JP3249141B2 - 管状複合構造材 - Google Patents

管状複合構造材

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高温で耐蝕性を必要と
する産業用途、即ち、炭素化炉或は黒鉛化炉等の高温
炉、熱交換器、金属精練機或は成形機等に使用される管
状複合構造材に関するものである。
【0002】
【従来技術及び問題点】従来、耐熱性と化学的不活性が
必要とされる高温耐熱部材には、炭素材料或は黒鉛材料
(以後この両者をまとめて炭素材と称する)が使用され
てきた。しかし、炭素材は引張強度或は破断伸度が小さ
い所謂脆性材料であるため、その使用が限定されてき
た。また、曲管等の複雑形状物を単体で製作することが
困難であったために、機械加工をした複数の部品を嵌め
合わせ或はネジ止めした後に接着して製作した。近年、
この炭素材の性能改良を目的として、炭素繊維強化炭素
複合材料(以後C/Cと称する)が検討されており、種
々の用途に使われ始めている。このC/Cは、高強度或
は高弾性率の炭素繊維で母材の炭素材を強化しているた
めに、強度或は弾性率が向上した靭性の高い材料とな
り、しかも、炭素材の持つ化学的に不活性で耐熱である
材料が得られる。しかし、その製法は複雑で長期間を要
するために、高価な材料となり、使用分野が限定されて
いるのが現状である。このような問題に対して、本発明
者等は、先に炭素材とC/Cの両者の特徴を生かして、
両者を複合化した構造材(特平公1−43621号公
報)を提案している。この構造材は、内層が炭素材で外
層がC/Cからなる2重構造の複合材料であり、内層に
気密性の優れた高密度の炭素材を用い、外層をC/Cで
強化した高性能な耐熱構造材料である。本発明者等は、
この材料を種々の用途に利用して、良好な結果を得てい
る。しかし、比較的形状の大きな管状構造材では、製造
工程時に内層の炭素材にクラックが発生し、良好な製品
が得られない場合があった。また、使用時にも、 内層
の炭素材にクラック或は破損が生じ、構造材としての使
用に問題が出る場合があった。この原因を種々検討した
ところ、内層の炭素材の熱膨脹係数が外層のC/C材の
それよりも数倍ないし10倍程度大きなために、700
℃もしくは更に高い温度の高温工程後の降温の際に、内
層の黒鉛材の収縮が外層のC/C材より大きいので、引
張応力によりクラックが発生し、破損に至ることが判明
した。
【0003】
【発明の目的】本発明の目的は、製造時或は使用時にク
ラック等の発生がなく、耐久性に優れた、炭素材とC/
Cとの管状複合構造材を提供することである。
【0004】
【発明の構成】本発明は下記のとおりのものである。
【請求項1】 炭素材からなる管の外周に炭素繊維
強化炭素複合材層を配してなる管状複合構造材におい
て、炭素繊維強化炭素複合材層を少なくとも2層構造と
なし、且つ、炭素管に接する層を管の軸方向にほぼ直角
な一方向繊維強化層とし、他の層を管の軸と直角方向に
対して角度を持つ繊維を含む強化層としたことを特徴と
する管状複合構造材。本発明では、炭素管に接するC/
C層は、管の長さ方向を強化する方向に繊維が配向して
いてはならない。また、他のC/C層、外層は管の長さ
方向を強化する方向に繊維が配向している必要がある。
3層構造にすると、管の長さ方向を基準にして、中間層
は繊維強化層とはならず、その熱膨脹係数も非繊維強化
である内層の炭素材に近い値となる。外層は管の長さ方
向に繊維強化となっているので、長さ方向の熱膨脹係数
は炭素繊維に支配され、通常の炭素材即ち内層材の数分
の1ないし10分の1である。従って、中間層は管の長
さ方向を基準にして、内層材とほぼ同等の熱膨脹係数を
