JP3063523B2 - 表面疵の検出方法およびその装置 - Google Patents

表面疵の検出方法およびその装置

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JP3063523B2 JP6091695A JP9169594A JP3063523B2 JP 3063523 B2 JP3063523 B2 JP 3063523B2 JP 6091695 A JP6091695 A JP 6091695A JP 9169594 A JP9169594 A JP 9169594A JP 3063523 B2 JP3063523 B2 JP 3063523B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光学式の表面疵検出方法
および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】薄鋼板表面の疵など鋼板の表面疵を光学
的に検出する装置としては、光源にレーザ光を用い、光
の散乱または回折パターンの変化を利用した光学式疵検
出器が多く用いられている。この方式は、疵によるレー
ザ光の散乱または回折のパターン変化より疵検出を行っ
ており、鋼板表面に明かな凹凸を形成している疵の場合
は有効な手段である。
【0003】しかし、疵には表面の凹凸がなく、物性値
のむら、ミクロな粗さのむら、薄い酸化膜等の局所的存
在、コーティング膜厚の厚さむらといった、前述の観測
方法では検出困難なものが存在する。例えば正常部で1
00Å程度の酸化膜が付いている鋼板表面に、局所的に
400Å程度の酸化膜が厚い異常部があるとする。この
様な異常部を以下模様状疵と呼ぶことにする。このよう
な領域は下工程において塗装不良が生じるなど、疵とし
て検出し除去したいという要請があるが、正常部との酸
化膜厚の差は鋼板表面の粗さに埋もれており、光の散乱
や回折を利用した方式では全く検出不可能である。
【0004】散乱や回折に感度を持たない疵を検出する
には、偏光を用いた表面検査方法がある。例えば、半導
体ウエファー上の異物を見つけるための方法が特公平5
−23620号公報に提案されている。この方法は偏光
パラメータのうちΨ、すなわちP偏光とS偏光の振幅比
(tanΨ)を求めて疵を検出する方法である。(P偏
光とは反射光の電気ベクトルのうち光の入射面方向の成
分、S偏光とは入射面に垂直方向の成分をいう。)しか
しながら偏光成分比が一定で、しかも正常・異常部が変
わる表面疵があり、前述の目的に対してこの方法は適用
できない。
【0005】偏光のP、S成分比と位相差を同時に測定
する手段にエリプソメトリがある。特公平4−7812
2号公報、特開平1−211937号公報にはエリプソ
メトリを用いて材料表面の特性値を試験する方法が提示
されている。しかし、これらの方法は前述の如き素材の
表面疵に適用するには敏感すぎて、鋼板の疵検出に使え
る可能性はないと考えられていた。このように従来、鋼
板の模様状疵を光学的手段で検出することは不可能とさ
れており、そのような装置も存在しなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこうした状況
を鑑みて、被検査面からの反射光の偏光特性を用いるこ
とで、検出及び判別可能な疵種の数を増大し、従来の方
式では検出できなかった模様状の表面疵を検出しようと
するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】エリプソパラメ−タ
(Ψ、Δ)は、偏光のS成分の反射率Rsの、P成分反
射率Rpに対する比ρを介して(1)式で定義される。
【0008】 ρ=Rs/Rp=tanΨ・exp(jΔ) (1) ここでtanΨは反射光のP、S成分の振幅比を、ex
p(jΔ)はP、S成分の位相差を示す。入射光が0度
(P成分のみ)の直線偏光の場合は、反射光のP、S成
分がなす楕円の主軸が入射面となす角度がΨに、P、S
成分の位相差がΔに相当する。この場合は反射光を任意
の直行2軸の偏光角度で分割し、各々の偏光強度を測定
して、楕円の主軸方向と離心率からΨ、Δを演算するこ
