JP3251472B2 - 像形成方法 - Google Patents

像形成方法

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JP3251472B2
JP3251472B2 JP18603495A JP18603495A JP3251472B2 JP 3251472 B2 JP3251472 B2 JP 3251472B2 JP 18603495 A JP18603495 A JP 18603495A JP 18603495 A JP18603495 A JP 18603495A JP 3251472 B2 JP3251472 B2 JP 3251472B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばプリンタ、
複写機およびファクシミリ等に使用される潜像形成体の
表面に潜像を形成し、この潜像を現像する像形成方法お
よびその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から広く実用化されているレーザプ
リンタ等の電子写真装置においては、像形成プロセスを
簡略化する試みが幾つかなされている。
【0003】例えば、特開平1−302274号公報に
は、図7に示すように、強誘電体層51を表面に有する
潜像形成体50とサーマルヘッド52とを使用し、強誘
電体の比誘電率が温度によって変化することを利用して
静電潜像を形成する方法が開示されている。即ち、この
静電潜像形成方法においては、強誘電体層51にサーマ
ルヘッド52にて局所的に温度変化を生じさせることに
より情報を書き込む。次いで、情報を書き込んだ直後に
この書き込み部分をコロナ帯電器53にて帯電させる。
このとき強誘電体層51は温度によって比誘電率が変化
しているので、帯電によって潜像形成体50のドラム表
面電位は加熱された所で小さくかつそれ以外の所で相対
的に大きくなる。従って、この温度差を利用して静電潜
像が形成される。尚、このように、温度変化に対応して
電荷を発生する現象を集電効果という。そして、これに
よって、露光手段を省略して潜像形成体50の長寿命化
を図っている。
【0004】一方、特公平2−4900号公報および特
公平3−64864号公報には、図8および図9に示す
ように、透明電極61・71の背面からの光照射Lによ
り光導電層62・72に導電キャリアeを発生させ、導
電性トナー63・73への電荷注入により導電性トナー
63・73を吸着して像形成する方法が開示されてい
る。この像形成に使用される導電性トナー63・73は
磁性を有しており、マグネット64またはマグネットロ
ーラ74等の磁力によって吸着部まで搬送されるように
なっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の像形成方法のうち、前者の強誘電体における比誘電
率の温度による変化を利用する方法においては、高価な
サーマルヘッド52や潜像形成体50に対するコロナ帯
電器53等の帯電装置が必要である。このため、装置の
コストダウンを図ることができないという問題点を有し
ている。
【0006】また、後者の方法では、現像剤である導電
性トナー63・73に導電性と磁性とを付与する必要が
ある。このため、現像剤がコストアップし、この結果、
像形成がコストアップするという問題点を有している。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1の発明の像形成方法は、透明基体上に、
透明電極層、光導電層、電極層、および誘電体からなる
焦電材層が順次積層されている潜像形成体を使用し、上
記透明基体との対向位置に設けた光源にて情報光を透明
基体側から光導電層内へ照射して、光導電層内に導電キ
ャリアを発生させるステップと、上記透明電極層と電極
層との間に電圧を印加して、上記光源による光導電層の
光照射位置にジュール熱を発生させ、この熱が焦電材層
に伝達されて焦電材層が温度上昇し、焦電効果にてその
表面に電荷を発生することにより静電潜像を形成させる
ステップと、上記静電潜像にこの静電潜像とは逆極性に