持ち、周方向を基準にして、外層と同じC/C材の性質
を持つことになって、内層と外層の緩衝層となることに
より、熱膨脹差により内層材にクラック等が発生するこ
とを防ぐことができる。
【0005】本発明の管状複合構造材を図面によって説
明する。第1図は、本発明の一例を示す3層構造の管状
複合構造材の一部切除斜視図を示したものである。第2
図は、実施例1の管状複合構造材の斜視図を示したもの
である第1図及び第2図において、1は炭素管、2は炭
素管に接する一方向繊維強化C/C層、3は管の軸と直
角方向に対して角度を持つ繊維を含むC/C層をそれぞ
れ示す。第1図においては3層構造の管状複合構造材を
示したが、第3層の3は多層構造とすることもできる。
【0006】本発明において、製造段階で用いられる内
層の炭素材は、中空或は中実な炭素材料である。中実な
場合C/Cからなる炭素管に接する層(中間層)或は管
の軸と直角方向に対して角度を持つ繊維を含むC/C層
(外層)を形成後、内部を機械加工により切削除去して
管状とする。炭素材は、使用条件により耐熱性、化学的
不活性、気体或は液体不浸透性等が必要であり、通常黒
鉛材といわれる緻密な黒鉛質の材料が適する。使用目的
によってはグラッシーカーボンといわれる不浸透性炭素
材が適する場合もある。炭素管と接する中間層及び外層
の形成は、先ず、管状の炭素材の外周に、管の軸方向と
直角方向に一方向プリプレグを巻付る、或は、フィラメ
ント・ワインディングにより、管の軸方向と直角方向に
のみ繊維が配向されている中間層を形成する。この中間
層は周方向にのみ繊維が配向しており周方向強化層とな
るが、軸方向即ち管の長さ方向に対しては繊維が配向し
ておらず強化層とはならない。次に、外層に管の軸方向
と直角方向に対して角度を持った繊維を含む炭素繊維強
化層を形成する。この外層は、管状複合構造材が必要と
する管の軸方向の剛性等の機械特性を与えるために、管
の軸方向に配向した繊維或は軸方向と直角方向に対して
角度を持った繊維を含む。即ち、平織、朱子織り等の炭
素繊維織物プリプレグを巻付る、或は一方向プリプレグ
を管の軸方向と角度を付けて又は軸方向に繊維が配向す
るように巻付ける。或は、フィラメント・ワインディン
グにより所謂角度巻き、即ち、管の長さ方向に対して、
90゜以外の角度を持つように巻付て、外層を形成す
る。C/C層の形成は、上述のように、繊維を配向させ
る必要があり、そのためには繊維を炭素管に巻付た後に
CVD(ケミカル・ペーパー・ディポジション)法によ
りマトリックス炭素を形成するか、好ましくは次に述べ
るように樹脂を含浸して炭素化する、レジン・チャー法
により形成する。炭素繊維又は織物等を繊維が必要方向
に配向するように巻付た後に樹脂を含浸するか、或は、
樹脂を含浸したプリプレグを巻付るか、或は、フィラメ
ントワインドにより、樹脂を含浸した炭素繊維を巻付る
かした後、加熱又は必要により加圧して樹脂を硬化させ
る。硬化後、窒素等の不活性雰囲気中で徐々に加熱して
800℃ないし1300℃まで昇温して、樹脂を炭素化
してC/Cとなす。必要により、ピッチ等をC/Cに含
浸、再炭素化を行って、その物理的特性を高める。ま
た、高温での耐熱性等を必要とする場合は、中間層又は
外層の炭素化後、或は、緻密化処理後、高温熱処理を行
い中間層或は外層の炭素質のマトリックスを黒鉛質に変
える。該中間層又は外層の硬化、炭素化、緻密化或は熱
処理は、各層毎に行ってもよいし、或は、両層を同時に
行ってもよい。
【0007】
【実施例1】第2図に示す外径90mm、内径70m
m、片方の長さ600mm及び他方が800mmのL字
型の管状炭素材(密度1.8g/cm)の外周に、一
方向プリプレグ[東邦レーヨン(株)高弾性炭素繊維ベ
