JP3261784B2 - 記録再生装置 - Google Patents

記録再生装置

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JP3261784B2
JP3261784B2 JP01725193A JP1725193A JP3261784B2 JP 3261784 B2 JP3261784 B2 JP 3261784B2 JP 01725193 A JP01725193 A JP 01725193A JP 1725193 A JP1725193 A JP 1725193A JP 3261784 B2 JP3261784 B2 JP 3261784B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ディスク状回転記録媒
体上に信号を記録あるいは再生する記録再生装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来の記録再生装置としては、特に例を
挙げて説明するまでもないが、VTRや磁気ディスク装
置、光ディスク装置といったものが一般的である。これ
らの装置は常に小型軽量化や大容量化を追求しており、
そのためには高密度記録技術や精密機構技術の進展が必
要不可欠である。
【0003】一方、新しい高密度記録原理として現在提
案されているものは数多くあるが、その中には探針記
録、すなわちSTM(Scanning Tunneling Microscope
=走査トンネル顕微鏡)等に用いられている微小な探針
をヘッドとして用いる、機械的な走査をともなう方式が
ある。
【0004】例えば Barrettらの論文("Charge storag
e in a nitride-oxide-siliconmedium by scanning cap
acitance microscopy", J. Appl. Phys, Vol.70, No.5,
pp.2725-2733, 1 September 1991)に示されている探針
式の電荷注入記録は、非破壊で高密度な記録再生の可能
性を実証するものである。
【0005】その原理を簡単に説明する。AFM(Atom
ic Force Microscope )のカンチレバー上に設けた導電
性の探針を導電性支持体上の誘電体層(窒化シリコン)
に接触させ、バイアス電圧を印加すると、電荷が誘電体
層にトラップされ情報が記録される。再生は探針と基板
間の静電容量をセンサで検出して行なう。また、逆バイ
アスによる消去ならびに繰り返し記録が可能である。
【0006】記録媒体はボロンを添加した多結晶シリコ
ン基板上に酸化膜と窒化膜を設けたものである。この記
録媒体にタングステン探針を接触させて、−25Vの電
圧を20μ秒印加し、75nmのピットを記録してい
る。記録密度は実に180ビット/μm2 に達してお
り、従来の200倍以上となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高密度
記録技術が進展すればするほど、大容量化だけではなく
装置の小型軽量化も進展させることが可能になるが、従
来の精密機構技術は要素部品の組合せや精度追求と小型
化、効率的な配置と構成といったことによって実現しよ
うとするものであり、記録原理や記録媒体に革新的な進
歩が生まれても、その革新性を十分に引き出せず、記録
再生装置の究極の小型化、高性能化に寄与できないとい
う課題を有していた。
【0008】本発明はかかる点に鑑み、各機構要素が超
小型化や量産性に優れた半導体プロセスにより作製で
き、且つアセンブルという概念から脱却した全く新しい
製造法を伴った記録再生装置を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の記録再生装置
は、ディスク状回転記録媒体及びその駆動手段と、リン
グ部及びこのリング部と一体に設けられ先端にヘッドを
備えたアーム部とからなる薄膜ポジショナと、リング部
の外周に配した複数の固定電極とから構成され、この固
定電極に順次電圧を印加することによってリング部を静
電引力を用いて転動させるとともに、アーム部を圧電薄
膜を積層したバイモルフ構造として歪曲による微小変形
を可能とし、リング部の転動によるアーム部の粗動及び
アーム部自身の歪曲による微動を用いてヘッドをディス
ク状回転記録媒体に対して位置決めし、記録あるいは再
