JP3252713B2 - 天井クレーンの運転方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、メインレールと、
このメインレールの両側に配置される一対のサブレール
とを備え、メインレールに移動可能に取付けた搬送ガー
ダと、サブレールに移動可能に取付けた建込みガーダと
の間で吊荷用のホイストが乗移り可能となった天井クレ
ーンの運転方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年ではＲＣ構造の高層ビルの建設用仮
設設備として、全天候型の仮設架構が提案されている。
この仮設架構は、構築予定建物の形状に合わせてその周
囲に複数本の仮設支柱を立設すると共に、各仮設支柱間
の上部に屋根架構を支持して、建物の高さ増加に伴って
仮設支柱を上方に継足しつつ屋根架構を持上げることに
より、天候に影響されることなく工事を遂行できるよう
になっている。また、前記屋根架構の下面には天井クレ
ーンを配置して、リフトにより揚重された資材をこの天
井クレーンを通じてスラブ各部に搬送して組立てるよう
になっている。

【０００３】前記天井クレーンは荷物としての資材を水
平方向に搬送するようになっており、図８に示すように
搬送ガーダ１がメインレール２を走行可能に取付けられ
ており、かつ、メインレール２の両側に配置されるサブ
レール３，３ａに一対の建込みガーダ４，４ａが走行可
能に取付けられている。また、前記建込みガーダ４，４
ａには荷吊り用のホイスト５が移動可能に設けられてお
り、このホイスト５が前記搬送ガーダ１に乗移った状態
で、リフト６から揚重された資材をこのホイスト５に吊
込むようになっている。

【０００４】そして、資材を吊込んだ搬送ガーダ１はメ
インレール２を走行して、建込みガーダ４，４ａの一方
と一直線状に並んだ状態で、搬送ガーダ１から建込みガ
ーダ４，４ａの一方にホイスト５を乗り移し、このホイ
スト５が乗移った建込みガーダ４，４ａがサブレール
３，３ａを走行すると共に、ホイスト５が建込みガーダ
４，４ａを移動することにより、目的位置に資材を搬送
できるようになっている。

【０００５】ところで、かかるホイスト５が搬送ガーダ
１と建込みガーダ４，４ａとの間で乗移り可能となった
天井クレーンでは、資材を搬送するために適宜箇所に作
業員を配置して資材の積み下ろしを行うようになってい
る。即ち、資材を地上の積込み位置からリフト６に積込
む際の玉掛け作業員と、リフト６で揚重された資材を前
記搬送ガーダ１のホイスト５に玉掛けし直す作業員と、
資材を吊込んだ搬送ガーダ１を建込みガーダ４，４ａの
一方まで移動し、ホイスト５の建込みガーダ４，４ａへ
の乗移しを操作する作業員と、建込みガーダ４，４ａを
移動すると共に、ホイスト５をこれら建込みガーダ４，
４ａに沿って移動させ、目的位置での資材の荷下ろしを
操作する作業員等が必要となる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来の天井クレーンの運転方法にあっては、多くの作業
員を随所に配して資材の搬送が行われるようになってい
るが、かかる天井クレーンを設けた全天候型の仮設架構
は、建物が高層化することに伴ってリフト６が高くな
り、このリフト６で資材を揚重する時間が長くなってし
まう。このように、リフトの揚重時間が長くなると、そ
の分、天井クレーンを操作する作業員の待ち時間が長く
なる。このため、前記天井クレーンを操作するための作
業員を多く配したことと相俟って、搬送作業の効率が著
しく悪化してしまうという課題があった。

