JP3257552B2 - 表面疵検出装置 - Google Patents

表面疵検出装置

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JP3257552B2 JP2000068141A JP2000068141A JP3257552B2 JP 3257552 B2 JP3257552 B2 JP 3257552B2 JP 2000068141 A JP2000068141 A JP 2000068141A JP 2000068141 A JP2000068141 A JP 2000068141A JP 3257552 B2 JP3257552 B2 JP 3257552B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光学式の表面疵検出装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】薄鋼板表面の疵など鋼板の表面疵を光学
的に検出する装置としては、光源にレーザ光を用い、光
の散乱または回折パターンの変化を利用した光学式疵検
出器が多く用いられている。この方式は、疵によるレー
ザ光の散乱または回折のパターン変化により疵検出を行
っており、鋼板表面に明かな凹凸を形成している疵の場
合は有効な手段である。
【0003】しかし、疵には表面の凹凸がなく、物性値
のむら、ミクロな粗さのむら、薄い酸化膜等の局所的存
在、コーティング膜厚の厚さむらといった、前述の観測
方法では検出困難なものが存在する。例えば正常部で1
00Å程度の酸化膜が付いている鋼板表面に、局所的に
400Å程度の酸化膜が厚い異常部があるとする。この
様な異常部を以下模様状疵と呼ぶことにする。このよう
な領域は下工程において塗装不良が生じるなど、疵とし
て検出し除去したいという要請があるが、正常部との酸
化膜厚の差は鋼板表面の粗さに埋もれており、光の散乱
や回折を利用した方式では全く検出不可能である。
【0004】散乱や回折に感度を持たない疵を検出する
には、偏光を用いた表面検査方法がある。例えば、半導
体ウエファー上の異物を見つけるための方法が特公平5
-23620号公報に提案されている。この方法は偏光
パラメータのうちΨ、すなわちP偏光とS偏光の振幅比
(tanΨ)を求めて疵を検出する方法である。(P偏
光とは反射光の電気ベクトルのうち光の入射面方向の成
分、S偏光とは入射面に垂直方向の成分をいう。)しか
しながら偏光成分比が一定で、しかも正常・異常部が変
わる表面疵があり、前述の目的に対してこの方法は適用
できない。
【0005】偏光のP,S成分比と位相差を同時に測定
する手段にエリプソメトリがある。例えば、特公平4-
78122号公報、特開平1-211937号公報に
は、エリプソメトリを用いて材料表面の特性値を試験す
る方法が提示されている。また、特開昭56−1632
69号公報にも、エリプソメトリによる金属腐食形態判
定方法が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらのエリ
プソメトリを用いる方法は、前述の如き素材の表面疵に
適用するには敏感すぎて、鋼板の疵検出に使える可能性
はないと考えられていた。このように従来、鋼板の模様
状疵を光学的手段で検出することは不可能とされてお
り、そのような装置も存在しなかった。
【0007】また、特開昭56−163269号公報記
載の方法は、被検査試料表面からの反射光のエリプソパ
ラメータから、腐食形態が全面腐食であるか孔食である
かを判定する方法であり、表面疵を判定する方法ではな
い。また、判定方法についても、腐食試験におけるエリ
プソパラメータの経時変化を用いるため、測定に数時間
を要しており、実用的ではないという問題がある。
【0008】本発明はこうした状況を鑑みて、被検査面
からの反射光の偏光特性を用いることで、検出及び判別
可能な疵種の数を増大し、従来の方式では検出できなか
