JP3253612B2 - ポリヌクレオチドおよびc型肝炎ウイルス遺伝子の検出方法 - Google Patents

ポリヌクレオチドおよびc型肝炎ウイルス遺伝子の検出方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、遺伝子材料の使用に基づくDNAプローブお
よびそのアッセイ方法に関するものであり、具体的に
は、本発明はC型肝炎ウイルス遺伝子(以下、HCVと略
す場合がある)の遺伝子の検出に使用され得るポリヌク
レオチドと、そのポリヌクレオチドを用いてC型肝炎ウ
イルス遺伝子を検出する方法に関するものである。
〔従来の技術〕
輸血後非A非B肝炎を起こした患者の血清をもとに、
C型肝炎ウイルス遺伝子の一部がクローニングされ、こ
れが米国カイロン社のホートンらによりサイエンスに報
告された[Science,Vol.244,pp.359−362(198
9).]。このC型肝炎ウイルスは遺伝子の長さ約10kb
(約1万ヌクレオチド)のRNAウイルスと考えられ、フ
ラビウイルスの仲間であると推定されている。C型肝炎
ウイルス遺伝子の全塩基配列はまだ知られていないが、
非構造蛋白質遺伝子を主体とした7310塩基の配列が、カ
イロン社によって、ヨーロッパ特許EP 0318216に報告さ
れている。
〔発明が解決しようとする課題〕
C型肝炎は、C型肝炎ウイルスによって引き起こされ
る肝炎であり、輸血後非A非B肝炎のほとんどのもの
は、この肝炎であるといわれている。そしてその多く
は、更に肝癌へと病状が進行する。カイロン社ではC型
肝炎ウイルス遺伝子の非構造蛋白質領域をコードする遺
伝子の一部を、酵母の発現ベクターに挿入し、酵母でこ
の遺伝子を発現させることに成功した。この方法により
生産される非構造蛋白質の一部分は、抗HCV抗体に対し
て抗原性を有するため、C型肝炎診断用抗原として利用
されている[The Lancet,Vol.335,pp.1−3(199
0).]。C型肝炎診断薬は、現在この抗原蛋白質のみ
である。
しかしながら、この酵母で生産された抗原性蛋白質
は、C型肝炎患者血清中に存在する抗HCV抗体と反応す
るものの、この抗HCV抗体はC型肝炎が発症してなお6
カ月程度を経て、はじめて陽性となるものであることが
分かってきた。また、この抗原を用いて正常人血清ある
いはC型肝炎患者血清を試験すると、偽陽性または偽陰
性を示す場合があることも分かってきた[The Lancet,V
ol.335,pp.754−757,(1990).および臨床科学、25
巻、7号、827ページ、1990年]。そのため、新しい手
段による、より精度の高い診断薬の開発が求められてい
る。
〔課題を解決するための手段〕
C型肝炎ウイルスは遺伝子の長さ約10kbのRNAウイル
スと考えられ、フラビウイルスの仲間であると推定され
ているが、C型肝炎ウイルスについての総合的な知見は
これまでに全く得られておらず、こういう状況のもとで
は、いかなる診断薬の開発が可能か、治療薬の開発が可
能かについては全く不明である。
我々はこれまでにC型肝炎ウイルス遺伝子について鋭
意研究を進めてきた。C型肝炎ウイルス遺伝子の塩基配
列については、これまでに数例の報告しかないが、その
中で加藤、大越、下遠野らは、1989年に日本のC型肝炎
ウイルス遺伝子とアメリカのC型肝炎ウイルス遺伝子と
の塩基配列の相違を指摘し、日本型とアメリカ型のC型
肝炎ウイルスが存在することを報告している[Proceedi
ngs of the Japan Academy,Vol.65,Ser.B,No9,pp.219〜
223(1989.]。しかしながら、日本型のC型肝炎ウイル
ス遺伝子の塩基配列が、アメリカ型のものと比べて、ど
の程度異なるのか、あるいはどの程度保存されているの
かについては、まだ詳しくは知られていない。
我々は日本型C型肝炎ウイルス遺伝子について詳細に
研究を行った結果、驚くべきことに、日本型C型肝炎ウ
イルス遺伝子の中で、特に良く遺伝子が保存されている
領域があることを見いだした。更にまた、アメリカ型C
型肝炎ウイルス遺伝子と日本型C型肝炎ウイルス遺伝子
とを比較すると、広く両型のC型肝炎ウイルス遺伝子に
共通して保存されている遺伝子領域があることも見いだ
した。そしてその結果、これらの領域と実質的にハイブ
リッド形成するポリヌクレオチドを用いると、C型肝炎
ウイルス遺伝子を特異的に、感染初期の段階で検出する
ことができることを見いだし、本発明を完成するに至っ
た。
即ち本発明は、下記の塩基配列で示される日本型C型
肝炎ウイルス遺伝子の部分塩基配列、または該塩基配列
に相補的な部分塩基配列の、全部または一部を含有して
なるポリヌクレオチドにある。
さらに、本発明は下記の塩基配列で示される日本型C
型肝炎ウイルス遺伝子の部分塩基配列、又は該塩基配列
に相補的な部分塩基配列の1つまたはそれ以上を含有し
てなるポリヌクレオチドにある。
さらに、本発明は下記の塩基配列で示されるC型肝炎
ウイルス遺伝子の部分塩基配列、又は該塩基配列に相補