【０００７】そこで、本発明はかかる従来の課題に鑑み
て、荷物の搬送工程を自動化して作業員の省力化を図る
ことにより、搬送作業の効率を向上するようにした天井
クレーンの運転方法を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに本発明の天井クレーンの運転方法は、天井部分に取
付けたメインレールと、このメインレールの両側に取付
けた一対のサブレールと、前記メインレールに移動可能
に取付けられ、メインレールの延設方向に２個のガーダ
を併設した二連搬送ガーダと、前記一対のサブレールに
それぞれ移動可能に取付けた建込みガーダと、前記二連
搬送ガーダと前記建込みガーダとの間で乗移り可能な荷
物吊下げ用の複数のホイストとを備え、揚重装置で揚重
した荷物を、前記二連搬送ガーダの一方のガーダに位置
するホイストに玉掛けした後、この二連搬送ガーダの一
方のガーダを前記建込みガーダの一方に横付けしてホイ
ストを乗移し、この建込みガーダの移動およびこの建込
みガーダに沿ったホイストの移動を伴って荷物を目的位
置まで移動するようにした天井クレーンであって、搬送
しようとする荷物に予め目的位置に応じた搬送用データ
を付しておき、このデータを荷物が地上の積込み位置か
ら前記揚重装置によって揚重して玉掛けするまでの間に
読取り、このデータ読取りした荷物を揚重装置からホイ
ストに玉掛けした後、読み取った前記データに従って目
的位置へ向かって荷物の搬送を自動運転する。

【０００９】また、前記自動運転が、前記荷物を玉掛け
した前記ホイストの巻き上げ動作と、前記搬送ガーダを
前記建込みガーダ位置へと走行させて停止させる搬送ガ
ーダの走行動作と、上記搬送ガーダの前記一方のガーダ
と上記建込みガーダとを連結させるとともに、建込みガ
ーダの空のホイストを該一方のガーダに乗り移らせ、そ
の後両者の連結を解除する空ホイストの乗り移り動作
と、上記搬送ガーダの前記他方のガーダと上記建込みガ
ーダとを横付けし、これらを連結させるとともに、該他
方のガーダの資材を吊下げたホイストを建込みガーダに
乗り移らせ、その後両者の連結を解除する荷吊りホイス
トの乗り移り動作と、上記搬送ガーダを前記揚重装置位
置まで戻す搬送ガーダの戻し走行動作と、前記搬送用デ
ータをリセットするデータリセット動作とを含むことを
特徴とする。

【００１０】さらに、前記荷吊りホイストの乗り移り動
作では、前記建込みガーダを移動させることを特徴とす
る。

【００１１】以上述べた天井クレーンの運転方法にあっ
ては、地上の荷物積込み位置で積込んだ荷物を揚重装置
で揚重して、この荷物を作業員により搬送ガーダに位置
するホイストに玉掛けして吊込み、吊込んだ荷物を搬送
ガーダの移動により建込みガーダまで搬送し、さらに建
込みガーダとホイストの移動で目的位置まで搬送するよ
うになっており、このとき、前記玉掛け以前に荷物に付
した搬送用データを読取って、玉掛けした後の荷物の搬
送が、読取ったデータの内容、つまり、荷物を搬送する
目的位置に応じて自動運転される。従って、荷物の搬送
を自動運転した部分を作業員による操作に代えることが
できるため、この自動運転部分の作業員が省力化される
ことになり、天井クレーン全体での搬送作業の効率を向
上することができる。また、二連搬送ガーダがメインレ
ールの延設方向に２個のガーダを併設することにより構
成されるので、これら２個のガーダの一方に吊荷状態の
ホイストを位置させた状態で、他方に空のホイストを取
込むことができる。従って、前記搬送ガーダと建込みガ
ーダとの間で空になったホイストと吊荷状態のホイスト
との入替えが可能であるため、搬送ガーダの一度の往復
移動で吊荷状態のホイストを建込みガーダに渡して、空
のホイストを揚重装置まで持ってくることができ、搬送
作業の効率を更に向上することができる。

【００１２】さらに、上記自動運転内容により、揚重装
置により揚重された荷物をホイストに玉掛けした後、こ
のホイストを建込みガーダに渡し、空のホイストを受け
取って揚重装置に戻って再度新たな荷物をホイストに玉
掛けするまでの動作を無人化することができる。

