JP3255569B2 - 空気調和機 - Google Patents

空気調和機

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裕介 角田
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  • Filtering Of Dispersed Particles In Gases (AREA)
  • Air Filters, Heat-Exchange Apparatuses, And Housings Of Air-Conditioning Units (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は天井裏等に設置され
る空気調和機に関し、より詳しくはエアフィルタの交換
や洗浄等の作業を容易にした空気調和機に関する。
【0002】
【従来の技術とその問題点】据置タイプの空気調和機は
機械室等の設置スペースを要するのに対し、天井裏に設
置するタイプの空気調和機は床面上に設置スペースが不
要で、スペースの有効利用ができるというメリットがあ
る。
【0003】空気調和機のエアフィルタは通常プレフィ
ルタとメインフィルタとで構成されていて、空気調和機
の性能を維持するためには樹脂ネット等よりなるプレフ
ィルタを2〜3か月に1回程度の割合で洗浄せねばなら
ず、また繊維シート等よりなるメインフィルタは洗浄が
できないので、1年に1回程度の割合で交換しなければ
ならない。
【0004】据置タイプの空気調和機ではフィルタ交換
等の作業を機械室で容易にできるが、天井裏に設置する
タイプの空気調和機では作業員が被空調室の天井に設け
てある点検口から脚立等を使って天井裏に入り、空気調
和機のケーシング内からフィルタを取りはずしてエアフ
ィルタの交換や洗浄を行わなければならず、作業が煩雑
でしかも高所での作業になるので、危険性を伴うという
問題があった。
【0005】本発明の目的とするところは、作業員が天
井裏に入る必要がなく、エアフィルタの洗浄や交換を被
空調室内で容易かつ安全に行うことができるようにする
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ために、本発明に係る空気調和機は吸気口と送気口を
有するケーシング内にエアフィルタ、送風機、冷温水コ
イルを備え、濾材を収納したフィルタケースの下部で空
気調和機の運転時には塞がれるエアフィルタ出入用の開
口部をケーシングの下板にあけ、前記フィルタケースの
両側面とケーシングの内板間に鉛直方向に伸縮するガイ
ド機構を設けて、このガイド機構によりフィルタケース
鉛直方向に昇降できるよう保持し、かつフィルタケー
スに一端を取り付けた索条の他端を、索条に前記エアフ
ィルタの重量と同等の一定の張力を付与する重量バラン
サに取り付け、前記重量バランサによりエアフィルタを
吊り下げたものとしてある。また前記重量バランサは、
前記索条を導く螺旋状の溝が外周面に形成された略円錐
状の索条ドラムを回転軸まわりに備え、この回転軸を、
索条ドラムが索条を巻き上げる方向にぜんまいばねにて
付勢し、前記索条の基端部を索条ドラムの大径側に取り
付けて前記螺旋状の溝に沿って索条ドラムの小径側に向
かって巻き付け、索条が繰り出されてぜんまいばねが巻
き締められるのにしたがって、索条ドラムにおける索条
の繰り出し位置が小径側から大径側に移動して索条の張
力が一定に保たれるようにした構成のものとしてある。
【0007】
【実施例】以下、本発明に係る空気調和機の一具体例を
図1〜8に基づいて詳細に説明する。空気調和機のケー
シング1は吊り具2、2によって被空調室3のスラブ4
から吊り下げられていて、空気調和機の吸気口5と送気
口6はそれぞれ吸気ダクト5aと送気ダクト6aを介し
て被空調室の天井7に開口する還気口5bと吹出口6b
に接続されている。
【0008】ケーシング1内には吸気口5側から順にエ
アフィルタ8、送風機9および冷温水コイル10が設け
られていて、吸気口5からケーシング1内に流入した空
気はエアフィルタ8で塵埃を除去され、送風機9で冷温
水コイル10に送られ、冷却または加温されて送気口6
から送出されるようになっている。なお、図中の符号7
aは天井7に設けられたエアフィルタ出入用の扉を示し
ている。
【0009】しかして本発明に係る空気調和機はエアフ
ィルタ8を昇降できるようにしてあり、以下エアフィル
タとその昇降用の構成について詳細に説明する。エアフ
ィルタ8は図3に示すようにプレフィルタ11とメイン
フィルタ12をフィルタケース13内に収納した構造の
ものとしてあって、被処理空気はまず濾材が樹脂ネット
等よりなるプレフィルタ11で径の大なる塵埃が除去さ
れ、次に濾材がつづら折りにした繊維シート等よりなる
メインフィルタ12で微細な塵埃が除去されるようにな
っている。エアフィルタ8は空気調和機のケーシング1
の下板にあけた開口部14から出し入れできるようにな
っていて、この開口部14は空気調和機の運転時にはフ
ィルタケース13の下部で塞がれている。
【0010】フィルタケース13の下部フランジ13a
は前記開口部14の縁部に下方から当接するようになっ
ていて、開口部の縁部下面に気密用のシール材15aを
貼ってあり、被処理空気が漏れ出さないようにしてあ
