JP3254332B2 - 床暖房制御方法 - Google Patents

床暖房制御方法

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JP3254332B2
JP3254332B2 JP13850494A JP13850494A JP3254332B2 JP 3254332 B2 JP3254332 B2 JP 3254332B2 JP 13850494 A JP13850494 A JP 13850494A JP 13850494 A JP13850494 A JP 13850494A JP 3254332 B2 JP3254332 B2 JP 3254332B2
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heating
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健一郎 新美
明夫 三友
輝男 阿部
文政 阿南
和彦 木元
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株式会社日立ホームテック
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、蓄熱式あるいは非蓄熱
式の床暖房制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来床暖房システムの温度制御方法にお
いて、蓄熱式床暖房の例として特開平4-15420公報に見
られるごとく、温度情報を得るためセンサーを設置する
温度検知場所は、床仕上材(以下床下材とする)や蓄熱
材近傍の床面付近と、室内空気温度の2個所が一般に行
なわれ快適な暖房環境を得ようとしている。
【0003】床面上に何も置かれない状態では上記のよ
うに床面温度と室内空気温度で快適な温度制御が可能で
あるが、床下材を含め床面温度の検知場所は、床面全体
が人間の移動生活空間であるため、人間自身をはじめ家
具類やカーペット等の敷物類など様様な物がその検知場
所の上に置かれて閉塞され、すなわち床表面からの放熱
が妨げられた状態になることが多い。閉塞され放熱が妨
げられると当然その部分の温度は上昇し、その検知場所
に設置されたセンサーは床暖房システム全体として正常
な温度検知ができなくなる。すなわち蓄熱式床暖房の場
合、蓄熱通電中においては、あたかも蓄熱が早く完了し
たような誤った温度情報になり、蓄熱不足の状態にな
る。非蓄熱式床暖房の場合、閉塞された部分以外の床面
温度が所定の値に達していないにもかかわらず誤った温
度情報により、温度調節機構が動作するため部屋全体が
充分な床暖房状態にならないおそれがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来は
床暖房による部屋全体の快適温度制御において、特に床
面の温度検知方法とその温度情報をもとにした数値処理
方法に適正を欠く問題があった。
【0005】本発明の目的は前記の問題点に鑑み、セン
サーの設置された温度検知位置の床面を閉塞されにくく
するとともに、もし閉塞された場合でも適正な温度制御
が可能になることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前述の問題点を解決する
ため、床表面の下部に蓄熱材と発熱体を配置する床下材
に設けた床温センサーと、床表面から離れた壁面に設け
た壁温センサーと、床温センサーと壁温センサーとの両
者からの温度情報をもとに制御する制御器本体とを具備
し、床温センサーの温度検知範囲を閉塞されたとき、床
表面温度換算値で人体に低温やけど等の危害を及ぼさな
い温度以下で、かつ蓄熱材等の床下材の各部材の耐熱限
界温度以下を満足し、さらにあらかじめ予測設定した条
件範囲を超えた部分の発熱体を配置する床下材の発熱側
の誤った温度情報を除外し、適正な範囲にある発熱体を
配置する床下材の発熱側の温度情報のみと、採暖側とな
る壁面の温度情報により深夜時間帯の蓄熱通電や昼間時
間帯の一般通電を継続させるものとした。
【0007】また発熱体を配置する床下材の発熱側にお
いて、床表面あるいは床下材下部に床温センサーを設置
するとともに、その床温センサー直上部の床表面上に温
度検知をする範囲を明示する温度検知位置部を設けると
ともに、床表面から離れた採暖側となる壁面において、
壁温センサーを室内空間や天井面を含む壁面部相当位置
に設けたものとした。