【００１３】また、荷物を吊っている搬送ガーダを動か
すと荷物が揺れて操作が煩雑となるため、荷吊りホイス
トの乗り移り動作では、建込みガーダを移動させるよう
にしていて、これにより他方のガーダと建込みガーダ両
者の位置出しを適切に行わせることができる。

【００１４】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付図
面を参照して詳細に説明する。図１から図７は本発明に
かかる天井クレーンの運転方法の一実施形態を示し、図
１は天井クレーン全体の平面図、図２は天井クレーンの
要部を示す側面図、図３は資材に付した搬送用データと
してのバーコードの読取り状態を示す説明図、図４は搬
送ガーダへの荷吊り状態を示す平面図、図５は資材を吊
込んで搬送ガーダを走行しようとする状態を示す平面
図、図６は搬送ガーダから建込みガーダにホイストを乗
移そうとする状態を示す平面図、図７は建込みガーダに
ホイストを移して搬送ガーダが戻ろうとする状態を示す
平面図である。

【００１５】即ち、本実施形態では本発明にかかる天井
クレーンを全天候型仮設屋根に適用した場合を示し、図
１，図２に示すように天井クレーン１０は、図外の全天
候型仮設屋根を天井として設けられ、この仮設屋根の下
面中央部に取付けられるメインレール１２と、このメイ
ンレール１２の両側に位置してメインレール１２と平行
に取付けられるサブレール１４，１４ａとを備える。メ
インレール１２には二連搬送ガーダ１６が移動可能に取
付けられると共に、サブレール１４，１４ａには第１，
第２建込みガーダ１８，１８ａが移動可能に支持され
る。前記二連搬送ガーダ１６は、メインレール１２の延
設方向に併設される第１ガーダ１６ａと第２ガーダ１６
ｂとを備えた２連式として構成される。

【００１６】前記二連搬送ガーダ１６および前記第１，
第２建込みガーダ１８，１８ａには、荷物としての資材
を吊下げるためのホイスト２０が移動可能となってお
り、このホイスト２０は二連搬送ガーダ１６および第
１，第２建込みガーダ１８，１８ａにそれぞれ対応する
ように３個が設けられる。前記ホイスト２０は、第１，
第２ガーダ１６ａ，１６ｂのいずれか一方と、第１建込
みガーダ１８または第２建込みガーダ１８ａとを一直線
状に配置した状態で互いに乗移り可能となっている。前
記ホイスト２０には図外のウインチによって巻き上げお
よび巻き下ろしされるフックが設けられ、このフックに
資材が玉掛けされる。

【００１７】前記メインレール１２の荷物取込み側端部
１２ａの下方に位置して揚重装置としてのリフト２２が
設けられる。リフト２２は地上（建物の一階を含む）の
積込み位置に準備した資材を、前記荷物取込み側端部１
２ａの下方近傍まで揚重するようになっており、二連搬
送ガーダ１６をメインレール１２の荷物取込み側端部１
２ａに位置させた状態で、リフト２２の上端位置まで揚
重した資材を二連搬送ガーダ１６の第１，第２ガーダ１
６ａ，１６ｂの一方に位置したホイスト２０に玉掛けす
るようになっている。また、前記リフト２２は、工事が
進行されて建築中の建物が上方に伸びるに伴って順次上
方に継足されて高くなるようになっている。

【００１８】かかる構成になる天井クレーン１０では、
まず、図１に示すようにリフト２２で揚重した資材を、
二連搬送ガーダ１６に位置するホイスト２０に吊込み、
この吊込んだ資材は、二連搬送ガーダ１６をメインレー
ル１２に沿って移動して第１建込みガーダ１８または第
２建込みガーダ１８ａの側方に一直線状に横付けした
後、資材を吊込んだホイスト２０を二連搬送ガーダ１６
からこれを横付けした第１，第２建込みガーダ１８，１
８ａの一方に乗移す。そして、前記ホイスト２０を取込
んだ建込みガーダ１８，１８ａの一方を、サブレール１
４，１４ａに沿って移動し、かつ、このホイスト２０を
建込みガーダ１８，１８ａに沿って移動することによ
り、資材を目的位置まで搬送して荷下ろしするようにな
っている。

