JP2003533795A - Ft法による準周期回路のシミュレーション高速化技術 - Google Patents

Ft法による準周期回路のシミュレーション高速化技術

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JP2003533795A
JP2003533795A JP2001584346A JP2001584346A JP2003533795A JP 2003533795 A JP2003533795 A JP 2003533795A JP 2001584346 A JP2001584346 A JP 2001584346A JP 2001584346 A JP2001584346 A JP 2001584346A JP 2003533795 A JP2003533795 A JP 2003533795A
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discrete
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JP2001584346A
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フェング,ダン
フィリップス,ジョエル,アール
クンダート,ケネス
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カデンス デザイン システムズ,インク
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 FT法によるアナログ回路のシミュレーションを高速化する技術を提供する。 【解決手段】 改良FT法を用いて、周期的サンプル信号と少なくとも1つの情報信号が入力される回路の応答をシミュレーションする。等間隔の離散時点のセットを選択し(804)、基準時点のセットを定める(806)。各基準時点は個々の離散時点に対応するとともに、対応する離散時点から1信号周期だけ離れている。離散時点における値と基準時点における値との第1の関係のセットを設定する(808)とともに、離散時点における値と基準時点における値との第2の関係のセットを設定する(810)。第1の関係と第2の関係とを組み合わせて、離散時点における値で表現される非線形システム方程式を求める(812)。非線形システム方程式を解いて、離散時点における回路の応答シミュレーションを時間領域で求めた後、周波数領域に変換する(814)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般的にはアナログ回路設計のシミュレーションに関し、特に、周
波数/時間組合せ法(mixed frequency/time approach:以下、FT法という。
)を用いたアナログ回路設計のシミュレーションに関する。
【0002】
【従来の技術】
アナログ回路は、先ず、ネットリスト、デバイスモデル等の記述言語を用いて
、所定の入力と所望の出力に基づいて設計する。次に、アナログ回路設計のシミ
ュレーションを行った後に、シリコンチップ上に物理的に製造する。
【0003】 アナログ回路設計シミュレーションにおける最も困難な課題の1つは、マルチ
タイムスケール(multi-timescales)で動作する回路を解析することである。こ
の種の回路の代表例としては、スイッチトキャパシタフィルタや高周波(radio
frequency:以下、RFという。)通信装置内で用いられる回路等がある。この
種の回路を標準的な過渡特性解析(transient analysis)で解析すると、回路の
詳細な応答を数十万クロックサイクル(数百万時点(time point))に亘ってシ
ミュレーションする必要がある。
【0004】 技術的に重要な多くの回路は、時変(time-varying)であるが準周期的な(qu
asi-periodic)動作点(operating point)の近傍で動作するように設計される
。この種の回路のなかには、回路入力の1つに対して周期的な応答を示すという
前提に立って解析できるものがあり、この場合、周期的な応答は定常状態法(st
eady-state algorithm)によって直接計算できるので、長い計算時間を要する過
渡特性解析シミュレーションは不要となる。この前提の下では、周期的動作点の
周囲において回路を線形化することにより、他の回路入力は、全て小信号(smal
l signal)として扱われる。
【0005】 既存のアルゴリズムを用いて、周期的な動作点を求め、周期時変小信号解析(
periodic time-varying small-signal analysis)を行うことができる。しかし
ながら、多くの回路は、上述の前提を適用することができず、周期的な動作点と
小信号解析の組合せでは解析することができない。例えば、ミクサとフィルタか
らなる回路のような狭帯域回路の相互変調歪みを予測する場合には、局部発振器
(local oscillator:以下、LOという。)によって駆動されるミクサ回路が、
近接した2つの高周波入力に対して振る舞う非線形応答を計算する必要がある。
この種の回路の定常状態応答は準周期的である。
【0006】 多くのマルチタイムスケール回路(代表的にはミクサとスイッチトキャパシタ
フィルタからなる回路)は、周波数が互いに近い入力の少なくとも一方に対して
極めて非線形的な応答を示し、定常状態法、例えばマルチ周波数ハーモニックバ
ランス解析法(multi-frequency harmonic balance approach)では旨くシミュ
レーションすることができないので、この種のアナログ回路のシミュレーション
は、更に難しい。このような問題を避けるために、時間/周波数組合せ法(mixe
d frequency/time approach:以下、FT法という。)が提案されている。FT
法は、技術的に重要な回路の多くは1つの入力のみに対して、例えばスイッチト
キャパシタ回路ではクロック、ミクサでは局部発振器からの発振信号のみに対し
て非線形応答の度合いが強く、他の入力に対する非線形応答の度合いは弱いとい
う事実を利用している。
【0007】 しかしながら、既存のFT法には、幾つか欠点があり、実用的な回路、特に大
規模回路には適用することができない。すなわち、既存のFT法では、サンプル
点を少なく選択すると、シミュレーション条件が悪くなり、この状態では、許容
できる精度のシミュレーション値を得ることができない。また、既存のFT法で
は、ガウス消去法による線形行列陽解法(matrix-explicit linear solver)に
基づいているので、その計算コスト(又は時間)は、シミュレーションにおける
回路のノード数をNとすると、ニュートン反復(Newton iteration)毎にN
オーダに比例して増加する。
