JP3259328B2 - 磁界転写装置 - Google Patents

磁界転写装置

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JP3259328B2 JP15051092A JP15051092A JP3259328B2 JP 3259328 B2 JP3259328 B2 JP 3259328B2 JP 15051092 A JP15051092 A JP 15051092A JP 15051092 A JP15051092 A JP 15051092A JP 3259328 B2 JP3259328 B2 JP 3259328B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】磁気テープ上の記録情報を他の磁
気テープに転写する、磁界転写装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の転写装置では転写ドラムの円筒面
にテープを圧着する力によって、その円筒面の変形が問
題になるということはなかった。しかし、円筒の内と外
に磁極をもつバイアスヘッドを使い、磁極間距離をなる
べく短くして強い磁界を得、かつ発熱を少なくするため
に転写ドラムの円筒部をできるだけ薄肉にしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、その場合、テ
ープ圧着力により転写ドラムの変形が大きくなり、圧縮
空気の圧力が下がったり、走行精度が保てなくなるとい
う問題が生じていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】上述した課題等を解決す
るために、本発明の磁界転写装置は、信号記録済みのマ
ザーテープの磁性面部と未記録のコピーテープの磁性面
部を重ねて添わせることにより、この信号記録済みのマ
ザーテープの磁性面部から未記録のコピーテープの磁性
面部に転写し得るようにした領域が形成された状態で走
行させているこれら信号記録済みのマザーテープ及び未
記録のコピーテープのこの重ねて添わせた部分に対接さ
せた状態で、この走行に応じて回転自在に支持されてい
る外面と中空の内面でなり、これら外面と中空の内面と
の間が所定の肉厚を有した非磁性体でなる円筒部を有し
た転写ドラム手段と、この円筒部の内面側に対して、所
定の間隔を保った状態で沿わせて配設された端面部を有
するエアーガイド手段と、この領域部分にこの円筒部の
外面側を対接させた位置において、この領域部分と円筒
部の内面側の間をバイアスヘッドのギャップで挟んだ状
態で交流バイアスを与えるための磁界転写手段と、この
領域部分を前記円筒部の外面側に向かって空気の供給に
より押圧する第1の圧力印加手段と、このエアーガイド
手段側に設けられ、この第1の圧力印加手段によりこの
領域部分が押圧される円筒部の内面側を、この円筒部の
外面側に向かって空気の供給により押圧する第2の圧力
印加手段と、円筒部の内面側とエアーガイド手段の外周
側の端面の間に間隔をおいて形成された間隙の部分と、
エアーガイド手段の外部とに連通した状態で、エアーガ
イド手段に設けられた切り欠き部とを有することを特徴
とする。
【0005】
【作用】本発明の磁界転写装置によれば、転写ドラムの
円筒部に対して、信号記録済みのマザーテープと未記録
のコピーテープが、これら両方のテープの磁性面同士を
合わせて重ねられた領域が形成され、転写ドラムの円筒
部により案内されている状態で、この円筒部の外側から
空気などを介して圧力をかけてこの両方のテープの磁性
面同士を圧接させ、この領域に対してバイアス磁界をか
けて、信号記録済みのマザーテープから未記録のコピー
テープにこの記録済みの信号を転写させる際に、この円
筒部の内側から空気などにより圧力をかけるようにし、
さらにこの円筒部に対してその外側から圧力がかけられ
ていない部分には、この円筒部の内側からの圧力がかか
らないようにするために、この円筒部の内側に設けたエ
アーガイドの所定位置にこの圧力を逃すための切り欠き