帯電した現像剤を吸着させて現像するステップとを含ん
でいることを特徴としている。
【0008】請求項1の構成によれば、透明基体との対
向位置に設けた光源にて情報光を透明基体側から光導電
層内へ照射して、光導電層内に導電キャリアを発生させ
る。次に、透明電極層と電極層との間に電圧を印加し
て、上記光源による光導電層の光照射位置にジュール熱
を発生させる。この熱は焦電材層に伝達され、焦電材層
が温度上昇し、焦電効果にてその表面に電荷が発生し、
静電潜像が形成される。次に、上記静電潜像にこの静電
潜像とは逆極性に帯電した現像剤を吸着させて現像す
る。
【0009】上記のように、焦電材層に焦電効果を起こ
させるには、焦電材層の温度を変化させる必要がある。
本像形成方法においては、これを透明電極層と電極層と
の間に電圧を印加し、光源による光導電層の光照射位置
にジュール熱を発生させることにより行なっている。そ
して、このジュール熱を発生させるための電圧は、例え
ば、200V程度の低電圧でよい。
【0010】このように、本像形成方法は、高価なサー
マルヘッド等の昇温手段や、潜像形成体に対する帯電手
段を使用しないので、低コストでの像形成が可能であ
る。
【0011】請求項2の発明の像形成方法は、透明基体
上に、透明電極層、光導電層、電極層、および誘電体か
らなる焦電材層が順次積層され、上記透明基体を最内層
とする筒状に形成されて一方向に回転する潜像形成体を
使用し、上記透明基体との対向位置に設けた光源にて情
報光を透明基体側から光導電層内へ照射して、光導電層
内に導電キャリアを発生させるステップと、上記透明電
極層と電極層との間に電圧を印加して、上記光源による
光導電層の光照射位置にジュール熱を発生させ、この熱
が焦電材層に伝達されて焦電材層がキュリー点を越える
温度に上昇し、焦電効果にてその表面に電荷を発生する
ことにより静電潜像を形成させるステップと、上記静電
潜像にこの静電潜像とは逆極性に帯電した現像剤を吸着
させて現像するステップと、このステップ後、上記焦電
材層の表面にこの焦電材層の自発分極を復活させるため
の電界を印加するステップと、このステップ後に、上記
焦電材層表面の過剰の電荷を除電するステップとを含ん
でいることを特徴としている。
【0012】請求項2の構成によれば、透明基体との対
向位置に設けた光源にて情報光を透明基体側から光導電
層内へ照射して、光導電層内に導電キャリアを発生させ
る。次に、透明電極層と電極層との間に電圧を印加し
て、上記光源による光導電層の光照射位置にジュール熱
を発生させる。この熱は、焦電材層をキュリー点以上に
昇温させるだけの熱である。この熱は焦電材層に伝達さ
れ、焦電材層が温度上昇し、焦電効果にてその表面に電
荷が発生し、静電潜像が形成される。次に、上記静電潜
像にこの静電潜像とは逆極性に帯電した現像剤を吸着さ
せて現像する。この現像により得られた画像は、必要に
応じて用紙に転写される。その後、次の現像動作のため
に、上記焦電材層の表面に電界を印加してこの焦電材層
の自発分極を復活させ、さらに焦電材層表面の過剰の電
荷を除電する。
【0013】上記のようにして得られる静電潜像は、焦
電材層がキュリー点以上に昇温され、その自発分極が無
くなっているので、直ぐには消滅しない。従って、必ず
しも上記現像剤を供給するための現像装置を、光源から
の光照射面との対向位置に設ける必要がない。このた
め、装置設計の自由度を増大させることができる。
【0014】請求項3の発明の像形成方法は、請求項1
または2の発明の像形成方法において、上記の現像剤
が、絶縁性溶媒中に色材粒子が含まれた液体現像剤から
なることを特徴としている。
【0015】請求項3の構成によれば、液体現像剤を使
用しているので、粉体の現像剤に必要となる摩擦帯電装
置や磁気的搬送手段が不要である。この結果、像形成プ
ロセスをさらに簡素化して装置の小型化およびコストダ
ウンを図ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
〔発明の実施の形態1〕本発明の実施の一形態を図1な
いし図5に基づいて以下に説明する。尚、本像形成方法
は、例えば、プリンタや複写機およびファクシミリ等の