生を行なうことを特徴とする。
【0010】また、本発明の記録再生装置は、上記の構
成に加え、第1の基板にディスク状回転記録媒体及びそ
の駆動手段を設け、第2の基板に薄膜ポジショナ及び固
定電極とを設け、これらの第1及び第2の基板を接合し
てディスク状回転記録媒体と薄膜ポジショナ上のヘッド
とが対向するような構成が好ましい。
【0011】
【作用】請求項1に記載の発明は、可動薄膜をリング部
の転動及びアーム部の微動によってディスク状回転記録
媒体に対して位置決めする。この動作はリング部外周に
配した固定電極への電圧の印加及びアーム部にバイモル
フ状に積層した圧電薄膜によって実現されるため、超小
型化や量産性に優れた半導体プロセスにより作製でき
る。また、転動や歪曲を用いて摺動部を排除した単一の
可動薄膜が存在するだけであり、組み立てや調整が全く
不用な機構要素を提供する。
【0012】請求項7に記載の発明は、第1、第2の基
板にそれぞれの機構要素が製作された状態で接合して装
置が完成するため、アセンブルという概念を脱却した全
く新しい製造法を伴った記録再生装置を提供する。
【0013】
【実施例】以下本発明の実施例について図面を参照しな
がら説明する。
【0014】図1は本発明の一実施例における記録再生
装置の構成を表わす斜視図である。およそ10mm角の
ケーシング1の中には、ボロンを添加した直径7.2m
mの多結晶シリコンで構成されたディスク2が内蔵され
ており、外部には端子3だけが露呈している。全体の厚
みは2mm程度である。これはいわゆるハードディスク
型であるが、もうここにはアセンブルと言う概念は存在
しない。10mmの大きさしかないので組立てや調整は
もともと不可能である。
【0015】従来例で紹介した探針式の電荷注入記録で
あれば、直径7.2mmのディスクに約800Mバイト
が記録できる。しかもヘッドに探針を用いるだけなの
で、その構造もきわめて単純であり、こうした超小型の
ディスクドライブを構成することが可能になる。
【0016】さて、図2にこの記録再生装置の内部構造
を示す。ケーシング1の中は、単結晶シリコンで構成さ
れた上基板4及び下基板14から成っている。これらは
端子3を保持するように互いに接合されており、外側を
ケーシング1で完全に覆われ密閉されている。従って、
内部を任意の状態にしておくことが可能で、真空状態に
保持したり、窒素を充填することもできる。
【0017】上基板4にはディスク2がセンターブシュ
5によって回転可能な状態で保持されている。6は上基
板4上に設けられた圧電薄膜であり、超音波駆動するこ
とによってディスク2を回転させる。ディスク2の表面
2aには酸化膜と窒化膜が形成されており、探針式の電
荷注入記録を可能にしている。また、7、8は上基板4
に作製された制御回路である。
【0018】このディスク2の表面2aに対向して、下
基板14上には複数の薄膜ポジショナ10が設けられて
いるが、構成などについては以下に詳しく説明する。ま
た、9、9aは下基板14に作製された制御回路であ
る。
【0019】図3は薄膜ポジショナ10の構成を表わす
平面図である。図4は図3に示す切断線POQRSに関
する断面図である。また、図5は図3に示す切断線TU
に関する断面図である。
【0020】図に示したように、薄膜ポジショナ10は
導電性を有する薄い板状の部材であり、リング部11と
アーム部12とから構成される。後で詳述するが、薄膜
ポジショナ10はその全体がリング部11において静電
的に回転駆動されるとともに、そのアーム部12がバイ
モルフにより圧電駆動される。
【0021】まずリング部11周辺の構成を説明する。
リング部11の内周には幅が細く同一螺旋形状の3本の
梁13a〜13cが120度間隔で点対称に配置され、
これらは一端を下基板14上に植立したアンカー15に
固定されている。つまり薄膜ポジショナ10は梁13a
〜13cによってアンカー15に弾性支持されることに
なる。
【0022】リング部11外周の下基板14上には、リ
ング部11と僅かな間隙を開けて円周状に9個の電極1
6a〜16i(図4では16eのみ呈示)が設けられて
いる。各電極の内周は16aを除いて全て同一の円弧形
状をしている。ただし各電極は一定のピッチ角では配置
されていない。
【0023】直線OB〜OHは隣接する2つの電極の線
対称となる基準線を表わすが、そのピッチ角である∠A
OB、∠BOC、∠COD、∠DOE、∠EOF、∠F
