JP3253390B2 - 液体収納バッグ - Google Patents

液体収納バッグ

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JP3253390B2
JP3253390B2 JP35428192A JP35428192A JP3253390B2 JP 3253390 B2 JP3253390 B2 JP 3253390B2 JP 35428192 A JP35428192 A JP 35428192A JP 35428192 A JP35428192 A JP 35428192A JP 3253390 B2 JP3253390 B2 JP 3253390B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、腹膜透析に用
いられる液体収納バッグに関する。
【0002】
【従来の技術】腹膜透析による治療法は、人工腎臓によ
る透析法に比し、装置、器具が小型で簡易であり、治療
費も安いこと、腹膜癒着の防止が可能となったこと、患
者の負担が少ないこと等の利点がある。
【0003】この腹膜透析法のうち、特に連続的携帯式
腹膜透析法(continuous ambulatory peritoneal dialy
sis,以下、「CAPD」という)は、患者自身が自宅や
職場で透析液の容器(バッグ)の交換を行うことができ
るため、社会復帰がし易く、大いに注目されている。
【0004】このCAPDは、患者の腹腔内にカテーテ
ルチューブを留置し、このカテーテルチューブの体外端
にトランスファーチューブを接続し、これに透析液が充
填された注液バッグのバッグチューブを接続し、各チュ
ーブを通じてバッグ内の透析液を腹腔内に注入し、所定
時間透析を行った後、腹腔内の透析液を前記各チューブ
を通じて、排液バッグ内に排出、回収するものである。
なお、各チューブ同士の接続は、両チューブの端部にそ
れぞれ装着された雄、雌コネクタの嵌合等により行われ
る。
【0005】このCAPDにおいては、透析液の注液バ
ッグが排液バッグを兼ねる1バッグシステムがあるが、
このシステムでは、透析中に、排液バッグとなる注液バ
ッグの空バッグを常に携行していなければならず、患者
にとって煩わしい。
【0006】これに対し、透析液が充填された注液バッ
グと空の排液バッグとがチューブ、コネクタを介して並
列的に接続(Yセット)された2バッグシステムがあ
る。このシステムは、透析中には注液バッグおよび排液
バッグをトランスファーチューブから分離し、これらの
バッグの携行を不用としたものである。
【0007】従来、このような2バッグシステムにおい
て、透析液が充填された注液バッグや排液バッグに対し
ては滅菌処理が施されるが、エチレンオキサイドガス
(EOG)滅菌やγ線滅菌は不適当であり、オートクレ
ーブ滅菌(高温高圧水蒸気滅菌)が施されている。その
ため、オートクレーブの熱により排液バッグの対向する
内面にブロッキング(結着)が生じる。このようなブロ
ッキングが生じると、透析液排液の回収の際に、排液バ
ッグが拡張せず排液の流入速度が極端に低下し、また、
ブロッキングしたシート材を引き剥すのにも手間がかか
る。
【0008】このようなブロッキングを防止するものと
して、バッグ本体内面にバッグ本体縦方向に延びる多数
本の凹凸条を設けた密封型輸液バッグが開示されている
(実公平2−9812号公報)。この場合、バッグ本体
内面の全面に凹凸条を設けると、バッグ本体の透明性、
すなわちバッグ内の視認性が損なわれ、回収した透析液
排液の異常(異物の混入)等を確認し難いため、実用的
には、バッグ本体内面の片面にのみ凹凸条が設けられ
る。
【0009】ところで、注液バッグの液体排出口には、
バッグ本体内に突出し、その突出端が封止され、この封
止部を破断、分離することにより液体の流通を可能とす
る樹脂製の管状部材で構成された封止部材が設置されて
おり、腹腔内への透析液の注入の際には、この封止部材
を開封して透析液を注液バッグから取り出すように構成
されている。
【0010】近年、この封止部材を排液バッグの液体導
入口にも設置する試みがなされている。すなわち、この
封止部材の設置により、排液バッグは、密封された状態
となり、排液バッグ内に空気を封入した状態でオートク
レーブ滅菌ができ、また、排液バッグ内との圧力差が生
じて排液バッグに接続されたチューブやコネクタ内へ空
気が流入することによる細菌汚染を防止することができ
る。
【0011】このような封止部材を有する排液バッグに
おいて、前述したようにバッグ本体内面の片面にのみ凹