とができる。また、入射光の偏光状態は任意に設定する
ことが可能であり、そのときは入射光の偏光状態を補正
してΨ、Δを求める。
【0009】反射光の強度Iは、入射光の強度Ioと表
面の反射率Rによって(2)式で求まる。 I=Io・R (2) このような光学的な測定値を用いるとき、被検査面に偏
光を照射して表面反射光のエリプソパラメータ(Ψ、
Δ)を求め、あらかじめ求めておいた表面疵からの反射
光の振幅比Ψと位相差Δ特性と比較して、等級付けする
ことができる。上記課題は、この方法を利用して、以下
の発明により解決される。
【0010】また、被検査面に偏光を照射して表面反射
光のエリプソパラメ−タ(Ψ、Δ)を求め、被検査面の
同一箇所に同一ないし別個の光を照射して表面の反射強
度(I)を求め、該2つのエリプソパラメータと該反射
強度の状態によって表面疵の等級および種類を判定する
ことを特徴とする表面疵の検出方法、とする。
【0011】本発明に係る装置は、表面疵のエリプソパ
ラメ−タ(Ψ、Δ)特性をあらかじめ記憶する手段と、
被検査面に偏光を照射して表面反射光のエリプソパラメ
−タ(Ψ、Δ)を測定する手段と、測定した表面反射光
と記憶特性との比較結果を出力する手段を備えたことを
特徴とする表面疵検出装置、である。
【0012】また、被検査面に偏光を照射して該表面反
射光のエリプソパラメ−タ(Ψ、Δ)を求める手段と、
被検査面の同一箇所に同一ないし別個の光を照射して反
射強度(I)を測定する手段と、被検査面からの反射光
が属するΨ、Δ、Iの3次元座標位置を、あらかじめ定
めた範囲区分として出力する手段を備えたことを特徴と
する表面疵検出装置、とする。
【0013】被測定面が広い場合には、該反射光の受光
手段に複数の2次元撮像素子を用い、同一反射点に相当
する画素の測光値を用いてΨ、ΔないしIを計算するこ
とを特徴とする表面疵検出装置、とする。また、該偏光
の光源が単色光源であって、その光源を光ファイバーを
用いて被検査面上の所定範囲に照射し、該範囲を複数台
のエリプソメータで被検査面からの反射光を分担して受
光する受光するようにした疵検出装置とする。
【0014】
【作用】偏光特性は物質の表面性状に敏感であるため、
散乱光、回折を用いては検出不可能な表面特性を測定す
ることが可能である。模様状疵の表面には光の反射に関
係する特性の変化があり、エリプソパラメータが敏感に
変化する。しかし従来、どのような手段をとればエリプ
ソパラメータの変化が疵と対応づけできるのかが分かっ
ていなかった。発明者らは、エリプソパラメータと表面
疵との関係を調査した結果、模様状疵の場合は、疵とし
て検出したい酸化膜の膜厚の範囲に応じて、Ψ、Δが関
数特性をもって変化し、この特性を用いれば疵部分と正
常部分とが判別できることを知見した。
【0015】膜の上に異物が乗った模様状疵について
は、表面凹凸が伴うのでエリプソパラメータと同時に光
学的な反射率も変化する。この場合エリプソパラメータ
の変化と反射率強度変化の組み合わせで疵と正常部が判
別できる。また、疵の種類によって、この組み合わせが
再現するために、反射光の強度変化とエリプソ変化とを
組み合わせることによって疵の程度や種類が判別可能と
なる。
【0016】エリプソパラメ−タは、複数の受光素子を
用いて表面の各点について求める装置が一般的である。
しかし、発明者らは、2次元撮像素子を用いる装置を提
案する。広い範囲の被検査面のエリプソパラメ−タや反
射強度を測定する場合に、対象物の表面を複数の光学系
に分けて、2次元の撮像素子に結像させる。エリプソパ
ラメ−タや光強度の測定において、複数の撮像素子によ
って測定された光強度を被測定面の同一箇所に対応する
素子の強度を用いて演算する。光学系を補正することに
よって、同一反射点の反射光強度を求めるようにすれ
ば、単一の測光手段で走査するよりも、光学系が簡素に
なる。
【0017】また、光源はレーザ光源など比較的大出力
のものがある。1台のレーザ光源と、複数台のエリプソ
メータを用いて広い範囲のエリプソパラメータを測定す
る場合、光ファイバーを用いて共通の光源からの光を分
散させて照射すると幅広材料の各部分における照射強度
が均一となり、反射光強度の補正が容易となる。
