JP3256591B2 - 液冷却式電気機器の異常診断方法及び異常監視装置 - Google Patents

液冷却式電気機器の異常診断方法及び異常監視装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、不活性絶縁液体中に
溶解した固体絶縁材料の分解生成物を異常指標として用
いる液冷却式電気機器の異常診断方法及び異常監視装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、電気機器の内部異常を早期に検
出することは、事故の拡大を未然に防止するために重要
である。このような異常の検出方法としては、機器に使
用されている絶縁材料からの分解生成物を分析する方法
が実用化されている。
【0003】SF6ガス及び不活性絶縁液体(例えばC8
16Oのようなパーフルオロカーボン:以下PFC液と
称する)を使用した液冷却式ガス絶縁変圧器の内部異常
診断については、文献1『電気学会論文誌B 大容量液
冷却式ガス絶縁変圧器の異常診断法』(111巻7号平
成3年7月)、文献2『平成3年 電気学会 電力・エ
ネルギー部門大会論文集』P555、又は文献3『平成
4年 電気学会 電力・エネルギー部門大会論文集』P
668に示されるように、PFC液面上ガス或はPFC
液中の固体絶縁材料の分解生成物を分析して内部異常を
診断する方法が報告されている。
【0004】即ち、文献1に示された方法は、PFC液
の蒸気を含むSF6ガスをガスクロマトグラフに注入
し、SF6ガス及びPFC液の分解で生成したSF4,S
2,CF4などの分解指標ガスを分析するものである。
また、文献2の方法は、固体絶縁材料の分解生成物がP
FC液に溶解することに着目し、ガスクロマトグラフ或
はガスクロマトグラフ質量分析器にPFC液を注入し、
PFC液中の分解生成物を分析するものである。さら
に、文献3の方法は、ガスクロマトグラフにPFC液を
注入し、PFC液中に溶解しているCF4やC26
ど、PFC液そのものの分解生成物を分析するものであ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の異
常診断方法のうち、文献1の方法は、PFC液面上のガ
スが分析対象となるため、SO2,CF4などのガス化し
易い異常指標成分の分析には適しているが、固体絶縁材
料からの凝縮し易い分解生成物の分析は難しいという問
題点があった。また、文献2の方法では、ガスクロマト
グラフ或はガスクロマトグラフ質量分析器に直接注入で
きるPFC液の量が数μリットル程度であるため、分解
生成物の濃度が低い場合は、検出感度以下となり、分析
が難しいという問題点があった。さらに、文献3の方法
は、PFC液そのものの分解生成物が分析の対象であ
り、固体絶縁材料の分解生成物を分析できず、かつ文献
2の方法と同様、PFC液そのものの分解生成物の濃度
が低い場合は、検出感度以下となり、分析が難しいなど
の問題点があった。
【0006】この発明は、上記のような問題点を解決す
ることを課題としてなされたものであり、低濃度の異常
指標成分を高感度で検出でき、これにより内部異常をよ
り確実に早期に検出できる液冷却式電気機器の異常診断
方法及び異常監視装置を得ることを目的とする。
【0007】1の発明に係る液冷却式電気機器の異常
診断方法は、不活性絶縁液体中に溶解している固体絶縁
材料の微量の分解生成物を濃縮して集め、濃縮された中
から上記分解生成物を抽出して分析し、内部異常を診断
するものである。
【0008】2の発明に係る液冷却式電気機器の異常
診断方法は、不活性絶縁液体を吸着剤に通し、上記不活
性絶縁液体中に溶解している固体絶縁材料の微量の分解
生成物を濃縮して集め、濃縮された上記分解生成物を上
