JP3256320B2 - きのこ類の保存処理方法 - Google Patents

きのこ類の保存処理方法

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  • Storage Of Fruits Or Vegetables (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は松茸等のきのこ類の長期
保存に有効なきのこ類の保存処理方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】松茸、椎茸、しめじ等のきのこ類は、蛋
白質、ミネラル、各種ビタミン類等の体に有用な栄養素
を豊富に含み、また、独特の芳香と旨味を有するため、
一般家庭などで広く食されている。
【0003】これらのきのこ類、特に椎茸等は天日に干
して乾燥させて保存に供し、使用時は一定時間水に浸し
て戻し、調理等を行う保存食としても広く使用されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、かかる保存処
理方法においては、以下の問題点があった。
【0005】すなわち、天日に干すため、製品の乾燥状
態が均一に仕上がらないこと、十分に乾燥させるために
長時間を要すること、また、製品の製造は天候に支配さ
れること、非衛生的であること等である。
【0006】また、その豊かな風味により珍重される松
茸は、旨み、香り等を保ったままに保存することが困難
で、その保存方法の開発が望まれていた。
【0007】本発明は、上記の問題点を解決するきのこ
類の保存処理方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、密閉容器内の
加熱された植物油等に、きのこ類を投入し、密閉容器内
を減圧しながら加熱された植物油等を熱媒体として加熱
攪拌を行い、しかも、初期減圧過程においては、常圧よ
り100 〜300mmHgの減圧条件下で圧力を一定に保ちなが
ら油温55℃〜63℃前後で処理し、次いで中期減圧過程に
おいては、常圧より500 〜700mmHg の減圧条件下で圧力
を一定に保ちながら油温53℃〜58℃前後で処理し、最後
に後期減圧過程においては、常圧より700 〜750mmHg の
減圧条件下で圧力を一定に保ちながら油温60℃〜62℃前
後で処理を行うことにより、油が原料の組織中に浸透
し、きのこ類に含まれる水分を脱水せしめ、その後密閉
容器から取り出したきのこ類に含まれる油分を圧縮また
は遠心分離により脱油し、きのこ類に含まれる水分含量
が6%前後、油分含量が15%以上18%以下とすることを
特徴とするきのこ類の保存処理方法を提供するものであ
る。
【0009】
【実施例】
(実施例1)以下、実施例に基づいて本発明を具体的に
説明すると、まず、密閉が可能な内容積4.5 m3 のクッ
カーの中に、各種植物油たとえば大豆油、菜種油、パー
ムオイル等の単一油または混合油、あるいは動物油等の
油を収納し、クッカーのジャケット部に圧入した蒸気に
より油を加熱する。
【0010】油の温度が70℃前後になったところで、加
熱油中に、椎茸、しめじ、松茸等のきのこ類を単独ある
いは混合させたものを1000kgを投入し、浸漬せしめて、
クッカーを閉蓋する。
【0011】次に、クッカー内の加熱油の油温を60℃前
後に保持しながらクッカー内の原料を攪拌しつつ、クッ
カー内を減圧する。
【0012】かかる減圧処理は、原料投入後から5〜10
分程度の初期減圧過程においては、常圧より250mmHg の
小さい減圧条件下で油温が56〜60℃前後で減圧処理を行
い、原料中に含まれる蛋白質等の栄養素が組織中から流
出しないように短時間で組織中に凝固安定化させるもの
である。
【0013】次の中期減圧過程においては、常圧より60
0mmHg の大きい減圧条件下で、油温が54〜57℃程度で減
圧処理を行い、約15分間この状態を保持する。同減圧条
件は、水の沸点に近い状態であるので、きのこ類の組織
中に含まれる水分が蒸散して脱水されると共に、加熱油
が組織中に浸透していく。