った模様状の表面疵を検出できる表面疵検出装置を提供
することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、次の発明
により解決される。最初の発明は、被検査面に偏光を入
射する光源と、複数の受光素子の配列により構成され、
被検査面からの反射光のうち異なる偏光成分の光量分布
を測定する複数の撮像素子と、前記被検査面の同一反射
点に相当する画素の測光値を用いてエリプソパラメータ
(Ψ,Δ)を計算する演算装置と、前記エリプソパラメ
ータ(Ψ,Δ)に基づき疵種または等級を判別する疵判
定部と、を有することを特徴とする表面疵検査装置であ
る。
【0010】この発明は、複数の受光素子を用いてエリ
プソメトリを行い、疵判定部を設けて疵種または等級を
判別する。エリプソメトリに用いるエリプソパラメータ
(Ψ,Δ)は、偏光のS成分の反射率Rsの、P成分反射
率Rpに対する比ρを介して(1)式で定義される。 ρ = Rs/Rp = tanΨ・exp(jΔ) (1) ここでtanΨは反射光のP,S成分の振幅比を、exp
(jΔ)はP,S成分の位相差を示す。
【0011】入射光が0度(P成分のみ)の直線偏光の
場合は、反射光のP,S成分がなす楕円の主軸が入射面
となす角度がΨに、P,S成分の位相差がΔに相当す
る。この場合は反射光を任意の3軸の偏光角度で分割
し、各々の偏光強度を測定して、楕円の主軸方向と離心
率からΨ,Δを演算することができる。また、入射光の
偏光状態は任意に設定することが可能であり、そのとき
は入射光の偏光状態を補正してΨ,Δを求める。
【0012】反射光の強度Iは、入射光の強度Ioと表面
の反射率Rによって(2)式で求まる。 I = Io・R (2) このような光学的な測定値を用いるとき、上記課題は、
被検査面に偏光を照射して表面反射光のエリプソパラメ
ータ(Ψ,Δ)を求め、あらかじめ求めておいた表面疵
からの反射光の振幅比Ψと位相差Δ特性と比較して、疵
種または等級付けすることによって解決される。
【0013】さらに、演算装置が、エリプソパラメータ
(Ψ,Δ)とともに被検査面の反射強度(I)を算出
し、疵判定部では、これらのエリプソパラメータと反射
強度(I)に基づき疵種または等級を判定することを特
徴とする表面疵検出装置によっても、課題を解決するこ
ともできる。
【0014】
【0015】また、疵判定部は、エリプソパラメータ
(Ψ,Δ)及び反射強度(I)のうち疵部において変化
している特性値(パラメータ)の組み合わせにより、疵
種判定を行うことを特徴とする表面疵検出装置によって
も、課題を解決することもできる。
【0016】この発明は、エリプソパラメータ(Ψ,
Δ)および反射強度(I)の中で、疵の種類によりパラ
メータ(特性値)の変化が異なることに着目してなされ
た。このように、変化しているパラメータの組み合わせ
を疵種判定に用いることにより、疵種をより適切に判定
することができる。
【0017】これと同様に、疵判定部は、疵部における
エリプソパラメータ(Ψ,Δ)及び反射強度(I)の変
化の度合いにより等級判定を行うことを特徴とする表面
疵検出装置によっても課題を解決することもできる。
【0018】
【0019】さらに、撮像素子は、1次元ないし2次元
撮像素子であることを特徴とする表面疵検査装置によっ
ても、課題を解決することもできる。
【0020】
【0021】
【発明の実施の形態】この発明の実施に当たっては、次
のようにすることができる。例えば、発明の表面疵検出
装置には、表面疵のエリプソパラメータ(Ψ,Δ)特性
をあらかじめ記憶する手段と、被検査面に偏光を照射し
て表面反射光のエリプソパラメータ(Ψ,Δ)を測定す
る手段と、測定した表面反射光と記憶特性との比較結果
を出力する手段を備えることもできる。
【0022】また、表面疵検出装置には、被検査面に偏
光を照射して該表面反射光のエリプソパラメータ(Ψ,
Δ)を求める手段と、被検査面の同一箇所に同一ないし