【0008】また床温センサーと壁温センサーとの両者
からの温度情報をもとに制御する制御器本体において、
制御のためにあらからかじめ予測設定する条件を、一定
の温度範囲もしくは一定の温度上昇速度範囲としたもの
とした。
【0009】また発熱体を配置する床下材の発熱側の誤
った温度情報を除外したとき、床表面の温度検知異常状
態を使用者に判るように、制御器本体に表示灯や報知部
からの報知音等で知らせるものとした。
【0010】また発熱体を配置する床下材の発熱側の床
温センサー設置部位を、制御器本体の制御設定温度を変
えられるようにした上で、床下材下部の各部材である床
下材・蓄熱材・発熱体の裏面または床表面、あるいはそ
れらを組合せた構成の部分を選択できるようにしたもの
とした。
【0011】また壁温センサーを設置する採暖側の壁面
部相当位置を、天井面を含めた壁面、室内空間、壁面取
付け制御器本体のパネル表面等の発熱側である床表面等
からの放射熱を受ける各部分とし、なおかつ壁温センサ
ーからの温度情報を受ける制御器本体の制御設定温度を
変えられるようにした。
【0012】また床表面上に設けた温度検知位置部の範
囲を、容易に消えない手段とし、床表面と同一平面上に
視認性と寿命に優れた発光表示手段を床下材に埋め込む
ものとした。
【0013】
【作用】床面に誰でもわかり容易に消えない手段でセン
サーの温度検知範囲を明示することにより、居住者がそ
の温度検知範囲部に家具や敷物類を置かなくなる。
【0014】また、温度検知範囲部を塞がれても採暖側
のセンサーの温度情報で適正な制御ができるので、蓄熱
式床暖房の場合、蓄熱通電中は適正な蓄熱を継続でき
る。非蓄熱式床暖房の場合は、採暖側に設けられたセン
サーからの温度情報であらかじめ設定された室内の快適
環境を維持するので、暖房不足にならない。
【0015】さらに温度検知範囲部を塞がれ異常温度検
知状態になった時、制御器等の表示報知により閉塞物の
除去が早くなり、適正な温度制御の続行が可能になる。
【0016】
【実施例】本発明を、蓄熱式床暖房システムを主体とし
た一実施例に従い図面により説明する。
【0017】図1は、住宅に床暖房システムを設置した
時の斜視図である。図2は、図1の断面図である。図3
は、温度制御回路の基本系統図である。図4は、快適温
度制御のための壁面温度(Tw)と床面温度(Tf)の
相関を示すグラフである。
【0018】図5は、電源投入後の壁面温度と床面温度
の上昇速度を示すグラフである。
【0019】図6は、以上の構成からなる温度制御方式
の動作を示すフローチャートである。
【0020】図1および図2において、住宅の構造体で
ある大引材13やその上に張られた合板等の支持材12
上に根太材11を設け、根太材11間に断熱材10aを
敷きつめた後、発熱体9を断熱材10a上に設け、さら
に発熱体9上に蓄熱材8を積層する。つぎに、根太材1
1上に床暖房に適した床下材1を固定し、さらに床温セ
ンサー3を床表面1aに設け、その床温センサー3の温
度検知範囲に温度検知位置部5を明示してある。なお床
下材1以下の蓄熱材8、発熱体9、断熱材10a、根太
材11などを総称して床下材2とした。
【0021】また壁内には断熱材10aを設け、側壁材
14は間柱(図示なし)等に固定する。側壁材14の側
壁面14aには壁温センサー6と制御器本体7を取り付
ける。天井部も同様に天井裏に断熱材10aを設け天井
材15を固定する。
【0022】図3において、制御器本体7は電源20、
床温センサー3、壁温センサー6と接続する。さらに必
要に応じリレーボックス19を別に設け、制御する発熱
体9と接続する。さらに制御器本体7の表面には表示灯
17、報知部18を設ける。なお図3には示していない
が、必要に応じ電源回路に漏電遮断器や過電流遮断器等
の安全装置を設ける。
【0023】すなわち、床下材1は、本実施例では住宅
用として一般的な木製床仕上材としているが、木製に限
らない。床下材2は、具体的に床下材1の裏面、蓄熱材
8、発熱体9やそれらの間の空間等を指す。
【0024】床温センサー3は、太陽の日射、熱発生器
具、家事等による他からの熱の影響を受けない場所で、
床表面1aの部分または床下材2の裏面の部分3aある
いは蓄熱材8の部分3bや発熱体9の部分3c等それら
の表面や側面のそれぞれにあるいは集約して設けること
ができる。この場合、放熱面である床表面1aの温度を
一定にしたとき、床温センサー3の検知する温度はそれ
ぞれの検知部位により異なるため、制御温度の設定値を
制御器本体7で変えられるようにする。本実施例では床
