JP3262037B2 - 建材および構造材ならびにその製造方法 - Google Patents

建材および構造材ならびにその製造方法

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JP3262037B2
JP3262037B2 JP23169697A JP23169697A JP3262037B2 JP 3262037 B2 JP3262037 B2 JP 3262037B2 JP 23169697 A JP23169697 A JP 23169697A JP 23169697 A JP23169697 A JP 23169697A JP 3262037 B2 JP3262037 B2 JP 3262037B2
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浩史 西島
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B41/00After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone
    • C04B41/009After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone characterised by the material treated
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C04B41/00After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone
    • C04B41/45Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements
    • C04B41/50Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements with inorganic materials
    • C04B41/5022Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements with inorganic materials with vitreous materials

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、舗道などに敷設さ
れる透水ブロックなどに使用される建材および構造材な
らびにその製造方法に関し、より詳しくは、廃ガラスカ
レットなどのガラスカレットを使用した透水ブロックな
どの建材および構造材ならびにその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年になり、資源の有効利用を図ること
が望まれており、使用済みのガラス瓶、自動車のフロン
トガラス等を陶磁器製品に再利用する技術が種々提案さ
れている(特開平7−81956,特開平7−1380
36等)。すなわち、ガラス製品を粉砕して廃ガラスカ
レットを作製し、これをセラミック原料などに配合し
て、焼成などの工程を経て窯業製品として利用すること
が検討されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、廃ガラスカレ
ットは、ガラス製品自体の成分、色、形状などが異なっ
た種々の形態のものが含まれており、これをセラミック
原料に混ぜて利用した場合に製品自体にばらつきを生じ
易い。すなわち、廃ガラスカレットの量を多く含ませる
と曲げ強度などの機械的強度が低下し易いために、製品
に廃ガラスカレットを多量に利用することが困難であっ
た。したがって、多量に使用できる製品および用途が求
められていた。
【0004】本発明は、上記問題点を解決するためにな
され、廃ガラスカレット等のガラスカレットを再利用す
るに際して、ガラスカレットを多量に含ませても、所望
の曲げ強度や透水性の条件などを満たすことができる建
材および構造材ならびにその製造方法を提供することを
