JP3258383B2 - 増幅回路 - Google Patents
増幅回路Info
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- JP3258383B2 JP3258383B2 JP20063792A JP20063792A JP3258383B2 JP 3258383 B2 JP3258383 B2 JP 3258383B2 JP 20063792 A JP20063792 A JP 20063792A JP 20063792 A JP20063792 A JP 20063792A JP 3258383 B2 JP3258383 B2 JP 3258383B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電源の投入又は遮断に
起因するショックノイズを抑制すべき音声増幅器等に用
いられる増幅回路に関する。
起因するショックノイズを抑制すべき音声増幅器等に用
いられる増幅回路に関する。
【0002】
【従来の技術】VTRの音声系統やCDプレーヤ等に
は、高忠実度増幅を行う増幅回路が用いられている。そ
して、この種の増幅回路では、耳障りなショックノイズ
を抑制するために種々の対策が施されている。
は、高忠実度増幅を行う増幅回路が用いられている。そ
して、この種の増幅回路では、耳障りなショックノイズ
を抑制するために種々の対策が施されている。
【0003】このショックノイズの防止対策には、増幅
系統の出力端にミューティングスイッチ回路を設置して
出力の発生を阻止する方法、増幅系統自体をショックノ
イズが発生しない構成にする方法等がある。
系統の出力端にミューティングスイッチ回路を設置して
出力の発生を阻止する方法、増幅系統自体をショックノ
イズが発生しない構成にする方法等がある。
【0004】即ち、図6は、出力系統の出力端にミュー
ティングスイッチ回路を設置する方法として、電源の投
入、遮断に伴うショックノイズを防止する対策の一つを
示している。増幅系統の出力段には増幅器2が設置され
ており、この増幅器2の出力は抵抗4を通して出力端子
6から取り出すことができる。そこで、この増幅器2で
は、出力部を接地して信号発生を阻止する手段としてト
ランジスタ8が設置されており、このトランジスタ8の
ベースにミューティング動作期間を設定するミューティ
ング制御信号を加えて、ショックノイズを回避する時間
だけトランジスタ8を導通させる。
ティングスイッチ回路を設置する方法として、電源の投
入、遮断に伴うショックノイズを防止する対策の一つを
示している。増幅系統の出力段には増幅器2が設置され
ており、この増幅器2の出力は抵抗4を通して出力端子
6から取り出すことができる。そこで、この増幅器2で
は、出力部を接地して信号発生を阻止する手段としてト
ランジスタ8が設置されており、このトランジスタ8の
ベースにミューティング動作期間を設定するミューティ
ング制御信号を加えて、ショックノイズを回避する時間
だけトランジスタ8を導通させる。
【0005】次に、図7及び図8は、増幅回路自体に施
すショックノイズの抑制対策を示している。この増幅回
路では、種々の条件下での安定性を考え、高域で適正な
位相利得余裕を確保するため、容量の付加によって高域
補正を行っている。
すショックノイズの抑制対策を示している。この増幅回
路では、種々の条件下での安定性を考え、高域で適正な
位相利得余裕を確保するため、容量の付加によって高域
補正を行っている。
【0006】即ち、図7に示す増幅回路では、差動増幅
器10が設置されており、この差動増幅器10には動作
電流として定電流IO を流すための定電流源12が設置
されている。差動増幅器10の出力を取り出すためにト
ランジスタ14が設置され、このトランジスタ14には
動作電流として定電流IO ´を流す定電流源16が直列
に接続され、増幅出力はトランジスタ14と定電流源1
6の接続点から取り出されるとともに、差動増幅器10
の反転入力側に帰還されている。そして、トランジスタ
14のベースとバイアス電源との間には位相補正用のキ
ャパシタ18及び抵抗20の直列回路からなる高域補償
用の時定数回路が挿入され、この時定数回路を通してバ
イアス電圧VB が加えられている。
器10が設置されており、この差動増幅器10には動作
電流として定電流IO を流すための定電流源12が設置
されている。差動増幅器10の出力を取り出すためにト
ランジスタ14が設置され、このトランジスタ14には
動作電流として定電流IO ´を流す定電流源16が直列
に接続され、増幅出力はトランジスタ14と定電流源1
6の接続点から取り出されるとともに、差動増幅器10
の反転入力側に帰還されている。そして、トランジスタ
14のベースとバイアス電源との間には位相補正用のキ
ャパシタ18及び抵抗20の直列回路からなる高域補償
用の時定数回路が挿入され、この時定数回路を通してバ
イアス電圧VB が加えられている。
【0007】また、図8に示す増幅回路では、前段側に
図7に示した増幅回路と同一構成の差動増幅器10が設
置されており、この差動増幅器10の出力側にはドライ
ブ回路22を介して出力回路24が設置されている。即
ち、差動増幅器10の出力はトランジスタ26、28の
ベースに加えられ、ドライブ回路22を通して出力回路
24のトランジスタ30、32のベースに入力されるよ
うになっている。そして、トランジスタ26、28のベ
ースとバイアス電源との間には位相補正用のキャパシタ
34が接続され、このキャパシタ34を通してトランジ
スタ26、28のベースにバイアス電圧VB が加えられ
ている。また、トランジスタ26には、動作電流として
定電流IO ´を流すための定電流源36が接続されてい
る。
図7に示した増幅回路と同一構成の差動増幅器10が設
置されており、この差動増幅器10の出力側にはドライ
ブ回路22を介して出力回路24が設置されている。即
ち、差動増幅器10の出力はトランジスタ26、28の
ベースに加えられ、ドライブ回路22を通して出力回路
24のトランジスタ30、32のベースに入力されるよ
うになっている。そして、トランジスタ26、28のベ