を設けたので、この円筒部の変形を少なくでき、この変
形を少なくできた分に応じてこの円筒部の肉厚を薄くす
ることが可能になり、その結果バイアス磁界を生成する
磁気ヘッドのギャップ長の短縮が図れ、このギャップ部
でのロスの削減を図ることができる。
【0006】
【実施例】本発明はバイアスヘッドのギャップを狭めバ
イアス磁界の発生を容易にするため、ギャップ中の転写
ドラムの円筒部の変形を少なくし肉厚をできるだけ薄く
できるように、テープ圧着のための圧力を相殺するよう
な圧力を発生させる部分を設けた磁界転写装置の転写部
に関するものである。
【0007】本発明を適用するテープ走行方式による磁
界転写装置の一例の概要を、図1を参照して説明する。
図1に示されるごとく、信号記録済みのマザーテープ1
と未記録のコピーテープ2とが、磁性面同士を合わせら
れた状態で重ねられた領域が形成され、転写ドラム3の
円筒部3Aの外面側により案内され、このように案内さ
れているこの領域において、これらマザーテープ1とコ
ピーテープ2の間のスペーシングが少なくなるように、
圧縮空気(A)13による圧着力によってこれら両テー
プをこの外面側上で圧接させるとともに、この円筒部の
内面側から圧縮空気(B)14により圧力をかけるよう
にし、さらにこの円筒部の外面側から圧力がかけられて
いない部分には、この円筒部の内面側にこの圧力がかか
らないようにした状態で、この圧接させて形成された記
録領域に、このコア4、5およびコイル6によって構成
するバイアスヘッドで、交流バイアス磁界を掛けなが
ら、矢印17の方向にテープ1及び2を高速走行させ、
マザーテープの信号をコピーテープに転写するものであ
る。
【0008】バイアス磁界の方向は用いるテープによっ
て適する方向があるが、図1は磁極を転写ドラム円筒を
挟むように構成して、テープの厚み方向近くにかけるタ
イプである。図1において、バイアスヘッドのギャップ
中に発生する磁界は、大略としてコイルの巻数Nとコイ
ル電流iに比例し、ギャップ長gに反比例するが、コイ
ル巻数とコイル電流はできるだけ少なく、ギャップ長は
できるだけ小さくするのが発熱を抑えることやコンパク
ト化のために望ましい。
【0009】そこで、ギャップ長を小さくしようとした
場合、転写ドラムの円筒部の厚みを薄くしなければなら
ない。しかし、それが薄くなるとテープ圧着力13によ
る円筒面の変形が大きくなり、両テープの幅方向のずれ
が大きくなったり圧縮空気の漏れが多くなり圧力が低下
したりして、安定な走行が保証できなくなる。本発明は
その対策として、転写ドラム円筒内部からも空気圧をか
けて、圧力を調整することにより、転写ドラムの変形を
少なくするためのものであり、以下に具体例を述べる。
【0010】図2は本発明による磁界転写装置の構成の
一例を示す見取図で、転写ドラム3とエアーガイド蓋7
及びエアーガイド蓋(B)9は透視してある。また図2
でX−X方向から見た断面を図3に、Y−Y方向から見
た断面を図4に示す。なお図2〜4において番号は共通
である。転写ドラム3の円筒部3Aの外面側に信号記録
済みのマザーテープ1と未記録のコピーテープ2を磁性
面同士で重ねてそわせ、エアーガイド(A)8に圧縮空
気(A)13を送って両テープ1及び2を密着させる。
そしてこれら両テープ1及び2がこのように密着されて
形成された記録領域に転写ドラム3の円筒部3Aを間隔
をおいて挟んで対向させたコア4、5及びコイル6から
なるバイアスヘッドを置き、このコイル6にバイアス電
流を供給して、円筒部3Aを挟んでこの領域にコア4、
5を対向させた部分に形成されたギャップ5Aにバイア
ス磁界を発生させて、テープを矢印17の方向に走行さ
せながらマザーテープ1に記録された信号をコピーテー
プに転写する。
【0011】このとき圧縮空気(A)13の圧力により
転写ドラム3の円筒部3Aが歪むのを防ぐため、この円
筒部3Aの内面側にエアーガイド(B)10を置き、こ
れら円筒部3Aの内面側とエアーガイド(B)10の間
に、図3に示されているごとく形成された間隙に対して