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
記課題を解決するためになされた本発明は、ガラス製品
を破砕したガラスカレットまたはガラスを一部に含んだ
ガラス再生品を破砕した再生ガラスカレットを含むガラ
ス粒子体と、副原料とを含有し、該ガラス粒子体を完全
に溶融しないでほぼ破砕した状態を維持するように分散
した建材であって、上記ガラス粒子体は、第1表面積を
有する第1粒子と、第1粒子と同じ容積であっても第1
表面積より小さい第2表面積を有する第2粒子とを含
み、上記第1粒子は、ガラス製品を破砕したままの粗い
粒子であり、上記第2粒子は、ガラス粒子体の表面を滑
らかに形成した粒子であり、 透水係数が1.0×10 -2
cm/sec以上の条件を満たすように第1および第2
粒子の容積比を設定したことを特徴とする
【0006】すなわち、本発明は、ガラス粒子体を含有
し、ガラス粒子体が完全に溶融しないで破砕した状態を
ほぼ維持するように分散した建材である。すなわち、ガ
ラス粒子体は、完全に溶融しないでほぼ破砕した状態を
維持した粒子状に分散した骨材として配置される。この
ようにガラス粒子体は、ガラス製品またはガラスを一部
に含んだガラス再生品を破砕して形成されており、その
表面に尖った部分が多いから、副原料が含有されていて
も、隣接するものの間で隙間が形成され、その間隙が透
水性を高めるように作用する。そして、ガラスカレット
の容積比を大きくすれば、透水性が一層大きくなり、透
水係数が1.0×10-2cm/sec以上とすることが
容易となる。このような大きな透水係数を有する建材
は、水を速やかに通してその表面に水が溜まりにくいか
ら、舗道などに敷設される透水ブロックなどに好適に利
用することができる。しかも、上記ガラス粒子体は、第
1表面積を有する第1粒子と、第1粒子と同じ容積であ
っても第1表面積より小さい第2表面積を有する第2粒
子とを含み、第1粒子は、ガラス製品を破砕したままの
粗い粒子であり、第2粒子は、ガラス粒子体の表面を滑
らかに形成した粒子であり、第1粒子と第2粒子との容
積比、粒径を調節する。これにより、バインダ材料など
の副原料との接合力や粒子間の間隙などを調整して、透
水係数や曲げ強度を適宜設定することができる。
【0007】ここで、上記ガラス粒子体としては、ガラ
ス製品を粉砕することにより形成される廃ガラスカレッ
トや、ガラス原料から形成した粒状物や、ガラス製品を
製造する際に形成される切削粉、ガラスを一部に含んだ
タイルなどのガラス再生品を破砕した再生ガラスカレッ
トなど各種のものを用いることができる。この場合にお
いて、廃ガラスカレットを用いた場合には、使用済みの
ガラス瓶等のガラス製品の再利用が容易であり、特に、
その容積比を50%以上とすることにより資源の有効利
用を一層図ることができる。また、上記ガラス原料から
形成したガラスカレットや切削粉などを用いた場合に
は、ガラス粒子体の物理的および化学的性質としてほぼ
一定のものが得られるから、建材の品質を向上させるこ
とができる。
【0008】ここで、本発明において、曲げ強度を30
kgf/cm2以上とすることが好ましく、さらに好ま
しくは50kgf/cm2である。曲げ強度をこのよう
な値以上に設定することにより、建材としての強度を確
保でき、透水ブロックとして好適に用いることができ
る。
【0009】ガラス粒子体の他に建材に含有される副原
料としては、ガラス粒子体よりも融点が低くかつ溶融し
やすいバインダ材料を添加することが好ましい。すなわ
ち、建材を形成する際に焼成工程を行なったときに、バ
インダ材料は、ガラス粒子体の融点よりも低い温度で一
旦溶融した後に凝固すると、ガラス粒子体の粒子同士を
結着する作用を果たし、曲げ強度を高めるからである。
【0010】本発明にかかる建材の透水係数および曲げ
強度を上述した値以上に設定する好適な態様としては、
ガラス粒子体の粒径を調製したり、その容積比を調製し
たり、あるいは粒径および容積比の両方を調製する手段
をとることができる。
【0011】これは、以下の理由による。ガラス粒子体