別個の光を照射して反射強度(I)を測定する手段と、
被検査面からの反射光が属するΨ,Δ、Iの3次元座標
位置を、あらかじめ定めた範囲区分として出力する手段
を備えることもできる。
【0023】被測定面が広い場合には、表面反射光の受
光手段に複数の2次元撮像素子を用い、同一反射点に相
当する画素の測光値を用いてΨ,ΔないしIを計算する
こともできる。また、偏光の光源が単色光源であって、
その光源を光ファイバーを用いて被検査面上の所定範囲
に照射し、該範囲を複数台のエリプソメータで被検査面
からの反射光を分担して受光することもできる。
【0024】ここで、この発明におけるエリプソメトリ
の適用について、従来方法との違いについて説明する。
偏光特性は物質の表面性状に敏感であるため、散乱光、
回折を用いては検出不可能な表面特性を測定することが
可能である。模様状疵の表面には光の反射に関係する特
性の変化があり、エリプソパラメータが敏感に変化す
る。しかし従来、どのような手段をとればエリプソパラ
メータの変化が疵と対応づけできるのか、分かっていな
かった。
【0025】この発明は、エリプソパラメータと表面疵
との関係を調査した結果、模様状疵の場合は、疵として
検出したい酸化膜の膜厚の範囲に応じて、Ψ,Δが関数
特性をもって変化し、この特性を用いれば疵部分と正常
部分とが判別できるという知見に基づくものである。
【0026】膜の上に異物が乗った模様状疵について
は、表面凹凸が伴うのでエリプソパラメータと同時に光
学的な反射率も変化する。この場合、エリプソパラメー
タの変化と反射率強度変化の組み合わせで、疵と正常部
が判別できる。また、疵の種類によって、この組み合わ
せが変化するため、反射光の強度変化とエリプソパラメ
ータ変化とを組み合わせることによって、疵の程度や種
類が判別可能となる。
【0027】エリプソパラメータは、複数の受光素子を
用いて表面の各点について求める装置が一般的である。
しかし、この発明では、2次元撮像素子を用いる装置を
提案する。すなわち、広い範囲の被検査面のエリプソパ
ラメータや反射強度を測定する場合に、対象物の表面を
複数の光学系に分けて、2次元の撮像素子に結像させ
る。エリプソパラメータや光強度の測定において、複数
の撮像素子によって測定された光強度を、被測定面の同
一箇所に対応する素子の強度を用いて演算する。光学系
を補正することによって、同一反射点の反射光強度を求
めるようにすれば、単一の測光手段で走査するよりも、
光学系が簡素になる。
【0028】また、光源はレーザ光源など比較的大出力
のものがある。1台のレーザ光源と、複数台のエリプソ
メータを用いて広い範囲のエリプソパラメータを測定す
る場合、光ファイバーを用いて共通の光源からの光を分
散させて照射すると、幅広材料の各部分における照射強
度が均一となり、反射光強度の補正が容易となる。
【0029】
【実施例】本発明の第一の実施例を図1に示す。図1は
冷延鋼板上に5nm〜100nmの酸化膜が付着した場
合の偏光パラメータの変化の様子を示す。図1は一般的
な偏光解析で用いられる「Δ- Ψチャート」であり、横
軸はP,S偏光の振幅比を現す角度Ψ、縦軸はP,S偏
光の位相差Δ、プロットのマーカは別な手段で測定した
酸化膜の膜厚を示している。測定条件は、He-Neレ
ーザで波長633nm、測定入射角度を70度として、
複素屈折率2.0+i4.0の鋼板上に屈折率3.0の
酸化皮膜が存在する場合のものである。
【0030】図1において、酸化膜厚が20〜50nm
程度まではΨの変化が認められるが、0〜20nmおよ
び50〜100nmまではΔの変化が主になり、Ψはほ
とんど変化しない。従って酸化膜厚の管理範囲が0〜2
0nmあるいは50〜100nmにあって、厚さムラを
疵として捕らえようとしても、Ψのみを観測していては
検出することは不可能である。したがって、本発明は
Ψ,Δを同時に求め、この関係式に当てはめて、広い範
囲の酸化膜厚さを評価する。
