JP3262254B2 - 車両用座席の方向転換装置 - Google Patents

車両用座席の方向転換装置

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JP3262254B2
JP3262254B2 JP13022795A JP13022795A JP3262254B2 JP 3262254 B2 JP3262254 B2 JP 3262254B2 JP 13022795 A JP13022795 A JP 13022795A JP 13022795 A JP13022795 A JP 13022795A JP 3262254 B2 JP3262254 B2 JP 3262254B2
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shaft
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浩 野元
英之 照井
良一 石井
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East Japan Railway Co
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Koito Industries Ltd
East Japan Railway Co
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両に多数の座席が一
列に配設されており、該一列に配設された多数の座席を
回転させて、全座席を同一方向にそれぞれ向けるように
した車両用座席の方向転換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両は終着駅に到着すると、車両の座席
を180度方向転換して新たな進行方向へ向けるように
しており、その作業性向上などから、手動でなく、動力
を用いてその作業を行なうための方向転換装置が考えら
れている。座席の方向転換操作は、前後に隣接する座席
同志が干渉しないように、例えば、実開平1−1257
39号公報に開示されているように、1つおきの座席を
同時に回転するようにしている。従来の車両用座席の方
向転換装置としては、例えば、各座席毎に、その座部内
部にエアーシリンダや電動モータなどの動力源と座席用
の回転駆動機構とがそれぞれ内蔵されており、各回転駆
動機構はエアー配管や電気配線されて車両ごとに集中的
に制御されているものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の車両用座席の方向転換装置では、各座席毎に
動力源が内蔵されているため、部品点数が多くなり、ま
た、エアー配管や電気配線の数が多数になり、コストを
低減する際に大きな支障になるという問題点があった。
本発明は、このような従来の技術が有する問題点に着目
してなされたもので、動力源からの動力を伝達するため
のシャフトを設け、各座席に沿って延ばすとともに、座
席を駆動力伝達経路を介してシャフトに連結するように
して、部品点数を削減してコストを低減することができ
るようにした車両用座席の方向転換装置を提供すること
を目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
1 車両に多数の座席(10)が一列に配設されてお
り、該一列に配設された多数の座席(10)を回転させ
て、全座席(10)を同一方向にそれぞれ向けるように
した車両用座席の方向転換装置において、前記一列に配
設された多数の座席(10)に沿って延設され、動力
(20)により回転する一対のシャフト(30)と、前
記多数の座席(10)の奇数番目の奇数席と偶数番目の
偶数席との一方が回転して同一方向を向き、他方の席と
の干渉を回避した後に、他方の席が回転して同一方向を
向くように、一対のシャフト(30)の一方の回転力を
奇数席と偶数席との一方の回転軸に伝達するとともに、
一対のシャフト(30)の他方の回転力を奇数席と偶数
席との他方の回転軸に伝達する駆動力伝達経路(40
a)とから構成され、駆動力伝達経路(40a)は、座
席(10)の回転中心を同心として回転可能な出力円板
と、該出力円板側にシャフト(30)の回転力を伝達す
るための伝達軸とを有することを特徴とす車両用座席の