表面1aの部分の場合で説明する。
【0025】温度検知位置部5は、床温センサー3の床
面温度の検知範囲を床表面1a上に明確に容易に消えな
い手段で表示する。例えば、床表面1aと同一平面上に
発光ダイオード等視認性と寿命に優れた発光表示手段を
床下材1に埋め込んだり(図示せず)、あるいはサービ
ス性を勘案しセンサー等の点検ができるように、床下収
納庫あるいは床埋込電源コンセントの取付け枠とその開
閉機構のような形態にする等がある。
【0026】壁温センサー6は、床温センサー3と同様
に他の熱の影響を受けない場所で、天井面15aを含む
壁面14a等のそれぞれにあるいは集約して設ける。た
だし、室内空気による影響を大きく受けないならば、壁
面14aから離れた壁面温度と等価の傾向を示す場所に
壁温センサー6として設けてある。
【0027】制御器本体7は、居住者が操作しやすく表
示等の視認が容易な位置に設ける。なお制御器本体7の
表面温度が壁面温度と等価の傾向を示す場合は、壁温セ
ンサー6を制御器本体7の表面に設けてある。
【0028】また、床温センサー3ならびに壁温センサ
ー6からの温度情報は、それぞれのセンサーの特性や取
付け部位等あるいは床暖房のシステム規模等により異な
ることから、切替スイッチあるいはマイクロコンピュー
タのプログラム等で対応できるようにする。
【0029】さらに図3に示したが、床暖房のシステム
規模に応じ、発熱体9に電源20を供給する制御用のリ
レーボックス19は、制御器本体7に内蔵せず分離した
構成にする場合もある。
【0030】蓄熱材8は、床下材2の根太材11間に設
け、発熱体9で加熱される位置に設ける。必要蓄熱量に
応じ蓄熱材8の容積を変えたり、発熱体9の下部にも設
けることもできる。根太11を使わないコンクリート等
の現場施工式蓄熱材の場合も蓄熱材量の加減は、全体の
システムに応じ適宜行なうことは同様である。
【0031】発熱体9は、周囲を電気絶縁したものを、
蓄熱材8と同じく床下材2の根太材11間に設け蓄熱材
8を加熱する。ここで言う発熱体9とは、発熱素子のみ
に限らず蓄熱材8や断熱材10aと一体化したパネル状
ユニットのようなものも含む。蓄熱材8のない非蓄熱式
床暖房では、床下材1の背面から直接発熱体9で暖める
構成になる。
【0032】断熱材10aは、その上に置かれる発熱体
9や蓄熱材8の温度と荷重に耐えかつ暖房効率を良くす
るため、熱伝導率の小さい材料が選択される。断熱材1
0bも暖房効率を上げるため、施工管理の難易を含め総
合的に室内側から屋外側への熱貫流率が小さい材料が選
択される。
【0033】根太材11は、上部で床下材1を固定し、
側部は隣接して設けた根太材11との間に蓄熱材8、発
熱体9、断熱材10aを収納する。この根太材11の高
さは設置する床暖房システムの仕様により適宜決められ
る。
【0034】床暖房システムを床下から支える支持材1
2、大引材13は床暖房システムの指定仕様により、一
般的には建築工事者が請け負うが、床下からの床暖房の
放熱を極小にするため床下の断熱も充分行なう。
【0035】側壁材14は、一般住宅の場合、石膏ボー
ドで代表される不燃性材料であり表面に化粧用壁紙が貼
られる。天井材15も側壁材14と同様であるが、2階
との不燃化仕切を確実にするため石膏ボードを2重貼り
する例が多い。
【0036】室内空間16に存在する空気は、輻射暖房
方式の床暖房の場合、対流式暖房器のように採暖者にと
って直接の熱媒体ではないが、床表面1aや壁面14
a、天井面15aとの熱接触により暖められて対流熱と
して、暖房要素の一つになる。
【0037】表示灯17、報知部18は、床表面1aの
温度検知位置部5を閉塞された時などの温度検知異常時
にその異常を採暖者に光や音等で知らせるものである。
【0038】リレーボックス19は、床暖房のシステム
規模が大きく制御器本体7内蔵の制御出力のみでは不足
の場合など、必要に応じ制御器本体7からの信号により
発熱体9の制御を行なう。電源20は、一般的には交流
100Vあるいは200Vで、発熱体9、制御器本体7、リレ
ーボックス19への電源を供給する。
【0039】図3の温度制御回路基本系統図において、
表示灯17と報知部18さらには時計とタイマー等の表
示部(図示せず)を必要に応じ設けた制御器本体7に
は、温度情報を得るため発熱側として床温センサー3な
らびに採暖側として壁温センサー6を床暖房システムの
規模に応じた数量接続する。さらに制御器本体7は発熱
体9を制御するリレーボックス19と接続する。制御器