【0008】 マルチタイムスケール回路に対する新しいシミュレーション法として、微分代
数方程式(differential-algebraic equation:以下、DAEという。)をそれ
と等価な多変数偏微分方程式(multi-variable partial differential equation
s:M−PDEという。)に変換して行う新たな種類のアルゴリズムが開発され
ている。しかしながら、大規模回路に対するM−PDE法の有効性はまだ証明さ
れていない。また、M−PDE法はある種の回路に対して精度の悪いシミュレー
ション結果を生成することが証明されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、FT法を用いて大規模回路を精度良くシミュレーションできるシ
ミュレーション方法及び装置に対する技術的なニーズがある。
【0010】 また、FT法を用いて大規模回路を安い計算コストで高速にシミュレーション
できるシミュレーション方法及び装置に対する技術的なニーズがある。
【0011】 更に、効率の良い線形問題解法を構築し、FT法による大規模回路シミュレー
ションの収束率(convergence)を改善したシミュレーション方法及び装置に対
する技術的なニーズがある。
【0012】 本発明は、これらの及び他のニーズに合ったシミュレーション方法及び装置を
提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
従来の技術の欠点を克服するために、本発明は、周波数/時間組合せ法(mixe
d frequency/time approach:以下、FT法という。)を用いてアナログ回路を
シミュレーションする新規な回路シミュレーション方法及び装置を提供するもの
である。
【0014】 広義には、本発明は、周期的なサンプリング信号と少なくとも1つの情報信号
とが入力される回路の応答をシミュレーションする回路シミュレーション方法を
提供する。この回路シミュレーション方法は、等間隔の離散時点(distinct tim
e point)のセットを選択する工程と、各基準時点を離散時点のいずれかに対応
付けて基準時点のセットを定める工程と、離散時点における値と基準時点におけ
る値との第1の関係のセットを設定する工程と、離散時点における値と基準時点
における値との第2の関係のセットを設定する工程と、第1の関係と第2の関係
とを組み合わせて、離散時点における値で表現されるシステム方程式を求める工
程と、求めたシステム方程式を解いて、離散時点における回路の応答を求める工
程とを有する。
【0015】 更に、本発明は、上述の回路シミュレーション方法の各工程を実行する回路シ
ミュレーション装置を提供する。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に基づくシミュレーション処理を説明するための回路の構成を
示すブロック図であり、回路102は、N個の回路ノードを備える。回路102
には、入力端子104.1,104.2,・・・,104.Sを介して、S個の
情報信号I,I,・・・,Iがそれぞれ入力される。また、回路102に
は、入力端子106を介してクロック(又は基準)信号Cが入力される。回路1
02は、これらの入力信号に応じて、出力端子108から信号を出力する。
【0017】 1.FTアルゴリズムの改良 回路(例えば図1に示す回路102)の挙動は、式(1)で表される非線形微
分代数方程式(nonlinear differential-algebraic equation:以下、DAEと
いう。)のセットで記述することができる。
【0018】
【数1】
【0019】 ここで、
【0020】
【数2】
【0021】 は、典型的には、各ノードにおけるコンデンサ電荷の総和のベクトルであり、
【0022】
【数3】
【0023】 は各ノードにおける抵抗電流の総和のベクトルであり、
【0024】
【数4】
【0025】 は入力ベクトルであり、
【0026】
【数5】
【0027】 はノード電圧ベクトルであり、Nは回路ノード数である。
【0028】 本発明は、入力信号u(t)が準周期性を持つような場合に特に有効である。
L個の基本波周波数(fundamental frequencies)を有するフーリエ級数で表現
することができる信号は、L準周期性(L-quasiperiodic)の信号である。RF
回路は、一般的に、局部発振信号(local oscillator:以下、LOという。)又
はクロックと呼ばれる1つの周期的タイミング信号と、1つ以上の情報信号によ
って動作する。ここで、クロック信号(例えば図1に示す入力端子106におけ
る信号)の周波数をfとし、S個の情報信号(図1参照)の周波数をf,・
・・,fとすると、(S+1)準周期性入力は、式(2)で表すことができる
【0029】
【数6】
【0030】 本発明では、好ましい実施例において、2つの条件を利用して準周期性回路の
動作条件のシミュレーションを改善している。第1の条件は、対象とする回路が
準周期性の定常状態応答を呈することである。すなわち、v(t)が基本波周波
数f,・・・,f,fを有する(S+1)準周期性信号である。第2の条
件は、全ての物理的回路の帯域は有限であるということである。この2つの条件
から、本発明では、有限の数のフーリエ級数のみを選択するだけで、所要の精度
を維持してv(t)を近似する。したがって、v(t)は、式(3)で与えられ
る。
【0031】
【数7】
【0032】 ここで、
【0033】
【数8】
【0034】 である。FTアルゴリズムの興味深い性質は、fの高調波成分を有限の数に制
限する必要がないことである。
【0035】 ここで、クロック周期をT=1/fとし、t∈[0,T)及びnを整
数とし、v(t)が一連の離散時点(discrete set of point)t'=t+n
でサンプリングされるとすると、v(t)の離散信号
【0036】
【数9】
【0037】 は、式(4)で得られる。
【0038】
【数10】
【0039】 ここで、式(5)が成立し、
【0040】
【数11】
【0041】 「包絡線」
【0042】
【数12】
【0043】 は、S準周期性信号であり、「情報」の基本波のみから展開されるフーリエ級数
で表現することができる。すなわち、クロックの基本波の項は消去されるので、
包絡線が形成される。
【0044】 図2は、入力端子104.1における信号(他の入力端子104.2,・・・
,104.Sにおける入力はゼロとする)と、入力端子106におけるクロック
信号とから得られる包絡線の具体例を示す図である。図2において、白抜きの円
形の点は、サンプル点(又は離散点(distinct point))を表し、一方、連続し
た波形(破線)は、フーリエ係数として
【0045】
【数13】
【0046】 を有する波形であり、すなわちサンプル点をフーリエ補間して等価的に得られる