方向転換装置。
【0005】2 車両に多数の座席(10)が一列に配
設されており、該一列に配設された多数の座席(10)
を回転させて、全座席(10)を同一方向にそれぞれ向
けるようにした車両用座席の方向転換装置において、前
記一列に配設された多数の座席(10)に沿って延設さ
れ、動力(20)により回転する一つのシャフト(3
0)と、前記シャフト(30)の回転力を、前記多数の
座席(10)の奇数番目の奇数席と偶数番目の偶数席と
の各々の回転軸にそれぞれ異なる減速比にて伝達する駆
動力伝達経路(40a)とから構成され、駆動力伝達経
路(40a)は、座席(10)の回転中心を同心として
回転可能な出力円板と、該出力円板にシャフト(30)
の回転力を伝達するための伝達軸とを有することを特徴
とす車両用座席の方向転換装置。
【0006】3 前記駆動力伝達経路(40a)は、所
定値以下のトルクがかかる時ではすべらず、かつ、所定
値以上のトルクがかかる時ではすべって、前記回転力を
制限的に伝達する摩擦式の回転伝達機構(50)を備え
たことを特徴とする1または2項記載の車両用座席の方
向転換装置。
【0007】4 車両に多数の座席(10)が一列に配
設されており、該一列に配設された多数の座席(10)
を回転させて、全座席(10)を同一方向にそれぞれ向
けるようにした車両用座席の方向転換装置において、前
記一列に配設された多数の座席(10)に沿って延設さ
れ、動力(20)により回転する一対のシャフト(3
0)と、奇数番目の奇数席と偶数番目の偶数席との一方
が回転して同一方向を向き、他方の席との干渉を回避し
た後に、他方の席が回転して同一方向を向くように、一
対のシャフト(30)の一方の回転力を奇数席と偶数席
との一方の回転軸に伝達するとともに、一対のシャフト
(30)の他方の回転力を奇数席と偶数席との他方の回
転軸に伝達する駆動力伝達経路(140a)とから構成
されることを特徴とする車両用座席の方向転換装置。
【0008】5 前記駆動力伝達経路(140a)は、
チェーン式の駆動部(140)と、所定値以下のトルク
がかかる時ではすべらず、かつ、所定以上のトルクがか
かる時ではすべって前記回転力を制限的に伝達する回転
伝達機構(50)とを備えたことを特徴とする4項記載
の車両用座席の方向転換装置に存する。
【0009】
【作用】一列に配設された多数の座席(10)に沿っ
て、動力(20)により回転する一対のシャフト(3
0)を延設するようにしたため、座席(10)ごとに電
動モータやエアシリンダなどの動力を配する必要がな
く、またその動力を制御するための電気配線やエアー配
管などを多数配索する必要がなく、部品点数が大幅に減
るとともに、組付工数も大幅に削減することができる。
奇数席と偶数席とが一対のシャフト(30)に駆動力伝
達経路(40a)でそれぞれ連結されているために、動
力(20)により一対のシャフト(30)の一方が回転
すると、奇数席と偶数席との一方の席が回転して、他方
の席との干渉を回避する。次に、一対のシャフト(3
0)の他方が回転すると、他方の席が一方の席に干渉す
ることなく回転して、同一方向を向くようになる。シャ
フト(30)の回転力は、伝達軸を介して出力円板側の
伝わり、出力円板が回転すると、座席が回転するように
なる。
【0010】前記一列に配設された多数の座席(10)
に沿って延設され、動力(20)により回転する一つの
シャフト(30)と、前記シャフト(30)の回転力
を、前記多数の座席(10)の奇数番目の奇数席と偶数
番目の偶数席との各々の回転軸にそれぞれ異なる減速比
にて伝達する駆動力伝達経路(40a)とから構成さ
れ、駆動力伝達経路(40a)は、座席(10)の回転
中心を同心として回転可能な出力円板と、該出力円板に
シャフト(30)の回転力を伝達するための伝達軸とを
有するものでは、奇数席と偶数席とが、一つのシャフト
(30)に各減速比を異ならせて駆動力伝達経路(40
a)を介して連結されているため、シャフト(30)が
回転すると、例えば、奇数席と偶数席との一方が速く回
転し、他方の席が遅く回転するようになり、その結果、
一方の席が他方の席をかわすようにしてさきに同一方向
へ向くようになり、その後、他方の席が同一方向へ向く
ようになる。
【0011】前記駆動力伝達経路(40a)は、所定値
以下のトルクがかかる時ではすべらず、かつ、所定値以