的な部分塩基配列の1つまたはそれ以上を含有してなる
ポリヌクレオチドにある。
さらに、本発明は上記のポリヌクレオチドをDNAプロ
ーブとして用い、該プローブとC型肝炎ウイルス遺伝子
とをハイブリッド形成させ、次いで該ハイブリッドを検
出することを特徴とするC型肝炎ウイルス遺伝子の検出
方法にある。
そして、上記C型肝炎ウイルス遺伝子としては、血清
または肝臓組織から抽出精製したC型肝炎ウイルス由来
のRNA遺伝子、血清または肝臓組織から抽出精製したC
型肝炎ウイルス由来のRNA遺伝子を逆転写酵素処理によ
り得たDNA、血清または肝臓組織から抽出精製したC型
肝炎ウイルス由来のRNA遺伝子を逆転写酵素処理によりD
NAとし、該DNAを遺伝子増幅して得たDNA等が挙げられ
る。
上記の塩基配列の表示については、ジャーナル・オブ
・バイオロジカルケミストリーの表記方法[J.Biol.Che
m.,Vol.261,pp.13−17(1986).]に従っており、具体
的にはグアニン(G)、アデニン(A)、シトシン
(C)、チミン(T)、グアニンまたはアデニン
(R)、チミンまたはシトシン(Y)、アデニンまたは
チミン(W)、グアニンまたはシトシン(S)、アデニ
ンまたはシトシン(M)、グアニンまたはチミン
(K)、アデニンまたはチミンまたはシトシン(H)、
グアニンまたはシトシンまたはチミン(B)、グアニン
またはアデニンまたはシトシン(V)、グアニンまたは
アデニンまたはチミン(D)である。
上記の塩基配列はC型肝炎ウイルスの蛋白質をコード
するセンス鎖の塩基配列を示しており、順に5'から3'方
向に記載されている。この塩基配列と相補的な塩基配列
とは、2本鎖DNAを形成する際に水素結合を作り得る相
補的な塩基からなる核酸の配列を指し、具体的にはアン
チセンス鎖を指す。ここで例えばAの相補的な塩基はT
であり、Gの相補的な塩基はCである。また、2種以上
の塩基の組合せ表示では、R(A/G)の相補的な塩基は
Y(C/T)であり、以下、W(A/T)はW(A/T)、S(C
/G)はS(C/G)、M(A/C)はK(G/T)、H(A/C/T)
はD(A/G/T)、B(C/G/T)はV(A/C/G)である。
上記の塩基配列は、DNAの塩基で表示してあるが、こ
れはDNAのみならずRNA塩基配列も併せて示すものであ
る。即ちポリヌクレオチドを構成する塩基は、DNAまた
はRNAの塩基からなる。但しRNAでの場合はDNAのチミン
(T)がウラシル(U)に相当するので、Tがウラシル
を意味することはいうまでもない。ポリヌクレオチドは
HCV遺伝子のクローニングによって得られたものでも良
く、また化学的に合成されたものであっても良い。ポリ
ヌクレオチドを化学合成する場合、2種以上の塩基を代
表して示す塩基については、それらの意味する塩基を混
合して合成するか、又はイノシンなどの広く非特異的に
塩基と水素結合を作ることのできる塩基をそこに置換す
ることが有効である。
本発明は、遺伝子材料の使用に基づくDNAプローブお
よびそのアッセイ方法に係るものであり、具体的に説明
すれば、本発明はC型肝炎ウイルス遺伝子の検出に使用
され得るポリヌクレオチドと、そのポリヌクレオチドを
用いてC型肝炎ウイルス遺伝子を検出する方法に関する
ものである。
アメリカ型C型肝炎ウイルス遺伝子は、カイロン社が
EP 0318216に発表している。日本型C型肝炎ウイルス遺
伝子の塩基配列は、これまでにほとんど発表されておら
ず、これは以下の様にして決定できる。まず、輸血後非
A非B肝炎患者[血液中のアラニンアミノトランスフェ
ラーぜ(ALT)値が150以上を示した患者]の血清からC
型肝炎ウイルスのRNA遺伝子を調製し、該RNAに逆転写酵
素反応を行って一本鎖のcDNAを合成し、次いでセンス鎖
のプライマーとアンチセンス鎖のプライマーとをセット
として、PCR法による遺伝子増幅を行い[特開昭63−102
677号]、得られた遺伝子をクローニングして、この遺
伝子の塩基配列を解析することにより決定される。クロ
ーニングの方法はサムブロックらの方法[Molecular Cl
oning,2nd ed.,Cold Spring Harbor laboratory Press,
New York(1989).]に従って行うことができる。また
PCRに使用するプライマーの塩基配列は加藤、大越、下
遠野らが1989年に発表した塩基配列を参考にできる[Pr
oceedings of the Japan Academy,Vol.65,Ser.B,No.9,p
p.219〜223(1989.]。例えば、塩基配列が(5')CACGG
GTGAGGTAGTAGACCCT(3')で示される22塩基のプライマ
ーと、塩基配列が(5')AAGTGGCGTGCTGACGACTA(3')で
示される20塩基のプライマーをセットとして利用できる
が、このプライマーをカイロン社がEP 0318216に発表し
たHCVの遺伝子の塩基配列番号で示せば、20塩基のもの
は6755〜6774番目のセンス鎖に相当し、22塩基のものは
7050〜7071番目のアンチセンス鎖に相当する。