波形である。
【0047】 原理上、
【0048】
【数14】
【0049】 は、
【0050】
【数15】
【0051】 個のフーリエ係数だけで表現されるので、一旦、サンプルの包絡線に沿ったK個
の離散点t,・・・,tの値が分かれば、包絡線全体を復元できる。準周期
動作点に対応した包絡線は、式(1)で与えられるDAEの解上にあるK個のサ
ンプル点を求めることによって、得られる。
【0052】 図3は、本発明に基づき、サンプルの包絡線に沿ってK(K=2)個のサンプ
ル点を選ぶことにより、離散点(又は離散時点)を5(=2×K+1)個とした
方法を示す図である。図3において、離散点は円で示し、基準点(又は基準時点
)は四角で示してある。
【0053】 t∈[tk,tf]に対して式(1)を満足するとともに、v(t)=v である状態遷移関数φ(v,t,t)=v(t):v(t)を定義する
。特に、ベクトルを式(6)のように定義する。
【0054】
【数16】
【0055】 ここで、上付のTは、転置行列を示し、k=1,・・・,K、n∈ZでのK個
のサンプル点t=t+nにおける
【0056】
【数17】
【0057】 を含む。1サイクル後のK個のサンプル点の値は、状態遷移関数から式(7)で
求められる。
【0058】
【数18】
【0059】 この式(7)は、tからt+TまでのK個の遷移関数を纏めたマルチサイ
クル遷移関数(multi-cycle transition function)を導入すると、式(8)に
示すように、よりコンパクトに表現することができる。
【0060】
【数19】
【0061】 なお、各ノードnに対して、サンプルリング時間に1クロックサイクルを加算
した時点における、そのノードの信号ベクトル
【0062】
【数20】
【0063】 は、サンプリング時点における信号を遅延させたものである(この点については
後で詳しく述べる)。したがって、
【0064】
【数21】
【0065】 を
【0066】
【数22】
【0067】 に写像する線形変換
【0068】
【数23】
【0069】 が存在する。すなわち、式(9)が成立する。
【0070】
【数24】
【0071】 なお、線形変換
【0072】
【数25】
【0073】 は、実数行列であり、ノードnには依存しない。したがって、式(9)は、各n
=1,・・・,Nに対して成り立つものであり、式(1)の解に対する境界条件
を定めるものである。
【0074】 式(8)と式(9)を纏めると、式(10)が得られる。
【0075】
【数26】
【0076】 ここで、
【0077】
【数27】
【0078】 はクロネッカー積(Kronecker product)であり、IはN×Nの単位行列であ
る。式(10)は、包絡線のサンプル点に対して解くことのできるKN個の未知
数を含むKN個の非線形システム方程式である。これらのサンプル点と遷移関数
とから回路の準周期動作点(特にvのスペクトル)を復元できる。
【0079】 2.サンプル点の選択 遅延行列である行列
【0080】
【数28】
【0081】 を構成するために、
【0082】
【数29】
【0083】 と
【0084】
【数30】
【0085】 のフーリエ級数を考慮する。式(4)から、式(11)が成立する。
【0086】
【数31】
【0087】 ここで、式(12)である。
【0088】
【数32】
【0089】 したがって、Γを、包絡線上のサンプル点をフーリエ係数に写像する行列とす
ると、遅延行列は、式(13)として構成できる。
【0090】
【数33】
【0091】 特に、Γは、2K+1点の一次元フーリエ変換行列である式(14)のクロネ
ッカー積で構成できる。
【0092】
【数34】
【0093】 すなわち、式(15)である。
【0094】
【数35】
【0095】 クロネッカー積の性質から、Γ−1も、同様に、Γ(s)の逆行列のクロネッカ
ー積である。既存のFTアルゴリズムでは、サンプル点tの選択について格別
の考慮を払っていない。そのため、Γ(s)が「殆ど周期的な(almost-periodi
c)」フーリエ変換に相当する、条件の悪い行列となっている。これに対し、本
発明に係る改良されたFTアルゴリズムでは、条件の良い(well-conditioned)
のサンプル点を選択する処理を行っている。
【0096】 K個のサンプル点を、S次元の配列τ(k,・・・,k),−K≦k ≦K,1≦s≦Sに配列できるものとすると、任意の次元sに対して、式(1
6)を満足する整数pが存在する。
【0097】
【数36】
【0098】 この場合、Γ(s)行列の成分は、式(17)で表される。
【0099】
【数37】
【0100】 すなわち、フーリエ変換行列は、離散フーリエ変換(DFT)行列であり、行列
【0101】
【数38】
【0102】 は、S次元DFTを表す。したがって、Γの条件数は1である。すなわち、完璧
に良い条件である。
【0103】 3.行列陰解法(Matrix-implicit solution procedure) ここで、式(18)は、ニュートン法を使って解くことができる。
【0104】
【数39】
【0105】 i番目の反復におけるヤコビ行列(Jacobian matrix)は、式(19)によって
得られる。
【0106】
【数40】
【0107】 式(13)の
【0108】
【数41】
【0109】 は、全てのニュートン反復計算を通じて一定である。
【0110】
【数42】
【0111】 は、マルチサイクル遷移関数から、式(20)よって得られるものとする。
【0112】
【数43】
【0113】 なお、Jは、ブロック対角行列(block-diagonal)となる。bを
【0114】
【数44】
【0115】 と定義すると、ニュートン反復計算は、一般化最小残差法(Generalized Minima
l Residual Solver:以下、GMRES法という。)の解を反復して用いて式(
21)の方程式を解き、式(22)を設定することにより、行われる
【0116】
【数45】
【0117】
【数46】
【0118】 GMRES法では、反復毎に行列とベクトルの乗算が必要である。ベクトル
【0119】
【数47】
【0120】 に対して、項
【0121】
【数48】
【0122】 を計算するのに、先ず、K次元DFTをN回行い、次に、各行を
【0123】
【数49】
【0124】 でスケーリングし、最後に、K次元逆DFTをN回行う。
【0125】 qを
【0126】
【数50】
【0127】 のように仕切ると、式(23)が成り立つ。
【0128】
【数51】
【0129】 各
【0130】
【数52】
【0131】 の計算は、行列とベクトルの乗算により実行して、
【0132】
【数53】
【0133】 行列を陽計算するのではなく、後退代入(backsolve)する。
【0134】 4.前処理(preconditioning) GMRES法は、多くの問題に対して、有効な前処理(preconditioner)を施
