JP3257993B2 - ジアリールエテン化合物、光変色性ジアリールエテン系共重合体及びこれらの製造方法 - Google Patents

ジアリールエテン化合物、光変色性ジアリールエテン系共重合体及びこれらの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はジアリールエテン化
合物、光変色性ジアリールエテン系共重合体及びこれら
の製造方法に関する。本発明による光変色性ジアリール
エテン系共重合体は接着性が優れ、光変色速度が早く、
加工性が優れるので光記録媒体、光変色窓、表示素子、
プラスチック鏡、光変色フィルター、光スイッチ、感光
ドラム、記録素子、太陽電池、レンズ、化粧品、繊維又
は光学素子として有用である。
【0002】
【従来の技術】ジアリールエテン系光変色化合物は1985
年に合成されて以来、光照射後熱による変色が起こるこ
となく安定な光変色性の化合物として知られている(特
開昭61-263935, J. Org. Chem.,1991, 49, 373)。その
ため多様な誘導体等の合成方法が研究され、これを可逆
的光ディスク、消去可能型光ディスク、光集積素子用光
スイッチ、有機感光体、光電極等に利用しようとする研
究が多く発表されている(特開平3-261782、特開平3-261
781、特開平3-261762、特開平4-178383、特開平4-17838
2、特開平6-199846、特開平3-135977、特開平5-59025、
特開平5-169820、特開平5-11406、特開平5-301873、特
開平6-267071、特開平7-72567、特開平8-69083、特開平
8-245579、特開平9-61647、特開平9-80681、M.Takeshit
a, K.Uchida, M.Irie, Chem. Commun,1996, 1807-1808
等)。
【0003】上記ジアリールエテン系化合物は、光照射
により可逆的に色相変化する性質を有し、これまでに光
によって変色又は暗色化(darkening)を誘発する用途で
使用するための様々な光好変性化合物が提案された(特
開平7-89954、特開平9-71585、特開平9-77743、特開平9
-77767、特開平5-301873等)。その中でフッ素置換され
たジアリールエテン又はマレイン酸無水物により置換さ
れたジアリールエテンは暗安定性が高いと同時に光変色
性が早く、高分子樹脂との相容性があるので、高分子樹
脂と共に溶解して溶液コーティング法により光記録膜を
製造する方法が発表された(J. Org. Chem.,1991, 49, 3
73)。
【0004】しかし、低分子量のジアリールエテン化合
物を高分子樹脂に導入すると、相容性が十分でなく、長
期間保存するとジアリールエテン光変色化合物が高分子
媒体から溶出して相分離が起こる。したがって長期間使
用する場合、光記録の信頼性及び保存安定性に欠けると
いう問題があった。特に、光学的に応用する場合、可逆
的に光変色性が起きると同時に、屈折率変化も伴うこと
になるが、低分子量のジアリールエテンの相分離問題
は、その度毎に光変色度または屈折率を変化させるた
め、信号処理及び解読に誤差を招くという問題を引き起
こす。 この問題を解決するために、ジアリールエテン
をポリメタクリル主鎖の側鎖に置換した重合体が開発さ
れた(特開平6-240242)。しかし、ジアリールエテンメタ
クリレート単量体合成は低温反応を利用するので容易で
はなく、その単量体を用いて製造した高分子の機械的特
性は劣り、またガラス板、ポリカーボネート(PC)、ポリ
メチルメタクリレート、ポリエチレン等のプラスチック
板に対する接着力が低下する欠点がある。
【0005】なお、ジアリールエテン基とメタクリル基
との間は、水素又はフッ素により置換されたアルキレン
で置換されているので、ジアリールエテン基が光により
照射されて励起された時、生成する極性の励起状態構造
を安定化させないので、極超短時間内に早い屈折率変化
を応用するような励起状態の極性を利用する光変色薄膜
に応用するのには限界がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の問題を解決する
ために、本発明者らは、カルボキシ基のような極性基に
より連結され、合成と分離が容易であり、光変色性と機
械的特性が優れ、相分離や会合体の生成の問題を解決で
きるジアリールエテン系重合体を合成する方法に対して
研究することになった。
【0007】
【発明を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、化合物(IV)の
