JP3253910B2 - 回路解析方法 - Google Patents

回路解析方法

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JP3253910B2
JP3253910B2 JP01464298A JP1464298A JP3253910B2 JP 3253910 B2 JP3253910 B2 JP 3253910B2 JP 01464298 A JP01464298 A JP 01464298A JP 1464298 A JP1464298 A JP 1464298A JP 3253910 B2 JP3253910 B2 JP 3253910B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、集積回路の設計の
分野に関し、特に、マルチトーン励振により強非線形回
路を解析する時間領域法および周波数−時間混合法を用
いて効率的な集積回路(IC)を製造することに関す
る。
【0002】
【従来の技術】実用的重要性のある多くの回路は、マル
チトーン(すなわち、いくつかの独立な時間スケールま
たは周波数を有する)励振の下で強非線形領域で動作す
る。よく知られた例は、スイッチトキャパシタ回路およ
びスイッチングパワーコンバータである。最近では、携
帯用通信のためのRF設計が、ベースバンドIC回路か
ら新たなトポロジーを取り込み始めており、これは強非
線形セクションを有することが多い。
【0003】代表的なRFアプリケーションでは、マル
チトーン入力は準周期的である(K.S. Kundert, J. K.
White, and A. Sangiovanni-Vincentelli, "Steady-Sta
teMethods For Simulating Analog And Microwave Circ
uits", Kluwer Academic Publishers, 1990、参照)
か、あるいは、エンベロープ変調され(D. Sharrit, "N
ew Method of Analysis of Communication Systems", M
TTS96 WMFA: NonlinearCAD Workshop, June 1996、参
照)、数桁離れた相異なるトーンの時間スケールを有す
る。
【0004】回路の周期的あるいは準周期的な定常状態
解を計算する2種類の方法が存在する。すなわち、シュ
ーティング/FDTDと、ハーモニックバランスであ
る。
【0005】シューティングとFDTDは、いずれも時
間領域法であるが、密接に関連している。シューティン
グ(T. J. Aprille and T. N. Trick, "Steady-state a
nalysis of nonlinear circuits with periodic input
s", Proc. IEEE, 60(1):108-114, January 1972、およ
び、S. Skelboe, "Computation of the periodic stead
y-state response of nonlinear networks by extrapol
ation methods", IEEE Trans. Ckts. Syst., CAS-27
(3):161-175, March 1980、参照)は、回路の微分方程
式に対する初期状態を、回路が入力の1周期後に同じ状
態に戻るように求めることに基づく。初期状態の推測か
ら、1周期後の回路の最終状態は、標準的な過渡解析に
よって決定される。最終状態が初期状態に等しくない場
合、推量は、回路の状態遷移関数の周りでニュートンあ
るいは緩和アルゴリズムを用いて精緻化される。FDT
D法は、シューティングのように順次的にではなく同時
に、入力周期にわたる回路の値を解く。最近、反復線形
代数法がこれらの方法に適用されており(R. Telicheve
sky, K. Kundert, and J. White, "Efficient Steady-S
tate Analysis based on Matrix-Free Krylov Subspace
Methods", Proc. IEEE DAC, pp.480-484, 1995、参
照)、大規模な回路での効率を高めている。
【0006】これらの時間領域法は、強非線形回路を容
易に解析することができる。しかし、重大な弱点は、大
きく離れたマルチトーン問題を効率的に処理することが
できないことである。通常のアプローチは、最も遅いト
ーンの周期に等しい周期の単一トーンの問題としてマル
チトーン問題を扱うことである。これは、数千個あるい
は数百万個の高速トーンの周期のシミュレーションにつ
ながり、非常に非効率的となる。
【0007】ハーモニックバランス(HB)法は、この
問題を周波数領域で扱う(R. J. Gilmore and M. B. St
eer, "Nonlinear Circuit Analysis using the Method
of Harmonic Balance - a review of the art. Part 1.
Introductory Concepts", Int. J. on Microwave and
Millimeter Wave CAE, 1(1), 1991、参照)。回路内の
すべての波形は、打ち切られたマルチトーンフーリエ級
数で表現される。回路の微分方程式は、級数係数に関す
る代数方程式系に置き換えられる。これらの方程式は、
ニュートン−ラフソン法あるいは緩和法で数値的に解か
れる。HBに対する従来のアルゴリズムは、比較的小規
模の回路の解析に制限されていた。最近、この問題は、
HBヤコビ行列に対する因子分解行列形式を利用し、反
復線形解法を用いることによって克服された(R. C. Me
lville, P. Feldmann, and J. Roychowdhury, "Efficie
nt Multi-tone Distortion Analysis of Analog Integr
ated Circuits", Proc. IEEE CICC, May 1995、参
照)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ハーモニックバランス
