JP3251990B2 - Al若しくはAl合金の成膜方法 - Google Patents

Al若しくはAl合金の成膜方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体デバイス中に使
用するAl膜若しくはAl合金膜をCVDによって形成
するための成膜方法に関し、特に高くかつ安定な速度で
膜形成が可能な成膜方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、CVDによるAl若しくはAl合
金の成膜には、TIBA(Triisobutylaluminum )、D
MAH(Dimetylaluminumhydride )等のアルキルアル
ミニウム化合物ガスや、TMAA(Trimetylamine Alan
e )、TEAA(TrietylamineAlane)、DMEAA(D
imetyletylamine Alane )等のアランアダクトガスが
原料として使用されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、アルキ
ルアルミニウム化合物ガスは、分子中にAlと炭素の結
合を含むため、成膜されたAl膜若しくはAl合金膜中
に炭素が残留しやすいと言う問題があった。一方、アラ
ンアダクトガスの内、従来最も使用例が多いTMAA
は、常温で固体であるため、バブリングによって安定に
供給することができないと言う問題があった。また、T
EAAとDMEAAは、常温で液体であるのでバブリン
グによって安定に供給することができるものの、熱的に
不安定であるため安定に成膜を行うことが困難であると
言う問題があった。
【0004】そこで、本発明は、炭素等の残留が少な
く、Al膜若しくはAl合金膜の安定な形成を可能にす
る成膜方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係るAl若しくはAl合金の成膜方法は、
化学式AlH3・Xで表され、化学式中のXがN(C
37)3 、P(C25)3、(CH3)2PCH2CH2P(CH3)
2、(C55N)2、N(CF3)3、及びP(CF3)3のいずれ
か1つであるアランアダクトガスを、Alの原料として
バブリングによりCVD反応槽に供給することを特徴と
する。また、上記化学式中のXはP(C25)3であると
好ましい。
【0006】
【作用】本発明のAl若しくはAl合金の成膜方法によ
れば、化学式AlH3 ・Xで表され、Xが常温で液体で
あるアランアダクトガスをAlの原料として用いる。こ
のようなアランアダクトガスは、常温で液体であり、か
つ、熱的に安定である。したがって、アランアダクトガ
スをバブリングによって安定にCVD反応槽内に供給す
ることができ、さらに、安定した成膜を達成することが
できる。
【0007】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例について説明す
る。
【0008】図1は、実施例の成膜方法を実施するため
のCVD装置を示した図である。簡単に説明すると、マ
スフローコントローラ2で流量を制御されたキャリアガ
スH 2 は、液体状の原料ガスを収容したバブラ4中に導
入される。バブラー4中の原料ガスは、バブラー4を包
む恒温槽6によって一定温度に保たれる。バブラー4か
らの原料ガスは、加熱用ヒータに包まれた配管を通って
反応槽である成膜室8に導入される。成膜室8に導入す
べき原料ガスの圧力を調整するため、配管の途中には、
圧力計10と圧力調整弁12とが設けられている。この
圧力調整弁12は、圧力計10が一定の圧力を示すよう
に制御されている。成膜室8に導入された原料ガスは、
ガスノズル14をへて、サセプタ16上に保持された基
板18表面に供給される。基板18は、成膜室8に接続
されたロードロック20から成膜室8内に導入される。
成膜室8の圧力を調整するため、圧力計22と真空ポン
プ24も成膜室8に接続されている。成膜室8と真空ポ
ンプ24との間には、圧力調整弁26が設けられてい
て、成膜室8内の圧力を調節する。
【0009】以下、具体的な製造方法について説明す
る。まず、Alの原料であるアランアダクトガスAlH
3 ・P(C2 5 3 を準備し、これをバブラー4中に
充填して60℃の温度に保つ。この状態で、H2 のバブ
リングを行ってアランアダクトガスAlH3 ・P(C2
5 3 を成膜室8に導く。成膜室8内には、Siウェ
ハ上にバリアメタルTiNを蒸着した基板18が準備さ
れており、このバリアメタルTiN上にAl膜が成長す
る。この結果、初期的な成膜速度として約300nm/
mmの値が得られた。さらに、1日平均5枚の割合で成
膜実験を続けて60枚までの成膜速度を調べたが、成長
速度にばらつきの範囲を越える変化は見られなかった。
【0010】次に、従来方法に対応する比較例の成膜実
験について説明する。Al膜の原料として従来方法で用
いるDMEAAを準備して上記実施例と同様の成膜実験
を行った。比較例の成膜実験でも、バブラー4の温度調
節によって実施例とほぼ同一の初期的な成膜速度が得ら
れた。さらに、1日平均5枚の割合で成膜実験を続けて
60枚までの成膜速度を調べたところ、成長速度に変化
が見られた。これは、原料ガスであるDMEAAが熱的
安定性に乏しいため、バブラー4内でDMEAAの一部
が分解したためであると考えられる。
【0011】図2は、実施例と比較例の製造方法を表に
したものである。表からも明らかなように、実施例と比
較例の製造方法は、バプラー温度のみが異なる。
【0012】図3は、実施例と比較例の成膜速度をグラ
フ化したものである。実施例の成膜速度は白丸で示さ
れ、比較例の成膜速度は黒丸で示されている。グラフか
らも明らかなように、実施例の成膜速度はほとんど変化
しないが、比較例の成膜速度は成膜回数とともに徐々に
減少する。
【0013】本発明は、上記実施例に限定されるもので
はない。例えば、Al原料のアランアダクトガスとし
て、AlH3 ・P(C2 5 3 の他に、AlH3 ・N
(C37 3 、AlH3 ・(CH3 2 NCH2 CH
2 N(CH3 2 、AlH3 ・P(CH3 3 、AlH
3 ・P(C2 5 3 、AlH3 ・(CH3 2 PCH
2 CH2 P(CH3 2 、AlH3 ・(C5
5 N)2 、AlH3 ・N(CF33 、AlH3 ・P
(CF3 3 等を使用することができる。
【0014】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るAl
若しくはAl合金の成膜方法によれば、化学式AlH3
・Xで表され、Xが常温で液体であるアランアダクトガ
スをAlの原料として用いる。このようなアランアダク
トガスは常温で液体であるから、バブリングによって安
定にCVD反応槽内に供給することができる。さらに、
このようなアランアダクトガスは熱的に安定であるか
ら、安定した成膜が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の方法を実施するためのCVD装置を示
した図。
【図2】実施例と比較例の成膜条件をまとめた図表。
【図3】実施例と比較例の成膜速度を比較したグラフ。
【符号の説明】
4…バブラー、8…CVD反応槽、18…基板。
フロントページの続き (72)発明者 太田 与洋 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社 技術研究本部内 (56)参考文献 特開 平6−41747(JP,A) 特開 平6−73069(JP,A) 米国特許4923717(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 16/06 - 16/20 H01L 21/205 H01L 21/285

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化学式AlH3・Xで表され、前記化学
    式中のXがN(C37)3 、P(C25)3、(CH3)2PCH
    2CH2P(CH3)2、(C55N)2、N(CF3)3、及びP
    (CF3)3のいずれか1つであるアランアダクトガスを、
    Alの原料としてバブリングによりCVD反応槽に供給
    することを特徴とするAl若しくはAl合金の成膜方
    法。
  2. 【請求項2】 前記化学式中のXはP(C25)3である
    ことを特徴とする請求項1記載のAl若しくはAl合金
    の成膜方法。
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