さなければ、式(21)を効率良く解くことができない。この理由を解析するた
めに、回路の状態遷移関数が1クロックサイクル間は略線形、すなわちφ(x,
t,t+T)≒Hx(t)である場合を考察する。状態遷移関数は、線形回路
では線形であるが、非線形回路では非線形であり、線形回路に対して旨く働かな
い方法は、非線形回路に対しても当然旨く働かない。しかしながら、多くの非線
形回路の状態遷移関数は、略線形であり、本発明では、この事実を利用して有効
な前処理(preconditioner)を構築している。GMRES法の収束率(converge
nce)は、ヤコビ行列
【0135】
【数54】
【0136】 の固有値(eigenvalue)の位置に依存する。λを行列Hの固有値とし、ω=2
π(k+k+・・・+k)とすると、
【0137】
【数55】
【0138】 は、FT解析における全てのk,k,・・・に対して、
【0139】
【数56】
【0140】 の固有値となる。したがって、全ての二次入力の周波数がクロック周波数に略等
しくないときには、
【0141】
【数57】
【0142】 の固有値は、遅延行列によって「発散(fanned out)」する。この発散のために
、GMRES法では、収束に関する深刻な問題がある。概略すると、FTアルゴ
リズムにおいてK個の高調波をGMRESアルゴリズムで処理するときには、ク
ロックだけで励振されるものとしたときの定常状態問題をGMRESアルゴリズ
ムで解く場合に比べ、解の収束のために必要な反復回数は約K倍になる。その理
由は、Hの固有値が、通常、複素平面上の単位円内にあることに起因している。
すなわち、遅延行列により固有値構造がK回折り返して複製されるとともに、折
返しの各シフトは次数が1(order unity)の複素数であり、
【0143】
【数58】
【0144】 の固有値の凸包(convex hull)が、一般的に、原点(origin)を包囲するよう
になる。
【0145】 厳密な解析のために、クロネッカー積の性質に関する補題を以下に示す。
【0146】 補題4.1
【0147】
【数59】
【0148】 補題4.2
【0149】
【数60】
【0150】 補題4.3 線形時間不変回路において、λ
【0151】
【数61】
【0152】 の固有値ならば、
【0153】
【数62】
【0154】 は、FTヤコビ行列の固有値である。
【0155】 証明は以下の通りである。線形時間不変回路においては、
【0156】
【数63】
【0157】 の対角ブロック(diagonal blocks)が全て等しい。すなわち、
【0158】
【数64】
【0159】 である。したがって、対角ブロックをHと置くと、ヤコビ行列は、式(24)、
式(25)、式(26)、式(27)、式(28)、式(29)に等しい。
【0160】
【数65】
【0161】 式(24)が式(25)に等しいのはI=I及び補題4.1による
。式(26)が式(27)に等しいのは補題4.2(b)による。式(27)か
ら式(28)を得るには補題4.2(a)による。
【0162】
【数66】
【0163】 はユニタリ行列(unitary)であり、その逆行列は
【0164】
【数67】
【0165】 と書けるので、式(29)の右辺は
【0166】
【数68】
【0167】 と同じスペクトルを持つ。そして、
【0168】
【数69】
【0169】 がブロック対角行列(block diagonal)であることは容易に証明でき、その固有
値は、k=1,・・・,に対して、全てのブロックの固有値
【0170】
【数70】
【0171】 の和集合(union)となる。
【0172】 以上の解析は、ニュートン方程式(21)を解くために必要な前処理をどのよ
うにしたらよいかを示唆している。式(21)を解くことは、式(30)を解く
ことに等しい。
【0173】
【数71】
【0174】 ここで、
【0175】
【数72】
【0176】 である。前処理として用いるのに良い選択は、
【0177】
【数73】
【0178】 である。ここで、Hとしては、後述の5.ニュートン収束の改善で説明する初期
設定時(initial guess stage)の定常状態解析から得られるヤコビ行列、又は
行列
【0179】
【数74】
【0180】 の対角ブロックである、i=1,・・・,Kとした
【0181】
【数75】
【0182】 を使用できる。特に、シングルサイクル状態遷移関数が線形で時間的に不変(ti
me invariant)であれば、ニュートン方程式はシングルGMRES反復法(sing
le GMRES iteration)で解くことができる。なお、ここに提案する前処理は、状
態遷移関数のヤコビ行列(Jacobian)が、複数のサイクルに亘って略一定の場合
に有効である。各クロックサイクル内の回路の挙動は、前処理からは隠れて見え
ない。これは、例えば、近年のハーモニックバランス解析法(modern harmonic
balance codes)において通常用いられている時間平均化又は周波数平均化の前
処理の場合には成り立たない事項である。したがって、ここに提案する前処理は
、回路の挙動に対する前提条件を大幅に緩めても、特に高電力レベルに対して上
手く機能するものである。
【0183】 GMRESの反復毎にシステムPu=vを解いていく。Pはブロック対角行列
であるので、k=1,・・・,KであるK個のシステム
【0184】
【数76】
【0185】 を順次解いていかなければならない。ここで、
【0186】
【数77】
【0187】 である。ここで解こうとしている線形システムは、周期的時変システム(period
ic time-varying system)に対する小信号解析の場合に扱うシステムと同じであ
るから、クリロフ部分空間反復アルゴリズム(Krylov subspace reuse algorith
m)を組み込むことによって、前処理を極めて効率良く適用することができる。
このアルゴリズムの基本的な考え方は、行列
【0188】
【数78】
【0189】 に関するクリロフ部分空間は、異なるωに対して全く同じである。原理的には
、クリロフ部分空間反復法を用いることにより、行列
【0190】
【数79】
【0191】 に対する前処理を、行列Hに対する反復法(iterative solve)に比べて計算コ
ストをほんの少し増やすだけで、適用することができる。
【0192】 図4は、前処理がRF受信回路の固有値を圧縮する効果を奏することを示す図
である。図4は、特に、前処理前の固有値の分布と前処理後の固有値の分布とを
示している。図4に示すように、前処理を施した固有値は、1(unity)の周り
に密に集中しており、この固有値の集中は、前処理の優れた性能を意味するとと
もに、GMRESの収束が高速になることを表している。