スファイトHM−35、繊維目付250g/m、フェ
ノール樹脂含有量32重量%]を繊維が管の長さ方向に
対し90°になるように巻付て、肉厚10mmの中間層
を形成した。次に、織物プリプレグ[東邦レーヨン
(株)高弾性炭素繊維織物ベスファイトHM−35、8
枚朱子織、繊維目付300g/m、フェノール樹脂含
有量32重量%]を巾20mmにカットして、管の長さ
方向に対し45°になるように巻付て、肉厚10mmの
外層を形成した。次いで、140℃で60分加熱して、
フェノール樹脂を硬化させた。該硬化物を窒素雰囲気中
で1000℃まで加熱して、フェノール樹脂を炭素化し
た。得られた炭化物にピッチを含浸して再炭素化する緻
密化処理を3回行って、炭素とC/Cとの管状複合構造
材を製造した。該構造材を管の軸方向に沿って2等分す
るように切断して、切断面を観察したが、内層、中間
層、外層にはクラック等の異常は認められなかった。
【比較例1】実施例1と同じ炭素材に、実施例1に用い
たと同じ織物プリプレグを、巾20mmにカットして、
管の長さ方向に対し±45°で肉厚20mmになるよう
に巻付た。次いで、実施例1と同じようにして、硬化、
炭素化、緻密化を行い該管状複合構造材を製造した。こ
のものの内部を観察したところ、内層の炭素材に2箇所
クラックが認められた。
【実施例2】外径20mm、内径50mm、長さ100
0mmの炭素材(密度1.8g/cm)の外周に、フ
ィラメントワインド法にて、フェノール樹脂を含浸した
東邦レーヨン(株)高弾性炭素繊維ベスファイトHMS
−486を繊維が管の長さ方向に対し90°になるよう
に巻付て、肉厚10mmの中間層を形成した。次に、角
度±45°になるように巻付て、肉厚10mmの外層を
形成した。次いで、実施例1と同じようにして、硬化、
炭素化、緻密化を行い管状複合構造材を製造した。この
ものの内部を観察したところ、内層、中間層、外層には
クラック等の異常は認められなかった。
【比較例2】実施例2と同じ黒鉛材に、フィラメントワ
インド法にて角度±45°になるように巻付て、肉厚1
0mmの外層を形成した。次いで、実施例1と同じよう
にして、硬化、炭素化、緻密化を行い管状複合構造材を
製造した。このものの内部を観察したところ、内層の炭
素材に1箇所クラックが認められた。
【0008】
【発明の効果】本発明の管状複合構造材は、炭素材とC
/C材との多層構造体であって、この構造体製造時にお
ける及び700℃以上の高温における繰り返し熱的衝撃
に対しても炭素材にクラックを生ずることなく優れた耐
久性を有し、管状の高温耐熱構造材に適している。
【図面の簡単な説明】
【第1図】 3層構造に構成された本発明管状複合
構造材の高温耐熱の一部切除斜視図を示す。
【第2図】 実施例1で得られた管状複合構造材の
斜視図を示す。
【符号の説明】
1:内層の炭素管、 2:中間層の一方向強化C/C材 3:外層のC/C材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/83 C04B 35/52

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素材からなる管の外周に炭素繊維
    強化炭素複合材層を配してなる管状複合構造材におい
    て、炭素繊維強化炭素複合材層を少なくとも2層構造と
    なし、且つ、炭素管に接する層を管の軸方向にほぼ直角
    な一方向繊維強化層とし、他の層を管の軸と直角方向に
    対して角度を持つ繊維を含む強化層としたことを特徴と
    する管状複合構造材。
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