この様にして解析された日本型C型肝炎ウイルス遺伝
子の塩基配列を第1図に示す。本発明でいうポリヌクレ
オチドとは、第1図に示される日本型HCV遺伝子の部分
塩基配列、または該塩基配列に相補的な部分塩基配列
の、全部または一部を含有してなるポリヌクレオチドで
あり、この領域はカイロン社がEP 0318216に発表したア
メリカ型HCV遺伝子の塩基配列の第6775番目から第7049
番目までの位置に相当する。
第1図に示す領域では日本型HCV遺伝子の特徴が良く
現れており、アメリカ型とは完全に塩基の異なる箇所が
ある。例えば第1図の第20番目の塩基は、アメリカ型で
はTであるが、日本型ではAである。更に27番はアメリ
カ型ではAであるが、日本型ではTまたはCであり、以
下同様に、36番はCがAまたはT、37番はGがC、38番
がGがTまたはA、53番はCがTまたはA、57番はGが
A、58番はGがA、89番はCがAまたはG、96番はTが
C、123番はGがA、124番はTがC、146番はGがA、1
47番はAがC、170番はCがT、188番はTがC、197番
はCがGまたはA、200番はAがCまたはT、257番はC
がGまたはA、265番はGがC、266番はCがA、267番
はGがT、272番はAがCまたはTである。
更にアメリカ型とは完全に異なっている訳ではない
が、ほぼ異なっている塩基を取る位置がある。例えば第
5番目の塩基は、アメリカ型ではTであるが、日本型で
はほとんどがCであり、まれにTもある。また11番目で
はアメリカ型ではCであるが、日本型ではほとんどがT
であり、まれにCもある。この様な例は他にも多くあ
り、アメリカ型と日本型のC型肝炎ウイルス遺伝子は、
全体的にかなり異なった部分がある。そこで、日本型HC
V遺伝子の特徴を生かした、日本型HCV遺伝子の部分塩基
配列、または該塩基配列に相補的な部分塩基配列の、全
部または一部を含有してなるポリヌクレオチドは、日本
型HCV遺伝子の検出に有用なDNAプローブとなる。
特に日本型HCV遺伝子の中で、96番のTがC、146番の
GがA、147番のAがC、170番のCがT、188番のTが
C、265番のGがC、266番のCがA、267番のGがTと
なっている領域は、遺伝子の前後が良く保存されてお
り、特に有用なポリヌクレオチドとなる。即ち、下記の
塩基配列で示される日本型C型肝炎ウイルス遺伝子の部
分塩基配列、又は該塩基配列に相補的な部分塩基配列の
1つ以上を含有してなるポリヌクレオチドは、日本型C
型肝炎ウイルス遺伝子に特異的にハイブリッド形成する
ので、日本型C型肝炎ウイルス遺伝子の検出に、特に有
効である。なお、本発明に示すポリヌクレオチドは、1
本鎖ウイルスRNA(センス鎖)を検出する場合には、第
1図に示す配列とは相補的(アンチセンス鎖)な塩基配
列を持つポリヌクレオチドが利用でき、2本鎖DNAを検
出する場合には、センス鎖、アンチセンス鎖のどちらも
利用できる。
また、下記の配列のいづれかを含有してなるポリヌク
レオチド、すなわち最低限下記の部分塩基配列を含有し
ているポリヌクレオチドの上流および/または下流に適
当な長さのポリヌクレオチドが更に付加された、長さが
通常11〜50のヌクレオチド(塩基)で出来たポリヌクレ
オチドは、好適に利用できる。
また、下記の配列のいづれかを含有してなるポリヌク
レオチド、すなわち下記の部分塩基配列を含有している
ポリヌクレオチドの上流および/または下流に適当な長
さのポリヌクレオチドが更に付加された、長さが通常20
〜30のヌクレオチド(塩基)で出来たポリヌクレオチド
は、更に好適に利用できる。
なお、第1図のNo.54Aの塩基配列で示される日本型C
型肝炎ウイルス遺伝子の断片を、プラスミドベクターpT
Z19Rに挿入し、これをもちいて大腸菌E.coli MV1184を
形質転換した。この菌はE.coli HCV54Aと名付けられ、
茨城県つくば市東1−1−3の通商産業省工業技術院微
生物工業技術研究所に、平成2年6月13日づけで寄託さ
れ、微工研菌寄第11529号(FERM P−11529)なる番号が
付されている。
さらに我々は、更にヨーロッパ特許EP 0318216に報告
されているアメリカ型のC型肝炎ウイルス遺伝子の塩基
配列と、日本型HCV遺伝子の塩基配列とをあわせて解析
した。その結果、広く両型のC型肝炎ウイルス遺伝子に
共通して保存されている遺伝子領域があることを見いだ
した。日本型のみならず、アメリカ型も含めてHCV遺伝
子の塩基配列が良く保存されている領域を塩基配列に持
つポリヌクレオチドは、DNAプローブとして利用する
と、広く両型にわたったC型肝炎ウイルス遺伝子の検出
を行うことができるので有用である。
共通して保存されている領域は、第1図の第75番目か
ら第83番目(EP 0318216の第6849番目から第6857番目に
相当する)、第99番目−第121番目(第6873番目−第689
5番目)、第148番目−第195番目(第6922番目−第6969
番目)、第207番目−第214番目(第6981番目−第6988番