【0193】 図5は、上述のRF受信回路について、前処理が各FTニュートン更新方程式
(Newton update equation)を解くのに必要なGMRESの反復回数を減少させ
る効果を示す図である。前処理を行うと、僅か3回の反復で残差(residual)を
10−2に減らすことができる。これに対し、前処理なしの場合は、反復を40
0回以上行わないと、残差を全く減すことができない。FT回路方程式は厳密に
は解くことができないが、概して、FT法においては、ニュートン更新方程式の
近似解を用いると、性能上の有利性があり、したがって、GMRESは、比較的
緩い許容範囲(loose tolerance)に収束する。
【0194】 5.ニュートン収束の改善 初期の推定値(initial estimation)を良い値に設定すると、ニュートン法を
高速に収束させることができる。良い初期推定値を得るために、本発明では、先
ず、回路にクロック信号のみを供給し、他の非DC信号を抑止した状態で、回路
の周期的定常状態応答を算出する。そして、この定常状態の解を動作点とし、ク
ロック以外の基本波(non-clock fundamentals)を小信号とみなして、小信号解
析を行う。この小信号解析により、周波数がf+kにおける振幅(ampl
itudes)が得られる。ここで、−K≦k≦K、1≦s≦Sである。これら
の振幅を、多次元離散フーリエ逆変換(inverse multidimensional discrete Fo
urier transform(DFT))によって、時間領域における初期条件に変換する
。入力電力レベルがより高いときには、非クロック信号の振幅を順次パラメータ
(continuation parameter)としたニュートン法を順次を用いること(Newton c
ontinuation method)により、解が収束することを保証するのに有効である。
【0195】 6.スペクトルの計算 解が収束した後は、値
【0196】
【数80】
【0197】 と区間[i=1,・・・,K]、i=1,・・・,Kにおける積分の解を情報と
して利用することができる。これらの情報から、スペクトルv(t)を式(31
)で計算することができる。
【0198】
【数81】
【0199】
【数82】
【0200】 と定義すると、式(32)が得られる。
【0201】
【数83】
【0202】 そして、−K≦k≦K,・・・,−K≦k≦Kにおける全てのNベ
クトル(N-vectors)V(k,・・・,k,k)を集めたKNベクトル(K
N-vector)V(・,k)のそれぞれは、式(33)で得られる(実際の順番は
フーリエ変換による)。
【0203】
【数84】
【0204】
【数85】
【0205】 の計算には、v(t+τ),・・・,v(t+τ)の値、すなわちサイクル
間の同期化時間ステップ(synchronized time steps)が必要である。トータル
の計算コストは、同期化時点の数をMとすると、1回のKNベクトル積分とM回
のフーリエ変換である。
【0206】 実際には、同期化時間ステップの要件を満たすのは容易でない。代わりの方法
として、補間をとることが考えられる。しかしながら、補間方式には、精度が低
下する虞がある。もう1つの方法として、多次元離散フーリエ変換の代わりに積
分を利用することである。すなわち、式(34)が成立することは容易に証明す
ることができる。
【0207】
【数86】
【0208】 ここで、Eは、KN×Nのブロック行列であり、そのp番目のN×Nのブロッ
クはIであり、他のブロックはゼロであり、pはフーリエ変換における(k ,・・・,k)によって定まる。式(34)の計算には同期化時間ステップの
要件を必要としない。この場合、V(・,k)の全計算コストは、K回のKN
ベクトル積分と1回の最終フーリエ変換である。なお、通常、積分の方がフーリ
エ変換よりコストがかかるので、全計算コストは高くなる可能性がある。
【0209】 7.改良FT法による回路シミュレーションの具体例 第1の具体例は、ローパススイッチトキャパシタフィルタであり、その帯域幅
は4kHzであり、ノード数は238であり、方程式数は337になった。この
回路を解析するために、本発明に係る改良FT法を、8相の100kHzのクロ
ックと、1Vの100Hzの正弦波入力とを用いて実施した。
【0210】 クロック対信号比が1000対1であり、従来の回路シミュレータでは、この
回路を解析することは困難である。改良FT法では、3つの高調波を用いて入力
信号をモデル化した。8相クロックを使用した結果、各遷移積分毎の所要時点数
は約1250個となった。この結果、解析で解くべき変数の総数は、300万(
337×(2×3+1)×1250=2948750)足らずとなった。シミュ
レーションは、サンマイクロシステムズ社のUltraSparc1ワークステーションで
あって、128メガバイトのメモリ、167MHzのCPUクロック上で実施し
た。シミュレーションを完了するのに要したCPU時間は、20分足らずであっ
た。図6は、このフィルタの出力スペクトルを示す図である。
【0211】 第2の具体例は、高性能の影像阻止受信機(image rejection receiver)であ
る。この影像阻止受信機は、低雑音増幅器と、分岐回路(splitting network)
と、2個の二重平衡変調器(double-balanced mixer)と、不要な側波帯を抑止
するために使用する加算回路(summing network)と組み合わせた2個の広帯域
ヒルベルト変換出力フィルタとからなる。LO信号路にリミッタを設け、LO信
号の振幅を制御する。この受信機の回路は、かなり大きなRF回路であり、16
7個のバイポーラトランジスタと378個のノードを含んでいる。回路シミュレ
ータで生成する回路方程式の数は987である。
【0212】 相互変調歪み特性を求めるため、この回路を、780MHzのLO信号と、2
つの接近した周波数840MHzと840MHz+10kHzで50mVのRF
入力信号とで駆動した。各RF信号をモデル化するのに3つの高調波を用いた。
各遷移クロックサイクル積分で用いる時点数を、この回路の精度の観点からは控
えめな値と考えられる200とした。この結果、略1000万(987×(2×
3+1)×200=9672600)の未知数ができた。シミュレーションは
、サンマイクロシステムズ社のUltraSparc10ワークステーションであって、12
8メガバイトのメモリ、300MHzのCPUクロック上で実施した。シミュレ
ーションを完了するのに要したCPU時間は、55分であった。図7は、三次と
五次の歪み積を示す図である。
【0213】 従来の過渡特性解析では、歪みの計算に少なくともLO信号の80000サイ
クルが必要であり、シミュレーション時間が2日を超えていたことから、本発明
に係る改良FT法の効率の良さが理解できる。更に、過渡特性解析には誤差の問