法は、回路が以下の2つの特徴を有する場合に、マルチ
トーン解析の選択肢となる。 (1)すべての波形が、比較的少数の項を有するフーリ
エ級数で精度よく表現される。 (2)非線形性は小〜中程度である。従来のマイクロ波
回路およびRF回路はこれらの性質を有するため、HB
はこれらのアプリケーションに広範に使用されている。
しかし、最近の携帯用通信のためのRFアプリケーショ
ンは、ベースバンドIC回路から取り入れられた新しい
トポロジーを組み込んでおり、強非線形のセクションを
有することが多い。強非線形回路は、短いフーリエ級数
ではうまく表現されない波形を生成するため、ハーモニ
ックバランスはこのようなアプリケーションでは不十分
である。また、入力自体がフーリエ級数でコンパクトな
表現ができない短い波形である場合、HBは、弱非線形
回路(スイッチトキャパシタフィルタ、スイッチングミ
キサ)でも有効でないことがある。
【0009】もう1つの弱点は、HBヤコビ行列の構造
に関するものである。HBヤコビ行列は、非線形性が弱
い場合にはブロック対角的であるが、非線形性が強い場
合にはそうでなくなる。大規模な回路に対する最近のH
Bアルゴリズムは、ヤコビアンを反復的に解くためのプ
レコンディショナ(前処理)に基づいている。既存のプ
レコンディショナは、対角性がなくなると有効でなくな
るものが多いため、HB法は失敗することになる。本発
明の時間領域法は、効率的な表現の問題(フーリエ級数
展開によらない)と、対角性の問題(時間領域ヤコビア
ンはほとんどの実際の回路で対角的である)の両方を解
決するものである。
【0010】Kundertら(K. Kundert, J. White, and
A. Sangiovanni-Vincentelli, "A Mixed Frequency-Tim
e Approach for Distortion Analysis of Switching Fi
lterCircuits", IEEE J. Solid-State Ckts., 24(2):44
3-451, April 1989)は、1つのトーンのみに関する強
非線形性と、他のトーンに関する弱非線形性によって特
徴づけられるマルチトーン問題の重要な特殊な場合をシ
ミュレートする周波数−時間混合アプローチを提案して
いる。彼らは、弱非線形パスの信号を数項のフーリエ級
数で表現することによって、強非線形トーンの周期によ
って分離された、時間領域サンプルの2つの集合間の関
係を得ている。これらの集合間のもう1つの関係が、回
路の微分方程式から得られる。これらの2つの関係を等
置することにより、準周期解の弱非線形トーンが効率的
に計算される。一般に、強非線形トーン(例えば、クロ
ック)は、弱非線形トーンよりもずっと高速である。こ
れは、このアルゴリズムの数値的な性質を悪くする。そ
の理由は、ゆっくりと変動する信号が、高速トーンの1
周期にわたるその信号の変動から外挿されるためであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】マルチトーン励振に対す
る回路の応答を計算する新しいアルゴリズムが実現され
る。この新しいアルゴリズムは、マルチトーン(準周期
的あるいはエンベロープ変調された)信号によって励振
される大規模な強非線形回路に対して効率的かつ強固で
ある。従って、このアルゴリズムは集積RFアプリケー
ションで特に有用である。
【0012】多変数表現が、(スパイクやパルスのよう
な)強非線形性によって生成される特徴を、従来の周波
数領域表現あるいは時間領域表現よりもずっとコンパク
トに捉える。新しいアルゴリズムは、時間領域または周
波数−時間混合領域で偏微分方程式(PDE)を解くこ
とによって、これらの関数を効率的に計算する。周波数
領域スペクトルまたは時間領域波形が、安価な後処理ス
テップとして、多変数関数から生成される。
【0013】2つの方法、すなわち、多変数FDTDお
よび階層的シューティングは、一般の強非線形回路問題
に適した純粋に時間領域の方法である。これらは、メモ
リおよび計算量の必要量において相違する。新しい周波
数−時間混合法は、1個または複数のトーンにおいて中
程度に(強くはない)非線形である回路(例えば、スイ
ッチングミキサ、スイッチトキャパシタフィルタ)に対
して、より効率的である。
【0014】3つのすべての方法の核心にある線形シス
テムは、本質的に、反復解法に適している。上記方法で
これを利用して、回路サイズに関して計算量およびメモ
リが線形に増大することが達成される。
【0015】本発明の周波数−時間混合法は、相互に近
い点の集合の時間領域サンプルではなく、遅いハーモニ
ック成分で直接に計算することによって、上記の悪い性
質の問題を回避する。
【0016】この性質の組合せを有する回路に対する効
率的で強固なシミュレーション方法が実現される。重要
な考え方は、マルチトーン波形は、単一の時間変数の関
数としてよりも、多変数関数(すなわち、いくつかの
「時間」変数の関数)として、ずっと効率的に表現され
ることである。この考え方は以下のセクションAで、簡
単な例で説明される。多変数関数の使用により、回路の
微分代数方程式(DAE)は、偏微分方程式(PDE、
以下のセクションB参照)に変化する。以下のセクショ
ンCで説明する新しい方法は、これらのPDEを、多変
数表現の効率性を利用するような方法で解く。
【0017】強非線形性は、スパイクおよびパルスが精
度よく効率的に表現されるように、非一様間隔の点で適
応的に多変数関数をサンプリングすることによって処理
される。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明では、ハーモニックバラン
スに対してMCPDEは純粋には使用されない。その代
わりに、それを時間領域で効率的に解き強非線形性を処
理するために新しい方法が実現される。局所化された
(区分的多項式)基底関数を用いてMCPDEを解くこ
とにより、階層的シューティングおよび多変数FDTD
が実現される。局所化基底およびフーリエ基底を組み合
わせることにより、新しい周波数−時間混合法が実現さ
れる。
【0019】本発明の方法は、時間領域および周波数−
時間混合領域で定式化される。2つの純粋に時間領域の
方法である階層的シューティングおよび多変数FDTD