ースとバイアス電源との間には位相補正用のキャパシタ
34が接続され、このキャパシタ34を通してトランジ
スタ26、28のベースにバイアス電圧VB が加えられ
ている。また、トランジスタ26には、動作電流として
定電流IO ´を流すための定電流源36が接続されてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
増幅回路において、電源の投入時の動作を考えると、回
路の安定動作の都合上、定電流IO 、IO ´で与えられ
る動作電流は、電源投入から遅れて流れ始める。このよ
うな動作に応じてキャパシタ18、34は安定動作に移
行する過程で充電が行われているが、キャパシタ18、
34の一端はバイアス電圧点(又は接地点)に接続され
ているため、キャパシタ18、34の充電時定数に応じ
たパルス性のノイズを発生する。ここで、キャパシタ1
8、34の充電時定数は、定電流IO とキャパシタ1
8、34の持つ容量Cで決定される。この場合、バイア
ス電圧VB は、単電源では電源電圧VCC、両電源では接
地電位に設定される。
増幅回路において、電源の投入時の動作を考えると、回
路の安定動作の都合上、定電流IO 、IO ´で与えられ
る動作電流は、電源投入から遅れて流れ始める。このよ
うな動作に応じてキャパシタ18、34は安定動作に移
行する過程で充電が行われているが、キャパシタ18、
34の一端はバイアス電圧点(又は接地点)に接続され
ているため、キャパシタ18、34の充電時定数に応じ
たパルス性のノイズを発生する。ここで、キャパシタ1
8、34の充電時定数は、定電流IO とキャパシタ1
8、34の持つ容量Cで決定される。この場合、バイア
ス電圧VB は、単電源では電源電圧VCC、両電源では接
地電位に設定される。
【0009】そして、このキャパシタ18、34による
ノイズ発生のメカニズムは、定電流IO 、IO ´が流れ
始めるとき、トランジスタ14又はトランジスタ26の
ベース電圧はバイアス電圧VB より立ち上がり、一方、
定電流IO ´は瞬時に流れるため、出力VO は、図9に
示すように、VB −VF (トランジスタ14又は26の
ベース・エミッタ間電圧)より立ち上がり、定常状態で
バイアス電圧VB に落ち着くことになる。
ノイズ発生のメカニズムは、定電流IO 、IO ´が流れ
始めるとき、トランジスタ14又はトランジスタ26の
ベース電圧はバイアス電圧VB より立ち上がり、一方、
定電流IO ´は瞬時に流れるため、出力VO は、図9に
示すように、VB −VF (トランジスタ14又は26の
ベース・エミッタ間電圧)より立ち上がり、定常状態で
バイアス電圧VB に落ち着くことになる。
【0010】そこで、本発明は、ミューティングスイッ
チ等の外部的回路を用いることなく、しかも、簡単な回
路構成を以て、位相補正用のキャパシタ等による電源投
入に起因するパルス性ノイズを抑制した増幅回路を提供
することを目的とする。
チ等の外部的回路を用いることなく、しかも、簡単な回
路構成を以て、位相補正用のキャパシタ等による電源投
入に起因するパルス性ノイズを抑制した増幅回路を提供
することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の増幅回路は、エ
ミッタを共通にした一対のトランジスタからなる差動対
(トランジスタ421、422)と、この差動対の一方
のトランジスタ(421)のベースに一定のバイアス電
圧を設定するバイアス電源(V B )と、このバイアス電
源と電源ライン(46)との間に前記バイアス電源側に
ダイオード(52)を介して接続されて定電流を前記バ
イアス電源側に流す定電流源(44C)と、この定電流
源とダイオードの接続点と前記差動対の他方の前記トラ
ンジスタ(422)のコレクタ側との間に接続されたキ
ャパシタ(54)とを備えた増幅回路であって、前記電
源ラインを通じて電源電圧の変動に応じて前記定電流源
の前記定電流を制御する電流制御手段(電流制限回路5
6)を設置し、前記キャパシタの前記バイアス電源側の
端子電位を前記電源電圧に応じて変動させることを特徴
とする。
ミッタを共通にした一対のトランジスタからなる差動対
(トランジスタ421、422)と、この差動対の一方
のトランジスタ(421)のベースに一定のバイアス電
圧を設定するバイアス電源(V B )と、このバイアス電
源と電源ライン(46)との間に前記バイアス電源側に
ダイオード(52)を介して接続されて定電流を前記バ
イアス電源側に流す定電流源(44C)と、この定電流
源とダイオードの接続点と前記差動対の他方の前記トラ
ンジスタ(422)のコレクタ側との間に接続されたキ
ャパシタ(54)とを備えた増幅回路であって、前記電
源ラインを通じて電源電圧の変動に応じて前記定電流源
の前記定電流を制御する電流制御手段(電流制限回路5
6)を設置し、前記キャパシタの前記バイアス電源側の
端子電位を前記電源電圧に応じて変動させることを特徴
とする。
【0012】また、本発明の増幅回路は、エミッタを共
通にした一対のトランジスタからなる差動対(トランジ
スタ608、610)と、この差動対の各トランジスタ
に定電流を流す第1の定電流源(トランジスタ68A)
と、前記差動対の一方のトランジスタ(608)のベー
スに一定のバイアス電圧を設定する抵抗(613)と、
前記差動対の他方のトランジスタ(610)のコレクタ
から出力を取り出す出力トランジスタ(654)と、こ
の出力トランジスタのコレクタ側に定電流を流す第2の
定電流源(カレントミラー回路657)と、前記出力ト
ランジスタのベース側に電流を流す電流源(カレントミ
ラー回路655)と、前記差動対の他方のトランジスタ
のコレクタと正側電源ライン(611)又は負側電源ラ
イン(619)との間に抵抗(625及び621又は6
24)を介して接続されたキャパシタ(622又は62
3)とを備えた増幅回路であって、正側電源ライン(6
11)に接続されて電源投入から電源電圧が適正な電圧
値に達するまでの間、前記第1の定電流源及び前記第2
の定電流源の前記定電流の発生を制限するトランジスタ
(642、744)を設置し、前記電源投入から電源電
圧が適正な電圧値に達するまでの間、前記キャパシタの