【0014】そして、最後の後期減圧過程においては、
常圧より700mmHg 前後の減圧条件下において、油温は60
℃前後で約15分間減圧処理を行う。この段階では、中期
減圧過程より開始した脱水処理が引き続き行われ、最終
的には、原料の含水量は、6%前後という状態にまで脱
水される。反応時間は、原料の種類および量によっても
異なるが、約30〜90分程度である。上記3段階減圧過程
における減圧量と減圧時間との関係を図1のグラフに示
す。
【0015】以上のようにして、3段階の減圧処理を行
うことによって、まず初期減圧過程において蛋白質等の
有用な栄養素は、原料の組織中に凝固安定化し、中期減
圧過程において、組織中の水分の脱水処理を迅速におこ
なうと共に、後期減圧過程において、同脱水処理を完全
なものとするものである。
【0016】そして、加熱された植物油は前記きのこ類
に含まれる水分と置換されて組織中に含有されて飛躍的
な脱水処理が行える。
【0017】さらに、全減圧過程において、油温は60℃
前後という低温でほぼ完全な脱水を行うことができるた
め、高温によって分解してしまうビタミン等の有用な栄
養素を失うことなく、きのこ類中に保持可能である。
【0018】次に、前記減圧加熱処理した原料を、クッ
カーから取り出し、遠心分離機により遠心分離して原料
中の油分を分離除去する。遠心分離時には、単位あたり
4500〜5000ポンド程度の圧力をかける。また、必要に応
じてノルマルヘキサン等の脱油剤で脱油するものであ
る。
【0019】このようにして得られたきのこ類の含油量
は15%以上18%以下まで除去されている。そして、上記
範囲の油分を含有することによって、きのこ類中に必要
以上に残留した油脂が分解することによる悪臭、および
味覚、消化障害等を防止するとともに、少量の油分を残
留させて、乾燥処理したきのこ類を食する際に、容易に
生の状態に戻し、生の風味を保つようにしている。
【0020】さらに、脱水に使用された植物油は、きの
こ類の組織中に浸透し、脱油される過程できのこ類に含
まれる遊離アミノ酸、有機酸等の呈味成分、香気成分等
がある程度移行しているため、香味油として二次的に使
用することが可能である。
【0021】また、得られたきのこ類は、一定量ずつ合
成樹脂等のビニール袋に密封状態で封入し、保存するこ
とが好ましい。
【0022】このようにして得られたきのこ類は、低温
条件下でほぼ完全な脱水を行うことが出来ることで、高
温によって分解してしまうL- グルタミン酸ソーダ等の
呈味成分や、ビタミン等の有用な栄養素を失うことな
く、原料中に保持しつつ、長期間、安定な品質を保ちな
がら保存することが可能である。また、低温加熱で良い
ので、簡単な装置で反応を行え、本発明のきのこ類を得
ることができる。
【0023】本発明の保存処理方法によるきのこ類を食
する場合は、きのこ類を水あるいは湯につけて、きのこ
類に含まれる油分を脱油した後、生のきのこ類と同様に
料理等に使用することができ、生のきのこ類と同様の風
味、香味を有するものである。
【0024】(実施例2)装置、原料等基本的な構成は
実施例1と同じであるが、3段階減圧過程における減圧
量を変えて減圧処理をおこなった。
【0025】すなわち、図2に示すように、初期減圧過
程においては、常圧より100mmHg の減圧条件下で、油温
は60〜63℃前後で約20分間処理を行った。次の中期減圧
過程においては、常圧より500mmHg の減圧条件下で、油
温は54〜58℃前後の状態を約30分間保ち、処理を行っ
た。最後の後期減圧過程においては、徐々に減圧して最
終的には常圧より700mmHg 程度まで減圧し、油温は60℃
前後に保って約10分間反応を行った。減圧処理の後、搾
油処理等は、実施例1と同様の処理を行った。
【0026】以上の反応条件における減圧処理によって
も、含水量が6%前後、含油量が15%以上18%以下で豊
富な栄養素を有し、長期保存可能なきのこ類を得ること
ができた。
【0027】(実施例3)装置、原料等基本的な構成は
実施例1と同じであるが、3段階減圧過程における減圧
量を変えて減圧処理をおこなった。すなわち、図3に示
すように、初期減圧過程においては、常圧より300mmHg