OG、∠GOHは一定ではない。なお電極16a〜16
iには、従来例と同様に図は省略するが電圧印加手段よ
りそれぞれ配線がなされており、任意に選択して電圧を
印加することができる。
【0024】薄膜ポジショナ10は電極16aと対向す
る部分に凹状の位置規制部26を備えている。また電極
16aもこの位置規制部26と係合し、薄膜ポジショナ
10を案内するような凸形状を有する案内部27を備え
ている。
【0025】さらに電極16a〜16iの内周には絶縁
膜24a〜24i(図4では24eのみ呈示)が設けら
れ、リング部11と直接電気的に接触しないようになっ
ている。またアンカー15と下基板14との間にはリン
グ部11と略同一形状かつ導電性のシールド層21が設
けられ、リング部11との間で常に電気的な導通が得ら
れるようになっている。
【0026】次にアーム部12周辺の構成を説明する。
図3および図5に示したように、アーム部12のほぼ全
面にはこれを上下から挟み込むように薄膜ピエゾ素子1
7および18が設けられている。さらに薄膜ピエゾ素子
17の上には電極19a〜19cが、薄膜ピエゾ素子1
8の下には電極19a、19bとほぼ同一形状の電極2
0a、20bが設けられている。また電極19c上には
円錐状の探針36が構成されている。
【0027】さらにアーム部12と対向して下基板14
上に電極22が設けられている。この電極22上には絶
縁層25が形成され、アーム部12と電極22とが直接
電気的な接触をしないようにしている。また下基板14
の電極20a、20bと対向した部分にはキャビティ2
3が設けられている。
【0028】なお電極19a〜19c、20a〜20
b、22には、図は省略するが電圧印加手段よりそれぞ
れ配線がなされており、任意に選択して電圧を印加する
ことができる。
【0029】図6〜図20は以下に説明する薄膜ポジシ
ョナ10の作製工程(a)〜(o)を示す図である。作
製にはエッチングやリソグラフィなどの一般的な半導体
プロセスが用いられる。以下、工程図にしたがって簡単
に作製方法を説明する。
【0030】(a)図6に示すように、単結晶シリコン
の下基板14の上に、熱成長させた1μm厚の酸化シリ
コン膜およびプラズマCVDで堆積させた1μm厚の窒
化シリコン膜とを重ねることによって絶縁層30を形成
する。
【0031】(b)図7に示すように、絶縁層30の上
にリンを十分に拡散させた0.35μm厚のLPCVD
多結晶シリコン薄膜からなる導電層を形成し、パターン
ニングを行なってシールド層21及び電極22とする。
【0032】(c)図8に示すように、0.1μm厚の
酸化シリコン膜と、プラズマCVDで0.34μm厚の
窒化シリコン膜とを堆積させ、パターンニングを行なっ
て電極22上に絶縁層25を形成する。
【0033】(d)図9に示すように、犠牲層となる
2.2μm厚の酸化シリコン膜32を堆積させる。
【0034】(e)図10に示すように、Alを0.5
μm厚だけ電子ビーム蒸着し、パターンニングを行なっ
て、アーム部12(図示せず)駆動用の電極20aおよ
び20b(図示せず)を形成する。
【0035】(f)図11に示すように、電極20a、
20bの上に、プラズマCVDにより0.2μm厚の窒
化膜と、反応性スパッタリングにより3μm厚の酸化亜
鉛膜と、再び同様に0.2μm厚の窒化膜とを重ねるこ
とによって、薄膜ピエゾ素子18を形成する。そして、
窒化膜にはプラズマエッチングを、酸化亜鉛膜にはウェ
ットエッチングをそれぞれ用いてパターンニングを行な
う。
【0036】(g)図12に示すように、犠牲層である
酸化シリコン膜32に対して、電極固定部33とアンカ
ー固定部34のパターニングを行なう。
【0037】(h)図13に示すように、リンを十分に
拡散させた2.5μm厚のLPCVD多結晶シリコン層
35を堆積させる。
【0038】(i)図14に示すように、多結晶シリコ
ン層35の上に、再びプラズマCVDあるいは反応性ス
パッタリングにより、0.2μm厚の窒化膜と3μm厚
の酸化亜鉛膜と0.2μm厚の窒化膜とを重ねて薄膜ピ
エゾ素子17を形成する。そして、同様にプラズマエッ
チングあるいはウェットエッチングを用いてパターンニ
ングを行なう。
【0039】(j)図15に示すように、0.5μm厚
のAl膜を形成し、パターンニングを行なって、アーム
部12(図示せず)駆動用の電極19a、19b(図示