記吸着剤から抽出して分析し、内部異常を診断するもの
である。
【0009】3の発明に係る液冷却式電気機器の異常
診断方法は、固体絶縁材料の分解生成物を溶解し得る溶
剤を、この溶剤よりも多い量の不活性絶縁液体に混ぜる
とともに、不活性絶縁液の絶対量を多くして、不活性絶
縁液体中に溶解している固体絶縁材料の微量の分解生成
物を濃縮して集めて分析することにより、内部異常を診
断するものである。
【0010】4の発明に係る液冷却式電気機器の異常
診断方法は、固体絶縁材料の微量の分解生成物が溶解さ
れている上記不活性絶縁体を蒸発乾固させて、上記分解
生成物を濃縮し、この濃縮して集められた 残渣に上記
分解生成物を溶解しうる溶剤を加え、これを分析して、
内部異常を診断するものである。
【0011】請求項5の発明に係る液冷却式電気機器の
異常監視装置は、不活性絶縁液体中の分解生成物を吸着
する吸着剤を、不活性絶縁液体の循環路の途中に設けた
ものである。
【0012】
【作用】請求項1の発明においては、内部異常で生成さ
れた凝縮し易い固体絶縁材料の分解生成物を、不活性絶
縁液体中から濃縮捕集した後に分析することにより、分
解生成物の濃度が低い異常の初期段階でも、異常指標成
分を十分な感度で検出でき、診断の精度が向上する。
【0013】請求項2の発明においては、不活性絶縁液
体中の固体絶縁材料の分解生成物を吸着剤により選択的
に吸着することにより、分解生成物の濃度が低い場合に
も、分析に必要な絶対量を得ることができる。
【0014】請求項3の発明においては、溶剤抽出によ
り不活性絶縁液体中の固体絶縁材料の分解生成物を濃縮
捕集するので、分解生成物の濃度が低い場合にも、分析
に必要な絶対量を得ることができる。
【0015】請求項4の発明においては、不活性絶縁液
体中の固体絶縁材料の分解生成物の沸点が、不活性絶縁
液体よりも高いので、不活性絶縁液体を蒸発乾固させた
後、適量の溶剤で希釈すれば、分解生成物の溶剤中濃度
を分析の最低感度以上の濃度に高めることができる。
【0016】5の発明に係る液冷却式電気機器の監視
装置は、不活性絶縁液体中に溶解した固体絶縁材料の分
解生成物を分析することにより内部異常を監視するため
の液冷却式電気機器の異常監視装置において、液冷却式
電気機器内の不活性絶縁液体を循環させるために外部に
設けられた循環路と、この循環路の途中で、分岐され、
再び循環路に戻る経路からなる配管と、この配管の途中
に設けられ、上記不活性絶縁液体中の分解生成物を濃縮
して集める吸着剤とを備え、濃縮して集められた分解生
成物を上記吸着剤から抽出して分析することにより内部
異常を監視することを特徴とする液冷却式電気機器の異
常監視装置。
【0017】
【実施例】一般に、液冷却式ガス絶縁変圧器でアーク放
電、部分放電、過熱などの異常が起こると、SF6ガス
やPFC液が分解する。また、変圧器内部には種々の固
体絶縁材料が使用されており、異常発生の際にはこれら
の材料も分解する。そして、これら固体絶縁材料の分解
生成物は、微量ながらPFC液に溶解する。特に、沸点
が高く凝縮し易い分解生成物は、SF6ガス中よりもP
FC液中に多く存在するので、固体絶縁材料の分解生成
物に着目した異常診断では、PFC液中成分の分析の方
が優れている。
【0018】以下に導体絶縁用の固体絶縁材料として使
用されているポリエチレンテフタレートフィルム(以下
PETフィルムと称する)の分解試験で、PFC液中成
分分析の有効性を評価した結果を述べる。ここでは、ガ
スクロマトグラフ質量分析器に直結した熱分解装置を用
い、PETフィルムを400℃で分解させ、アセトアル
デヒド(C24O)、フラン(C44O)、ベンゼン
(C66)、1−フェニール1,2−プロパンジオン
(C1012O)、1−1′ビフェニール(C1210)な