目)、第225番目−第241番目(第6999番目−第7015番
目)の塩基配列である。即ち、この領域を中心とした、
下記の塩基配列で示されるC型肝炎ウイルス遺伝子の部
分塩基配列、又は該塩基配列に相補的な部分塩基配列の
いづれかを含有してなるポリヌクレオチドは、C型肝炎
ウイルス遺伝子に特異的にハイブリッド形成するので、
広くC型肝炎ウイルス遺伝子の検出に有効である。な
お、本発明に示すポリヌクレオチドは、1本鎖ウイルス
RNA(センス鎖)を検出する場合には、図に示す配列と
は相補的(アンチセンス鎖)な塩基配列を持つポリヌク
レオチドが利用でき、2本鎖DNAを検出する場合には、
センス鎖、アンチセンス鎖のどちらも利用できる。
また、下記の配列のいづれかを含有してなるポリヌク
レオチド、すなわち最低限下記の部分塩基配列を含有し
ているポリヌクレオチドの上流および/または下流に適
当な長さのポリヌクレオチドが更に付加された、長さが
通常11〜50のヌクレオチド(塩基)で出来たポリヌクレ
オチドは、好適に利用できる。
また、下記の配列をいづれかを含有してなるポリヌク
レオチド、すなわち下記の部分塩基配列を含有している
ポリヌクレオチドの上流および/または下流に適当な長
さのポリヌクレオチドが更に付加された、長さが通常20
〜30のヌクレオチド(塩基)で出来たポリヌクレオチド
は、更に好適に利用できる。
本発明により得られるポリヌクレオチドは、DNAプロ
ーブとして用いると、C型肝炎患者の血清中、またはC
型肝炎患者から切り取られた肝臓組織中に存在する1本
鎖ウイルスRNA(センス鎖)とハイブリッド形成するの
で、C型肝炎ウイルス遺伝子を検出することが出来る。
この場合、組織中に存在するウイルスRNAをインシツ(i
n situ)ハイブリダイゼーションして検出しても良く、
あるいは血清や組織を、フェノール処理などの通常の方
法で処理して精製したRNAを検出することもできる。
またこのポリヌクレオチドは、血清または肝臓組織か
ら抽出精製したC型肝炎ウイルス由来のRNA遺伝子を、
逆転写酵素処理などにより2本鎖としたDNAともハイブ
リッド形成するので、この方法でC型肝炎ウイルス遺伝
子を検出することもできる。即ち、ウイルスRNAを抽出
精製後、逆転写酵素処理によりRNA/DNAの2本鎖とし、
更にこれをRNA分解酵素HとDNAポリメラーゼ酵素で処理
することにより2本鎖DNAとし、これを検出することも
出来る。該2本鎖DNAはそのままポリヌクレオチドとの
ハイブリッド形成に使用しても良く、または適当なプラ
スミドに挿入した後、ポリヌクレオチドとのハイブリッ
ド形成に使用しても良い。
また該DNAを遺伝子増幅すると、増幅されたDNA断片と
もハイブリッド形成するので、この方法でC型肝炎ウイ
ルス遺伝子を検出することもできる。即ちウイルスRNA
を抽出精製後、逆転写酵素処理によりRNA/DNAの2本鎖
とし、更にこれをRNA分解酵素HとDNAポリメラーゼ酵素
で処理して2本鎖DNAとし、更にこれを例えばPCR法[特
開昭63−102677号公報]による方法で遺伝子増幅を行っ
てから、C型肝炎ウイルス遺伝子を検出することも出来
る。
もちろん2本鎖DNAは、ポリヌクレオチドとのハイブ
リッド形成前に、アルカリ処理あるいは熱処理で、1本
鎖に変性させる必要があることは言うまでもない。変性
されたDNAは、適当な固定化材たとえばニトロセルロー
スやナイロン、ポリフッポリフッ化ビニリデンなどに固
定化して用いることが出来る。
本発明に示すポリヌクレオチドは、1本鎖ウイルスRN
A(センス鎖)を検出する場合には、アンチセンス鎖の
塩基配列を持つポリヌクレオチドが利用でき、2本鎖DN
Aを検出する場合には、センス鎖、アンチセンス鎖のど
ちらのものでも利用できる。
上記のポリヌクレオチドについて、これを構成する一
部のヌクレオチドが分子的に修飾されたものであって
も、原理的にC型肝炎ウイルス遺伝子と水素結合に基づ
くハイブリダイゼーション(2本鎖形成)を引き起こす
のに阻害のない場合は、本発明に含まれる。例えば、C
型肝炎ウイルス遺伝子を検出するためのポリヌクレオチ
ドに、発色用の化学基、酵素、蛋白質、放射性同位元素
などが結合したものなどがそれである。
DNAプローブ法による遺伝子の検出方法は特に限定さ
れず、通常の操作が広く利用できる。例えばプライマー
ラベル法として知られる様な、ポリヌクレオチド自身を
標識して使用する方法があげられる。この場合は、放射
性同位元素(32P、125I、3Hなど)でポリヌクレオチド
を標識する場合や、ビオチン化合物でポリヌクレオチド
を標識する場合がある(コスモバイオ社製品、フォトビ
オチン・ラベリング・デテクション・キット)。ビオチ
ン化したものは、更にアビジン、フォスファターゼ、基
質溶液で発色させて検出する。またラベザイム−POD/グ
ルタルアルデヒド法(和光純薬工業社製品、ラベザイム
PODセット)により、ポリヌクレオチドを標識して検出
することもできる。更に、ケミプローブ法(宝酒造社製
品、DNAケミプローブ)により、ポリヌクレオチドの標