【００１９】ここで、本実施形態にあっては図３に示す
ように、リフト２２に乗せる前に資材２４に予め搬送用
データであるバーコード２６を付しておく一方、前記地
上の積込み位置にバーコードリーダー２８を設け、この
バーコードリーダー２８によってリフト２２に荷積みし
ようとする資材２４のバーコード２６を読取るようにし
てある。前記バーコード２６には目的位置が示され、こ
の目的位置によって資材２４の搬送先を含めた使用ガー
ダの認識等の情報が与えられる。前記バーコードリーダ
ー２８で読取った情報はコンピュータ３０にインプット
され、このコンピュータ３０から無線操作盤３０ａを介
して搬送ガーダ１６とホイスト２０の駆動装置、および
ホイスト２０のウインチ駆動装置に出力されるようにな
っている。

【００２０】かかる天井クレーン１０では、バーコード
リーダー２８によってバーコード２６を読取った資材２
４をリフト２２で揚重した後、作業員がこの資材２４を
搬送ガーダ１６のホイスト２０に玉掛けする。このよう
に資材２４の吊込みが完了した後、玉掛け作業員が無線
操作盤３０ａを操作することにより、搬送ガーダ１６お
よびホイスト２０は自動運転されるようになっている。
このとき、安全確認モニター３２で作業階の安全を確認
した後に前記無線操作盤３０ａを操作するようになって
いる。

【００２１】図４から図７は上述した自動運転の動作を
順を追って示し、以下この動作を説明する。即ち、図４
に示すように資材２４の玉掛けを終了した時点で玉掛け
作業員が無線操作盤３０ａのボタンを押すことにより、
ホイスト２０のウインチが巻上げられて玉掛けされた資
材２４が上昇する（1)ホイスト２０巻き上げ動作）。こ
のウインチの巻上げは上限リミットスイッチの作動で停
止された後、図５に示すように搬送ガーダ１６はメイン
レール１２に沿って走行開始する（2)搬送ガーダ１６走
行動作）。この実施形態では資材２４を吊込むホイスト
２０は、搬送ガーダ１６の第１ガーダ１６ａに位置する
ようになっている。

【００２２】このとき、前記搬送ガーダ１６が走行する
にあたって、前記ホイスト２０がホイスト位置中央認識
近接センサーにより、搬送ガーダ１６の中央部に位置し
ているかどうかが判断されると共に、ホイスト位置検出
近接センサーにより、両側の建込みガーダ１８，１８ａ
にそれぞれ位置するホイスト２０，２０が、所定範囲内
にあるかどうかが判断され、搬送ガーダ１６で搬送する
資材２４が他の部材とか建込みガーダ１８，１８ａに吊
込まれた資材と干渉するのを防止するようになってい
る。

【００２３】そして、図６に示したように前記搬送ガー
ダ１６の第２ガーダ１６ｂが資材２４を受渡そうとする
相手側の建込みガーダ１８，１８ａの一方、つまり、本
実施形態では図中右側の建込みガーダ１８ａに近接した
時点でセンサーが作動して搬送ガーダ１６の走行を停止
する（3)搬送ガーダ１６停止動作）。前記第２ガーダ１
６ｂが建込みガーダ１８ａに横付けされて互いに連結さ
れる（4)第１連結動作）と、建込みガーダ１８ａの空の
ホイスト２０が横行して第２ガーダ１６ｂに乗移る（5)
空ホイスト２０乗り移り動作）。次に、第２ガーダ１６
ｂと建込みガーダ１８ａとの連結を解除して（6)第１連
結解除動作）、ホイスト２０のない建込みガーダ１８ａ
を移動させて（7)建込みガーダ１８ａ走行動作）第１ガ
ーダ１６ａに横付けして連結し（8)第２連結動作）、こ
の第１ガーダ１６ａの資材２４を吊下げたホイスト２０
を横行して、建込みガーダ１８ａに乗移す（9)荷吊りホ
イスト２０乗り移り動作）。資材２４を吊っている搬送
ガーダ１６を動かすと資材２４が揺れて操作が煩雑とな
るため、本実施形態ではホイスト２０のない建込みガー
ダ１８ａを移動させて第１ガーダ１６ａと建込みガーダ
１８ａ両者の位置出しを適切に行わせることができるよ
うにしている。