潜像形成体を利用する各種の情報機器全般について適用
が可能であるが、本実施例ではプリンタに適用したもの
について説明する。
【0017】本像形成方法を使用するプリンタは、図1
に示すように、回転自在の円筒ドラムからなる潜像形成
体1を有している。尚、潜像形成体1は、円筒ドラムに
する必要はなく、例えばベルト状とすることも可能であ
る。上記の潜像形成体1は、円筒形状の透明樹脂や透明
ガラス等の透明基体としての透明円筒基体2の表面に、
順次、透明電極層3と、光導電層4と、電極層5と、誘
電体からなる焦電材層6とを成膜積層したものからなっ
ている。即ち、本実施例では、強誘電体からなる焦電材
層6の比誘電率が温度変化することにより、その表面に
電荷を発生させる現象つまり焦電効果を利用した像形成
方法を採用している。
【0018】上記の透明電極層3は、ITO(Indium T
in Oxide)を蒸着することにより形成されている。ま
た、光導電層4は、LEDアレイ8からの光を受けて導
電キャリアを発生するために形成されているものであ
り、耐熱性の点から、ZnO、CdSおよびアモルファ
スシリコン等の無機系の材料を使用するのが好ましい。
光導電層4の膜厚は例えば0.5〜5μmであるが、焦
電材層6への熱伝達効率の点から薄い方が好ましい。
尚、光導電層4の成膜法としては、スパッタ法またはC
VD法等の公知技術がある。また、電極層5は例えばア
ルミニウムの蒸着膜にて形成されている。
【0019】上記の焦電材層6は、上述したように、焦
電効果を起こさせるために焦電材にて形成されているも
のである。焦電効果は、図2に示すように、誘電体の分
極の大きさが温度によって変化し(同図において実線で
示す曲線)、常温点における自発分極値PS と昇温した
ときの昇温点における分極値との変化分ΔPが表面電荷
として観測される現象である。ここで、自発分極とは、
外部電界がなくても材料自身で分極している状態、即ち
正負の電荷中心がずれている状態にあることをいう。こ
の自発分極は、通常、表面に吸着した電荷によって中和
されている。そして、温度変化により自発分極の大きさ
が変化すると、上記変化分ΔPが表面電荷として現れ
る。
【0020】一方、必要十分な電荷量を発生させるため
の焦電材料の条件としては、常温で自発分極値PS が大
きく、例えばキュリー点Tcが100℃以上および20
0℃以下のものが好ましい。
【0021】即ち、キュリー点Tcが低すぎた場合に
は、焦電材層6の作用が装置の使用環境変化に敏感にな
り過ぎ、またキュリー点Tcが例えば100℃未満の材
料であると室温との温度差が最大約70deg程度しか
生じないことになる。さらに、焦電材料は、キュリー点
Tc以上に昇温すると自発分極がなくなって温度が下が
っても自発分極が回復しない状態となるので、キュリー
点Tcが低すぎた場合には、この事態が生じ易いことに
なる。
【0022】逆に、キュリー点Tcが高すぎた場合に
は、投入エネルギーが大きくなり、熱応答の低下や材料
の劣化等の悪影響を招く虞がある。そして、キュリー点
Tcが200℃を越える材料の場合には、室温との温度
差は十分とれるが、光導電層4の耐熱限度を越える虞が
ある。また、焦電係数が常温付近で小さいことにより効
率が低くなる。そこで、本実施例の焦電材層6は、キュ
リー点Tcが100℃以上および200℃以下の材料を
選ぶようにしている。
【0023】具体的には、焦電材層6に使用される焦電
材料は、例えばチタン酸ジルコン酸鉛(PZT:PbZ
0.5 Ti0.5 0.3 )等の無機強誘電体膜、ポリフッ
カビニリデン(PVDF)等の有機強誘電体膜またはP
VDF/PZT等のポリフッカビニリデン中にチタン酸
ジルコン酸鉛の微粉末を分散させた複合材料をスパッタ
法やCVD法にて3〜20μm程度に成膜したものであ
る(「強誘電体薄膜技術:焦電薄膜材料3.2節」参
照、サイエンスフォーラム社出版、塩崎著)。このよう
な焦電材層6の焦電効果による表面電位は20〜200
V程度になる。
【0024】尚、上述の潜像形成体1における各膜の成
膜は、スパッタ法やCVD法にて行っているが、必ずし
もこれに限らず、塗布等の成膜法も使用可能である。例