せず)と、探針36設置用の電極19c(図示せず)と
を形成する。
【0040】(k)図16に示すように、電極19cの
先端に、リフトオフ法によって円錐状の探針36を形成
する。
【0041】(l)図17に示すように、反応性イオン
エッチング(RIE)を用いて、図3および図4に示す
薄膜ポジショナ10、梁13a〜13c、アンカー15
と電極16a〜16i(図示は16eのみ)を形成す
る。このとき、アンカー15および電極16a〜16i
は下基板14上に固定される。マスクにはパターンニン
グされた熱酸化膜を用いるため、この段階で薄膜ポジシ
ョナ10や梁13a〜13c、および電極16a〜16
iの厚みは2.2μm程度になっている。また電極16
a〜16iの内径は、後の工程で形成される絶縁膜24
a〜24i(図示せず)の分だけ大きく設定されてい
る。
【0042】(m)図18に示すように、0.1μmの
高温酸化膜とその上に0.34μm厚の窒化シリコン層
を堆積させ、電極16a〜16i(図示は16eのみ)
の内周に絶縁膜24(図示は24eのみ)を形成するよ
うに、RIEによりパターンニングする。この段階で薄
膜ポジショナ10のリング部11の外径と電極16a〜
16iとのクリアランスが得られる。
【0043】(n)図19に示すように、犠牲層である
酸化シリコン膜32を緩衝フッ酸(HF)で溶解し、薄
膜ポジショナ10と梁13a〜13cとを下基板14か
らリリースする。このとき、ここでは特に詳述しない
が、薄膜ピエゾ素子17、18と絶縁膜24a〜24i
(図示は24eのみ)の周辺をあらかじめ被覆してお
き、緩衝フッ酸による溶解を未然に防止する。
【0044】(o)図20に示すように、最後にアーム
部12直下の下基板14にエッチングによりキャビティ
23を形成することにより、図4に示すような構成が完
成する。
【0045】次に、以上のように構成された薄膜ポジシ
ョナ10の動作を図21〜図24を用いて説明する。
【0046】まず電極16a、16bに同電圧を印加し
励起すると、薄膜ポジショナ10のリング部11はこれ
らの電極に静電気的に吸引され、図21に示すようにO
A方向に絶縁膜24a、24bと接触するまで移動す
る。
【0047】このとき薄膜ポジショナ10の位置規制部
26が電極16aの案内部27と当接し、またリング部
11外周が電極16a、16bと密着することにより、
薄膜ポジショナ10は所定の位置に案内され確実に初期
化される。同時にアーム部12先端に設けた探針36
は、図に示した37aの位置に案内される。
【0048】次に図22に示すように、電極16aの励
起を解除し電極16bおよび16cに電圧を印加する
と、リング部11は新たに励起された2つの電極に静電
気的に吸引され、直線OBに関して対称な位置に転がり
ながら移動する。このときアーム部12先端に設けた探
針36は、図に示した37bの位置に案内される。
【0049】このように励起する電極の組を1電極分だ
け順にずらしていくと、リング部11は励起された2つ
の電極に順次吸引されながら矢印X方向に公転する。し
かし、リング部11は電極16a〜16iに対して転が
り接触しながら移動するため、その外周と電極16a〜
16iの内周との長さの差の分だけ自転することにな
る。そして、その自転方向は公転方向とは逆の矢印Y方
向となる。
【0050】この動作はいわゆるウォブル駆動方式であ
り、公転に対して自転の回転数が非常に小さくなるた
め、減速されたのと同じ効果が得られ、自転に関する回
転トルクがその減速比に比例して大きくなるという特徴
がある。
【0051】そして、図23に示すように、最終的に電
極16h、16iに電圧を印加すると、リング部11は
直線OHに関して対称な位置まで移動する。このときア
ーム部12先端に設けた探針36は、図23に示した3
7hの位置まで案内される。このように、リング部11
の転動運動がアーム部12先端の略直線運動に効率よく
変換される。
【0052】ここで電極16b〜16iが同一円弧形状
であるため、隣接する電極に同じ大きさの電圧を印加す
れば、リング部11はこの2つの電極のほぼ中心に静電
吸引されることになる。したがって、励起する電極の組
を1電極分だけずらすことにより、リング部11をステ
ップ状に回転駆動することができる。
【0053】さらに、隣接する電極のピッチ角を変化さ
せ、リング部11の回転角を適宜変化させることで、ア
ーム部12先端を等ピッチで送ることも可能となる。こ