の容積比を同じであるとすると、ガラス粒子体の粒径が
小さいほど、単位体積当たりのガラス粒子体の表面積が
大きくなる。そのため、同一容積比のバインダ材料を使
用した場合に、ガラス粒子体の粒径が小さいほど、ガラ
ス粒子体の粒子の1個当たりのバインダ材料で形成され
るバインダ層の厚みが薄くなり、結果として、単位体積
当たりのバインダ層も含めたガラス粒子体の粒子の接触
面積が減少する。これは、ガラス粒子体の粒子間の間隙
を増大させることも意味する。逆に、ガラス粒子体の粒
径が大きいほど、単位体積当たりのガラス粒子体の表面
積が大きくなるとともに、バインダ層の厚さが厚くな
り、バインダ層を含めたガラス粒子体の接触面積が増大
するとともに、ガラス粒子体の粒子間の間隙が減少す
る。
【0012】このようにガラス粒子体の粒径の大きさを
変えた場合に接触面積や粒子間の間隙に影響があるが、
ガラス粒子体の粒子の接触面積が曲げ強度に正の相関関
係を有し、一方、粒子間の間隙が透水性に正の相関関係
を与えている。したがって、これを考慮して、建材の品
質を満たすようにガラス粒子体の粒径を設定することが
できる。このような条件からガラス粒子体の粒径は、
0.1〜10mmに調製することが好ましく、特に好ま
しくは0.5〜5mmである。これは、0.1mm未満
の場合は、透水性が不良となり、逆に10mmを越える
と曲げ強度が低下し、上記条件を満たさないからであ
る。
【0013】また、建材の透水係数および曲げ強度に影
響を与える要因として、ガラス粒子体の容積比を考慮す
る。すなわち、ガラス粒子体の粒径を同じ条件にして、
ガラス粒子体の容積比を大きくすると、バインダ材料が
少なくなり、ガラス粒子体の1つの粒子当たりのバイン
ダ層の厚みが薄くなる。このため、単位体積当たりのバ
インダ層を含めたガラス粒子体の接触面積が減少すると
ともに、粒子間の間隙が増大する。逆に、ガラス粒子体
の容積比を小さくすると、ガラス粒子体の1つの粒子当
たりのバインダ層の厚みが厚くなり、粒子の接触面積が
増大するとともに、粒子間の間隙が減少する。したがっ
て、ガラス粒子体とバインダ材料の容積比も、曲げ強度
と透水係数とを比較考慮して定めることになる。これを
考慮して、ガラス粒子体の容積比を70〜90%に調製
することにより透水係数および曲げ強度の条件に好適に
適合することができる。
【0014】ここで、第2粒子は、第1粒子より細かく
粉砕した紛状物を造粒した粒子や、消失材や発泡材を混
合して多孔質粒とした粒子を用いることができる。この
場合に、第2粒子の特徴を活かす容積比以上に第2粒子
を使用するとともに、第1粒子をできるだけ多く使用す
ることで、コストダウンを図ることができる。
【0015】第1粒子と第2粒子との表面積を異にした
場合において、第1粒子の容積比は、50〜70%に、
第2粒子の容積比は、15〜40%に調製することによ
り曲げ強度および透水係数の条件に適合させることがで
きる。さらに、第2粒子の特徴を活かすために容積比を
70〜90%に調製してもよい。
【0016】また、ガラス粒子体として、性質の異なる
第1粒子および第2粒子を用いる場合には、上述したよ
うに1粒子当たりの表面積が異なる粒子を用いるほか、
他の態様として粒径の異なる粒子を使用したり、多孔質
粒のようにガラス粒子体に対して機械的強度の小さいが
軽量である粒子を用いてもよい。
【0017】粒径の異なる粒子を用いる場合において、
第1粒子の粒径は、1.0〜4.0mmに、第2粒子の
粒径を1.2〜5.0mmに調製することにより、透水
係数および曲げ係数の条件に適合させることができる。
このときの第1および第2粒子の容積比は、第2粒子を
70〜90%以上にしたり、第1粒子と第2粒子とを合
計した容積比を70〜90%以上にすることにより、上
記条件に好適に適合させることができる。
【0018】ガラス粒子体は、粉砕したままで使用する
ほか、機械的強度を増大させるような加工手段を施して
もよい。例えば、ガラス粒子体の周囲に、該ガラス粒子
体の機械的強度を増すようなコーティング材を付着させ
てもよい。コーティング材として、例えばベントナイト
にフリットを加えたセラミック原料を使用することがで