題がある。これに対し、本発明に係るFT法は、非常に小さな信号レベル、例え
ば図7に示す五次の歪み積を分解することができる。
【0214】 FT方程式を直接分解法(direct factorization method)で解くのも実用的
でなく、分解ランク50000(987×(2×3+1)=48363)の式
(19)に示すFTヤコビ行列に必要な記憶容量は、数ギガバイトにも達する。
また、直接法でヤコビ行列を作成すると、50000遷移積分サイクルに比例し
た計算コストがかかり、計算に数日のオーダを要する。
【0215】 図8は、本発明の好ましい実施の形態に従い、回路、例えば図1に示す回路の
応答をシミュレーションする処理を示すフローチャートである。
【0216】 ステップ804において、図3にドット(円)で示す等間隔の離散時点のセッ
トを選択する。ステップ804の詳細については、式(16)及びそれに関連し
た記載に説明されている。
【0217】 ステップ806において、図3に四角で示す基準時点のセットを定める。図3
に示すように、各基準時点は個々の離散時点に対応付けられている。すなわち、
各基準時点は、対応する離散時点から1信号周期(1クロックサイクル)だけ離
れている。
【0218】 ステップ808において、離散時点における値と基準時点における値との間の
第1の関係のセットを求める。ステップ808の詳細については、式(8)及び
それに関連した記載に説明されている。
【0219】 ステップ810において、離散時点における値と基準時点における値との間の
第2の関係のセットを求める。ステップ810の詳細については、式(9)及び
それに関連した記載に説明されている。
【0220】 ステップ812において、第1の関係と第2の関係のセットを組み合わせて、
離散時点における値のみを含むシステム方程式を求める。ステップ812の詳細
については、式(10)及び(18)及びそれに関連した記載に説明されている
【0221】 ステップ814において、ステップ812で求めたシステム方程式を解くこと
により、離散時点における回路応答を求める(又は生成する)。回路がN個の内
部回路ノードとM個の出力を有する場合、ステップ814により、N個の内部回
路ノードとM個の出力の全てに対して、応答のシミュレーション結果を求める(
生成する)。ステップ814の詳細については、式(18)〜(22)及び(3
0)とそれに関連した記載に説明されている。
【0222】 図9は、本発明に基づき、図8のステップ814におけるシステム方程式を解
く処理の具体例を示すフローチャートである。
【0223】 ステップ904において、離散時点における推定される回路応答を表す推定値
のセットを選択する。ステップ904の詳細については、セクション5の記載に
説明されている。
【0224】 ステップ906において、推定値における線形システム方程式を求める。ステ
ップ906の詳細については、式(21)及びそれに関連した記載に説明されて
いる。
【0225】 ステップ908において、線形システム方程式を前処理して線形システム方程
式の解の収束を改善する。ステップ908の詳細については、セクション4の記
載に説明されている。
【0226】 ステップ910において、線形システム方程式を解いて、離散時点における推
定回路応答を修正するための修正値を算出する。ステップ910の詳細について
は、式(21)及び(22)とそれに関連した記載に説明されている。
【0227】 ステップ912において、推定値を修正し、この修正した推定値を新たな推定
値として、すなわち離散時点における推定回路応答表す推定値として新たに使用
する。ステップ912の詳細については、式(21)及び(22)とそれに関連
した記載に説明されている。
【0228】 ステップ914において、修正した推定値が回路応答として許容される精度に
達したかどうか判定する。該当しないときは、処理はステップ906に戻る。該
当するときは、処理はステップ916に移行する。推定値又は修正推定値は時間
領域の値である。
【0229】 ステップ916において、推定値を時間領域から周波数領域に変換する。ステ
ップ916の詳細については、セクション6の記載及び式(31)〜(34)に
説明されている。
【0230】 8.ハードウェア構成 図10は、図8及び図9で述べた処理を実施するプログラムを実行するハード
ウェアプラットホームとして使用することができるコンピュータシステム100
0を具体的な構成を示すブロック図である。
【0231】 図10に示すように、コンピュータシステム1000は、システムバス100
1と、処理装置1002と、メモリ1004と、ディスクドライブインタフェー
ス1006と、ハードディスク1008と、表示インタフェース1010と、表
示モニタ1012と、バスインタフェース1014と、マウス1016と、キー
ボード1018と、ネットワーク通信インタフェース1020とを備える。
【0232】 ハードディスク1008は、ディスクドライブインタフェース1006に接続
されている。表示モニタ1012は、表示インタフェースに接続されている。マ
ウス1016及びキーボード1018は、バスインタフェース1014に接続さ
れている。システムバス1001には、処理装置1002と、メモリ1004と
、ディスクドライブインタフェース1006と、表示インタフェース1010と
、ネットワーク通信インタフェース1020とが接続されている。
【0233】 メモリ1004は、データ及びプログラムを記憶する。また、ハードディスク
1008も、ディスクドライブインタフェース1006を介してデータ及びプロ
グラムを記憶する。なお、メモリ1004は、ハードディスク1008よりアク
セス速度が高速であり、ハードディスク1008は、メモリ1004より記憶容
量が大きい。
【0234】 表示モニタ1012は、表示インタフェース1015を介して、実行中のプロ
グラムとユーザ間のビジュアルインタフェースを提供し、プログラムの生成した
出力を表示する。
【0235】 マウス1016及びキーボード1018は、バスインタフェース1014を介
して、コンピュータシステム1000に入力を与える。
【0236】 ネットワーク通信インタフェース1020は、所定のネットワークプロトコル
に基づいて、コンピュータシステム1000とネットワーク104間のインタフ
ェースを司る。
【0237】 処理装置1002は、1つ以上のプロセッサを備え、メモリ1004及びハー
ドディスク1008に記憶されたプログラムを実行することによって、コンピュ
ータシステム1000の動作を制御する。また、処理装置1002は、メモリ1
000とハードディスク間でのデータ及びプログラムの送受を制御する。
【0238】 本発明では、図8及び図9に示す処理を実施するプログラムは、メモリ101
4又はハードディスク1018に記憶されている。本発明のプログラムは処理装
置1002により実行される。