のようにして、アーム部12先端の電極36を図23に
示す37aから37hに至る位置に等ピッチで案内する
高精度かつ確実な位置決め機構を実現することができ
る。
【0054】なおリング部11は梁13a〜13cによ
りアンカー15に弾性的に支持されているが、梁13a
〜13cが変形することで所定角度分だけ自転すること
ができる。図に示したように、梁13a〜13cの幅を
細くして剛性を下げ、形状を螺旋状として十分に長さを
確保すれば、これらの弾性変形は可能となる。
【0055】この弾性的な付勢力を持つ梁13a〜13
cには、薄膜ポジショナ10を常に安定した状態に保つ
効果が期待できる。すなわち、適度な付勢力による運動
の安定性と各電極16a〜16iへの通電を遮断した場
合の元の位置への復帰動作である。
【0056】しかも、図4に示したように薄膜ポジショ
ナ10と下基板14上のシールド層21との導通が梁1
3a〜13cを通じて確実に得られるため、薄膜ポジシ
ョナ10とシールド層21とが常時同電位に保たれ、信
頼性の高い駆動特性が得られるという利点も生じる。
【0057】リング部11を所定の角度だけ回転させた
状態で、下基板14上の電極22に電圧を印加すると、
図24に示したように、薄膜ポジショナ10は下基板1
4方向に静電的に吸引されこの電極22に吸着する。そ
うすれば電極16a〜16iの励起を解除しても、アー
ム部12の位置は保持され、確実な位置決めを行なうこ
とができる。
【0058】このようにリング部11を所定の角度だけ
回転駆動して薄膜ポジショナ10全体の位置決めを行な
った後、こんどはピエゾバイモルフを用いてアーム部1
2先端の微細な位置決めを行なう。以下に図5および図
24を用いてその動作を説明する。
【0059】アーム部12を接地し、電極19a、19
b、20a、20bに印加する電圧を変化させることに
より、薄膜ピエゾ素子17、18を自由に変形させ、ア
ーム部12先端に設けた電極36の位置決めを行なう。
【0060】例えば薄膜ピエゾ素子17と18にそれぞ
れ反対方向の電界を与えると、アーム部12の上下で薄
膜ピエゾ素子の伸縮状態が異なるため、片持ち梁である
アーム部12は上下方向ににたわむ。したがって、図2
4に示したように、アーム部12先端の探針36を下基
板14に垂直な方向に対して高精度に位置決めすること
ができる。
【0061】また薄膜ピエゾ素子17と18に同方向の
電界を与えると、薄膜ピエゾ素子全体の伸縮状態が同じ
になり、アーム部12はその長手方向に伸縮する。した
がって、探針36を下基板14と平行な矢印LおよびM
方向に対して高精度に位置決めすることもできる。
【0062】さらに図5に示した薄膜ピエゾ素子17と
18の左右でそれぞれ反対方向の電界を与えると、アー
ム部12の左右で薄膜ピエゾ素子の伸縮状態が異なるた
め、アーム部12を左右に変形し、探針36を下基板1
4と平行な矢印VあるいはW方向に対し、さらに微細に
位置決めすることもできる。
【0063】この結果、薄膜ポジショナ10の位置決め
を行なうとともに、薄膜ピエゾ素子17、18による、
探針36の任意の位置への微細な位置決めが可能にな
る。
【0064】最後に、電極16a〜16i、22の励起
を一斉に解除すれば、弾性変形した梁13a〜13cの
復元力により、リング部11は図3に示した初期位置へ
容易に復帰する。
【0065】次に、本実施例の記録再生装置における薄
膜ポジショナの配置とディスクに対するアクセス動作に
ついて図を用いて説明する。図25はディスク2と各薄
膜ポジショナとの位置関係を模式的に示す平面図であ
り、図26は図25中の薄膜ポジショナ40cとその周
辺をさらに部分拡大した平面図である。
【0066】また、ここでは従来例と同じく探針式の電
荷注入記録を用いるものとする。この方式によれば、記
録ピット径は75nmとなり、180bit/μm2
相当する面積記録密度が得られる。例えば、直径7.2
mmのディスクの片面に記録再生を行なうとき、内径D
1(1.6mm)から外径D2(6.72mm)までを
記録可能領域とすれば、記録容量はほぼ800Mバイト
に達する。
【0067】まず先に、本実施例のディスク2上の物理
フォーマットについて簡単に説明する。図25に示すよ
うに、ディスク2は先に述べた記録可能領域内で半径方
向に幅の等しい32本の領域(以下、これらをシリンダ
と呼ぶ)50a〜50zおよび51a〜51fに分割さ