上のトルクがかかる時ではすべって、前記回転力を制限
的に伝達する摩擦式の回転伝達機構(50)を備えたも
のでは、動力(20)により一対のシャフト(30)の
一方が回転すると、駆動力伝達経路(40a)を介して
奇数席と偶数席とのいずれか一方が回転し、最終的には
同一方向へ向くようになるが、部品精度や取付け精度の
許容誤差並びに座席(10)の回転始動位置の相違か
ら、各座席(10)が同時に同一方向へ向くことはな
く、座席の位置ずれが生じる。すなわち、シャフト(3
0)は最後の座席(10)の方向転換が完了するまで回
転し続ける。方向転換完了前では、駆動力伝達経路(4
0a)の途中に配された回転伝達機構(50)がすべら
ないで、駆動力伝達経路(40a)はつながっている。
座席(10)が方向転換を終了し、なおもシャフト(3
0)が回転していると、回転伝達機構(50)に所定値
以上のトルクが生じて、回転伝達機構(50)がすべっ
て駆動力伝達経路(40a)が断たれるようになる。ま
た、手動で個々に座席(10)を回転するには、回転伝
達機構(50)に所定値以上のトルクが生じる程度の力
で座席(10)を回転すればよい。
【0012】前記駆動力伝達経路(140a)は、チェ
ーン式の駆動部(140)と、所定値以下のトルクがか
かる時ではすべらず、かつ、所定以上のトルクがかかる
時ではすべって前記回転力を制限的に伝達する回転伝達
機構(50)とを備えたものでは、動力(20)により
一対のシャフト(30)の一方が回転すると、駆動力伝
達経路(140a)のチェーン式の駆動部(140)お
よび回転伝達機構(50)を介して奇数席と偶数席との
いずれか一方が回転し、最終的には同一方向へ向くよう
になる。
【0013】
【実施例】以下、図面に基づき本発明の一実施例を説明
する。各図は本発明の第1実施例を示している。図1お
よび図4〜図8に示すように、例えば、列車に2人掛け
の座席10が連設されており、座席10の座部11が1
80度回転可能に基台13に支持されている。本実施例
に係る車両用座席の方向転換装置は、例えば、終着駅な
どにおいて、それら多数の座席10を一斉に180度回
転させて、新たな進行方向にそれぞれ向けるようにした
ものである。座席10は、2席分を有する座部11に別
々に起倒可能な背凭れ部11aを設け、各背凭れ部11
aには後ろの席の着座者が使用するための収納式のテー
ブルTが装備されている。
【0014】座部11は回転座板12に保持され、回転
座板12は180度回転して反転可能に基台13に支持
されている。すなわち、基台13には回転用のベース部
材14が固設され、回転用のベース部材14には円孔1
5が穿設され、円孔15の内縁を回転支持板16,17
で挾持して成る。列車には、多数の座席10に沿って、
通路とは反対側に一対のシャフト30が水平面上で並ぶ
ようにしてそれぞれ延設されている。各シャフト30の
一端部が動力である駆動モータ20の出力軸側にそれぞ
れ連結されている。駆動モータ20および一対のシャフ
ト30はカバー部材14aにより外部から覆われてい
る。一対のシャフト30をギアボックス等を介して一つ
の駆動モータで駆動するようにしてもよい。図1〜図3
に示すように、回転座板12が駆動力伝達経路40aを
介して各シャフト30にそれぞれ連結されている。駆動
力伝達経路40aはシャフト式の駆動部40および回転
伝達機構50を有して成る。
【0015】シャフト式の駆動部40は、シャフト30
に連動するウオームおよびウオームホイールを設けて成
るギアボックス41と、一端部がウオームホイールに一
定的に回転可能に固着され、他端部にスプロケット43
を設けて成る伝達軸42と、回転支持板17に一体的に
回転可能に固定された出力円板45とから構成されてい
る。ギアボックス41本体はカバー部材14aにより外
部から覆われている。一対のシャフト30の一方が奇数
席にかかるギアボックス41のウオームに連結され、他
方のシャフト30が偶数席にかかるギアボックス41の
ウオームに連結されている。図1および図9に示すよう
に、回転伝達機構50は、対向する一対の摩擦プレート
51,52を有し、一方の摩擦プレート51は、円板状
のベース部の中心に回転軸を立設して成り、他方の摩擦
プレート52は、一方の摩擦プレート51の回転軸に外
嵌している。一方の摩擦プレート51と他方の摩擦プレ
ート52との間の隙間にスプロケット43が挟まれるよ