【0239】 まとめ 本発明は、既存のFT法を改良したものである。本発明に係るFT法は、相互
変調歪み等のマルチ周波数非線形効果を解析するのに有効である。技術的に意味
のある諸問題をFT法で効率良く計算するには、綿密に構成した遅延行列、行列
陰解のクリロフ部分空間反復線形解法、及びFT法と解析対象の回路に合わせた
前処理が必要であった。本発明では、数千万の未知数を含む非線形システムを、
設計エンジニアが通常利用できる計算資源の下で1時間足らずで解くことができ
る。
【0240】 本発明に係るFT法は、関数φの計算と、φのヤコビ行列(Jacobian)と何ら
かのベクトルとの積を計算するいう利点を有する。この2種類の計算の両方とも
、本質的には初期値問題(initial value problem)の解法である。演算子
【0241】
【数87】
【0242】 の各適用毎に、すなわちニュートン残差計算毎に、K個の初期値問題を解く、換
言するとDAEのK個のセットを1クロック周期に亘り時間の順方向に積分して
いく必要がある。しかしながら、K個の初期値問題の各々は、本質的には分離し
ている(decoupled)。したがって、FTを並列処理すると、プロセッサの利用
効率を極めて高くすることができる。また、この初期値問題の独立性は、アウト
オブコアソルバ(out-of-core solver)での実行にも有効である。実際、FTア
ルゴリズムをアウトオブコアアルゴリズムとして実行すると、80%を超える平
均CPU利用率が得られた。
【0243】 本発明を、図面及び上述の具体例を用いて詳細に説明したが、本発明は、その
趣旨を逸脱しない範囲で、他の具体例でも実施できることは明らかである。した
がって、本発明の範囲は、本明細書の記載に限定されるものではなく、特許請求
の範囲に基づいて定められるべきものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明係る回路シミュレーションの処理を説明するために用いる回路102の
構成を示すブロック図である。
【図2】 図1に示す2つの入力に対する応答の包絡線を示す図である。
【図3】 本発明に基づき、図2に示す包絡線に沿ってK(K=2)個のサンプリング点
を選択し、5個の離散点を得る方法を示す図である。
【図4】 本発明に基づき、RF受信回路の固有値の圧縮における前処理の有効性を示す
図である。
【図5】 本発明に基づき、各FTニュートン更新方程式を解くのに必要な反復回数の減
少における前処理の有効性を示す図である。
【図6】 本発明に基づいたフィルタ回路のシミュレーション結果を示す図である。
【図7】 高性能受信機の相互変調歪みを示す図である。
【図8】 本発明に基づいた回路応答のシミュレーション処理を説明するためのフローチ
ャートである。
【図9】 本発明に基づき、図9で求めたシステム方程式を解く処理を説明するためのフ
ローチャートである。
【図10】 本発明に基づき、図8及び図9に示す処理を実行するプログラムを実行するハ
ードウェアプラットホームとして使用することができるコンピュータシステムの
具体的な構成を示すブロック図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE ,DK,DM,DZ,EC,EE,ES,FI,GB, GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,I N,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC ,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD, MG,MK,MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,P L,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK ,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG, UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 フィリップス,ジョエル,アール アメリカ合衆国 カリフォルニア州 94087 サニーヴェール アパートメント 626 イースト エル カミノ リアル 870 (72)発明者 クンダート,ケネス アメリカ合衆国 カリフォルニア州 94024 ロスアルトス ラッセル アベニ ュー 1133 Fターム(参考) 5B046 AA08 BA03 JA04

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周期的なサンプリング信号と少なくとも1つの情報信号とが入
    力される回路の応答をシミュレーションする回路シミュレーション方法において
    、 (a)等間隔の離散時点のセットを選択する工程と、 (b)各基準時点を上記離散時点のいずれかに対応付けて基準時点のセットを
    定める工程と、 (c)上記離散時点における値と上記基準時点における値との第1の関係のセ
    ットを設定する工程と、 (d)上記離散時点における値と上記基準時点における値との第2の関係のセ
    ットを設定する工程と、 (e)上記第1の関係と上記第2の関係とを組み合わせて、上記離散時点にお
    ける値で表現されるシステム方程式を求める工程と、 (f)上記求めたシステム方程式を解いて、上記離散時点における回路の応答
    を求める工程とを有する回路シミュレーション方法。
  2. 【請求項2】 上記各基準時点は、対応する離散時点より1信号周期分離れた
    時点であることを特徴とする請求項1記載の回路シミュレーション方法。
  3. 【請求項3】 上記工程(c)は、更に、 上記離散時点における初期値のセットを選択する工程と、 上記離散時点から対応する基準時点まで積分を実行することにより、上記離散
    時点と基準時点間の値を算出する工程とを有することを特徴とする請求項1記載
    の回路シミュレーション方法。
  4. 【請求項4】 積分時点のヤコビ行列をディスクに保存することを特徴とする
    請求項3記載の回路シミュレーション方法。
  5. 【請求項5】 上記積分により算出した値は時間領域における値であり、 上記工程(c)は、 上記積分により算出した値に基づき時間領域における回路の応答を表す値を算
    出する工程を有することを特徴とする請求項3記載の回路シミュレーション方法
  6. 【請求項6】 上記工程(d)は、 上記離散時点における初期値のセットを選択する工程と、 上記初期値に対し、多次元の離散フーリエ変換を実行して上記初期値を実数値
    から複素数値に変換する工程と、 上記変換した複素数値に対し、サンプリング周期の位相シフトを実行する工程
