JP3250139B2 - キャリアスリップ補償機能を備えた受信機 - Google Patents

キャリアスリップ補償機能を備えた受信機

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JP3250139B2 JP4486096A JP4486096A JP3250139B2 JP 3250139 B2 JP3250139 B2 JP 3250139B2 JP 4486096 A JP4486096 A JP 4486096A JP 4486096 A JP4486096 A JP 4486096A JP 3250139 B2 JP3250139 B2 JP 3250139B2
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    • H04LTRANSMISSION OF DIGITAL INFORMATION, e.g. TELEGRAPHIC COMMUNICATION
    • H04L27/00Modulated-carrier systems
    • H04L27/18Phase-modulated carrier systems, i.e. using phase-shift keying
    • H04L27/22Demodulator circuits; Receiver circuits

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  • Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)
  • Compression Or Coding Systems Of Tv Signals (AREA)
  • Television Systems (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、無線通信分野に
おける受信機の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来例1.従来の同期検波におけるキャリアスリップ補
償方式として、例えば差動符号化・差動復号方式は、文
献「最新ディジタル衛星通信」(BHARGAVA著、塚本訳、
ジャテック出版 昭和61年5月21日 初版発行)に
記載されている。以下、図を用いて従来技術の説明を行
なう。
【0003】図42は従来のキャリアスリップ補償方式
である差動符号化・差動復号方式を用いた通信システム
のうち、送信器における変調部と受信器における復調部
の構成を示す構成図であり、図42において、3901
は差動符号器、3902は2相位相シフトキーイング
(BPSK:Binary Phase Shift Keying)変調器、
3903は同期検波回路、3904は差動復号器であ
る。
【0004】次に動作について説明する。一般にディジ
タル無線通信システムにおいて、音声、映像等のデータ
は音声符号器等によりディジタル信号に変換される。こ
のディジタル信号は差動符号器3901に入力され、差
動符号化される。
【0005】差動符号器の構成例を図43に示す。図4
3において、4001は遅延時間が1データ期間Dと等
しい遅延器、4002は排他的論理和回路である。差動
符号器3901に入力されたディジタル信号は排他的論
理和回路4002に入力されて遅延器4001により遅
延された1シンボル前の排他的論理和回路4002の出
力と排他的論理和がとられる。すなわち、差動符号器3
901に入力するi番目のデータをIiとすれば、排他
的論理和回路4002の出力すなわち差動符号器390
1の出力Oiは次式のように表せる。
【0006】
【数1】
【0007】差動符号器3901の出力は、BPSK変
調器3902に入力されてBPSK変調される。BPS
K変調波は、高周波増幅器等で電力増幅された後、送信
される(図示せず)。送信された電波は受信機で受信さ
れ、高周波増幅器等で電力増幅された後(図示せず)、
同期検波回路3903に入力されて同期検波される。
【0008】同期検波回路3903の構成・動作を図4
4を用いて説明する。図44において4101は乗算
器、4102は搬送波再生回路である。同期検波回路3
903に入力された受信信号は乗算器4101に入力さ
れて搬送波再生回路4102の出力である再生搬送波に
よって同期検波されると共に搬送波再生回路4102に
入力されて再生搬送波を生成する。
【0009】搬送波再生回路4102の構成・動作を図
45を用いて説明する。図45において、4201は2
逓倍器、4202は乗算器、4203はループフィル
タ、4204は電圧制御発振器、4205はPLL(Ph
ase Lock Loop)回路、4206は2分周器である。搬
送波再生回路4102に入力された受信信号は2逓倍器
4201で2逓倍され、乗算器4202、ループフィル
タ4203、電圧制御発振器4204から構成されるP
LL回路4205に入力される。このPLL回路420
5の出力は送信搬送波と位相同期した、SN比(信号対
雑音比)を高められた信号となるので、2分周器420
6で2分周することによって再生搬送波が得られる。こ
のとき、再生搬送波の位相には180゜の位相不確定性
が存在する。
【0010】再生搬送波の位相不確定性を図を用いて説
明する。図46は信号空間図であり、(a)は受信信号
である。図46(a)において、雑音が加わっているた
め送信信号の値が0ならば受信信号は図中の斜線部Aの
範囲に、また送信信号の値が−1ならば斜線部Bの範囲
にあるとする。ここで受信信号を2逓倍すると、2逓倍
器4201の出力は図46(b)の斜線部Cのようにな
る。これをPLL回路4205に入力してSN比を高め
ると、PLL回路4205の出力は図46(c)の斜線
部C’のようになる。そこでこのPLL回路4205の
出力を2分周器4206で2分周すれば、再生搬送波は
図46(d)のA’、B’の2つの状態をとり得る。す
なわち、再生搬送波は安定点を2つ持ち、180゜の位
相不確定性が存在することがわかる。
【0011】図42の同期検波回路3903で同期検波
された信号は差動復号器3904に入力される。差動復
号器3904の構成例を図47に示す。図47におい
て、4401は遅延時間が1データ期間Dと等しい遅延
器、4402は排他的論理和回路である。差動復号器3
904に入力された同期検波出力は排他的論理和回路4
402に入力されて遅延器4401により遅延された1
シンボル前の同期検波出力と排他的論理和がとられる。
すなわち、差動復号器3904に入力するi番目のデー
タをCiとすれば、排他的論理和回路4402の出力、
すなわち差動復号器3904の出力Piは次式のように
表せる。
【0012】
【数2】
【0013】差動復号器3904の出力は復調データと
して音声復号器等により復号され、音声、映像等のデー
タとして出力される。
【0014】さて上記のような通信システムにおいて、
回線のSN比が小さい場合、再生搬送波が雑音等の影響
によりある安定点から別の安定点に移行する場合があ
る。これは搬送波のサイクルスリップ、あるいはキャリ
アスリップと呼ばれる。(以後キャリアスリップと呼
ぶ。)キャリアスリップが発生すると、差動符号化・差
動復号方式を用いたシステムではキャリアスリップ発生
時のみ誤りが発生するのに対して、差動符号化・差動復
号方式を用いないシステムではキャリアスリップ発生以
降は復調データの符号が反転し、ビット誤り率が非常に
劣化する。
【0015】キャリアスリップによるビット誤り率の劣
化を図を用いて説明する。図48(a)は差動符号化・
差動復号方式を用いない場合のキャリアスリップによる
誤りの様子を示した図であり、図48(b)は差動符号
化・差動復号方式を用いた場合のキャリアスリップによ
る誤りの様子を示した図である。図48(a)におい
て、送信側で差動符号化を行なわない送信データ系列を
{Sa}とする。ここでキャリアスリップによる影響の
みを考慮するために、雑音による誤りはないものとす
る。すなわちキャリアスリップが発生しなければ受信デ
ータ系列{Ra}={Sa}である。今、図48のP点で
キャリアスリップが発生したと仮定し、この時の受信デ
ータ系列を{Ra■}とする。{Ra■}においてはP点
以降はデータの符号が反転し、0と判定されるべき受信
信号が1と判定され、反対に1と判定されるべき受信信
号が0と判定される。キャリアスリップによる誤りを
{Sa}と{Ra■}の比較結果{Ca}に記す。{Ca}
において、○は{Sa}と{Ra■}が一致、×は{S
a}と{Ra■}が不一致であることを示す。{Ca}か
らわかるように、キャリアスリップ発生以降はデータが
全て誤りとなる。
【0016】一方、差動符号化・差動復号方式を用いた
場合は図48(b)のようになる。まず送信データ系列
{Sa}に差動符号化を施した系列を{Sd}とする。上
記と同様、キャリアスリップによる影響のみを考慮する
ために、雑音による誤りはないものとする。すなわち
{Rd}={Sd}である。なお、差動符号化の最初の
ビットを0と仮定した。
【0017】上記と同様、図48のP点でキャリアスリ
ップが発生したと仮定し、この時の受信データ系列を
{Rd■}とする。{Rd■}において、P点以降は全て
のデータの符号が反転する。次に{Rd■}に対して差
動復号を行なうと、復調データ系列{Rd■■}が得ら
れる。キャリアスリップによる誤りを{Sa}と{Rd■
■}の比較結果{Cd}に記す。{Cd}において、○は
{Sa}と{Rd■■}が一致、×は{Sa}と{Rd■
■}が不一致であることを示す。{Cd}からわかるよ
うに、差動符号化・差動復号方式を用いた場合はキャリ
アスリップ発生時点のみ誤りが発生し、以降の誤りは生
じない。従って、差動符号化・差動復号方式はキャリア
スリップに対して有効な補償手段であることがわかる。
【0018】次に、キャリアスリップが発生せず、通常
の雑音によって誤りが発生する場合を考える。この場合
の誤り発生の様子を図49に示す。図48と同様、
(a)は差動符号化・差動復号方式を用いない場合、
(b)は用いた場合の誤りの様子を示した図である。図
49において、P点で雑音による誤りが発生したと仮定
する。この場合、上記キャリアスリップ発生時と異な
り、以降のデータの符号は反転しない。従って受信系列
{Ra■}及び{Rd■}は、それぞれ{Sa}及び{S
d}と比較するとP点の1ビットだけ異なる。このとき
図49(a)からわかるように、差動符号化・差動復号
方式を用いない場合は{Ca}のようにP点のビットの
みが誤るのに対し、(b)の差動符号化・差動復号方式
を用いた場合は{Cd}のようにP点のビットに加えて
後続する1ビットも誤る。すなわち、キャリアスリップ
が発生しない場合、差動符号化・差動復号方式は誤り率
を劣化させる。さらに、差動符号化前に誤り訂正符号化
を施し、差動復号後に誤り訂正処理を行なう通信システ
ムにおいては、差動符号化・差動復号方式における誤り
率の劣化は誤り訂正符号の訂正能力を低下させる原因と
なり好ましくない。
【0019】従来例2.また、その他の従来のキャリア
スリップ補償方式としては、例えばユニークワードを用
いる方法が、文献「TDMA通信」(山本・加藤著、電
子情報通信学会平成元年4月5日 初版発行)に記載さ
れている。以下、図を用いて従来技術の説明を行なう。
【0020】図50は従来のキャリアスリップ補償方式
であるユニークワードを用いた通信システムのうち、送
信機における変調部と受信機における復調部の構成を示
す構成図であり、図50において、4701はユニーク
ワード挿入部、4702はBPSK変調器、4703は
同期検波回路である。
【0021】次に動作について説明する。一般にディジ
タル無線通信システムにおいて、音声、映像等のデータ
は音声符号器等によりディジタル信号に変換される。こ
のディジタル信号はユニークワード挿入部4701に入
力され、受信機における各種の同期をとるために既知信
号であるユニークワードが信号中に挿入される。ユニー
クワード挿入部4701の出力の一例を図51に示す。
図51においてユニークワードは一定間隔で信号中に挿
入されている。ユニークワード挿入部4701の出力
は、BPSK変調器4702に入力されてBPSK変調
される。BPSK変調信号は、高周波増幅器等で電力増
幅された後、送信される(図示せず)。送信された電波
は受信機で受信され、高周波増幅器等で電力増幅された