凸条を設けたものである場合、バッグ本体内に突出した
封止部材が、凹凸条を設けていない面との接触部分にお
いてバッグのシート材とブロッキングを生じ、封止部材
の封止部を破断、分離する際の抵抗が増大し、封止部の
破断、分離が不能または困難であるという問題がある。
【0012】また、封止部材の封止部を破断した場合で
も、その破断片がシート材と結着した状態で、そのまま
封止部材の開封端部付近に残るため、これがバッグ内へ
導入される液流の妨げとなり、排液回収速度が著しく低
下する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、バッ
グ内の視認性を確保するとともに、バッグ本体を構成す
るシート材と封止部材とのブロッキングを防止して、封
止部材の開封を容易に行うことができる液体収納バッグ
を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)の本発明により達成される。また、下記(2)〜
(5)であるのが好ましい。
【0015】(1) 可撓性を有する樹脂製シート材を
シールして袋状に成形してなるバッグ本体と、前記バッ
グ本体のシール部にバッグ本体内に突出するように設置
された開封可能な封止部材とを有する液体収納バッグで
あって、前記バッグ本体内面の片面およびその対向面で
あって前記封止部材と接触する部分を含む部分に、バッ
グ本体の長手方向に延びる複数の凹凸条が形成されてお
り、前記凹凸条における凸部の高さが84〜200μm
であり、前記凹凸条における隣接する凸部同士の間隔が
1.1〜1.5mmであることを特徴とする液体収納バッ
グ。
【0016】(2) 前記封止部材は、バッグ本体内に
突出した部分に封止部を有し、該封止部を含む部分を破
断、分離することにより液体の流通を可能とする、内径
2.5〜6mmの管状部材で構成されている上記(1)に
記載の液体収納バッグ。
【0017】(3) 前記対向面における凹凸条の形成
領域の面積が、前記対向面の全面積の2.5〜50%で
ある上記(1)または(2)に記載の液体収納バッグ。
【0018】(4) 前記バッグ本体の内部に不活性な
気体または液体が封入されている上記(1)ないし
(3)のいずれかに記載の液体収納バッグ。
【0019】(5) 前記液体収納バッグは、透析液の
排液を回収する排液バッグである上記(1)ないし
(4)のいずれかに記載の液体収納バッグ。
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【発明の構成】以下、本発明の液体収納バッグを添付図
面に示す好適実施例に基づいて詳細に説明する。
【0024】図1は、本発明の液体収納バッグをCAP
Dに用いる排液バッグに適用したときの構成例を示す平
面図、図2は、図1に示す排液バッグの展開図(バッグ
の内側を示す)、図3は、図1中のIII −III 線での断
面図、図4は、図1中のIV−IV線での断面図である。
【0025】図1に示すように、本発明の排液バッグ1
は、バッグ本体2を有する。このバッグ本体2は、後述
する樹脂製の可撓性を有するシート材を筒状(チューブ
状)に成形し、バッグの両端となる位置で融着(熱融
着、高周波融着等)または接着によりシールして袋状と
し、このシール部3および4にて切断分離することによ
り得られたものである。
【0026】このバッグ本体2の内部には、液体収納空
間21が形成され、この液体収納空間に透析液の排液
(以下、単に「排液」という)が回収される。バッグ本
体2の上部のシール部3には、流体注入口5が設けられ
ている。この流体注入口5は、バッグ本体2の内部およ
び外部にそれぞれ開口する筒状体51で構成されてい
る。この筒状体51を介してバッグ本体2の液体収納空
間21に不活性な気体または液体を注入した後、筒状体
51のバッグ外部側開口を例えば融着により封止し、こ
の状態でオートクレーブ滅菌(高温高圧水蒸気滅菌)を
施す。
【0027】また、シール部3には、図2および図3に
示すように、バッグ本体2内に突出する開封可能な封止
部材6が設置されている。この封止部材6は、図3に示
すように、バッグ本体2の内側の端部が封止された封止
部61を有する管状部材である。この封止部材6の外周
には、V字状の溝62が全周に渡って形成されている。
この溝62の部分(薄肉脆弱部)において封止部材6を
破断し、封止部61を含む部分、すなわち溝62より図
3中下端側を分離、除去する。これにより、封止部材6
は開封され、液体の流通が可能となる。
【0028】なお、封止部材6の液体収納部21への突
出長さは、15〜35mm程度、特に20〜30mm程度と
