JP3251333B2 - 高力銅合金 - Google Patents

高力銅合金

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健 増本
明久 井上
信行 西山
昌弘 小口
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健 増本
明久 井上
帝国ピストンリング株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【従来の技術】本発明は、高力銅合金に関するものであ
り、さらに詳しく述べるならば、強度が高いために従来
よりも高い応力下で使用可能であり、かつ/または硬度
が高いために耐摩耗性に優れ摺動部材としても性能が優
れた銅合金に関する。
【0002】
【従来の技術】銅合金には、Cu−Beばね用合金,C
u−Cr溶接電極用合金,Cu−Zn真ちゅう,Cu−
Sn青銅,Cu−Ag接点合金,Cu−Tiろう付け合
金,Cu−Zrばね合金,Cu−Ni耐食性合金,Cu
−Ni2 Si耐食性合金,Cu−Fe−Al−Ni系ア
ルミ青銅合金等の合金が知られており、その材料特性に
応じて導電材、ばね材、軸受、熱交換器部材、精密機械
部品、建築物、食器、装飾品等として広範囲の用途に供
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の銅合金は一般的
に硬度が低くまた引張り強さも鉄系の合金に比べると低
い。したがって従来の銅合金の使用応力は鉄系合金より
も低くとらざるを得ず、このため導電性、耐食性などの
性質が鉄よりもすぐれていても軽量化が困難なために採
用できる部品が限られていた。
【0004】銅合金の耐摩耗性は、その軟質特性を利用
し相手部材とのなじみを速やかに実現して、その後の摩
擦摩耗を少なくすることにより主として達成されてい
た。耐摩耗性を高めるために銅合金を硬質にしようとす
ると硬化分散物を多量に添加せざるをえず、添加物とマ
トリックス界面に起因する強度低下や摩擦中の添加物の
脱落などの問題を招く。また、重金属を添加すると銅合
金の耐摩耗性は向上する傾向があるが、すぐれた熱伝導
性などの銅合金特有の特性が犠牲になる。
【0005】近年、従来の組成の銅合金を急冷凝固させ
ることにより組織を微細化して機械的特性を改善させる
試みもなされているが、上述の問題点の解決策としては
十分ではない。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記した従来技術の問題
点を解決する本発明は一般式:Cu100-aa (但し、
6.5原子%≦a≦12.5原子%)および一般式:C
100-b-cbc (但し、MはSn,Al,Sb,A
g,Zn,Pから選ばれる一種または二種以上の元素で
あり、5原子%≦b≦12原子%,1原子%≦c≦15
原子%)で示される組成を有し、少なくとも体積率で5
0%以上の非晶質相を含む高力銅合金に関する。
【0007】上記一般式で示される本発明の銅合金にお
いてY(イットリウム)は銅を非晶質化するための元素
である。また、Snなどの元素は単独では非晶質化能力
はないが、Yと共存すると非晶質相が形成され易くな
る。
【0008】本発明の銅合金の組織が50%以上の非晶
質相に限定される理由は結晶質相が50%を越し、残部
が非晶質組織であると材料が脆くなり実用に適さなくな
るためである。
【0009】上記一般式において、6.5原子%≦a≦
12.5原子%、5原子%≦b≦12原子%,1原子%
≦c≦15原子%の範囲にそれぞれ限定したのは、その
範囲から外れると非晶質化が困難になるからである。
【0010】本発明の銅合金は従来最高の強度を有する
Cu−Be合金を越える強度が得られる。また本発明の
銅合金は硬度が純銅の約3倍以上であり、熱処理した低
炭素鋼に匹敵する。この硬度上昇に伴い本発明の合金は
摩擦摩耗しがたくなっている。
【0011】本発明の銅合金は、軽量化が必要、負荷さ
れる応力が高い、かつ/または摩擦摩耗が起こりやすく
なじみが実現されがたいなどの条件がある用途に有効に
使用できる。
【0012】本発明の銅合金は上記組成を有する合金を
液体急冷法で急冷凝固することにより得られる。この液
体急冷法とは、溶融した合金を急速に冷却する方法であ
り、単ロール法、双ロール法、回転液中紡糸法等が非晶
質化に有効である。これらの方法では104 −106
/s程度の冷却速度が得られる。この単ロール法、双ロ
ール法等においては薄帯を製造するにはノズル孔を通し
て約500−1000rpmの範囲の一定速度で回転し
ている直径100−1000mmの例えば銅あるいは銅
製のロールに溶湯を噴出することにより、幅が0.5−
300mmで厚さが5−300μmの各種薄帯を容易に
得ることができる。
【0013】また回転液中紡糸法により細線材料を製造
するには、約50−500rpmで回転するドラム内に
遠心力により作られている深さ約1−10cmの水など
の溶液冷媒層中にノズル孔を通して溶湯を噴出して、細