えば、潜像形成体1を次のような他の形成方法で形成す
ることもできる。例えば、厚さ約0.8mmのガラス管
を透明円筒基体2とし、表面に透明電極層3としてIT
Oを例えば厚さ2μm蒸着する。そして、この上に電子
写真用酸化亜鉛粉末と増感色素、およびバインダー樹脂
を分散した塗料を塗布し、乾燥して光導電層4を形成す
る。次に、アルミニウムを1μm蒸着して電極層5を形
成し、PVDF中にPZT微粒子を分散させた塗料を塗
布し、乾燥して焦電材層6を形成する等である。
【0025】一方、図1に示すように、上記透明電極層
3と電極層5との間には、光導電層4における光照射位
置に熱を発生させるために所定の電圧を印加する電源7
が設けられている。
【0026】さらに、透明円筒基体2、即ち潜像形成体
1の内部には、印字信号等の情報に応じて光照射を行な
う光源としてのLEDアレイ8が設けられている。尚、
このLEDアレイ8の代用としてレーザを使用すること
も可能であるが、小型化を図るためには上記LEDアレ
イ8が好ましい。
【0027】一方、LEDアレイ8からの光照射面に対
する潜像形成体1の外側の対向位置には、現像剤供給手
段としての現像装置9が設けられている。現像装置9に
は、液体現像剤14が収容されており、潜像形成体1へ
の表面に液体現像剤14を供給するようになっている。
現像装置9には、図3(a)(b)に示すように、ケー
ス10の上部に現像ローラ11、ブレード12および噴
射ノズル13等が設けられている。上記液体現像剤14
は、多孔質体15に含浸された状態で現像装置9内に収
容されている。現像装置9では、噴射ノズル13にて液
体現像剤14をブレード12に向けて噴射させることに
より、液体現像剤14がブレード12に案内されて現像
ローラ11の表面に液体現像剤層16を形成する。
【0028】また、図1に示すように、現像装置9に対
する潜像形成体1の回転方向とは反対側位置には、廃ト
ナーボックス17が設けられている。この廃トナーボッ
クス17は、潜像形成体1に当接して設けられた硬質ゴ
ム材等からなるクリーニングブレード18により液体現
像剤14を掻き落とし、これを回収する。
【0029】さらに、現像装置9における潜像形成体1
の回転方向側には、用紙搬送装置19が設けられてい
る。この用紙搬送装置19は、用紙20を潜像形成体1
の焦電材層6に接するように搬送する。
【0030】ところで、上記のように、本実施例では現
像剤として液体現像剤14を使用している。この液体現
像剤14は、少なくとも絶縁性溶媒と色材粒子と帯電制
御剤とからなるコロイド状のものである。この液体現像
剤14としては従来から公知の湿式現像剤を使用するこ
とができ、例えば、上記絶縁性溶媒としては無極性のイ
ソパラフィン系炭化水素等が一般的である。また色材粒
子としては、ここでは、カーボンブラックをポリエチレ
ン樹脂粒子に混練したものを上記帯電制御剤と共に分散
させたものを使用している。コロイド粒子の大きさは平
均粒径0.2μmである。尚、コロイドとは、直径が
0.5μm程度以下の微粒子が溶媒中に分散しているも
のをいう。
【0031】また、上記コロイド粒子は、平均帯電量1
-17 〜10-16 クーロン程度の電荷を帯びており、図
4に示すように、絶縁溶媒中で負に帯電し、かつ帯電に
より相互に反発力が作用して分散している。尚、コロイ
ド粒子近傍の溶媒分子は正に帯電している。この液体現
像剤14は次のような特徴を有する。
【0032】帯電装置による帯電が不要である。
【0033】粒子径が粉体に比べて1桁小さく、高精
細な画像が得られる。
【0034】粒子の帯電量を帯電制御剤の添加により
容易に変えることができ、低電圧潜像を現像する場合に
おいても帯電量を大きくすることができる。
【0035】尚、本実施例において、粉体の現像剤では
なく液体現像剤14を使用しているのは、液体の扱いが
粉体の扱いに比べて、補給、移送、攪拌およびトナー濃
度制御等の点で容易だからである。また、近年インクジ
ェット記録装置のインク供給装置としてさまざまな工夫
がなされ、処理はむしろ粉体よりも簡単になっている。
例えば、液体現像剤14は多孔質体15に含浸されてい