は、強非線形マルチトーン問題を解決する。階層的シュ
ーティングは、多変数FDTDより少ないメモリしか必
要としない。しかし、多変数FDTDは高いQの回路で
はより効率的である。ハーモニックバランスを時間領域
法と組み合わせた周波数−時間混合法も実現される。こ
れは、いくつかのトーンに関して弱非線形性であるが他
のトーンに関しては強非線形性である回路(例えば、ス
イッチングミキサ、スイッチトキャパシタフィルタ)に
対しては、時間領域法よりも効率的である。対角的ヤコ
ビ行列構造のために、反復線形代数法は、本発明の方法
に特に適している。その使用により、計算量およびメモ
リは、回路サイズとともに線形に増大する。
【0020】この新しい方法の結果をセクションDに示
す。精度の改善、および、既存の技術に比べて2桁以上
の高速化が、この新しい方法で得られる。
【0021】[A.実施例:マルチトーン信号の多変数
表現]図1の回路は、コンパレータ(1)と、それに続
く抵抗(2)/キャパシタ(3)(RC)フィルタとか
らなる。波形b(t)は、AC発生器(4)からコンパ
レータ(1)への入力(5)であるが、次式で与えられ
る単純な2トーン準周期信号(図2に示す)である。 b(t)=sin(2πt/T1)sin(2πt/T2),T1=1ms, T2=0.01ms (1)
【0022】2個のトーンの周波数はf1=1/T1=1
kHzおよびf2=1/T2=100kHzである。理解
されるように、周期T1=1msのゆっくりと変動する
正弦波で変調された、周期T2=0.01msの100
個の高速に変動する正弦波がある。
【0023】従来の回路の過渡あるいはシューティング
解析では、時間ステップは、b(t)の各高速正弦波が
精度よく表現されるほどに十分密な間隔であることが必
要である。各正弦波がn個の点でサンプリングされる場
合、遅い変調の1周期に必要な時間ステップの総数はn
1/T2である。図2を生成するためには、正弦波あた
り15個の点が使用されているため、サンプルの総数は
1500である。
【0024】ここで、次のようにして得られるb(t)
の2変数表現を考える。b(t)に対する式でゆっくり
と変動する部分については、tをt1で置き換え、高速
に変動する部分についてはt2で置き換える。結果とし
て得られる2変数の関数をb^(t1,t2)で表す。 b^(t1,t2)=sin(2πt1/T1)sin(2πt2/T2),T1 =1ms,T2=0.01ms (2)
【0025】注意すべき点であるが、b^(t1,t2
からb(t)を復元するのは容易であり、単にt1=t2
=tと置けばよい。また、注意すべき点であるが、b^
(t1,t2)は二重周期的である(t1およびt2の両方
に関して周期的であり、b^(t1+T1,t2+T2)=
b^(t1,t2)である)。長方形0≦t1≦T1,0≦
2≦T2上のb^(t1,t2)のプロットを図3に示
す。b^は二重周期的であるため、このプロットはt1
−t2平面の残りの部分にわたって繰り返される。
【0026】さらに注意すべき点であるが、b^
(t1,t2)は、図2とは異なり、比較的少数の点によ
って表現される。図3は、一様な15×15のグリッド
上の225個のサンプルでプロットされており、図2よ
りも1桁少ない。
【0027】さらに、関係b(t)=b^(t,t)を
用いて、b^(t1,t2)からもとの準周期信号b
(t)を生成することは容易である。b^は二重周期的
であるため、b(t)のプロット(図2)の各点は、b
^(t1,t2)のプロット(図3)上の対応する点に写
像される。例えば、次の通りである。 b(1.952ms)=b^(1.952ms,1.952ms)=b^( T1+0.952ms,195T2+0.002ms)=b^(0.952ms, 0.002ms)
【0028】上記のことは、2つの重要な特徴を例示し
ている。 1.2変数形式は、もとの準周期信号よりも、数値的に
表現するためにはるかに少ない数の点しか必要としな
い。 2.2変数形式は、もとの信号を完全に復元するのに必
要なすべての情報を含む。
【0029】このことは、コンパクトな周波数領域表現
を有する準周期信号(例えば、式1のb(t)は、2つ
の周波数成分f1±f2のみを有する)に対してだけでな
く、周波数領域で効率的に表現することができないもの
に対しても成り立つ。例えば、次のような、コンパレー
タの出力(6)における準周期ディジタル信号y(t)
を考える。 y(t)=comp(b(t)),comp(z)=1
(z>0の場合),comp(z)=0(z≦0の場
合)
【0030】周波数領域でy(t)を表現するには、6
25個以上のフーリエ係数を必要とする。その理由は、
方形波を精度よく表現するには各トーンで少なくとも2
5個の高調波(ハーモニック)が必要であるためであ
る。1変数時間領域表現に関しては、図4に示すよう
に、400点以上が必要である。しかし、次式で与えら
れ図5にプロットされる2変数表現y^(t1,t2
は、精度よく表現するために約40点しか必要としな
い。 y^(t1,t2)=comp(b^(t1,t2)) y(t)は、関係y(t)=y^(t,t)およびy^
の二重周期性によって容易に復元可能である。
【0031】本発明の方法の重要な点は、時間領域およ
び周波数−時間混合領域における新しい数値的方法を使
用して、回路のすべてのノード電圧および分岐電流の多
変数形式について直接に解くことである。
【0032】これを行うため、回路方程式を多変数関数
で書き直す。図1の回路に対する微分方程式は次式で与
えられる。 dx/dt=(comp(b(t))−x)/RC (3) 理解されるように(後述のセクションB参照)、多変数
形式は次の偏微分方程式(PDE)を満たす。
【数1】 境界条件は、x^(t1,t2)が二重周期的であるこ
と、すなわち、x^(t1+T1,t2+T2)=x^(t
1,t2)である。後述のセクションCで説明する本発明
の方法を用いて得られる解x^(t1,t2)を図6にプ
ロットしてある。x(t)=x^(t,t)を用いて生
成される1変数解x(t)を図7にプロットしてある。
明らかなように、与えられた精度で、2変数形式は、1
変数形式よりもずっとコンパクトにサンプリングされ
る。
【0033】[B.マルチレート回路偏微分方程式(M