きる。この場合において、コーティング材は、ガラス粒
子体の粒子同士を結合させるバインダとしての作用を兼
用させることができる。
【0019】また、建材の曲げ強度や透水係数が上記条
件を満たすために、副原料を変えることにより行なうこ
とができ、例えば、副原料にバインダ材料を用いた場合
には、このバインダ材料の種類、配合量、添加量などを
変えることにより対応することができる。すなわち、バ
インダ材料の量が増大すると、ガラス粒子体を結着する
力が大きくなり、曲げ強度が増大するが、所定量以上を
超えると、ガラス粒子体の粒子間の間隙が小さくなり、
透水係数の減少を招く。このように曲げ強度と透水係数
とを考慮するとともに建材の用途にしたがってバインダ
の量を定めることが必要であり、例えば、容積比で10
〜30%の間であることが望ましい。ここで、バインダ
材料としては、ガラス粒子体の粒子間を結着させるセメ
ント、ワラスト、フリットなどを用いることができる。
この場合において、セメント、ワラスト、フリットの比
率は、ガラス粒子体の容量比や粒径などで異なるが、2
5〜60%、10〜50%、25〜40%に調製するこ
とにより上記条件に好適に適合することができる。ま
た、焼成条件を変更することにより、バインダ材料は、
ガラス粒子体の結合強度を変更するから、曲げ強度を高
めることができる。
【0020】また、建材に含有される副原料としては、
バインダ材料に限らず、例えば、耐火用材料を混入し
て、耐火性能を有する建材に適用してもよい。ここで、
ガラス粒子体とともに混ぜることができる耐火用材料と
して、コランダム、ジルコン、ジルコニウムおよびこれ
らから選ばれた混合物などがあり、その量は所望の耐火
用性能を得ることができる量を上回るとともに、廃ガラ
スカレットを混ぜる量に支障がない限度で混入すること
が好ましく、例えば、廃ガラスカレットを50%以上使
用しても支障のない量であることが好ましい。
【0021】さらに、上記建材は、それ単独で使用する
ほか、陶磁器、セメント、金属の材料などから作られた
基材上に積層した構造材の一部として使用してもよく、
その用途に応じて種々の構成をとることができる。ま
た、必要に応じて建材の表面に該建材を装飾する無機顔
料などを添加して装飾した化粧層を形成してもよい。
【0022】建材を製造する方法としては、ガラスカレ
ットと副原料とを混ぜ合わせて焼成するほか、セメント
などのバインダを用いて養生などの工程を経て結着する
こともできる
【0023】また、基材の表面に建材を形成する方法と
しては、基材を形成する材料を金型に充填した後に、そ
の上に積層してから乾燥、焼成などの工程を経る方法の
ほか、基材と建材とが一体的に構成される方法であれば
よく、例えば、基材の表面に建材の材料をスプレーして
基材の表面に積層することにより簡単な方法をとること
ができる。
【0024】さらに、建材の表面に化粧層を形成する製
造方法としては、ガラス粒子体と、上記副原料とを準備
し、該ガラス粒子体を上記副原料に混合して金型に充填
し、該金型に充填した材料の上に、無機顔料を含有した
材料を積層して成形する方法を採ることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以上説明した本発明の構成・作用
を一層明らかにするために、以下本発明の好適な実施例
について説明する。
【0026】図1ないし図3以下の実施例および比較例
の材料の配合割合、および透水係数、曲げ強度の結果を
示す。以下、各実施例の詳細について説明する。
【0027】(比較例A−1比較例A−1 は、廃ガラスカレットを利用するととも
に、その周囲にバインダを配設した例であり、以下の手
順で実施した。 ガラス製品を粉砕した廃ガラスカレ
ットを作製し、この廃ガラスカレットをバインダと混練
した。廃ガラスカレットは、その粒径を2.36〜4m
mに調製し、一方、バインダは、セメント、ワラスト、
フリットを2:1:1の重量比で配合し、これを水で混
練して調製した。このとき、廃ガラスカレットの容積比
を80〜90%に、バインダの容積比を10〜20%の
間で設定した。 続いて金型に混練物を充填して振動