うにして介在しており、スプロケット43は摩擦プレー
ト51の回転軸に外嵌している。摩擦プレート51の回
転軸に螺設したねじ部には調整ナット54が螺合してい
て、調整ナット54と他方の摩擦プレート52との間に
は皿ばねが介在しており、皿ばねの復元力により他方の
摩擦プレート52がスプロケット43を摩擦プレート5
1に押付ける方向へ付勢しており、調整ナット54は、
調整ナット54と他方の摩擦プレート52との間の隙間
を調節して、皿ばねの復元力を増減し、スプロケット4
3が摩擦プレート51,52の間で滑らないで、駆動力
を伝達可能な最大のトルクを調整可能なものである。
【0016】図1〜図3に示すように、摩擦プレート5
1が伝達軸42に一体的に回転可能に固着されている。
回転座板12の支持面部から、床に載置して固定される
脚部が延びている。基台13の支持面部の端部前縁およ
び端部後縁には、回転座板12の反転時にその両端部が
当接して、座部11を反転位置に停止させるストッパ部
材19が設けられている。回転座板12を各反転位置で
拘束するためのロック機構60が備えられている。ロッ
ク機構60は、基台13の脚部側に足踏みペダル61を
枢軸にて枢支し、足踏みペダル61の中間部にロックピ
ン62を装着し、足踏みペダル61の端の足踏み端61
bを押し込んだり解放することでロックピン62のロッ
ク端62aが支持面部の端部の表面から出没するよう配
設して成る。座部11を支持する回転座板12の両側の
端部には、ロック端62aが嵌挿する図示省略したロッ
ク孔を有している。また、足踏みペダル61には付勢ば
ね63でロックピン62のロック端62aが突出する方
向に付勢されている。基台13の下方には、遠隔制御す
るためのコントロールケーブル70が延ばされており、
コントロールケーブル70のアウターケーシング71の
先端が基台13の脚部側に固定され、付勢ばね63の付
勢力に抗してロックピン62を没入させてロック解除す
べく、インナーワイヤ72の基端が図示省略した遠隔操
作部側に連結するとともに、インナーワイヤ72の先端
がコネクタ73を介してロックピン62に連結されてい
る。
【0017】次に作用を説明する。多数の座席10を一
斉に反転すべく、駆動モータ20により回転する一対の
シャフト30を延設するような構成にしたので、座席1
0ごとに電動モータやエアシリンダなどの動力を配する
必要がなく、またその動力を制御するための電気配線や
エアー配管などを多数配索する必要がなく、部品点数が
大幅に減少し、また、組付工数も大幅に削減することが
できる。座部11を支持する回転座板12が180度回
転して背凭れ部11aが反対方向を向いた反転した位置
をとることができる。各反転位置では、基台13はロッ
ク機構60により当該位置に拘束されている。
【0018】座席10を手動で反転させる場合は、先ず
足踏みペダル61の足踏み端61bを踏んでロック機構
60により拘束を解除する。すなわち、足踏み端61b
が踏まれることにより、足踏みペダル61が枢軸61a
を中心として時計方向に回動すると、ロックピン62が
引かれロック端62aが下方に引っ込んで図示省略した
ロック孔から抜けるので回転座板12が拘束解除されて
回動可能になる。次いで、一対の摩擦プレート51,5
2とスプロケット43との間に生じる摩擦力以上のトル
クにより、座部11を支持する回転座板12を回転駆動
させて180度回動させ、反転させた位置になると、回
転座板12の端部が板ばね19aを撓ませながら、やが
て回転座板12の端部がストッパ部材19に当接し、所
定の反転位置になると、ロックピン62のロック端62
aが図示省略したロック孔に来て、突出してロック孔に
嵌挿し、再びロック機構60により当該反転した位置に
回転座板12が拘束して保持される。座部11を支持す
る回転座板12は駆動モータ20の動力により反転回動
させることができる。
【0019】すなわち、駆動モータ20が回転すると、
一対のシャフト30の一方が連動し、奇数席にかかるギ
アボックス41のウオームが回転するようになる。ギア
ボックス41のウオームが回転すると、ウオームホイー
ルに固着された伝達軸42が回転する。それにより、奇
数席において、スプロケット43を介して出力円板45
が回転し、反転するようになる。このとき、偶数席は回
転停止しており、奇数席が反転途中で偶数席に干渉する
ことはない。奇数席が反転を完了すると、他方のシャフ