どの生成を確認した。
【0019】次に、PFC液及びSF6ガスを封入した
ステンレス容器中で、PETフィルムを400℃に加熱
して分解成分を調べた。図1は、PFC蒸気が共存する
容器空間のSF6ガスを、キャピラリーカラムを使用し
た水素炎イオン化検出器形のガスクロマトグラフで分析
した結果を示すものである。クロマトグラムには、比較
的沸点の低いアセトアルデヒド(約20℃)、フラン
(約32℃)、ベンゼン(約80℃)のピークが観測さ
れる。
【0020】図2は、前記容器から採取したPFC液
に、PFC液と同容積のメタノール水溶液(メタノール
80%)を加え、十分に振盪した後、上層のメタノール
水溶液を採取し、これを可視紫外検出器形の液体クロマ
トグラフで分析した結果を示すものである。検出波長
は、273nmである。クロマトグラムには比較的沸点
の高い1−フェニール1,2−プロパンジオン(約21
7℃),1−1′ビフェニール(約256℃)のピーク
が観測される。
【0021】ここで、変圧器内部における各固体絶縁材
料の使用場所は分かっているので、材料固有の分解生成
物が分かれば、内部異常の位置を推定できることにな
る。例えば、1−1′ビフェニールは、他材料の分解生
成物と識別できるPETフィルム固有の分解生成物であ
る。以上の試験結果から、PFC液中成分の分析が優れ
ていることが明らかである。
【0022】実施例1.次に、請求項1及び請求項2の
発明の実施例について説明する。PFC液中の微量な固
体絶縁材料の分解成分は、吸着剤を用いて濃縮捕集でき
る。その能力を以下のような方法で調べた。
【0023】内径約20mm、高さ約500mmのガラ
ス管に約60gの吸着剤を充填し、この上部から、前述
の実施例1で用いたPETフィルム分解生成物を含むP
FC液約200mリットルを約60mリットル/min
の流量で流下させ、流下前後のPFC液について、溶剤
抽出液を可視紫外分光光度計を用いて吸光度を測定し
た。測定波長は273nmである。この測定では、27
3nmの特徴吸収を示す固体絶縁材料の分解生成物の総
量が求まる。用いた吸着剤は活性炭、活性アルミナ及び
モレキュラシーブ5Aである。
【0024】この結果、吸着剤によるPFC液中固体絶
縁材料の分解生成物の回収率は、活性炭:95%、活性
アルミナ:47%、モレキュラシーブ5A:36%であ
った。このように、吸着剤の種類によって捕集能力に差
が見られるものの、吸着剤とPFC液とを接触させるこ
とにより、PFC液中の固体絶縁材料の分解生成物を捕
集できることが明らかである。従って、吸着剤とPFC
液との接触条件を最適化することによって、固体絶縁材
料の分解生成物を高効率で濃縮捕集できることは言うま
でもない。
【0025】吸着剤に濃縮捕集した分解生成物の分析方
法としては、吸着剤からPFC液を蒸発させた後、これ
をガスクロマトグラフのキャリアガス流路に配置し、加
熱により分解生成物を離脱させ、ガスクロマトグラフ検
出部へ導入する方法や、溶剤中に固体絶縁材料の分解生
成物を溶出させ、これをガスクロマトグラフや液体クロ
マトグラフで分析する方法などがある。
【0026】このように、沸点が高く凝縮し易い固体絶
縁材料の分解生成物を、SF6ガス中に比べて多く存在
するPFC液中から吸着剤に濃縮捕集して分析するよう
にしたので、低濃度の異常指標成分が高感度で検出さ
れ、これにより内部異常がより確実に早期に検出され
る。
【0027】実施例2.次に、請求項3の発明の実施例
について説明する。ベンゼン、トルエン、アセトン、エ
チルアルコールなど、ほとんどの溶剤はPFC液と相溶
性がなく、固体絶縁材料の分解生成物を溶解するので、
このことを利用して、PFC液に溶剤を加えることによ
り、固体絶縁材料の分解生成物を抽出することができ