圧縮空気(B)14を送る。これら圧縮空気(A)1
3、(B)14は図5のように夫々独立して圧力を調整
するために減圧弁22、24を通して送り、転写ドラム
3の円筒部3Aの歪みが最も大きくでる中心線X−Xに
おける転写ドラム3の円筒部3A上の点Pの変位を測定
しながら空気圧を掛ける前に対する空気圧を掛けたとき
の変位が最小になるようにこれらどちらかの減圧弁で圧
力を調整できるようになっている。
【0012】エアーガイド(B)10の外周側の端面1
0Cを、転写ドラム3の円筒部3Aの内面側と0.00
5〜0.030mm程度の間隔をおいたこの円筒部3A
と同心円として、清掃時などこの転写ドラム3の外面側
を強く抑えたりして、脆い材質でできたこの転写ドラム
3を破損しないようにしている。またこのエアーガイド
(B)10は、転写ドラム3の回転軸を支える軸受け1
8のハウジングを兼ねていて、この転写ドラム3の円筒
部3Aの内面側とエアーガイド(B)10の外周側の端
面10Cとの間の位置出しをしやすくしている。さらに
また図2に示したごとく、このエアーガイド(B)10
の切り欠き部15、15が、円筒部3Aの内面側とエア
ーガイド(B)10の外周側の端面10Cの間に間隔を
おいて形成された間隙の部分と、このエアーガイド
(B)10の外部とに連通した状態で、このエアーガイ
ド(B)10に設けられている。そしてこの隙間の部分
の圧縮空気をこの欠き部15、15から外に逃がすよう
にして、エアーガイド(A)8側から円筒部3Aの外面
側に対して空気圧力がかからない部分においては、転写
ドラム3の円筒部3Aの内面側に空気圧力がかからない
ようになされ、この円筒部3Aに歪みが生じ難いように
している。図5はエアーガイド(A)8及び(B)10
の夫々に送る圧縮空気の圧力を調整するための圧力調整
部の要部の構成の一例を示した図で、この圧力調整部は
圧縮空気源19、フィルタ20、方向制御弁21、減圧
弁22、24、及び圧力計23、25で図5に示された
ごとく配管されて構成されている。
【0013】本発明による磁界転写装置の一例を以上の
ような構成とすることにより、一例として転写ドラム3
の外径を50mm、転写ドラム3とエアーガイド(A)
8及び(B)10の夫々との間に形成された間隙eを
0.02mm、これらエアーガイド(A)8及び(B)
10の夫々の入り口の空気圧力を500KPa(キロパ
スカル)程度、転写ドラム3の円筒部3Aの肉厚tを
0.5mmとしたとき、図4に示したP点の歪みを、
0.002mm程度と問題ない歪み範囲内に抑えること
ができた。一方図1〜4に示した構成において、エアー
ガイド(B)10を無くして円筒部3Aの内側に圧力を
かけない状態で、この程度の歪みの範囲内に止めようと
した場合には、この転写ドラム3の円筒部3Aの肉厚t
は2mm程度必要となる。よって本例によれば、このエ
アーガイド(B)10を無くして円筒部3Aの内側に圧
力をかけない状態に比較して、この肉厚tを1/4程度
薄くできたことになる。したがってこの肉厚tをこのよ
うに薄くできたことに応じて、このバイアスヘッドのギ
ャップ5Aのギャップ長を短縮できて、コンパクトで発
熱の少ないバイアスヘッドが実現できる。
【0014】
【発明の効果】テープ圧着力による転写ドラムの円筒部
の変形を十分小さくでき、この円筒部の肉厚を加工限度
程度まで薄くすることができた。この円筒部をこのよう
に薄くすることが可能になったことにより、バイアスヘ
ッドのギャップ長を狭くすることができ、少ない起磁力
で必要なバイアス磁界を得ることができる。よってこの
バイアスヘッドの発熱を少なくすることやコイルの小型
化が可能になる。
【0015】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による磁界転写装置が適用される転写ド
ラムの斜視図。
【図2】本発明による磁界転写装置の斜視図。
【図3】本発明による磁界転写装置の断面図。
【図4】本発明による磁界転写装置の断面図。
【図5】本発明による圧縮空気を調整するための回路構