後(図示せず)、同期検波回路4703に入力されて同
期検波される。
【0022】同期検波回路4703の構成・動作を図5
2を用いて説明する。図において4101は乗算器、4
102は搬送波再生回路、4901はユニークワード検
出器である。そして、同期検波回路4703に入力され
た受信信号は乗算器4101に入力されて搬送波再生回
路4102の出力である再生搬送波によって同期検波さ
れると共に搬送波再生回路4102に入力されて再生搬
送波を生成する。同期検波された信号は同期検波回路4
703から出力されるとともにユニークワード検出器4
901に入力されてユニークワード検出を行ない、搬送
波再生回路4102を制御する。
【0023】ユニークワード検出器4901の動作を図
を用いて説明する。図53はユニークワード検出器49
01の構成例を示す図である。図53において500
1、5002は相関器である。ユニークワード検出器4
901に入力された同期検波出力は、2つに分けられて
相関器5001、5002に入力される。相関器500
1ではユニークワードUWと同期検波出力の相関が求め
られ、相関値が相関しきい値よりも高くなると相関パル
スを出力する。また相関器5002ではユニークワード
UWの論理否定と同期検波出力の相関が求められ、相関
値が相関しきい値よりも高くなると相関パルスを出力す
る。
【0024】ここで搬送波位相が正しければ相関器50
01から相関パルスが出力され、そのままの搬送波位相
で検波を続ける。また搬送波位相が180゜ずれていれ
ば相関器5002から相関パルスが出力され、図52の
搬送波再生回路4102は出力する搬送波位相を180
゜ずらす制御を行なうことによって、再生搬送波の位相
不確定性を補償する。
【0025】同期検波回路4703の出力は復調データ
として音声復号器等により復号され、音声、映像等のデ
ータとして出力される。
【0026】ところで、上記のような受信機において、
雑音等の影響によりキャリアスリップが発生した場合を
考える。キャリアスリップによる符号反転は再生搬送波
の位相不確定性と同様、ユニークワード検出によって検
知され、補償される。しかしながらこの方式では、キャ
リアスリップが発生してからユニークワードが受信され
るまでのデータは全て誤りとなる。この誤りを抑圧する
ためには送信側で挿入するユニークワードの数を多くす
ればよい。しかしながらユニークワードを頻繁に挿入す
ることは伝送データの冗長度の増加を招くため、好まし
くない。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
キャリアスリップ補償方式として差動符号化方式を用い
た場合、キャリアスリップの発生に起因する誤りは1回
あたり1ビットであるが、例えばEb/Noが大きくキャ
リアスリップの発生頻度が極めて低い場合や、Eb/No
が小さくても誤り訂正符号を使用する場合等において
は、差動符号化を行なわない場合に比べ雑音による誤り
が増加し、ビット誤り率特性が劣化するという課題があ
った。
【0028】また、従来のキャリアスリップ補償方式は
ユニークワードを用いる方法であるため、キャリアスリ
ップが発生すると次にユニークワードが受信されるまで
はデータが正しく復調されないという課題があった。さ
らにまた、伝送データ中にユニークワードを挿入するこ
とにより、伝送データの冗長度が増加するという課題が
あった。
【0029】本発明は上記のような課題を解消するため
なされたもので、キャリアスリップ補償方式を用いた
システムにおいて、同期検波を用いる受信機の搬送波再
生回路で発生するキャリアスリップを検出し、データを
補正することによってキャリアスリップの影響を軽減
し、良好なビット誤り率を実現することが可能な受信機
を得るものである。
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】
【課題を解決するための手段】
【0043】前記の課題を解決し、目的を達成するため
に、本発明にかかる受信機にあっては、送信データと該
送信データに所定の時間遅延が付加された遅延送信デー
タとが多重化された信号を受信信号として入力し、上記
受信信号を上記送信データに対応する第1の受信データ
と上記遅延送信データに対応する第2の受信データに分
離する受信データ分離手段と、上記第1の受信データに
上記所定の時間遅延を付加する受信データ遅延手段と、
遅延付加された第1の受信データと上記第2の受信デー
タとを順次比較し、不一致のビット数が所定数を超えか
つ最大となるピ−ク位置を検出するキャリアスリップ検
出手段とを有し、上記キャリアスリップ検出結果に基づ
いて上記受信信号を位相回転処理してキャリアスリップ
補償を行い、該補償済み受信信号を出力するキャリアス
リップ補償手段を備えることを特徴とする。
【0044】次の発明にかかる受信機にあっては、送信
データに第1の送信時間遅延が付加された第1の遅延送
信データと、同送信データに第2の送信時間遅延が付加
された第2の遅延送信データとが多重化された信号を受
信信号として入力し、上記受信信号を前記第1の遅延送
信データに対応する第1の受信データと、上記第2の遅
延送信データに対応する第2の受信データとに分離する
受信データ分離手段と、上記第1の受信データに第1の
受信時間遅延を付加する受信データ遅延手段と、上記第
2の受信データに第2の受信時間遅延を付加する第2の
受信データ遅延手段と、各々所定の時間遅延が付加され
た第1の受信データと第2の受信データとを順次比較
し、不一致のビット数が所定数を超えかつ最大となるピ
−ク位置を検出するキャリアスリップ検出手段とを有
し、上記キャリアスリップ検出結果に基づいて上記受信
信号を位相回転処理してキャリアスリップ補償を行い、
該補償済み受信信号を出力するキャリアスリップ補償手
段を備え、上記第1の受信時間遅延及び第2の受信時間
遅延は、上記第1の送信時間遅延と上記第1の受信時間
遅延の和が、上記第2の送信時間遅延と上記第2の受信
時間遅延の和に等しくなるように設定されることを特徴
とする。
【0045】次の発明にかかる受信機にあっては、上記
キャリアスリップ検出手段は、上記第1の遅延受信デー
タと上記第2の受信データを順次比較し一致/不一致の
比較結果をビット列で出力する比較手段と、上記比較手
段のビット列を順次記憶するシフトレジスタと、上記比
較手段の出力と上記シフトレジスタの各段の出力の和を
求める移動加算手段と、上記移動加算手段の出力が所定
値を超えかつ最大となるピ−ク位置を検出し、検出結果
を出力するピーク検出手段とを有することを特徴とす
る。
【0046】次の発明にかかる受信機にあっては、上記
キャリアスリップ検出手段は、上記第1の遅延受信デー
タと上記第2の受信データを順次比較し、一致/不一致
の比較結果をビット列で出力する比較手段と、上記比較
手段のビット列を順次記憶するシフトレジスタと、上記
比較手段の出力と上記シフトレジスタの最終段の出力と
比較し、同じならカウントせず、異なれば比較手段の出
力値に従ってアップダウンカウントするアップダウンカ
ウンタと、アップダウンカウンタの出力が所定値を超え
かつ最大となるピ−ク位置を検出し、検出結果を出力す
るピーク検出手段とを有することを特徴とする。
【0047】次の発明にかかる受信機にあっては、上記
キャリアスリップ検出手段は、上記第1の遅延受信デー
タと上記第2の受信データを順次比較し一致/不一致の
比較結果をビット列で出力する比較手段と、上記比較手
段の上記ビット列を順次記憶するシフトレジスタと、比
較手段の出力と加算器の出力の和から上記シフトレジス
タの最終段の出力の差を求める移動加算手段と、移動加
算手段の出力が所定値を超えかつ最大となるピ−ク位置
を検出し、検出結果を出力するピーク検出手段とを有す
ることを特徴とする。
【0048】次の発明にかかる受信機にあっては、上記
ピーク検出手段は、移動加算手段の加算器の出力が所定
値を超えてから所定値以下になる期間に基づいてピーク
位置を検出し検出結果を出力することを特徴とする。
【0049】次の発明にかかる受信機にあっては、上記
キャリアスリップ補償手段から出力された補償済み受信
信号を入力し、送信データに対応する第1の補償済み信
号と、遅延送信データに対応する第2の補償済み信号と
に分離する補償済み信号分離手段と、上記補償済み信号
分離手段から出力された第1の補償済み信号に上記所定
の時間遅延を付加した第1の被合成信号を出力する補償
済み信号遅延手段と、上記補償済み信号分離手段から出
力された第2の補償済み信号を第2の被合成信号とし、
上記第1の被合成信号と該第2の被合成信号とを合成す
る合成手段とをさらに備えたことを特徴とする。
【0050】次の発明にかかる受信機にあっては、上記
キャリアスリップ補償手段から出力された補償済み受信
信号を入力し、第1の遅延送信データに対応する第1の
補償済み信号と、第2の遅延送信データに対応する第2
の補償済み信号とに分離する補償済み信号分離手段と、
上記補償済み信号分離手段から出力された第1の補償済
み信号に上記第1の受信時間遅延を付加した第1の被合
成信号を出力する第1の補償済み信号遅延手段と、上記
補償済み信号分離手段から出力された第2の補償済み信
号に上記第2の受信時間遅延を付加した第2の被合成信
号を出力する第2の補償済み信号遅延手段と、上記第1
の被合成信号と上記第2の被合成信号とを合成する合成
手段とをさらに備えたことを特徴とする。
【0051】次の発明にかかる受信機にあっては、上記
合成手段は、上記第1の被合成信号と上記第2の被合成
信号とを等しく重み付けして合成する構成とされたこと
を特徴とする。
【0052】次の発明にかかる受信機にあっては、上記
合成手段は、上記第1の被合成信号と上記第2の被合成
信号とに、それぞれ各信号の受信レベルに比例した重み
付けを行って合成する構成とされたことを特徴とする。
【0053】次の発明にかかる受信機にあっては、上記
合成手段は、上記第1の補償済み信号受信時点での上記
受信信号の信号レベルと、上記第2の補償済み信号受信
時点での上記受信信号の信号レベルとに基づいて、上記
第1の被合成信号若しくは上記第2の被合成信号の何れ
か一方を選択して出力する構成とされたことを特徴とす
る。
【0054】次の発明にかかる受信機にあっては、送信
データと該送信データに所定の時間遅延が付加された遅
延送信データとが多重化され、さらに2相位相シフトキ
ーイング変調された変調信号を、受信信号として入力
し、該受信信号と、該受信信号から再生され所定の位相
回転処理によりキャリアスリップ補償された搬送波信号
とに基づいて同期検波処理を行い、同期検波信号を出力
する同期検波回路をさらに備え、上記キャリアスリップ
補償手段は、上記同期検波信号を入力し上記キャリアス
リップ検出手段から出力された検出結果に基づいて、上
記搬送波信号を位相回転処理してキャリアスリップ補償
を行い、上記補償済み信号分離手段は、上記同期検波回
路から出力された同期検波信号を入力し、第1の遅延送
信データに対応するに対応する第1の補償済み信号と、
第2の遅延送信データに対応する第2の補償済み信号と
に分離する構成とされたことを特徴とする。次の発明に
かかる受信機にあっては、送信データに第1の送信時間
遅延が付加された第1の遅延送信データと、同送信デー
タに第2の送信時間遅延が付加された第2の遅延送信デ
ータとが多重化され、さらに2相位相シフトキーイング
変調された変調信号を、受信信号として入力し、該受信
信号と、該受信信号から再生され所定の位相回転処理に
よりキャリアスリップ補償された搬送波信号とに基づい
て同期検波処理を行い、同期検波信号を出力する同期検
波回路をさらに備え、上記キャリアスリップ補償手段
は、上記同期検波信号を入力し上記キャリアスリップ検
出手段から出力された検出結果に基づいて、上記搬送波
信号を位相回転処理してキャリアスリップ補償を行い、
上記補償済み信号分離手段は、上記同期検波回路から出
力された同期検波信号を入力し、第1の遅延送信データ
に対応するに対応する第1の補償済み信号と、第2の遅
延送信データに対応する第2の補償済み信号とに分離す
る構成とされたことを特徴とする。
【0055】
【0056】
【0057】
【0058】
【0059】
【0060】
【0061】
【0062】
【0063】
【0064】
【0065】
【0066】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.本実施の形態は同一データを時間をずら