ト30が回転し、偶数席において、スプロケット43を
介して出力円板45が回転し、反転するようになる。奇
数席が、偶数席に干渉しない反転位置にあるため、偶数
席は反転途中で奇数席に干渉することなく、反転を完了
し、最終的には両方の席が同一方向を向くようになる。
奇数席または偶数席は、同一方向へ向いて、反転させた
位置にそれぞれなると、回転座板12の端部が板ばね板
ばね19aを撓ませながら、やがて回転座板12の端部
がストッパ部材19に当接し、所定の反転位置になる
と、ロックピン62のロック端62aが図示省略したロ
ック孔に来て、突出してロック孔に嵌挿し、再びロック
機構60により当該反転した位置に回転座板12が拘束
して保持される。
【0020】部品精度や取付け精度の許容誤差並びに座
席10の回転始動位置の相違から、奇数席または偶数席
においては、同時に同一方向へ向くことはなく、時間的
な誤差が生じる。すなわち、シャフト30は最後の座席
10が方向転換を完了するまで回転し続ける。方向転換
の完了した座席10においては、シャフト30が回転す
ると、一対の摩擦プレート51,52とスプロケット4
3との間に、調整ナット54により調節した摩擦力以上
のトルクが生じて、一対の摩擦プレート51,52とス
プロケット43とが回転方向へ相対的に滑り始め、摩擦
プレート51は回転しないで、スプロケット43のみが
回転するようになり、駆動伝達経路40aが断たれるよ
うになる。また、手動で個々に座席10を回転するに
は、一対の摩擦プレート51,52とスプロケット43
との間に摩擦力以上のトルクが生じる程度の力で座席1
0を回転すればよい。前記第1実施例においては、上下
一対のシャフト30を複数の座席10に沿って延設した
ものを示したが、一つのシャフト30を設け、奇数席と
偶数席との間で、減速比に差をもたせた駆動力伝達経路
40aを介して当該一つのシャフト30に連結し、シャ
フト30が回転した際に奇数席と偶数席との回転速度差
によって、例えば奇数席が偶数席をかわすように速く回
転して最終的には両方の席が同一方向へ向くようにして
もよい。
【0021】図10〜図14は本発明の第2実施例を示
している。すなわち、列車には、多数の座席10に沿っ
て、通路とは反対側に上下一対のシャフト30,30が
それぞれ延設されている。各シャフト30の一端部が動
力である上下一対の駆動モータ20の各出力軸側にそれ
ぞれ連結されている。
【0022】一対の駆動モータ20および一対のシャフ
ト30はカバー部材14aにより外部から覆われてい
る。一つの駆動モータ20でギアボックス等を介して一
対のシャフト30,30をそれぞれ駆動させてもよい。
【0023】図10〜図14に示すように、回転座板1
2が駆動力伝達経路140aを介して各シャフト30に
それぞれ連結されている。駆動力伝達経路140aはチ
ェーン式の駆動部140および回転伝達機構50を有し
て成る。
【0024】チェーン式の駆動部140は、シャフト3
0に連動するベベルギアを設けて成るギアボックス14
1と、ギアボックス141の出力軸に固設された小スプ
ロケット142と、回転座板12の回転中心を同心にし
て回転可能な大スプロケット143と、小スプロケット
142と大スプロケット143とに掛け渡されたチェー
ン部材144とから構成されている。大スプロケット1
43が前記第1実施例にかかるスプロケット43に相当
している。ギアボックス141本体はカバー部材14a
により外部から覆われている。また、小スプロケット1
42と大スプロケット143とは、基台13に回転可能
に支持されている。一対のシャフト30の一方が奇数席
にかかるギアボックス141のベベルギアに連結され、
他方のシャフト30が偶数席にかかるギアボックス14
1のベベルギアに連結されている。
【0025】図9および図13に示すように、回転伝達
機構50は、対向する一対の摩擦プレート51,52を
有し、一方の摩擦プレート51は、円板状のベース部の
中心に回転軸を立設して成り、一方の摩擦プレート51
の回転軸に他方の摩擦プレート52が外嵌している。一
方の摩擦プレート51と他方の摩擦プレート51との間
の挟まれるようにして大スプロケット143が介在して
いる。大スプロケット143は一方の摩擦プレート51
の回転軸に外嵌している。
【0026】すなわち、駆動モータ20が回転すると、
一対のシャフト30の一方が連動し、奇数席にかかるギ