る。このとき、溶剤容量に対してPFC液容量を多くす
るとともに、PFC液の絶対量を多くすれば、PFC液
中の微量成分を非常に濃縮して採取できるので、内部異
常指標成分を高感度で検出できる。溶剤中に濃縮捕集さ
れた固体絶縁材料の分解生成物は、ガスクロマトグラフ
や液体クロマトグラフなどで分析すればよい。
【0028】ここで、抽出溶剤容量とPFC液容量とを
1:1として液体クロマトグラフで分析した例を図3
に、これと同一の抽出溶剤容量とPFC液容量とを1:
10として液体クロマトグラフで分析した例を図4に示
す。この結果から、抽出溶剤容量に対しPFC液容量を
多くした場合は、高感度に検出できることがわかる。
【0029】なお、それぞれの分析において、抽出溶剤
及び分析対象成分の保持時間との関係を考慮し、複数種
の溶剤を同時に加えて抽出したものを分析してもよい。
【0030】実施例3.次に、請求項4の発明の実施例
について説明する。C816OのようなPFC液は、比
較的沸点が低く(約100℃)、室温でも容易に蒸発す
る。このことを利用して、PFC液中の固体絶縁材料の
分解生成物を蒸発乾固させる。そして、蒸発残渣に適量
(必要最小限でよい)の溶剤を加えて溶解した後、ガス
クロマトグラフや液体クロマトグラフで分析する。この
とき、残渣を直接赤外分析してもよい。
【0031】実施例4.次に、図5は請求項5の発明の
一実施例による異常監視装置を有する液冷却式ガス絶縁
変圧器を示す構成図である。図において、1は変圧器タ
ンク、2,3はそれぞれ変圧器タンク1内に収容され変
圧器本体を構成するコイル及び鉄心、4は変圧器を冷却
するための不活性絶縁液体であるPFC液、5は変圧器
タンク1内に封入されたSF6 ガス、6はPFC液4を
冷却するための冷却器、7はPFC液4を変圧器タンク
1と冷却器6とに循環させるための液循環ポンプ、8は
変圧器タンク1内のPFC液4を冷却器6に導くための
液出口配管、9はPFC液4を変圧器タンク1内に導く
ための液入口配管である。
【0032】10はPFC液4の循環路に設けられてい
る吸着剤収納容器であり、この吸着剤収納容器10内に
は、固体絶縁材料の分解生成物を濃縮捕集するための吸
着剤として、ここでは活性炭11が収納されている。1
2a,12bは吸着剤収納容器10の両端部に取り付け
られている配管接続用のフランジ、13a〜13dは吸
着剤収納容器10を通るPFC液4の循環流路上に配置
されたバルブ、14はPFC液4の循環流路外への液の
排出口である。
【0033】次に、動作について説明する。変圧器タン
ク1内のPFC液4は、液出口配管8、液循環ポンプ
7、冷却器6、液入口配管9の順路で循環している。活
性炭11を充填した吸着剤収納容器10には、冷却器6
から変圧器タンク1に循環するPFC液4が分流して流
入する。
【0034】変圧器本体内部で異常が発生すると、固体
絶縁材料が分解して分解生成物が発生し、この分解生成
物はPFC液4中に溶解する。そして、吸着剤収納容器
10に流入するPFC液4中の分解生成物が、活性炭1
1に吸着される。吸着剤収納容器10にはPFC液4が
常時送り込まれているので、活性炭11には、PFC液
4中の固体絶縁材料の分解生成物が経時的に濃縮捕集さ
れていく。
【0035】吸着剤収納容器10は、バルブ13a及び
13dを閉じた後、フランジ12a,12bで縁切する
ことにより、定期的に取り外して、活性炭11に吸着し
ている成分を実施例2で述べたような方法で分析する。
吸着剤収納容器10を再度流路に取り付ける場合は、フ
ランジ12a及び12bを結合した後、バルブ13dを
閉じた状態で、バルブ13a,13b,13cを開い
て、液排出口14から液を溢流させて、吸着剤収納容器