線材料を容易に得ることができる。この際のノズルから
の噴出溶湯と冷媒面とのなす角度は約60−90度、噴
出溶湯と溶液冷媒面の相対速度比は前者1に対して約
0.7−0.9であることが望ましい。
【0014】尚、上記方法によらずスパッタリング法に
よって薄膜を、また高圧ガス噴霧法などの各種アトマイ
ズ法によって急冷粉末を得ることができる。薄膜は高硬
度と導電性を利用する皮膜として使用され、急冷粉末は
樹脂などへの分散剤として使用される。
【0015】得られた銅合金が非晶質であるかどうかは
通常のX線回折法によって知る事ができる。また非晶質
相の体積%は示差走査熱量計(DSC)を用い、結晶化
による発熱量により求めることができる。次に実施例に
より本発明合金の特徴を説明する。
【0016】
【実施例】
実施例1 高周波炉にて所定の組成成分を有する母合金2を作り、
これを図1に示す先端に小孔4(孔径:0.5mm)を
有する石英管1に奘入し、加熱溶解した。溶湯を回転数
8000rpmの高速回転する直径200mmの銅製ロ
ール3へ噴出し、ロール3の表面と接触させることによ
り急冷凝固させて合金薄帯4を得た。上記製造条件によ
り表1、2、3に示す組成を有する26の合金薄帯を得
て、それぞれX線回折した結果、本発明組成では非晶質
または非晶質と微細結晶質の複合体が得られることが確
認された。これに対して比較合金は組成が本発明範囲外
であるために、結晶質となりまた硬度も低かった。
【0017】各供試薄帯につき結晶化温度(40K/s
で昇温)、ビッカース硬さ(Hv :25g)を測定し、
表1に示す結果を得た。表中の「a」は非晶質であるこ
とを示し、「a+c」は非晶質と微細結晶質との複合体
であることを示し、「c」は結晶質であることを示す。
また延性と脆性をリボン材の折曲げ試験により測定し
て、結果を表1、2、3に示す。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】
【表3】
【0021】表1、2、3に示すように、従来の銅合金
がHv が50−200DPN程度であるのに対し、本発
明の銅合金の硬度は約350−500DPNと極めて高
い硬度を示す。
【0022】実施例2 表1の本発明合金であるNo.7およびNo.18の合
金の強度をインストロン型引張試験機で測定した結果、
引張強さはそれぞれ230kg/mm2 および220k
g/mm2 であった。この値は従来のCu−Be合金の
最高引張強度150kg/mm2 の1.5倍であった。
【0023】比較例1 表3の比較合金であるNo.21合金の強度をインスト
ロン型引張試験機で測定した結果、引張強さは95kg
/mm2 であり、従来のCu合金と同等の強度であっ
た。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の銅合金は
従来の銅合金より著しく高い硬度と高い強度を有するの
で、(イ)軽量化が可能、(ロ)負荷応力を高める、
(ハ)摩擦摩耗を向上できるなどの優れた効果が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明合金を急冷凝固して薄帯を作る時に使用
した単ロール装置の概略図である。
【符号の説明】
1 石英管 2 母合金 3 銅ロール 4 子孔 5 急冷薄帯
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 明久 宮城県仙台市青葉区川内無番地 川内住 宅11−806 (72)発明者 西山 信行 東京都中央区八重洲1丁目9番9号 帝 国ピストンリング株式会社内 (72)発明者 小口 昌弘 東京都中央区八重洲1丁目9番9号 帝 国ピストンリング株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−36243(JP,A) 特開 昭54−99035(JP,A) 特開 昭59−74249(JP,A) 特開 平4−52240(JP,A) 特開 平3−31437(JP,A) 特開 昭51−46519(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 9/00 C22C 45/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式:Cu100-aa (但し、aは
    6.5原子%≦a≦12.5原子%)で示される組成を
    有し、少なくとも体積率で50%以上の非晶質相を含む
    ことを特徴とする高力銅合金。
  2. 【請求項2】 一般式:Cu100-b-cbc (但し、
    MはSn,Al,Sb,Ag,Zn,Pから選ばれる一
    種または二種以上の元素であり、b、cは5原子%≦b
    ≦12原子%,1原子%≦c≦15原子%)で示される
    組成を有し、少なくとも体積率で50%以上の非晶質相
    を含むことを特徴とする高力銅合金。
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