非電源側端子電位の変動を制限させたことを特徴とす
る。
通にした一対のトランジスタからなる差動対(トランジ
スタ608、610)と、この差動対の各トランジスタ
に定電流を流す第1の定電流源(トランジスタ68A)
と、前記差動対の一方のトランジスタ(608)のベー
スに一定のバイアス電圧を設定する抵抗(613)と、
前記差動対の他方のトランジスタ(610)のコレクタ
から出力を取り出す出力トランジスタ(654)と、こ
の出力トランジスタのコレクタ側に定電流を流す第2の
定電流源(カレントミラー回路657)と、前記出力ト
ランジスタのベース側に電流を流す電流源(カレントミ
ラー回路655)と、前記差動対の他方のトランジスタ
のコレクタと正側電源ライン(611)又は負側電源ラ
イン(619)との間に抵抗(625及び621又は6
24)を介して接続されたキャパシタ(622又は62
3)とを備えた増幅回路であって、正側電源ライン(6
11)に接続されて電源投入から電源電圧が適正な電圧
値に達するまでの間、前記第1の定電流源及び前記第2
の定電流源の前記定電流の発生を制限するトランジスタ
(642、744)を設置し、前記電源投入から電源電
圧が適正な電圧値に達するまでの間、前記キャパシタの
非電源側端子電位の変動を制限させたことを特徴とす
る。
【0013】また、本発明の増幅回路において、前記第
1の定電流源及び前記第2の定電流源はトランジスタ
(トランジスタ68A、カレントミラー回路657)で
構成されるとともに、各トランジスタのベースに、電源
投入から電源電圧が適正な電圧値に達した後、定電流を
供給し、電源投入から電源電圧が適正な電圧値に達した
後、前記第1の定電流源及び前記第2の定電流源を同時
に動作させることを特徴とする。
1の定電流源及び前記第2の定電流源はトランジスタ
(トランジスタ68A、カレントミラー回路657)で
構成されるとともに、各トランジスタのベースに、電源
投入から電源電圧が適正な電圧値に達した後、定電流を
供給し、電源投入から電源電圧が適正な電圧値に達した
後、前記第1の定電流源及び前記第2の定電流源を同時
に動作させることを特徴とする。
【0014】
【作用】本発明の増幅回路は、差動対の一方のトランジ
スタのベースに接続されるバイアス電源側にダイオード
を介して接続された定電流源と、差動対の他方のトラン
ジスタのコレクタ側との間にキャパシタが設置された増
幅回路において、電源投入時、前記キャパシタのバイア
ス電源側の端子電位を電源電圧の電位変動に応じて制御
するので、電源投入時、前記キャパシタの急激なチャー
ジが抑えられ、パルス性ノイズの発生を防止できる。
スタのベースに接続されるバイアス電源側にダイオード
を介して接続された定電流源と、差動対の他方のトラン
ジスタのコレクタ側との間にキャパシタが設置された増
幅回路において、電源投入時、前記キャパシタのバイア
ス電源側の端子電位を電源電圧の電位変動に応じて制御
するので、電源投入時、前記キャパシタの急激なチャー
ジが抑えられ、パルス性ノイズの発生を防止できる。
【0015】また、本発明は、差動対の各トランジスタ
に定電流を流す第1の定電流源、差動対から出力を取り
出す出力トランジスタのコレクタ側に定電流を流す第2
の定電流源、出力トランジスタのベース側に電流を流す
電流源とともに、差動対の他方のトランジスタのコレク
タと正側電源ライン又は負側電源ラインとの間に抵抗を
介して接続されたキャパシタを備えるとともに、電源投
入から電源電圧が適正な電圧値に達するまでの間、第1
及び第2の定電流源の定電流の発生を制限するトランジ
スタを備えたので、電源の投入から電源電圧が適正な電
圧値に達するまでの間、キャパシタの非電源側端子電位
の変動が制限される結果、電源の投入時、パルス性ノイ
ズの発生を抑制できる。
に定電流を流す第1の定電流源、差動対から出力を取り
出す出力トランジスタのコレクタ側に定電流を流す第2
の定電流源、出力トランジスタのベース側に電流を流す
電流源とともに、差動対の他方のトランジスタのコレク
タと正側電源ライン又は負側電源ラインとの間に抵抗を
介して接続されたキャパシタを備えるとともに、電源投
入から電源電圧が適正な電圧値に達するまでの間、第1
及び第2の定電流源の定電流の発生を制限するトランジ
スタを備えたので、電源の投入から電源電圧が適正な電
圧値に達するまでの間、キャパシタの非電源側端子電位
の変動が制限される結果、電源の投入時、パルス性ノイ
ズの発生を抑制できる。
【0016】また、本発明は、前記第1及び第2の定電
流源をトランジスタで構成し、各トランジスタのベース
に、電源の投入から電源電圧が適正な電圧値に達した
後、定電流を供給するので、電源の投入から電源電圧が
適正な電圧値に達するまでの間、各定電流源の動作が制
限され、その結果、キャパシタの非電源側端子電位の変
動が制限されるので、パルス性ノイズの発生を抑制でき
る。
流源をトランジスタで構成し、各トランジスタのベース
に、電源の投入から電源電圧が適正な電圧値に達した
後、定電流を供給するので、電源の投入から電源電圧が
適正な電圧値に達するまでの間、各定電流源の動作が制
限され、その結果、キャパシタの非電源側端子電位の変
動が制限されるので、パルス性ノイズの発生を抑制でき
る。
【0017】
【実施例】以下、本発明の増幅回路を図面に示した実施
例を参照して説明する。
例を参照して説明する。
【0018】図1は、本発明の増幅回路の第1実施例を
示している。この増幅回路は、単一電源で駆動される回
路であって、入力端子40に加えられる増幅すべき入力
信号VINを増幅する増幅手段として差動増幅器42が設
置されている。この差動増幅器42には、一対のトラン
ジスタ421、422が設置されており、各トランジス
タ421、422はエミッタが共通化されている。トラ
ンジスタ421のベースには、抵抗423を介してバイ
アス電源からバイアス電圧VB が加えられるとともに、
入力端子40を通して入力信号VINが加えられている。
そして、差動増幅器42には動作電流として定電流IO1
を流す第1の定電流源44Aが設置されているととも
に、トランジスタ421、422のコレクタと電源ライ