10内の空気を排出させてから、バルブ13cを閉じ、
循環流路を復元形成させる。
【0036】このような装置構成とすることにより、上
記実施例2で述べたような固体絶縁材料の分解生成物の
凝縮捕集、分析が効率良く容易に行える。
【0037】なお、上記各実施例では液冷却式ガス絶縁
変圧器の例を示したが、PFC液などの不活性絶縁液体
により冷却を行うものであれば、他の電気機器にもこの
発明は適用できる。
【0038】
【発明の効果】1の発明の液冷却式電気機器の異常診
断方法は、不活性絶縁液体中に溶解している固体絶縁材
料の微量の分解生成物を、濃縮して集め、濃縮された中
から上記分解生成物を抽出して分析することにより、
部異常を診断するようにしたので、低濃度で溶解してい
異常を示す固体絶縁材の分解生成物を、高感度に検出
でき、これにより内部異常を早期に検出でき、また異常
を起こした部位の推定が可能となるという効果を奏す
る。
【0039】また、2の発明の液冷却式電気機器の異
常監視装置は、不活性絶縁液体を吸着剤に通し、上記不
活性絶縁液体中に溶解している固体絶縁材料の分解生成
物を濃縮して集め、濃縮された上記分解生成物を上記吸
着剤から抽出して分析し、内部異常を診断するようにし
たので 活性絶縁液体吸着剤に通すことで、分解生
成物を効率良く選択し濃縮して集めることができ、さら
に吸着剤から分解生成物を抽出して分析を行なうことで
内部異常診断が可能となるという効果を奏する。
【0040】第の発明の液冷却式電気機器の異常診断
方法は、固体絶縁材料の分解生成物を溶解し得る溶剤
、この溶剤よりも多い量の不活性絶縁液体に混ぜると
ともに、不活性絶縁液の絶対量を多くして、不活性絶縁
液体中に溶解している固体絶縁材料の微量の分解生成物
を濃縮して集めて分析することにより内部異常を診断す
るようにしたので、不活性絶縁液体に溶剤を混ぜること
で、微量の分解生成物を効率良く濃縮して集めることが
でき、それによって内部異常の診断を行うことが可能と
なるという効果を奏する。
【0041】4の発明の液冷却式電気機器の異常診断
方法は、固体絶縁材料の微量の分解生成物が溶解されて
いる上記不活性絶縁体を蒸発乾固させて、上記分解生成
物を濃縮し、この濃縮して集められた残渣に上記分解生
成物を溶解しうる溶剤を加え、これを分析して、内部異
常を診断するようにしたので、分解生成物が溶解してい
る不活性絶縁体を蒸発乾固させることで、微量の分解生
成物を効率良く濃縮させて集めることができ、これを分
析することで内部異常の早期検出が可能となるという効
果を奏する。
【0042】5の発明の液冷却式電気機器の異常監視
装置は、上記不活性絶縁液体中に溶解し固体絶縁材料
の分解生成物を分析することにより内部異常を監視する
ための液冷却式電気機器の異常監視装置において、液冷
却式電気機器内の不活性絶縁液体を循環させるために外
部に設けられた循環路と、この循環路の途中で、分岐さ
れ、再び循環路に戻る経路からなる配管と、この配管の
途中に設けられ、上記不活性絶縁液体中の分解生成物を
濃縮して集める吸着剤とを備え、濃縮して集められた分
解生成物を上記吸着剤から抽出して分析することにより
内部異常を監視するので、液冷却式電気機器の運転中で
分解生成物を効率良く濃縮して集めることができ、
着剤から濃縮された分解生成物を抽出することで内部異
常の早期検出が可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】PFC液中の固体絶縁材料の分解生成物のガス
クロマトグラフ分析結果のクロマトグラムを示す図であ
る。
【図2】PFC液中の固体絶縁材料の分解生成物の液体
クロマトグラフ分析結果のクロマトグラムを示す図であ
る。
【図3】抽出溶剤容量とPFC液容量とを1:1として