アボックス141の出力軸が回転するようになる。ギア
ボックス141の出力軸が回転すると、その出力軸に固
定した小スプロケット142が回転する。それにより、
奇数席において、チェーン部材144を介して大スプロ
ケット143が回転し、反転するようになる。このと
き、偶数席は回転停止しており、奇数席が反転途中で偶
数席に干渉することはない。
【0027】奇数席が反転を完了すると、他方のシャフ
ト30が回転し、偶数席において、チェーン部材144
を介して大スプロケット143が回転し、反転するよう
になる。奇数席が、偶数席に干渉しない反転位置にある
ため、偶数席は反転途中で奇数席に干渉することなく、
反転を完了し、最終的には両方の席が同一方向を向くよ
うになる。すなわち、シャフト30は最後の座席10が
方向転換を完了するまで回転し続ける。方向転換の完了
した座席10においては、シャフト30が回転すると、
大スプロケット143と一対の摩擦プレート51,52
との間に、調整ナット54により調節した摩擦力以上の
トルクが生じて、大スプロケット143と一対の摩擦プ
レート51,52とが回転方向へ相対的に滑り始め、一
対の摩擦プレート51,52は回転しないで、大スプロ
ケット143のみが回転するようになり、シャフト30
の駆動力が伝達されないようになる。
【0028】また、手動で個々に座席10を回転するに
は、同じく、大スプロケット143と一対の摩擦プレー
ト51,52との間に摩擦力以上のトルクが生じる程度
の力で座席10を回転すればよい。前記第2実施例にお
いては、駆動力伝達経路140aの終端側に回転伝達機
構50を配したものを示したが、駆動力伝達経路140
aの始端側、すなわち、ギアボックス141側に配して
もよいことは言うまでもない。
【0029】
【発明の効果】本発明にかかる車両用座席の方向転換装
置によれば、動力源からの動力を伝達するために、例え
ば、一対のシャフトを設けて、各座席に沿って延ばすよ
うに構成したので、座席ごとに電動モータやエアシリン
ダなどの動力を配する必要がなく、またその動力を制御
するための電気配線やエアー配管などを多数配索する必
要がなく、部品点数が大幅に減るとともに、組付工数も
大幅に削減することができ、コストを低減することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す車両用座席の方向転
換装置の平面図である。
【図2】本発明の第1実施例を示す車両用座席の方向転
換装置の座席を取り外して示した平面図である。
【図3】本発明の第1実施例を示す車両用座席の方向転
換装置の座席を取り外して示した正面図である。
【図4】本発明の第1実施例および第2実施例を示す車
両用座席の方向転換装置の背面図である。
【図5】本発明の第1実施例および第2実施例を示す車
両用座席の方向転換装置の平面図である。
【図6】本発明の第1実施例および第2実施例を示す車
両用座席の方向転換装置の側面図である。
【図7】本発明の第1実施例を示す車両用座席の方向転
換装置の正面図である。
【図8】本発明の第1実施例および第2実施例を示す車
両用座席の方向転換装置の側面図である。
【図9】本発明の第1実施例および第2実施例を示す回
転伝達機構の要部断面図である。
【図10】本発明の第2実施例を示す車両用座席の方向
転換装置の平面図である。
【図11】本発明の第2実施例を示す車両用座席の方向
転換装置の正面図である。
【図12】本発明の第2実施例を示す車両用座席の方向
転換装置の座席を取り外して示した平面図である。
【図13】本発明の第2実施例を示す車両用座席の方向
転換装置の座席を取り外して示した正面図である。
【図14】本発明の第2実施例を示す車両用座席の方向
転換装置の正面図である。
【符号の説明】