る。また、フィルタケース13の上部が当接するケーシ
ング1の上部内枠16a下面にも気密用のシール材15
bを貼ってあって、被処理空気がエアフィルタをバイパ
スしないようにしてある。
【0011】フィルタケース13の底面にはフック13
bを取り付けてあって、エアフィルタを引き降ろす際に
は、例えば先端にかぎ爪を取り付けた操作棒を用い、か
ぎ爪をフック13bに引掛けてエアフィルタを引き下げ
ることができるようになっている。
【0012】エアフィルタ8はケーシング1の上部に設
けた重量バランサ17からケーシング1の上板にあけた
孔18aと上部内枠16aにあけた孔18bを通して端
部をフィルタケース上部に取り付けたワイヤロープ等よ
りなる索条19によって吊り下げられている。
【0013】前記重量バランサ17はエアフィルタ8の
重量とほぼ同じ大きさの張力でエアフィルタを吊り下げ
るものとしてあって、その構造の具体例は後述する。
【0014】また、フィルタケース13の側面は、図4
に示すようにケーシング1の側部内枠16b、16bに
取り付けた伸縮式のガイド機構20、20に案内されて
鉛直方向に昇降できるようになっている。
【0015】ガイド機構20は複数セット(図4では左
右各3セット)の直動式スライダ21を並行に連結した
ものとしてあって、この直動式スライダ21は、例えば
図5、6に示すような構造のものとなっている。
【0016】直動式スライダ21はフィルタケース13
の高さとほぼ同じ長さであり、2本のガイド杆22、2
3の間に介在杆24を設けてあって、一方のガイド杆2
2の長手方向に形成された転動レール22aと介在杆2
4の片面に長手方向に形成された転動レール24aとの
間にリテーナ25で保持された転動体たるボール26を
配設してあり、また、介在杆24の他面に長手方向に形
成された別の転動レール24bと他方のガイド杆23の
長手方向に形成された転動レール23aとの間にリテー
ナ27で保持されたボール28を配設してある。
【0017】この直動式スライダは、ガイド杆22、2
3が介在杆24を介して長手方向にスライドすることに
より、全長が2倍程度にまで伸びるようになっており、
ガイド機構20は上述のように構成された複数本のスラ
イダのガイド杆どうしを図示省略のボルトナット等で締
結してあって、図4のように左右各3セットのスライダ
でガイド機構を構成した場合には、ガイド機構20は全
長が4倍程度まで伸びるようになっている。
【0018】次にエアフィルタ8を吊り下げる重量バラ
ンサ17の具体例を図7、8に基づいて説明する。ケー
シング29内はぜんまいばね30を備えるばね室29a
と索条ドラム31を備えるドラム室29bに区分されて
いて、索条ドラムの回転軸32がばね室29aに貫通し
て回転自在に支承されており、この回転軸32のばね室
側には外方端がケーシング29の内壁に固定されたぜん
まいばね30の内方端が固定されている。
【0019】索条ドラム31はぜんまいばね側に拡径す
る略円錐状のものとしてあって、外周面には索条19を
導く螺旋状の溝33が形成されており、索条19の基端
部はドラムの大径側に取り付けられていて、溝33に沿
ってドラムの小径側に向かって巻き付けられており、索
条はケーシング29の開口部34から導出されている。
【0020】索条ドラム31に形成された螺旋状の溝3
3とぜんまいばね30の巻き方向は同じになっていて、
索条19がドラムから繰り出されて回転軸32が回転す
ると、ぜんまいばね30が弾性復元力に抗して巻き締め
られるようになっている。
【0021】ぜんまいばね30の弾性復元力により回転
軸32に掛かる回転トルクはぜんまいばねが巻き締めら
れるのにしたがって大となり、一方索条19の張力(す
なわちエアフィルタ8の重量)により回転軸32に掛か
る回転トルクは索条19の繰り出し位置が索条ドラム3
1の小径側から大径側に移るのにしたがって大となるの
で、索条の繰り出し長さに関わらず、常にほぼ一定の張
力でエアフィルタ8を吊り下げることができるようにな
っている。
【0022】この張力は索条19を繰り出していない状
態でのぜんまいばね30の巻き締め量を調節することで
設定できるようになっている。
【0023】なお、重量バランサ17は図示を省略した
適宜の索条ロック機構を備えるものとしてあって、索条
19が任意の位置、あるいはいっぱいに繰り出された状
態でロックされるようにしてあり、フィルタの交換時
に、フィルタを取り外して荷重が小になってもフィルタ
ケースが引き上げられてしまうようなことがないように
してある。
【0024】上述のように構成された空気調和機のエア
フィルタを交換する際には、空気調和機の運転を停止し
た後、まず天井7にあけたフィルタ出入用の扉7aをあ
けてフィルタケース13底面のフック13bに操作棒の
先端を引掛け、エアフィルタ8を引き下げる。
【0025】エアフィルタ8を引き下げるとフィルタケ
ース13はガイド機構20に案内されて鉛直に降ろされ
る。この際、索条19がエアフィルタ8の重量とほぼ同
じ大きさの張力でフィルタケースを吊り下げているの
で、さほど力を掛けなくてもエアフィルタはスムーズに
しかもゆっくりと引き降ろされ、ガイド機構20がいっ
ぱいに伸びたところでロックされて保持される。
【0026】本実施例のように、ガイド機構20を左右
各3セットの直動式スライダ21で構成してあって、エ