ようにジアリールエテン化合物のベンゼン環にX-R2OC(=
O)-(式中、Xはメタクリル基)により置換されたジアリー
ルエテン単量体を、スチレン系単量体(VI)及び化合物(V
II)を含む組成物から開始剤の存在下で重合すると、機
械的特性が優れ、光変色速度が早く、加工性が優れた光
変色重合体(V)が製造され、重合体を有機溶媒に溶解し
た溶液から光変色薄膜を形成させることができることを
発見し、本発明を完成するにいたった。
【0008】本発明の第一の目的は、本発明によるジア
リールエテン系共重合体(V)を製造するために、一般式
(IV):
【0009】
【化11】
【0010】[式中、R1は水素原子、C1-22アルキル基、
フルオロ基、置換若しくは非置換フェニル基、又は置換
若しくは非置換フェニルアルキル基であり;R2はフッ素
置換又は非置換C1-22アルキレン基であり;R3は直接結合
若しくは結合基、酸素原子、又はフッ素置換若しくは非
置換C1-3アルキレン基であり;X及びYはそれぞれ別個の
ものとして酸素、窒素又は硫黄原子であり;Zはフッ素置
換若しくは非置換メチレン基、又はカルボニル基であ
る。]で表されるジアリールエテン化合物を提供するこ
とである。
【0011】ジアリールエテン化合物(IV)は、ジアリー
ルエテンのベンゼン環がX-R2OC(=O)-(式中、Xはメタク
リル基)により置換されている。本発明の第二の目的
は、一般式(I):
【0012】
【化12】
【0013】[式中、R3、X、Y 及びZは前記と同義であ
る。]で表されるジアリールエテンを、アセチルクロラ
イドと反応させて、モノアセチル-置換されたジアリー
ルエテン(II):
【0014】
【化13】
【0015】[式中、R3、X、Y 及びZは前記と同義であ
る。]を製造し、続いて水和反応して、一般式(III):
【0016】
【化14】
【0017】[式中、R3、X、Y 及びZは前記と同義であ
る。]で表される化合物(III)を製造し、化合物(III)
を、メタクリル置換したアルキレンアルコールと反応さ
せて、一般式(IV):
【0018】
【化15】
【0019】[式中、R1、R2、R3、X、Y 及びZは前記と
同義である。]で表される化合物(IV)を製造する工程を
含む、ジアリールエテンの製造方法を提供することにあ
る。本発明の第三の目的は優れた光変色特性を有する、
一般式(V):
【0020】
【化16】
【0021】[式中、R1、R2、R3、X、Y 及びZは前記と
同義であり、R4はR1と同義、又はフッ素置換若しくは非
置換C1-22アルキレン又はアルキレンオキシアルキルエ
ステル基であり、前記アルキレン基又はアルキレンオキ
シアルキルエステル基は、メタクリル基、アクリル基及
びジフルオロアクリル基からなる群から選択される一種
又は二種以上の基により置換されてもよく;R5はR2と同
義、又はフッ素置換若しくは非置換C1-22アルキレンオ
キシ基であり;o、p、q及びrはモル分率を示す数で、o+p
+q+r=1としてそれぞれ0以上1以下の数を示し、但し、o
はゼロ(0)ではない。]で表される光変色性ジアリールエ
テン系共重合体(V)を提供することにある。
【0022】本発明のジアリールエテン系共重合体(V)
は、優れた光変色特性、例えば早い光変色速度を有す
る。ジアリールエテン系共重合体(V)は、ジアリールエ
テン化合物(IV)と、スチレン系単量体(VI)及び/又は化
合物(VII)から製造できる。したがって、本発明の第四
の目的は、一般式(IV):
【0023】
【化17】
【0024】[式中、R1、R2、R3、X、Y 及びZは前記と
同義である。]で表される化合物と、一般式(VI):
【0025】
【化18】
【0026】[式中、R1は前記と同義である。]で表され
る化合物及び一般式(VII):
【0027】
【化19】
【0028】[式中、R1及びR4は前記と同義である。]
で表される化合物から選択された1種以上の化合物とを
有機溶媒に溶解し、ラジカル重合開始剤の存在下で熱硬
化剤を加えた後、30℃〜400℃の温度で0.5〜10時間徐々
に加熱することにより一般式(V):
【0029】
【化20】
【0030】[式中、R1、R2、R3、R4、R5、X、Y、Z、
o、p、q及びrは前記と同義である。]で表される化合物
(V)を製造する工程を含む、光変色性のジアリールエテ
ン系共重合体(V)の製造方法を提供することにある。本
発明の望ましい実施態様では、ジアリールエテン系共重
合体(V)は、ラジカル重合開始剤の存在下、上記単量体
化合物(IV)等をテトラヒドロフラン、トルエン、C1ー10
アルコール、アセトニトリル、アセトン、ジメチルスル
ホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、α-メチ
ルナフタレン、メトキシナフタレン、クロロナフタレ
ン、ジフェニルエタン、エチレングリコール、キノリ
ン、ジクロロベンゼン、ジクロロトルエン、プロピレン
カーボネート、スルホラン及びキシレンからなる群から
選択される少なくとも一種以上の溶媒の存在下で0.5〜1
0時間、30℃〜400℃、好ましくは40℃〜150℃の温度で
反応させることによって製造する。
【0031】なお、本発明の共重合体は、ラジカル重合
開始剤の存在下、溶媒がなくても50℃〜200℃の温度範
囲で直接熱硬化により製造できる。上記ラジカル重合開
始剤としては 2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、ジ
イソプロピルパーオキシジカーボネート、ベンゾイルパ
ーオキシド等が使用できる。本発明は、本発明のジアリ
ールエテン系共重合体(V)を製造するためにジアリール
エテン化合物(IV)、スチレン系単量体(VI)及び化合物(V
II)から成る組成物を提供する。
【0032】上記組成物はテトラヒドロフラン、トルエ
ン、C1ー10アルコール、アセトニトリル、アセトン、ジ
メチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド
(DMF)、α-メチルナフタレン、メトキシナフタレン、
クロロナフタレン、ジフェニルエタン、エチレングリコ
ール、キノリン、ジクロロベンゼン、ジクロロトルエ
ン、プロピレンカーボネート、スルホラン及びキシレン
からなる群から選択される少なくとも一種以上の溶媒を
含んでもよい。
【0033】本発明は、ジアリールエテン系共重合体
(V)を用いる光変色薄膜を提供する。上記光変色薄膜
は、ジアリールエテン化合物(IV)、スチレン系単量体
(VI)及び化合物(VII)から成る組成物を溶媒の存在下
又は不存在下、及び開始剤の存在下で加熱処理するか光
架橋することにより製造することもできる。このように
製造した光変色薄膜は光変色速度が早く、機械的特性が
優れる。
【0034】本発明のジアリールエテン化合物(IV)は、
市販されているか又は公知の方法で製造されるジアリー
ルエテン(I)を、アセチルクロライドと反応させてモノ
アセチル-置換されたジアリールエテン(II)を製造し、
続いて水和反応して化合物(III)を製造した後、メタク
リル置換されたアルキレンアルコールと反応させること
によって製造され、一般的に90%以上の収率で得る。
【0035】例えば、1-[6'-(メタクリロイル)オキシエ
チルオキシカルボニル)-2'-メチルベンゾ[b]チオフェン
-3'-イル]-2-(2''-メチルベンゾ[b]チオフェン-3''-イ
ル)ヘキサフルオロシクロペンテンは、1,2-ビス(2-メチ
ルベンゾ[b]チオフェン-3-イル)ヘキサフルオロシクロ
ペンテンから製造される。詳しくは、1,2-ビス(2-メチ
ルベンゾ[b]チオフェン-3-イル)ヘキサフルオロシクロ
ペンテン及びアセチルクロライドをニトロベンゼンに溶
解した溶液に、常温でアルミニウムトリクロライド(AlC
l3)を徐々に滴加した後、常温で5時間反応させ、水を加
えて反応を中止させ、クロロホルムで抽出して、1-[6'-
アセチル-2'-メチルベンゾ[b]チオフェン-3'-イル]-2-
(2''-メチルベンゾ[b]チオフェン-3''-イル)ヘキサフル
オロシクロペンテンを84%の収率で得た。得た生成物を
ジオキサンに溶解し、その溶液を次亜塩素酸ナトリウム
/ジオキサン混合溶液に30〜80℃で徐々に滴加し、得た
反応混合物を50〜110℃で0.5〜10時間続いて反応させた
のち精製して1-(6'-カルボキシ-2'-メチルベンゾ[b]チ
オフェン-3'-イル)-2-(2''-メチルベンゾ[b]チオフェン
-3"-イル)ヘキサフルオロシクロペンテンを99%の収率で
得た。
【0036】製造した1-(6'-カルボキシ-2'-メチルベン
ゾ[b]チオフェン-3'-イル]-2-(2''-メチルベンゾ[b]チ
オフェン-3''-イル)ヘキサフルオロシクロペンテンを、
2-ヒドロキシエチルメタクリレート、ジシクロヘキシル
カルボジイミド(DCC)、ジメチルアミノピリジン(DMAP)
及びジクロロメタンに溶解し、常温で撹拌することによ
って1-[6'-(メタクリロイル)オキシエチルオキシカルボ
ニル)-2'-メチルベンゾ[b]チオフェン-3'-イル]-2-(2''
-メチルベンゾ[b]チオフェン-3''-イル)ヘキサフルオロ
シクロペンテン92%の収率で得た。本発明で使用する化
合物(VI)及び(VII)は市販のものを利用できる。
【0037】前述のように、本発明の光変色重合体はジ