せ、BPSK変調して送ることにより、同期検波した受
信器がキャリアスリップを検出し、キャリアスリップを
補償するものである。図1は、本実施の形態における通
信システムの構成を示す構成図である。図において、1
01は送信機における変調部、102及び109は遅延
時間がNビットのデータ期間Tと等しい遅延器、103
は並直列変換器で時間をずらせた同一デ−タを多重する
ために、並列のデータを直列に変換する。104はBP
SK変調器、105は受信機における復調部、106は
同期検波回路で従来例1で示したものと同じである。1
07はキャリアスリップ補償回路、108は直並列変換
器で、多重された信号を分離するために、直列のデータ
を並列に変換する。110は合成回路、111は判定器
である。
【0067】次に動作について説明する。図1におい
て、音声、映像等のデータは音声符号器等によりディジ
タル信号に変換され、送信すべきデータ系列となる。送
信すべきデータ系列は変調部101に入力されて2つに
分けられ、一方はそのまま並直列変換器103へ入力さ
れる。またもう一方は遅延時間がNビットのデータ期間
Tと等しい遅延器102で時間Tの遅延を与えられた後
に並直列変換器103へ入力される。並直列変換器10
3は2つの並列な入力データ系列を、入力データ系列の
2倍のデータレートの直列のデータ系列に変換(多重)
して出力する。
【0068】並直列変換器103のデータ変換の様子を
図を用いて説明する。図2は送信すべきデータ系列{A
i}(iは整数)と、{Ai}に遅延器102による遅延
時間Tに相当するNビットの遅延を与えたデータ系列
{Bi}と、並直列変換器103の出力{Ci}の時間変
化を示した図である。図2から、{Ai}と{Bi}の関
係は次式のように書き表せる。 Bi=Ai-N また並直列変換器103の出力{Ci}は、{Ai}と
{Bi}によって次のように書き表せる。 Ci ={Ci,1、Ci,2}={Ai、Bi}={Ai、A
i-N} 図1の並直列変換器103の出力CiはBPSK変調器
104でBPSK変調され、変調信号は高周波増幅器等
で電力増幅された後に送信される(図示せず)。送信さ
れた電波は受信機で受信され、高周波増幅器等で電力増
幅された後(図示せず)、復調部105に入力されて同
期検波回路106で同期検波される。ここで同期検波回
路106は従来の技術において図44に示したものと同
一である。同期検波回路106の出力はキャリアスリッ
プ補償回路107に入力されてキャリアスリップの補償
が行なわれる。
【0069】キャリアスリップ補償回路107の動作に
ついて図を用いて説明する。図3はキャリアスリップ補
償回路107の構成例を示す図である。図3において3
01は遅延回路、302は判定器、303は直並列変換
器で多重されたデ−タを分離する。304は遅延時間が
Nビットのデータ期間Tと等しい遅延器、305は排他
的論理和回路、306はシフトレジスタ、307は加算
器、308はピークサーチ回路、309はt−フリップ
フロップ、310は位相回転回路、311はキャリアス
リップ検出回路である。
【0070】次に、動作を説明する。同期検波回路10
6の出力はキャリアスリップ補償回路107に入力され
ると2つに分けられ、一方は遅延回路301により所定
の遅延を与えられて、位相回転回路310に入力され
る。またもう一方はキャリアスリップ検出回路311の
判定器302に入力される。判定器302は同期検波出
力ベクトルの符号が1か0か判定する。すなわち判定器
302は同期検波出力ベクトルの同相成分reによって
以下の値を出力する。
【0071】
【数3】
【0072】判定器302の出力データ系列{ci}は
直並列変換器303に入力されて、入力データ系列の半
分のデータレートの2つのデータ系列に変換(分離)さ
れる。直並列変換器303の出力のうち、送信側で遅延
Tを与えられたデータ系列はそのまま排他的論理和回路
305に入力され、また直並列変換器303の出力のう
ち、送信側で遅延Tを与えられていないデータ系列は遅
延器304に入力され、Nビットのデータ期間Tと等し
い遅延を与えられて排他的論理和回路305に入力され
る。
【0073】直並列変換器303のデータ変換の様子を
図4を用いて説明する。図4は判定器302の出力デー
タ系列{ci}と、直並列変換器303の出力のうち送
信側で遅延を与えられていないデータ系列{ai}と、
送信側で遅延器102によってNビットのデータ期間と
等しい時間Tなる遅延を与えられたデータ系列{bi
の時間変化を示した図である。図4に示すように、{c
i}と{ai}、{bi}の関係は次式のように書き表せ
る。 ci ={ci,1、ci,2}={ai、bi
【0074】また、キャリアスリップの影響のみを考え
るために雑音による誤りを無視すると、{bi}は
{ai}に対して送信時にTの遅延を与えられているの
で、時間Tあたりのビット数Nを用いて、{ai}と
{bi}の関係は次のように書き表せる。 bi=ai-N これらのことから、{ci}は{ai}を用いて以下のよ
うに書き表すことができる。 ci ={ai、ai-N} なお、送信時図1の並直列変換器103の出力Ci、即
ち図2のCi={Ai,Ai-N}が受信時図3の直並列変
換器303の入力ci={ai,ai-N}に対応するもの
とするが、送受信タイミングがずれてCi={Ai,A
i-N}が受信時のci={ai-N-1,ai}に対応すること
もありうる。ここでは、データ送受信に先立ち疑似ラン
ダムパターンなど特定のパターンを送受信して、Ci
{Ai,Ai-N}が受信時のci={ai,ai-N}に対応
するよう予め同期をとっておくものとして以下説明す
る。さて、今キャリアスリップが発生したとする。BP
SK変調を用いた場合の信号空間図においてキャリアの
安定点は原点について対称であるから、キャリアスリッ
プ発生以降の検波出力は全て符号が反転する。
【0075】キャリアスリップによる符号反転の様子を
図5を用いて説明する。図5は判定器302の出力デー
タ系列{ci}において、データa2 の受信時からキャ
リアスリップが発生したと仮定したときの、{ci}と
{ai}、{bi}の時間変化を示した図である。図中の
斜線部はデータが符号反転していることを示し、データ
記号上には ̄を附す。すなわち{ci}は以下のように
書き表せる。
【0076】
【数4】
【0077】このとき、直並列変換器出力{ai}、
{bi}は以下のように書き表せる。
【0078】
【数5】
【0079】データ系列{ai}は図3の遅延器304
においてNビット期間と等しい時間Tの遅延が与えられ
る。従って排他的論理和回路305の入力すなわち{a
i-N}と{bi}の遅延時間は送信側で与えられた遅延時
間を含めて双方ともTとなり、{ai-N}と{bi}は次
のように書き表せる。
【0080】
【数6】
【0081】すなわち、{ai}と{bi}を時間的にず
らして送受信を行なうことによりキャリアスリップによ
るデータの反転位置が、遅延時間Tに相当するNビット
だけずれることがわかる。図3の排他的論理和回路30
5では{ai-N}と{bi}の排他的論理和を計算して出
力する。すなわち排他的論理和回路305の出力を{E
i}とすれば、{Ei}は以下のように書き表せる。
【0082】
【数7】
【0083】排他的論理和回路305と加算器307の
動作を図6を用いて説明する。図6はキャリアスリップ
が発生した場合の{ai-N}、{bi}、{Ei}、並び
に加算器307の出力{Si}である。雑音による誤り
は無視しているので、キャリアスリップが発生しなけれ
ば{ai-N}と{bi}は同じデータ系列であるから{E
i}=0である。ところがキャリアスリップが発生する
とまず{bi}が反転し、遅延時間Tに相当するNビッ
ト後に{ai-N}が反転する。従って図6に示すように
{Ei}はNビット期間だけ1を出力する。排他的論理
和回路305の出力{Ei}はN段のシフトレジスタ3
06に入力され、加算器307においてNビット期間の
移動加算値が出力される。従ってシフトレジスタ306
にi番目の信号が入力した時の加算器307の出力Si
は次のように書き表せる。
【0084】
【数8】
【0085】すなわちSiは、N−1シンボル過去から
現時点までの{Ei}を加算した値となる。従ってSiに
顕著なピークが現れたならば、これをスリップの発生と
みなして同期検波出力を補償する。加算器307の出力
Siはピークサーチ回路308に入力される。ピークサ
ーチ回路308では、Siのピーク位置が推定される。
【0086】ピークサーチ回路308の動作を図7を用
いて説明する。図7はピークサーチ回路308のフロー
チャートの一例である。図7に示すように、ピークサー
チ回路308は、まず始めに加算器307の出力Siの
値域(0〜N)内にしきい値Thを設定し、Siの最大値
mの初期値をThとする。次に、加算器307の出力Si
としきい値Thを比較し(ステップS1)、Si≦Thな
らば、すなわちSiがしきい値Th以下ならばステップS
4に進む。ステップS4ではmが初期値Thのままであ
ればステップS5に進む。ステップS5では、次シンボ
ル入力時の加算器出力Si+1をSiに入れ換えて再びステ
ップS1に戻る。すなわちSi≦ThならばステップS1
→ステップS4→ステップS5→ステップS1のループ
で動作し
【0087】次にステップS1においてSi>Thなら
ば、すなわちSiがしきい値Thを越えたならばステップ
S2に進む。ステップS2ではSiと最大値mを比較
し、Si>mならば、すなわちSiが最大値mよりも大き
ければ、ステップS3に進んで最大値mにSiを入れ換
え、最大値を与えるim にiを入れ換えて、ステップS
5に進む。またステップS2においてSi≦mならば、
すなわちSiが最大値m以下ならば、ステップS5に進
む。ステップS5では、次シンボル入力時の加算器出力
i+1 をSiに入れ換えて再びステップS1に戻る。
【0088】すなわち一度加算器307の出力Siがし
きい値Thを越えて大きくなったならば、再びSi≦Th
となるまではステップS1→ステップS2→ステップS
5→ステップS1(Si>mの場合はステップS1→ス
テップS2→ステップS3→ステップS5→ステップS
1)のループで動作し、最大値検出を行なう。ステップ
S1においてSi≦Thになったならば、すなわち再び加
算器307の出力Siがしきい値Thよりも小さくなった
ならばステップS4に進み、最大値mがしきい値Thと
等しくなければそのときの最大値mを与えるimがピー
ク位置であると判定して終了する。
【0089】ピークサーチの結果Si=mとなる時点im
を、キャリアスリップ発生時点とする。図8はキャリア
スリップが発生した場合の加算器307の出力Siの時
間変化の一例と、この時のピーク位置推定の方法を説明
する図である。図8においてしきい値ThはNの70%
程度の値に予め設定してあり、加算器307の出力Si
がThを越えた太線部分で最大値検出を行ない、時刻im
をピーク時点と決定する。
【0090】図3のピークサーチ回路308から出力さ
れるキャリアスリップ検出信号は、t−フリップフロッ
プ309に入力される。t−フリップフロップ309の
出力はキャリアスリップ検出信号が入力される度に1、
0の値を交互に出力するスイッチ動作を行なう。t−フ
リップフロップ309からはキャリアスリップ検出器3
11の出力としてキャリアスリップ補償信号が出力され
る。キャリアスリップ補償信号は位相回転回路310に
入力されて、遅延回路301から出力される同期検波出
力を回転する。
【0091】位相回転回路310の動作を図9を用いて
説明する。図9は同期検波出力を示す信号空間図であ
る。位相回転回路310に入力される同期検波出力が実
線で示すベクトル(1)であるとすると、キャリアスリ
ップ補償信号が0のとき、すなわちキャリアスリップが
偶数回発生したためデータの符号が反転していない場合
は、実線のままのベクトル(1)を出力する。一方、キ
ャリアスリップ補償信号が1のとき、すなわちキャリア
スリップによってデータの符号が反転している場合は、
位相回転回路310は実線で示した同期検波出力と反対
向きの点線で示したベクトル(2)を出力する。
【0092】以上のことから、キャリアスリップが発生
して同期検波出力の符号が反転しても、位相回転回路3
10が同期検波出力の位相を再び180゜回転させるこ
とがわかる。すなわち、キャリアスリップによってデー
タの符号が反転しても、再びデータの符号が反転されて