CPDE)の定式化]このセクションでは、後述の本発
明の方法をよりよく理解するため、マルチトーン回路問
題を偏微分方程式(PDE)として提示することが可能
であって、これが強非線形マルチトーン問題に対する効
率的アルゴリズムにつながることを示す。回路を記述す
る微分代数方程式(DAE)(式5)に基づいて、マル
チレート回路偏微分方程式(MCPDE)が式6で提案
される。
【0034】その後、MCPDEに関する3つの定理を
示し、後述のセクションCの数値的方法のための準備と
する。定理1および2は、周期的境界条件でのMCPD
Eの任意の解は、回路DAEの準周期解に対応すること
を示す。定理3は、標準的な線形ODE試験問題に対し
て、MCPDEの一意的周期解が存在することを示す。
また、これらの定理は、MCPDE定式化が重要であり
うまく定義されていることを正当化する。本発明の数値
的方法はMCPDEを用いて多変数表現の効率性を活用
する。
【0035】回路の方程式はDAE形式で次のように書
くことができる。 dq(x)/dt=f(x)+b(t) (5)
【0036】t(時間)以外のすべての変数はベクトル
に値をとる。xは回路の未知量(ノード電圧および分岐
電流)である。qは電荷項であり、fは抵抗項である。
b(t)は、回路に対する励振のベクトルである(一般
に独立の電圧/電流源からなる)。
【0037】励振b(t)がm個のトーンを有するとき
に式5を解くため、マルチレート回路偏微分方程式が次
のように定義される。
【数2】
【0038】fおよびqは式5と同じ関数であるが、x
^(t1,...,tm)およびb^(t1,...,tm)はm
個の変数t1,...,tmの新しい多変数関数である。m
変数信号x^、bおよびm個の独立変数t1,...,tm
は、当面、何ら物理的意味を有すると仮定する必要はな
い。もとの回路に対するそれらの数学的関係は以下で明
らかとなる。しかし、セクションDで明らかになるよう
に、t1,...,tmは、m個のトーンに対応する独立の
「時間」変数と考えることが可能であり、それらの有用
性は、それらが回路のマルチトーン信号の変動のm個の
時間スケールを分解するという点にある。同様に、x^
およびb^は、mトーン波形x(t)およびb(t)を
表現する効率的手段であることが分かる。
【0039】まず、次の基本定理を主張する。
【0040】定理1:x^(t1,...,tn)およびb
^(t1,...,tn)がMCPDE(式6)を満たす場
合、x(t)=x^(t,...,t)およびb(t)=
b^(t,...,t)は回路のDAE(式5)を満た
す。
【0041】この定理は、MCPDEの解x^が既知で
ある場合、回路方程式の解は、x^をt1=...=tn
tで与えられる「対角線」上で評価することによって直
ちに得られることを示している。回路波形が準周期マル
チトーンであるときには、次に示すように、さらに簡単
な条件がMCPDEに引き起こされる。まず、信号の準
周期性の概念を正確に定義する。
【0042】定義1:1変数関数y(t)は、次の形式
で表すことができる場合に、mトーン準周期的であると
いう。
【数3】 Y(i1,...,in)は実数値または複素数値定数であ
る。
【0043】次に、多変数信号(例えばMCPDEにお
けるx^およびb^)に対する周期性の概念を定義す
る。
【0044】定義2:多変数関数y^(t1,...,
m)は、すべての実数t1,...,tmおよびすべての整
数k1,...,kmに対してy^(t1+k11,...,tm
+kmm)=y^(t1,...,tm)である場合に、各
引数に関して独立にm周期的(あるいは単にm周期的)
であるという。T1,...,Tmは実数定数である。T
iを、y^のi番目のトーンの周期、あるいは単にy^
のi番目の周期という。
【0045】以下の2つの補題は、準周期信号と周期多
変数信号が密接に関係していることを示す。補題1は、
任意の周期多変数信号y^が与えられた場合に、y^を
対角線上で評価することによって直ちに準周期信号yが
得られることを示す。補題2は、任意の準周期信号yが
与えられた場合に、補題1を満たす周期多変数信号y^
が求められることを示す。
【0046】補題1:y^(t1,...,tm)がその各
引数に関して独立にm周期的である場合、y(t)=y
^(t,...,t)はmトーン準周期的である。
【0047】補題2:任意のmトーン準周期関数y
(t)が与えられた場合、y(t)=y^(t,...,
t)を満たす独立にm周期的なy^(t1,...,tm
が求められる。
【0048】上記の補題を定理1に適用すると、以下の
定理および系が得られる。
【0049】定理2:b^が式6のm周期的励振であ
り、x^がm周期的解である場合、x(t)=x^
(t,...,t)は、mトーン準周期的励振b(t)=
b^(t,...,t)の下での式5のmトーン準周期的
解である。
【0050】系1:b(t)=b^(t,...,t)で
あるようなm周期的b^が与えられた場合、回路DAE
のmトーン準周期的解x(t)=x^(t,...,t)
を得るためには、m周期的境界条件でMCPDEの解x
^を求めれば十分である。
【0051】定理2および系1は、回路方程式のmトー
ン準周期的解を求めるためには、(1)b^
(t,...,t)=b(t)を満たすm周期的b^を求
め、(2)m周期的境界条件でMCPDEを解く、とい
うことで十分であることを示している。このような境界
条件下でMCPDEのうまく定義された解が存在するこ
とは次の定理によって示される。
【0052】定理3:境界条件 x^(t1+k11,...,tm+kmm)=x^
(t1,...,tm),ti∈R,ki∈N,i∈
{1,...,m} で試験MCPDE
【数4】 (回路方程式dx/dt=λx+b(t)に対応する)
は、Re(λ)≠0の場合、任意の与えられたm周期的
b^に対して一意的な解x^を有する。
【0053】実際の回路に対応する非線形MCPDE
は、通常、一意的な解、または、いくつかの相異なる解
のいずれかを有する(1個または複数のDC動作点を有
する回路に相当する)。λの実部が0でないことの必要
性は、dx/dt=+λxのさらに単純な周期的解はλ
=0の場合に一意的でない(任意の定数x(t)が解と
なる)ことを考えれば、驚くべきことではない。