れる。ちなみに各シリンダの幅は80μmである。さら
に各シリンダはディスク2の半径方向に幅10μmの8
本の領域(以下、これらをセクタと呼ぶ)に分割され
る。例えば図26に示すようにシリンダ50mはセクタ
52a〜52hに分割される。さらに各セクタは同方向
に幅の等しい132本のトラック(幅75nm−図示せ
ず)に分割される。
【0068】さて、各々記録再生用の探針36を備えた
薄膜ポジショナ40a〜40f、41a〜41f、42
a〜42e、43a〜43e、44a〜44e、45a
〜45eは、ディスク2の中心から6方向に放射状にそ
れぞれ等ピッチ(480μm)で5個ないしは6個づつ
配列されている。これらはすべて下基板14上に集積化
されている。但し、隣合うブロックの薄膜ポジショナ、
例えば40a〜40fと41a〜41fとはディスク2
中心からの距離が80μmずらして配置してある。つま
り、薄膜ポジショナは40a、41a、42a、43
a、44a、45a、40b、41b・・・の順に、デ
ィスク2の中心から半径方向に80μmづつ遠い位置に
合計32個配置されることとなる。したがって、任意の
薄膜ポジショナを電気的に選択することにより、自動的
に各シリンダへのアクセスを行なうことができる。例え
ば薄膜ポジショナ40cはシリンダ50m内の記録再生
動作に対応している。以下、説明はこの薄膜ポジショナ
40cに関して行なうが、その構成は既に説明した薄膜
ポジショナ10と全く等しいため、各部の名称ならびに
番号は薄膜ポジショナ10に付与したものと同一のもの
を用いて説明する。
【0069】シリンダ50m内の8本のセクタ52a〜
52hに対するアクセスは、薄膜ポジショナ40cのリ
ング部11を、既に説明したとおり静電気的にウォブル
駆動して行なう。図26の点37a〜37hはそのとき
の探針36の位置を示すが、ディスク2の中心O’を通
る直線O’P’にほぼ一致し、且つそれぞれがセクタ5
2a〜52hのほぼ中央に位置している。このときの探
針36の動作ピッチはセクタ幅と同じ10μm、動作範
囲は±35μmである。
【0070】また、各セクタ内の132本のトラックに
対するアクセスは、薄膜ポジショナ40cのアーム部1
2の各電極に所定の電圧を印加し、既に説明したとおり
薄膜ピエゾ素子17、18を自由に変形させ、探針36
を僅かに駆動して行なう。このときの探針36の動作ピ
ッチはトラック幅と同じ75nm、動作範囲は±5μm
である。
【0071】さらに、ディスク表面2aに垂直な方向に
対する探針36のアクセスに関しては、図27に示すよ
うに、薄膜ポジショナ40cのアーム部12を同様な方
法で圧電的に変形させて行なえばよい。
【0072】以上をまとめると、マルチ配列した薄膜ポ
ジショナの中から40cを電気的に選択することによ
り、まずディスク2のシリンダ50mへのアクセスを行
なう。次に、薄膜ポジショナ40cのリング部11の静
電ウォブル運動を粗動として、セクタ52aへの探針3
6のアクセスを行なう。さらに、薄膜ポジショナ40c
のアーム部12を圧電バイモルフにより微細駆動して、
各トラックへのアクセスを行なう。このようにして、各
薄膜ポジショナがその探針36をディスク2上の任意の
場所に精度良く位置決めし、バイアス電圧の印加により
記録あるいは再生を行なう。
【0073】なお、ディスク2の回転駆動方式として
は、セクタごとに角速度を一定にするいわゆるZone
−CAV方式を用いれば、より密度の高い記録を達成す
ることができる。
【0074】このように、本発明によれば、薄膜ポジシ
ョナやヘッドからディスクに至るまでの各機構要素がす
べて超小型化や量産性に優れた半導体プロセスにより作
製でき、且つ従来のアセンブルではなくバッチ製造法を
伴った記録再生装置を提供できるため、飛躍的な超小型
化や高性能化を実現できる。
【0075】また、本発明によれば、ヘッドである探針
を搭載した薄膜ポジショナをマルチに配列しているた
め、アクセス性が極めて高く、時間的に並列な記録や再
生も可能な装置を提供できる。
【0076】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の構成によ
れば、各機構要素が超小型化や量産性に優れた半導体プ
ロセスにより作製でき、且つアセンブルという概念から
脱却した全く新しい製造法を伴った記録再生装置を提供
することができるので、従来とは比較にならない程の超