受信データを補償することができる。
【0093】図1のキャリアスリップ補償回路107の
キャリアスリップ補償済みの出力は直並列変換器108
に入力され、{αi}、{βi}の2つのデータ系列に変
換(分離)される。なお、ここでは、データ送受信に先
立ち特定パターンを送受信して、送信時図1の並直列変
換器103の出力Ci、即ち図2のCi={Ai,Ai-N
が受信時直並列変換器108の出力ci={αi,βi
に対応するよう予め同期をとっておくものとする。{β
i}は{αi}に対して送信時にNビット期間と等しいT
の遅延を与えられているので、遅延器109で{αi
にNビット期間と等しいTの遅延を与えることによって
両方の系列の遅延量を等しくすることができる。合成回
路110は遅延量が等しくなった{αi-N}、{βi}を
合成する。
【0094】合成回路110の動作を図を用いて説明す
る。図10は等利得合成を行なう場合の合成回路110
の構成図である。図10において、1001はベクトル
加算器である。すなわちベクトル加算器1001によっ
て等利得合成を実現できる。合成回路110に入力され
た{αi-N}、{βi}は、ベクトル加算器1001に入
力され、等利得で加算されて合成回路110から出力さ
れる。
【0095】図1の合成回路110の出力は判定器11
1に入力され、判定器111は入力の同相成分Reによ
って以下の値を出力する。
【0096】
【数9】
【0097】判定値Dは復調器出力として音声復号器等
により復号され、音声、映像等のデータとして出力され
る。
【0098】以上の動作において、時間をずらした同一
データを送信し、受信側で遅延量を等しくして合成受信
を行なう時間ダイバーシチ方式を用いると共に、同期検
波におけるキャリアスリップを検出してデータの補償を
行なうので、ビット誤り率を低くできる。
【0099】実施の形態2.なお、上記実施の形態1で
はキャリアスリップ補償回路107における加算器30
7は段数Nのシフトレジスタ306の全てのタップの出
力を加算する構成としたが、これは必ずしも必要ではな
く、例えば図11(a)に示すようにシフトレジスタ3
06の後段に加算器1101と遅延時間が1データ期間
Dと等しい遅延器1102とからなる積分器を設け、シ
フトレジスタ306の入力Eiを積分器に加え、反対に
シフトレジスタ306の最後段の出力Ei-Nを減ずるこ
とで同様の動作を実現できる。すなわち、加算器110
1のi番目の出力をSiとすると、以下の関係が成立す
る Si=Si+1 +Ei−Ei-N この場合、加算する要素の数を少なくすることができる
ため簡単な回路で加算器を構成できる。
【0100】実施の形態3.また、別の加算器307の
構成例として、例えば図11(b)に示すようにアップ
ダウンカウンタ1103を用い、EiとEi-Nの排他的論
理和をアップダウンカウンタ1103のイネーブル信号
Eとし、Eiをアップダウン信号U/Dとして用いる構
成でも実施の形態1と同様の動作を実現できる。
【0101】この場合の動作を説明する。シフトレジス
タ306の入力は0か1のどちらかであるから、Eiと
i-Nの組合せは以下の4通りであり、それぞれに対し
てEiとEi-Nの排他的論理和Exも以下のように書き表
せる。
【0102】
【数10】
【0103】Ei=Ei-Nとなる場合、加算値は変化しな
いので加算出力は変わらない。この場合Ex=0、すな
わちアップダウンカウンタ1103のイネーブル信号E
=0となるので出力は変化しない。またEi≠Ei-Nとな
る場合はEx=1、すなわちアップダウンカウンタ11
03のイネーブル信号E=1となり、Ei=1ならばア
ップダウン信号U/D=1となってカウンタはカウント
アップし、Ei=0ならばアップダウン信号U/D=0
となってカウンタはカウントダウンする。すなわちアッ
プダウンカウンタ1103のi番目の出力をSiとすれ
ば以下の関係が成り立つ。
【0104】
【数11】
【0105】これにより実施の形態1における加算器3
07と同様の動作を実現できる。またこの場合、加算す
る要素の数を少なくすることができるため簡単な回路で
構成できる。
【0106】実施の形態4.また、上記実施の形態1で
はキャリアスリップ補償回路107におけるピークサー
チ回路308は単純な最大値検出を行なう構成とした
が、これは必ずしも最大値検出である必要はなく、例え
ば図12に示すようなフローチャートで行なってもよ
い。
【0107】図12に示したフローチャートの動作を説
明する。図12に示したように、ピークサーチ回路30
8はステップS1〜ステップS5の動作で実現される。
まず始めに加算器307の出力Siの値域(0〜N)内
にしきい値Thを設定し、カウンタの初期値Nc=0と
する。次にステップS1において、カウント値Nc=0
ならばステップS2に進む。ステップS2では加算器3
07の出力Siとしきい値Thを比較し、Si≦Thならば
ステップS5に進み、ステップS5では次シンボル入力
時の加算器出力Si+1 をSiに入れ換えて再びステップ
S1に戻る。すなわちSi≦ThならばステップS1→ス
テップS2→ステップS5→ステップS1のループで動
作し、iが増えてもカウント値Ncは0のままである。
【0108】次に、ステップS2においてSi>Thにな
ったならば、すなわち加算器307の出力Siがしきい
値Thを越えたならばステップS3に進み、Ncを1だ
け増やしてステップS4に進む。ステップS4では加算
器307の出力Siとしきい値Thを比較し、Si>Thな
らばステップS5に進み、次シンボル入力時の加算器出
力Si+1 をSiに入れ換えて再びステップS1に戻る。
このときNc≠0であるからステップS1からステップ
S3に進み、Ncを1だけ増やして再びステップS4に
進む。
【0109】すなわち一度加算器307の出力Siがし
きい値Thを越えて大きくなったならば、再びSi≦Th
となるまではステップS1→ステップS3→ステップS
4→ステップS5→ステップS1のループで動作し、i
が1だけ増えるとNcも1だけ増える。ステップS4に
おいてSi≦Thになったならば、すなわち再び加算器3
07の出力Siがしきい値Th以下になったならば、その
ときのカウント値Nmの半分、すなわちNm/2シンボル
前がピーク位置であるとして終了する。つまり加算器3
07の出力Siがしきい値Thよりも大きい期間の中間点
をピーク位置であるとする。
【0110】図13はキャリアスリップが発生した場合
の加算器307の出力の時間変化の一例と、この時のピ
ーク位置推定の方法を説明する図である。図13におい
て、雑音による誤りが多いためSiのピークは歪んでし
まい、最大値検出ではピーク位置の正確な推定は困難で
ある。しきい値ThはNの半分の値に設定してあり、Si
がThを越えて大きくなった時点から再び小さくなる時
点までカウンタをカウントアップする。このときピーク
位置は最終的なカウント値Nmの半分、すなわちNm/2
を与える時点is であると推定してキャリアスリップ検
出信号を出力する。この場合、最大値検出に比べて正確
なピークサーチを行なうことができる。
【0111】実施の形態5.また、上記実施の形態1で
は合成回路110は等利得合成を行なう構成としたが、
これは必ずしも等利得合成である必要はなく、例えば最
大比合成でもよい。図14に最大比合成の場合の合成回
路110の構成例を示す。図14において、1401、
1402は絶対値検出器、1403、1404は乗算
器、1405はベクトル加算器である。合成回路110
に入力された{αi-N}、{βi}は、それぞれ絶対値検
出器1401、1402に入力されて絶対値|αi-N|、|
βi|が検出される。検出された|αi-N|、|βi|はそれぞ
れ乗算器1403、1404で{αi-N}、{βi}にか
けられてSN比に応じた重付けをされた後、ベクトル加
算器1405に入力され、加算されて判定器111に入
力される。
【0112】図15はベクトル加算の例を示すもので図
において、|αi-N|=2、|βi|=1とすると、ベクトル
加算器1405の入力は{βi}が1倍であるのに対し
て、{αi-N}が太線で示したように2倍される。すな
わち振幅が大きい信号には重みを加え、振幅が小さな信
号の重みを軽んじてからベクトル加算器1405で加算
して加算出力が得られる。以上のように合成回路110
を最大比合成とすることで、等利得合成に比べて大きな
ダイバーシチ効果が得られる。
【0113】実施の形態6.また、別の合成回路110
の構成例として、例えば選択合成の場合の復調部の構成
図を図16に示す。図16において、1601は選択信
号生成回路、1602は合成回路である。なお図1と同
一または相当部分については同一符号を付してその説明
は省略する。また、図16のキャリアスリップ補償回路
107の詳細は図3と同一で説明を省略する。
【0114】選択信号生成回路1601と合成回路16
02の動作について説明する。図17は選択信号生成回
路1601の構成図である。図17において、1701
は受信レベル検出器、1702は遅延時間がNビットの
データ期間Tと等しい遅延器、1703は比較器であ
る。受信信号は選択信号生成回路1601に入力される
と受信レベル検出器1701で受信レベルが検出され
る。検出された受信レベルは2つに分けられ、一方は遅
延器1702でNビットのデータ期間Tと等しい遅延を
与えられた後、比較器1703のA入力に入力される。
またもう一方は遅延されずに比較器1703のB入力に
入力される。比較器1703では入力レベルの大きい方
を示す選択信号Coを出力する。すなわち、比較器17
03出力の選択信号Coは、A、Bの大小関係によって
次のような値となる。
【0115】
【数12】
【0116】比較器1703の出力すなわち選択信号
は、合成回路1602に入力される。図18は合成回路
1602の構成図である。図18において、1801は
選択器である。すなわち選択合成を行なう場合の合成回
路は、選択器1801を用いて実現できる。選択器18
01は選択信号が0ならば{αi-N}を、1ならば
{βi }を図16の判定器111に出力する。すなわ
ち、遅延された系の方の受信レベルが大きい場合は遅延
された系のデータを出力し、遅延されていない系の方の
受信レベルが大きい場合は遅延されていない系のデータ
を出力することで、選択合成を行うことができる。
【0117】以上のように合成回路110を選択合成と
することで、等利得合成に比べて簡単な回路構成とする
ことができる。
【0118】実施の形態7.なお、上記実施の形態6で
は図16に示したように、選択合成の後に合成出力の同
相成分に基づいてデータが0か1かの判定を判定器11
1が行なう構成としたが、判定器111の位置は必ずし
も選択合成後である必要はなく、例えば図19(a)に
示す受信機のように同期検波回路の後に判定器111を
用いてデータ判定を行なってもよい。
【0119】この場合のキャリアスリップ補償回路10
7の構成例を図19(b)に示す。図19(a)に示し
たように、選択合成を行なって、かつ判定器111をキ
ャリアスリップ補償回路107の前置とすることによっ
て、図19(b)のキャリアスリップ補償回路107に
おける判定器302(実施の形態6の図16のキャリア
スリップ補償回路107の詳細を示す図3の判定器30
2)を省略することが可能であり、素子の数を減らすこ
とができる。
【0120】実施の形態8 .本実施の形態は畳込み符
号化を行ってからBPSK変調をするものである。図2
0は本実施の形態における通信システムの構成を示す構
成図であり、図において、2001は畳込み符号器、2
002、2003、2007及び2008は遅延時間が
Mビットのデータ期間Γと等しい遅延器、2004は並
直列変換器で、時間をずらせた同一デ−タを多重する。
2005はキャリアスリップ補償回路、2006は直並
列変換器で、多重化された信号を分離する。2009及
び2010は合成回路、2011はビタビ復号器であ
る。また、図1と同一または相当部分については同一符
号を付してその説明は省略する。
【0121】次に動作について説明する。実施の形態1
と同様に、音声、映像等のデータは音声符号器等により
ディジタル信号に変換され、送信すべきデータ系列とな
る。送信すべきデータ系列は変調部101に入力されて
符号化率R=1/2の畳込み符号器2001で畳込み符号化
される。畳込み符号器2001の出力である2つのデー
タ系列は、さらにそれぞれ2つに分けられ、一方はその
まま並直列変換器2004へ入力される。またもう一方