しつつ充填する振動成形を行なった。この振動成形は、
廃ガラスカレットの粒子間の間隙を確保して充填するた
めに行なった。その後、脱型し養生することによりバイ
ンダのセメントを固化させ、さらに約100℃にて乾燥
し、電気炉にて最高温度900℃で20時間焼成した。
【0028】(比較例A−2比較例A−2 は、比較例A−1の廃ガラスカレットより
粒径が1.4〜2.36mmと小さいものを用いた。ま
た、廃ガラスカレットの容積比を70〜80%の間に、
バインダの容積比を20〜30%の間に設定した。バイ
ンダの組成などの他の条件は、比較例A−1と同様とし
た。
【0029】(実施例A−3) 実施例A−3は、廃ガラスカレットと、ガラス製多孔質
軽量粒[株式会社サンライト社製・Gライト:溶融温度
950℃]と、バインダとを材料とした。廃ガラスカレ
ットは、2.36〜4mmの粒径で容積比56%とし、
ガラス製多孔質軽量粒は2.5〜5mmの粒径で容積比
で24%とし、バインダは容積比で20%とした。他の
条件は、比較例A−1と同様とした。
【0030】(実施例A−4) 実施例A−4は、廃ガラスカレットと、ガラス製多孔質
軽量粒と、バインダとを材料とし、ガラスカレットは、
1.0〜2.8mmの粒径で容積比51%とし、ガラス
製軽量粒は1.2〜2.5mmの粒径で容積比19〜2
9%の間とし、バインダは容積比で20〜30%とし
た。
【0031】(実施例A−5) 実施例A−5は、実施例A−4の供試体番号10と比較
して、ガラス製多孔質軽量粒を、2.5〜5mmの粒径
へと大きいものを用いた例であり、他の条件は、実施例
A−4と同一にした。
【0032】(比較例A−6,実施例A−7比較例A−6,実施例A−7 は、タイルなどのガラスを
一部に含んだガラス再生品を破砕した再生ガラスカレッ
トを骨材として、全部または一部用いたものである。こ
こで、再生ガラスカレットは、廃ガラスカレットを50
%以上使用するとともに、残りを粘土、耐火物(アルミ
ナ、ジルコン)などで作製した陶磁器用坏土を使用し
て、任意の大きさ、形状で造粒し、これを乾燥後に焼成
して作製したものである。比較例A−6は、再生ガラス
カレットを80%、85%、90%で単独で調製した例
であり、実施例A−7は、再生ガラスカレットと廃ガラ
スカレットとを混合して調製した例である。
【0033】(比較例A−8比較例A−8 は、ガラス製多孔質軽量粒B[株式会社サ
ンライト社製・Gライト:溶融温度950℃]を単独で
使用するとともに、その容量比を80%、85%、90
%に調製した例である。
【0034】さらに図3に示すように、比較例として、
供試体番号21〜23に示すように廃ガラスカレットに
対して、バインダの容積比を大きくしたものを作製し
た。
【0035】上述した実施例および比較例について曲げ
強度(JIS規格A12187T−1979による試験
法)および透水係数について調べた。ここで、透水係数
は、図4に示す実験装置を用いて、以下の式(1)に基
づいて算出した。図4は実験装置を示す説明図である。
まず、供試体10の厚さと面積を測定し、水漏れ防止の
ために必要に応じて側面をパラフィンなどで処理した後
に、型枠12にセットした。次に、型枠12ごと排水口
14を閉じた水槽16内に静置した。そして、水槽16
内に注水して飽和させた。次に供試体10の上方から静
かに注水して型枠12の上部の越流口18から越流さ
せ、一定の水位を保たせながら排水口14を開いた。越
流量がほぼ一定となるのをまって30秒間に越流する水
量Q(cm3)を測定した。この透水量Q(cm3)か
ら次式を用いて透水係数Kを求めた。 K=[Th×Q]/[WL×S] …(1) Th … 供試体の厚さ(cm) Q … 透水係数(cm/sec) WL … 水頭差(cm) S … 供試体の面積(cm2
【0036】上記比較例〜実施例にかかる供試体1〜2
0も、透水係数が1.0×10-2cm/sec以上であ
り、曲げ強度が30kgf/cm2以上の透水ブロック
の条件を満たすことができた。
【0037】上記比較例A−1から分かるように、ガラ
スカレットの容積比が80%→85%→90%へと増大
するとともに、バインダの容積比が20%→15%→1