するのが好ましい。また、封止部材6の内径は特に限定
されないが、排液回収速度を考慮して、2.5〜6.0
mm程度、特に3.0〜5.0mm程度とするのが好まし
い。
【0029】封止部材6の図3中上部は、シール部2の
シート材間に挟持された状態でシール部3に固着され、
封止部材6の上端のチューブ嵌合部63は、例えばポリ
塩化ビニル製の可撓性を有するチューブ7の端部が嵌合
し得るよう2重管構造をなしている。この嵌合部63に
チューブの一端が嵌合、接続されており、チューブ7内
および開封された封止部材6内を介してバッグ本体2の
液体収納部21に排液が導入される。
【0030】このように、排液バッグ1は、一端が封止
された筒状体51と未開封の封止部材6とにより、密封
された状態となるため、バッグ内に不活性な気体または
液体を封入した状態でオートクレーブ滅菌をすることが
でき、結着面積を減少し、ブロッキングをより有効に防
止することができるとともに、滅菌処理後、排液回収ま
での間においてもバッグの密封状態が維持され、よっ
て、バッグ本体2内との圧力差が生じてチューブ7内や
チューブ7に設置されたコネクタ(図示せず)内に空気
が流入することによる細菌汚染を防止することができ
る。
【0031】なお、オートクレーブ滅菌に先立って排液
バッグ1の液体収納空間21に封入される不活性な気体
としては、空気が好ましく、不活性な液体としては、水
が好ましい。さらには、シート材中の可塑剤の溶出がな
いという点で、液体より気体の方がより好ましい。
【0032】この場合、空気に代表される気体の封入量
としては、排液バッグ1の容量(最大排液回収量)の
2.5〜30%程度、特に3.7〜10.0%程度が好
ましい。2.5%未満であると、後述する凹凸条8、9
によるブロッキング防止効果をさらに高めることができ
ず、また、30%を超えると、回収し得る排液量が減少
するとともに、排液回収時に生じる気泡の量が多くな
り、この気泡により回収した排液の状態を確認しにくく
なるからである。
【0033】また、水に代表される液体の封入量として
は、排液バッグ1の容量(最大排液回収量)の0.8〜
7.5%程度、特に2.5〜5.0%程度が好ましい。
0.8%未満であると、後述する凹凸条8、9によるブ
ロッキング防止効果をさらに高めることができず、ま
た、7.5%を超えると、回収した排液の希釈の度合い
が大きくなり、排液中の成分の分析値や細菌数の測定値
が不正確となる他、シート材中に含有する可塑剤の封入
液体への溶出量も多くなり、前記分析値や測定値に悪影
響を及ぼすからである。
【0034】なお、本発明において、封止部材の形状、
構造は、図示のごとき先端が封止された封止部61と溝
62とを有するものに限定されず、例えば、管状部材の
途中が封止された構造や、破断される薄肉脆弱部が管状
部材の内側に形成された構造であってもよく、また、封
止部材の開封方法についても、破断による開封に限定さ
れない。
【0035】図1に示すように、排液バッグ1の下部の
シール部4には、排液バッグ1を吊り下げる際等に用い
られる開口41が形成されている。例えば、排液バッグ
1に回収された排液の重量を測定するときには、バネば
かりのフックをこの開口41に引っ掛けて排液バッグ1
を吊り下げ、重量測定を行う。
【0036】また、バッグ本体2の外表面には、図示の
ように、回収した排液の量を知るための液量表示目盛り
15が付されていてもよい。なお、排液バッグ1の容量
(最大排液回収量)は、特に限定されないが、3000
〜4500ml程度、特に3500〜4000ml程度とす
るのが好ましい。
【0037】バッグ本体2のシート材の構成材料として
は、軟質ポリ塩化ビニルが好ましい。軟質ポリ塩化ビニ
ルは、オートクレーブ滅菌の高温に耐え得る耐熱性を有
し、しかも、柔軟性に富むため、取り扱いがし易く、ま
た、バッグへの成形、加工が容易で、材料コストも安い
という利点がある。
【0038】この軟質ポリ塩化ビニルにおける可塑剤と
しては、例えば、ジ(エチルヘキシル)フタレート(D
EHP)、ジ−(n−デシル)フタレート(DnDP)
等を用いることができる。なお、このような可塑剤の含
有量は、ポリ塩化ビニル100重量部に対し、30〜7
0重量部程度とするのが好ましい。
【0039】バッグ本体2のシート材の構成材料の他の
例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタ
ジエン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)のよ
うなポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(P
ET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)のよう
なポリエステル、ポリ塩化ビニリデン、シリコーン、ポ
リウレタン、ポリアミドエラストマー等の各種熱可塑性
エラストマー、あるいはこれらを任意に組み合せたもの
(ポリマーアロイ、積層体等)が挙げられる。
【0040】バッグ本体2を構成するシート材の厚さ
は、特に限定されず、シート材の構成材料によっても異
なるが、軟質ポリ塩化ビニル製シート材の場合、後述す
る凹凸条8、9が形成されていない部分の厚さが250
〜450μm 程度であるのが好ましく、300〜400
μm 程度であるがより好ましい。筒状体51の構成材料
としては、上記シート材の構成材料と同様の材料を挙げ
ることができる。
【0041】封止部材6の構成材料としては、例えば、
硬質ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリブタジエンのようなポリオレフィン、ポリスチレ
ン、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、ポリカーボネ
ート、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリ
レート(PMMA)、ポリアセタール、ポリアリレー
ト、ポリフッ化ビニリデン、アイオノマー、アクリルニ
トリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレン
テレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレー
ト(PBT)のようなポリエステル、ブタジエン−スチ
レン共重合体、芳香族または脂肪族ポリアミド等の各種
樹脂、あるいはこれらを任意に組み合わせたものが挙げ
られるが、このなかでも特に、安全性が高く、バッグ本
体2のシート材とのシール性に優れるという点で、硬質
ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
エステルが好ましい。
【0042】さて、図2および図4に示すように、バッ
グ本体2のシート材の内面には、バッグの上下方向に延
びる凹凸条8、9が形成されている。この場合、バッグ
本体2内面の片面22(図2中左半分)のほぼ全域に凹
凸条8が形成され、この片面22の対向面23(図2中
右半分)の、封止部材6と接触する部分を含む部分、す
なわち封止部材6より若干広い幅でバッグ本体2内面の
上端から下端までの部分に凹凸条9が帯状に形成されて
いる。
【0043】このような凹凸条8、9を設けることによ
り、排液バッグ1にオートクレーブ滅菌を施した際に、
対向するシート材同士がブロッキングするのを防止し、
またはブロッキングした場合でもその密着力が弱く、容
易に引き剥すことができる。特に、封止部材6のバッグ
内への突出部分は、その両側のシート材と接触する際
に、それぞれ凹凸条8および9と接触するため、封止部
材6とシート材とのブロッキングも防止され、またはブ
ロッキングした場合でもその密着力が弱く、容易に剥離
することができる。従って、封止部61を含む部分(破
断片)の破断、分離を容易に行うことができる。
【0044】そして、封止部材6の破断片は、シート材
とブロッキングしていないかまたはブロッキングした場
合でもその密着力が弱いため、排液回収の際、封止部材
6の開封端部開口64からの液流によりバッグ内の下方
に押し流され、封止部材6の開封端部開口64を塞ぐこ
となく円滑な排液回収を可能とする。
【0045】また、この凹凸条8、9の存在により、バ
ッグ本体2の上下方向の引っ張り強度を増し、バッグ本
体2の伸びを防止することができ、さらには、排液を液
体収納空間21に回収する際に、封止部材6の開封端部
開口64から液体収納空間21へ流入した排液が、凹凸
条8、9に沿って円滑に流れ、排液回収速度を向上する
という作用効果もある。
【0046】図5に示すように、凹凸条8、9における
凸部10の高さH(凹部の深さ)の平均値は、84〜2
00μm 程度であるのが好ましく、90〜120μm で
あるのがより好ましい。凸部10の高さHが84μm 未
満であると、シート材の構成材料や後述する間隔Pによ
っては、ブロッキング防止効果が低下することがある。
【0047】また、図5に示すように、凹凸条8、9に
おける隣接する凸部10同士の間隔(ピッチ)Pの平均
値は、1.1〜1.5mm程度であるのが好ましく、1.