識を行い、更に免疫的な方法で遺伝子を検出することも
できる。
また、ニックトランスレーション法などで知られてい
る様に、ポリヌクレオチドをプライマーとして利用し、
DNAポリメラーゼ、逆転写酵素などの酵素反応により標
識化合物を取り込ませる方法も利用できる。このような
場合は、α32P−dCTPなどの放射性化合物により放射性
同位元素を取り込ませる場合や、ビオチン−11−dUTPな
どの非放射性化合物を取り込ませる場合がある。非放射
性化合物を利用する場合は、例えばビオプローブ法(BR
L社製品、ニックトランスレーション・Bio−probeキッ
ト)、ブルジーン法(BRL社製品、ニックトランスレー
ション・BluGENEキット)などが、遺伝子の検出に利用
できる。
本発明でいうポリヌクレオチドは単独、あるいは組み
合わせて利用できる。組み合わせて利用する場合は、単
独で利用する場合よりもC型肝炎ウイルス遺伝子検出の
信頼性が高くなることは、容易に類推できる。
更に本発明のポリヌクレオチドは、PCR法による遺伝
子増幅用のプライマーとしても利用できる。PCR法で
は、増幅したい遺伝子領域を挟んで、その両末端に位置
するセンス鎖用プライマー、アンチセンス鎖用プライマ
ーの2本(1セット)のポリヌクレオチドを準備し、両
プライマーに挟まれた間の遺伝子を増幅する。このプラ
イマーにはC型肝炎ウイルス遺伝子との相補性が要求さ
れ、本発明のポリヌクレオチドが好適に利用できる。こ
こで、例えば本発明でいうポリヌクレオチドをPCR法と
組み合わせて、C型肝炎ウイルス遺伝子の検出に使うこ
とも出来る。例えば本発明のポリヌクレオチド2本(1
セット)を遺伝子増幅用プライマーとして利用して、C
型肝炎ウイルス遺伝子の一部を増幅し、更にその増幅さ
れた遺伝子領域の中に位置する、新たな本発明のポリヌ
クレオチドを、遺伝子検出用のプローブとして利用する
ことが出来る。
〔発明の効果〕
本発明により日本型C型肝炎ウイルス遺伝子の部分塩
基配列、または該塩基配列に相補的な部分塩基配列の、
全部または一部を含有するポリヌクレオチドを用いて、
日本型C型肝炎ウイルス遺伝子を検出することが可能に
なった。
また、日本型、アメリカ型に共通して遺伝子が保存さ
れている領域の塩基配列で示されるC型肝炎ウイルス遺
伝子の部分塩基配列、又は該塩基配列に相補的な部分塩
基配列のいづれかを含有してなるポリヌクレオチドを用
いて、広くC型肝炎ウイルス遺伝子を検出することが可
能になった。このポリヌクレオチドは、C型肝炎ウイル
ス遺伝子の検出に利用できるが、C型肝炎の診断薬とし
て完全なものがない現在、本発明はきわめて大きい意義
を持つ。
〔実施例〕
以下に本発明を具体的に例示するために実施例を示す
が、本発明の範囲はこの実施例に限定されるものではな
い。
実施例1 (C型肝炎ウイルス遺伝子RNAの調製) 輸血後非A非B患者血清150mを19,000rpmで16時間
超遠心し、沈澱を得た。該沈澱物をGITC液[4Mグアニジ
ウムイソチオシアネート(フルカ株製),25mMクエン酸
ソーダ,0.5%サルコシル,0.1Mメルカプトエタノール]5
mに溶解し、この溶液に対して、5mのフェノール−
クロロホルム(1:1)を加え、15分間室温で振盪後、300
0rpm、15分間遠心した。水層を取り出し、Isopropyl al
cohol 5mlを加え、−20℃に3時間放置した。放置後、1
5000rpm、15分間遠心し、沈澱物を得た。
該沈澱物に対して、GITC液500μを加え、溶解させ
た。この溶液に対して、500μのフェノール−クロロ
ホルム(1:1)を加え、10分間室温で振盪後、3000rpm、
15分間遠心した。該反応液の水層を取り出し、クロロホ
ルム1mを加え、5分間振盪した。振盪後、3000rpm、
5分間遠心し、水層500μを回収し、5M NaCl溶液20μ
を加えた。
混合した後、1.5mの氷冷エタノールを添加し、−20
℃で12時間放置した。放置後、15000rpm、15分間遠心
し、沈澱物を得た。該沈澱物を75%エタノールで洗浄
し、乾燥後、蒸留水10μに溶解し、RNA溶解液を得
た。
(PCR法による遺伝子増幅) 得られたRNA溶液4μに、逆転写酵素反応液[250mM
Tris・HCl(pH8.3),375mM KCl,50mM DTT,15mM MgC
l2]2μ、塩基配列が(5')CACGGGTGAGGTAGTAGACCCT
(3')で示される22塩基のプライマー溶液1μ(100n
g/μ)、4種類のデオキシヌクレオチド[dATP,dGTP,
dCTP,dTTP、各15mM]を各0.5μずつ加えて、9μの
溶液を作った。
これにミネラルオイルを加えて、70℃、2分間加熱
し、ついで37℃に冷却し、逆転写酵素1μ(BRL社製
品)を加え、37℃で60分反応させた。
この反応液(10μ)に、更にPCR反応液[400mM Tri
s・HCl(pH8.8),100mM硫酸アンモニウム,40mM塩化マグ
ネシウム,60mMメルカプトエタノール,0.1%BSA]8.3μ
、4種類のデオキシヌクレオチド[dATP,dGTP,dCTP,d