るので、転置してもこぼれず、取り扱いが容易である。
【0036】次に、上記の構成を有するプリンタによる
像形成方法について説明する。
【0037】先ず、図1に示すように、潜像形成体1の
表面である焦電材層6が現像装置9における上記現像ロ
ーラ11の液体現像剤層16に触れている状態で、透明
円筒基体2の背面からLEDアレイ8により印字パター
ンに応じた光照射を行う。これにより、図5に示すよう
に、透明電極層3を通過した光は光導電層4で吸収さ
れ、光導電層4の中に電子eおよびホールの導電キャリ
アが発生する。
【0038】このとき、電源7によって両電極3・5間
に印加された電圧により、光照射された光導電層4の部
分に電流が流れ、ジュール熱が発生する。この熱は電極
層5を経て焦電材層6へ伝達され、焦電材層6が昇温さ
れる。昇温した焦電材層6には、図2に示す焦電効果特
性により、前述のように表面電荷が発生し、これにより
潜像が形成される。上記表面電荷は、液体現像剤14中
の帯電した色材粒子21の吸着力として作用する。従っ
て、色材粒子21が潜像形成体1の表面に吸着され、上
記潜像が現像される。潜像形成体1は、図1に示すよう
に、矢印A方向に回転しており、潜像形成体1表面の現
像剤像は、用紙搬送装置19にて搬送中の用紙20に接
触部にて直ちに転写される。
【0039】ここで、上述した光導電層4に発生するジ
ュール熱Qについて詳述する。即ち、光導電層4に発生
するジュール熱Qは、電圧をV、電流をI、光照射面積
(1画素領域の表面積)をSおよび電流密度をJとする
と、 Q=VI=VSJ で表され、温度上昇θは、光照射領域の熱容量Cとする
と、 θ≒Q/C となる。ここで印字における1画素領域を100deg
温度上昇させるための具体的な数値を用いて説明する。
【0040】例えば、光照射面積(1画素領域の表面
積)S=10-4m×10-4m=10-82 とする。ま
た、焦電材層6として例えばPVDF/PZTを使用し
た場合の比熱は2joul/deg・gであるので、比
重1g/cm3 、膜厚10-5mとすると光照射領域の熱
容量C=2joul/degとなる。また、光導電層4
としてZnOを使用した場合の光照射時の導電率σは、 σ=10-5Ω・cm であるから、抵抗値Rは、光導電層4の厚さをdとする
と、 R=1/6・(d/S)=106 Ω となる。
【0041】従って、電圧V=200ボルトで、光照射
時間t=1msecとすれば、発生するジュール熱Q
は、 Q=2×10-5joul となり、温度を100deg上昇させることができる。
尚、加熱時間は画素面積、膜厚および比熱が小さいため
1msec以下で良い。
【0042】この温度上昇により、焦電材層6の表面に
は、自発分極値PS の温度変化量の差ΔPだけ電荷が発
生する。ここで、焦電係数をγとすると、 ΔP=γ×θ であり、PVDF/PZTの焦電係数γ=0.5×10
-8クーロン/cm2 Kであるので、 ΔP=5×10-7クーロン/cm2 となる。従って、1画素あたりの表面電荷は0.05n
クーロンとなる。この値は、現像に必要な電荷量の50
倍である。ここで、1画素当たりの焦電効果による表面
電荷量をq、静電容量をC0 、面積をS、焦電材の比誘
電率をεr 、誘電率をε0 および膜厚をdとすると、発
生電位Vは、次式で表される。
【0043】V=q/C0 =q/(εr ε0 S/d) 従って、焦電材としてPVDF/PZTを使用して温度
上昇100degを与えた場合、表面電位Vは、 V=0.05nクーロン÷(100×10-11 ×(10
-42 /10-5)=50V となる。従って、透明電極層3と電極層5との間に20
0Vの電圧を印加することにより、焦電材層6に表面電
位Vとして50Vを得ることができる。
【0044】このように、本実施例の像形成方法は、潜
像形成体1を現像するときには、透明円筒基体2の内方
に設けたLEDアレイ8にて情報光を光導電層4に照射
することにより、光導電層4内に導電キャリアを発生さ
せる。そして、透明電極層3と電極層5との間に所定の
電圧を印加することにより、光照射された光導電層4の
部分にジュール熱を発生させる。この熱が誘電体からな
る焦電材層6に伝達されて焦電材層6が温度上昇し、焦