【0031】自動評価の方法としては、例えば、Ψが3
5度付近であり、かつΔが100度から250度の範囲
である場合は、膜厚が50nmから100nmと0nm
から20nmに対応する2つの線分で換算する。また、
Ψが40度以上でかつΔが100度から250度の範囲
以外の場合には、膜厚が20nmから35nm、35n
mから50nmに対応する線分で換算する。膜厚の正常
範囲は鋼種、厚さなどによって管理範囲を定めることに
して、膜厚が管理範囲を外れた部分を疵として検出す
る。
【0032】本発明の第二の実施例を図2から図4に示
す。図2は、模様状疵の内Aタイプの疵を検出した例を
示す。疵は線状に伸びており、この線を図の横方向の中
央にくるようにして、20mm幅の範囲のエリプソパラ
メータと反射光強度を、幅方向位置を対応させて表示し
たものである。疵部分の位相差(Δ)と強度(I)は、
正常部分(横方向の中央部以外)にくらべ疵の存在が判
別しにくい。しかし振幅比(Ψ)は、明らかに疵がある
部分(中央部)とない部分(中央部以外)を判別でき
る。この疵は表面の薄い酸化皮膜であって、従来の光学
式検査機では検出できなかった疵である。
【0033】図3は模様状疵の内Bタイプの疵を検出し
た例を示す。疵はΨでは存在が判別できないが、位相差
(Δ)と強度(I)に関しては疵部において変化が見ら
れている。Bタイプの疵は鋼板のミクロな表面粗さが変
化した場合に現れることが多い。原因としては圧延ロー
ル肌に部分的な荒れが生じた場合などに起きる。
【0034】図4は模様状疵の内Cタイプの疵を検出し
た例を示す。この疵の場合は、Δ,Ψ,Iのすべてのパ
ラメータに関して、疵部において変化が見られている。
タイプCは、模様状疵の上に付着物が乗ることにより、
鋼板表面の見掛けの粗さが大きく変化した疵である。こ
の付着物は目視でみても分かる付着物で、従来の検査機
でも検出可能なものである。
【0035】図2から図4に示したように、疵の種類に
よっては、反射光の強度変化が伴うものと、伴わないも
のがある。またエリプソパラメータの値も疵の種類によ
って変化の様子が異なる。
【0036】次に疵の種類を判別する手段の一例を述べ
る。強度I、Ψ,Δの各値は部分的に変化することがあ
るので、絶対値では求め難い。そこで、各パラメータの
移動平均を測定しておいて、平均値からの変化を検出す
る。移動平均の定数は発生する疵の寸法に合わせてと
る。一定以上の変化が検出された場合はエリプソパラメ
ータについては角度の絶対値を、反射強度については平
均値からの変化量を評価値とする。Δ,Ψの絶対値と反
射強度Iの変化量は3次元の空間を構成する。この3次
元空間(Δ,Ψ,I)を経験則に基づいて区間分割し、
各区間を疵の種類と等級にあてはめる。複数の区間に疵
の共通性があるものについては、これらをグループ化
し、区間を等級で表示することも可能である。
【0037】エリプソパラメータの測定装置は光学系に
よって種々の変化がある。この発明に至る一連の研究の
過程で、先に反射光の4つの偏光成分を求めることによ
ってエリプソパラメータ(Ψ,Δ)のみならず位相角Δ
の絶対値が分かり、かつ入射光強度の変化も補正可能な
光学系を提案した(特開平5-113371号公報参
照)。これで提案した光学系のいずれかを用いて表面疵
検出装置を構成した、本発明の第三の実施例を図5に示
す。
【0038】図5の表面疵検出装置は、エリプソメータ
本体1と、その出力からエリプソパラメータを演算する
エリプソパラメータ演算装置3、試料2に疵のあるもの
を用いたときにそのエリプソパラメータを記憶するエリ
プソパラメータ記憶装置4、特性が未知の試料2を用い
たときにそのエリプソパラメータと、記憶装置4に記憶
された疵の特性値とを比較するエリプソパラメータ比較
装置5、比較結果に応じて疵の有無、等級などを出力す
る疵信号出力装置6で構成されている。
【0039】エリプソメータ本体1は、例えば図6に示
す光学系で構成する。図6において10はレーザー光