本体7およびリレーボックス19は電源20と接続され
るが、リレーボックス19への電源供給は制御器本体7
を経由する方法もある。また、システム規模の小さいも
のは、リレーボックス19の機能を制御器本体7に内蔵
することもできる。
【0040】つぎに、上記構成における作用について説
明する。
【0041】本発明床暖房制御方法のうち温度制御用温
度検知部は、大きく分けて2ヵ所とした。その一つは床
部、もう一つは壁部とし、床部については具体的に床表
面1aのほか当該検知部を設けることができる場所とし
て、蓄熱材8や発熱体9の床下材2も設定制御温度を変
えることのより可能とした。
【0042】なおこの発熱体9から床表面1aまでは採
暖者のいる部屋全体からみると加熱源であることから、
説明上それらを総称して「発熱側」とした。またその発
熱側に対し床表面1aから離れた部屋内の壁面14a、
天井面15a、室内空間16等は採暖者のいる被加熱側
であることから、説明上それらを総称して「採暖側」と
した。なお実際のシステムにおいてはその規模等により
発熱側と採暖側の温度検知場所とその数は適宜選択され
る。
【0043】この本発明は、適正な温度制御を維持する
ためまず第一に、床暖房の使用者に順守可能なこととし
て図1に示すような方法とした。すなわち、床温センサ
ー3の設けられた温度検知位置部5の範囲を明確かつ容
易に消えない手段で表示することにより、床暖房の使用
者がその検知範囲に居たり物品等を置く機会が少なくな
り、温度制御が適正に行なわれる。
【0044】また発光表示素子を床下材1に埋め込んだ
時は床表面1aは夜間のような暗い室内でもその温度検
知位置部5を発光表示することにより、床暖房の作動状
況を含め、きわめて明確な表示になる。
【0045】つぎに、前記図3の温度制御回路基本系統
図、図4および図5の各グラフにより温度制御回路の動
作の説明をする。
【0046】床表面1aの温度検知位置部5を閉塞され
ない平常状態においては、床温センサー3ならびに壁温
センサー6の両方からの温度情報を取り入れ、マイクロ
コンピュータ内蔵の制御器本体7でプログラムに沿った
数値処理をして、通常の適正な温度制御を行なう。
【0047】すなわち、図4に示すように室内の壁面温
度(Tw)と床面温度(Tf)について、あらかじめ実
験等により快適温度条件を基準にその相関性を求め、温
度制御要件としてプログラム上設定しておく。たとえば
図4において、壁や天井の温度Twが15℃の時、床面
温度Tfは約24℃になるよう制御する。同様にTwが
19℃の時、Tfも約19℃になるよう温度制御する。
なお快適温度条件については地域差や個人差が考えられ
るため、制御温度範囲は採暖者がある程度調節できるよ
うにすることが好ましい。
【0048】つぎに、図5に示すような通電後における
時間の要素の入った温度上昇特性についても、あらかじ
め設定された特性値の範囲に入っているかどうか監視し
ながら制御を行なう。特に蓄熱式床暖房システムの場
合、床表面1aが閉塞されなくても蓄熱材8の残熱量が
部屋内外の環境条件に左右されるため、床表面1aの温
度を常に監視しないと蓄熱量の過不足が生じる。
【0049】すなわち、通電後の温度上昇速度が設定値
に比較し早いときは、蓄熱材8の残熱すなわち既に蓄え
られている蓄熱量が多いことが想定されため、早めに通
電を遮断し蓄熱材8の適正蓄熱制御を図るとともに、そ
の他の部材の耐熱温度を順守できるように温度制御を行
なう。
【0050】なお、床表面1aが閉塞されない状態での
蓄熱材8の残熱量が多いことによる早い温度上昇速度
は、床表面1aが閉塞されたときと比較し緩慢な速度で
あるので、閉塞されたときの温度上昇と判別できる。
【0051】逆に通電後の温度上昇速度が設定値に比較
し遅いときは、蓄熱材8の残熱量が少ないことが想定さ
れるため、発熱体9への通電時間を長くしたり、システ
ム的にあるいは発熱体として発熱量を増やせるものであ
れば、発熱量を多くする。
【0052】一方、床表面1aの温度検知位置部5を部
分的に閉塞されて異常状態になったとき、床温センサー
3が検知する温度情報は、飽和時あるいは蓄熱式床暖房
システムの場合の放熱時は蓄熱材8が発熱源になり、急
激な温度上昇を示す。
【0053】したがって、その急激な温度上昇速度およ
び温度そのものをあらかじめ設定した特性値より外れた
とき、床温センサー3が検知した温度情報は異常と判断
し、プログラム上温度制御の数値として取り込まないよ
うにする。
【0054】なお前記のあらかじめ設定する特性値は、