ン46との間には差動増幅器42の能動負荷としてトラ
ンジスタ424、425及び抵抗426、427からな
るカレントミラー回路が設置されている。
示している。この増幅回路は、単一電源で駆動される回
路であって、入力端子40に加えられる増幅すべき入力
信号VINを増幅する増幅手段として差動増幅器42が設
置されている。この差動増幅器42には、一対のトラン
ジスタ421、422が設置されており、各トランジス
タ421、422はエミッタが共通化されている。トラ
ンジスタ421のベースには、抵抗423を介してバイ
アス電源からバイアス電圧VB が加えられるとともに、
入力端子40を通して入力信号VINが加えられている。
そして、差動増幅器42には動作電流として定電流IO1
を流す第1の定電流源44Aが設置されているととも
に、トランジスタ421、422のコレクタと電源ライ
ン46との間には差動増幅器42の能動負荷としてトラ
ンジスタ424、425及び抵抗426、427からな
るカレントミラー回路が設置されている。
【0019】この差動増幅器42の出力は、トランジス
タ422のコレクタ側から取り出され、この出力を受け
る増幅素子としてトランジスタ48が設置されている。
即ち、トランジスタ48は、ベースがトランジスタ42
2のコレクタ側に、コレクタが電源ライン46に、ま
た、エミッタはトランジスタ422のベースに接続され
ている。そして、このトランジスタ48のエミッタ側と
接地点との間には、動作電流として定電流IO2を流す第
2の定電流源44Bが接続されている。このトランジス
タ48のエミッタ側には出力VO が得られ、この出力V
O は出力端子50から取り出されるとともに、トランジ
スタ422のベースに帰還されている。
タ422のコレクタ側から取り出され、この出力を受け
る増幅素子としてトランジスタ48が設置されている。
即ち、トランジスタ48は、ベースがトランジスタ42
2のコレクタ側に、コレクタが電源ライン46に、ま
た、エミッタはトランジスタ422のベースに接続され
ている。そして、このトランジスタ48のエミッタ側と
接地点との間には、動作電流として定電流IO2を流す第
2の定電流源44Bが接続されている。このトランジス
タ48のエミッタ側には出力VO が得られ、この出力V
O は出力端子50から取り出されるとともに、トランジ
スタ422のベースに帰還されている。
【0020】また、電源ライン46とバイアス電源との
間には定電流IO3を流す第3の定電流源44C及びダイ
オード52の直列回路が接続され、定電流源44Cとダ
イオード52の接続点とトランジスタ422のコレクタ
との間に位相補正用のキャパシタ54が接続されてい
る。
間には定電流IO3を流す第3の定電流源44C及びダイ
オード52の直列回路が接続され、定電流源44Cとダ
イオード52の接続点とトランジスタ422のコレクタ
との間に位相補正用のキャパシタ54が接続されてい
る。
【0021】そして、定電流源44A、44B、44C
は、定電流の出力が制御されるカレントミラー回路等で
構成され、その電源投入時のキャパシタ54の急激なチ
ャージに起因するパルス性ノイズの防止手段として電流
制御手段を成す電流制限回路56が設置されている。こ
の電流制限回路56は、電源の投入又は遮断による電源
電圧VCCの立上り又は降下、即ち、その電圧値の推移に
応じて定電流源44A、44B、44Cに同時に定電流
出力を生じさせ又は解除するように電流制御を行うもの
である。
は、定電流の出力が制御されるカレントミラー回路等で
構成され、その電源投入時のキャパシタ54の急激なチ
ャージに起因するパルス性ノイズの防止手段として電流
制御手段を成す電流制限回路56が設置されている。こ
の電流制限回路56は、電源の投入又は遮断による電源
電圧VCCの立上り又は降下、即ち、その電圧値の推移に
応じて定電流源44A、44B、44Cに同時に定電流
出力を生じさせ又は解除するように電流制御を行うもの
である。
【0022】このような構成によれば、電源の投入に応
じて電流制限回路56を通して定電流源44A、44
B、44Cには、定電流IO1、IO2、IO3が発生し、ト
ランジスタ421、422には動作電流として定電流I
O1、トランジスタ48には定電流IO2、また、ダイオー
ド52には定電流IO3が流れる。この場合、各定電流の
増加は電源立上りに依存し、その増加割合は等しい。し
たがって、定電流IO1の働きによって帰還が加わり、定
常状態に移行するまでの間、トランジスタ48及びダイ
オード52は無帰還状態で動作する。そして、定電流I
O2、IO3により、電源投入後、キャパシタ54の基準電
位側端子の電位が上昇する。このため、このキャパシタ
54の電位上昇を通じてトランジスタ48のベース側に
補正電流が流れ、結果的に、トランジスタ48のベース
・エミッタ間電圧VF の上昇に見合った電圧が補正され
る。そこで、電源投入時、キャパシタ54の基準電位点
側端子であるダイオード52の端子における立上り電位
と、被補正側端子におけるトランジスタ422、425
のコレクタ側端子の電位との間の電位変動を概ね一致さ
せることができることになり、その結果、パルス性ノイ
ズの発生を抑制することができる。
じて電流制限回路56を通して定電流源44A、44
B、44Cには、定電流IO1、IO2、IO3が発生し、ト
ランジスタ421、422には動作電流として定電流I
O1、トランジスタ48には定電流IO2、また、ダイオー
ド52には定電流IO3が流れる。この場合、各定電流の
増加は電源立上りに依存し、その増加割合は等しい。し
たがって、定電流IO1の働きによって帰還が加わり、定
常状態に移行するまでの間、トランジスタ48及びダイ
オード52は無帰還状態で動作する。そして、定電流I
O2、IO3により、電源投入後、キャパシタ54の基準電
位側端子の電位が上昇する。このため、このキャパシタ
54の電位上昇を通じてトランジスタ48のベース側に
補正電流が流れ、結果的に、トランジスタ48のベース
・エミッタ間電圧VF の上昇に見合った電圧が補正され
る。そこで、電源投入時、キャパシタ54の基準電位点
側端子であるダイオード52の端子における立上り電位
と、被補正側端子におけるトランジスタ422、425