【0054】[C.MCPDEに対する効率的な数値的
方法]このセクションでは、本発明の3つの新しい数値
的方法を示す。図21に、本発明の開始を示す。各場合
の回路方程式はDAE(微分代数方程式)形式で書かれ
る(211)。次に、回路のMCPDE(マルチレート
回路偏微分方程式)が定義される(212)。次に、M
CPDEを解く方法のうちの1つが、回路特性に基づい
て選択される(213)。
【0055】これらの方法のうちの2つの方法(多変数
FDTDおよび階層的シューティング)は、MCPDE
を純粋に時間領域で解く。周波数−時間混合法は、MC
PDEのいくつかの次元を周波数領域で解く。
【0056】時間領域法は、適応的に生成される非一様
なグリッドを用いて回路の波形を効率的にサンプリング
する。これは、鋭い局在化した特徴を生成する強非線形
回路で特に有用である。このような回路では、時間領域
法で現れる行列は、周波数領域法の行列よりも反復線形
法に適している。このことは、大規模回路のシミュレー
ションの付加的利点にもなる。
【0057】多変数FDTDよりも階層的シューティン
グが優れている点は、解く必要のある線形システムのサ
イズが小さいことである。これは、メモリの大幅な節約
になる。また、階層的シューティングにおけるグリッド
は、過渡解析アルゴリズムの時間ステップ制御によって
自然に誘導される。特別なグリッド細分アルゴリズムは
不要である。
【0058】しかし、多変数FDTDは、ゆっくりと減
衰する発振を有する回路(例えば、高いQの回路)で
は、階層的シューティングよりも効率的になりうる。
【0059】通信回路では多くの場合、いくつかのパス
は弱非線形性のみを通じて正弦波信号を伝送する。この
ような回路では周波数領域法のほうが時間領域法より良
好である。回路が強非線形性のパスを含む場合(例え
ば、スイッチングミキサの場合)、純粋に周波数領域ま
たは時間領域の方法はいずれも問題の一部に対して弱
い。周波数−時間混合法が好ましいのはこのような状況
においてである。
【0060】[C.1 多変数時間領域差分(FDT
D)法]この方法(図22)では、式6のMCPDE
が、t1,...,tm空間におけるグリッド上で解かれ
る。グリッドを、点の集合{t(1) -,...,t(n) -}と
する。ただし、各t(i) -=(t(i)1,...,t(i)m)で
ある。MCPDEの偏微分作用素は離散化され、MCP
DEはこのグリッド上に配置される。これにより、未知
量{x^(t(1) -),...,x^(t(n) -)}に関する
非線形代数方程式系が導かれる。これらの非線形方程式
はニュートン−ラフソン法によって解かれる。
【0061】具体的にするため、2トーンの場合を考え
る。MCPDEは次のように単純化される。
【数5】 境界条件はx^(t1+T1,t2+T2)=x^(t1
2)である。長方形[0,T1]×[0,T2]上のサ
イズn1×n2の一様グリッド{ti,j -}を考える。ここ
で、ti,j -=(t(i)1,t(j)2)、t(i)1=(i−1)
1およびt(j)2=(j−1)h2(1≦i≦n1,1≦
j≦n2)である。h1=T1/n1およびh2=T2/n2
は、それぞれ、t1およびt2方向のグリッド間隔であ
る。
【0062】(例えば)後退型オイラー則を用いて微分
作用素を離散化すると次のようになる。
【数6】
【0063】グリッド点{ti,j -}にMCPDEを配置
することにより、次のようにn=n1×n2個の方程式が
得られる。
【数7】
【0064】しかし、これらのn個の方程式は、さらに
多くの未知量に関するものである。n1+n2個の追加の
未知量{x^(t-1,j -)}および{x^(ti,-1 -)}
が、それぞれ、t1=0およびt2=0の直線上の微分作
用素を離散化することから生じている。これらの未知量
は、次のようなMCPDEの二重周期的境界条件を用い
て消去される。
【数8】
【0065】境界条件を適用すると、n1+n2個の未知
量は式9から消去され、n個の未知量に関するn個の方
程式系が得られる。この方程式系を次のように表す。
【数9】
【0066】F(X)=0は、ニュートン−ラフソン法
によって数値的に解かれる。このためには、F(・)の
ヤコビ行列が必要である。ヤコビアンは次のブロック構
造を有する。
【数10】
【0067】各ブロックはそれ自体n2×n2ブロック行
列であり、次式で与えられる。
【数11】 上記において、q′i,j=q′(x^(ti,j -))およ
びf′i,j=f′(x^(ti,j -))である。
【0068】明らかに、∂F/∂Xは疎行列であるの
で、これとの行列・ベクトル積は容易に実行可能であ
る。これにより、各ニュートン−ラフソンステップで生
じる線形方程式を解くために反復線形法が有効となる。
さらに、fおよびqがスカラーである場合、この行列
は、(1)q(・)が線形で、(2)f′がq′と同じ
符号を有する場合に、対角的となる。安定な回路の場合
はこれが成り立つ。対角性は、速い収束を保証するた
め、反復線形解法には望ましい性質である。fおよびq
がベクトル関数である場合、ブロック対角性がほとんど
の実際の回路で成り立つ。
【0069】上記では、簡単のため、一様グリッドを仮
定した。実際には、グリッドは非一様であり、粗いグリ
ッドから出発して、誤差基準が満たされるまで細分する
ことによって適応的に構成される。
【0070】[C.2 階層的シューティング]このセ
クションでは、MCPDEを解くために、古典的シュー
ティングアルゴリズムの階層的拡張を行う(図23参
照)。この方法の重要な点は、MCPDEを、関数空間
変数に関する常備分方程式とみなすことである。具体的
にするため、再び式7の2トーンMCPDEを考える。
【数12】
【0071】この式で、変数x^、q、fおよびb^は
すべて、2変数t1およびt2のベクトル値関数である。
すなわち、これらはR2→Rkの写像である。ただし、k
は回路のサイズである。しかし、これらはそれぞれ、ベ
クトル値関数に値をとる1変数の関数とみなすこともで
きる。すなわち、これらはR→{h(・):R→Rk
の写像である。これらの写像を、q(t1,t2)、x^
(t1,t2)、f(t1,t2)およびb^(t1,t2
に対応して、それぞれQ(t1)、X(t1)、F
(t1)およびB(t1)とする(関数に値をとる変数F