は遅延時間がMビットのデータ期間τと等しい遅延器2
002及び2003で時間τの遅延を与えられた後に並
直列変換器2004へ入力される。並直列変換器200
4は4つの並列な入力データ系列を、入力データ系列の
4倍のデータレートの直列のデータ系列に変換(多重)
して出力する。
【0122】並直列変換器2004のデータ変換の様子
を図を用いて説明する。図21は畳込み符号化されたデ
ータ系列{Ai}及び{Bi}と、{Ai}及び{Bi}に
遅延器2002及び2003による遅延時間τに相当す
るMビットの遅延を与えたデータ系列{Ai■}及び
{Bi■}と、並直列変換器2004の出力{Γi}の時
間変化を示した図である。図21から、{Ai}と{Ai
■}及び{Bi}と{Bi■}の関係はそれぞれ次式のよ
うに書き表せる。 Ai■=Ai-M Bi■=Bi-M また並直列変換器2004の出力{Γi}は、{Ai}、
{Ai■}、{Bi}、{Bi■}によって次のように書
き表せる。 Γi ={Γi,1、Γi,2、Γi,3、Γi,4} ={Ai、Ai■、Bi、Bi■}={Ai、Ai-M、Bi、
i-M
【0123】図20の並直列変換器2004の出力はB
PSK変調器104でBPSK変調され、高周波増幅器
等で電力増幅された後に送信される(図示せず)。送信
された電波は受信機で受信され、高周波増幅器等で電力
増幅された後(図示せず)、復調部105に入力されて
同期検波回路106で同期検波される。同期検波回路1
06の出力はキャリアスリップ補償回路2005に入力
されてキャリアスリップの補償が行なわれる。
【0124】キャリアスリップ補償回路2005の動作
を図を用いて説明する。図22はキャリアスリップ補償
回路2005の構成例を示す図である。図22において
2201は直並列変換回路で、多重化された信号を分離
する。2202及び2203は遅延時間がMビットのデ
ータ期間τと等しい遅延回路、2204及び2205は
排他的論理和回路、2206及び2207はシフトレジ
スタ、2208はピークサーチ回路である。また、図3
と同一または相当部分については同一符号を付してその
説明は省略する。
【0125】同期検波回路106の出力はキャリアスリ
ップ補償回路2005に入力されると2つに分けられ、
一方は遅延回路301により所定の遅延を与えられて、
位相回転回路310に入力される。またもう一方はキャ
リアスリップ検出回路311の判定器302に入力され
る。判定器302は同期検波出力ベクトルの符号が1か
0か判定する。すなわち判定器302は同期検波出力ベ
クトルの同相成分reによって以下の値を出力する。
【0126】
【数13】
【0127】判定器302の出力データ系列{γi}は
直並列変換器2201に入力されて、入力データ系列の
1/4のデータレートの4つのデータ系列に変換(分
離)される。なお、ここでは、データ送受信に先立ち特
定パターンを送受信して、送信時図20の並直列変換器
2004の出力Γi、即ち図21のΓi={Ai、A
i’、Bi、Bi’}が受信時直並列変換器2201の
出力γi={ai、ai’、bi、bi’}に対応するよう
予め同期をとっておくものとする。直並列変換器220
1の出力のうち、送信側でMビットのデータ期間と等し
い遅延τを与えられたデータ系列はそのまま排他的論理
和回路2204及び2205に入力され、また直並列変
換器2201の出力のうち、送信側でMビットのデータ
期間と等しい遅延τを与えられていないデータ系列は遅
延器2202及び2203に入力され、Mビットのデー
タ期間τと等しい遅延を与えられて排他的論理和回路2
204及び2205に入力される。
【0128】直並列変換器2201のデータ変換の様子
を図を用いて説明する。図23は判定器302の出力デ
ータ系列{γi}と、直並列変換器2201の出力のう
ち送信側で遅延を与えられていないデータ系列{ai
及び{bi}と、送信側で遅延器2002及び2003
によってMビットのデータ期間と等しい遅延τを与えら
れたデータ系列{ai■}及び{bi■}の時間変化を示
した図である。図23にも示すように、{γi}と
{ai}、{ai■}、{bi}、{bi■}の関係は次式
のように書き表せる。 γi ={γi,1、γi,2、γi,3、γi,4} ={ai、 ai■、 bi、 bi■}
【0129】また、キャリアスリップの影響のみを考え
るために雑音による誤りを無視すると、{ai■}及び
{bi■}はそれぞれ{ai}及び{bi}に対して送信
時にMビットのデータ期間と等しいτの遅延を与えられ
ているので、時間τあたりのビット数Mを用いて
{ai}と{ai■}及び{bi}と{bi■}の関係は次
のように書き表せる。 ai■=ai-Mi■=bi-M これらことから、{γi}は{ai}、{bi}を用いて
以下のように書き表すことができる。 γi ={ai、ai■、 bi、bi■} ={ai、ai-M、bi、bi-M} さて、今キャリアスリップが発生したとする。BPSK
変調を用いた場合の信号空間図におけるキャリアの安定
点は原点について対称であるから、キャリアスリップ発
生以降の検波出力は全て符号が反転する。
【0130】キャリアスリップによる符号反転を図を用
いて説明する。図24は判定器302の出力データ系列
{γi}において、データa2の受信時からキャリアスリ
ップが発生したと仮定したときの、{γi}と{ai}、
{ai■}及び{bi}、{bi■}の時間変化を示した
図である。図中の斜線部は符号が反転していることを示
し、データ記号上には ̄を示す。すなわち{γi}は以
下のように書き表せる。
【0131】
【数14】
【0132】このとき、直並列変換器2201の出力
{ai}、{ai■}、{bi}、{b■}は以下のよ
うに書き表せる。
【0133】
【数15】
【0134】データ系列{a}は遅延器2202にお
いて、またデータ系列{bi}は遅延器2203におい
てそれぞれMビットのデータ期間と等しいτの遅延が与
えられる。従って排他的論理和回路2204及び220
5の入力すなわち{ai-M}と{ai■}、並びに{b
i-M}と{bi■}の遅延量はともにMビットのデータ期
間τと等しくなって、次のように書き表せる。
【0135】
【数16】
【0136】すなわち、{ai}と{ai■}、及び{b
i}と{bi■}をそれぞれ時間的にずらして送受信を行
なうことによりキャリアスリップによるデータの反転位
置が、遅延時間τに相当するMビットだけずれることが
わかる。排他的論理和回路2204及び2205では
{ai-M}と{ai■}、及び{bi-M}と{bi■}の排
他的論理和を計算して出力する。すなわち排他的論理和
回路2204及び2205の出力を{Eai}、{Ebi
とすれば、{Eai}、{Ebi}は以下のように書き表せ
る。
【0137】
【数17】
【0138】排他的論理和回路2204及び2205と
加算器307の動作を図を用いて説明する。図25はキ
ャリアスリップが発生した場合の{ai-M}と{a
i■}、{bi-M}と{bi■}、{Eai}と{Ebi}、
並びに加算器307の出力{Si}である。雑音による
誤りは無視しているので、キャリアスリップが発生しな
ければ{ai-M}と{ai■}及び{bi-M}と{bi■}
は同じデータ系列であるから{Eai}={Ebi}=0で
ある。ところがキャリアスリップが発生するとまず{a
i■}、{bi■}が反転し、遅延時間Tに相当するMビ
ット後に{ai-M}、{bi-M}が反転する。従って図2
5に示すように{Eai}と{Ebi}はMビット期間だけ
1を出力する。排他的論理和回路2204及び2205
の出力{Eai}及び{Ebi}はそれぞれM段のシフトレ
ジスタ2206及び2207に入力され、加算器307
においてそれぞれのMビット期間の移動加算値が出力さ
れる。従ってシフトレジスタ2206及び2207にi
番目の信号が入力したときの加算器307の出力Siは
次のように書き表せる。
【0139】
【数18】
【0140】すなわちSiは、M−1シンボル過去から
現時点までの{Eai}と{Ebi}を加算した値となる。
従ってSiに顕著なピークが現れたならば、これをスリ
ップの発生とみなして同期検波出力を補償する。加算器
307の出力Siはピークサーチ回路2208に入力さ
れる。ピークサーチ回路2208では、Siのピーク位
置が推定され、キャリアスリップ検出信号が出力され
る。なお、キャリアスリップ補償回路における加算器
を、移動加算器で構成、積分器で構成、シフトレジスタ
と加算器と遅延器で構成、またはシフトレジスタと排他
的論理和回路とアップダウンカウンタで構成してもよ
い。また、キャリアスリップ補償回路におけるピークサ
ーチ回路を、加算器出力が予め設定したしきい値を横切
るタイミングから求めてもよい。
【0141】ピークサーチ回路2208から出力される
キャリアスリップ検出信号は、t−フリップフロップ3
09に入力される。t−フリップフロップ309の出力
はキャリアスリップ検出信号が入力される度に1、0の
値を交互に出力するスイッチ動作を行なう。t−フリッ
プフロップ309からはキャリアスリップ検出器311
の出力としてキャリアスリップ補償信号が出力される。
キャリアスリップ補償信号は位相回転回路310に入力
されて、遅延回路301から出力される同期検波出力を
反転する。
【0142】以上のことから、キャリアスリップが発生
して同期検波出力の符号が反転しても、位相回転回路3
10が同期検波出力の位相を再び回転させることがわか
る。すなわち、キャリアスリップによってデータの符号
が反転しても、再びデータの符号が反転されて受信デー
タを補償することができる。
【0143】キャリアスリップ補償回路2005のキャ
リアスリップ補償済みの出力は直並列変換器2006に
入力され、{αi}、{αi■}、{βi}、{βi■}の
4つのデータ系列に変換(分離)される。なお、ここで
は、データ送受信に先立ち特定パターンを送受信して、
送信時図20の並直列変換器2004の出力Γi、即ち
図21のΓi={Ai、Ai’、Bi、Bi’}が受信
時直並列変換器2206の出力γi={αi、αi■、β
i、βi■}に対応するよう予め同期をとっておくものと
する。{αi■}は{αi}、{βi■}は{βi}に対し
て送信時にMビット期間と等しいτの遅延を与えられて
いるので、遅延器2007及び2008で{αi}、
{βi}にMビット期間と等しいτの遅延を与えること
によって両方の系列の遅延量を等しくすることができ
る。合成回路2009及び2010は、遅延量が等しく
なった{αi-M}と{αi■}、及び{βi-M}と{β
i■}をそれぞれ合成する。合成回路2009及び20
10の出力はビタビ復号器2011に入力され、最尤復
号が行なわれる。ここでビタビ復号器は、畳込み符号に
対する最尤復号器として動作する。ビタビ復号器201
1の出力すなわち復調器出力は音声復号器等により復号
され、音声、映像等のデータとして出力される。
【0144】以上の動作において、時間をずらした同一
データを送信し、受信側で遅延量を等しくして合成受信
を行なう時間ダイバーシチ技術の特徴を利用すること
で、同期検波におけるキャリアスリップを検出してデー
タの補償を行ない、これによってビット誤り率の低い良
好な通信が可能となる。さらに送信機で畳込み符号化、
受信機でビタビ復号を行なう構成とすることで、同一の
Eb/N0における誤り率を低下させることができるとい
う利点を有する。
【0145】図26に、畳込み符号化を行なった場合と
行なわない場合のビット誤り率を示す。図26において
横軸はEb/N0、縦軸はビット誤り率である。図中の曲
線(1)は、BPSK変調方式を使用したときの理論ビ
ット誤り率Pe=1/2erfc(Eb/N0)1/2である。また曲線
(2)は、BPSK変調方式に加えて拘束長K=7の畳
込み符号を使用したときのビット誤り率の上界を計算機
で求めた結果である。(1)に比べて(2)は、非常に
良好なビット誤り率を示すことがわかる。なお、図20
の合成回路2009および合成回路2010は実施の形
態1の等化利得合成、実施の形態5の最大比合成または
実施の形態6の選択合成のいずれかで構成してもよい。
【0146】実施の形態9.なお、上記実施の形態8で
は、図20に示したように畳込み符号器2001の符号
化率Rを1/2としたが、これは必ずしも1/2である必要は
ない。例えば符号化率を高めるために畳込み符号化ビッ
トの一部を周期的に消去することによって得られるビタ
