JP3261875B2 - 蛋白質の回収方法 - Google Patents

蛋白質の回収方法

Info

Publication number
JP3261875B2
JP3261875B2 JP16906994A JP16906994A JP3261875B2 JP 3261875 B2 JP3261875 B2 JP 3261875B2 JP 16906994 A JP16906994 A JP 16906994A JP 16906994 A JP16906994 A JP 16906994A JP 3261875 B2 JP3261875 B2 JP 3261875B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
protein
filtrate
stock solution
microfiltration
storage tank
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP16906994A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH089992A (ja
Inventor
幸生 福島
正浩 昆
明雄 田中
真実 伊藤
Original Assignee
日立プラント建設株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=15879757&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP3261875(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by 日立プラント建設株式会社 filed Critical 日立プラント建設株式会社
Priority to JP16906994A priority Critical patent/JP3261875B2/ja
Publication of JPH089992A publication Critical patent/JPH089992A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3261875B2 publication Critical patent/JP3261875B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医薬品、酵素剤、食品
などとして利用される蛋白質をバイオテクノロジーによ
り製造する工程において、膜で目的蛋白質を微生物や動
物などの細胞から分離回収する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年のバイオテクノロジーの発展に伴
い、微生物や動物細胞など(以下、微生物も含めて単に
細胞と記すことがある)を用いた蛋白質の生産が増加し
ている。これらの製造工程のほとんどには、目的蛋白質
を細胞から分離する工程が含まれている。目的蛋白質を
細胞から分離する場合には、細胞を完全に除去できる膜
分離装置が利用されることが多い。
【0003】現在、細胞と蛋白質との分離には、中空糸
形あるいは管形の膜モジュールが使用されている。これ
は、パイプ状の膜の内筒部分に細胞と蛋白質を含む培養
液を加圧して送り、膜の孔径より大きくて膜を透過でき
ない細胞と、膜の孔径より小さくて膜を透過できる蛋白
質とを分離できるようにしたものである。しかしなが
ら、このような膜モジュールを用いた膜分離装置では、
膜からの蛋白質透過率が低いことが欠点である。特開平
5−23194号公報には、孔径0.1μmの精密濾過
装置で微生物から酵素蛋白質を回収する方法が示されて
いるが、膜からの酵素蛋白質透過率は0.7に止まって
いる。したがって、原液を1/5に濃縮しても酵素蛋白
質回収率は、(1)式に示すように0.56と低い値に
なる。 酵素蛋白質回収率=原液の回収率×酵素蛋白質透過率 =(1−1/5)×0.7=0.56 ・・・(1)
【0004】一方、工業的には原液からの蛋白質回収率
を0.9以上にすることが望まれている。このため、精
密濾過装置から蛋白質を回収する場合には、原液に蛋白
質を含まない液を加えて濾過し、徐々に蛋白質を押し出
すようにしている。このとき加える液を加水液と呼ぶこ
とにする。加水液には水道水を使用できない。これは、
水道水で加水すると、原液のイオン強度が低下するた
め、蛋白質が膜と静電気的に吸着したり、他の蛋白質や
溶存物と静電気的に結合し、巨大分子になって膜を透過
しにくくなるためである。このため、通常、加水液には
塩化ナトリウム、塩化カリウムなどの塩類を用いて蛋白
質と他の物質との吸着を防ぎ、膜からの蛋白質透過率が
高くなるようにしている。さらに、蛋白質が沈殿するこ
とを避けるため、pHを調整することもある。
【0005】加水液量は、膜からの蛋白質透過率によっ
て異なるが、原液量を工業的生産規模の50m3 /バッ
チとした場合、50m3 から200m3 の加水液が必要
になる。また、塩類濃度は0.5%から5%にする必要
があるため、1バッチ当たり0.25tから10tの塩
類が必要になる。年間200バッチの生産としても、一
年間に50tから2000tの塩類を使用し、1000
0m3 から40000m3 の塩類を含んだ廃水が排出さ
れることとなる。このため、加水液に用いる塩類のコス
ト及びその廃水処理に要するコストが高いことが重大な
問題になっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
従来技術の欠点を解消し、細胞培養液から低コストで効
率よく蛋白質を回収しうる方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】精密濾過装置の濾液とし
て回収された蛋白質は、通常、限外濾過装置などでさら
に濃縮されて製品になる。この際、培養液中に含まれる
水分や塩類は廃液として排出される。一般に、微生物や
動物細胞の培養液中では目的蛋白質は細胞外に代謝され
ることが多く、また、精密濾過装置での蛋白質の透過率
を高くするために、培養液中には塩類が加えられたり、
pHが調整されていることが多い。したがって、精密濾
過装置後段の濃縮装置からの廃液は、蛋白質が溶解しや
すい状態になっていることが多い。本発明は、この廃液
を再利用することに着目し、精密濾過装置の濾液を限外
濾過装置で濃縮濾過し、蛋白質を溶解しやすい状態にな
っいる濾液を得て、これを精密濾過装置の加水液として
用いるようにしたものである。
【0008】すなわち、本発明による蛋白質の回収方法
は、微生物あるいは動物細胞が浮遊している液体から蛋
白質を分離回収するため、該液体を精密濾過装置を用い
て濾過し、蛋白質を含む濾液を限外濾過装置で濃縮濾過
し、限外濾過装置の濾液を精密濾過装置の原液に返送す
ることを特徴とする。
【0009】また、本発明の方法において、精密濾過装
置と限外濾過装置の流量バランスを保つため、限外濾過
装置の濾液流量を精密濾過液の流量以上になるように、
限外濾過装置の膜面積を設定するのが好ましい。さら