およびXは、前セクションのベクトル値関数と混同して
はならない)。換言すれば、Q(t1)は、固定したt1
に対する整関数q(t1,・)に等しく、他の変数につ
いても同様である。
【0072】MCPDEは、関数に値をとる変数に関す
るDAEとして形式的に次のように書くことができる。
【数13】
【0073】Dt2は、作用する(t2の)関数を微分す
る作用素である。
【0074】式16は、DAEであり、シューティング
法を用いた「メタシューティング」(従来技術の一変
形)によって解かれる。Φ(X0,t1)を、このDAE
の状態遷移関数とする。シューティングは、(例えば)
ニュートン−ラフソン法を用いて次の式を解く。 Φ(X,T1)−X=O (17)
【0075】この式のヤコビアンは単純な行列ではな
い。むしろ、それはt2のベクトル値関数の空間に作用
する線形作用素である。これは新規である。従来技術
は、ヤコビアンが行列である場合にシューティングを使
用している。さらに、式17の左辺の各評価は、式16
のDAEの過渡解に対応する。この過渡解は、(例え
ば)後退型オイラー則を用いて式16を次のように離散
化し、未知量X(t(1)i)(すなわち、現在の時点iに
おけるX)について解くことによって求められる。
【数14】 注意すべき点であるが、式18自体はt2に関する微分
方程式である。その理由は、式18は次のように書き直
すことができるからである。
【数15】
【0076】ここで、このDAEは、t2に関するシュ
ーティング(または別の方法、例えば、1変数FDTD
あるいはハーモニックバランス)を用いて解くことがで
きる。この「内側ループ」解は、式16の「外側ルー
プ」の各時間ステップごとに実行される。
【0077】外側ループDAE(式16)は、周期解を
探索することなく、t1に関して解き進むことも可能で
ある。すなわち、式17を強制する必要はない。一方、
内側ループはt2に関する周期解を求めて解かれる。こ
れは、マルチトーンエンベロープ追跡に対する純粋に時
間領域のアルゴリズムとなる。
【0078】[C.3 周波数−時間混合法]図24
は、この第3の方法の流れ図である。
【0079】x^(t1,...,tm)およびb^
(t1,...,tm)はm周期的であるため、各変数ti
関するフーリエ級数として表すことができる。いくつか
の変数に関するフーリエ級数が比較的少数の主要な成分
を有するような回路の場合、それらの変数に関するMC
PDEのフーリエ級数展開をとることによって、周波数
−時間混合系を解くのが有効である。説明のために、再
び2トーンの場合を用いる。
【0080】式7はt1に関するフーリエ級数として次
のように書き直される。
【数16】 ただし、j=(−1)1/2であり、w1=2π/T1であ
り、Qi、Fi、Biはそれぞれ、q(x^(t1
2))、f(x^(t1,t2))およびb^(t1,t
2)のt1に関するフーリエ成分である。Mは主要高調波
の数(小さい)である。式20のフーリエ成分どうしを
次のように等置することができる。
【数17】 式21は次のようにベクトル形式に書き直すことができ
る。
【数18】
【0081】式22は、ベクトルDAEであり、標準の
シューティングや1変数FDTDのような標準的な時間
領域法によって周期解が求められる。時間領域で解くこ
とは、非一様時間ステップを使用することを可能にし、
従って、強非線形性の効果を効率的に捕捉することがで
きる。
【0082】式22を時間領域で解くために、数値積分
法を用いて式22中の微分演算dQ-(t2)/dt2
離散化する。これにより、ハーモニックバランスによっ
て解かれる周波数領域の内側方程式系が得られる。
【0083】あるいは、関数空間変数の概念を用いて
(セクションC.2のように)、内側ループでシューテ
ィング/FDTDを用い外側でハーモニックバランスを
用いる代替法も導出することが可能である。
【0084】階層的シューティングの場合のように、式
22は、周期的境界条件ではなく初期値問題として解く
ことができる。これにより、トーンの時間スケールに対
する制約なしに、Feldmannらのエンベロープ追跡法(P.
Feldmann and J. Roychowdhury, "Computation of cir
cuit waveform envelopes using an efficient, matrix
-decomposed harmonic balance algorithm", Proc. ICC
AD, November 1996)の一般化が得られる。
【0085】[D.実験結果]このセクションでは、本
発明の方法を、強非線形領域で動作する実際の回路に適
用する。新しい方法の場合のCPU時間を、従来の方法
の場合とともに、表1にまとめる。回路および波形につ
いては後のセクションで説明する。
【0086】
【表1】
【0087】表1から分かるように、新しい方法を用い
て2桁の速度改善が達成される。また、以下のセクショ
ンで示されるように、従来のシューティングは長いシミ
ュレーション中に誤差が累積する傾向があり、全体とし
て制度の低い結果につながるが、新しい方法はこの欠点
がない。
【0088】[D.1 例1:ckt1]ckt1(図
8参照)は、2トーン電源(10)によって電源供給さ
れる強非線形ダイオード整流器(11)である。電源の
波形はb(t)である。整流器(11)の出力はローパ
スフィルタ(12)によりフィルタリングされる。フィ
ルタ出力(13)はx(t)である。電源(10)は、
高速パルス列からなり、そのデューティサイクルは、ず
っと遅いレートで変調される。正確には、高速パルス列
中の各パルスは関数pulse(t/0.1μ,dut
y)で与えられる。ただし、dutyはデューティサイ
クル(サイクルのうち1が占める割合)を示す。全励振
b(t)は次式で与えられる。 b(t)=pulse(t/T2,0.2+0.3si
n(2πt/T1)),T1=1ms,T2=0.1μs
【0089】時間的に大きく離れた、b(t)の2つの
セグメントを図9にプロットしてある。デューティサイ
クルの変化が分かる。b(t)のデューティサイクルの
変化は、次のように、その2変数形式b^(t1,t2
においてさらに明らかとなる。 b^(t1,t2)=pulse(t2/T2,0.2+