ビ復号用パンクチャド符号を行なってRを3/4にしても
よい。あるいは図27に示したように誤り訂正能力を上
げるために符号化率Rを1/4としてもよい。R=1/4の場
合、図27に示したように、図20における並直列変換
器2004に相当する並直列変換器は入力が8つあるの
で、出力は入力データ系列の8倍のデータレートとな
り、また直並列変換器2006に相当する直並列変換器
の出力のデータレートは入力データ系列の1/8のデー
タレートとなる。
【0147】実施の形態10.また、上記実施の形態8
では、図20に示したように送信機及び受信機で与える
遅延をMビットのデータ期間に等しい時間τとしたが、
これは必ずしもτである必要はなく、変調部101で与
える遅延と復調部105で与える遅延の和が各デ−タ系
列で互いに等しくすることでもよい。例えば図28に示
すように4つのデータ系列に対して0、τ、2τ、3τ
の遅延を変調部101で与え、復調部105で与える遅
延を3τ、2τ、τ、0として遅延量を等しくしてもよ
い。
【0148】また、例えば4つのデータ系列に対して与
える遅延量を図29に示すように変調部101で0、2
τ、τ、3τとし、復調部105で3τ、τ、2τ、0
としてもよい。この場合、同一のデータ系列間の遅延量
はそれぞれ2τとなるため、フェージング等の影響によ
る受信信号レベルの変動が緩慢な場合は、遅延量がτの
場合と比べて時間ダイバーシチによる改善効果が大き
い。なお、データ系列が4つとして説明したがこれに限
るものではない。
【0149】実施の形態11.本実施の形態はビット誤
り率を改善するため差動符号化してから実施の形態8の
畳込み符号化するものである。図30は本実施の形態に
おける通信システムの構成を示す構成図であり、図にお
いて、3001は差動符号器、3002は符号反転に対
してトランスペアレントな畳込み符号器、3003は差
動復号器である。また、図20と同一または相当部分に
ついては同一符号を付してその説明は省略する。
【0150】次に動作について説明する。実施の形態9
と同様に、音声、映像等のデータは音声符号器等により
ディジタル信号に変換され、送信すべきデータ系列とな
る。送信すべきデータ系列は差動符号器3001で差動
符号化された後、符号化率R=1/2の、符号反転に対して
トランスペアレントな畳込み符号器3002で畳込み符
号化される。符号反転に対してトランスペアレントな畳
込み符号とは、符号器入力系列が反転すると符号器出力
系列も反転するような畳込み符号のことである。
【0151】符号反転に対してトランスペアレントな畳
込み符号を図を用いて説明する。図31は符号化率R=1/
2、拘束長K=7の、符号反転に対してトランスペアレント
な畳込み符号器の構成例であり、3101は段数7のシ
フトレジスタ、3102及び3103は2を法とする加
算器である。図31において、例えば畳込み符号器にお
けるシフトレジスタ3101の状態D={1、1、0、1、0、0、
1}である場合、畳込み符号器出力(P、Q)=(0、1)と
なるが、これに対してDが反転した状態{0、0、1、0、1、1、
0}の場合は(P、Q)=(1、0)となって出力も反転す
る。すなわち符号器入力系列が反転すると符号器出力系
列も反転する。
【0152】図30の畳込み符号器3002の出力であ
る2つのデータ系列は、さらにそれぞれ2つに分けら
れ、一方はそのまま並直列変換器2004へ入力され
る。またもう一方は遅延時間がMビットのデータ期間τ
と等しい遅延器2002及び2003で時間τの遅延を
与えられた後に並直列変換器2004へ入力される。並
直列変換器2004は4つの並列な入力データ系列を、
入力データ系列の4倍のデータレートの直列のデータ系
列に変換(多重)して出力する。
【0153】並直列変換器2004の出力はBPSK変
調器104でBPSK変調され、変調信号は高周波増幅
器等で電力増幅された後に送信される(図示せず)。送
信された電波は受信機で受信され、高周波増幅器等で電
力増幅された後(図示せず)、復調部105に入力され
て同期検波回路106で同期検波される。同期検波回路
106の出力はキャリアスリップ補償回路2005に入
力されてキャリアスリップの補償が行なわれる。
【0154】キャリアスリップ補償回路2005の出力
は直並列変換器2006に入力され、{αi}、{α
i■}、{βi}、{βi■}の4つのデータ系列に変換
(分離)される。{αi■}は{αi}、{βi■}は
{βi}に対して送信時にMビット期間と等しいτの遅
延を与えられているので、遅延器2007及び2008
で{αi}、{βi}にMビット期間と等しいτの遅延を
与えることによって両方の系列の遅延量を等しくするこ
とができる。合成回路2009及び2010は、遅延量
が等しくなった{αi-M}と{αi■}、及び{βi-M
と{βi■}をそれぞれ合成する。合成回路2009及
び2010の出力は畳込み符号に対する最尤復号器であ
るビタビ復号器2011に入力され、最尤復号が行なわ
れる。
【0155】ここでビタビ復号系列について説明する。
上述のように畳込み符号器は符号反転に対してトランス
ペアレントであるから、入力送信差動符号化系列の符号
が反転した場合、畳込み符号化系列も反転し、入力送信
差動符号化系列と畳込み符号化系列は1対1に対応す
る。ところで、雑音による誤りを無視すれば入力送信差
動符号化系列と復号系列は同一となるので、キャリアス
リップの発生により畳込み符号化系列の符号が反転した
場合、復号データ系列の符号も反転する。従って、入力
データ系列に差動符号化を施し、さらに復号データ系列
に対して差動復号を行なえば、キャリアスリップ補償回
路だけではビット誤り率特性の劣化を充分に抑制できな
い場合であっても、回線のビット誤り率を劣化させるこ
となく正しい復調器出力が得られる。
【0156】ビタビ復号器2011の出力は差動復号器
3003に入力され、差動復号が行なわれて復調器出力
が得られる。復調器出力は音声復号器等により復号さ
れ、音声、映像等のデータとして出力される。
【0157】以上の動作において、時間をずらした同一
データを送信し、受信側で遅延量を等しくして合成受信
を行なう時間ダイバーシチ技術の特徴を利用すること
で、同期検波におけるキャリアスリップを検出してデー
タの補償を行ない、これによってビット誤り率の低い良
好な通信が可能となる。さらに畳込み符号として符号反
転に対してトランスペアレントな畳込み符号を用い、送
信機で差動符号化の後に畳込み符号化を行ない、かつ受
信機でビタビ復号の後に差動復号を行なう構成とするこ
とで、例えば受信SN比が極めて低く、キャリアスリッ
プ発生頻度が高いために、あるいはキャリアスリップ発
生間隔が短いためにキャリアスリップ補償回路だけでは
ビット誤り率特性の劣化を充分に抑制できない場合であ
っても、回線のビット誤り率を劣化させることなく正し
い復調器出力が得られ、同一のEb/Noにおける誤り
率を低下させることができるという利点を有する。
【0158】キャリアスリップ発生頻度が高い場合の誤
りの様子を図を用いて説明する。図32(a)は畳込み
符号化の前とビタビ復号の後に差動符号化・差動復号を
行なわない場合、また図32(b)は畳込み符号化の前
とビタビ復号の後に差動符号化・差動復号を行なった場
合の誤りの様子である。図32(a)において、送信側
で差動符号化を行なわない送信データ系列を{Sa}と
する。この時の受信データ系列{Ra}における誤り
は、一般に斜線部で示したようにバースト的となること
が知られている。キャリアスリップ発生頻度が高いた
め、{Ra}におけるバースト誤りは頻繁に発生する
が、差動符号化・差動復号を行なわない場合は{Ra}
が復調器出力となるため{Ca}に示したように誤り率
が劣化する。一方畳込み符号化の前とビタビ復号の後に
差動符号化・差動復号方式を用いた場合は図32(b)
のようになる。すなわち送信データ系列{Sa}に差動
符号化を施した系列を{Sd}とする。この時の受信デ
ータ系列{Rd}は図32(b)に示したように{Sd}
と比較してバースト的に誤るが、{Rd}をさらに差動
復号すれば復調データは{Rd■}となり、{Cd}に示
したように誤りを軽減することができる。
【0159】図33に畳込み符号化の前とビタビ復号の
後に差動符号化・差動復号を行なった場合と行なわなか
った場合のビット誤り率を示す。図33において横軸は
Eb/N0、縦軸はビット誤り率である。畳込み符号化の
前とビタビ復号の後に差動符号化・差動復号を行なわな
かった場合を曲線(1)に、また行なった場合を曲線
(2)に示す。(1)に比べて(2)は良好なビット誤
り率を示すことがわかる。
【0160】実施の形態12.本実施の形態は実施の形
態8および実施の形態10の他の例として、BPSK変
調を行った後、スペクトル拡散して送信し、逆拡散して
受信し同期検波しようとするものである。次に、図を用
いて本実施の形態について説明する。図34は実施の形
態8の他の例を示す図で、実施の形態8の図20に拡散
回路3401と逆拡散回路3402を付加したものであ
る。また、図20と同一または相当部分については同一
符号を付してその説明は省略する。また、図35は実施
の形態10の他の例示す図で、実施の形態10の図30
に拡散回路3401と逆拡散回路3402を付加したも
のである。また、図30と同一または相当部分について
は同一符号を付してその説明は省略する。
【0161】次に、BPSK変調までの動作は省略し、
BPSK変調後の動作について説明する。図34および
図35において並直列変換器2004の出力はBPSK
変調器104でBPSK変調され拡散回路3401へ入
力されてスペクトル拡散が行なわれる。
【0162】拡散回路3401の動作を図を用いて説明
する。図36は拡散回路3401の構成例を示す図であ
り、図36において3501はPN系列発生器、350
2は乗算器である。拡散回路3401に入力された変調
信号は、乗算器3502に入力される。乗算器3502
では、PN系列発生器3501から出力される変調デー
タレートよりも高いレートのPN系列が直列データ系列
に掛けられてスペクトル拡散信号が出力される。
【0163】図37は1.信号波形に(a)BPSK変
調信号、(b)PN系列および(c)スペクトル拡散信
号の信号波形を示し、2.スペクトル形状に(a)BP
SK変調信号と(c)スペクトル拡散信号のスペクトル
形状を示した図である。図37において(a)に示す狭
帯域スペクトルを持つBPSK変調信号は、(b)に示
す変調データレートよりも高いレートのPN系列と掛け
あわされて、(c)に示すスペクトル拡散信号に変換さ
れる。図37に示すように、スペクトル拡散信号はBP
SK変調信号と比べて広帯域の信号となる。
【0164】図34および図35の拡散回路3401か
ら出力されるスペクトル拡散信号は、高周波増幅器等で
電力増幅された後に送信される(図示せず)。送信され
た電波は受信機で受信され、高周波増幅器等で電力増幅
された後(図示せず)、復調部105に入力され、逆拡
散回路3402へ入力されてスペクトルの逆拡散が行な
われる。
【0165】逆拡散回路の動作を図を用いて説明する。
図38は逆拡散回路の構成例を示す図であり、図38に
おいて3701はPN系列発生器、3702は乗算器、
3703は時間弁別制御回路である。逆拡散回路340
2に入力された受信拡散信号は、時間弁別回路3703
に入力され、PN系列発生器3701から出力されるP
N系列が送信機のPN系列と同期するようにPN系列発
生器3701を制御する。また受信拡散信号は乗算器3
702に入力され、乗算器3702でPN系列発生器3
701から出力される送信機と同期したPN系列が掛け
あわされてBPSK変調信号が出力される。
【0166】図39は、1.信号波形に(a)受信拡散
信号、(b)送信機と同期したPN系列および(c)B
PSK変調信号の波形を示し、2.スペクトル形状に
(a)受信拡散信号と(c)BPSK変調信号のスペク
トル形状を示した図である。図39において(a)に示
す受信拡散信号は、広帯域の希望波以外に狭帯域の他局
からの妨害波が混入しているものとする。この受信拡散
信号に、(b)のような送信機と同期したPN系列を掛
けあわせることで相関受信を行ない、(c)に示す狭帯
域スペクトルを持つBPSK変調信号を得ることができ
る。このとき他局からの妨害波は送信側で拡散されてい
ないために相関受信されず、スペクトル拡散されて
(c)に示すように低レベルの信号に変換される。すな
わち送信側でスペクトル拡散を行ない、受信側で逆拡散