成図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 窪寺 寿光 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソ ニー株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−88921(JP,A) 特開 平1−158623(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 5/86

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 信号記録済みのマザーテープの磁性面部
    と未記録のコピーテープの磁性面部を重ねて添わせるこ
    とにより、前記信号記録済みのマザーテープの磁性面部
    から前記未記録のコピーテープの磁性面部に転写し得る
    ようにした領域が形成された状態で走行させている前記
    信号記録済みのマザーテープ及び未記録のコピーテープ
    の前記重ねて添わせた部分に対接させた状態で、当該走
    行に応じて回転自在に支持されている外面と中空の内面
    でなり、これら外面と中空の内面との間が所定の肉厚を
    有した非磁性体でなる円筒部を有した転写ドラム手段
    と、 前記円筒部の内面側に対して、所定の間隔を保った状態
    で沿わせて配設された端面部を有するエアーガイド手段
    と、 前記領域部分に前記円筒部の外面側が対接された位置に
    おいて、前記領域部分と前記円筒部の内面側の間をバイ
    アスヘッドのギャップで挟んた状態で交流バイアスを与
    えるための磁界転写手段と、 前記領域部分を前記円筒部の外面側に向かって空気の供
    給により押圧する第1の圧力印加手段と、 前記エアーガイド手段側に設けられ、前記第1の圧力印
    加手段により前記領域部分が押圧される前記円筒部の内
    面側を、前記円筒部の外面側に向かって空気の供給によ
    押圧する第2の圧力印加手段と、前記円筒部の内面側と前記エアーガイド手段の外周側の
    端面の間に間隔をおいて形成された間隙の部分と、前記
    エアーガイド手段の外部とに連通した状態で、前記エア
    ーガイド手段に設けられた切り欠き部と を有することを
    特徴とする磁界転写装置。
  2. 【請求項2】 前記請求項1に記載の磁界転写装置であ
    って、前記第1の圧力印加手段及び前記第2の圧力印加
    手段が圧力可変手段を有することを特徴とする磁界転写
    装置。
  3. 【請求項3】 前記請求項1に記載の磁界転写装置であ
    って、前記非磁性体がセラミックまたはガラス材料であ
    ることを特徴とする磁界転写装置。
  4. 【請求項4】 前記請求項1に記載の磁界転写装置であ
    って、前記エアーガイド手段が、前記転写ドラム手段の
    円筒部の回転軸を支える軸受けのハウジングを兼ねた構
    造としたことを特徴とする磁界転写装置。
  5. 【請求項5】 前記請求項1に記載の磁界転写装置であ
    って、前記円筒部の内面側と前記エアーガイド手段の間
    の間隔は、0.005〜0.03mmであることを特徴
    とする磁界転写装置。
  6. 【請求項6】 前記請求項1に記載の磁界転写装置であ
    って、前記第1の圧力印加手段から前記円筒部の前記外
    面側に向かって押圧による力がかからない部分において
    は、前記円筒部の内面側に対し前記第2の圧力印加手段
    によって押圧される前記円筒部の内面側に対して、所定
    の間隔を保った状態で沿わせて配設された端面部を有す
    る前記エアーガイド手段の前記端面部に設けた前記第2
    の圧力印加手段の両側における前記端面部の所定の位置
    の夫々に、この押圧による圧力を逃がすための切り欠き
    を設けたことを特徴とする磁界転写装置。
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