0.3sin(2πt1/T1)),T1=1ms,T2
0.1μs
【0090】b^(t1,t2)の形を図10にプロット
してある。デューティサイクルは高い領域の広がりであ
り、t2方向に沿って動いている。これは、遅い「時
間」変数t1に関して正弦波的に変化する。
【0091】回路は、本発明の多変数FDTD法を用い
て、および、比較のために従来の1変数シューティング
によってシミュレートされた。表1に示したように、新
しい方法は2桁以上高速であった。
【0092】出力x(t)の2変数形式x^を図11に
示す。ローパスフィルタは、t2方向の高速変化を滑ら
かにして除去している。整流された出力は入力のデュー
ティサイクルに依存するため、遅いスケールの正弦波変
化はt1の関数として観察される。
【0093】1変数解x(t)のプロットを図12に示
す。2変数解から得られる波形を実線(123)で表
し、高速パルスあたり20および50時間ステップを用
いた従来のシューティングから得られる波形をそれぞれ
点線121および122で表す。パルスあたり20時間
ステップを用いた従来のシューティングは、厳密な局所
的誤差制御にもかかわらず、t=0.8ms付近で15
%に達する誤差が累積している。パルスあたり50時間
ステップに増やすことにより誤差はかなり減少するが、
それでもなお約3%が見える(表1のCPU時間はこの
シミュレーションの場合のものである)。新しい方法は
正確な波形を生成する。
【0094】t=0付近のx(t)の高速スケール詳細
を図13に、新しい方法(131)ならびに20(13
0)および50(132)時間ステップの場合について
示す。平滑化フィルタの比較的長い時定数のため、リプ
ルの形状はほぼ三角形である。
【0095】[D.2 例2:ckt2]ckt2はc
kt1と同じ回路であるが、励振はより急峻である。デ
ューティサイクルは、正弦波としてゆっくりと変化する
代わりに、0.2と0.8の間で急激に切り替わる。こ
の回路の電源b(t)は次の通りである。 b(t)=pulse(t/T2,0.2+0.6pu
lse(t/T1)),T1=1ms,T2=0.1μs
【0096】2変数形式b^(t1,t2)を図14に示
す。
【0097】階層的シューティングを用いてこの回路を
シミュレートした。出力の2変数形式x^を図15に示
す。t2に関する変化は前と同様滑らかにされて除去さ
れているが、t1に関する変化は今回は予想される通り
パルス状である。
【0098】1変数解を図16に、新しい方法(16
0)の場合と、高速パルスあたり50ステップでの従来
のシューティングの場合(161)とでプロットしてあ
る。高速パルスあたり50ステップでの従来のシューテ
ィング(161)では3%の誤差が再び明らかである。
【0099】[D.3 例3:ckt3]ckt3(図
17)は、スイッチングミキサ(172)およびフィル
タ(173)からなる。ミキサ(172)へのRF入力
(170)は、振幅100mVを有する100kHzの
正弦波である。これは、回路を弱非線形領域にドライブ
する。LO入力(171)は、大振幅(1V)の900
MHzの方形波である。これは、高速なレートでミキサ
(172)のオンオフを切り替える。
【0100】新しい周波数−時間混合法と、従来のシュ
ーティングによって、この回路をシミュレートした。新
しい方法では、RFトーンf1=100kHz(セクシ
ョンC.3のt1変数に対応する)において3個の高調
波をとった。f2=900MHzのLOトーンは、t2
数に関するシューティングによって処理した。この方法
の出力は、周期T2=1/f2で周期的に時間変動する高
調波の集合である。第1高調波を図18に示す。このプ
ロットは、f1+if2(すなわち、周波数900.1M
Hz、1800.1MHz、など)の形のすべての混合
成分に関する情報を含む。注目される主要な混合成分9
00.1MHzは、図18の波形の第1フーリエ成分を
とることによって求められる。その振幅は60mVであ
る。
【0101】第3高調波を図19に示す。これは、混合
3f1+if2(すなわち、周波数900.3MHz、1
800.3MHz、など)に関する情報を含む。90
0.3MHz成分の振幅は約1.1mVであることが分
かる。従って、ミキサによって導入される歪みは、所望
の信号より35dB低い。
【0102】従来のシューティングによって生成される
出力を図20に示す。これは、高速周期あたり50ステ
ップを用いて実行されたが、新しい方法の約300倍の
時間がかかった。
【0103】[F.結論]マルチトーン励振および強非
線形挙動の組合せを有する回路をシミュレートするため
の3つの新しい方法について説明した。このような回路
は、既存の方法を用いて解析するのは困難または不可能
であるが、RF回路をオンチップで集積する新しい設計
では重要である。
【0104】新しい方法は、既存の方法よりもずっと高
速で精度が高い。
【0105】そのアルゴリズムは、回路変数の多変数形
式を用いてマルチトーン信号を効率的に表現するもので
ある。マルチレート回路偏微分方程式(MCPDE)を
解いて回路解を得る。3つの方法は相異なる方法でMC
PDEを解く。多変数FDTDは、MCPDEをグリッ
ド上に配置する。階層的シューティングは、関数空間変
数に関する1次元シューティングステップのネストされ
た系列を実行する。周波数−時間混合アルゴリズムは、
いくつかの次元に関してハーモニックバランスを用い、
他の次元に関してはシューティング/FDTDを用い
る。適応非一様グリッドを用いて効率および精度を保証
する。
【0106】方法の選択は、回路の性質および利用可能
な計算資源による。周波数−時間混合法は、いくつかの
トーンに関して弱非線形性である信号パスを有する回路
に特に適している。弱非線形パスのない回路では、多変
数FDTDまたは階層的シューティングのいずれかを使
用可能である。階層的シューティング法のほうが使用す
るメモリはずっと少ないが、多変数FDTDよりも収束
が遅くなることがある。これらの3つの方法を少し変形
することにより、強非線形回路の波形エンベロープをシ
ミュレートすることが可能である。
【0107】新しい方法を用いて、大きく離れたトーン
によって励振される3つの強非線形回路をシミュレート
した。速い時間スケールと遅い時間スケールの両方で鋭