床表面1aの温度換算値で、人体に低温やけど等の危害
を及ぼさない温度以下で、かつ蓄熱材8等部材の耐熱限
界温度相当値以下を満足したものである。
【0055】また、床表面1aの温度検知位置部5を複
数設けてある場合は、他の閉塞されていない温度検知位
置の温度情報を取り込むが、温度検知位置部5が1ヵ所
あるいは複数全ての温度検知位置部5を閉塞されたとき
は、採暖側の壁温センサー6の温度情報により室内全体
の暖房状況を判断し温度制御する。
【0056】ここで、床温センサー3からの温度情報を
無視した場合、壁温センサー6との組合せ温度制御によ
る最適な温度制御範囲から多少ずれる可能性はあるが、
床温センサー3からの温度情報により通電を停止する制
御システムに比較し、実用性の高いシステムになる。
【0057】図6に追焚機能付き蓄熱式床暖房に本発明
の温度制御を適用したときの制御フローチャートの一例
を示す。
【0058】すなわち、電源ON時の蓄熱時において、
蓄熱時間帯であれば床面温度(Tf)と壁面温度(T
w)により、オン条件ならばリレーをオンし、オフ条件
ならばリレーをオフし温度調節を放熱時まで続行する。
前記オン条件ならびにオフ条件については、図4、図5
等の特性をあらかじめプログラム入力しておき、床表面
1aの温度検知位置部5が閉塞された時など、床温セン
サー3からの温度情報の正誤判断基準にする。
【0059】つぎに、蓄熱終了後の放熱時は、追焚キー
がオンの場合、蓄熱時と同様に床面温度(Tf)と壁面
温度(Tw)により、オン条件ならばリレーをオンし、
オフ条件ならばリレーをオフし追焚時の温度調節を放熱
時間帯が終了するまで続行する。前記オン条件ならびに
オフ条件についての動作は蓄熱時とほぼ同様であるが、
異なるのは放熱時は蓄熱材8がすでに温まっているた
め、追焚時においては、図5に示すような通電初期から
の長時間通電がないことと、放熱時の温度降下過程で室
内を快適環境に保つためオン条件とオフ条件についての
床面温度(Tf)と壁面温度(Tw)の設定をよりきめ
細かくする必要がある。
【0060】また、床温センサー3からの温度情報の正
誤判断基準についても蓄熱時とほぼ同様であるが、追焚
通電しない場合の放熱時においては、蓄熱材8のみの放
熱で床表面1aは加熱されるため、床表面1aを閉塞し
たとき温度は上昇するが、この場合、電気的制御では関
与できないが、蓄熱時の制御温度以上にはならないので
採暖上の問題は極めて少ない。
【0061】
【発明の効果】以上、本発明によれば、床表面が閉塞さ
れるなどの原因で生じる誤った温度情報を除外し温度制
御することにより、部屋全体として適正な床暖房制御が
でき、床表面に温度検知位置部とその範囲を明示するこ
とにより、人や物品による床温センサー部が閉塞されに
くくなる。
【0062】また温度制御を、一定の温度範囲や温度上
昇速度を基準にするため、常に快適な床暖房の環境を得
られる。
【0063】さらに、床表面の温度検知異常状態を制御
器本体の表示灯や報知部からの報知音で採暖者に知らせ
るので、正常状態での使用が多くなり、より快適な床暖
房制御の継続が可能になる。
【0064】一方、床温センサーの設置位置を自由に選
択できるため、床暖房のシステム規模や種類に応じた設
計や施工が容易になるとともに、より快適な温度制御が
可能となる。
【0065】また、床表面の温度検知位置部の明示方法
を、床下材に埋め込まれた発光表示手段とすることによ
り、夜間等暗いところでも床暖房使用中は温度検知位置
部が閉塞されにくくなり、より快適な温度制御の継続が
可能となる等有益なものとなつた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す床暖房制御方法の斜視
図である。
【図2】本発明の一実施例を示す床暖房制御方法の断面
図である。
【図3】本発明一実施例を示す床暖房制御方法の温度制
御回路の系統図である。
【図4】本発明の一実施例を示す床暖房制御方法の床面
温度と壁面温度の関係を示すグラフである。
【図5】本発明の一実施例を示す床暖房制御方法の、電
源投入後の床面と壁面の温度上昇状況を示すグラフであ
る。
【図6】本発明の一実施例を示す床暖房制御方法の動作