1〜1.3mm程度であるのがより好ましい。この間隔P
が1.5mmを超えると、シート材の構成材料によって
は、ブロッキング防止効果が低下することがある。
【0048】また、凸部10の高さHの平均値の上限が
200μm 程度であることおよび隣接する凸部10同士
の間隔Pの平均値の下限が1.1mm程度であることの理
由は、次のとおりである。
【0049】バッグ本体2の製造は、前述したように、
筒状に成形されたシート材をシール部3、4にてシール
して製造されるが、凹凸条8、9は、通常、筒状のシー
ト材の長手方向に沿って予め形成されているため、シー
ル部3、4においても、凹凸条8、9が存在する状態で
シールされる。このシール方法が例えば融着である場
合、凹凸条8、9の凸部10は溶融して平坦となるが、
凸部10の高さHが200μm を超えるかまたは隣接す
る凸部10同士の間隔Pが1.1mm未満であると、シー
ル部3において、封止部材6(特に、シート材と異なる
材質の封止部材6)の外表面と接触している凸部10が
完全に溶融しきれず、シート材と封止部材6の外表面と
の間に隙間が生じて密着力が低下し、封止部材6が離脱
し易くなる。
【0050】なお、凸部10の高さHや隣接する凸部1
0同士の間隔Pは、凹凸条8および9のそれぞれにおい
て、同一でも異なっていてもよい。また、図示の構成で
は、凹凸条9は対向面23のバッグ本体上端から下端ま
での部分に形成されているが、これに限らず、例えば、
対向面23のバッグ本体上端から封止部61の下部近傍
までの範囲に形成する等、対向面23の封止部材6と接
触する部分を含む任意の領域に形成することができる。
また、凹凸条8、9の断面形状は、図5に示す形状に限
定されない。
【0051】このような凹凸条9の形状や形成パターン
に係らず、対向面23における凹凸条9の形成領域の面
積は、対向面23の全面積の2.5〜50%程度である
のが好ましく、5.0〜15.0%であるのがより好ま
しい。この面積比が2.5%未満であると、封止部材6
との接触部分をカバーしきれず、対向面23側における
ブロッキング防止効果が低下し、また、50%を超える
と、排液バッグ1の内部の視認性が低下し、回収した排
液の状態を確認しにくくなるからである。
【0052】
【0053】以上では、本発明の液体収納バッグをCA
PDに用いる排液バッグについて説明したが、本発明の
液体収納バッグの用途、種類、構成等は、上記に限定さ
れるものではない。
【0054】
【実施例】次に、本発明の液体収納バッグの具体的実施
例について説明する。
【0055】(実施例)CAPDに用いる透析液回収用
の排液バッグを製造した。この排液バッグの構成は、次
の通りである。
【0056】<排液バッグの構成> バッグサイズ:横180mm×縦360mm(液体収納空
間) 容量(最大排液回収量):3800ml シート材の構成材料:軟質ポリ塩化ビニル(塩ビ100
重量部に対し、DEHPを52重量部配合) シート材の凹凸条非形成部の厚さ:400μm 凹凸条形成位置:バッグ内面の片面22全面およびその
対向面23の封止部材6と接触する部分に幅14mmでバ
ッグ上端から下端まで形成
【0057】対向面における凹凸条形成領域の面積比:
対向面23の全面積の14% 凹凸条の形状:図5に示す形状 凹凸条の凸部の高さH:100μm (片面22、対向面
23共通) 凹凸条の凸部の間隔P:1.2mm(片面22、対向面2
3共通) 封止部材の形状:図3に示す形状 封止部材の構成材料:硬質ポリ塩化ビニル 封止部材の内径:3.2mm 封止部材のバッグ内突出長さ:26mm 流体注入口の構成:ポリ塩化ビニル製短チューブを設置
