JP3256909B2 - アルミニウム合金フィン材 - Google Patents

アルミニウム合金フィン材

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高熱伝導性のアルミニ
ウム合金フィン材に関するものであり、さらに詳しく
は、特にろう付法によって製造される熱交換器のラジエ
ーター、ヒーター、コンデンサー等のフィンとして使用
されるものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】自動車
用熱交換器の多くはAl及びAl合金が使用されており
ろう付法により製造されている。通常ろう付はAl−S
i系のろう材が用いられ、そのためろう付は 600℃程度
の高温で行われる。
【0003】ラジエーター等の熱交換器は例えば図1に
示すように複数本の偏平チューブ(1)の間にコルゲー
ト状に加工した薄肉フィン(2)を一体に形成し、該偏
平チューブ(1)の両端はヘッダー(3)とタンク
(4)とで構成される空間にそれぞれ開口しており、一
方のタンク側の空間から偏平チューブ(1)内を通して
高温冷媒を他方のタンク(4)側の空間に送り、チュー
ブ(1)及びフィン(2)の部分で熱交換して低温にな
った冷媒を再び循環させるものである。
【0004】とろこで、近年、熱交換器は軽量・小型化
の方向にあり、そのためには熱交換器の熱効率の向上が
必要であり、材料の熱伝導性の向上が望まれている。特
に、フィン材の熱伝導性の向上は検討されており、合金
成分を純アルミニウムに近づけた合金のフィン材が熱伝
導フィンとして提案されている。しかしながら、フィン
を薄肉化した場合、フィンの強度が十分でないと熱交換
器の組付け時にフィンが潰れたり、熱交換器として使用
時に破壊してしまうという問題がある。純アルミニウム
系合金フィンの場合、強度が不足してしまう欠点を有し
ており、高強度で熱伝導性を向上させたフィン材はいま
だ開発されていない。これは、高強度化にはMn等の合
金元素の添加が有効であるが、熱交換器を製造する工程
に 600℃付近まで加熱されるブレージングがあるため、
ブレージング加熱中に、合金に添加した元素が再固溶し
熱伝導性の向上を阻害するためである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこれに鑑
み、ろう付け後の強度と熱伝導性が高いフィン材を開発
するには、Si及びFe量を適正化し熱伝導性を向上さ
せ、さらに熱伝導性を低下することなく強度の向上効果
が大きい合金元素を見出せれば問題が解決できると考
え、本発明に到った。
【0006】即ち、本発明は、ろう付け後の熱伝導性と
強度に優れたフィン材についてなされたものであり、そ
の一つは 0.005wt%を越え 0.3wt%以下のSi、 0.5wt
%を越え 1.5wt%以下のFe、 0.1wt%を越え 2.0wt%
以下のNi、0.01wt%を越え2.0 wt%以下のCoを含有
し、残部アルミニウム及び不可避的不純物からなること
を特徴とするものである。
【0007】また本発明の他のフィン材は、 0.005wt%
を越え 0.3wt%以下のSi、 0.5wt%を越え 1.5wt%以
下のFe、 0.1wt%を越え 2.0wt%以下のNi、0.01wt
%を越え 2.0wt%以下のCo、0.01wt%を越え 0.2wt%
以下のZrを含有し、残部アルミニウム及び不可避的不
純物からなることを特徴とするものである。
【0008】また本発明の他の一つは、 0.005wt%を越
え 0.3wt%以下のSi、 0.5wt%を越え 1.5wt%以下の
Fe、 0.1wt%を越え 2.0wt%以下のNi、0.01wt%を
越え2.0 wt%以下のCoを含有し、さらに 2.0wt%以下
のZn、 0.3wt%以下のIn、 0.3wt%以下のSnのう
ち1種又は2種以上を含有し、残部アルミニウム及び不
可避的不純物からなることを特徴とするものである。
【0009】また本発明のさらに他の一つは、 0.005wt
%を越え 0.3wt%以下のSi、 0.5wt%を越え 1.5wt%
以下のFe、 0.1wt%を越え 2.0wt%以下のNi、0.01
