特開 平1−257621(JP,A) 特開 昭54−129740(JP,A) 特開 平5−221240(JP,A) 実開 昭61−204830(JP,U) 実開 昭58−25933(JP,U) 実開 平3−22960(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60H 3/00 B60H 1/32 B60H 1/00 F24F 11/00 F24F 11/02

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a)車室内へ空気を導くダクトと、 b)吸引した冷媒を圧縮して吐出する冷媒圧縮機、前記
    ダクト内に配されて、前記冷媒圧縮機の作動によって供
    給された低温低圧の冷媒と前記ダクト内の空気との熱交
    換を行なう冷媒蒸発器を備えた冷凍サイクルと、 c)前記冷媒圧縮機の作動停止を指示する圧縮機停止指
    示手段と、 d)前記冷媒圧縮機が作動している時の車室内湿度を検
    出する車室内湿度検出手段と、 e)前記圧縮機停止指示手段によって前記冷媒圧縮機の
    作動停止が指示された時に、前記冷媒圧縮機の作動停止
    後の車室内湿度を推定する車室内湿度推定手段と、 f)前記圧縮機停止指示手段によって前記冷媒圧縮機の
    作動停止が指示された時に、前記車室内湿度検出手段に
    よって検出される車室内湿度と前記車室内湿度推定手段
    によって推定される推定車室内湿度との差から予想湿度
    変動幅を算出する予想湿度変動幅算出手段と、 g)この予想湿度変動幅算出手段で算出された予想湿度
    変動幅が所定の湿度変動幅より大きいか否かを判定する
    第1判定手段と、 h)この第1判定手段で前記予想湿度変動幅が前記所定
    の湿度変動幅より大きいと判定された場合は、前記作動
    停止の指示にかかわらず、前記予想湿度変動幅が前記所
    定の湿度変動幅以下となるように前記冷媒圧縮機を作動
    させる圧縮機制御手段とを備えた車両用空調装置。
  2. 【請求項2】 a)車室内へ空気を導くダクトと、 b)吸引した冷媒を圧縮して吐出する冷媒圧縮機、前記
    ダクト内に配されて、前記冷媒圧縮機の作動によって供
    給された低温低圧の冷媒と前記ダクト内の空気との熱交
    換を行なう冷媒蒸発器を備えた冷凍サイクルと、 c)前記冷媒圧縮機の作動停止を指示する圧縮機停止指
    示手段と、 d)この圧縮機停止指示手段によって前記冷媒圧縮機の
    作動停止が指示された時に、前記冷媒圧縮機の作動停止
    後の車室内湿度を推定する車室内湿度推定手段と、 e)この車室内湿度推定手段によって推定される推定車
    室内湿度が所定値より大きいか否かを判定する第2判定
    手段と、 f)この第2判定手段で前記推定車室内湿度が前記所定
    値より大きいと判定された場合は、前記作動停止の指示
    にかかわらず、前記推定車室内湿度が前記所定値以下と
    なるように前記冷媒圧縮機を作動させる圧縮機制御手段
    とを備えた車両用空調装置。
  3. 【請求項3】 a)車室内へ空気を導くダクトと、 b)吸引した冷媒を圧縮して吐出する冷媒圧縮機、前記
    ダクト内に配されて、前記冷媒圧縮機の作動によって供
    給された低温低圧の冷媒と前記ダクト内の空気との熱交
    換を行なう冷媒蒸発器を備えた冷凍サイクルと、 c)前記冷媒圧縮機の作動開始を指示する圧縮機作動開
    始指示手段と、 d)前記冷媒圧縮機が停止している時の車室内湿度を検
    出する車室内湿度検出手段と、 e)前記圧縮機作動開始指示手段によって前記冷媒圧縮
    機の作動開始が指示された時に、前記冷媒圧縮機の作動
    開始後の車室内湿度を推定する車室内湿度推定手段と、 f)前記圧縮機作動開始指示手段によって前記冷媒圧縮
    機の作動開始が指示された時に、前記車室内湿度検出手
    段によって検出される車室内湿度と前記車室内湿度推定
    手段によって推定される推定車室内湿度との差から予想
    湿度変動幅を算出する予想湿度変動幅算出手段と、 g)この予想湿度変動幅算出手段で算出された予想湿度
    変動幅が所定の湿度変動幅より大きいか否かを判定する
    第1判定手段と、 h)この第1判定手段で前記予想湿度変動幅が前記所定
    の湿度変動幅より大きいと判定された場合は、前記作動
    開始の指示にかかわらず、前記予想湿度変動幅が前記所
    定の湿度変動幅以下となるように前記冷媒圧縮機を停止
    させる圧縮機制御手段とを備えた車両用空調装置。
  4. 【請求項4】 a)車室内へ空気を導くダクトと、 b)吸引した冷媒を圧縮して吐出する冷媒圧縮機、前記
    ダクト内に配されて、前記冷媒圧縮機の作動によって供
    給された低温低圧の冷媒と前記ダクト内の空気との熱交
    換を行なう冷媒蒸発器を備えた冷凍サイクルと、 c)前記冷媒圧縮機の作動開始を指示する圧縮機作動開
    始指示手段と、 d)この圧縮機作動開始指示手段によって前記冷媒圧縮
    機の作動開始が指示された時に、前記冷媒圧縮機の作動
    開始後の車室内湿度を推定する車室内湿度推定手段と、 e)この車室内湿度推定手段によって推定される推定車
    室内湿度が所定値より小さいか否かを判定する第2判定
    手段と、 f)この第2判定手段で前記推定車室内湿度が前記所定
    値より小さいと判定された場合は、前記作動開始の指示
    にかかわらず、前記推定車室内湿度が前記所定値以上と
    なるように前記冷媒圧縮機を停止させる圧縮機制御手段
    とを備えた車両用空調装置。
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