い遷移を有する整流器に、多変数FDTDおよび階層的
シューティングを適用した。周波数−時間混合アルゴリ
ズムを用いてスイッチングミキサを解析した。従来の
(1次元)シューティングに比べて2桁以上の速度改善
とともに、精度の改善が示された。
【0108】
【発明の効果】以上述べたごとく、本発明によれば、既
存の方法よりもずっと高速で精度の高い、マルチトーン
励振および強非線形挙動の組合せを有する回路をシミュ
レートするための3つの新しい方法が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】セクションAで解析されるコンパレータとRC
フィルタの図である。
【図2】図1の回路の解析で用いられる、コンパレータ
への2トーン準周期波形入力のグラフの図である。
【図3】図1の回路に対する、対応する2周期2変数関
数のグラフの図である。
【図4】図2の波形によってフィードされるときの、図
1のコンパレータの出力のグラフの図である。
【図5】図4の波形の2変数表現の図である。
【図6】本発明の方法を用いた、図1の回路に対する2
変数解のグラフの図である。
【図7】図6の解に対応する1変数解のグラフの図であ
る。
【図8】セクションD.1およびD.2でckt1およ
びckt2として解析される非線形回路の図である。
【図9】図8の回路に入力される波形b(t)を表現す
る高速パルス列で、そのデューティサイクルをずっと遅
いレートで変調したものを、大きく離れた時刻でグラフ
化した図である。
【図10】図9の入力波形の2変数形式の3次元グラフ
の図である。
【図11】セクションD.1で本発明の方法によって解
析される、図8の回路の出力の3次元グラフの図であ
る。
【図12】図8の回路の整流器出力に対する1変数解の
グラフの図である。
【図13】図12のグラフの、t=0付近の高速スケー
ル詳細のグラフの図である。
【図14】セクションD.2で本発明の方法によって解
析される回路の交番励振(入力波形)の3次元グラフの
図である。
【図15】セクションD.2で本発明の方法によって解
析される、図14の励振での図8の回路の出力の3次元
グラフの図である。
【図16】図15に対応する1変数解の図である。
【図17】セクションD.3でckt3として本発明の
方法によって解析されるミキサ/フィルタの図である。
【図18】図17の回路の周波数一時間混合出力の第1
ハーモニック成分のグラフの図である。
【図19】図17の回路の周波数−時間混合出力の第3
ハーモニック成分のグラフの図である。
【図20】従来のシューティング法によって生成され
る、図18の回路の出力のグラフの図である。
【図21】本発明の方法の流れ図である。
【図22】本発明の第1の多変数FDTD法の流れ図で
ある。
【図23】本発明の第2の階層的シューティング法の流
れ図である。
【図24】本発明の第3の周波数−時間混合法の流れ図
である。
【符号の説明】
1 コンパレータ 2 抵抗 3 キャパシタ 10 2トーン電源 11 強非線形ダイオード整流器 12 ローパスフィルタ 13 フィルタ出力 170 RF入力 171 LO入力 172 スイッチングミキサ 173 フィルタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (73)特許権者 596077259 600 Mountain Avenue, Murray Hill, New J ersey 07974−0636U.S.A. (56)参考文献 特開 平4−52575(JP,A) 特開 平6−12466(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06F 17/50

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回路解析装置であって、 回路を表現する複数の回路パラメータを入力する入力デ
    バイスと、 前記回路パラメータを受け取り記憶するメモリおよび蓄
    積プログラムと、 前記蓄積プログラムで動作するプロセッサと、 グラフィック表現を表示するディスプレイとを有する、
    回路の予測性能のグラフィック表現を生成する回路解析
    装置において、前記プロセッサは、 前記回路パラメータを処理する手段と、 回路のノード電圧および分岐電流を微分代数方程式(以
    下「DAE」という。)の形式で特徴づける手段と、 前記DAEから、偏微分作用素および境界条件を有しベ
    クトル値関数からなる多変数マルチレート回路偏微分方
    程式(以下「MCPDE」という。)を導出する手段
    と、 階層的シューティング法である数値的方法を用いて前記
    多変数MCPDEを解く手段と、 解かれたMCPDEから、回路の性能を予測するグラフ
    ィック表現を生成する手段とを有し、前記階層的シュー
    ティング法は、 (a)前記MCPDEのベクトル値関数を、ベクトル値
    関数に値をとる1変数関数に写像するステップと、 (b)状態遷移関数を有し、ベクトル値関数に値をとる
    変数に関する微分代数方程式として前記MCPDEを特
    徴づけるステップと、 (c)反復法を用いて前記状態遷移関数を解いてそのヤ
    コビアンを得るステップとを有し、該反復法は、 (i)前記微分代数方程式を離散化するステップと、 (ii)現在の時点iにおける未知量Xを解いて微分方
    程式を得るステップと、 (iii)反復法を用いて前記微分方程式を解くステッ
    プと、 (iv)時点をインクリメントするステップと、 (v)すべての時点が解かれるまでステップ(c)(i
    i)から繰り返すステップとを含むことを特徴とする回
    路解析装置。
  2. 【請求項2】 ステップ(c)(iii)の反復法はシ
    ューティング法であることを特徴とする請求項1記載の
    装置。
  3. 【請求項3】 ステップ(c)(iii)の反復法はハ
    ーモニックバランス法であることを特徴とする請求項1
    記載の装置。
  4. 【請求項4】 ステップ(c)(iii)の反復法は1
    変数FDTD法であることを特徴とする請求項1記載の
    装置。
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