wt%を越え 2.0wt%以下のCo、0.01wt%を越え 0.2wt
%以下のZrを含有し、さらに 2.0wt%以下のZn、
0.3wt%以下のIn、 0.3wt%以下のSnのうち1種又
は2種以上を含有し、残部アルミニウム及び不可避的不
純物からなることを特徴とするものである。
【0010】
【作用】本発明フィン材の添加元素の役割及び合金組成
の限定理由について説明する。Siは、その添加により
強度を向上させる。Siそのものが固溶硬化して強度を
向上させるに加え、特に、FeやNi及びCoと共存す
る場合、FeやNi及びCoの析出を促進する作用を有
するため、分散強化に寄与する金属間化合物を増やし、
強度を向上させる。Siが 0.005wt%以下の場合上記効
果が十分でなく、 0.3wt%を越えるとSiの固溶量が多
くなり熱伝導性が低下する。従って、Siは 0.005wt%
を越え 0.3wt%以下とするが、特に0.05〜0.2 wt%で安
定した特性を示す。
【0011】Feは合金中に一定量固溶硬化し、残りは
金属間化合物として存在する。前者は強度を向上させる
が、熱伝導性を大きく低下させる。後者は、分散硬化に
よりわずかに強度を向上させるが、Siと金属間化合物
を形成してSi添加による強度向上効果を逆に減じる作
用がある。ここで、Fe添加量が0.05wt%以下では強度
向上効果が十分でなく、 1.5wt%を越えると成形性が低
下し、フィンのコルゲート成形ができにくくなる。
【0012】Ni及びCoは、本発明者らが鋭意検討を
行った結果、熱伝導性を低下することなく強度を向上さ
せる効果を有することが判明した、本発明における重要
な添加元素である。即ち、Ni及びCoは固溶硬化によ
り強度を向上させるが、同時にNi及びCoの固溶量に
相当するFeの固溶量を減じさせる作用を有するのであ
る。FeとNi及びCoでは固溶した際に、強度の向上
に対する効果はほぼ同じであるが、熱伝導性の低下はN
i及びCoの方が格段に少ないのである。そのため、上
記Fe量を含有した合金にNi及びCoを添加すると、
熱伝導性が低下することなく強度が向上するのである。
【0013】ここで、NiとCoでは、上記効果はNi
の方が大であるが、CoはFe系の金属化合物発生の核
となり、上記効果を促進する作用を有する。従って、N
iの添加量は 0.1wt%以下では効果が十分でないが、C
oの添加量は0.01wt%以上で効果がある。また、両者と
も、 2.0wt%越えて添加した場合、成形性が低下し、フ
ィンのコルゲート成形ができにくくなる。
【0014】本発明合金では、さらに0.01wt%を越え
0.2wt%以下のZrを添加する場合がある。Zrはろう
付時に生じる再結晶粒を粗大化し、フィンの垂下性並び
にフィンへのろうの拡散を防止する働きを有する。しか
してZr添加量は0.01wt%以下ではその働きが十分でな
い。しかし、発明者らが調べたところ、Zrは強度を向
上させる働きをほとんど有さず、熱伝導性を低下させる
元素であるのでその添加の上限を 0.2wt%と定めた。
【0015】本発明合金では、さらに 2.0wt%以下のZ
n、 0.3wt%以下のIn、 0.3wt%以下のSnのうち1
種又は2種以上を添加することがある。これらは、フィ
ン材に犠牲陽極効果を付与するために添加されるもので
あり、それぞれ、上記量を越えて添加した場合、熱伝導
性が低下する。
【0016】さて、本合金の不可避的不純物及び上記以
外の理由で添加される元素であるが、鋳塊組織の微細化
のために添加されるTiやB等があり、これらの元素は
それぞれ0.03%以下であれば添加されていても差し支え
ない。また、Cu,Mn,Mg,Na,Cd,Pb,B
i,Ca,Li,Cr,K,V等の元素が強度向上や鋳
塊割れ防止や成形性向上等の理由で添加される場合、そ
れぞれ0.03wt%以下を必須条件とする。これらの元素
は、いずれも、0.03wt%を越えて添加した場合熱伝導性
を低下させるためである。
【0017】以上が本発明の合金組成であるが、本発明
フィン材はベア材として用いることが可能であり、ま
た、ブレージングシートフィンの芯材として用いること
も可能である。後者の場合のろう材は従来より使用され