源、11は偏光子、12は入射光を示す。入射光12は
偏光子11によって直線偏光となり、試料2の表面で反
射する。反射光13は14、15、16のビームスプリ
ッターおよび1/4波長板17によって相異なる4つの
偏光18a、18b、18c、18dに分割して、それ
ぞれの受光器19a、19b、19c、19dで光強度
1 、I2 、I3 、I4 を検出する。
【0040】エリプソパラメータの演算装置3は、これ
らの光強度から(3)、(4)式によってエリプソパラメータ
を演算する。
【0041】 tanΔ =〔σR (I1 -I2 )〕/〔σT (I3 -I4 )〕 (3) tanΨ =〔(σR 2T 2 )/2〕・〔[σR(I1 -I2 ) ]2 + [σT (I3 -I4)]21 /2 〔σR 2 (I1 +I2 )-σT 2 (I3 +I4 )〕 (4) ここでσR 、σT はそれぞれ無偏光ビームスプリッター
14のP偏光、S偏光の振幅反射率比、および振幅透過
率比で、該光学部品に固有な値である。
【0042】エリプソパラメータ記憶装置4には、試料
2に予め疵のあるものを用いたときに、そのエリプソパ
ラメータの特性を記憶する。例えば図1のような酸化膜
の特性が記憶される。
【0043】エリプソパラメータ比較装置5は、未知の
特性を持った試料2のエリプソパラメータが得られたと
き、予め測定し記憶しておいた特性と比較する。これに
は、Ψ,Δの次元における区間分割処理などを適用す
る。これによって膜厚信号を出力する。疵信号出力装置
6は、膜厚による合否の判定基準を設定しておき、膜厚
が所定範囲以内のとき正常とし、所定範囲を外れた時は
異常として警報出力する。
【0044】本発明の第四の実施例を図7に示す。図7
は本発明を鋼板の走行ラインに適用する装置の内、光学
系の部分を示す。本実施例の光学系は、エリプソパラメ
ータと反射強度を同時に求めることができる。この実施
例では、入射光の強度を試料の各部で均一とし時間的変
化は無くしたので、両系統で反射光の3つの偏光成分を
求め、これらの演算で反射光の強度(I)、エリプソパ
ラメータ(Ψ,Δ)を求めることができる。
【0045】まずエリプソパラメータの測定について説
明すると、高輝度光源20から出た光は偏光板23で偏
光させた後に試料2の表面に照射する。表面からの反射
光は、ウォーラントプリズム26で45°と−45°で
直交する2つの偏光成分に分離して、2次元CCD素子
を用いたカメラBで画素ごとに偏光強度を測定する。カ
メラBは一台のCCDカメラの相異なる部分に分離した
像を結ばせる方式としている。これは、光学系を変更す
ることによって、別々の2台のカメラに分けて分離して
撮影することも可能である。カメラBの光強度は、この
図には表示していないエリプソメータ演算装置に出力し
て、カメラAの光強度と併せて3つの光強度を演算する
ことによって、試料面各点のエリプソパラメータが求め
られる。
【0046】次に反射強度を測定する方法について述べ
る。高輝度光源20から出た光は拡散板21で均一な強
度分布とした後に、試料2の表面に照射する。表面から
の反射光は無偏光プリズム25の面で反射して、偏光角
0度に設定した偏光子24を経たあとにカメラA27に
入る。カメラAでは、2次元のCCD素子を使用して測
定表面の各点の光強度を同時に求める。図7の光学系の
場合、反射強度(I)は、I=I2 +I3 −2I1 で求
められる。ここでI1 はカメラA、I2 、I3はカメラ
Bの45度、−45度偏光画像からそれぞれ得られる光
強度である。
【0047】図7の光学系の特徴は、広い範囲を均一に
偏光で照射し、偏光角度が0、45、−45度の画像か
ら、試料面の多数の点のエリプソパラメータと反射強度
を同時に演算できるようにしたことである。エリプソパ
ラメータ出力は、記憶パターンと比較することで膜厚や
疵種類に換算する。
【0048】図8は、反射光強度とエリプソパラメータ
を同時に使って疵検出する装置の信号処理系統図であ