0%へ減少するにつれて、透水係数が増大するが、曲げ
強度が反比例して減少している。これは、ガラスカレッ
トの容積比が大きくなると、ガラスカレット1つの粒子
当たりにおけるバインダの厚みが薄くなり、結果として
単位体積当たりのバインダ層を含めたガラスカレットの
粒子の粒子間隙が大きくなって透水性が大きくなり、一
方、単位体積当たりのバインダ層も含めたガラスカレッ
トの粒子の接触面積が減少し、この接触面積の減少にし
たがって曲げ強度が比例して小さくなるからである。な
お、比較例A−2のガラスカレットの粒径が1.4〜
2.36mmと小さいものについても同様な関係がみら
れる。
【0038】このようにガラスカレットの粒径および容
積比として、ガラスカレットの粒径を2.26〜4mm
のものを選択した場合には、容積比を80〜90%とす
ることにより好適な透水係数および曲げ強度を得ること
ができる。また、粒径を1.4〜2.36mmのものを
選択した場合には、容積比を70〜80%とすることに
より、好適な透水係数および曲げ強度を得ることができ
る。
【0039】また、比較例A−1の供試体番号1と比較
例A−1の供試体番号6とを比較して分かるように、ガ
ラスカレットの容積比が80%と同一であるが、ガラス
カレットの粒径が小さい方が透水係数が増大し、逆に曲
げ強度が減少している。これは、以下の理由によると考
えられる。
【0040】すなわち、ガラスカレットの容積比が同じ
であるとすると、ガラスカレットの粒径が小さいほど、
単位体積当たりのガラスカレットの表面積は大きくな
る。そのため、ガラスカレットの粒径が小さいほどガラ
スカレットの1つの粒子当たりのバインダの厚みが薄く
なり、結果として単位体積当たりのバインダ層も含めた
ガラスカレットの粒子の接触面積は減少し、曲げ強度は
減少する。すなわち、曲げ強度を大きくするには、単位
体積当たりのバインダ層も含めたガラスカレットの粒子
の接触面積を増大させるように、ガラスカレットの粒径
を大きくすることが必要である。逆に、ガラスカレット
の粒径が大きいほど単位体積当たりのガラスカレットの
表面積は小さくなる。そのため、ガラスカレットの粒径
が大きいほどガラスカレットの1つの粒子当たりにおけ
るバインダの厚みが厚くなり、結果として、単位体積当
たりのバインダ層を含めたガラスカレットの粒子間の間
隙は減少し、透水係数が低下する。したがって、ガラス
カレットの粒径を変更すると、それに応じて曲げ強度と
透水係数が反比例して変化するから、これを考慮して、
建材の品質を満たすように粒径を設定することができ
る。
【0041】また、実施例A−3、実施例A−4、実施
例A−5では、ガラス製多孔質軽量粒を用いている。す
なわち、骨材として、廃ガラスカレットと併用して軽量
粒を用いても、透水ブロックとしての条件を満たし、さ
らに軽量粒の特長である建材の軽量化を図ることができ
る。また、実施例A−3と実施例A−4の供試体番号1
0とを比較して分かるように、ガラスカレットおよび軽
量粒の粒径を小さいものへと変更することにより、上述
した粒径の大小による曲げ強度および透水係数の関係も
同様に得られることが分かる。
【0042】さらに、実施例A−4の供試体番号10と
実施例A5とを比較すると、軽量粒の粒径が大きくなる
と、透水係数と曲げ強度とが反比例する関係があるが、
これも上述したガラスカレットの粒径を変更した場合と
同じ理由と考えられる。
【0043】(比較例B) 図5に示す比較例Bは、ガラスカレットの粒径を各種変
更した例を示す。図5に示すようにガラスカレットとし
て、粒径の異なる5種類を使用した。そして、供試体番
号1〜5では、同じ粒径のものだけを使用し、供試体番
号6では、3種類の粒径のものを混合して使用した。な
お、バインダは、セメント:ワラスト:フリットを50
%:25%:25%で調製した。この結果、供試体番号
1〜6のすべてについて、曲げ強度で30kgf/cm
2を越え、また透水係数についても1.0×10-2cm
/secを越えて、透水ブロックとしての条件を満足し
たことが分かった。
【0044】(比較例C) 図6に示す比較例Cは、バインダを組成するセメント、