【００２４】そして、第１ガーダ１６ａと建込みガーダ
１８ａとの連結を解除して（10) 第２連結解除動作）、
資材２４を建込みガーダ１８ａに渡した搬送ガーダ１６
は、図７に示すように第２ガーダ１６ｂに空のホイスト
２０を取込んだ状態で、前記ホイスト位置中央認識近接
センサーおよび前記ホイスト位置検出近接センサーを作
動しつつ、メインレール１２の荷物取込み側端部１２ａ
に戻される（11) 搬送ガーダ１６戻し走行動作）。この
ときの搬送ガーダ１６の走行は、走行停止位置近接セン
サーにより、空のホイスト２０を取込んだ第２ガーダ１
６ｂがリフト２２から揚重された資材２４を吊込む位置
で停止される。この時点で前記バーコードリーダー２８
で読取ったバーコード２６の情報はリセットされる（1
2) データリセット動作）。また、かかる天井クレーン
１０の自動運転中、玉掛け作業員は搬送経路の安全と乗
移りのための位置合わせを、テレビモニターで確認しつ
つ行うようになっている。

【００２５】ところで、本実施形態では搬送ガーダ１６
から荷吊り状態のホイスト２０を受取った建込みガーダ
１８，１８ａは、それぞれに配置された作業員の操作に
より建込み場所まで運行され、資材２４の吊り下ろしが
行われる。

【００２６】かかる本実施形態の天井クレーン１０の運
転方法では、搬送しようとする資材２４に予め付したバ
ーコード２６を、バーコードリーダー２８で読取って目
的位置の情報をコンピュータ３０にインプットし、そし
て、リフト２２で揚重した前記資材２４を搬送ガーダ１
６のホイスト２０に玉掛けした後、このホイスト２０の
ウインチの作動，搬送ガーダ１６の走行およびホイスト
２０の横行を自動運転するようになっている。つまり、
1)資材２４を玉掛けしたホイスト２０の巻き上げ動作、
2)搬送ガーダ１６をメインレール１２に沿って建込みガ
ーダ１８ａへと走行させる搬送ガーダ１６の走行動作、
3)建込みガーダ１８ａ位置で搬送ガーダ１６を停止させ
る搬送ガーダ１６の停止動作、4)搬送ガーダ１６の第２
ガーダ１６ｂと建込みガーダ１８ａとを連結させる第１
連結動作、5)建込みガーダ１８ａの空のホイスト２０を
横行して第２ガーダ１６ｂに乗り移らせる空ホイスト２
０の乗り移り動作、6)第２ガーダ１６ｂと建込みガーダ
１８ａとの連結を解除する第１連結解除動作、7)建込み
ガーダ１８ａを移動させる建込みガーダ１８ａの走行動
作、8)搬送ガーダ１６の第１ガーダ１６ａと建込みガー
ダ１８ａとを連結させる第２連結動作、9)第１ガーダ１
６ａの資材２４を吊下げたホイスト２０を横行して、建
込みガーダ１８ａに乗り移らせる荷吊りホイスト２０の
乗り移り動作、10) 第１ガーダ１６ａと建込みガーダ１
８ａとの連結を解除する第２連結解除動作、11) 搬送ガ
ーダ１６をメインレール１２の荷物取込み側端部１２ａ
に戻す搬送ガーダ１６の戻し走行動作、12) バーコード
リーダー２８で読取ったバーコード２６の情報をリセッ
トするデータリセット動作が自動的に行われるようにな
っている。