【0018】
【実施例】本発明の第一の実施例を図1に示す。図1は
冷延鋼板上に5nm〜100nmの酸化膜が付着した場
合の偏光パラメータの変化の様子を示す。図1は一般な
偏光解析で用いられる「Δ- Ψチャート」であり、横軸
はP、S偏光の振幅比を現す角度Ψ、縦軸はP、S偏光
の位相差Δ、プロットのマーカは別な手段で測定した酸
化膜の膜厚を示している。測定条件は、He−Neレー
ザで波長633nm、測定入射角度を70度として、複
素屈折率2.0+i4.0の鋼板上に屈折率3.0の酸
化皮膜が存在する場合のものである。
【0019】図1において、酸化膜厚が20〜50nm
程度まではΨの変化が認められるが、0〜20nmおよ
び50〜100nmまではΔの変化が主になり、Ψはほ
とんど変化しない。従って酸化膜厚の管理範囲が0〜2
0nmあるいは50〜100nmにあって、厚さムラを
疵として捕らえようとしても、Ψのみを観測していては
検出することは不可能である。したがって、本発明は
Ψ、Δを同時に求め、この関係式に当てはめて、広い範
囲の酸化膜厚さを評価する。例えば、Ψが35度付近で
あり、かつΔが100度から250度の範囲である場合
は、膜厚が50nmから100nmと0nmから20n
mに対応する2つの線分で換算する。また、Ψが40度
以上でかつΔが100度から250度の範囲以外の場合
には、膜厚が20nmから35nm、35nmから50
nmに対応する線分で換算する。膜厚の正常範囲は鋼
種、厚さなどによって管理範囲を定めることにして、膜
厚が管理範囲を外れた部分を疵として検出する。
【0020】本発明の第二の実施例を図2から図4に示
す。図2は、模様状疵の内Aタイプの疵を検出した例を
示す。疵は線状に伸びており、この線を図の横方向の中
央にくるようにして、20mm幅の範囲のエリプソパラ
メータと反射光強度を幅方向位置を対応させて表示した
ものである。疵部分の位相差(Δ)と強度(I)は正常
部分(横方向の中央部以外)にくらべ疵の存在が判別し
にくい。しかし振幅比(Ψ)は、明らかに疵がある部分
(中央部)とない部分(中央部以外)を判別できる。こ
の疵は表面の薄い酸化皮膜であって、従来の光学式検査
機では検出できなかった疵である。
【0021】図3は模様状疵の内Bタイプの疵を検出し
た例を示す。疵はΨでは存在が判別できないが、位相差
(Δ)と強度(I)に感じている。Bタイプの疵は鋼板
のミクロな表面粗さが変化した場合に現れることが多
い。原因としては圧延ロール肌に部分的な荒れが生じた
場合などに起きる。
【0022】図4は模様状疵の内Cタイプの疵を検出し
た例を示す。この疵の場合はΔ、Ψ、Iのすべてのパラ
メータに感じている。タイプCは模様状疵の上に付着物
が乗ることにより鋼板表面の見掛けの粗さが大きく変化
した疵である。目視でみても分かる付着物で、従来の検
査機でも検出可能なものである。
【0023】図2から図4に示したように、疵の種類に
よっては、反射光の強度変化が伴うものと、伴わないも
のがある。またエリプソパラメータの値も疵の種類によ
って変化の様子が異なる。
【0024】次に疵の種類を判別する手段の一例を述べ
る。強度、Ψ、Δの各値は部分的に変化することがある
ので、絶対値では求め難い。そこで、各パラメータの移
動平均を測定しておいて、平均値からの変化を検出す
る。移動平均の定数は発生する疵の寸法に合わせてと
る。一定以上の変化が検出された場合はエリプソパラメ
ータについては角度の絶対値を、反射強度については平
均値からの変化量を評価値とする。Δ、Ψの絶対値と反
射強度の変化量は3次元の空間を構成する。この3次元
空間を経験則に基づいて区間分割し、各区間を疵の種類
と等級にあてはめる。複数の区間に疵の共通性があるも
のについては、これらをグループ化し、区間を等級で表
示することも可能である。
【0025】エリプソパラメータの測定装置は光学系に
よって種々の変化がある。発明者らは、先に反射光の4
つの偏光成分を求めることによってエリプソパラメ−タ
(Ψ、Δ)のみならず位相角Δの絶対値が分かり、かつ
入射光強度の変化も補正可能な光学系を提案した(特開
平5−113371号公報参照)。これで提案した光学
系のいずれかを用いて表面疵検出装置を構成した、本発