ワラスト、フリットの配合割合を変えた例である。すな
わち、ガラス製多孔質軽量粒の1.2〜2.5mmのも
のを使用し、上記バインダと混合するとともに、電気炉
にて最高温度900℃で焼成した。ここで、供試体番号
1〜13の配合において、曲げ強度が30kgf/cm
2を満たすことが分かった。すなわち、バインダの配合
割合は、それらの比率を重量比で25〜60%、10〜
50%、25〜40%に調製すればよいことが分かっ
た。これは、セメントが保形材、ワラストが骨材、フリ
ットが熔釉材として主に作用し、これらの性質を活かす
ように上記配合比率を定めればよいからである。なお、
透水係数は、バインダの容積比に大きく依存し、1.0
×10-2cm/secの条件を満たすことは明らかであ
ることから、バインダの組成に大きな影響を与える曲げ
強度だけについて調べた。
【0045】(実施例D) 実施例Dは、廃ガラスカレットまたはガラス製多孔質軽
量粒の周りに、コーティング材をコーティングした例で
ある。ここで、コーティング工程は、廃ガラスカレット
またはガラス製多孔質軽量粒に、例えば、ポリビニルア
ルコールの2%溶液を加えて、十分に攪拌し、廃ガラス
カレットまたはガラス製多孔質軽量粒の表面を濡らし、
その中にセラミック原料を20μm以下になるように湿
式粉砕し、乾燥後45μ以下に粉砕したものを振りかけ
て転動させる手段をとることができる。これにより、廃
ガラスカレットおよびガラス製多孔質軽量粒の表面に均
一にコーティング材が付着された調製粒を得た。そし
て、調製粒を型内に充填して乾式成形、加圧成形、振動
成形などで成形し、乾燥後に焼成した。実施例Dでは、
コーティング材として、骨材自体の機械的強度を高める
材料を用いたり、骨材同士を結着させるバインダとして
の作用を加える材料を用いて、建材の曲げ強度や透水係
数などを設定することができる。
【0046】(実施例E) 実施例Eは、骨材として廃ガラスカレットを利用した
物、例えば、ガラス混入坏土で作製したセルベンを用い
るとともに、焼成しないで建材を作製した例である。す
なわち、骨材と、セメントと適量の水で混練して作製し
たモルタルとを混練して、金型内に充填して振動成形を
行ない、その後に養生処理を行なう。なお、養生処理と
しては、建材の仕様に応じて、常温養生、蒸気養生、オ
ートクレーブ養生などを選択することができる。
【0047】(実施例F) 実施例Fは、建材の表面に化粧層を形成した例である。
すなわち、化粧層を構成する材料として、珪砂3号〜4
号、ガラスカレット、セルベンを50〜90%以下で、
バインダを10〜50%含有し、バインダの材料に、セ
メント、ワラスト、フリットを使用するとともに、着色
のために無機顔料を混入する。そして、上述した比較例
A−1に示したようなガラスカレットなどの材料を金型
に充填して下層を振動成形し、さらにその上に化粧層を
構成する材料を充填し、さらに振動成形する。そして、
乾燥、焼成などの工程を経て、化粧層を積層した建材を
形成する。
【0048】なお、この発明は上記実施例に限られるも
のではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の
態様において実施することが可能である。
【0049】(1) 再生ガラスカレットは、廃ガラス
カレットだけで形成するほか、タイルなどの陶磁器を作
製した場合において、廃ガラスカレットを50%以上使
用したときに、その製造の際にできる不良品を用いて、
その不良品を粉砕した材料で形成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例および比較例にかかる建材の組
成、透水係数および曲げ強度の関係を示す説明図であ
る。
【図2】本発明の実施例および比較例にかかる建材の組
成、透水係数および曲げ強度の関係を示す説明図であ
る。
【図3】従来の建材の組成、透水係数および曲げ強度の
関係を示す説明図である。
【図4】透水試験装置を示す概略図である。
【図5】他の比較例にかかる建材の組成、透水係数およ
び曲げ強度の関係を示す説明図である。
【図6】比較例にかかるバインダの組成および曲げ強度
の関係を示す説明図である。