電効果によりその表面に電荷を発生する。この現象によ
って、焦電材層6の表面に静電潜像を形成する。そし
て、焦電材層6に形成された静電潜像にこの静電潜像と
は逆極性に帯電された液体現像剤14を吸着させ、上記
潜像を現像する。
【0045】焦電材層6に発生した像形成に使用される
液体現像剤14は、予め焦電材層6にて発生した電荷と
は逆特性に帯電されているので、従来の帯電装置を不要
とし、また磁気搬送手段も必要でなくなる。
【0046】従って、像形成プロセスを簡素化して装置
の小型化およびコストダウンを図ることができる。
【0047】また、液体現像剤14に磁性を帯びさせな
いので酸化鉄等の強磁性微粒子が存在することによっ
て、彩度や透明性等の画像特性が劣るという問題も解消
される。従って、現像剤に起因する画像特性を悪化させ
る要因を排除して高精彩記録を実現し得る像形成方法を
提供することができる。
【0048】また、潜像形成体1の焦電材層6に形成し
た静電潜像は、焦電材層6のキュリー点を越える温度ま
で昇温しなければ温度の低下と共に自発分極が回復して
消えるものである。しかしながら、現像装置9が、光照
射面に対する外側の対向位置に設けられているので、形
成された静電潜像は直ちに現像され、現像後は、現像装
置9に対する潜像形成体1の回転方向側に設けられた用
紙搬送装置19にて直ちに用紙20に接触転写される。
従って、実際の用紙20に高精細の画像を得ることがで
きる。
【0049】また、現像剤として少なくとも絶縁性溶媒
と色材粒子と帯電制御剤とからなるコロイド状の液体現
像剤14が使用される。即ち、従来技術として公知の湿
式現像剤はこれに相当する。
【0050】この液体現像剤14における絶縁性溶媒中
の色材粒子は電荷を帯びており、焦電材層6の電荷によ
り色材粒子は溶媒中を泳動して吸着される。このため、
粉体の現像剤に必要となる摩擦帯電装置を不要とするこ
とができるので、像形成プロセスをさらに簡素化して装
置の小型化およびコストダウンを図ることができる。
【0051】さらに、色材粒子の帯電量を帯電制御剤の
添加により容易に変えることができるので、低電圧潜像
の現像においても帯電量を大きくすることによって可能
となり、像形成方法における操作性の向上が図れる。
【0052】また、焦電材層6を強誘電体にて形成する
ので、焦電効果を起こさせるための自発分極値PS が大
きくなる。この結果、焦電材層6に電荷を発生させるに
際して、温度上昇を小さくすることができ、これによっ
て、透明電極層3と電極層5との間の印加電圧を小さく
することができる。逆の表現をすると、温度変化による
表面電荷の発生量を大きくすることができる。従って、
像形成プロセスを簡素化して装置の小型化およびコスト
ダウンを図ることができる。
【0053】また、本潜像形成体1は円筒形に形成され
ており、LEDアレイ8がこの円筒内部に収納されたた
ものとなっている。このため、プリンタ装置全体をコン
パクトにすることができる。
【0054】また、焦電材層6をクリーニングするクリ
ーニングブレード18は現像装置9に対する潜像形成体
1の回転方向とは反対側位置に設けられている。このた
め、巡回して使用する潜像形成体1の表面は書込みの前
にクリーニングされるので、転写後の潜像形成体1の表
面に一部残った液体現像剤14を全て除去してから、新
たな書込みを行うことができる。このため、像形成にお
ける品質の向上を図ることができる。
【0055】〔発明の実施の形態2〕本発明の他の実施
の形態を図6に基づいて以下に説明する。尚、説明の便
宜上、前記の図面に示した部材と同一の機能を有する部
材については、同一の符号を付し、その説明を省略す
る。
【0056】本像形成方法は、焦電体をキュリー点以上
に昇温させる場合のものである。即ち、本像形成方法
は、図6に示すように、潜像形成体1におけるLEDア
レイ8の照射位置に対する潜像形成体1の回転方向とは
反対側位置に、過剰電荷を除電するための除電手段とし
ての除電ローラ31が設けられている。そして、除電ロ
ーラ31は焦電材層6に当接状態となり、かつ接地され
ている。
【0057】また、除電ローラ31に対する潜像形成体