TTP、各15mM]を各5μずつ、塩基配列が(5')AAGTG
GCGTGCTGACGACTA(3')で示される20塩基のプライマー
溶液5μ(100ng/μ)、塩基配列が(5')CACGGGTG
AGGTAGTAGACCCT(3')で示される22塩基のプライマー溶
液5μ(100ng/μ)水0.7μを加え、全量49μ
の溶液とした。
この溶液を92℃、5分間処理し、室温に冷却してTaq
ポリメラーゼ1μ(2単位、New England Biolabs社
製品)を加えた。以下、アニール(55℃、45秒)、ポリ
メリゼーション(72℃、2分)、変性(90℃、1分)を
30サイクル繰り返して、遺伝子の増幅を行った。なお、
本方法で使用したプライマーを、カイロン社がEP 03182
16に発表したHCVの遺伝子の塩基配列番号で示せば、以
下の通りである。まず20塩基のものは、6755〜6774番目
のセンス鎖に相当し、22塩基のものは7050〜7071番目の
アンチセンス鎖に相当する。なお、プライマーに用いた
DNAは、アプライド・バイオシステムズ社のDNA合成装置
を用いて合成した。
(日本型HCV遺伝子のクローニング) 以下、PCR法により増幅した遺伝子産物のクローニン
グについて述べるが、このクローニングの方法はサムブ
ロックらの方法[Molecular Cloning,2nd ed.,Cold Spr
ing Harbor Laboratory Press,New York(1989).]に
従って行った。まず増幅した遺伝子産物(307塩基対)
をアガロースゲル(2%)で電気泳動し、これから目的
の長さのDNAを回収した。ついでこれをKlenow fragment
酵素処理し、DNAの末端を平滑に揃え、更にT4ポリヌク
レオチドキナーゼにより、5'末端をリン酸化した。これ
をプラスミドベクターpTZ19RのHinc II部位に挿入し、
遺伝子のクローン化を行った。ついで、得られたクロー
ンについてプラスミド法による塩基配列の決定を行い
[服部らの方法、Anal.Biochem.,Vol.152,pp.232−238
(1986).]、275塩基の配列を決定した。
この結果を第1図に示す。なお第1図では、上から2
段目のアンダーラインより下部に、カイロン社が発表し
たアメリカ型C型肝炎ウイルス遺伝子の塩基配列(HCV
−US)、および今回の実験で得られた19個の日本型C型
肝炎ウイルス遺伝子の個々の塩基配列(HCV−26〜56)
が、それぞれ示してある。なお、この図中の空欄の箇所
は、HCV−USの塩基と同じものがあることを意味し、ま
たHCV−57の横線(−)は、その塩基が削除されていた
ことを示す。また上から2段目のアンダーラインより上
部には、アメリカ型と日本型のC型肝炎ウイルス遺伝子
を統合して表示する塩基配列(HCV−UNV)と、19個の日
本型C型肝炎ウイルス遺伝子を統合して表示する、日本
型C型肝炎ウイルス遺伝子の塩基配列(HCV−JPN)が、
それぞれ示してある。
実施例2 (DNAプローブの調製) ポリヌクレオチドは、アプライド・バイオシステムズ
社のDNA合成装置を用いて合成した。このポリヌクレオ
チドを、サムブロックらの方法[Molecular Cloning,2n
d ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,New York
(1989).]に従って、[γ−32P]ATPとT4ポリヌクレ
オチドキナーゼ処理により、5'末端ラベル化した。
DNAプローブとして用いたJPN−1は、5'から順にGATG
C(GorA)TCGTG(TorC)GC(GorA)ACの塩基配列を持つ
ポリヌクレオチドの混合プローブであり、この配列は第
1図HCV−JPNの日本型C型肝炎ウイルス遺伝子の塩基配
列の252番目〜268番目のアンチセンス鎖に相当する。ま
たUNV−1は、5'から順にGTCAT(CorT)GCCTCCGTGAAGの
塩基配列を持つポリヌクレオチドの混合プローブであ
り、この配列は第1図のHCV−UNVの塩基配列の第152〜1
69番目のアンチセンス鎖に相当する。
(検出用遺伝子の調製) RNAは実施例1と同じ方法で精製し、調製した。RNAに
よるC型肝炎ウイルス遺伝子の検出には、患者血清また
は正常人血清400mから出発して調製した、精製RNA溶
液10μのうち、半量の5μをニトロセルロースフィ
ルターに付着させ、乾燥して固定化させた。そして、こ
のものをC型肝炎ウイルス遺伝子として検出した。この
結果を表1に示す。
また、精製RNAの残りの5μlはcDNA合成に使用し
た。cDNA合成にはBRL社の合成キットを使用し、cDNA合
成マニュアル[BRL/コスモバイオ社Instruction Manua
l,Cat.No.8267SA]に従って合成を行った。まず精製RNA
溶液5μに、塩基配列が(5')CACGGGTGAGGTAGTAGACC
CT(3')で示される22塩基のプライマー溶液(100μ
M)を5μ加え、逆転写酵素反応を行わせて、RNA/DN