【符号の説明】
10…供試体 12…型枠 14…排水口 16…水槽 18…越流口

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス製品を破砕したガラスカレットま
    たはガラスを一部に含んだガラス再生品を破砕した再生
    ガラスカレットを含むガラス粒子体と、副原料とを含有
    し、該ガラス粒子体を完全に溶融しないでほぼ破砕した
    状態を維持するように分散した建材であって、 上記ガラス粒子体は、第1表面積を有する第1粒子と、
    第1粒子と同じ容積であっても第1表面積より小さい第
    2表面積を有する第2粒子とを含み、上記第1粒子は、
    ガラス製品を破砕したままの粗い粒子であり、上記第2
    粒子は、ガラス粒子体の表面を滑らかに形成した粒子で
    あり、 透水係数が1.0×10-2cm/sec以上の条件を満
    たすように第1および第2粒子の容積比を設定したこと
    を特徴とする建材。
  2. 【請求項2】 ガラス製品を破砕したガラスカレットま
    たはガラスを一部に含んだガラス再生品を破砕した再生
    ガラスカレットを含むガラス粒子体と、副原料とを含有
    し、該ガラス粒子体を完全に溶融しないでほぼ破砕した
    状態を維持するように分散した建材であって、 上記ガラス粒子体は、粒径の異なる第1粒子と第2粒子
    とを含み、上記第1粒子は、ガラス製品を破砕したまま
    の粗い粒子であり、上記第2粒子は、ガラス粒子体の表
    面を滑らかに形成した粒子であり、 透水係数が1.0×10-2cm/sec以上の条件を満
    たすように粒径を設定したことを特徴とする建材。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 上記第1粒子の粒径は、1.0〜4.0mmであり、第
    2粒子の粒径は、1.2〜5.0mmである建材。
  4. 【請求項4】 ガラス製品を破砕したガラスカレットま
    たはガラスを一部に含んだガラス再生品を破砕した再生
    ガラスカレットを含むガラス粒子体と、副原料とを含有
    し、該ガラス粒子体を完全に溶融しないでほぼ破砕した
    状態を維持するように分散した建材であって、 上記ガラス粒子体は、粒径の異なる第1粒子と第2粒子
    とを含み、上記第2粒子は、多孔質粒であり、 透水係数が1.0×10-2cm/sec以上の条件を満
    たすことを特徴とする建材。
  5. 【請求項5】 ガラス製品を破砕したガラスカレットま
    たはガラスを一部に含んだガラス再生品を破砕した再生
    ガラスカレットを含むガラス粒子体と、副原料とを含有
    し、該ガラス粒子体を完全に溶融しないでほぼ破砕した
    状態を維持するように分散した建材であって、 上記副原料は、コランダム、ジルコン、ジルコニウムか
    ら選ばれた耐火材料を少なくとも1つ含有し、 透水係数が1.0×10-2cm/sec以上であること
    を特徴とする建材。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項5において、 上記建材の表面に、該建材を装飾する化粧層を形成した
    建材。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし請求項のいずれかにお
    いて、 曲げ強度が30kgf/cm2以上である建材。
  8. 【請求項8】 基材と、基材の上に請求項1ないし請求
    のいずれかの建材を形成した構造材。
  9. 【請求項9】 請求項において、 上記基材は、陶磁器、セメント、金属の材料を単独でま
    たはこれを組み合わせた材料から形成されている構造
    材。
  10. 【請求項10】 請求項または請求項の構造材を製
    造する方法において、 上記基材の表面に、上記建材の材料をスプレーすること
    により建材を形成した構造材の製造方法。
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