小型化や高性能化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の記録再生装置の一実施例の構成を示す
斜視図
【図2】同実施例における内部構造説明図
【図3】同実施例に用いる薄膜ポジショナの構成を示す
平面図
【図4】同薄膜ポジショナの断面図
【図5】同薄膜ポジショナの断面図
【図6】同薄膜ポジショナの作製工程図
【図7】同薄膜ポジショナの作製工程図
【図8】同薄膜ポジショナの作製工程図
【図9】同薄膜ポジショナの作製工程図
【図10】同薄膜ポジショナの作製工程図
【図11】同薄膜ポジショナの作製工程図
【図12】同薄膜ポジショナの作製工程図
【図13】同薄膜ポジショナの作製工程図
【図14】同薄膜ポジショナの作製工程図
【図15】同薄膜ポジショナの作製工程図
【図16】同薄膜ポジショナの作製工程図
【図17】同薄膜ポジショナの作製工程図
【図18】同薄膜ポジショナの作製工程図
【図19】同薄膜ポジショナの作製工程図
【図20】同薄膜ポジショナの作製工程図
【図21】同薄膜ポジショナの動作説明図
【図22】同薄膜ポジショナの動作説明図
【図23】同薄膜ポジショナの動作説明図
【図24】同薄膜ポジショナの動作説明図
【図25】本発明の記録再生装置における薄膜ポジショ
ナの配置を示す平面図
【図26】同記録再生装置におけるディスクと薄膜ポジ
ショナとの位置関係を示す平面図
【図27】同記録再生装置におけるディスクと薄膜ポジ
ショナとの位置関係を示す断面図
【符号の説明】
1 ケーシング 2 ディスク 4 上基板 6 圧電薄膜 10 薄膜ポジショナ 11 リング部 12 アーム部 13a〜13c 梁 14 下基板 16a〜16i 電極 17、18 薄膜ピエゾ素子 36 探針 40a〜40f、41a〜41f、42a〜42e、4
3a〜43e、44a〜44e、45a〜45e 薄膜
ポジショナ 50a〜50z、51a〜51f シリンダ 52a〜52h セクタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 21/02 G11B 9/08 G11B 21/10 H02N 11/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ディスク状回転記録媒体及びその駆動手段
    と、リング部と薄膜ピエゾ素子を積層したバイモルフ構
    造を有し、先端にヘッドを備えたアーム部からなる薄膜
    ポジショナと、前記リング部の外周に配された固定電極
    を具備し、前記固定電極に電圧を印加し、前記固定電極
    と前記リング部との静電引力により前記リング部を転動
    し、一方、前記薄膜ピエゾ素子の歪曲により前記アーム
    部を微動し、かつ、前記リング部の転動による前記アー
    ム部の粗動及び前記アーム部自身の歪曲による微動を用
    いて前記ヘッドを前記ディスク状回転記録媒体上に位置
    決めし、記録または再生を行なうことを特徴とする記録
    再生装置。
  2. 【請求項2】リング部の内側に、基板上に点対称の固定
    端を有する同一螺旋形状の複数の梁を備えたことを特徴
    とする請求項1記載の記録再生装置。
  3. 【請求項3】ディスク状回転記録媒体を、導電性支持体
    上に形成した誘電体層によって構成し、この誘電体層に
    導電性のヘッドを用いて局所的に電圧を印加して電荷を
    トラップさせることを特徴とする請求項1記載の記録再
    生装置。
  4. 【請求項4】ディスク状回転記録媒体の半径方向に対し
    等ピッチに複数個の薄膜ポジショナを配置したことを特
    徴とする請求項1記載の記録再生装置。
  5. 【請求項5】ディスク状回転記録媒体及びその駆動手段
    を設けた第1の基板と、薄膜ポジショナ及び固定電極と
    を設けた第2の基板とを接合して前記ディスク状回転記
    録媒体と前記薄膜ポジショナ上のヘッドとが対向する構
    成したことを特徴とする請求項1記載の記録再生装置。
  6. 【請求項6】ディスク状回転記録媒体とその駆動手段と
    を有する第1の基板と、薄膜ポジショナ及び固定電極と
    を有する第2の基板とを減圧状態で密閉したことを特徴
    とする請求項5記載の記録再生装置。
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