アフィルタ収納時のガイド機構20の長さが50cmで
あれば、エアフィルタは150cm程度引き降ろされ
て、天井高さが2m60cm程度の被空調室ではエアフ
ィルタが床上1m10cm程度、すなわち作業員の胸の
高さ程度に位置することになり、交換等の作業がしやす
い高さになる。
【0027】エアフィルタ8の洗浄や交換等の作業を終
えたらエアフィルタを押し上げてエアフィルタをケーシ
ング1内に戻し、天井7の扉7aを閉じる。エアフィル
タをケーシングに収納する際にも、重量バランサ17か
らの索条19がエアフィルタ8をその重量とほぼ同じ大
きさの張力で吊り下げているので、エアフィルタを押し
上げるのにはさほど力が要らない。
【0028】
【発明の効果】本発明に係る空気調和機は上述した構成
のものとしてあるので、次の効果を奏し得る。エアフィ
ルタの洗浄や交換を行うにあたって、濾材を収納したフ
ィルタケースを被空調室内に引き降ろした状態で作業を
行うことができるので、作業員が天井裏に入る必要がな
く、容易かつ安全にエアフィルタの洗浄や交換の作業を
行うことができる。
【0029】また、エアフィルタは重量バランサからの
索条によって吊り下げられているので、エアフィルタを
降ろす際にはエアフィルタの重量が重量バランサからの
索条の張力と釣り合いをとりながらをゆっくりと降下し
て、安全にエアフィルタを降ろすことができ、フィルタ
交換等の作業後にエアフィルタをケーシング内に戻す際
にはさほど押し上げる力を必要とせずにスムースにエア
フィルタを上昇させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る空気調和機の実施例を示す平面
図。
【図2】同上の縦断正面図。
【図3】図2のエアフィルタ部分を拡大して示す縦断正
面図。
【図4】図3のIV-IV 線断面図。
【図5】直動式スライダの一例を示す(a) は収納時の正
面図、(b) は同左側面図、(c)は伸長時の正面図、(d)
は同左側面図。
【図6】図5(a) のVI-VI 線断面図。
【図7】重量バランサの一例を示す縦断面図。
【図8】同上のVIII-VIII 線断面図。
【符号の説明】
1 ケーシング 2 吊り具 3 被空調室 4 被空調室のスラブ 5 吸気口 5a 吸気ダクト 5b 還気口 6 送気口 6a 送気ダクト 6b 吹出口 7 被空調室の天井 7a エアフィルタ出入用の扉 8 エアフィルタ 9 送風機 10 冷温水コイル 11 プレフィルタ 12 メインフィルタ 13 フィルタケース 13a 下部フランジ 13b 引き降ろし用フック 14 ケーシングのフィルタ出入用開口部 15a、15b シール材 16a 上部内枠 16b 側部内枠 17 重量バランサ 18a、18b 索条挿通用の孔 19 索条 20 ガイド機構 21 直動式スライダ 22、23 ガイド杆 22a、23a 転動レール 24 介在杆 24a、24b 転動レール 25、27 ボールリテーナ 26、28 リテーナ 29 重量バランサのケーシング 29a ばね室 29b ドラム室 30 ぜんまいばね 31 索条ドラム 32 回転軸 33 螺旋溝 34 索条導出用の開口部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−323565(JP,A) 特開 平7−35404(JP,A) 実開 平5−10915(JP,U) 実開 平6−32929(JP,U) 実開 平4−82620(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F24F 13/28 B01D 46/42

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸気口と送気口を有するケーシング内にエ
    アフィルタ、送風機、冷温水コイルを備え、濾材を収納
    したフィルタケースの下部で空気調和機の運転時には塞
    がれるエアフィルタ出入用の開口部をケーシングの下板
    にあけ、前記フィルタケースの両側面とケーシングの内
    板間に鉛直方向に伸縮するガイド機構を設けて、このガ
    イド機構によりフィルタケースを鉛直方向に昇降できる
    よう保持し、かつフィルタケースに一端を取り付けた索
    条の他端を、索条に前記エアフィルタの重量と同等の一
    定の張力を付与する重量バランサに取り付け、前記重量
    バランサによりエアフィルタを吊り下げてなる空気調和
    機。
  2. 【請求項2】 前記重量バランサは、前記索条を導く螺旋
    状の溝が外周面に形成された略円錐状の索条ドラムを回
    転軸まわりに備え、この回転軸を、索条ドラムが索条を
    巻き上げる方向にぜんまいばねにて付勢し、前記索条の
    基端部を索条ドラムの大径側に取り付けて前記螺旋状の
    溝に沿って索条ドラムの小径側に向かって巻き付け、索
    条が繰り出されてぜんまいばねが巻き締められるのにし
    たがって、索条ドラムにおける索条の繰り出し位置が小
    径側から大径側に移動して索条の張力が一定に保たれる
    ようにした構成のものである請求項1に記載の空気調和
    機。
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