ているろう合金をそのまま使用して構わない。
【0018】本発明のフィンを用いる熱交換器は、自動
車用のラジエーター、コンデンサー、エバポレーター、
オイルクーラー等を挙げることができるが、これらに限
定するものではない。
【0019】また、本発明のフィンをろう付する方法は
従来より行われている非腐食性フラックスろう付、フラ
ックスろう付、真空ろう付等、いずれでも可能である。
【0020】本発明のフィンの製造は、半連続鋳造によ
り鋳塊を製造し、熱間圧延、冷間圧延・焼鈍の工程で製
造可能であり、また、連続鋳造圧延、冷間圧延・焼鈍の
工程でも製造可能である。
【0021】
【実施例】以下に実施例により本発明を具体的に説明す
る。表1に示す組成のアルミニウム合金フィン材(板厚
60μm、H14調質)を常法により作製した。これらフ
ィン材のろう付加熱後の強度と導電率と5%NaCl溶
液中で飽和カロメル電極を用いて自然電位を測定し、そ
れらの結果を表2に示す。なおろう付加熱の条件は窒素
ガス中で 600℃×5分で行った。ここで、導電率は熱伝
導性の指標であり、フィンの導電率が5%IACS向上
すると熱交換器の熱効率は1%程度向上する。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】表2より従来例のフィン材は引張強さと導
電率の両者に優れているものがないのに対して、本発明
例のフィン材は自然電位は従来のフィン材と同等である
にもかかわらず引張強さと導電率の両方に優れた値を示
していることが判る。
【0025】
【発明の効果】以上のように本発明のフィン材は高強度
で熱伝導性に優れているので、自動車用熱交換器として
好適に使用できる等工業上で顕著な効果を奏するもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】ラジエーターを示す一部断面の斜視図である。
【符号の説明】
1 偏平チューブ 2 フィン 3 ヘッダー 4 タンク

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 0.005wt%を越え 0.3wt%以下のSi、
    0.5wt%を越え 1.5wt%以下のFe、 0.1wt%を越え
    2.0wt%以下のNi、0.01wt%を越え 2.0wt%以下のC
    oを含有し、残部アルミニウム及び不可避的不純物から
    なることを特徴とするアルミニウム合金フィン材。
  2. 【請求項2】 0.005wt%を越え 0.3wt%以下のSi、
    0.5wt%を越え 1.5wt%以下のFe、 0.1wt%を越え
    2.0wt%以下のNi、0.01wt%を越え 2.0wt%以下のC
    o、0.01wt%を越え 0.2wt%以下のZrを含有し、残部
    アルミニウム及び不可避的不純物からなることを特徴と
    するアルミニウム合金フィン材。
  3. 【請求項3】 0.005wt%を越え 0.3wt%以下のSi、
    0.5wt%を越え 1.5wt%以下のFe、 0.1wt%を越え
    2.0wt%以下のNi、0.01wt%を越え 2.0wt%以下のC
    oを含有し、さらに 2.0wt%以下のZn、 0.3wt%以下
    のIn、 0.3wt%以下のSnのうち1種又は2種以上を
    含有し、残部アルミニウム及び不可避的不純物からなる
    ことを特徴とするアルミニウム合金フィン材。
  4. 【請求項4】 0.005wt%を越え 0.3wt%以下のSi、
    0.5wt%を越え 1.5wt%以下のFe、 0.1wt%を越え
    2.0wt%以下のNi、0.01wt%を越え 2.0wt%以下のC
    o、0.01wt%を越え 0.2wt%以下のZrを含有し、さら
    に 2.0wt%以下のZn、 0.3wt%以下のIn、 0.3wt%
    以下のSnのうち1種又は2種以上を含有し、残部アル
    ミニウム及び不可避的不純物からなることを特徴とする
    アルミニウム合金フィン材。
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