のコレクタ側端子の電位との間の電位変動を概ね一致さ
せることができることになり、その結果、パルス性ノイ
ズの発生を抑制することができる。
【0023】ここで、ダイオード52の特性電圧をVT
とすると、動抵抗re =VT /IOを持つことになる
が、この動抵抗re を2kΩ以下に設定すれば、この動
抵抗の影響を防止できる。また、定電流源44A、44
B、44Cは、抵抗を以て構成してもよい。
とすると、動抵抗re =VT /IOを持つことになる
が、この動抵抗re を2kΩ以下に設定すれば、この動
抵抗の影響を防止できる。また、定電流源44A、44
B、44Cは、抵抗を以て構成してもよい。
【0024】次に、図2及び図3は、本発明の増幅回路
の第2実施例を示している。この増幅回路は、単一の基
板を以て集積回路として構成されたものであり、正電圧
VCC及び負電圧−VEEによる正負2電源によって駆動す
る。この第2実施例において、キャパシタ622、62
3が第1実施例のキャパシタ54に相当し、トランジス
タ626、628がダイオード52に相当するものであ
り、このような構成によっても、電源の投入又は遮断時
のパルス性ノイズの発生が抑制される。
の第2実施例を示している。この増幅回路は、単一の基
板を以て集積回路として構成されたものであり、正電圧
VCC及び負電圧−VEEによる正負2電源によって駆動す
る。この第2実施例において、キャパシタ622、62
3が第1実施例のキャパシタ54に相当し、トランジス
タ626、628がダイオード52に相当するものであ
り、このような構成によっても、電源の投入又は遮断時
のパルス性ノイズの発生が抑制される。
【0025】この増幅回路には、入力端子60に加えら
れる入力信号を増幅する増幅手段として差動増幅器62
が設置され、この差動増幅器62の出力側にはドライバ
回路64を経て出力回路66が設置されている。差動増
幅器62には、エミッタを共通にした一対のトランジス
タ608、610からなる差動対が設置されており、ト
ランジスタ608、610のエミッタ側には動作電流を
流すための第1の定電流源として第1のトランジスタ6
8A及び抵抗612の直列回路、また、そのコレクタ側
には能動負荷としてトランジスタ614、616及び抵
抗615、617からなるカレントミラー回路が接続さ
れている。入力信号が加えられるトランジスタ608の
ベースと接地点には抵抗613が接続されている。この
差動増幅器62の出力は、トランジスタ616のコレク
タ側から取り出され、ドライバ回路64を経て出力回路
66に出力される。
れる入力信号を増幅する増幅手段として差動増幅器62
が設置され、この差動増幅器62の出力側にはドライバ
回路64を経て出力回路66が設置されている。差動増
幅器62には、エミッタを共通にした一対のトランジス
タ608、610からなる差動対が設置されており、ト
ランジスタ608、610のエミッタ側には動作電流を
流すための第1の定電流源として第1のトランジスタ6
8A及び抵抗612の直列回路、また、そのコレクタ側
には能動負荷としてトランジスタ614、616及び抵
抗615、617からなるカレントミラー回路が接続さ
れている。入力信号が加えられるトランジスタ608の
ベースと接地点には抵抗613が接続されている。この
差動増幅器62の出力は、トランジスタ616のコレク
タ側から取り出され、ドライバ回路64を経て出力回路
66に出力される。
【0026】ドライバ回路64には、差動増幅器62の
出力をベースで受けて取り出す第2のトランジスタ61
8、620がベースを共通化させて設置されている。ま
た、正側電源ライン611と負側電源ライン619との
間には抵抗621、位相補正用及び周波数設定用のキャ
パシタ622、623及び抵抗624の直列回路が接続
され、キャパシタ622、623の中点にはトランジス
タ618、620のベースが抵抗625を介して接続さ
れている。そして、トランジスタ618には、正側電源
ライン611と負側電源ライン619との間にダイオー
ド接続されたトランジスタ626、628、630、第
2の定電流源として第3のトランジスタ68B及び抵抗
632の直列回路が接続されている。
出力をベースで受けて取り出す第2のトランジスタ61
8、620がベースを共通化させて設置されている。ま
た、正側電源ライン611と負側電源ライン619との
間には抵抗621、位相補正用及び周波数設定用のキャ
パシタ622、623及び抵抗624の直列回路が接続
され、キャパシタ622、623の中点にはトランジス
タ618、620のベースが抵抗625を介して接続さ
れている。そして、トランジスタ618には、正側電源
ライン611と負側電源ライン619との間にダイオー
ド接続されたトランジスタ626、628、630、第
2の定電流源として第3のトランジスタ68B及び抵抗
632の直列回路が接続されている。
【0027】また、トランジスタ620のコレクタ側と
正側電源ライン611との間には抵抗634及びトラン
ジスタ636の直列回路が接続され、また、トランジス
タ620のエミッタ側と負側電源ライン619との間に
は抵抗638を介してトランジスタ640が接続されて
いる。そして、トランジスタ640とベースが共通化さ
れるとともに接地されたトランジスタ642が設置さ
れ、このトランジスタ642のコレクタは正側電源ライ
ン611に直結され、また、そのエミッタと負側電源ラ
イン619との間には抵抗644、トランジスタ64
6、648及び抵抗650の直列回路が接続されてい
る。トランジスタ630のベース・コレクタとトランジ
スタ646のベースは共通化され、トランジスタ63
0、646でカレントミラー回路641が構成されてい
る。
正側電源ライン611との間には抵抗634及びトラン
ジスタ636の直列回路が接続され、また、トランジス
タ620のエミッタ側と負側電源ライン619との間に
は抵抗638を介してトランジスタ640が接続されて
いる。そして、トランジスタ640とベースが共通化さ
れるとともに接地されたトランジスタ642が設置さ
れ、このトランジスタ642のコレクタは正側電源ライ
ン611に直結され、また、そのエミッタと負側電源ラ