Aの2本鎖とした。次いで、塩基配列が(5')GAGCGGCGT
ACTGACAACTA(3')で示される20塩基のプライマーを用
いて、サムブロックらの方法[Molecular Cloning,2nd
ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,New York
(1989).]に従って、大腸菌DNAポリメラーゼIと、
大腸菌RNA分解酵素Hとを加え、DNA/DNA2本鎖とした。
得られた2本鎖DNAに1N−NaOH溶液を1/10量加え、室温
で5分おいてDNAを変性させ、1本鎖DNAとし、エタノー
ル沈澱を行い、変性DNAを得た。ついで、該変性DNAに純
水10μを加え、この溶液をニトロセルロースフィルタ
ーに付着させ、乾燥させて、DNAを固定化した。そし
て、このものをC型肝炎ウイルス遺伝子として検出し
た。
DNAプローブと、ニトロセルロースフィルターに固定
化された遺伝子とのハイブリッド形成は、ダルバディー
らの方法[Proc.Natl.Acad.Sci.,U.S.A.,Vol.79,pp.640
9−6413(1982).]に従って行い、6×NET溶液[0.9M
−NaCl,90mM Tris・HCl(pH8.0),6mM EDTA]100m
に、界面活性剤ノニデットP−40を0.5g、サケ精子DNA
の超音波破砕物を25mg、DNAプローブを160ng加え、この
溶液中に検出する遺伝子を固定化したニトロセルロース
フィルターを浸漬し、51℃で12時間おくことにより行っ
た。ハイブリッド形成終了後、該フィルターを6×SSC
[0.9M NaCl,90mM Na・Citrate,pH7.0]で3回洗浄し、
×線フィルムへのオートラジオグラフィーを行って、C
型肝炎ウイルス遺伝子を検出した。
この結果を第1表に示す。なお第1表のIとIIはとも
に、輸血後非A非B型肝炎の患者から採取した血清から
調製した遺伝子であるが、Iはオーソ社のC−100抗原
での検査薬での検査で陽性と判定された血液、IIは同検
査薬で陰性と判定された血液を用いた。またIIIは正常
人血液から調製した遺伝子である。
実施例3 (DNAプローブの調製) ポリヌクレオチドは、アプライド・バイオシステムズ
社のDNA合成装置を用いて合成した。このポリヌクレオ
チドを、サムブロックらの方法[Molecular Cloning,2n
d ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,New York
(1989).]に従って、[γ−32P]ATPとT4ポリヌクレ
オチドキナーゼ処理により、5'末端ラベル化した。
DNAプローブは、JPN−2[GT(TorC)GC(AorG)CACG
A(TorC)GCATC]、UNV−2[GC(AorG)GCCTGTCGAG
C]、UNV−3[ATCTG(TorC)GA(AorG)AG(TorC)GCG
GG]、UNV−4[GAG(TorC)CTTCACGGAGGC(TorC)ATGA
C],UNV−5[GCCCCCCC(TorC)GGGGAC]、UNV−6[AT
AAC(AorG)TC(AorG)TG(TorC)TCCTC]で表示される
塩基配列を持つポリヌクレオチド混合物をラベル化した
ものをプローブとして用いた。この配列は5'から3'の方
向で示してあり、TorCの表示はTとCの混合を意味し、
AorGはAとGの混合であることを意味する。なおJPNは
日本型C型肝炎ウイルス遺伝子に特異的にハイブリッド
形成するポリヌクレオチド、UNVは広くC型肝炎ウイル
ス遺伝子と特異的にハイブリッド形成するポリヌクレオ
チドを示す。
(検出用遺伝子の調製) 実施例1と同じ方法により、血清0.2mから精製した
RNA、または肝臓から抽出精製した合計0.5μgのRNA
を、鈍水に溶かして4m1の溶液を調製し、続いて、こ
のものに実施例1と同じ条件で、PCR法による遺伝子増
幅を行った。遺伝子の増幅は12サイクル行い、ほぼ1000
倍に遺伝子を増幅させた。得られた2本鎖DNAに1N−NaO
H溶液を1/10量加え、室温で5分おいてDNAを変性させて
1本鎖DNAとし、エタノール沈澱を行い、変性DNAを得
た。ついで、該変性DNAに純水10μlを加え、この溶液
をニトロセルロースフィルターに付着させ、乾燥させ
て、固定化した。そして、このものをC型肝炎ウイルス
遺伝子として検出した。
DNAプローブと、ニトロセルロースフィルターに固定
化された遺伝子とのハイブリッド形成は、ダルバディー
らの方法[Proc.Natl.Acad.Sci.,U.S.A.,Vol.79,6409−
6413(1982)]に従って行った。まず6×NET溶液[0.9
M−NaCl,90mM Tris・HCl(pH8.0),6mM EDTA]100m
に、界面活性剤ノニデットP−40を0.5g、サケ精子DNA
の超音波破砕物を25mg、DNAプローブを160ng加え、この
溶液中に、検出する遺伝子を固定化したニトロセルロー
スフィルターを浸漬した。次に、JPN−1,2−プローブで