1の回転方向とは反対側位置には、再分極手段としての
再分極ローラ32が焦電材層6に当接して設けられてお
り、この再分極ローラ32に備えられた再分極電源33
によって、焦電材層6に電圧を印加できるようになって
いる。尚、廃トナーボックス17は、再分極ローラ32
に対する潜像形成体1の回転方向とは反対側位置に設け
られている。それ以外の構成は前述の構成と同じであ
る。
【0058】本像形成方法では、潜像形成体1を現像す
るときに、先ず、再分極電源33を有する再分極ローラ
32によって、予め焦電材層6に電圧を印加して焦電材
層6の自発分極を再生する。さらに、除電ローラ31に
より再分極の際に蓄積された過剰電荷を除電する。
【0059】次に、透明円筒基体2の内方に設けたLE
Dアレイ8にて情報光を光導電層4に照射することによ
り、光導電層4内に導電キャリアを発生させる。そし
て、透明電極層3と電極層5との間に所定の電圧を印加
することにより、光照射された光導電層4の部分に、焦
電材層6をキュリー点以上に昇温させるだけの熱を発生
させる。この熱により焦電材層6が温度上昇し、焦電効
果によりその表面に電荷が発生し、静電潜像が形成され
る。そして、焦電材層6に形成された静電潜像にこの静
電潜像とは逆極性に帯電された液体現像剤14を吸着さ
せ、上記潜像を現像する。
【0060】上記の静電潜像は、焦電材層6がキュリー
点以上に昇温され、その自発分極が無くなっているの
で、直ぐには消滅しない。従って、必ずしも現像装置9
をLEDアレイ8からの光照射面に対する潜像形成体1
の外側の対向位置に設ける必要がない。このため、装置
設計の自由度を増大させることができる。
【0061】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明の像形成
方法は、透明基体上に、透明電極層、光導電層、電極
層、および誘電体からなる焦電材層が順次積層されてい
る潜像形成体を使用し、上記透明基体との対向位置に設
けた光源にて情報光を透明基体側から光導電層内へ照射
して、光導電層内に導電キャリアを発生させるステップ
と、上記透明電極層と電極層との間に電圧を印加して、
上記光源による光導電層の光照射位置にジュール熱を発
生させ、この熱が焦電材層に伝達されて焦電材層が温度
上昇し、焦電効果にてその表面に電荷を発生することに
より静電潜像を形成させるステップと、上記静電潜像に
この静電潜像とは逆極性に帯電した現像剤を吸着させて
現像するステップとを含んでいる構成である。
【0062】これにより、高価なサーマルヘッド等の昇
温手段や、潜像形成体に対する帯電手段を使用しないの
で、低コストでの像形成が可能であるという効果を奏す
る。
【0063】請求項2の発明の像形成方法は、透明基体
上に、透明電極層、光導電層、電極層、および誘電体か
らなる焦電材層が順次積層され、上記透明基体を最内層
とする筒状に形成されて一方向に回転する潜像形成体を
使用し、上記透明基体との対向位置に設けた光源にて情
報光を透明基体側から光導電層内へ照射して、光導電層
内に導電キャリアを発生させるステップと、上記透明電
極層と電極層との間に電圧を印加して、上記光源による
光導電層の光照射位置にジュール熱を発生させ、この熱
が焦電材層に伝達されて焦電材層がキュリー点を越える
温度に上昇し、焦電効果にてその表面に電荷を発生する
ことにより静電潜像を形成させるステップと、上記静電
潜像にこの静電潜像とは逆極性に帯電した現像剤を吸着
させて現像するステップと、このステップ後、上記焦電
材層の表面にこの焦電材層の自発分極を復活させるため
の電界を印加するステップと、このステップ後に、上記
焦電材層表面の過剰の電荷を除電するステップとを含ん
でいる構成である。
【0064】これにより、高価なサーマルヘッド等の昇
温手段や、潜像形成体に対する帯電手段を使用しないの
で、低コストでの像形成が可能である。また、焦電材層
に形成される静電潜像は直ぐには消滅しないので、必ず
しも上記現像剤を供給するための現像装置を、光源から
の光照射面との対向位置に設ける必要がない。従って、
装置設計の自由度を増大させることができるという効果
を奏する。