イン619との間には抵抗644、トランジスタ64
6、648及び抵抗650の直列回路が接続されてい
る。トランジスタ630のベース・コレクタとトランジ
スタ646のベースは共通化され、トランジスタ63
0、646でカレントミラー回路641が構成されてい
る。
【0028】そして、出力回路66には、正側電源ライ
ン611及び負側電源ライン619の間に抵抗652、
トランジスタ654、656及び抵抗658が接続され
ている。トランジスタ636、654は、互いにベース
が共通化されてカレントミラー回路655を構成してお
り、また、トランジスタ648、656も、互いにベー
スが共通化されてカレントミラー回路657を構成して
おり、トランジスタ636に流れる電流はカレントミラ
ー効果によってトランジスタ654に流れ、また、トラ
ンジスタ648に流れる電流はカレントミラー効果によ
ってトランジスタ656に流れる。したがって、トラン
ジスタ618によって取り出された差動増幅器62の出
力はドライバ回路64のトランジスタ618、626、
628、630を経てトランジスタ646に供給され、
また、トランジスタ620によって取り出された差動増
幅器62の出力はドライバ回路64のトランジスタ63
6を経てトランジスタ654に出力され、出力端子70
には両者の合成出力が取り出される。
ン611及び負側電源ライン619の間に抵抗652、
トランジスタ654、656及び抵抗658が接続され
ている。トランジスタ636、654は、互いにベース
が共通化されてカレントミラー回路655を構成してお
り、また、トランジスタ648、656も、互いにベー
スが共通化されてカレントミラー回路657を構成して
おり、トランジスタ636に流れる電流はカレントミラ
ー効果によってトランジスタ654に流れ、また、トラ
ンジスタ648に流れる電流はカレントミラー効果によ
ってトランジスタ656に流れる。したがって、トラン
ジスタ618によって取り出された差動増幅器62の出
力はドライバ回路64のトランジスタ618、626、
628、630を経てトランジスタ646に供給され、
また、トランジスタ620によって取り出された差動増
幅器62の出力はドライバ回路64のトランジスタ63
6を経てトランジスタ654に出力され、出力端子70
には両者の合成出力が取り出される。
【0029】また、出力端子70とトランジスタ610
のベースとの間には、帰還回路として抵抗660が接続
され、抵抗660は抵抗661とともに分圧回路を成し
ている。したがって、抵抗660、661の抵抗比に応
じた帰還量を以て出力信号がトランジスタ610のベー
スに帰還されている。
のベースとの間には、帰還回路として抵抗660が接続
され、抵抗660は抵抗661とともに分圧回路を成し
ている。したがって、抵抗660、661の抵抗比に応
じた帰還量を以て出力信号がトランジスタ610のベー
スに帰還されている。
【0030】次に、図3は、図2のトランジスタ68
A、68Bのベース電流を電源の投入及び遮断に基づく
電圧値に応じて制限する電流制限回路72を示してい
る。この電流制限回路72には、定電流源としてトラン
ジスタ702、704及び抵抗706、708からなる
カレントミラー回路76が設置され、トランジスタ70
2のベース・コレクタ側は抵抗710を介して正側電源
ライン611に接続されている。このカレントミラー回
路76で得られた定電流は、正側電流制限部72A及び
負側電流制限部72Bに流れる。
A、68Bのベース電流を電源の投入及び遮断に基づく
電圧値に応じて制限する電流制限回路72を示してい
る。この電流制限回路72には、定電流源としてトラン
ジスタ702、704及び抵抗706、708からなる
カレントミラー回路76が設置され、トランジスタ70
2のベース・コレクタ側は抵抗710を介して正側電源
ライン611に接続されている。このカレントミラー回
路76で得られた定電流は、正側電流制限部72A及び
負側電流制限部72Bに流れる。
【0031】正側電流制限部72A及び負側電流制限部
72Bは直列に接続されており、正側電流制限部72A
には4つのダイオード720からなるダイオード回路7
22とともにトランジスタ724、726及び抵抗72
8、730からなるカレントミラー回路732が設置さ
れている。また、負側電流制限部72Bは、トランジス
タ734と、3個のダイオード736からなるダイオー
ド回路738の直列回路で構成され、トランジスタ73
4のベースは接地されている。
72Bは直列に接続されており、正側電流制限部72A
には4つのダイオード720からなるダイオード回路7
22とともにトランジスタ724、726及び抵抗72
8、730からなるカレントミラー回路732が設置さ
れている。また、負側電流制限部72Bは、トランジス
タ734と、3個のダイオード736からなるダイオー
ド回路738の直列回路で構成され、トランジスタ73
4のベースは接地されている。
【0032】そして、正側電流制限部72A及び負側電
流制限部72Bの電流制限出力は、トランジスタ726
のコレクタ側から取り出され、その出力回路としてカレ
ントミラー回路740が設置されている。このカレント
ミラー回路740は、トランジスタ742、744、6
8A、68B及び抵抗750、752、612、632
で構成されている。
流制限部72Bの電流制限出力は、トランジスタ726
のコレクタ側から取り出され、その出力回路としてカレ
ントミラー回路740が設置されている。このカレント
ミラー回路740は、トランジスタ742、744、6
8A、68B及び抵抗750、752、612、632
で構成されている。
【0033】次に、図4は、正電源及び負電源の立上り
に応じた増幅回路の動作を示している。この図4を参照
しながら、正電源及び負電源の立上りに応じた増幅回路
の動作を説明する。
に応じた増幅回路の動作を示している。この図4を参照
しながら、正電源及び負電源の立上りに応じた増幅回路
の動作を説明する。
【0034】図4のA、Bにおいて、tは時間軸を示し
ており、時点t0 で電源スイッチが閉じられたとする
と、図示しない正電源及び負電源が動作状態になり、正