アリールエテン化合物(IV)、並びに上記化合物(VI)及び
(VII)の化合物から選択された少なくともジアリールエ
テン化合物(IV)を含む1種以上の化合物を有機溶媒に溶
解し、熱硬化剤を加えた後、30℃〜400℃、好ましくは4
0℃〜150℃の温度で、0.5〜150時間、好ましくは2〜100
時間、該溶液を徐々に加熱して反応させることを特徴と
する。一例として、光変色ジアリールエテンのスチレン
共重合体は38重量%の1-[6'-(メタクリロイル)オキシエ
チルオキシカルボニル)-2'-メチルベンゾ[b]チオフェン
-3'-イル]-2-(2''-メチルベンゾ[b]チオフェン-3''-イ
ル)ヘキサフルオロシクロペンテン、40重量%のスチレ
ン、22重量%のブチルメタクリレートをテトラヒドロフ
ラン(THF)に溶解した後、熱硬化剤を加え、窒素雰囲気
下で加熱還流することによって製造される。製造した高
分子の重量平均分子量はポリスチレンを基準とすると、
10,500であり、分散度(Mw/Mn)は1.49であり、該共重合
体は溶液に溶解するので加工性のよい光変色高分子が製
造できる。
【0038】なお、熱に対する重量減少を示すTGA(Ther
mal Gravimetric Analysis)測定によると、22重量%の1-
[6'-(メタクリロイル)オキシエチルオキシカルボニル)-
2'-メチルベンゾ[b]チオフェン-3'-イル]-2-(2''-メチ
ルベンゾ[b]チオフェン-3''-イル)ヘキサフルオロシク
ロペンテンから製造した共重合体は、10%の重量減少を
示す温度が350℃以上であることから、熱安定性が非常
に優れていることが示された。本発明によって提供され
るジアリールエテン系共重合体はトルエン、キシレン、
クロロホルム、低級アルコール等の一般的な溶媒又はこ
れらの混合溶媒に溶解できる。
【0039】本発明による熱安定性の優れたジアリール
エテン系共重合体を使用して薄膜を製造する時は、本発
明の共重合体1〜70重量%と、次に挙げる溶媒の1種又は2
種以上の混合溶媒30〜99重量%を使用する:トルエン、ク
ロロホルム、ヘキサン、アセトン、低級アルコール、1,
2-ジクロロエタン、メチルエチルケトン、スルホラン、
キシレン及び3-ニトロ-α,α,α-トリフルオロニトロ等
一般の有機溶媒。
【0040】更に、上記溶媒以外にテトラアルコキシシ
ラン、トリアルコキシグリシジルシラン、テトラアルコ
キシチタン、塩酸及び有機酸からなる群から選択される
少なくとも一種以上の化合物、並びに/又は、ポリオレ
フィン、ポリスチレン、ポリビニルブチラル、ポリカー
ボネート、ポリエステル、ポリレアクリルレート及びポ
リウレタンからなる群から選択される少なくとも一種以
上の化合物をさらに含んでもよい。
【0041】なお、上記の本発明のジアリールエテン系
共重合体(V)は、上記溶媒以外にα-メチルナフタレン、
メトキシナフタレン、クロロナフタレン、ジフェニルエ
タン、エチレングリコール、スルホラン、キノリン、ジ
クロロベンゼン、ジクロロトルエン、プロピレンカーボ
ネート及びキシレンからなる群から選択される少なくと
も一種以上の高沸点の溶媒をさらに含んでもよい。
【0042】本発明のジアリールエテン系共重合体(V)
と上記溶媒との成分比は用途に応じて変えることができ
るが、上記ジアリールエテン系共重合体(V)を後述のよ
うに光変色性の薄膜製造に使用する場合、上記ジアリー
ルエテン系共重合体(V)は総重量に基づいて0.01〜100重
量%を使用し、他の成分を0〜99.9重量%の割合で使用す
るのが望ましい。本発明のジアリールエテン系共重合体
(V)が上記成分比を以外の場合、生成される薄膜の機械
的特性が悪いので望ましくない。しかし、本発明のジア
リールエテン系共重合体を化粧品、繊維、粘土、及び外
の組成物に光安定化剤や他の目的に使用する場合には、
重量%の割合は0.01ないし数「ppm」単位まで使用でき
る。
【0043】本発明のジアリールエテン系共重合体には
耐熱特性、機械的特性、加工特性等を改善するために当
業者に周知の各種添加剤、潤滑剤及び増粘剤等を加える
ことができる。本発明は、上記のジアリールエテン系共
重合体(V)を利用して200〜800nm領域の紫外線、可視光
及び近赤外線に感光性を有する感光性薄膜を提供する。
【0044】前述したように、製造されるジアリールエ
テン系共重合体(V)と溶媒との混合物をプラスチック樹
脂、ガラス板、アルミニウム板または伝導性ガラス等の
一般的な支持体上にコーティングすると、200〜500nmの
波長領域で優れた吸収度を示すジアリールエテン系共重
合体薄膜が提供される。なお、製造した薄膜に太陽光と
