JP3262342B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP3262342B2
JP3262342B2 JP01153391A JP1153391A JP3262342B2 JP 3262342 B2 JP3262342 B2 JP 3262342B2 JP 01153391 A JP01153391 A JP 01153391A JP 1153391 A JP1153391 A JP 1153391A JP 3262342 B2 JP3262342 B2 JP 3262342B2
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泰史 石川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気記録媒体の製造方法
に関し、特に走行性及び耐久性に優れた磁気記録媒体に
関する。
【0002】
【従来技術】オーディオ、ビデオ、フロッピーディス
ク、コンピュータ用テープ等の磁気記録媒体では磁気ヘ
ッドとの接触による磁性層の損傷を防ぐため、Al
23、Cr23、TiO2、SiO2、SiC、α−Fe
23、ZnO2等の非磁性無機材料を添加することが一
般に行われている。しかし添加する無機材料粒子の種
類、粒子サイズ、添加量を適切に選ばないと、磁気ヘッ
ドを損傷したり、磁気ヘッドの摩耗量を増大したり、電
磁変換特性を劣化させたりという不具合を生ずる。
【0003】このため、従来、上記無機材料を単独で、
または組み合わせて少量添加し磁性層を強化してきた。
本発明者は、塗膜補強剤としての無機材料として、予め
2種類の無機材料を含む粒子を添加することによって、
塗膜の補強効果を高めヘッド付着が少なく、かつヘッド
摩耗量も少ない磁気記録媒体を提供できるよう研究を行
った。これまで高硬度の非磁性無機粉末を混入すること
で塗膜の補強を行ってきたが、近年ビデオテープ及びデ
ジタル機器用テープにおいて要求性能の向上にともな
い、微粒子磁性粉の採用、高分散性バインダの採用、テ
ープ表面性の平滑化などが進み、これらの施策は磁性塗
膜の耐久性や、摩擦の安定性、ヘッド付着には不利な方
向にあり、より一層の塗膜の耐久性の強化、ヘッドクリ
ーニング効果の向上が望まれている。従来より一般に使
用されている無機材料粒子をこのような高性能テープに
使用すると、電磁変換特性が悪化したり、補強効果が不
十分なため、耐久走行でテープダメージが発生したり、
ヘッドクリーニング効果が不足するため、ヘッド付着が
増加し、出力が低下する等の問題が生ずる。また摩擦の
上昇によって走行不良が生ずる場合がある。
【0004】
【発明が解決すべき課題】そこで本発明者らは、塗膜補
強剤としての無機材料と添加量を適切に選定することに
より、高性能化に伴う問題を解決できるものと考えた。
本出願人は、無機材料としてTiO2とα−Al23
組み合わせて使用することにより、磁気ヘッドの損傷
や、摩耗の減少、磁気テープの摩耗の減少という相容れ
ない要求を満足させることができることを見いだした。
しかし尚ヘッド摩耗、摩擦の安定性の面では不十分であ
った。本発明は、ヘッド付着が少なく、ヘッド摩耗が少
なく、更に磁性層の摩耗も少ない磁気記録媒体を提供す
ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】現在一般に用いられてい
るα−Al23は単独で用いた場合磁性塗膜の補強効果
とヘッド摩耗の調整がむずかしく、動摩擦係数の上昇も
見られる。また、2種以上の無機粒子の組合せでも同様
の問題が生じた。しかし、α−Al23製造時にTiを
含有させることにより互いの欠点を補いあいヘッド付
着、ヘッド摩耗、磁性層の摩耗等を少なくすることがで
きたばかりでなく、動摩擦係数の安定化も達成された。
【0006】本発明で使用するTi含有α−Al2
3は、Tiを予めα−Al23粉末に添加し、これを焼
成することにより製造することができる。その際にTi
含有量は2〜10重量%(α−Al23基準で)が好ま
しい。この範囲より少ないと効果がなく、多いと磁気ヘ
ッドの摩耗が多くなる。
【0007】本発明に適する記録層用のバインダとして
従来公知の任意のものが使用でき、熱可塑性ポリウレ
タン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコー
ル共重合体、等の熱可塑性樹脂、熱硬化性ポリウレタン
樹脂等の熱硬化性樹脂、電子線に感応する二重結合を有
するアクリル酸等の電子線硬化性樹脂等、周知の樹脂を
単独又は組合せて使用し得る。特に熱硬化性樹脂及び電
子線硬化性樹脂は適している。
【0008】本発明に使用できる添加剤は潤滑剤、カー
ボンブラック等の帯電防止剤、補強剤等従来から使用さ
れている任意のものが使用し得る。また潤滑剤としては
ミリスチン酸、ステアリン酸、ステアリン酸ブチル、ミ