明の第三の実施例を図5に示す。
【0026】図5の表面疵検出装置は、エリプソメータ
本体1と、その出力からエリプソパラメ−タを演算する
エリプソパラメ−タ演算装置3、試料2に疵のあるもの
を用いたときにそのエリプソパラメ−タを記憶するエリ
プソパラメ−タ記憶装置4、特性が未知の試料2を用い
たときにそのエリプソパラメ−タと、記憶装置4に記憶
された疵の特性値とを比較するエリプソパラメ−タ比較
装置5、比較結果に応じて疵の有無、等級などを出力す
る疵信号出力装置6で構成されている。
【0027】エリプソメータ本体1は、例えば図6に示
す光学系で構成する。図6において10はレーザー光
源、11は偏光子、12は入射光を示す。入射光12は
偏光子11によって直線偏光となり、試料2の表面で反
射する。反射光13は14、15、16のビームスプリ
ッターおよび1/4波長板17によって相異なる4つの
偏光18a、18b、18c、18dに分割して、それ
ぞれの受光器19a、19b、19c、19dで光強度
1 、I2 、I3 、I4 を検出する。
【0028】エリプソパラメ−タの演算装置3は、これ
らの光強度から(3),(4)式によってエリプソパラ
メ−タを演算する。
【0029】 tanΔ=〔σR (I1 −I2 )〕/〔σT (I3 −I4 )〕 (3) tanΨ=〔(σR 2 −σT 2 )/2〕・〔{σR (I1 −I2 )}2 〕+ {σT (I3 −I4 )}2 1/2 ÷〔σR 2 (I1 +I2 )−σT 2 (I3 +I 4 )〕 (4) ここでσR ,σT はそれぞれ無偏光ビームスプリッター
14のP偏光、S偏光の振幅反射率比、および振幅透過
率比で、該光学部品に固有な値である。
【0030】エリプソパラメ−タ記憶装置4には、試料
2に予め疵のあるものを用いたときに、そのエリプソパ
ラメ−タの特性を記憶する。例えば図1のような酸化膜
の特性が記憶される。
【0031】エリプソパラメ−タ比較装置5は、未知の
特性を持った試料2のエリプソパラメ−タが得られたと
き、予め測定し記憶しておいた特性と比較する。これに
は、Ψ、Δ次元における区間分割処理などを適用する。
これによって膜厚信号を出力する。疵信号出力装置6
は、膜厚による合否の判定基準を設定しておき、膜厚が
所定範囲以内のとき正常とし、所定範囲を外れた時は異
常として警報出力する。
【0032】本発明の第四の実施例を図7に示す。図7
は本発明を鋼板の走行ラインに適用する装置の内、光学
系の部分を示す。本実施例の光学系は、エリプソパラメ
ータを求める系統と、反射強度を求める系統がある。こ
の実施例では、入射光の強度を試料の各部で均一とし時
間的変化は無くしたので、両系統で反射光の3つの偏光
成分を求め、これらの演算で反射光の強度(I)、エリ
プソパラメ−タ(Ψ、Δ)を求めることができる。
【0033】まずエリプソパラメータの系統では、高輝
度光源20から出た光は偏光板23で偏光させた後に試
料2の表面に照射する。表面からの反射光はウオーラン
トプリズム26で45°とー45°で直交する2つの偏
光成分に分離して2次元CCD素子を用いたカメラBで
画素ごとに偏光強度を測定する。カメラBは一台のCC
Dカメラの相異なる部分に分離した像を結ばせる方式と
している。これは、光学系を変更することによって別々
の2台のカメラに分けて分離して撮影することも可能で
ある。カメラBの光強度は、この図には表示していない
エリプソメータ演算装置に出力してこれら2つの光強度
を演算することによって試料面各点のエリプソパラメー
タが求められる。
【0034】次に反射強度を測定する系統について述べ
る。高輝度光源20から出た光は拡散板21で均一な強
度分布とした後に、試料2の表面に照射する。表面から
の反射光は無偏光プリズム25の面で反射して、偏光角
0度に設定した偏光子24を経たあとにカメラA27に
入る。カメラAでは、2次元のCCD素子を使用して測
定表面の各点の光強度を同時に求める。図7の光学系の
場合、反射強度(I)は、I=I2 +I3 −2I1 で求
められる。ここでI1 はカメラA、I2 、I3はカメラ
Bの45度、−45度偏光画像からそれぞれ得られる光
強度である。