    と、 上記位相シフトした複素数値に対し、多次元離散フーリエ逆変換を実行して複
    素数値を実数値に変換する工程とを有することを特徴とする請求項1記載の回路
    シミュレーション方法。
  7. 【請求項7】 上記工程(f)は、 離散数値解法により上記離散時点における回路の応答を算出することによって
    、上記システム方程式を解く工程を有することを特徴とする請求項1記載の回路
    シミュレーション方法。
  8. 【請求項8】 上記工程(f)で用いる離散数値解法は、ニュートン法である
    ことを特徴とする請求項7記載の回路シミュレーション方法。
  9. 【請求項9】 上記工程(e)で求めるシステム方程式は、非線形システム方
    程式であり、上記離散数値解法により、反復線形行列陽解法を線形システム方程
    式に適用することによって線形システム方程式を解き、上記工程(f)は、 (g)上記離散時点における推定回路応答を表す推定値のセットを選択する工
    程と、 (h)上記推定値における線形システム方程式を設定する工程と、 (i)上記線形システム方程式を前処理して、上記線形システム方程式の解の
    収束を改善する工程と、 (j)上記前処理した線形システム方程式を解いて、上記推定値を修正する修
    正値を算出する工程とを有することを特徴とする請求項7記載の回路シミュレー
    ション方法。
  10. 【請求項10】 上記工程(i)は、状態遷移関数の線形モデルと遅延行列と
    を組み合わせて前処理することを特徴とする請求項9記載の回路シミュレーショ
    ン方法。
  11. 【請求項11】 更に、(k)上記修正した推定値を、上記離散時点における
    推定回路応答を表す新たな推定値として使用する工程と、 (l)上記推定値が上記工程(e)で求める非線形システム方程式の許容され
    る数値解となるまで上記工程(g)〜(k)を繰り返す工程とを有することを特
    徴とする請求項9記載の回路シミュレーション方法。
  12. 【請求項12】 上記推定値は、時間領域での値であり、更に、 (m)上記推定値を周波数領域の値に変換する工程を有することを特徴とする
    請求項11記載の回路シミュレーション方法。
  13. 【請求項13】 上記第1の関係と第2の関係に係る値は、上記離散時点と基
    準時点における電圧であることを特徴とする請求項1記載の回路シミュレーショ
    ン方法。
  14. 【請求項14】 周期的なサンプリング信号と少なくとも1つの情報信号とが
    入力される回路の応答をシミュレーションする回路シミュレーション装置におい
    て、 (a)等間隔の離散時点のセットを選択する離散時点選択手段と、 (b)各基準時点を上記離散時点のいずれかに対応付けて基準時点のセットを
    定める基準時点規定手段と、 (c)上記離散時点における値と上記基準時点における値との第1の関係のセ
    ットを設定する第1の関係設定手段と、 (d)上記離散時点における値と上記基準時点における値との第2の関係のセ
    ットを設定する第2の関係設定手段と、 (e)上記第1の関係と上記第2の関係とを組み合わせて、上記離散時点にお
    ける値で表現されるシステム方程式を求めるシステム方程式導出手段と、 (f)上記求めたシステム方程式を解いて、上記離散時点における回路の応答
    を求める回路応答導出手段とを備える回路シミュレーション装置。
  15. 【請求項15】 上記各基準時点は、対応する離散時点より1信号周期分離れ
    た時点であることを特徴とする請求項14記載の回路シミュレーション装置。
  16. 【請求項16】 更に、 上記離散時点における初期値のセットを選択する手段と、 上記離散時点から対応する基準時点まで積分を実行することにより、上記離散
    時点と基準時点間の値を算出する手段とを備える請求項14記載の回路シミュレ
    ーション装置。
  17. 【請求項17】 上記積分により算出した値は時間領域における値であり、更
    に、 上記積分により算出した値に基づき時間領域における回路の応答を表す値を算
    出する手段を備える請求項16記載の回路シミュレーション装置。
  18. 【請求項18】 更に、 上記離散時点における初期値のセットを選択する手段と、 上記初期値に対し、多次元離散フーリエ変換を実行して上記初期値を実数値か
    ら複素数値に変換する手段と、 上記変換した複素数値に対し、サンプリング周期の位相シフトを実行する手段
    と、 上記位相シフトした複素数値に対し、多次元離散フーリエ逆変換を実行して複
    素数値を実数値に変換する手段とを備える請求項14記載の回路シミュレーショ
    ン装置。
  19. 【請求項19】 更に、 離散数値解法により上記離散時点における回路の応答を算出することによって
    上記システム方程式を解く手段を備える請求項14記載の回路シミュレーション
    装置。
  20. 【請求項20】 上記離散数値解法は、ニュートン法であることを特徴とする
    請求項19記載の回路シミュレーション装置。
  21. 【請求項21】 上記求めるシステム方程式は、非線形システム方程式であり
    、上記離散数値解法により、反復線形行列陽解法を線形システム方程式に適用す
    ることによって線形システム方程式を解き、更に、 (g)上記離散時点における推定回路応答を表す推定値のセットを選択する手
    段と、 (h)上記推定値における線形システム方程式を設定する手段と、 (i)上記線形システム方程式を前処理して、上記線形システム方程式の解の
    収束を改善する前処理手段と、 (j)上記前処理した線形システム方程式を解いて、上記推定値を修正する修
    正値を算出する手段とを備える請求項19記載の回路シミュレーション装置。
  22. 【請求項22】 上記前処理手段は、状態遷移関数の線形モデルと遅延行列と
    を組み合わせて前処理することを特徴とする請求項21記載の回路シミュレーシ
    ョン装置。
  23. 【請求項23】 更に、 (k)上記修正した推定値を、上記離散時点における推定回路応答を表す新た
    な推定値として使用する手段と、 (l)上記推定値が上記求める非線形システム方程式の許容される数値解とな
    ったかを判定する手段とを備える請求項22記載の回路シミュレーション装置。
  24. 【請求項24】 上記推定値は、時間領域での値であり、更に、 (m)上記推定値を周波数領域の値に変換する手段を備える請求項23記載の
    回路シミュレーション装置。
  25. 【請求項25】 上記第1の関係と第2の関係に係る値は、上記離散時点と基
    準時点における電圧であることを特徴とする請求項14記載の回路シミュレーシ
    ョン装置。
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