紫外線のような光を照射すると、300〜800nmの波長領域
で良好な吸収度を示すジアリールエテン系共重合体薄膜
が提供される。この時、コーティングはロール(roll)コ
ーティング、スピン(spin)コーティング、バー(bar)コ
ーティング、スプレー(spray)コーティング、ジプ(dip)
コーティング等の方法を利用できる。
【0045】なお、本発明の上記ジアリールエテン系共
重合体(V)をエーテル、アルコール、芳香族炭化水素、
モノテルペン炭化水素及び液体パラフィンからなる群か
ら選択される少なくとも一種以上の溶媒で溶解して加工
するか、ポリビニルブチラール、ポリカーボネート等の
汎用の重合体と共に混合してミリング(milling)した
後、上記の支持体上に塗布する方法によっても光変色薄
膜が提供される。
【0046】本発明で提供するジアリールエテン系共重
合体は溶液加工が可能で200〜800nm領域で吸収ピークを
現わし、熱安定性が350℃以上であるので表示素子、光
スイッチ素子、光集積素子、太陽電池、センサー等と他
の記録素子及びこの光学素子として有用である。
【0047】
【実施例】上記説明のように、本発明の特徴及び他の長
点は後述する実施例を参考としてより詳しく説明する
が、本発明の範囲は次の実施例に限定されるものではな
い。 実施例1〜4 (置換されたジアリールエテン単量体の製造)実施例1: 1-(6'-アセチル-2'-メチルベンゾ[b]チオフェ
ン-3'-イル)-2-(2''-メチルベンゾ[b]チオフェン-3"-イ
ル)ヘキサフルオロシクロペンテンの合成 公知の方法で合成される1,2-ビス(2-メチルベンゾ[b]チ
オフェン-3-イル)ヘキサフルオロシクロペンテン2.67g
とアセチルクロライド0.8mlとをニトロベンゼン40mlに
溶解した後、常温で2.28gのAlCl3を徐々に加える。反応
混合物を常温で5時間反応した後H2Oで反応を中止し、ク
ロロホルムで抽出する。有機層をMgSO4で水分を除去し
た後、減圧下で溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィ
(20%エチルアセテート-ヘキサン)により分離して、2.44
gの1-(6'-アセチル-2'-メチルベンゾ[b]チオフェン-3'-
イル)-2-(2''-メチルベンゾ[b]チオフェン-3''-イル)ヘ
キサフルオロシクロペンテンを得た。収率84%。 m.p=62℃ IR(KBr,cm-1); 1684(-CO group)1 H-NMR(300MHz, CDCl3) δ8.29-7.54(4H), 7.39-7.17(3
H), 2.63(3H), 2.56-2.46(3H), 2.24, 2.20(3H)13 C-NMR δ15.6, 15.9, 27.1, 119.3, 119.7, 122.3, 1
22.4, 122.6, 123.2, 123.5, 124.7, 124.9, 125.1, 13
3.7, 138.5, 138.6, 142.0, 143.1, 147.9, 197.6 MS(m/z); 510(M+, 100), 495(67), 452(10), 419(13),
84(71) 高分解能(high-resolution)MS;理論値C25H16OF6S2: 51
0.0547 実験値: 510.0529 実施例2: 1-(6'-カルボキシ-2'-メチルベンゾ[b]チオフ
ェン-3'-イル)-2-(2''-メチルベンゾ[b]チオフェン-3"-
イル)ヘキサフルオロシクロペンテンの合成 実施例1により製造した1-(6'-アセチル-2'-メチルベン
ゾ[b]チオフェン-3'-イル)-2-(2''-メチルベンゾ[b]チ
オフェン-3''-イル)ヘキサフルオロシクロペンテン0.11
gをジオキサン0.7mlに溶解した溶液を次亜塩素酸ナトリ
ウム2.8ml(10%溶液)とジオキサン0.4mlとの混合溶液に5
0℃で徐々に撹拌しながら滴加する。反応混合物を80℃
で2時間さらに撹拌したのち、飽和炭酸ナトリウムで反
応を中止した。クロロホルムで抽出し、有機層をMgSO4
で水分を除去した後、減圧下で溶媒を除去し、真空オー
ブン(60℃)で24時間乾燥して、無色の1-(6'-カルボキシ
-2'-メチルベンゾ[b]チオフェン-3'-イル)-2-(2''-メチ
ルベンゾ[b]チオフェン-3''-イル)ヘキサフルオロシク
ロペンテンを収率99%で得た。製造した化合物の融点は9
8℃であり、赤外分光吸収スペクトルで(KBrペレット)16
92cm-1に特徴的な-COOH基の吸収を確認した。1 H-NMR(300MHz, CDCl3) δ8.46-7.53(4H), 7.34-7.19(3