【００２７】従って、本実施形態で行われる前記自動運
転部分は、従来では１〜２名の作業員により操作が行わ
れるが、本実施形態の運転方法によって従来必要として
いたこの１〜２名の作業員を無くして省力化を達成する
ことができる。従って、天井クレーン１０での搬送作業
の効率を向上することができる。

【００２８】本実施形態では上述したように搬送ガーダ
１６が資材２４を建込みガーダ１８ａに乗移した後に戻
ってくる間を自動化した場合を開示したが、この建込み
ガーダ１８ａの走行によって資材２４を目的の建方位置
に荷下ろしする最終段階までを自動運転化できることは
勿論であり、この場合にあっては更なる省力化を図るこ
とができる。また、搬送ガーダ１６から図１中右側の建
込みガーダ１８ａに資材２４を渡す場合を開示したが、
これに限ることなく同図中左側の建込みガーダ１８に資
材２４を渡す場合にも適用できることはいうまでもな
い。更に、資材２４のバーコード２６の読取りは、リフ
ト２２で揚重される以前に積込み位置で行われる場合を
開示したが、リフト２２での揚重途中で読取ることもで
き、要するに資材２４をホイスト２０に玉掛けする前に
読取りを行えば良い。

【００２９】ところで、本実施形態では第１，第２ガー
ダ１６ａ，１６ｂを備えた二連搬送ガーダ１６を用いた
天井クレーンに本発明の運転方法を適用したので、前記
第１，第２ガーダ１６ａ，１６ｂの一方に吊荷状態のホ
イスト２０を位置させた状態で、他方に空のホイスト２
０を取込むことができる。従って、前記二連搬送ガーダ
１６と建込みガーダ１８，１８ａとの間で空になったホ
イスト２０と吊荷状態のホイスト２０との入替えが可能
であるため、二連搬送ガーダ１６の一度の往復移動で荷
吊り状態のホイスト２０を建込みガーダ１８，１８ａに
渡して、空のホイスト２０をリフト２２まで持ってくる
ことができ、搬送作業の効率を更に向上することができ
る。

【００３０】

【発明の効果】以上説明したように本発明の請求項１に
示す天井クレーンの運転方法にあっては、揚重装置で揚
重した荷物を搬送ガーダのホイストに玉掛けする以前
に、この荷物に付した搬送用データを読取って、玉掛け
した後の荷物の搬送が、読取ったデータの内容、つま
り、荷物を搬送する目的位置に応じて自動運転される。
従って、荷物の搬送を自動運転した部分を作業員による
操作に代えることができるため、この自動運転部分の作
業員が省力化されることになり、天井クレーン全体での
搬送作業の効率を向上することができる。また、二連搬
送ガーダの２個のガーダの一方に吊荷状態のホイストを
位置させた状態で、他方に空のホイストを取込むことが
できる。従って、前記搬送ガーダと建込みガーダとの間
で空になったホイストと吊荷状態のホイストとの入替え
が可能であるため、搬送ガーダの一度の往復移動で吊荷
状態のホイストを建込みガーダに渡して、空のホイスト
を揚重装置まで持ってくることができ、搬送作業の効率
を更に向上することができる。

【００３１】さらに、上記自動運転内容により、揚重装
置により揚重された荷物をホイストに玉掛けした後、こ
のホイストを建込みガーダに渡し、空のホイストを受け
取って揚重装置に戻って再度新たな荷物をホイストに玉
掛けするまでの動作を無人化して確実に省力化を達成す
ることができ、搬送作業の効率を向上することができる
という各種優れた効果を奏する。

【００３２】また、荷物を吊っている搬送ガーダを動か
すと荷物が揺れて操作が煩雑となるため、荷吊りホイス
トの乗り移り動作では、建込みガーダを移動させるよう
にしていて、これにより他方のガーダと建込みガーダ両
者の位置出しを適切に行わせることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態を示す天井クレーン全体の
平面図である。