を行なうスペクトル拡散システムとすることで、他局か
らの妨害による影響を軽減できる。
【0167】図34または図35の逆拡散回路3402
から出力されるBPSK変調信号は、同期検波回路10
6で同期検波される。同期検波回路106の出力はキャ
リアスリップ補償回路2005に入力されてキャリアス
リップの補償が行なわれる。他の動作は図20または図
30と同様である。
【0168】以上の動作において、時間をずらした同一
データを送信し、受信側で遅延量を等しくして合成受信
を行なう時間ダイバーシチ技術の特徴を利用すること
で、同期検波におけるキャリアスリップを検出してデー
タの補償を行ない、これによってビット誤り率の低い良
好な通信が可能となる。さらに送信機で畳込み符号化、
受信機でビタビ復号を行なう構成または、送信機で差動
符号化と畳込み符号化を、受信機でビタビ復号と差動復
号化を行なう構成とすることで、同一のEb/No におけ
る誤り率を低下させることができるという利点を有す
る。また、送信時及び受信時に、それぞれスペクトルの
拡散及び逆拡散を行ない、スペクトル拡散通信システム
とすることで、干渉や妨害に強く、また秘匿性に優れた
通信システムを提供することが可能となる。
【0169】なお、上記例においては送信機でBPSK
変調を行なった後にスペクトル拡散を行ない、受信機で
逆拡散を行なった後に同期検波を行なう構成としたが、
これは必ずしもこの順番である必要はなく、スペクトル
拡散を行なった後にBPSK変調を行ない、同期検波を
行なった後に逆拡散を行なう構成としてもよい。
【0170】実施の形態13.これまで、すべての実施
の形態では図1に示したように、同期検波回路とキャリ
アスリップ補償回路の構成は同期検波回路が同期検波を
行ったあとキャリアスリップ補償回路がキャリアスリッ
プ補償を行う構成としたが、本実施の形態ではキャリア
スリップ補償信号を同期検波回路にフィードバックをか
ける構成とするものである。
【0171】本実施の形態における送信機の変調部は実
施の形態1と同様で説明を省略する。構成図40(a)
は本実施の形態における受信機の構成を示す構成図であ
り、5101は同期検波回路、5107はキャリアスリ
ップ補償回路である。他は実施の形態1と同様で説明を
省略する。
【0172】次に動作について説明する。送信機からの
電波は受信機で受信され、高周波増幅器等で電力増幅さ
れた後(図示せず)、復調部105に入力されて同期検
波回路5101で同期検波される。
【0173】同期検波回路5101の構成図を図41に
示す。同期検波回路5101は、従来の技術において図
44に示した搬送波再生回路4102の出力に、位相回
転回路5201を付加したものである。図41におい
て、搬送波再生回路4102の出力である再生搬送波
は、位相回転回路5201に入力されて位相が回転さ
れ、乗算器4101で受信信号を同期検波する。
【0174】同期検波回路5101の出力はキャリアス
リップ補償回路5107に入力されてキャリアスリップ
の補償が行なわれる。図40(b)はキャリアスリップ
補償回路5107の構成例であり、実施の形態1(図
3)に示す構成と同じであるが、キャリアスリップ補償
回路5107の出力は同期検波回路5101に接続され
ている点が異なる。
【0175】キャリアスリップ補償信号は図41に示す
同期検波回路5101の位相回転回路5201に入力さ
れて搬送波位相を回転する。即ち、キャリアスリップ補
償信号が0のときは、キャリアスリップが偶数回発生し
たためデータの符号が反転していないとして搬送波位相
を回転しない。一方、キャリアスリップ補償信号が1の
ときは、キャリアスリップによってデータの符号が反転
しているとして、位相回転回路5201は搬送波位相を
180度回転する。これによってキャリアスリップの影
響を補償することができる。
【0176】また、このようにキャリアスリップ補償信
号を同期検波回路5101にフィードバックし、同期検
波の搬送波位相を180度回転する構成とすることで、
本実施の形態のキャリアスリップ補償回路5107は実
施の形態1のキャリアスリップ補償回路107と比較し
て図3の遅延回路301を省略することができる。
【0177】図40(a)の同期検波回路5101のキ
ャリアスリップ補償済みの出力は直並列変換器108に
入力され、{αi}、{βi}の2つのデータ系列に変換
(分離)される。{βi}は{αi}に対して送信時にN
ビット期間と等しいTの遅延を与えられているので、遅
延器109で{αi}にNビット期間と等しいTの遅延
を与えることによって両方の系列の遅延量を等しくする
ことができる。合成回路110は遅延量が等しくなった
{αi-N}、{βi}を合成する。
【0178】合成回路110の出力は判定器111に入
力され、判定器111は入力の同相成分Reによってデ
ータが0か1か判定し、判定値は復調器出力として音声
復号器等により復号され、音声、映像等のデータとして
出力される。
【0179】以上の動作において、キャリアスリップ補
償回路から出力されるキャリアスリップ補償信号を同期
検波回路にフィードバックして、同期検波の検波軸を1
80度回転させる構成とすることで、キャリアスリップ
補償回路の構成要素である遅延回路を省略でき、素子数
を低減できる。
【0180】
【0181】
【0182】
【0183】
【0184】
【0185】
【0186】
【0187】
【0188】
【0189】
【0190】
【0191】
【発明の効果】 本発明によれば、受信機において、伝送
路で発生するキャリアスリップを検出し、受信信号から
当該キャリアスリップを補償するので誤り率を低くでき
る。
【0192】また、時間差をつけて複数のデータ系列に
ついてキャリアスリップ補償を行うので時間ダイバーシ
チに強い通信システムの受信機を得ることができる。
【0193】また、キャリアスリップ補償手段における
加算器をシフトレジスタの全てのタップの出力を加算す
る構成としたので、移動加算を求めることができる。
【0194】また、キャリアスリップ補償手段における
加算器を、シフトレジスタと排他的論理和回路とアップ
ダウンカウンタで構成するので、簡単な回路で移動加算
を求めることができる。
【0195】また、キャリアスリップ補償手段における
加算器を、シフトレジスタと加算器と遅延器で構成する
ので、加算を構成する素子の数を少なくでき、簡単な回
路で移動加算を求めることができる。
【0196】また、キャリアスリップ補償手段のピーク
検出手段において、移動加算手段の加算器の出力が所定
値を超えてから所定値以下になる期間からピーク位置求
めることで、雑音による誤りが多くピーク位置の特定が
困難な場合であっても正確なピーク検出が行える。
【0197】また、時間のずれた同一の受信信号の遅延
量を等しくして合成受信を行なうので、キャリアスリッ
プが生じてもビット誤り率を低くできる。
【0198】また、合成手段で時間をずらせた同一の受
信信号を等利得合成するので、ダイバーシチ効果が得ら
れる。
【0199】また、合成手段で時間をずらせた同一の受
信信号を最大比合成するので、大きなダイバーシチ効果
が得られる。
【0200】また、合成手段で時間をずらせた同一の受
信信号を選択合成するので、簡単な回路でダイバーシチ
効果が得られる。
【0201】また、キャリアスリップ補償信号を同期検
波回路にフィードバックし、同期検波回路の検波位相を
回転することでキャリアスリップの補償を行なう構成と
したので、フィードフォワード型の構成で必要であった
遅延回路を省略し、回路を簡単化することができる。
【0202】第23の発明においては、キャリアスリッ
プ補償信号を同期検波回路にフィードバックし、同期検
波回路の検波位相を回転することでキャリアスリップの
補償を行ない、同期検波後判定する構成としたので、フ
ィードフォワード型の構成で必要であった遅延回路を省
略し、キャリアスリップ補償手段の判定器と合成手段の
出力に用いる判定器を共用でき、回路を簡単化できる。
【0203】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1による通信システムの構成を示す
構成図である。
【図2】実施の形態1による並直列変換回路の入出力デ
ータを示す図である。
【図3】実施の形態1によるキャリアスリップ補償回路
の構成を示す構成図である。
【図4】実施の形態1によるキャリアスリップ補償回路
内の直並列変換器の入出力データを示す図である。
【図5】実施の形態1によるキャリアスリップが発生し
た場合のキャリアスリップ補償回路内の直並列変換回路
の入出力データを示す図である。
【図6】実施の形態1によるキャリアスリップ補償回路
内の排他的論理和回路の入出力データ及び加算器出力を
示す図である。
【図7】実施の形態1によるピークサーチ回路の動作を
示すフローチャートである。
【図8】実施の形態1によるキャリアスリップ補償回路
内の加算器出力と、そのピークサーチ法を示す図であ
る。
【図9】実施の形態1による位相回転回路の動作を示す
図である。
【図10】実施の形態1による合成回路の構成を示す構
成図である。
【図11】実施の形態2及び実施の形態3によるキャリ
アスリップ補償回路内シフトレジスタと加算器の構成を
示す構成図である。
【図12】実施の形態4によるピークサーチ回路の動作
を示すフローチャートである。
【図13】実施の形態4によるキャリアスリップ補償回
路内の加算器出力と、そのピークサーチ法を示す図であ
る。
【図14】実施の形態5による合成回路の構成を示す構
成図である。
【図15】実施の形態5による合成回路の動作を示す図
である。
【図16】実施の形態6による復調部の構成を示す構成
図である。
【図17】実施の形態6による選択信号生成回路の構成
を示す構成図である。
【図18】実施の形態6による合成回路の構成を示す構
成図である。
【図19】実施の形態7による通信システムの構成を示
す構成図である。
【図20】実施の形態8による通信システムの構成を示
す構成図である。
【図21】実施の形態8による並直列変換回路の入出力
データを示す図である。
【図22】実施の形態8によるキャリアスリップ補償回
路の構成を示す構成図である。
【図23】実施の形態8によるキャリアスリップ補償回
路内の直並列変換回路の入出力データを示す図である。
【図24】実施の形態8によるキャリアスリップが発生
した場合のキャリアスリップ補償回路内の直並列変換回
路の入出力データを示す図である。
【図25】実施の形態8によるキャリアスリップ補償回
路内の排他的論理和回路の入出力データ及び加算器出力
を示す図である。
【図26】実施の形態8によるビット誤り率を示す図で
ある。
【図27】実施の形態9による変調部の畳込み符号器、
遅延器及び並直列変換器、並びに復調部の直並列変換
器、遅延器、合成回路及びビタビ復号器を示す図であ
る。
【図28】実施の形態10による変調部の畳込み符号
器、遅延器及び並直列変換器、並びに復調部の直並列変
換器、遅延器、合成回路及びビタビ復号器を示す図であ
る。
【図29】実施の形態10による変調部の畳込み符号
器、遅延器及び並直列変換器、並びに復調部の直並列変
換器、遅延器、合成回路及びビタビ復号器を示す図であ
る。
【図30】実施の形態11による通信システムの構成を
示す構成図である。
【図31】実施の形態11による畳込み符号器の構成を
示す構成図である。
【図32】実施の形態11によるキャリアスリップによ
る誤り発生を示した図である。
【図33】実施の形態11によるビット誤り率を示す図
である。
【図34】実施の形態12による通信システムの構成を
示す構成図である。
【図35】実施の形態12による通信システムの構成を
示す構成図である。
【図36】実施の形態12による拡散回路の構成を示す
構成図である。
【図37】実施の形態12による拡散回路の動作を説明
する図である。
【図38】実施の形態12による逆拡散回路の構成を示
す構成図である。
【図39】実施の形態12による逆拡散回路の動作を説
明する図である。
【図40】実施の形態13による復調部とキャリアスリ
ップ検出回路の構成を示す構成図である。
【図41】実施形態13による同期検波回路ップ補償回
路の構成を示す構成図である。
【図42】従来の通信システムの構成を示す構成図であ
る。
【図43】従来の差動符号器の構成を示す構成図であ
る。
【図44】従来の同期検波回路の構成を示す構成図であ
る。
【図45】従来の搬送波再生回路の構成を示す構成図で
ある。