10…座席 11…座部 12…回転座板 13…基台 14…ベース部材 15…円孔 16,17…回転支持板 18…回転用の伝達部材 19…ストッパ部材 20,20a…駆動モータ(動力) 30…シャフト 40a…駆動力伝達経路 40…シャフト式の駆動部 41…ギアボックス 42…伝達軸 43…スプロケット 45…出力円板 50……回転伝達機構 51,52…摩擦プレート 54…調整ナット 60…ロック機構 61…足踏みペダル 62…ロックピン 63…付勢ばね 70…コントロールケーブル 71…アウターケーシング 72…インナーワイヤ 140a…駆動力伝達経路 140…チェーン式の駆動部 141…ギアボックス 142…小スプロケット 143…大スプロケット 144…チェーン部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石井 良一 神奈川県横浜市戸塚区前田町100番地 小糸工業株式会社 内 (56)参考文献 特開 平4−243636(JP,A) 特開 平4−353035(JP,A) 特開 平8−192667(JP,A) 特開 平7−329618(JP,A) 実開 平1−125739(JP,U) 実公 昭49−7312(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60N 2/14 A47C 3/18 B61D 33/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両に多数の座席が一列に配設されてお
    り、該一列に配設された多数の座席を回転させて、全座
    席を同一方向にそれぞれ向けるようにした車両用座席の
    方向転換装置において、 前記一列に配設された多数の座席に沿って延設され、動
    力により回転する一対のシャフトと、 前記多数の座席の奇数番目の奇数席と偶数番目の偶数席
    との一方が回転して同一方向を向き、他方の席との干渉
    を回避した後に、他方の席が回転して同一方向を向くよ
    うに、一対のシャフトの一方の回転力を奇数席と偶数席
    との一方の回転軸に伝達するとともに、一対のシャフト
    の他方の回転力を奇数席と偶数席との他方の回転軸に伝
    達する駆動力伝達経路とから構成され、 駆動力伝達経路は、座席の回転中心を同心として回転可
    能な出力円板と、該出力円板側にシャフトの回転力を伝
    達するための伝達軸とを有することを特徴とす車両用座
    席の方向転換装置。
  2. 【請求項2】車両に多数の座席が一列に配設されてお
    り、該一列に配設された多数の座席を回転させて、全座
    席を同一方向にそれぞれ向けるようにした車両用座席の
    方向転換装置において、 前記一列に配設された多数の座席に沿って延設され、動
    力により回転する一つのシャフトと、 前記シャフトの回転力を、前記多数の座席の奇数番目の
    奇数席と偶数番目の偶数席との各々の回転軸にそれぞれ
    異なる減速比にて伝達する駆動力伝達経路とから構成さ
    れ、 駆動力伝達経路は、座席の回転中心を同心として回転可
    能な出力円板と、該出力円板にシャフトの回転力を伝達
    するための伝達軸とを有することを特徴とす車両用座席
    の方向転換装置。
  3. 【請求項3】前記駆動力伝達経路は、所定値以下のトル
    クがかかる時ではすべらず、かつ、所定値以上のトルク
    がかかる時ではすべって、前記回転力を制限的に伝達す
    る摩擦式の回転伝達機構を備えたことを特徴とする請求
    項1または2記載の車両用座席の方向転換装置。
  4. 【請求項4】車両に多数の座席が一列に配設されてお
    り、該一列に配設された多数の座席を回転させて、全座
    席を同一方向にそれぞれ向けるようにした車両用座席の
    方向転換装置において、 前記一列に配設された多数の座席に沿って延設され、動
    力により回転する一対のシャフトと、 奇数番目の奇数席と偶数番目の偶数席との一方が回転し
    て同一方向を向き、他方の席との干渉を回避した後に、
    他方の席が回転して同一方向を向くように、一対のシャ
    フトの一方の回転力を奇数席と偶数席との一方の回転軸
    に伝達するとともに、一対のシャフトの他方の回転力を
    奇数席と偶数席との他方の回転軸に伝達する駆動力伝達
    経路とから構成されることを特徴とする車両用座席の方
    向転換装置。
  5. 【請求項5】前記駆動力伝達経路は、チェーン式の駆動
    部と、所定値以下のトルクがかかる時ではすべらず、か
    つ、所定値以上のトルクがかかる時ではすべって前記回
    転力を制限的に伝達する摩擦式の回転伝達機構とを備え
    たことを特徴とする請求項4記載の車両用座席の方向転
    換装置。
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