【0058】(比較例)排液バッグ内面の対向面23に
凹凸条を形成しない以外は上記実施例と同様の排液バッ
グを製造した。
【0059】上記実施例および比較例の排液バッグをそ
れぞれ10個ずつ用意し、これらの各排液バッグについ
て、流体注入口5よりバッグ内に200ml(バッグ容量
の5.3%)の空気を注入、密封し、118℃、30分
間オートクレーブ滅菌を施した。
【0060】実施例および比較例の各排液バッグについ
て、ブロッキングの発生を調べたところ、比較例の排液
バッグでは、10個のうち4個について封止部材6とシ
ート材の対向面23との強固なブロッキングが生じてお
り、封止部材6を破断、分離して開封することが極めて
困難であった。さらに、この4個の排液バッグに透析液
を回収した際、封止部材6の破断片がシート材と結着し
た状態で、そのまま封止部材6の開封端部開口64付近
に残っていたため、これがバッグ内へ入ってくる液流の
妨げとなり、排液回収速度が著しく低下した。
【0061】これに対し、本発明実施例の排液バッグ
は、10個とも封止部材6とシート材とのブロッキング
はほとんど生じておらず、その結果、封止部材6の破
断、分離も容易に行うことができ、排液の回収も円滑に
行うことができた。
【0062】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の液体収納バ
ッグによれば、オートクレーブ滅菌のような高温環境下
に置かれることによる封止部材とバッグ本体のシート材
とのブロッキングを防止し、封止部材の開封を容易に行
うことができるとともに、液体の流入速度を向上するこ
とができる。また、バッグ本体内面の全面に凹凸を設け
るのではないため、バッグ内の視認性を確保し、内容物
の確認を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液体収納バッグ(排液バッグ)の構成
例を示す平面図である。
【図2】図1に示す液体収納バッグ(排液バッグ)の展
開図である。
【図3】図1中のIII −III 線での断面図である。
【図4】図1中のIV−IV線での断面図である。
【図5】本発明の液体収納バッグ(排液バッグ)を構成
するシート材の凹凸条形成部分の拡大断面図である。
【符号の説明】
1 排液バッグ 2 バッグ本体 21 液体収納空間 22 片面 23 対向面 3、4 シール部 41 開口 5 流体注入口 51 筒状体 6 封止部材 61 封止部 62 溝 63 嵌合部 64 開封端部開口 7 チューブ 8、9 凹凸条 10 凸部 15 液量表示目盛り
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61M 1/28 A61J 1/10

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可撓性を有する樹脂製シート材をシール
    して袋状に成形してなるバッグ本体と、前記バッグ本体
    のシール部にバッグ本体内に突出するように設置された
    開封可能な封止部材とを有する液体収納バッグであっ
    て、 前記バッグ本体内面の片面およびその対向面であって前
    記封止部材と接触する部分を含む部分に、バッグ本体の
    長手方向に延びる複数の凹凸条が形成されており、 前記凹凸条における凸部の高さが84〜200μmであ
    り、 前記凹凸条における隣接する凸部同士の間隔が1.1〜
    1.5mmであることを特徴とする液体収納バッグ。
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