H), 2.52,2.48(3H), 2.27,2.22(3H)13C-NMR δ15.6, 1
5.9, 119.3, 119.8, 122.3, 122.6, 124.9, 125.1, 12
5.4, 125.7, 126.3, 126.4, 138.3, 138.5, 138.7, 14
2.7, 143.2, 148.2,172.5 MS(m/z); 512(M+, 100), 482(11), 464(5), 445(11), 4
19(24) 高分解能 MS;理論値: C24H14O2F6S2: 512.0339実験値:
512.0352実施例3: 1-(6'-メタクリロイルオキシエチルオキシカ
ルボキシ-2'-メチルベンゾ[b]チオフェン-3'-イル)-2-
(2''-メチルベンゾ[b]チオフェン-3''-イル)ヘキサフル
オロシクロペンテンの合成 実施例2で製造した1-(6'-カルボキシ-2'-メチルベンゾ
[b]チオフェン-3'-イル)-2-(2''-メチルベンゾ[b]チオ
フェン-3''-イル)ヘキサフルオロシクロペンテン2.3g、
メタクリル酸2-ヒドロキシエステル0.69ml、DCC 1.2g、
DMAP 60mgをジクロロメタン50mlに入れ、常温で5時間撹
拌した。これに50mlのジクロロメタンを加えて稀釈した
後、水で洗浄してジクロロメタン層を分離した。MgSO4
で水分を除去した後、フラッシュクロマトグラフィ(10%
エチルアセテート-ヘキサン)により精製して、無色の1-
(6'-メタクリロイルオキシエチルオキシカルボキシ-2'-
メチルベンゾ[b]チオフェン-3'-イル)-2-(2''-メチルベ
ンゾ[b]チオフェン-3''-イル)ヘキサフルオロシクロペ
ンテンを収率92%で得た。 m.p=52℃ IR(KBr, cm-1); 1723(-COO-group)1 H-NMR(300MHz, CDCl3) δ8.41-7.54(4H), 7.37-7.17(3
H), 6.15(s, 1H), 5.59(s, 1H),4.63-4.49(m, 4H), 2.5
1,2.47(3H), 2.24,2.20(3H), 1.95(s, 1H)13 C-NMR δ15.6, 15.9, 18.7, 62.8, 63.3, 119.3, 11
9.7, 122.3, 122.6, 124.8, 124.9, 125.1, 126.0, 12
6.3, 126.6, 136.3, 138.2, 138.3, 138.6, 142.1,143.
1, 166.4, 167.6MS(m/z); 624(M+, 100), 593(3), 495
(43), 479(7), 419(4), 248(9), 113(55), 69(24) 高分解能 MS;理論値 C30H22O4F6S2: 624.0864 実験値:
624.0862実施例4: 1-(6'-メタクリロイルオキシポリエチレンオ
キシカルボキシ-2'-メチルベンゾ[b]チオフェン-3'-イ
ル)-2-(2''-メチルベンゾ[b]チオフェン-3''-イル)ヘキ
サフルオロシクロペンテンの合成 実施例2で製造した1-(6'-カルボキシ-2'-メチルベンゾ
[b]チオフェン-3'-イル)-2-(2''-メチルベンゾ[b]チオ
フェン-3''-イル)ヘキサフルオロシクロペンテン2.3g、
メタクリルレートポリエチレンオキシカルボン酸(重量
平均分子量350)1g、DCC 1.5g、DMAP 79mgをジクロロメ
タン60mlに加え、常温で5時間撹拌した。
【0048】これに60mlのジクロロメタンを加えて稀釈
した後水で洗浄し、ジクロロメタン層を分離した。溶媒
を除去し、精製して、無色の1-(6'-メタクリロイルオキ
シポリエチレンオキシカルボキシ-2'-メチルベンゾ[b]
チオフェン-3'-イル)-2-(2''-メチルベンゾ[b]チオフェ
ン-3''-イル)ヘキサフルオロシクロペンテンを収率90%
で得た。実施例 5-7 (置換されたスピロベンゾピラン化合物の共重合体の製
造)実施例5 実施例3で製造したジアリールエテン誘導体0.4g、スチ
レン0.89g、ブチルメタクリレート0.52gをTHFに溶解し
た後、全部の単分子1wt%の2、2'−アゾビスイソブチロ
ニトリルを加えた。反応物を窒素雰囲気下で72時間還流
した後、常温で冷却し、減圧下で溶媒を除去して、固形
の重合体を得た。エチルエーテルとヘキサンで再沈澱さ
せ、減圧下、60℃で24時間乾燥して、40%の収率でジア
リールエテン-スチレン共重合体を得た。製造した重合
体のガラス転移温度は66℃であり、重量平均分子量は11
500であり、分散度(Mw/Mn)は1.60であった。該共重合体
は溶液に溶解するので加工性のよい光変色高分子を生成