は51℃、UNV−2プローブでは43℃、UNV−3プローブで
は47℃、UNV−4,5プローブでは59℃、UNV−6プローブ
5では41℃で12時間置いてハイブリッド形成を行った。
ハイブリッド形成終了後、該フィルターを6×SSC[0.9
M NaCl,90mM Na・Citrate,pH7.0]で3回洗浄し、×線
フィルムへのオートラジオグラフィーを行って、C型肝
炎ウイルス遺伝子を検出した。
この結果を第2表に示す。なお、表中のA〜Dは輸血
後非A非B型肝炎の患者血清から、E〜Fは輸血後非A
非B型肝炎の患者肝臓から、GはA型肝炎患者、HはB
型肝炎患者、Iは正常人血清から調製した遺伝子を示
す。
【図面の簡単な説明】
第1図は日本型HCV遺伝子の部分塩基配列、アメリカHCV
遺伝子の部分塩基配列、日本型HCV遺伝子を統合して表
示する塩基配列、および日本型、アメリカ型HCV遺伝子
を統合して表示する塩基配列を示す図である。
フロントページの続き (72)発明者 土方 誠 東京都中央区築地5―1―1 国立がん センター研究所内 (72)発明者 中川 正則 山口県徳山市御影町1番1号 徳山曹達 株式会社内 (72)発明者 九内 健志 山口県徳山市御影町1番1号 徳山曹達 株式会社内 (72)発明者 岡田 昌人 山口県徳山市御影町1番1号 徳山曹達 株式会社内 (56)参考文献 特表 平2−500880(JP,A) Proc.Japan.Acad., Vol.65,No.9,219−223 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 15/09 C12Q 1/68 BIOSIS(DIALOG)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の塩基配列のいずれかを持つことを特
    徴とする、日本型C型肝炎ウイルス遺伝子を特異的に検
    出するためのDNAプローブ。
  2. 【請求項2】下記の塩基配列またはこれらと相補的な塩
    基配列で示される塩基配列のいずれかを持つことを特徴
    とする、アメリカ型C型肝炎ウイルス遺伝子及び日本型
    C型肝炎ウイルス遺伝子の双方を特異的に検出するため
    のDNAプローブ。
  3. 【請求項3】請求項1に記載のDNAプローブを少なくと
    も一種用い、該プローブとC型肝炎ウイルス遺伝子とを
    ハイブリッド形成させ、次いで該ハイブリッドを検出す
    ることを特徴とする、日本型C型肝炎ウイルス遺伝子の
    検出方法。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の(1−1)〜(1−8)
    のポリヌクレオチドからなる混合プローブ又は(2−
    1)〜(2−8)のポリヌクレオチドからなる混合プロ
    ーブを用いることを特徴とする、請求項3記載のC型肝
    炎ウイルス遺伝子の検出方法。
  5. 【請求項5】請求項2に記載のDNAプローブを少なくと
    も一種用い、該プローブとC型肝炎ウイルス遺伝子とを
    ハイブリッド形成させ、次いで該ハイブリッドを検出す
    ることを特徴とする、アメリカ型C型肝炎ウイルス遺伝
    子及び日本型C型肝炎ウイルス遺伝子の検出方法。
  6. 【請求項6】請求項2に記載の(3−1)〜(3−2)
    のポリヌクレオチドからなる混合プローブ、(4−1)
    〜(4−2)のポリヌクレオチドからなる混合プロー
    ブ、(5−1)〜(5−8)のポリヌクレオチドからな
    る混合プローブ、(6−1)〜(6−4)のポリヌクレ
    オチドからなる混合プローブ、(7−1)〜(7−2)
    のポリヌクレオチドからなる混合プローブ、又は(8−
    1)〜(8−8)のポリヌクレオチドからなる混合プロ
    ーブを用いることを特徴とする、請求項5記載のC型肝
    炎ウイルス遺伝子の検出方法。
  7. 【請求項7】C型肝炎ウイルス遺伝子が、血清又は肝臓
    組織から抽出精製したC型肝炎ウイルス由来のRNA遺伝
    子であることを特徴とする、請求項3から6のいずれか
    1項記載のC型肝炎ウイルス遺伝子の検出方法。
  8. 【請求項8】C型肝炎ウイルス遺伝子が、血清又は肝臓
    組織から抽出精製したC型肝炎ウイルス由来のRNA遺伝
    子を逆転写酵素処理により得たDNAであることを特徴と
    する、請求項3から6のいずれか1項記載のC型肝炎ウ
    イルス遺伝子の検出方法。
  9. 【請求項9】C型肝炎ウイルス遺伝子が、血清または肝
    臓組織から抽出したC型肝炎ウイルス由来のRNA遺伝子
    を逆転写酵素処理によりDNAとし、該DNAを遺伝子増幅し
    て得たDNAであることを特徴とする、請求項3から6の
    いずれか1項記載のC型肝炎ウイルス遺伝子の検出方
    法。
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