の減圧条件下で、油温は55〜58℃前後で約5分間処理を
行った。次の中期減圧過程においては、常圧より700mmH
g の減圧条件下で、油温は53〜55℃前後の状態を約10分
間保ち反応を行った。最後の後期減圧過程においては、
常圧より750mmHg 程度まで減圧し、油温は62℃前後に保
ち15分間処理を行った。
【0028】減圧処理の後、搾油処理等は、実施例1と
同様の処理を行った。
【0029】以上の反応条件における減圧処理によって
も、含水量が6%前後、含油量が15%以上18%以下で、
豊富な栄養素を有し、長期保存可能なきのこ類が得られ
た。
【0030】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明では、
松茸、椎茸、しめじ等のきのこ類を、3段階の減圧過程
において、植物油等を熱媒体として一定条件で加熱処理
したことによって、加熱油が前記きのこ類に含まれる水
分と置換されて脱水処理が円滑に行われ、その後脱油す
ることによって、得られたきのこ類を保存食として安定
な品質で長期間の保存が可能である。
【0031】さらに、きのこ類に含まれている蛋白質そ
の他の栄養素を初期減圧段階において組織中で凝固させ
たことによって、中期および後期減圧過程においても流
出することなく保持されるので、栄養価の高いきのこ類
を得ることが出来る。
【0032】そして、減圧処理は、低温で行うことが出
来るので、L−グルタミン酸ソーダ等の呈味成分や、ビ
タミン等の有用な栄養素も、原料中に保持させることが
でき、調理の際の調味効果および健康食としての品質も
充分に保持しうるという効果を奏する。
【0033】また、一定品質の保存用きのこ類を、衛生
的に、効率良く製造することが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】3段階減圧による減圧過程を示す図であり、縦
軸に常圧からの減圧量を、横軸に減圧時間を示してい
る。
【図2】3段階減圧による減圧過程を示す図であり、縦
軸に常圧からの減圧量を、横軸に減圧時間を示してい
る。
【図3】3段階減圧による減圧過程を示す図であり、縦
軸に常圧からの減圧量を、横軸に減圧時間を示してい
る。
フロントページの続き (72)発明者 中園 修三 福岡県福岡市中央区平尾4丁目7番17号 (72)発明者 中園 英司 福岡県福岡市早良区百道浜4−3−2− 207 (72)発明者 堤 守幸 福岡県福岡市中央区赤坂1丁目1−7− 27 (56)参考文献 特開 昭60−217854(JP,A) 特開 昭62−195244(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23B 7/00 - 7/02 A23L 1/212 A23L 1/01

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密閉容器内の加熱された植物油等に、き
    のこ類を投入し、密閉容器内を減圧しながら加熱された
    植物油等を熱媒体として加熱攪拌を行い、しかも、初期
    減圧過程においては、常圧より100 〜300mmHgの減圧条
    件下で圧力を一定に保ちながら油温55℃〜63℃前後で
    理し、次いで中期減圧過程においては、常圧より500 〜
    700mmHg の減圧条件下で圧力を一定に保ちながら油温53
    ℃〜58℃前後で処理し、最後に後期減圧過程において
    は、常圧より700 〜750mmHg の減圧条件下で圧力を一定
    に保ちながら油温60℃〜62℃前後で処理を行うことによ
    り、油が原料の組織中に浸透し、きのこ類に含まれる水
    分を脱水せしめ、その後密閉容器から取り出したきのこ
    類に含まれる油分を圧縮または遠心分離により脱油し、
    きのこ類に含まれる水分含量が6%前後、油分含量が15
    %以上18%以下とすることを特徴とするきのこ類の保存
    処理方法。
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