する。熱分解温度を熱重量分析図として図1に示す。実施例6 実施例3で製造したジアリールエテン誘導体0.93g、スチ
レン0.91g、ブチルメタクリレート0.57gをTHFに溶解し
たのち、全部の単分子1Wt%の2、2'−アゾビスイソブチ
ロニトリルを加えた。反応物を窒素雰囲気下で72時間還
流した後、常温で冷却し、減圧下で溶媒を除去して、固
形の重合体を得た。エチルエーテルとヘキサンで再沈澱
させ減圧下、60℃で24時間乾燥して、60%の収率でジア
リールエテン-スチレン共重合体を得た。製造した重合
体のガラス転移温度は77℃であり、重量平均分子量は10
500であり、分散度(Mw/Mn)は1.49であった。該共重合体
は溶液に溶解するので加工性のよい光変色高分子を生成
する。実施例7 実施例3で製造したジアリールエテン誘導体の代わりに
実施例4で製造したジアリールエテン誘導体を使用し
て、実施例5と同一の方法で処理し、90時間撹拌して共
重合体を得た。製造した共重合体の収率は56%であっ
た。実施例8 実施例3で製造したジアリールエテン誘導体0.69g、ビス
アリルカーボネート(CR-39、3%ジイソプロピルパーオキ
シジカーボネートを含む)0.35g、スチレン0.12gをTHF2m
Lに溶解した溶液を40℃で4時間撹拌した後常温で冷却
し、ヘキサンを加えて沈澱させて、0.5gのジアリールエ
テン系共重合体を得た。製造した重合体はDMFに対して
高い溶解性を示した。実施例9 実施例5の過程で、ポリエチレングリコールモノメタク
リレート(分子量350)0.6g加え、同一の方法を繰り返し
て、共重合体を収率60%で得た。実施例10〜12 (光変色薄膜の製造)実施例10 実施例5で製造したジアリールエテン共重合体0.5gをキ
シレン5mlとトルエン2mlに溶解して常温で1時間撹拌し
たのち、30重量%減少する時まで濃縮する。製造した溶
液を0.45ミクロン注射器フィルターを利用して濾過した
後、溶液をスピンコーター(spin coater)を使用してガ
ラス板上に塗布し、50℃のオーブンで減圧下で12時間乾
燥して、ガラス板上に優れた接着性を有し、強度の優れ
た透明な光変色薄膜を得た。製造した薄膜に300nm以上
の光を照射すると、赤色に変り、光を遮断しながら暗室
で保管すると、赤色が維持された。暗室で6ヶ月以上保
管しても相分離は起こらず、会合体の生成はなかった。
なお、反復的に光照射しても、相分離現象はなかった。
図2は310nmの短波長を照射時薄膜の吸収スペクトルの変
化を示す。実施例11 実施例6で製造したジアリールエテン共重合体0.1gをキ
シレン0.8mlとトルエン0.2mlに溶解して常温で1時間撹
拌したのち、0.45ミクロン注射器フィルターを利用して
濾過した後、溶液をバーコーター(bar coater)を使用し
てPC板上に塗布し、50℃のオーブンで減圧下で12時間乾
燥して、PC板上に優れた接着性を有し、強度の優れた透
明な光変色薄膜を得た。製造した薄膜に340nmの短波長
を照射すると、赤色に変り、光を遮断しながら暗室で保
管すると、赤色が維持された。暗室で6ヶ月以上保管し
ても相分離は起こらず、会合体の生成はなかった。実施例12 実施例8で製造したジアリールエテン共重合体0.2gをDMF
0.8ml、THF 0.2ml及びエチレングリコールの混合溶媒
に溶解して常温で1時間撹拌したのち、0.45ミクロン注
射器フィルターを利用して濾過した後、溶液をバーコー
ターを使用してポリエステルフィルム上に塗布し、50℃
のオーブンで減圧下で12時間乾燥して、ポリエステルフ
ィルム上に優れた接着性を有し、強度の優れた透明な光
変色薄膜を得た。製造した薄膜に340nmの短波長を照射
すると、赤色に変り、光を遮断して暗室で保管すると、
赤色が維持された。暗室で6ヶ月以上保管しても相分離
は起こらず、会合体の生成はなかった。比較例1 公知の方法(特開平6-240242)で1-(6'-メタクリロイルオ
キシエチル-2'-メチルベンゾ[b]チオフェン-3'-イル)-2
-(2''-メチルベンゾ[b]チオフェン-3''-イル)ヘキサフ
ルオロシクロペンテン(40重量%)とメタクリル酸メチル
エステル(60重量%)とを反応してポリメチルメタクリル
酸重合体を製造した。製造した共重合体をクロロホルム
に溶解した後ガラス板に塗布した結果得られた光変色薄
膜は、強度(hardness)が弱く(鉛筆硬度H級以下)、接着
力が低いという問題があった。
【0049】
【発明の効果】前述のように本発明によると、光変色速
度が早く、接着力が優れ、加工性が優れたジアリールエ
テン-スチレンの共重合体と、これを利用した光変色組