【0035】図7の光学系の特徴は、広い範囲を均一に
偏光で照射し、偏光角度が0、45、−45度の画像か
ら試料面の多数の点のエリプソパラメータと反射強度を
同時に演算できるようにしたことである。エリプソパラ
メータ出力は、記憶パターンと比較することで膜厚や疵
種類に換算する。
【0036】図8は反射光強度とエリプソパラメータを
同時に使って疵検出する装置の信号処理系統図である。
図7の光学系の出力を信号処理する部分に相当する装置
である。
【0037】カメラA、カメラBからの出力信号は一旦
フレームメモリーA31,フレームメモリーB31に蓄
積する。フレームメモリーBは2つの偏光角度の像が蓄
えられているから、光強度を蓄えているフレームメモリ
ーAと合わせて、試料表面の同一点が合計3つの光強度
情報を与えることになる。この際、視野角度によって
Δ、Ψ、Iにフレームメモリー上で位置的なずれが生じ
るので、位置縮尺補正装置32はフレームメモリーに捕
らえられた3偏光成分の画像について、光学系のフレネ
ル係数から求められる位置・縮尺を一致させる処理を行
う。次ににΔ、Ψ、I計算装置33は、Δ、Ψ、I計算
を一致した画素ごとに行う。等価複素屈折率計算装置3
5は、入射光の偏光状態を基に、反射光から計算した
Δ、Ψ、Iから試料各点の等価複素屈折率を計算する。
これらの演算結果は適当なマッピング処理を施した後、
表示装置36に表面状態として表示する。簡易的には
Δ、Ψ、Iの画像のまま過去のデータと比較してもよ
い。
【0038】図9は、図2から図4の疵に対するマッピ
ング処理の例である。図9aは反射強度Iが通常値から
上昇した場合に適用する判別図である。Δ、Ψが図の斜
線部にあるときDタイプ疵のグレード1、2、3と対応
させる。図9bは反射光強度が通常値にある場合に適用
する。Δ、Ψの値に応じてA、Bのタイプとグレードを
斜線部のように割り当てる。同様に図9のc,dは反射
光強度が通常値から下降した場合に適用するものであ
る。この場合はΔ、Ψの値によらず、強度の区分のみで
疵タイプとグレードを割り当てる。
【0039】図10は多チャンネルエリプソメータを並
列配置する本発明の第五の実施例を示す。この装置は2
000mm幅の幅広鋼板40が最大ライン速度600m
/分で移動中に疵検出することを目的としている。光源
は波長800nmのレーザー41で、この光を光ファイ
バー42を用いて被測定面の近くに導く。偏光板43に
よって入射光は45度の直線偏光とする。鋼板面への入
射角は65度とした。光ファイバーのかわりに放物面鏡
を用いてレーザー光をスリット状平行光線とし、鋼板に
照射してもよい。光検出カメラ44、45、46は10
24画素の一次元CCDを用いて、幅方向分解能0.2
5mm、1チャンネルで鋼板の250mm幅を見る構成
とした。
【0040】1〜8ヘッドそれぞれに画像処理装置を付
けてライン速度に見合う速さで偏光強度計算を行う。処
理速度を向上させるため、Δ、Ψ、I演算装置33は8
セット分を並列処理している。ライン速度が遅い場合、
または分解能が低い場合は並列処理数を増やして装置台
数を減らすことが可能である。これらの信号は、画像処
理装置34でエリプソパラメータ演算を行ったあと、マ
ッピング表示装置36で疵の判別を行う。
【0041】この実施例におけるマッピング処理は、疵
が画像内に現れると、Δ、Ψ、Iのうち、どのパラメー
タが変化しているかの組合せによって、疵種類の判別を
行う。疵の程度は、例えば図4のΔについて、正常部の
Δの値113°程度から疵部のΔの値98°までの変化
の度合いで決定する。図4ではΔの変化値が2〜3°以
内は害のない疵であるが、それ以上は出荷品質として許
容できないものであるから、異常部分として、警報出力
する。検査対象の鋼板上には油が塗られているが、エリ
プソメータとしての基本的機能を有しているため、油膜
厚さムラの測定も可能である。
【0042】上記実施例はいずれも光強度を求める光源
と、エリプソパラメータを求める光源が同一の場合で示
した。これらは必ずしも同一である必要はなく、反射光
を求めるための通常光源と、エリプソパラメータを求め
る偏光光源を独立に設置してもよい。
【0043】
【発明の効果】エリプソパラメータを記憶した値と比較