【0065】請求項3の発明の像形成方法は、請求項1
または2の発明の像形成方法において、上記の現像剤
が、絶縁性溶媒中に色材粒子が含まれた液体現像剤から
なる構成である。
【0066】これにより、導電性および磁性を備えた効
果な現像剤を使用せず、また、粉体の現像剤に必要とな
る摩擦帯電装置や磁気的搬送手段が不要となる。この結
果、像形成プロセスをさらに簡素化して装置の小型化お
よびコストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における像形成方法が適用
されるプリンタの概略構成図である。
【図2】上記像形成方法に使用される焦電材層の自発分
極の状態を示す特性図である。
【図3】上記像形成方法において使用される現像装置の
構造を示すものであり、同図(a)は断面図、同図
(b)は斜視図である。
【図4】上記像形成方法において使用される液体現像剤
におけるコロイド粒子の帯電状態およびその周辺の電気
分布を示す説明図である。
【図5】上記像形成方法の像形成原理を示す説明図であ
る。
【図6】本発明の他の実施の形態における像形成方法に
適用されるプリンタの概略構成図である。
【図7】従来の像形成方法に適用されるプリンタの概略
構成図である。
【図8】他の従来の像形成方法を示す説明図である。
【図9】さらに他の従来の像形成方法を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1 潜像形成体 2 透明円筒基体(透明基体) 3 透明電極層 4 光導電層 5 電極層 6 焦電材層 7 電源 8 LEDアレイ(光源) 9 現像装置 14 液体現像剤 17 廃トナーボックス 18 クリーニングブレード 31 除電ローラ 32 再分極ローラ 33 再分極電源

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明基体上に、透明電極層、光導電層、電
    極層、および誘電体からなる焦電材層が順次積層されて
    いる潜像形成体を使用し、 上記透明基体との対向位置に設けた光源にて情報光を透
    明基体側から光導電層内へ照射して、光導電層内に導電
    キャリアを発生させるステップと、 上記透明電極層と電極層との間に電圧を印加して、上記
    光源による光導電層の光照射位置にジュール熱を発生さ
    せ、この熱が焦電材層に伝達されて焦電材層が温度上昇
    し、焦電効果にてその表面に電荷を発生することにより
    静電潜像を形成させるステップと、 上記静電潜像にこの静電潜像とは逆極性に帯電した現像
    剤を吸着させて現像するステップとを含んでいることを
    特徴とする像形成方法。
  2. 【請求項2】透明基体上に、透明電極層、光導電層、電
    極層、および誘電体からなる焦電材層が順次積層され、
    上記透明基体を最内層とする筒状に形成されて一方向に
    回転する潜像形成体を使用し、 上記透明基体との対向位置に設けた光源にて情報光を透
    明基体側から光導電層内へ照射して、光導電層内に導電
    キャリアを発生させるステップと、 上記透明電極層と電極層との間に電圧を印加して、上記
    光源による光導電層の光照射位置にジュール熱を発生さ
    せ、この熱が焦電材層に伝達されて焦電材層がキュリー
    点を越える温度に上昇し、焦電効果にてその表面に電荷
    を発生することにより静電潜像を形成させるステップ
    と、 上記静電潜像にこの静電潜像とは逆極性に帯電した現像
    剤を吸着させて現像するステップと、 このステップ後、上記焦電材層の表面にこの焦電材層の
    自発分極を復活させるための電界を印加するステップ
    と、 このステップ後に、上記焦電材層表面の過剰の電荷を除
    電するステップとを含んでいることを特徴とする像形成
    方法。
  3. 【請求項3】上記の現像剤は、絶縁性溶媒中に色材粒子
    が含まれた液体現像剤からなることを特徴とする請求項
    1または2に記載の像形成方法。
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