成物及び光変色薄膜を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例5で製造したジアリールエテン-スチレン
の共重合体の熱に対する重量減少を示すTGA図面。
【図2】実施例11で製造した薄膜に310nmの短波長を照
射する時現れる分光吸収スペクトルの変化(点線: 光照
射前、実線: 光照射1分後)を示す図面。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 333/54 C08F 20/22 C08F 20/34 C08F 20/38 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(IV): 【化1】 [式中、R1は水素原子、C1-22アルキル基、フルオロ基、
    置換若しくは非置換フェニル基、又は置換若しくは非置
    換フェニルアルキル基であり;R2はフッ素置換又は非置
    換C1-22アルキレン基であり;R3はフッ素置換又は非置換
    メチレン基であり;X及びYは硫黄原子であり;Zはフッ素
    置換若しくは非置換メチレン基、又はカルボニル基であ
    る。]で表されるジアリールエテン化合物。
  2. 【請求項2】 一般式(I): 【化2】 [式中、R3、X、Y及びZは前記と同義である。] で表されるジアリールエテンを、アセチルクロライドと
    反応させて、モノアセチル-置換されたジアリールエテ
    ン(II): 【化3】 [式中、R3、X、Y及びZは前記と同義である。] を製造し、続いて水和反応して、一般式(III): 【化4】 [式中、R3、X、Y及びZは前記と同義である。] で表される化合物(III)を製造し、化合物(III)を、メタ
    クリル置換したアルキレンアルコールと反応させて、一
    般式(IV): 【化5】 [式中、R1、R2、R3、X、Y 及びZは前記と同義である。] で表される化合物(IV) を製造する工程を含む、ジアリ
    ールエテンの製造方法。
  3. 【請求項3】 一般式(V): 【化6】 [式中、R1、R2、R3、X、Y 及びZは前記と同義であり、R
    4はR1と同義、又はフッ素置換若しくは非置換C1-22アル
    キレン又はアルキレンオキシアルキルエステル基であ
    り、前記アルキレン基又はアルキレンオキシアルキルエ
    ステル基は、メタクリル基、アクリル基及びジフルオロ
    アクリル基からなる群から選択される一種又は二種以上
    の基により置換されてもよく;R5はR2と同義、又はフッ
    素置換若しくは非置換C1-22アルキレンオキシ基であり;
    o、p、q及びrはモル分率を示す数で、o+p+q+r=1として
    それぞれ0以上1以下の数を示し、但し、oはゼロ(0)では
    ない。]で表される光変色性ジアリールエテン系共重合
    体(V)。
  4. 【請求項4】 一般式(IV): 【化7】 [式中、R1、R2、R3、X、Y及びZは前記と同義である。]
    で表される化合物と、 一般式(VI): 【化8】 [式中、R1は前記と同義である。]で表される化合物及び 一般式(VII): 【化9】 [式中、R1及びR4は前記と同義である。]で表される化合
    物から選択された1種以上の化合物とを有機溶媒に溶解
    し、ラジカル重合開始剤の存在下で熱硬化剤を加えた
    後、30℃〜400℃の温度で0.5〜10時間徐々に加熱するこ
    とにより一般式(V): 【化10】 [式中、R1、R2、R3、R4、R5、X、Y、Z、o、p、q及びrは
    前記と同義である。]で表される化合物(V)を製造する工
    程を含む、光変色性のジアリールエテン系共重合体(V)
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 有機溶媒としてテトラヒドロフラン、ト
    ルエン、C1-10アルコール、アセトニトリル、アセト
    ン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、α
    -メチルナフタレン、メトキシナフタレン、クロロナフ
    タレン、ジフェニルエタン、エチレングリコール、キノ
    リン、ジクロロベンゼン、ジクロロトルエン、プロピレ
    ンカーボネート、スルホラン及びキシレンからなる群か
    ら選択される少なくとも一種以上の溶媒を用いる、請求
    項4に記載の光変色性のジアリールエテン系共重合体の
    製造方法。
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