【図46】従来のBPSK変調方式における位相不確定
性を説明する図である。
【図47】従来の差動復号器の構成を示す構成図であ
る。
【図48】従来の通信システムにおいてキャリアスリッ
プによる誤り発生を示した図である。
【図49】従来の通信システムにおいて雑音による誤り
発生を示した図である。
【図50】従来の受信機の構成を示す構成図である。
【図51】従来の通信システムにおける送信データを示
す図である。
【図52】従来の同期検波回路の構成を示す構成図であ
る。
【図53】従来のユニークワード検出器の構成を示す構
成図である。
【符号の説明】
101 変調部 102、109 遅延器 103 並直列変換器 104 BPSK変調器 105 復調部 106 同期検波回路 107 キャリアスリップ補償回路 108 直並列変換器 110 合成回路 111 判定器 301 遅延回路 302 判定器 303 直並列変換器 304 遅延器 305 排他的論理和回路 306 シフトレジスタ 307 加算器 308 ピークサーチ回路 309 t−フリップフロップ 310 位相回転回路 311 キャリアスリップ検出回路 1001 ベクトル加算器 1101 加算器 1102 遅延器 1103 アップダウンカウンタ 1401、1402 絶対値検出器 1403、1404 乗算器 1405 ベクトル加算器 1601 選択信号生成回路 1602 合成回路 1701 受信レベル検出器 1702 遅延器 1703 比較器 1801 選択器 2001 畳込み符号器 2002、2003、2007、2008 遅延器 2004 並直列変換器 2005 キャリアスリップ補償回路 2006 直並列変換器 2009、2010 合成回路 2011 ビタビ復号器 2201 直並列変換器 2202、2203 遅延器 2204、2205 排他的論理和回路 2206、2207 シフトレジスタ 2208 ピークサーチ回路 3001 差動符号器 3002 畳込み符号器 3003 差動復号器 3101 シフトレジスタ 3102、3103 加算器 3401 拡散回路 3402 逆拡散回路 3501 PN系列発生器 3502 乗算器 3701 PN系列発生器 3702 乗算器 3703 時間弁別制御回路 5101 同期検波回路 5107 キャリアスリップ補償回路 5201 位相回転回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−66760(JP,A) 特開 平5−207107(JP,A) 特開 平6−276239(JP,A) 特開 平6−120995(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04L 1/02 H04L 27/18 - 27/22 H04B 7/02 - 7/08

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】送信データと該送信データに所定の時間遅
    延が付加された遅延送信データとが多重化された信号
    受信信号として入力し、 上記受信信号を上記送信データに対応する第1の受信デ
    ータと上記遅延送信データに対応する第2の受信データ
    に分離する受信データ分離手段と、 上記第1の受信データに上記所定の時間遅延を付加する
    受信データ遅延手段と、 遅延付加された第1の受信データと上記第2の受信デー
    タとを順次比較し、不一致のビット数が所定数を超えか
    つ最大となるピ−ク位置を検出するキャリアスリップ検
    出手段とを有し、 上記キャリアスリップ検出結果に基づいて上記受信信号
    を位相回転処理してキャリアスリップ補償を行い、該補
    償済み受信信号を出力するキャリアスリップ補償手段を
    備えることを特徴とする受信機。
  2. 【請求項2】送信データに第1の送信時間遅延が付加さ
    れた第1の遅延送信データと、同送信データに第2の送
    信時間遅延が付加された第2の遅延送信データとが多重
    化された信号を受信信号として入力し、 上記受信信号を前記第1の遅延送信データに対応する第
    1の受信データと、上記第2の遅延送信データに対応す
    る第2の受信データとに分離する受信データ分離手段
    と、 上記第1の受信データに第1の受信時間遅延を付加する
    受信データ遅延手段と、 上記第2の受信データに第2の受信時間遅延を付加する
    第2の受信データ遅延手段と、 各々所定の時間遅延が付加された第1の受信データと第
    2の受信データとを順次比較し、不一致のビット数が所
    定数を超えかつ最大となるピ−ク位置を検出するキャリ
    アスリップ検出手段とを有し、 上記キャリアスリップ検出結果に基づいて上記受信信号
    を位相回転処理してキ ャリアスリップ補償を行い、該補
    償済み受信信号を出力するキャリアスリップ補償手段を
    備え、 上記第1の受信時間遅延及び第2の受信時間遅延は、上
    記第1の送信時間遅延と上記第1の受信時間遅延の和
    が、上記第2の送信時間遅延と上記第2の受信時間遅延
    の和に等しくなるように設定されることを特徴とする受
    信機。
  3. 【請求項3】上記キャリアスリップ検出手段は、上記第
    1の遅延受信データと上記第2の受信データを順次比較
    し一致/不一致の比較結果をビット列で出力する比較手
    段と、 上記比較手段のビット列を順次記憶するシフトレジスタ
    と、 上記比較手段の出力と上記シフトレジスタの各段の出力
    の和を求める移動加算手段と、 上記移動加算手段の出力が所定値を超えかつ最大となる
    ピ−ク位置を検出し、検出結果を出力するピーク検出手
    段とを有することを特徴とする請求項1または請求項2
    に記載の受信機。
  4. 【請求項4】上記キャリアスリップ検出手段は、上記第
    1の遅延受信データと上記第2の受信データを順次比較
    し、一致/不一致の比較結果をビット列で出力する比較
    手段と、 上記比較手段のビット列を順次記憶するシフトレジスタ
    と、 上記比較手段の出力と上記シフトレジスタの最終段の出
    力と比較し、同じならカウントせず、異なれば比較手段
    の出力値に従ってアップダウンカウントするアップダウ
    ンカウンタと、 アップダウンカウンタの出力が所定値を超えかつ最大と
    なるピ−ク位置を検出し、検出結果を出力するピーク検
    出手段とを有することを特徴とする請求項1または請求
    項2に記載の受信機。
  5. 【請求項5】上記キャリアスリップ検出手段は、上記第
    1の遅延受信データと上記第2の受信データを順次比較
    し一致/不一致の比較結果をビット列で出力する比較手
    段と、 上記比較手段の上記ビット列を順次記憶するシフトレジ
    スタと、 比較手段の出力と加算器の出力の和から上記シフトレジ
    スタの最終段の出力の差を求める移動加算手段と、 移動加算手段の出力が所定値を超えかつ最大となるピ−
    ク位置を検出し、検出結果を出力するピーク検出手段と
    を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記
    載の受信機。
  6. 【請求項6】上記ピーク検出手段は、移動加算手段の加
    算器の出力が所定値を超えてから所定値以下になる期間
    に基づいてピーク位置を検出し検出結果を出力すること
    を特徴とする請求項3ないし請求項5のいずれかに記載
    の受信機。
  7. 【請求項7】上記キャリアスリップ補償手段から出力さ
    れた補償済み受信信号を入力し、送信データに対応する
    第1の補償済み信号と、遅延送信データに対応する第2
    の補償済み信号とに分離する補償済み信号分離手段と、 上記補償済み信号分離手段から出力された第1の補償済
    み信号に上記所定の時間遅延を付加した第1の被合成信
    号を出力する補償済み信号遅延手段と、 上記補償済み信号分離手段から出力された第2の補償済
    み信号を第2の被合成信号とし、上記第1の被合成信号
    と該第2の被合成信号とを合成する合成手段とをさらに
    備えたことを特徴とする請求項1に記載の受信機。
  8. 【請求項8】上記キャリアスリップ補償手段から出力さ
    れた補償済み受信信号を入力し、第1の遅延送信データ
    に対応する第1の補償済み信号と、第2の遅延送信デー
    タに対応する第2の補償済み信号とに分離する補償済み
    信号分離手段と、 上記補償済み信号分離手段から出力された第1の補償済
    み信号に上記第1の受信時間遅延を付加した第1の被合
    成信号を出力する第1の補償済み信号遅延手段と、 上記補償済み信号分離手段から出力された第2の補償済
    み信号に上記第2の受信時間遅延を付加した第2の被合
    成信号を出力する第2の補償済み信号遅延手段と、 上記第1の被合成信号と上記第2の被合成信号とを合成
    する合成手段とをさらに備えたことを特徴とする請求項
    2に記載の受信機。
  9. 【請求項9】上記合成手段は、上記第1の被合成信号と
    上記第2の被合成信号とを等しく重み付けして合成する
    構成とされたことを特徴とする、請求項7または請求項
    8に記載の受信機。
  10. 【請求項10】上記合成手段は、上記第1の被合成信号
    と上記第2の被合成信号とに、それぞれ各信号の受信レ
    ベルに比例した重み付けを行って合成する構成とされた
    ことを特徴とする、請求項7または請求項8に記載の受
    信機。
  11. 【請求項11】上記合成手段は、上記第1の補償済み信
    号受信時点での上記受信信号の信号レベルと、上記第2
    の補償済み信号受信時点での上記受信信号の信号レベル
    とに基づいて、上記第1の被合成信号若しくは上記第2
    の被合成信号の何れか一方を選択して出力する構成とさ
    れたことを特徴とする、請求項7または請求項8に記載
    の受信機。
  12. 【請求項12】送信データと該送信データに所定の時間
    遅延が付加された遅延送信データとが多重化され、さら
    に2相位相シフトキーイング変調された変調信号を、受
    信信号として入力し、 該受信信号と、該受信信号から再生され所定の位相回転
    処理によりキャリアスリップ補償された搬送波信号とに
    基づいて同期検波処理を行い、同期検波信号を出力する
    同期検波回路をさらに備え、 上記キャリアスリップ補償手段は、上記同期検波信号を
    入力し上記キャリアスリップ検出手段から出力された検
    出結果に基づいて、上記搬送波信号を位相回転処理して
    キャリアスリップ補償を行い、 上記補償済み信号分離手段は、上記同期検波回路から出
    力された同期検波信号を入力し、第1の遅延送信データ
    に対応するに対応する第1の補償済み信号と、第2の遅
    延送信データに対応する第2の補償済み信号とに分離す
    る構成とされたことを特徴とする、請求項7に記載の受
    信機。
  13. 【請求項13】 送信データに第1の送信時間遅延が付加
    された第1の遅延送信データと、同送信データに第2の
    送信時間遅延が付加された第2の遅延送信データとが多
    重化され、さらに2相位相シフトキーイング変調された
    変調信号を、受信信号として入力し、 該受信信号と、該受信信号から再生され所定の位相回転
    処理によりキャリアスリップ補償された搬送波信号とに
    基づいて同期検波処理を行い、同期検波信号を出力する
    同期検波回路をさらに備え、 上記キャリアスリップ補償手段は、上記同期検波信号を
    入力し上記キャリアスリップ検出手段から出力された検
    出結果に基づいて、上記搬送波信号を位相回転処理して
    キャリアスリップ補償を行い、 上記補償済み信号分離手段は、上記同期検波回路から出
    力された同期検波信号を入力し、第1の遅延送信データ
    に対応するに対応する第1の補償済み信号と、第2の遅
    延送信データに対応する第2の補償済み信号とに分離す
    る構成とされたことを特徴とする、請求項8に記載の受
    信機。
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