る。図7の光学系の出力を信号処理する部分に相当する
装置である。カメラA、カメラBからの出力信号は一旦
フレームメモリーA31、フレームメモリーB31に蓄
積する。
【0049】フレームメモリーBは2つの偏光角度の像
が蓄えられているから、光強度を蓄えているフレームメ
モリーAと合わせて、試料表面の同一点が合計3つの光
強度情報を与えることになる。この際、視野角度によっ
てΔ,Ψ,Iにフレームメモリー上で位置的なずれが生
じるので、位置縮尺補正装置32はフレームメモリーに
捕らえられた3偏光成分の画像について、光学系のフレ
ネル係数から求められる位置・縮尺を一致させる処理を
行う。
【0050】次にΔ,Ψ,I計算装置33は、Δ,Ψ,
I計算を一致した画素ごとに行う。等価複素屈折率計算
装置35は、入射光の偏光状態を基に、反射光から計算
したΔ,Ψ,Iから試料各点の等価複素屈折率を計算す
る。これらの演算結果は適当なマッピング処理を施した
後、表示装置36に表面状態として表示する。簡易的に
はΔ,Ψ,Iの画像のまま、過去のデータと比較しても
よい。
【0051】図9は、図2から図4の疵に対するマッピ
ング処理の例である。図9aは反射強度Iが通常値から
上昇した場合に適用する判別図である。Δ,Ψが図の斜
線部にあるときDタイプ疵のグレード1、2、3と対応
させる。図9bは反射光強度が通常値にある場合に適用
する。Δ,Ψの値に応じてA、Bのタイプとグレードを
斜線部のように割り当てる。同様に図9のc、dは反射
光強度が通常値から下降した場合に適用するものであ
る。この場合はΔ,Ψの値によらず、強度の区分のみで
疵タイプとグレードを割り当てる。
【0052】図10は多チャンネルエリプソメータを並
列配置する本発明の第五の実施例を示す。この装置は、
2000mm幅の幅広鋼板40が最大ライン速度600
m/分で移動中に疵検出することを目的としている。光
源は波長800nmのレーザー41で、この光を光ファ
イバー42を用いて被測定面の近くに導く。偏光板43
によって入射光は45度の直線偏光とする。鋼板面への
入射角は65度とした。光ファイバーのかわりに放物面
鏡を用いてレーザー光をスリット状平行光線とし、鋼板
に照射してもよい。光検出カメラ44、45、46は1
024画素の一次元CCDを用いて、幅方向分解能0.
25mm、1チャンネルで鋼板の250mm幅を見る構
成とした。
【0053】1〜8ヘッドそれぞれに画像処理装置を付
けて、ライン速度に見合う速さで偏光強度計算を行う。
処理速度を向上させるため、Δ,Ψ,I演算装置33は
8セット分を並列処理している。ライン速度が遅い場
合、または分解能が低い場合は並列処理数を増やして装
置台数を減らすことが可能である。これらの信号は、画
像処理装置34でエリプソパラメータ演算を行ったあ
と、マッピング表示装置36で疵の判別を行う。
【0054】この実施例におけるマッピング処理は、疵
が画像内に現れると、Δ,Ψ,Iのうち、どのパラメー
タが変化しているかの組合せによって、疵種類の判別を
行う。疵の程度は、例えば図4のΔについて、正常部の
Δの値113°程度から疵部のΔの値98°までの変化
の度合いで決定する。図4ではΔの変化値が2〜3°以
内は害のない疵であるが、それ以上は出荷品質として許
容できないものであるから、異常部分として、警報出力
する。検査対象の鋼板上には油が塗られているが、エリ
プソメータとしての基本的機能を有しているため、油膜
厚さムラの測定も可能である。
【0055】上記実施例はいずれも光強度を求める光源
と、エリプソパラメータを求める光源が同一の場合で示
した。これらは必ずしも同一である必要はなく、反射光
を求めるための通常光源と、エリプソパラメータを求め
る偏光光源を独立に設置してもよい。
【0056】
【発明の効果】エリプソパラメータを記憶した値と比較
することによって、従来検出ができなかった鋼板面の模
様状疵の検出が可能となる。エリプソパラメータと反射
光強度と組み合わせたので、疵種類の判定が可能にな