リスチン酸ブチル等の脂肪酸又はそのエステルが使用で
きる。
【0009】一方補強剤としては本発明ではTi含有α
Al23磁性層への含有を必須とする。しかし少量
のCr23、α−Al23、TiO2、α−Fe23
γ−Al23、α−SiC、β−SiC等を併用するこ
とはさしつかえない。Ti含有α−Al23は好ましく
はバインダーの磁性粉に対して0.5〜1.5重量%
の範囲で使用する。これより少ないとヘッド付着、テー
プ傷が大きく、又塗膜の補強効果が小さくなり、これよ
り多いとヘッド摩耗を増大する。磁性粉末としては磁気
記録媒体用として従来公知の任意の磁性粉末を使用でき
る。 プラスチックベースとしてはポリエステルフィルム
のような従来公知の任意のプラスチックフィルムを使用
できる。
【0010】実施例1、2、3 強磁性体粉末(Co含有γ−Fe 2 3 100重量部 塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体 10重量部 ウレタン樹脂 10重量部 カーボンブラック 10重量部 Ti含有α−Al23 (Ti3.5重量%) 0.5、1.0、1.5重量部 潤滑剤(ミリスチン酸、ステアリン酸) 5重量部 ポリイソシアネート(コロネートL) 5重量部 上記組成物を分散機中で分混合、混分散して塗料を
作り、これをポリエステルフィルム(PET)上に乾燥
後厚が4μmになるよう塗布した。
【0011】比較例1実施例において 上記Ti含有α−Al23の代わりに以
下の補強剤を添加した。 TiO2 0.3重量部 α−Al23 0.7重量部
【0012】比較例2実施例において上記Ti含有α−
Al 2 3 の代わりに以下の補強剤を添加した。 Fe含有Al23 0.5重量部
【0013】比較例3実施例において上記Ti含有α−Al 2 3 の代わりに以
下の補強剤を添加した。 α−Al23 0.5重量部
【0014】実施例1〜3(Ti含有α−Al23
0.5、1.0、1.5重量部に対応してそれぞれ実施
例1、2、3)及び比較例1〜3に対応する各試料をそ
れぞれ#A、#B、#C、#D、#E、#F、とし、各
試料について下記の試験を行った。結果を表1に示し
た。
【0015】ヘッド付着 試料を実機ドライブにて100回走行させ、走行後のヘ
ッドを目視にて観察し、付着多を×、やや有りを△、微
量を○、無しを◎として判定した。 動摩擦係数の変化 ステンレス鏡面固定製ポール面に磁性層面を20mm/
秒で100パスさせて初期と100パス後の動摩擦係数
の値の変化を示した。 磁性層側傷の有無 実機ドライブにて走行させ傷の付き方を目視にて観察し
傷大を×、傷やや有りを△、なしを○として判定し示し
た。 ヘッド摩耗 真鍮製カラーをテープ走行部にセットし200m/10
0パス走行させた後、カラーの摩耗量を測定した。
【0016】
【表1】
【0017】
【発明の効果】本発明は、Ti含有α−Al23を用い
た磁性層を有する磁気記録媒体は何れも良好な特性が得
られている。特に摩擦の安定性、ヘッド摩耗について良
好な特性が得られている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 和志 東京都中央区日本橋一丁目13番1号ティ ーディーケイ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−96732(JP,A) 特開 昭62−185230(JP,A) 特開 昭62−185231(JP,A) 特開 昭57−24027(JP,A) 特開 昭56−13525(JP,A) 特開 平1−112523(JP,A) 特開 昭59−28231(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性粉末を樹脂バインダ中に分散した磁
    性層を、プラスチックベース上に塗布してなる磁気記録
    媒体において、上記磁性層中に、Tiを予めα−Al 2
    3 粉末に添加しこれを焼成して得たTi含有α−Al 2
    3 であって、Tiを2〜10重量%(α−Al 2 3
    準で)含有するTi含有α−Al23 含む磁気記録媒
    体。
JP01153391A 1991-01-08 1991-01-08 磁気記録媒体 Expired - Fee Related JP3262342B2 (ja)

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DE4200197A DE4200197C2 (de) 1991-01-08 1992-01-07 Magnetischer Aufzeichnungsträger
LU88053A LU88053A1 (fr) 1991-01-08 1992-01-08 Support d'enregistrement magnetique

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