電圧VCCは正方向に又は負電圧−VEEは負方向に時間と
ともに立ち上がる。図4のAは、その過渡的状態を時間
の経過とともに示したものであり、曲線は電圧値の漸増
状態を示している。
ており、時点t0 で電源スイッチが閉じられたとする
と、図示しない正電源及び負電源が動作状態になり、正
電圧VCCは正方向に又は負電圧−VEEは負方向に時間と
ともに立ち上がる。図4のAは、その過渡的状態を時間
の経過とともに示したものであり、曲線は電圧値の漸増
状態を示している。
【0035】正側電流制限部72A及び負側電流制限部
72Bは、正側電源ライン611及び負側電源ライン6
19との間に4つのダイオード720からなるダイオー
ド回路722、抵抗728、トランジスタ724、トラ
ンジスタ734、3個のダイオード736からなるダイ
オード回路738、トランジスタ704及び抵抗708
の直列回路に接続されており、トランジスタ726に定
電流I0 が流れ始めるには、次の条件が成立する必要が
ある。即ち、ダイオード720、736の順方向降下電
圧、トランジスタ724のベース・エミッタ間電圧をV
F 、トランジスタ704、734の飽和電圧をVsat と
すると、正側電源ライン611と接地点との間の電圧、
負側電源ライン619と接地点との間の電圧降下Vdが
電圧(4VF +Vsat (≒3V))以上に到達しない
と、定電流I0 が流れない。即ち、正側電源ライン61
1と接地点との間の電圧、負側電源ライン619と接地
点との間の電圧降下Vdが(4VF +Vsat (≒3
V))以上に到達しない場合には、正側電流制限部72
A及び負側電流制限部72Bは制限電流機能が働き、ト
ランジスタ68A、68Bの動作が停止状態に制御され
ることになる。
72Bは、正側電源ライン611及び負側電源ライン6
19との間に4つのダイオード720からなるダイオー
ド回路722、抵抗728、トランジスタ724、トラ
ンジスタ734、3個のダイオード736からなるダイ
オード回路738、トランジスタ704及び抵抗708
の直列回路に接続されており、トランジスタ726に定
電流I0 が流れ始めるには、次の条件が成立する必要が
ある。即ち、ダイオード720、736の順方向降下電
圧、トランジスタ724のベース・エミッタ間電圧をV
F 、トランジスタ704、734の飽和電圧をVsat と
すると、正側電源ライン611と接地点との間の電圧、
負側電源ライン619と接地点との間の電圧降下Vdが
電圧(4VF +Vsat (≒3V))以上に到達しない
と、定電流I0 が流れない。即ち、正側電源ライン61
1と接地点との間の電圧、負側電源ライン619と接地
点との間の電圧降下Vdが(4VF +Vsat (≒3
V))以上に到達しない場合には、正側電流制限部72
A及び負側電流制限部72Bは制限電流機能が働き、ト
ランジスタ68A、68Bの動作が停止状態に制御され
ることになる。
【0036】ここで、正側電源ライン611と接地点と
の間の電圧、負側電源ライン619と接地点との間の電
圧降下Vdが(4VF +Vsat (≒3V))以上に到達
すると、図4のBに示すように、定電流I0 がトランジ
スタ68A、68Bに流れ、差動増幅器62が動作状態
に移行する。即ち、差動増幅器62にはトランジスタ6
8Aを通して定電流I0 からなる動作電流が流れ、ま
た、ドライブ回路64にはトランジスタ68Bを通して
定電流I0 が流れる。このような定電流I0 の供給によ
り差動増幅器62が動作状態になると、入力端子40に
加えられた入力信号は差動増幅器62によって増幅さ
れ、その増幅出力がトランジスタ616のコレクタ側か
らトランジスタ618、620を通して取り出される。
トランジスタ618に流れる出力電流はトランジスタ6
30、646からなるカレントミラー回路647を通し
てトランジスタ656に流れる。また、トランジスタ6
20を通して取り出された差動増幅器62の出力電流は
カレントミラー回路655を経てトランジスタ654に
流れる。したがって、トランジスタ654、656の各
電流は合成されて出力端子70から取り出され、図示し
ない負荷に供給される。
の間の電圧、負側電源ライン619と接地点との間の電
圧降下Vdが(4VF +Vsat (≒3V))以上に到達
すると、図4のBに示すように、定電流I0 がトランジ
スタ68A、68Bに流れ、差動増幅器62が動作状態
に移行する。即ち、差動増幅器62にはトランジスタ6
8Aを通して定電流I0 からなる動作電流が流れ、ま
た、ドライブ回路64にはトランジスタ68Bを通して
定電流I0 が流れる。このような定電流I0 の供給によ
り差動増幅器62が動作状態になると、入力端子40に
加えられた入力信号は差動増幅器62によって増幅さ
れ、その増幅出力がトランジスタ616のコレクタ側か
らトランジスタ618、620を通して取り出される。
トランジスタ618に流れる出力電流はトランジスタ6
30、646からなるカレントミラー回路647を通し
てトランジスタ656に流れる。また、トランジスタ6
20を通して取り出された差動増幅器62の出力電流は
カレントミラー回路655を経てトランジスタ654に
流れる。したがって、トランジスタ654、656の各
電流は合成されて出力端子70から取り出され、図示し
ない負荷に供給される。
【0037】このように、電源の投入時には、電源電圧
の立上りに対応し、適正な電圧に到達するまでの間、正
側電流制限部72A及び負側電流制限部72Bによって
定電流I0 の供給が制限され、増幅回路の部分的な動作
の不揃いによる異常動作を防止できる。しかも、差動増
幅器62の動作とドライバ回路64の動作開始が同時に
行われ、従来のように部分的な動作開始の不揃いによる
ノイズの発生が防止できる。
の立上りに対応し、適正な電圧に到達するまでの間、正
側電流制限部72A及び負側電流制限部72Bによって
定電流I0 の供給が制限され、増幅回路の部分的な動作
の不揃いによる異常動作を防止できる。しかも、差動増
幅器62の動作とドライバ回路64の動作開始が同時に
行われ、従来のように部分的な動作開始の不揃いによる
ノイズの発生が防止できる。
【0038】以上、電源投入時の動作開始について説明