することによって、従来検出ができなかった鋼板面の模
様状疵の検出が可能となる。エリプソパラメータと反射
光強度と組み合わせたので、疵種類の判定が可能にな
る。2次元撮像素子を用いたのでコンパクトな光学系と
なる。また、幅広材料に適用する場合には、光源の光を
光ファイバーで導くようにしたので、照射光が均一とな
り、簡易な補正で正確な測定が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 鋼板上に酸化膜が付いた場合のエリプソパラ
メ−タを示す図。
【図2】 タイプAの疵の反射特性を示す図。
【図3】 タイプBの疵の反射特性を示す図。
【図4】 タイプCの疵の反射特性を示す図。
【図5】 本発明による疵検出装置の一実施例を示す
図。
【図6】 エリプソパラメータの光学系の一例を示す
図。
【図7】 本発明による光学系の一実施例を示す図。
【図8】 本発明による信号処理系の一実施例を示す
図。
【図9】 本発明によるマッピングの一実施例を示す
図。
【図10】 本発明による疵検出装置の一実施例を示す
図。
【符合の説明】
1.エリプソメータ本体 2.試料 3.エリプソパラメータ演算装置 4.エリプソパラメータ記憶装置 5.エリプソパラメータ比較装置 6.疵信号出力装置 10.レーザー光源 11.偏光子 12.入射光 13.反射光 14.無偏光ビームスプリッター 15.16.偏光ビームスプリッター 17.1/4波長板 18.偏光ビーム 19.受光器 20.高輝度光源 21.拡散板 22.単色フィルター 23.偏光板 24.偏光子 25.無偏光プリズム 26.ウオーラントプリズム 27.カメラA 28.カメラB 30.31.フレームメモリ 32.位置縮尺補正装置 33.Δ、Ψ、I演算装置 34.σ補正装置 35.等価複素反射率演算装置 36.マッピング表示装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−163269(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 21/89 - 21/892 G01B 11/00 - 11/30

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検査面に偏光を照射して表面反射光の
    エリプソパラメータ(Ψ、Δ)を求め、被検査面の同一
    箇所に同一ないし別個の光を照射して表面の反射強度
    (I)を求め、該2つのエリプソパラメータと該反射強
    度の状態によって表面疵の等級および種類を判定するこ
    とを特徴とする表面疵の検出方法。
  2. 【請求項2】 表面疵のエリプソパラメータ(Ψ、Δ)
    特性をあらかじめ記憶する手段と、被検査面に偏光を照
    射して表面反射光のエリプソパラメータ(Ψ、Δ)を測
    定する手段と、測定した反射光と記憶特性との比較結果
    を出力する手段を備えたことを特徴とする表面疵検出装
    置。
  3. 【請求項3】 被検査面に偏光を照射して表面反射光の
    エリプソパラメータ(Ψ、Δ)を求める手段と、被検査
    面の同一箇所に同一ないし別個の光を照射して反射強度
    (I)を測定する手段と、被検査面からの反射光が属す
    るΨ、Δ、Iの3次元座標位置を、あらかじめ定めた範
    囲区分として出力する手段を備えたことを特徴とする表
    面疵検出装置。
  4. 【請求項4】 反射光の受光手段に複数の2次元撮像素
    子を用い、同一反射点に相当する画素の測光値を用いて
    Ψ、ΔないしIを計算することを特徴とする請求項2ま
    たは請求項3記載の表面疵検出装置。
  5. 【請求項5】 偏光の光源が単色光源であって、その光
    源を光ファイバーを用いて被検査面上の所定範囲に照射
    し、該範囲を複数台のエリプソメータで被検査面からの
    反射光を分担して受光するようにしたことを特徴とする
    請求項2または請求項3記載の表面疵検出装置。
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