る。2次元撮像素子を用いたのでコンパクトな光学系と
なる。また、幅広材料に適用する場合には、光源の光を
光ファイバーで導くようにしたので、照射光が均一とな
り、簡易な補正で正確な測定が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】鋼板上に酸化膜が付いた場合のエリプソパラメ
ータを示す図。
【図2】タイプAの疵の反射特性を示す図。
【図3】タイプBの疵の反射特性を示す図。
【図4】タイプCの疵の反射特性を示す図。
【図5】本発明による疵検出装置の一実施例を示す図。
【図6】エリプソパラメータの光学系の一例を示す図。
【図7】本発明による光学系の一実施例を示す図。
【図8】本発明による信号処理系の一実施例を示す図。
【図9】本発明によるマッピングの一実施例を示す図。
【図10】本発明による疵検出装置の一実施例を示す
図。
【符号の説明】
1 エリプソメータ本体 2 試料 3 エリプソパラメータ演算装置 4 エリプソパラメータ記憶装置 5 エリプソパラメータ比較装置 6 疵信号出力装置 10 レーザー光源 11 偏光子 12 入射光 13 反射光 14 無偏光ビームスプリッター 15、16 偏光ビームスプリッター 17 1/4波長板 18 偏光ビーム 19 受光器 20 高輝度光源 21 拡散板 22 単色フィルター 23 偏光板 24 偏光子 25 無偏光プリズム 26 ウォーラントプリズム 27 カメラA 28 カメラB 30、31 フレームメモリ 32 位置縮尺補正装置 33 Δ,Ψ,I演算装置 34 σ補正装置 35 等価複素反射率演算装置 36 マッピング表示装置 41 レーザー光 42 光ファイバー 43 偏光板 44、45、46 光検出カメラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−163269(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 21/89 - 21/892 G01B 11/00 - 11/30

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検査面に偏光を入射する光源と、複数
    の受光素子の配列により構成され、被検査面からの反射
    光のうち異なる偏光成分の光量分布を測定する複数の撮
    像素子と、前記被検査面の同一反射点に相当する画素の
    測光値を用いてエリプソパラメータ(Ψ,Δ)を計算す
    る演算装置と、前記エリプソパラメータ(Ψ,Δ)に基
    づき疵種または等級を判別する疵判定部と、を有するこ
    とを特徴とする表面疵検査装置。
  2. 【請求項2】 演算装置は、被検査面のエリプソパラメ
    ータ(Ψ,Δ)とともに前記被検査面の反射強度(I)
    を算出し、疵判定部では、前記エリプソパラメータ
    (Ψ,Δ)とともに前記反射強度(I)に基づき疵種ま
    たは等級を判定することを特徴とする請求項1記載の表
    面疵検出装置。
  3. 【請求項3】 疵判定部は、エリプソパラメータ(Ψ,
    Δ)及び反射強度(I)のうち疵部において変化してい
    るものの組み合わせにより、疵種判定を行うことを特徴
    とする請求項1または請求項2記載の表面疵検査装置。
  4. 【請求項4】 疵判定部は、疵部における前記エリプソ
    パラメータ(Ψ,Δ)あるいは反射強度(I)の変化の
    度合いにより、等級判定を行うことを特徴とする請求項
    1から請求項3のうちいずれか1項に記載の表面疵検査
    装置。
  5. 【請求項5】 撮像素子は、1次元ないし2次元撮像素
    子であることを特徴とする請求項1から請求項4のうち
    いずれか1項に記載の表面疵検査装置。
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