したが、電源遮断時には、電流制限回路72の正電圧V
CC及び負電圧−VEEが(4VF +Vsat (≒3V))以
下に立ち下がるまでの間、増幅回路の動作状態が維持さ
れる。そして、正電圧VCC及び負電圧−VEEが(4VF
+Vsat (≒3V))以下になると、定電流源を成すト
ランジスタ68A、68Bへの定電流I0 の供給が制限
され、差動増幅器62及びドライバ回路64の動作を同
時にかつ速やかに停止させ、動作停止の不揃いによるノ
イズの発生を未然に防止できる。
したが、電源遮断時には、電流制限回路72の正電圧V
CC及び負電圧−VEEが(4VF +Vsat (≒3V))以
下に立ち下がるまでの間、増幅回路の動作状態が維持さ
れる。そして、正電圧VCC及び負電圧−VEEが(4VF
+Vsat (≒3V))以下になると、定電流源を成すト
ランジスタ68A、68Bへの定電流I0 の供給が制限
され、差動増幅器62及びドライバ回路64の動作を同
時にかつ速やかに停止させ、動作停止の不揃いによるノ
イズの発生を未然に防止できる。
【0039】次に、図5は、図1に示した増幅回路の実
験結果を示している。図5のAは出力VO 、Bは電源電
圧VCCの投入、遮断を示しており、時点t1 は電源投
入、t2 は電源遮断の各時点である。このような電源投
入、遮断によっても、出力VOには僅かの電位が見られ
るが、このような変化は聴感上感じることができない程
度のレベルであり、本発明の増幅回路が電源の投入、遮
断時にパルス性のノイズが生じないことを表している。
験結果を示している。図5のAは出力VO 、Bは電源電
圧VCCの投入、遮断を示しており、時点t1 は電源投
入、t2 は電源遮断の各時点である。このような電源投
入、遮断によっても、出力VOには僅かの電位が見られ
るが、このような変化は聴感上感じることができない程
度のレベルであり、本発明の増幅回路が電源の投入、遮
断時にパルス性のノイズが生じないことを表している。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
位相補正用キャパシタの急激なチャージにより生じるパ
ルス性ノイズを確実に防止できる。
位相補正用キャパシタの急激なチャージにより生じるパ
ルス性ノイズを確実に防止できる。
【0041】また、本発明によれば、トラッキング電源
等の電源回路に対する対策やミューティング回路等を設
置する必要がなく、正電源及び負電源によって駆動され
る増幅手段に対しても、簡単な構成を以て電源の投入
時、又は遮断時にパルス性ノイズが生じるのを防止でき
る。
等の電源回路に対する対策やミューティング回路等を設
置する必要がなく、正電源及び負電源によって駆動され
る増幅手段に対しても、簡単な構成を以て電源の投入
時、又は遮断時にパルス性ノイズが生じるのを防止でき
る。
【図1】本発明の増幅回路の第1実施例を示す回路図で
ある。
ある。
【図2】本発明の増幅回路の第2実施例を示す回路図で
ある。
ある。
【図3】図2に示した増幅回路に対する電流制限回路を
示す回路図である。
示す回路図である。
【図4】図2に示した増幅回路の動作を示す図である。
【図5】本発明の増幅回路の動作特性を示す図である。
【図6】従来の増幅回路を示す回路図である。
【図7】従来の増幅回路を示す回路図である。
【図8】従来の増幅回路を示す回路図である。
【図9】図7及び図8に示す増幅回路によって発生する
出力ノイズの一例を示す図である。
出力ノイズの一例を示す図である。
42、62 差動増幅器(増幅手段) 44A 第1の定電流源 44B 第2の定電流源 44C 第3の定電流源 54、622 キャパシタ 56、72 電流制限回路(電流制限手段) 68A 第1のトランジスタ 68B 第3のトランジスタ 618、620 第2のトランジスタ
Claims (3)
- 【請求項1】 エミッタを共通にした一対のトランジス
タからなる差動対と、この差動対の一方のトランジスタ
のベースに一定のバイアス電圧を設定するバイアス電源
と、このバイアス電源と電源ラインとの間に前記バイア
ス電源側にダイオードを介して接続されて定電流を前記
バイアス電源側に流す定電流源と、この定電流源とダイ
オードの接続点と前記差動対の他方の前記トランジスタ
のコレクタ側との間に接続されたキャパシタとを備えた
増幅回路であって、前記電源ラインを通じて電源電圧の変動に応じて前記定
電流源の前記定電流を制御する電流制御手段を設置し、 前記キャパシタの前記バイアス電源側の端子電位を前記
電源電圧に応じて変動させる ことを特徴とする増幅回
路。 - 【請求項2】 エミッタを共通にした一対のトランジス
タからなる差動対と、 この差動対の各トランジスタに定電流を流す第1の定電
流源と、 前記差動対の一方のトランジスタのベースに一定のバイ
アス電圧を設定する抵抗と、 前記差動対の他方のトランジスタのコレクタから出力を
取り出す出力トランジスタと、 この出力トランジスタのコレクタ側に定電流を流す第2
の定電流源と、 前記出力トランジスタのベース側に電流を流す電流源
と、 前記差動対の他方のトランジスタのコレクタと正側電源
ライン又は負側電源ラインとの間に抵抗を介して接続さ
れたキャパシタと 、を備えた増幅回路であって、 正側電源ラインに接続されて電源投入から電源電圧が適
正な電圧値に達するまでの間、前記第1の定電流源及び
前記第2の定電流源の前記定電流の発生を制限するトラ
ンジスタを設置し、 前記電源投入から電源電圧が適正な電圧値に達するまで
の間、前記キャパシタの非電源側端子電位の変動を制限
させた ことを特徴とする増幅回路。 - 【請求項3】 前記第1の定電流源及び前記第2の定電
流源はトランジスタ で構成されるとともに、各トランジ
スタのベースに、電源投入から電源電圧が適正な電圧値
に達した後、定電流を供給し、電源投入から電源電圧が
適正な電圧値に達した後、前記第1及び第2の定電流源
を同時に動作させることを特徴とする請求項2記載の増
幅回路。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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