を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 床下材 1a 床表面 2 床下材 3 床温センサー 5 温度検知位置部 6 壁温センサー 7 制御器本体 8 蓄熱材 9 発熱体 14a 壁面 15 天井材 15a 天井面 16 室内空間 17 表示灯 18 報知部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木元 和彦 福岡県福岡市中央区渡辺通2丁目1番82 号 九州電力株式会社内 審査官 豊島 唯 (56)参考文献 特開 平4−15421(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F24D 11/00 F24D 13/02 F24H 7/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 床表面(1a)の下部に蓄熱材(8)と発
    熱体(9)を配置する床下材(2)に設けた床温センサー
    (3)と、床表面(1a)から離れた壁面(14a)に設け
    た壁温センサー(6)と、床温センサー(3)と壁温セン
    サー(6)との両者からの温度情報をもとに制御する制御
    器本体(7)とを具備する床暖房制御方法において、床温
    センサー(3)の温度検知範囲を閉塞されたとき、床表面
    温度換算値で人体に低温やけど等の危害を及ぼさない温
    度以下で、なおかつ蓄熱材(8)等の床下材(2)の各部
    材の耐熱限界温度以下を満足し、さらにはあらかじめ予
    測設定した条件範囲を超えた部分の発熱体(9)を配置す
    る床下材(2)の発熱側の誤った温度情報を除外し、適正
    な範囲にある発熱体(9)を配置する床下材(2)の発熱側
    の温度情報のみと、採暖側となる壁面(14a)の温度情
    報により深夜時間帯の蓄熱通電や昼間時間帯の一般通電
    を継続させることを特徴とする床暖房制御方法。
  2. 【請求項2】 発熱体(9)を配置する床下材(2)の発熱
    側において、床表面(1a)あるいは床下材(2)下部に
    床温センサー(3)を設置するとともに、その床温センサ
    ー(3)直上部の床表面(1a)上に温度検知をする範囲
    を明示する温度検知位置部(5)を設けるとともに、床表
    面(1a)から離れた採暖側となる壁面(14a)におい
    て、壁温センサー(6)を室内空間(16)や天井面(15
    a)を含む壁面(14a)部相当位置に設けたことを特徴
    とする請求項1記載の床暖房制御方法。
  3. 【請求項3】 床温センサー(3)と壁温センサー(6)
    との両者からの温度情報をもとに制御する制御器本体
    (7)において、制御のためにあらかじめ予測設定する条
    件を、一定の温度範囲もしくは一定の温度上昇速度範囲
    としたことを特徴とする請求項1記載の床暖房制御方
    法。
  4. 【請求項4】 発熱体(9)を配置する床下材(2)の発熱
    側の誤った温度情報を除外したとき、床表面(1a)の温
    度検知異常状態を使用者に判るように、制御器本体(7)
    に表示灯(17)や報知部(18)からの報知音等で知らせ
    ることを特徴とする請求項1記載の床暖房制御方法。
  5. 【請求項5】 発熱体(9)を配置する床下材(2)の発熱
    側の床温センサー(3)設置部位を、制御器本体(7)の制
    御設定温度を変えられるようにした上で、床下材(2)下
    部の各部材である床下材(1)・蓄熱材(8)・発熱体(9)
    の裏面または床表面(1a)、あるいはそれらを組合せた
    構成の部分を選択できるようにしたことを特徴とする請
    求項1記載の床暖房制御方法。
  6. 【請求項6】 壁温センサー(6)を設置する採暖側の壁
    面(14a)部相当位置を、天井面(15a)を含めた壁面
    (14a)、室内空間(16)、壁面(14a)取付け制御器
    本体(7)のパネル表面等の発熱側である床表面(1a)等
    からの放射熱を受ける各部分とし、なおかつ壁温センサ
    ー(6)からの温度情報を受ける制御器本体(7)の制御設
    定温度を変えられるようにしたことを特徴とする請求項
    1記載の床暖房制御方法。
  7. 【請求項7】 床表面(1a)上に設けた温度検知位置部
    (5)の範囲を、容易に消えない手段とし、床表面(1a)
    と同一平面上に視認性と寿命に優れた発光表示手段を床
    下材(1)に埋め込むことを特徴とする請求項1記載の床
    暖房制御方法。
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