に、限外濾過装置の濾液中には培地に起因する有機物が
多量に含まれているので、雑菌の繁殖を防ぐため、紫外
線で殺菌するのが好ましい。
【0010】
【発明の実施例】次に、図面を参照して本発明を実施例
に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限
定されるものではない。図1は、本発明の一実施例を示
す蛋白質の回収方法の略示系統図である。図1に示した
ように、本発明の方法を実施する装置は、精密濾過装置
1、限外濾過装置2、返送ポンプ3及び紫外線照射装置
4で構成される。精密濾過装置1は、細胞培養液の受槽
である原液貯槽1aと加圧循環ポンプ1bと精密濾過膜
モジュール1cとから成る。また、限外濾過装置2は、
精密濾過装置1の濾液の受槽である原液貯槽2a、加圧
循環ポンプ2b、限外濾過膜モジュール2c及び濾液貯
槽2dから成る。紫外線照射装置4では、殺菌効果があ
る波長245nmの紫外線を照射する。
【0011】図1に示した装置で本発明方法を実施する
場合、蛋白質を含む細胞培養液は、まず、精密濾過装置
1の原液貯槽1aに投入される。次に、加圧循環ポンプ
1bによって精密濾過膜モジュール1cに送られる。こ
こで、一部は精密濾過膜を透過して濾液となり、限外濾
過装置2の原液貯槽2aに回収される。また、一部は濃
縮液として原液貯槽1aに循環される。細胞培養液中の
細胞は、径が大きいため、精密濾過膜で阻止されて濃縮
液中に残る。蛋白質は溶解しているため、精密濾過膜を
透過し、限外濾過装置2に送られる。
【0012】限外濾過装置2の運転は、原液貯槽2aが
所定の液量に達した時点から開始する。具体的には、概
ね、精密濾過装置1で細胞培養液が2/3から1/2に
濃縮され、その濾液が原液貯槽2aに蓄えられた時点で
運転を開始する。なお、細胞培養液の粘度が高く、濃縮
が困難な場合には、原液貯槽1a中の細胞培養液に新た
に加水液を加えてもよい。この場合には、加水の添加量
が、概ね、培養液量の1/3から1/2に達した時点
で、限外濾過装置2の運転を開始する。
【0013】限外濾過装置2では、蛋白質を含む精密濾
過装置1の濾液は、加圧循環ポンプ2bによって、原液
貯槽2aから限外濾過膜モジュール2cに送られる。こ
こで、一部は限外濾過膜を透過して濾液貯槽2dに回収
される。また、一部は濃縮液として、原液貯槽2aに循
環される。原液中の蛋白質は、分子量が大きいため限外
濾過膜を透過できず、原液貯槽2aに循環され、濃縮さ
れる。塩類などの低分子物質は、水分とともに限外濾過
膜を透過し、濾液貯槽2dに送られる。なお、原液貯槽
2a中に濃縮された蛋白質は、クロマトグラフィー等の
次工程に送られる。
【0014】本発明の方法においては、濾液貯槽2d中
に回収された塩類と水分とは、返送ポンプ3で精密濾過
装置の原液貯槽1aに返送される。返送流量は、原液貯
槽1aに設けられたレベルセンサを用いて返送ポンプ3
の回転数を制御し、原液貯槽1aのレベルが所定の値に
維持されるように調節する。また、返送配管の途中に紫
外線照射装置4を設置し、雑菌を殺菌して雑菌によって
原液貯槽1a中の蛋白質が資化されることを防ぐ。
【0015】前記実施例では、回分式手法で蛋白質の回
収を行ったが、同一装置を用いて連続式運転も可能であ
る。また、紫外線照射装置4を返送ポンプ3と原液貯槽
1aの間に設置したが、濾液貯槽2d内に設置してもよ
い。さらに、限外濾過装置2の濾液に新たな塩類を加え
ることによって特に蛋白質の溶解が促進される場合に
は、濾液貯槽2d又は原液貯槽1aに塩類(いわゆるカ
オトロピックイオン)を加えてもよい。
【0016】以上のように、本発明によれば、精密濾過
装置1への加水液に、後段に設置された蛋白質の濃縮装
置である限外濾過装置2の濾液(廃液)を返送して用い
ることによって加水液に必要な塩類の購入コスト及びそ
の処理コストを削減できる。なお、返送ポンプ3、紫外
線照射装置4及び配管を新たに設置する必要があるが、
そのコストは、塩類購入などのコスト削減分によって3
〜6ケ月で回収できる。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、加水液に必要な塩類の
購入コスト及び廃液の処理コストを著しく削減でき、低
コストで蛋白質を効率よく回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施する装置の略示系統図であ
る。
【符号の説明】
1 精密濾過装置 1a 原液貯槽 1c 精密濾過膜モジュール 2 限外濾過装置 2a 原液貯槽 2b 加圧循環ポンプ 2c 限外濾過膜モジュール 2d 濾液貯槽 3 返送ポンプ 4 紫外線照射装置
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−102187(JP,A) 特開 平4−75596(JP,A) 特開 昭61−289889(JP,A) 特開 昭61−257181(JP,A) 特開 昭63−129987(JP,A) 特開 昭63−198940(JP,A) 特開 平4−200390(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12P 21/00 - 21/06 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】微生物あるいは動物細胞が浮遊している原
    液から蛋白質を分離回収する方法において、加水液を加
    えた該原液を精密濾過装置を用いて濃縮するとともに、
    前記蛋白質を濾液側に透過させ、該精密濾過装置からの
    蛋白質を含む濾液を限外濾過装置に送って蛋白質を濃縮
    し、限外濾過装置の濾液を前記加水液として前記精密濾
    過装置の原液に返送することを特徴とする蛋白質の回収
    方法。
  2. 【請求項2】 限外濾過装置の濾液流量が精密濾過装置
    の濾液流量以上となるように、限外濾過装置の膜面積を
    設定する請求項1記載の蛋白質の回収方法。
  3. 【請求項3】 限外濾過装置の濾液に紫外線を照射して
    殺菌した後、精密濾過装置の原液に添加する請求項1又
    は2記載の蛋白質の回収方法。
JP16906994A 1994-06-28 1994-06-28 蛋白質の回収方法 Expired - Fee Related JP3261875B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16906994A JP3261875B2 (ja) 1994-06-28 1994-06-28 蛋白質の回収方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16906994A JP3261875B2 (ja) 1994-06-28 1994-06-28 蛋白質の回収方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH089992A JPH089992A (ja) 1996-01-16
JP3261875B2 true JP3261875B2 (ja) 2002-03-04