液体クロマトグラフで分析した結果のクロマトグラムを
示す図である。
【図4】抽出溶剤容量とPFC液容量とを1:10とし
て液体クロマトグラフで分析した結果のクロマトグラム
を示す図である。
【図5】請求項5の発明の一実施例による異常監視装置
を有する液冷却式ガス絶縁変圧器を示す構成図である。
【符号の説明】
4 PFC液(不活性絶縁液体) 11 活性炭(吸着剤)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大西 修一 大阪市北区中之島三丁目3番22号 関西 電力株式会社内 (72)発明者 牧野 芳弘 赤穂市天和651番地 三菱電機株式会社 赤穂製作所内 (72)発明者 原 隆志 赤穂市天和651番地 三菱電機株式会社 赤穂製作所内 (72)発明者 宮本 晃男 赤穂市天和651番地 三菱電機株式会社 赤穂製作所内 (56)参考文献 特開 平1−110007(JP,A) 特開 平4−145607(JP,A) 実開 昭59−132615(JP,U)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不活性絶縁液体により冷却を行う液冷却
    式電気機器の異常診断方法において、 上記不活性絶縁液体中に溶解している固体絶縁材料の
    量の分解生成物を濃縮して集め、 濃縮された中から上記分解生成物を抽出して、 分析し、 内部異常を診断することを特徴とする液冷却式電気機器
    の異常診断方法。
  2. 【請求項2】 不活性絶縁液体により冷却を行う液冷却
    式電気機器の異常診断方法において、 上記不活性絶縁液体を吸着剤に通し、 上記不活性絶縁液体中に溶解している固体絶縁材料の
    量の分解生成物を濃縮して集め、 濃縮された上記分解生成物を上記吸着剤から抽出して
    し、 内部異常を診断することを特徴とする液冷却式電気機器
    の異常診断方法。
  3. 【請求項3】 不活性絶縁液体により冷却を行う液冷却
    式電気機器の異常診断方法において、 固体絶縁材料の分解生成物を溶解し得る溶剤を、この溶
    剤よりも多い量の不活性絶縁液体に混ぜるとともに、 不活性絶縁液の絶対量を多くして、 不活性絶縁液体中に溶解している固体絶縁材料の微量の
    分解生成物を濃縮して集めて分析することにより、 内部異常を診断することを特徴とする液冷却式電気機器
    の異常診断方法。
  4. 【請求項4】 不活性絶縁液体により冷却を行う液冷却
    式電気機器の異常診断方法において、 固体絶縁材料の微量の分解生成物が溶解されている上記
    不活性絶縁体を蒸発乾固させて、上記分解生成物を濃縮
    し、 この濃縮して集められた残渣に上記分解生成物を溶解し
    うる溶剤を加え、 これを分析して、内部異常を診断することを特徴とする
    液冷却式電気機器の異常診断方法。
  5. 【請求項5】 不活性絶縁液体により冷却を行う液冷却
    式電気機器に設けられ、 上記不活性絶縁液体中に溶解し固体絶縁材料の分解生
    成物を分析することにより内部異常を監視するための液
    冷却式電気機器の異常監視装置において、液冷却式電気機器内の不活性絶縁液体を循環させるため
    に外部に設けられた循環路と、 この循環路の途中で、分岐され、再び循環路に戻る経路
    からなる配管と、 この配管の途中に設けられ、上記不活性絶縁液体中の分
    解生成物を濃縮して集める吸着剤とを備え、 濃縮して集められた分解生成物を上記吸着剤から抽出し
    て分析することにより内部異常を監視する ことを特徴と
    する液冷却式電気機器の異常監視装置。
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