【図２】本発明の一実施形態を示す天井クレーンの要部
の側面図である。

【図３】本発明の一実施形態を示す資材に付したバーコ
ードの読取り状態の説明図である。

【図４】本発明の一実施形態を示す搬送ガーダへの荷吊
り状態の平面図である。

【図５】本発明の一実施形態を示す資材を吊込んで搬送
ガーダを走行しようとする状態の平面図である。

【図６】本発明の一実施形態を示す搬送ガーダから建込
みガーダにホイストを乗移そうとする状態の平面図であ
る。

【図７】本発明の一実施形態を示す建込みガーダにホイ
ストを移して搬送ガーダが戻ろうとする状態の平面図で
ある。

【図８】従来の天井クレーンを上方から見た概略構成図
である。

【符号の説明】

１０ 天井クレーン １２ メインレール １２ａ 荷物取り込み側端部 １４，１４ａ サブレール １６ 二連搬送ガーダ １６ａ 第１ガーダ １６ｂ 第２ガーダ １８ 第１建込みガーダ １８ａ 第２建込みガーダ ２０ ホイスト ２２ リフト（揚重装置） ２４ 資材（荷物） ２６ バーコード ２８ バーコードリーダー

フロントページの続き (72)発明者 堂山 敦弘 東京都清瀬市下清戸４丁目640番地 株 式会社大林組技術研究所内 (56)参考文献 特開 平８−26664（ＪＰ，Ａ) 特開 平６−191791（ＪＰ，Ａ) 特開 平７−291424（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) B66C 13/48 B65G 1/00

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 天井部分に取付けたメインレールと、こ
   のメインレールの両側に取付けた一対のサブレールと、
   前記メインレールに移動可能に取付けられ、メインレー
   ルの延設方向に２個のガーダを併設した二連搬送ガーダ
   と、前記一対のサブレールにそれぞれ移動可能に取付け
   た建込みガーダと、前記二連搬送ガーダと前記建込みガ
   ーダとの間で乗移り可能な荷物吊下げ用の複数のホイス
   トとを備え、揚重装置で揚重した荷物を、前記二連搬送
   ガーダの一方のガーダに位置するホイストに玉掛けした
   後、この二連搬送ガーダの一方のガーダを前記建込みガ
   ーダの一方に横付けしてホイストを乗移し、この建込み
   ガーダの移動およびこの建込みガーダに沿ったホイスト
   の移動を伴って荷物を目的位置まで移動するようにした
   天井クレーンであって、搬送しようとする荷物に予め目
   的位置に応じた搬送用データを付しておき、このデータ
   を荷物が地上の積込み位置から前記揚重装置によって揚
   重して玉掛けするまでの間に読取り、このデータ読取り
   した荷物を揚重装置からホイストに玉掛けした後、読み
   取った前記データに従って目的位置へ向かって荷物の搬
   送を自動運転することを特徴とする天井クレーンの運転
   方法。
2. 【請求項２】 前記自動運転が、前記荷物を玉掛けした
   前記ホイストの巻き上げ動作と、前記搬送ガーダを前記
   建込みガーダ位置へと走行させて停止させる搬送ガーダ
   の走行動作と、上記搬送ガーダの前記一方のガーダと上
   記建込みガーダとを連結させるとともに、建込みガーダ
   の空のホイストを該一方のガーダに乗り移らせ、その後
   両者の連結を解除する空ホイストの乗り移り動作と、上
   記搬送ガーダの前記他方のガーダと上記建込みガーダと
   を横付けし、これらを連結させるとともに、該他方のガ
   ーダの資材を吊下げたホイストを建込みガーダに乗り移
   らせ、その後両者の連結を解除する荷吊りホイストの乗
   り移り動作と、上記搬送ガーダを前記揚重装置位置まで
   戻す搬送ガーダの戻し走行動作と、前記搬送用データを
   リセットするデータリセット動作とを含むことを特徴と
   する請求項１に記載の天井クレーンの運転方法。
3. 【請求項３】 前記荷吊りホイストの乗り移り動作で
   は、前記建込みガーダを移動させることを特徴とする請
   求項２に記載の天井クレーンの運転方法。