Family

ID=15879757

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16906994A Expired - Fee Related JP3261875B2 (ja) 1994-06-28 1994-06-28 蛋白質の回収方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3261875B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005232156A (ja) * 2004-01-21 2005-09-02 Toray Ind Inc 生体成分精製溶液、生体成分分離方法および生体成分分離装置
CN1934129B (zh) * 2004-01-21 2010-07-14 东丽株式会社 分级装置和分级方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH089992A (ja) 1996-01-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Gul et al. Fouling and chemical cleaning of microfiltration membranes: A mini-review
EP1203774B1 (en) Process for removing protein aggregates and virus from a protein solution
CN102428033B (zh) 用于消除水中的生物异源物质的纯化装置和方法
CN104370426B (zh) 一种高温印染废水的处理装置和方法
CN105668896A (zh) 一种纯化水制备系统
AU2016296712B2 (en) Methods of conditioning membranes
DE69908916D1 (de) Verfahren und vorrichtung zur behandlung von abwasser in einem bioreaktor, einer ultrafiltrationseinheit und einer membranfiltrationeinheit
US5116511A (en) Water treatment system and method for operating the same
JP3261875B2 (ja) 蛋白質の回収方法
Tang et al. Membrane fouling alleviation by chemically enhanced backwashing in treating algae-containing surface water: from bench-scale to full-scale application
JP2001009452A (ja) 遊泳プールのプール水処理設備および処理方法
CN207108709U (zh) 一种智能化高效反渗透膜系统
CN211004887U (zh) 一种垃圾焚烧电站生产废水处理系统
CN206244589U (zh) 餐厨垃圾沼液制肥生产系统
JP3353810B2 (ja) 逆浸透法海水淡水化システム
CN205874142U (zh) 反渗透膜水处理系统
JP5245596B2 (ja) 逆浸透膜の性能回復方法および膜分離処理方法
CN204281517U (zh) 一种高温印染废水的处理装置
JP7421496B2 (ja) 排水処理装置及び排水処理方法
CN216890542U (zh) 一种硝酸根离子交换树脂再生废液处理装置
CN111362449B (zh) 银氨溶液活化过硫酸盐去除抗生素抗性基因的方法
JPH032039B2 (ja)
JPH089991A (ja) 蛋白質の回収方法
CN114605007A (zh) 一种处理硝酸根交换树脂再生废液的装置及其方法
JPS6040831B2 (ja) 微生物培養液の処理方法

Legal Events

Date Code Title Description
S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees