JP3248852B2 - 2−アミノチアゾール酢酸塩誘導体及びその製造方法 - Google Patents
2−アミノチアゾール酢酸塩誘導体及びその製造方法Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定の2−アミノ
チアゾール酢酸塩誘導体及びその製造方法に関する。
チアゾール酢酸塩誘導体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】下記式(III)で示される2−アミノチ
アゾール酢酸誘導体は、医薬品製造の中間体として有用
な化合物であり、例えば、セフェム系等の抗生物質の側
鎖として用いられる重要な化合物である。上記化合物
は、β−ラクタム系化合物、例えば7−アミノセファロ
スポラン酸誘導体等とアミド化反応によって結合され、
抗生物質の基本骨格を形成する。
アゾール酢酸誘導体は、医薬品製造の中間体として有用
な化合物であり、例えば、セフェム系等の抗生物質の側
鎖として用いられる重要な化合物である。上記化合物
は、β−ラクタム系化合物、例えば7−アミノセファロ
スポラン酸誘導体等とアミド化反応によって結合され、
抗生物質の基本骨格を形成する。
【0003】
【化3】
【0004】(但し、R2は水素原子またはアミノ基の
保護基であり、R3は水素原子または水酸基の保護基で
ある。)これらの化合物を7−アミノセファロスポラン
酸誘導体と縮合させる際には、自己縮合を防ぐ目的で、
水酸基、或いはさらにアミノ基を保護した後に、縮合反
応を行い、その後、各々の保護基を脱離させるのが一般
的な方法である。
保護基であり、R3は水素原子または水酸基の保護基で
ある。)これらの化合物を7−アミノセファロスポラン
酸誘導体と縮合させる際には、自己縮合を防ぐ目的で、
水酸基、或いはさらにアミノ基を保護した後に、縮合反
応を行い、その後、各々の保護基を脱離させるのが一般
的な方法である。
【0005】アミノ基及び水酸基を各々保護した化合物
としては、多くの化合物が知られているが、それらの中
でも特に、アミノ基と水酸基をトリフェニルメチル基
(以下、トリチル基と称す。)で保護した2−(2−ト
リチルアミノチアゾール−4−イル)−2−トリチルオ
キシイミノ酢酸は、古くから知られてい化合物である
(特開昭52−102293号公報)。
としては、多くの化合物が知られているが、それらの中
でも特に、アミノ基と水酸基をトリフェニルメチル基
(以下、トリチル基と称す。)で保護した2−(2−ト
リチルアミノチアゾール−4−イル)−2−トリチルオ
キシイミノ酢酸は、古くから知られてい化合物である
(特開昭52−102293号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】トリチル基は、上記式
(III)で示されるような2−アミノチアゾール酢酸誘
導体の水酸基の保護基としては特に安定な保護基であ
り、しかもアミノ基までトリチル化した該化合物は、有
機溶媒に対しての溶解度が高いため、非常に扱い易い化
合物である。しかし、該化合物は、7−アミノセファロ
スポラン酸誘導体との縮合後の保護基脱離反応で化合物
に対して2倍モルのトリチルアルコールが副生してしま
う。
(III)で示されるような2−アミノチアゾール酢酸誘
導体の水酸基の保護基としては特に安定な保護基であ
り、しかもアミノ基までトリチル化した該化合物は、有
機溶媒に対しての溶解度が高いため、非常に扱い易い化
合物である。しかし、該化合物は、7−アミノセファロ
スポラン酸誘導体との縮合後の保護基脱離反応で化合物
に対して2倍モルのトリチルアルコールが副生してしま
う。
【0007】トリチルアルコールは、その分子サイズの
大きさ故に、水洗等の除去操作ではなかなか反応系から
除去するのが困難な上に、生成物であるセフェム系抗生
物質の結晶化を阻害する因子として働くため、上記式
(III)で示される2−アミノチアゾール酢酸誘導体の
保護基としては水酸基以外には使用したくないというの
が実状である。
大きさ故に、水洗等の除去操作ではなかなか反応系から
除去するのが困難な上に、生成物であるセフェム系抗生
物質の結晶化を阻害する因子として働くため、上記式
(III)で示される2−アミノチアゾール酢酸誘導体の
保護基としては水酸基以外には使用したくないというの
が実状である。
【0008】かかる課題に対して、上記式(III)で示
される2−アミノチアゾール酢酸誘導体において、水酸
基はトリチル基で保護し、他方、アミノ基は保護しなか
ったり炭素数の少ないアミノ基の保護基で保護した2−
アミノチアゾールトリチルオキシイミノ酢酸誘導体もい
くつか提唱されている(特開平7−179445号公
報、特開平5−59066号公報)。
される2−アミノチアゾール酢酸誘導体において、水酸
基はトリチル基で保護し、他方、アミノ基は保護しなか
ったり炭素数の少ないアミノ基の保護基で保護した2−
アミノチアゾールトリチルオキシイミノ酢酸誘導体もい
くつか提唱されている(特開平7−179445号公
報、特開平5−59066号公報)。
【0009】これらの化合物は、下記式(IV)
【0010】
【化4】
【0011】(但し、R2は水素原子またはアミノ基の
保護基であり、Yは水素原子またはアルキル基であ
る。)で示されるチアゾール誘導体を有機溶媒中、アル
カリ金属塩存在下トリフェニルハライド(以下、トリチ
ルハライドと称す。)と反応させた後、必要とあれば加
水分解を行い、該反応液を中和し、得られた結晶を水に
相溶しない有機溶媒で抽出、晶析する方法によって合成
される。
保護基であり、Yは水素原子またはアルキル基であ
る。)で示されるチアゾール誘導体を有機溶媒中、アル
カリ金属塩存在下トリフェニルハライド(以下、トリチ
ルハライドと称す。)と反応させた後、必要とあれば加
水分解を行い、該反応液を中和し、得られた結晶を水に
相溶しない有機溶媒で抽出、晶析する方法によって合成
される。
【0012】しかしながら、これらの2−アミノチアゾ
ール酢酸誘導体は、上記R 2 の部分の分子サイズが小さ
くなったことに起因して、有機溶媒に対する溶解度が今
一歩低い問題があった。従って、これらの2−アミノチ
アゾール酢酸誘導体は、高濃度の有機溶液として運搬、
貯蔵することに困難性があった。また、一般に、これら
2−アミノチアゾール酢酸誘導体を用いてのセフェム系
抗生物質の合成は、水を用いての分離精製操作の容易さ
から、塩化メチレンに代表される水と相溶性のない有機
溶媒を用いて行うのが好適であるが、該化合物は、かか
る塩化メチレンに対して特に溶解性が低く、かかる反応
用の反応原液の調合等に困難性があった。
ール酢酸誘導体は、上記R 2 の部分の分子サイズが小さ
くなったことに起因して、有機溶媒に対する溶解度が今
一歩低い問題があった。従って、これらの2−アミノチ
アゾール酢酸誘導体は、高濃度の有機溶液として運搬、
貯蔵することに困難性があった。また、一般に、これら
2−アミノチアゾール酢酸誘導体を用いてのセフェム系
抗生物質の合成は、水を用いての分離精製操作の容易さ
から、塩化メチレンに代表される水と相溶性のない有機
溶媒を用いて行うのが好適であるが、該化合物は、かか
る塩化メチレンに対して特に溶解性が低く、かかる反応
用の反応原液の調合等に困難性があった。
【0013】以上から、有機溶媒、特に塩化メチレン等
に対して高い溶解度を有する2−アミノチアゾール酢酸
誘導体の開発が強く望まれていた。
に対して高い溶解度を有する2−アミノチアゾール酢酸
誘導体の開発が強く望まれていた。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる実
状に鑑み、課題を解決すべく鋭意検討を続けた結果、特
定の2−アミノチアゾールトリチルオキシイミノ酢酸誘
導体のアルカリ金属塩が、多くの有機溶媒に対して高い
溶解度を有しており、かかる塩の形で単離すれば、2−
アミノチアゾール酢酸塩誘導体の高濃度の有機溶液が容
易に調合でき有用であることを見いだした。
状に鑑み、課題を解決すべく鋭意検討を続けた結果、特
定の2−アミノチアゾールトリチルオキシイミノ酢酸誘
導体のアルカリ金属塩が、多くの有機溶媒に対して高い
溶解度を有しており、かかる塩の形で単離すれば、2−
アミノチアゾール酢酸塩誘導体の高濃度の有機溶液が容
易に調合でき有用であることを見いだした。
【0015】即ち、下記式(I)
【0016】
【化5】
【0017】(但し、R1は水素原子またはアルコキシ
カルボニル基であり、Xはアルカリ金属であり、Trは
トリフェニルメチル基である。)で示される2−アミノ
チアゾール酢酸塩誘導体は、多くの有機溶媒に対して高
い溶解度を有するのである。
カルボニル基であり、Xはアルカリ金属であり、Trは
トリフェニルメチル基である。)で示される2−アミノ
チアゾール酢酸塩誘導体は、多くの有機溶媒に対して高
い溶解度を有するのである。
【0018】上記式(I)で示される2−アミノチアゾ
ール酢酸塩誘導体は、上記式(III)で示されるチアゾ
ール酢酸誘導体を上記文献の方法によって合成する際に
その中間体として過渡的に反応溶液中に存在する化合物
である。
ール酢酸塩誘導体は、上記式(III)で示されるチアゾ
ール酢酸誘導体を上記文献の方法によって合成する際に
その中間体として過渡的に反応溶液中に存在する化合物
である。
【0019】しかも、かかる文献中では、上記2−アミ
ノチアゾール酢酸塩誘導体は、N,N−ジメチルホルム
アミド、水性ジオキサン等の有機溶媒中に10重量%程
度の量で生成されているが、これらの有機溶媒に対して
該化合物がどの程度の溶解度を有しているのかは示され
ておらず、まして、該化合物が塩化メチレン等の上記式
(III)で示されるチアゾール酢酸誘導体の形態では低
い溶解性しか示さない他の有機溶媒に対して如何なる溶
解度を有しているのかは予測不可能であった。
ノチアゾール酢酸塩誘導体は、N,N−ジメチルホルム
アミド、水性ジオキサン等の有機溶媒中に10重量%程
度の量で生成されているが、これらの有機溶媒に対して
該化合物がどの程度の溶解度を有しているのかは示され
ておらず、まして、該化合物が塩化メチレン等の上記式
(III)で示されるチアゾール酢酸誘導体の形態では低
い溶解性しか示さない他の有機溶媒に対して如何なる溶
解度を有しているのかは予測不可能であった。
【0020】従来、カルボン酸及びその誘導体の有機溶
媒への溶解度としては、金属塩よりも酸の方が溶解度が
高く、水への溶解度は酸の方が低いというのが最も一般
的な考え方である。即ち、上記式(III)で示される2
−アミノチアゾール酢酸誘導体の方が、上記式(I)で
示される2−アミノチアゾール酢酸塩誘導体よりも有機
溶媒への溶解度が高く、水への溶解度が低いというのが
最も一般的である。
媒への溶解度としては、金属塩よりも酸の方が溶解度が
高く、水への溶解度は酸の方が低いというのが最も一般
的な考え方である。即ち、上記式(III)で示される2
−アミノチアゾール酢酸誘導体の方が、上記式(I)で
示される2−アミノチアゾール酢酸塩誘導体よりも有機
溶媒への溶解度が高く、水への溶解度が低いというのが
最も一般的である。
【0021】しかし、本発明者らが上記式(I)で示さ
れる2−アミノチアゾール酢酸塩誘導体の性質を詳細に
検討したところ、驚くべきことに、上記式(I)で示さ
れる2−アミノチアゾール酢酸塩誘導体は、カルボン酸
の塩でありながら、上記式(III)で示される2−アミノ
チアゾール酢酸誘導体と同様に水に対しての溶解度が低
い上に、多くの有機溶媒に対しては該2−アミノチアゾ
ール酢酸誘導体よりも溶解度が高いことが判明した。特
に、塩化メチレンのような水と相溶しない有機溶媒の多
くに対しても高い溶解度を示すため、上記式(I)で示
される2−アミノチアゾール酢酸塩誘導体は抽出操作に
よって容易に抽出が可能である。しかも、このようにし
て得た固体状塩は、酸に変換することなく、縮合反応に
おいて最も汎用的な溶媒である該塩化メチレン等に高濃
度で溶解させて7−アミノセファロスポラン酸誘導体と
の縮合反応に良好に供することができる。従って、かか
る反応に用いる上で、運搬、貯蔵上有利な該化合物の高
濃度反応原液が調合でき有用である。そこで、本発明
は、上記(I)で示される2−アミノチアゾール酢酸塩
誘導体が塩化メチレンに溶解されてなる有機溶液であ
る。
れる2−アミノチアゾール酢酸塩誘導体の性質を詳細に
検討したところ、驚くべきことに、上記式(I)で示さ
れる2−アミノチアゾール酢酸塩誘導体は、カルボン酸
の塩でありながら、上記式(III)で示される2−アミノ
チアゾール酢酸誘導体と同様に水に対しての溶解度が低
い上に、多くの有機溶媒に対しては該2−アミノチアゾ
ール酢酸誘導体よりも溶解度が高いことが判明した。特
に、塩化メチレンのような水と相溶しない有機溶媒の多
くに対しても高い溶解度を示すため、上記式(I)で示
される2−アミノチアゾール酢酸塩誘導体は抽出操作に
よって容易に抽出が可能である。しかも、このようにし
て得た固体状塩は、酸に変換することなく、縮合反応に
おいて最も汎用的な溶媒である該塩化メチレン等に高濃
度で溶解させて7−アミノセファロスポラン酸誘導体と
の縮合反応に良好に供することができる。従って、かか
る反応に用いる上で、運搬、貯蔵上有利な該化合物の高
濃度反応原液が調合でき有用である。そこで、本発明
は、上記(I)で示される2−アミノチアゾール酢酸塩
誘導体が塩化メチレンに溶解されてなる有機溶液であ
る。
【0022】ところで、通常、上記式(II)で示される
チアゾール誘導体と7−アミノセファロスポラン酸との
縮合反応を行う場合には、クロロ炭酸メチルのようなハ
ロゲノ低級アルキル炭酸エステル、或いは塩化チオニル
のような塩素化剤を用いるのが一般的である。その際、
上記式(II)で示されるチアゾール酢酸誘導体及び副生
するハロゲン化水素を中和するために、使用する塩素化
剤の種類にもよるが少なくともチアゾール誘導体の2倍
モル以上の塩基、特にピリジン等の3級アミンを共存さ
せなければならない。
チアゾール誘導体と7−アミノセファロスポラン酸との
縮合反応を行う場合には、クロロ炭酸メチルのようなハ
ロゲノ低級アルキル炭酸エステル、或いは塩化チオニル
のような塩素化剤を用いるのが一般的である。その際、
上記式(II)で示されるチアゾール酢酸誘導体及び副生
するハロゲン化水素を中和するために、使用する塩素化
剤の種類にもよるが少なくともチアゾール誘導体の2倍
モル以上の塩基、特にピリジン等の3級アミンを共存さ
せなければならない。
【0023】しかし、上記式(I)で示される2−アミ
ノチアゾール酢酸塩誘導体を7−アミノセファロスポラ
ン酸誘導体との縮合反応に用いた場合は、既に、カルボ
ン酸が塩の形で存在しているため、これを中和する分の
塩基を新たに添加する必要が全くない。これは、上記式
(I)で示される2−アミノチアゾール酢酸塩誘導体を
出発物質としたセファロスポリン系抗生物質の製造方法
が極めて経済的な製造方法であることを示すものであ
り、このことは、該2−アミノチアゾール酢酸塩誘導体
の固体状塩を単離して初めて判った知見である。
ノチアゾール酢酸塩誘導体を7−アミノセファロスポラ
ン酸誘導体との縮合反応に用いた場合は、既に、カルボ
ン酸が塩の形で存在しているため、これを中和する分の
塩基を新たに添加する必要が全くない。これは、上記式
(I)で示される2−アミノチアゾール酢酸塩誘導体を
出発物質としたセファロスポリン系抗生物質の製造方法
が極めて経済的な製造方法であることを示すものであ
り、このことは、該2−アミノチアゾール酢酸塩誘導体
の固体状塩を単離して初めて判った知見である。
【0024】なお、上記式(I)で示される2−アミノ
チアゾール酢酸塩誘導体は、固体状塩である。
チアゾール酢酸塩誘導体は、固体状塩である。
【0025】上記式(I)において、R1は水素原子及
びアルコキシカルボニル基を示す。これらの基を具体的
に説明すると、メトキシカルボニル基、エトキシカルボ
ニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカル
ボニル基、ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボ
ニル基、t−アミルオキシカルボニル基、ペンチルオキ
シカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基等の炭素
数2〜7の基を挙げることができる。
びアルコキシカルボニル基を示す。これらの基を具体的
に説明すると、メトキシカルボニル基、エトキシカルボ
ニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカル
ボニル基、ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボ
ニル基、t−アミルオキシカルボニル基、ペンチルオキ
シカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基等の炭素
数2〜7の基を挙げることができる。
【0026】上記式(1)において、Xで示されるアル
キル金属としては、通常のアルキル金属が何等制限なく
採用される。それらを具体的に例示すると、リチウム、
ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等を挙げ
ることができる。
キル金属としては、通常のアルキル金属が何等制限なく
採用される。それらを具体的に例示すると、リチウム、
ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等を挙げ
ることができる。
【0027】このような上記式(I)で示される2−ア
ミノチアゾール酢酸塩誘導体を具体的に例示すると、2
−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−トリチル
オキシイミノ酢酸リチウム、2−(2−アミノチアゾー
ル−4−イル)−2−トリチルオキシイミノ酢酸ナトリ
ウム、2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−
トリチルオキシイミノ酢酸カリウム、2−(2−t−ブ
トキシカルボニルアミノチアゾール−4−イル)−2−
トリチルオキシイミノ酢酸リチウム、2−(2−t−ブ
トキシカルボニルアミノチアゾール−4−イル)−2−
トリチルオキシイミノ酢酸ナトリウム、2−(2−t−
ブトキシカルボニルアミノチアゾール−4−イル)−2
−トリチルオキシイミノ酢酸カリウム、2−(2−メト
キシカルボニルアミノチアゾール−4−イル)−2−ト
リチルオキシイミノ酢酸リチウム、2−(2−メトキシ
カルボニルアミノチアゾール−4−イル)−2−トリチ
ルオキシイミノ酢酸ナトリウム、2−(2−メトキシカ
ルボニルアミノチアゾール−4−イル)−2−トリチル
オキシイミノ酢酸カリウム、2−(2−t−アミルオキ
シカルボニルアミノチアゾール−4−イル)−2−トリ
チルオキシイミノ酢酸リチウム、2−(2−t−アミル
オキシカルボニルアミノチアゾール−4−イル)−2−
トリチルオキシイミノ酢酸ナトリウム、2−(2−t−
アミルオキシカルボニルアミノチアゾール−4−イル)
−2−トリチルオキシイミノ酢酸カリウム等を挙げるこ
とができる。
ミノチアゾール酢酸塩誘導体を具体的に例示すると、2
−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−トリチル
オキシイミノ酢酸リチウム、2−(2−アミノチアゾー
ル−4−イル)−2−トリチルオキシイミノ酢酸ナトリ
ウム、2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−
トリチルオキシイミノ酢酸カリウム、2−(2−t−ブ
トキシカルボニルアミノチアゾール−4−イル)−2−
トリチルオキシイミノ酢酸リチウム、2−(2−t−ブ
トキシカルボニルアミノチアゾール−4−イル)−2−
トリチルオキシイミノ酢酸ナトリウム、2−(2−t−
ブトキシカルボニルアミノチアゾール−4−イル)−2
−トリチルオキシイミノ酢酸カリウム、2−(2−メト
キシカルボニルアミノチアゾール−4−イル)−2−ト
リチルオキシイミノ酢酸リチウム、2−(2−メトキシ
カルボニルアミノチアゾール−4−イル)−2−トリチ
ルオキシイミノ酢酸ナトリウム、2−(2−メトキシカ
ルボニルアミノチアゾール−4−イル)−2−トリチル
オキシイミノ酢酸カリウム、2−(2−t−アミルオキ
シカルボニルアミノチアゾール−4−イル)−2−トリ
チルオキシイミノ酢酸リチウム、2−(2−t−アミル
オキシカルボニルアミノチアゾール−4−イル)−2−
トリチルオキシイミノ酢酸ナトリウム、2−(2−t−
アミルオキシカルボニルアミノチアゾール−4−イル)
−2−トリチルオキシイミノ酢酸カリウム等を挙げるこ
とができる。
【0028】尚、上記式(I)で示される化合物の内、
トリチルオキシイミノ基に関して理論的にシン(Z)体
及びアンチ(E)体の両異性体が存在しうるが、本発明
に於いてはシン体が好適に採用される。
トリチルオキシイミノ基に関して理論的にシン(Z)体
及びアンチ(E)体の両異性体が存在しうるが、本発明
に於いてはシン体が好適に採用される。
【0029】上記式(I)で示される2−アミノチアゾ
ール酢酸塩誘導体は、水和物としても安定に存在し、本
発明においてこの2−アミノチアゾール酢酸塩誘導体
は、かかる水和物も含まれる。水和している水の量とし
ては、水和物中の水分子が必ずしも該化合物に対して整
数倍のモル比で存在しない上に、各々の化合物に特定の
水和量というものが存在しないため一概には言えない
が、上記式(I)で示される2−アミノチアゾール酢酸
塩誘導体100重量部に対して0〜20重量部の範囲で
水和している。
ール酢酸塩誘導体は、水和物としても安定に存在し、本
発明においてこの2−アミノチアゾール酢酸塩誘導体
は、かかる水和物も含まれる。水和している水の量とし
ては、水和物中の水分子が必ずしも該化合物に対して整
数倍のモル比で存在しない上に、各々の化合物に特定の
水和量というものが存在しないため一概には言えない
が、上記式(I)で示される2−アミノチアゾール酢酸
塩誘導体100重量部に対して0〜20重量部の範囲で
水和している。
【0030】上記式(I)で示される化合物の構造は、
次の手段によって確認できる。
次の手段によって確認できる。
【0031】(1)1H−核磁気共鳴スペクトル(1H−
NMR)を測定することにより、上記一般式(I)で示
される化合物中に存在する水素原子の結合様式を知るこ
とができる。
NMR)を測定することにより、上記一般式(I)で示
される化合物中に存在する水素原子の結合様式を知るこ
とができる。
【0032】(2)赤外吸収スペクトル(IR)を測定
することにより、上記式(I)で示される化合物の官能
基に由来する特性吸収を観察することができる。上記式
(I)で表される化合物では、1600〜1750cm
-1付近にC=O結合に基づく吸収を観察することができ
る。
することにより、上記式(I)で示される化合物の官能
基に由来する特性吸収を観察することができる。上記式
(I)で表される化合物では、1600〜1750cm
-1付近にC=O結合に基づく吸収を観察することができ
る。
【0033】(3)元素分析によって炭素、水素、窒
素、硫黄、酸素さらに各元素の重量%の和を100から
減じることにり、アルカリ金属の重量%を算出すること
ができ、従って組成式を決定する事ができる。
素、硫黄、酸素さらに各元素の重量%の和を100から
減じることにり、アルカリ金属の重量%を算出すること
ができ、従って組成式を決定する事ができる。
【0034】(4)カールフィッシャー分析によってそ
の水和量を知ることができる。
の水和量を知ることができる。
【0035】このような上記式(I)で示される2−ア
ミノチアゾール酢酸塩誘導体の製造方法としては特に限
定はしないが、本発明の方法、即ち、下記式(II)
ミノチアゾール酢酸塩誘導体の製造方法としては特に限
定はしないが、本発明の方法、即ち、下記式(II)
【化6】 (但し、R 1 は水素原子またはアルコキシカルボニル基
である。)で示されるチアゾール誘導体を有機溶媒中、
アルカリ金属塩存在下トリチルハライドと反応させるこ
とを特徴とする2−アミノチアゾール酢酸塩誘導体の製
造方法が、特に有利である。
である。)で示されるチアゾール誘導体を有機溶媒中、
アルカリ金属塩存在下トリチルハライドと反応させるこ
とを特徴とする2−アミノチアゾール酢酸塩誘導体の製
造方法が、特に有利である。
【0036】本発明に用いられる、アルカリ金属塩の種
類としては、塩基性アルカリ金属塩であれば何等制限な
く用いることができる。それらのアルカリ金属塩を具体
的には、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸リチウム、炭酸
ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、炭
酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウ
ム等のアルカリ金属重炭酸塩、ナトリウムメトキサイ
ド、ナトリウムエトキサイド、ナトリウムt−ブトキサ
イド、カリウムメトキサイド、カリウムエトキサイド、
カリウムt−ブトキサイド等のアルカリ金属アルコキサ
イド、ナトリウムハイドライド等が包含される。
類としては、塩基性アルカリ金属塩であれば何等制限な
く用いることができる。それらのアルカリ金属塩を具体
的には、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸リチウム、炭酸
ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、炭
酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウ
ム等のアルカリ金属重炭酸塩、ナトリウムメトキサイ
ド、ナトリウムエトキサイド、ナトリウムt−ブトキサ
イド、カリウムメトキサイド、カリウムエトキサイド、
カリウムt−ブトキサイド等のアルカリ金属アルコキサ
イド、ナトリウムハイドライド等が包含される。
【0037】これらのアルカリ金属塩の中でも特に、ト
リチルハライドとの副反応が起きにくい炭酸リチウム、
炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸
塩、ナトリウムt−ブトキサイド、カリウムt−ブトキ
サイド等のアルカリ金属アルコキサイド、ナトリウムハ
ライド等が好適に用いられる。
リチルハライドとの副反応が起きにくい炭酸リチウム、
炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸
塩、ナトリウムt−ブトキサイド、カリウムt−ブトキ
サイド等のアルカリ金属アルコキサイド、ナトリウムハ
ライド等が好適に用いられる。
【0038】用いられるアルカリ金属塩の量としては、
上記式(II)で示されるチアゾール誘導体に対して2当
量以上であれば特に制限はないが、あまり量が多いと溶
液粘度が上昇して攪拌等に支障をきたすため、通常は該
チアゾール誘導体に対して2.0〜6.0倍当量、さら
に好ましくは2.0〜4.0倍当量の範囲から選択する
のがよい。
上記式(II)で示されるチアゾール誘導体に対して2当
量以上であれば特に制限はないが、あまり量が多いと溶
液粘度が上昇して攪拌等に支障をきたすため、通常は該
チアゾール誘導体に対して2.0〜6.0倍当量、さら
に好ましくは2.0〜4.0倍当量の範囲から選択する
のがよい。
【0039】本反応に用いられるトリチルハライドの種
類としては通常のトリチルハライドを何等制限なく用い
ることができる。これらのトリチルハライドを具体的に
例示すると、トリチルクロライド、トリチルブロマイド
等を挙げることができる。
類としては通常のトリチルハライドを何等制限なく用い
ることができる。これらのトリチルハライドを具体的に
例示すると、トリチルクロライド、トリチルブロマイド
等を挙げることができる。
【0040】トリチルハライドの量としては特に制限は
ないが、あまり量が多いと上記式(II)で示されるチア
ゾール誘導体の複素環内の窒素原子と反応する副反応を
助長し、あまり量が少ないと原料が残存して収率が低下
するため、該チアゾール誘導体に対して0.8〜2.0
倍当量、さらに好ましくは 0.9〜1.5倍当量の範
囲から選択するのがよい。
ないが、あまり量が多いと上記式(II)で示されるチア
ゾール誘導体の複素環内の窒素原子と反応する副反応を
助長し、あまり量が少ないと原料が残存して収率が低下
するため、該チアゾール誘導体に対して0.8〜2.0
倍当量、さらに好ましくは 0.9〜1.5倍当量の範
囲から選択するのがよい。
【0041】本発明に用いられる有機溶媒としては、通
常の有機溶媒を何等制限なく用いることができる。これ
らの溶媒を具体的に例示すると、アセトニトリル、プロ
ピオニトリル等のニトリル類;テトラハイドロフラン、
1,4−ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル
類;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステ
ル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン等のケトン類;トルエン、キシレン、ベンゼン
等の芳香族炭化水素類;クロロベンゼン、ジクロロベン
ゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素類;N,N−ジメチ
ルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のア
ミド類;ジメチルカーボネート等のカーボネート類;ジ
クロロメタン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素類;トリエ
チルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチル
アミン等の脂肪族3級アミン類;ピリジン、N,N−ジ
メチルベンジルアミン等の芳香族アミン類;ジメチルス
ルフォキシド等を挙げることができる。これらの溶媒
は、単独で使用しても2種類以上混合して使用してもま
ったく差し支えない。
常の有機溶媒を何等制限なく用いることができる。これ
らの溶媒を具体的に例示すると、アセトニトリル、プロ
ピオニトリル等のニトリル類;テトラハイドロフラン、
1,4−ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル
類;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステ
ル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン等のケトン類;トルエン、キシレン、ベンゼン
等の芳香族炭化水素類;クロロベンゼン、ジクロロベン
ゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素類;N,N−ジメチ
ルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のア
ミド類;ジメチルカーボネート等のカーボネート類;ジ
クロロメタン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素類;トリエ
チルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチル
アミン等の脂肪族3級アミン類;ピリジン、N,N−ジ
メチルベンジルアミン等の芳香族アミン類;ジメチルス
ルフォキシド等を挙げることができる。これらの溶媒
は、単独で使用しても2種類以上混合して使用してもま
ったく差し支えない。
【0042】これらの有機溶媒中の、上記式(II)で示
されるチアゾール誘導体の濃度としては、特に限定する
ものではないが、あまり濃度が低いと1回の反応当たり
の収量が少なくなるため経済的ではなく、あまり濃度が
高いと攪拌等の操作に支障を及ぼすため、好ましくは
0.1〜80重量%、さらに好ましくは1〜60重量%
の範囲から選択するのがよい。
されるチアゾール誘導体の濃度としては、特に限定する
ものではないが、あまり濃度が低いと1回の反応当たり
の収量が少なくなるため経済的ではなく、あまり濃度が
高いと攪拌等の操作に支障を及ぼすため、好ましくは
0.1〜80重量%、さらに好ましくは1〜60重量%
の範囲から選択するのがよい。
【0043】反応温度としては、本反応に用いるアルカ
リ金属塩の種類によって大きく異なるため特に制限され
ないが、あまり温度が高いと副反応を助長しあまり温度
が低いと反応速度が著しく落ちるため、通常、−70〜
60℃、好ましくは−70〜50℃の範囲から選択する
のがよい。
リ金属塩の種類によって大きく異なるため特に制限され
ないが、あまり温度が高いと副反応を助長しあまり温度
が低いと反応速度が著しく落ちるため、通常、−70〜
60℃、好ましくは−70〜50℃の範囲から選択する
のがよい。
【0044】反応時間としては、溶媒及びチアゾール誘
導体の種類によって異なるため特に制限はないが、1〜
50時間の範囲で充分である。
導体の種類によって異なるため特に制限はないが、1〜
50時間の範囲で充分である。
【0045】その他の製造方法としては、下記式(V)
【0046】
【化7】
【0047】(但し、R1は水素原子またはアルコキシ
カルボニル基であり、R4はアルキル基であり、Trは
トリチル基である。)で示される複素環化合物を、アル
カリ金属塩存在下、水と水に相溶する有機溶媒の存在中
で加水分解することによっても製造可能である。
カルボニル基であり、R4はアルキル基であり、Trは
トリチル基である。)で示される複素環化合物を、アル
カリ金属塩存在下、水と水に相溶する有機溶媒の存在中
で加水分解することによっても製造可能である。
【0048】上記式(V)において、R4で示されるアル
キル基としては通常のアルキル基を何等制限無く用いる
ことができる。それらを具体的に例示すると、メチル
基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、
n−ブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜6の
アルキル基を挙げることができる。
キル基としては通常のアルキル基を何等制限無く用いる
ことができる。それらを具体的に例示すると、メチル
基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、
n−ブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜6の
アルキル基を挙げることができる。
【0049】本反応に使用されるアルカリ金属塩として
は上記本発明の反応と同様のアルカリ金属塩が何等制限
なく使用することができる。用いられるアルカリ金属塩
の量としては、上記式(V)で示される複素環化合物に
対して等量以上であれば特に制限はないが、あまり量が
多いと経済的でないため通常は該複素環化合物に対して
1.0〜20倍当量、さらに好ましくは1.0〜10倍
当量の範囲から選択するのがよい。
は上記本発明の反応と同様のアルカリ金属塩が何等制限
なく使用することができる。用いられるアルカリ金属塩
の量としては、上記式(V)で示される複素環化合物に
対して等量以上であれば特に制限はないが、あまり量が
多いと経済的でないため通常は該複素環化合物に対して
1.0〜20倍当量、さらに好ましくは1.0〜10倍
当量の範囲から選択するのがよい。
【0050】上記反応に用いられる有機溶媒としては、
通常水と相溶する有機溶媒を何等制限なく用いることが
できる。これらの溶媒を具体的に例示すると、アセトニ
トリル、プロピオニトリル等のニトリル類;テトラハイ
ドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類;アセ
トン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等
のケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−
ジメチルアセトアミド等のアミド類;メタノール、エタ
ノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノー
ル、t−ブタノール等のアルコール類を挙げることがで
きる。これらの溶媒は、単独で使用しても2種類以上混
合して使用してもまったく差し支えない。これらの有機
溶媒と水との混合比については、複素環化合物の種類に
よってもことなるため一概には制限できないが、通常水
100容量部に対して有機溶媒10〜1000容量部の
範囲から選択することが好ましい。
通常水と相溶する有機溶媒を何等制限なく用いることが
できる。これらの溶媒を具体的に例示すると、アセトニ
トリル、プロピオニトリル等のニトリル類;テトラハイ
ドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類;アセ
トン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等
のケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−
ジメチルアセトアミド等のアミド類;メタノール、エタ
ノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノー
ル、t−ブタノール等のアルコール類を挙げることがで
きる。これらの溶媒は、単独で使用しても2種類以上混
合して使用してもまったく差し支えない。これらの有機
溶媒と水との混合比については、複素環化合物の種類に
よってもことなるため一概には制限できないが、通常水
100容量部に対して有機溶媒10〜1000容量部の
範囲から選択することが好ましい。
【0051】これらの混合溶媒中、上記式(V)で示さ
れる複素環化合物の濃度としては、特に限定するもので
はないが、あまり濃度が低いと1回の反応当たりの収量
が少なくなるため経済的ではなく、あまり濃度が高いと
攪拌等の操作に支障を及ぼすため、好ましくは0.1〜
80重量%、さらに好ましくは1〜60重量%の範囲か
ら選択するのがよい。
れる複素環化合物の濃度としては、特に限定するもので
はないが、あまり濃度が低いと1回の反応当たりの収量
が少なくなるため経済的ではなく、あまり濃度が高いと
攪拌等の操作に支障を及ぼすため、好ましくは0.1〜
80重量%、さらに好ましくは1〜60重量%の範囲か
ら選択するのがよい。
【0052】反応温度としては、本反応に用いるアルカ
リ金属塩及び複素環化合物の種類によって大きく異なる
ため特に制限されないが、あまり温度が高いと副反応を
助長しあまり温度が低いと反応速度が著しく落ちるた
め、通常、10〜100℃、好ましくは20〜100℃
の範囲から選択するのがよい。
リ金属塩及び複素環化合物の種類によって大きく異なる
ため特に制限されないが、あまり温度が高いと副反応を
助長しあまり温度が低いと反応速度が著しく落ちるた
め、通常、10〜100℃、好ましくは20〜100℃
の範囲から選択するのがよい。
【0053】反応時間としては、溶媒及び複素環化合物
の種類によって異なるため特に制限はないが、1〜10
00時間の範囲で充分である。
の種類によって異なるため特に制限はないが、1〜10
00時間の範囲で充分である。
【0054】このようにして製造された上記式(I)で
示される2−アミノチアゾール酢酸塩誘導体は、塩基性
条件下で反応液から単離される。塩基性条件としては、
通常、pH8〜14で行われる。ここで、反応液が塩基
性を呈していない場合は、反応液に、目的とする2−ア
ミノチアゾール酢酸塩誘導体を構成するアルカリ金属成
分を陽イオン成分とする無機塩基を必要量添加し、該反
応液を塩基性に調整すればよい。また、前記したうちの
前者の製造方法においては、アルカリ金属塩の量をトリ
チルハライドよりも、多めに使用しておけば、反応後に
再度塩基を添加する必要もなく効率的である。
示される2−アミノチアゾール酢酸塩誘導体は、塩基性
条件下で反応液から単離される。塩基性条件としては、
通常、pH8〜14で行われる。ここで、反応液が塩基
性を呈していない場合は、反応液に、目的とする2−ア
ミノチアゾール酢酸塩誘導体を構成するアルカリ金属成
分を陽イオン成分とする無機塩基を必要量添加し、該反
応液を塩基性に調整すればよい。また、前記したうちの
前者の製造方法においては、アルカリ金属塩の量をトリ
チルハライドよりも、多めに使用しておけば、反応後に
再度塩基を添加する必要もなく効率的である。
【0055】単離操作の方法としては、反応系が塩基性
に維持されておれば特に制限はない。具体的な方法を例
示すると、反応溶液を冷却するなどして析出した結晶を
濾別し、濾別した結晶を有機溶媒で洗浄することによっ
て、副生するアルカリ金属ハロゲン化物だけを取り除
き、濾液と洗液を合わせて溶媒を濃縮し、再結晶或いは
ヘキサン、ヘプタン等の貧溶媒を加えて晶析する方法、
反応溶媒に水に溶解する溶媒を用いた場合は溶媒を可能
な限り留去した後に、反応溶媒に水に溶解しない溶媒を
用いた場合はそのまま反応溶液に水を加えて、副生する
アルカリ金属ハロゲン化物を溶解させ、析出した結晶を
濾取する方法、或いは析出した結晶を再度有機溶媒にて
抽出し、必要とあれば硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、
硫酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リ
チウム、硫酸マグネシウム等の乾燥剤を用いて乾燥を行
った後、溶媒を留去し、再結晶、或いはヘキサン、ヘプ
タン等の貧溶媒を加えて晶析する方法等を挙げることが
できる。
に維持されておれば特に制限はない。具体的な方法を例
示すると、反応溶液を冷却するなどして析出した結晶を
濾別し、濾別した結晶を有機溶媒で洗浄することによっ
て、副生するアルカリ金属ハロゲン化物だけを取り除
き、濾液と洗液を合わせて溶媒を濃縮し、再結晶或いは
ヘキサン、ヘプタン等の貧溶媒を加えて晶析する方法、
反応溶媒に水に溶解する溶媒を用いた場合は溶媒を可能
な限り留去した後に、反応溶媒に水に溶解しない溶媒を
用いた場合はそのまま反応溶液に水を加えて、副生する
アルカリ金属ハロゲン化物を溶解させ、析出した結晶を
濾取する方法、或いは析出した結晶を再度有機溶媒にて
抽出し、必要とあれば硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、
硫酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リ
チウム、硫酸マグネシウム等の乾燥剤を用いて乾燥を行
った後、溶媒を留去し、再結晶、或いはヘキサン、ヘプ
タン等の貧溶媒を加えて晶析する方法等を挙げることが
できる。
【0056】このようにして単離された上記式(I)で
示される2−アミノチアゾール酢酸塩誘導体は、通常の
乾燥工程によって溶媒及び水分を除去される。乾燥条件
については2−アミノチアゾール酢酸塩誘導体の種類に
よって異なるため特に制限はないが、あまり温度が高い
とトリチル基等の解裂反応がおき、あまり温度が低いと
乾燥時間がかかるため、通常10〜80℃の範囲で行わ
れる。また、乾燥時の圧力については特に制限はない
が、減圧乾燥が好ましく、常圧乾燥の際には送風乾燥が
好ましい。
示される2−アミノチアゾール酢酸塩誘導体は、通常の
乾燥工程によって溶媒及び水分を除去される。乾燥条件
については2−アミノチアゾール酢酸塩誘導体の種類に
よって異なるため特に制限はないが、あまり温度が高い
とトリチル基等の解裂反応がおき、あまり温度が低いと
乾燥時間がかかるため、通常10〜80℃の範囲で行わ
れる。また、乾燥時の圧力については特に制限はない
が、減圧乾燥が好ましく、常圧乾燥の際には送風乾燥が
好ましい。
【0057】以上により得られた上記式(I)で示され
る2−アミノチアゾール酢酸塩誘導体は、多くの有機溶
媒に対して高い溶解度を有する。このことは、上述の如
く上記式(I)で示される2−アミノチアゾール酢酸塩
誘導体の製造工程に於いて、有機溶媒による抽出操作を
可能ならしめるだけではなく、このものの高濃度有機溶
媒中での他の反応剤との反応、高濃度の有機溶媒溶液と
しての保存、さらには移送も可能にする。
る2−アミノチアゾール酢酸塩誘導体は、多くの有機溶
媒に対して高い溶解度を有する。このことは、上述の如
く上記式(I)で示される2−アミノチアゾール酢酸塩
誘導体の製造工程に於いて、有機溶媒による抽出操作を
可能ならしめるだけではなく、このものの高濃度有機溶
媒中での他の反応剤との反応、高濃度の有機溶媒溶液と
しての保存、さらには移送も可能にする。
【0058】上記式(I)で示される2−アミノチアゾ
ール酢酸塩誘導体を溶解させる有機溶媒としては、該2
−アミノチアゾール酢酸塩誘導体の種類によってその溶
解度が異なるため一概には言えないが、反応条件、化合
物の種類及び使用の目的に合わせてより溶解度の高い溶
媒を適宜選択すればよい。それらの溶媒を具体的に例示
すると、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリ
ル類;テトラハイドロフラン、1,4−ジオキサン、ジ
エチルエーテル等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸プロ
ピル、酢酸ブチル等のエステル類;アセトン、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;メ
タノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノー
ル、ブタノール、t−ブタノール等のアルコール類;ト
ルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素類;ク
ロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族
炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−
ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジメチルカーボネ
ート等のカーボネート類;ジクロロメタン、クロロフォ
ルム等の脂肪族ハロゲン化炭化水素類;ジメチルスルフ
ォキシド等を挙げることができる。特に、本発明の2−
アミノチアゾール酢酸塩誘導体は、酸の形態ではほとん
ど溶解性を示さない塩化メチレンに対して著しい溶解度
の向上効果が認められ好適である。塩化メチレンに溶解
させた場合、その溶解量は、1重量%以上、好適には5
重量%以上とするのが良好である。
ール酢酸塩誘導体を溶解させる有機溶媒としては、該2
−アミノチアゾール酢酸塩誘導体の種類によってその溶
解度が異なるため一概には言えないが、反応条件、化合
物の種類及び使用の目的に合わせてより溶解度の高い溶
媒を適宜選択すればよい。それらの溶媒を具体的に例示
すると、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリ
ル類;テトラハイドロフラン、1,4−ジオキサン、ジ
エチルエーテル等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸プロ
ピル、酢酸ブチル等のエステル類;アセトン、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;メ
タノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノー
ル、ブタノール、t−ブタノール等のアルコール類;ト
ルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素類;ク
ロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族
炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−
ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジメチルカーボネ
ート等のカーボネート類;ジクロロメタン、クロロフォ
ルム等の脂肪族ハロゲン化炭化水素類;ジメチルスルフ
ォキシド等を挙げることができる。特に、本発明の2−
アミノチアゾール酢酸塩誘導体は、酸の形態ではほとん
ど溶解性を示さない塩化メチレンに対して著しい溶解度
の向上効果が認められ好適である。塩化メチレンに溶解
させた場合、その溶解量は、1重量%以上、好適には5
重量%以上とするのが良好である。
【0059】本発明によって得られた上記式(I)で示
される2−アミノチアゾール酢酸塩誘導体は、上記式
(III)で示される2−アミノチアゾール酢酸誘導体に
変換することなく、そのまま7−アミノセファロスポラ
ン酸誘導体との縮合反応によってセファロスポリン系抗
生物質誘導体を製造する反応の原料として用いることが
できる。縮合反応は有機溶媒中で行われるが、その際、
2−アミノチアゾール酢酸塩誘導体は、貯蔵上有利な反
応原液が容易に調合でき好適である。特に本発明の如く
塩化メチレンを反応溶媒として採択すると、該化合物を
高濃度に溶解可能な上、反応後の分離精製操作が水を用
いた分液により操作性良く実施でき好ましい。
される2−アミノチアゾール酢酸塩誘導体は、上記式
(III)で示される2−アミノチアゾール酢酸誘導体に
変換することなく、そのまま7−アミノセファロスポラ
ン酸誘導体との縮合反応によってセファロスポリン系抗
生物質誘導体を製造する反応の原料として用いることが
できる。縮合反応は有機溶媒中で行われるが、その際、
2−アミノチアゾール酢酸塩誘導体は、貯蔵上有利な反
応原液が容易に調合でき好適である。特に本発明の如く
塩化メチレンを反応溶媒として採択すると、該化合物を
高濃度に溶解可能な上、反応後の分離精製操作が水を用
いた分液により操作性良く実施でき好ましい。
【0060】縮合反応の方法については、通常の縮合反
応が何等制限なく用いることができる。その例を具体的
に挙げると、5塩化リン、オギザリルクロライド、ホス
ゲン等を用いることによる酸クロライド法、クロロ炭酸
メチル、クロロ炭酸エチル、無水酢酸等を用いることに
よる混合酸無水物法、ジメチルホルムアミドとホスゲ
ン、オキシ塩化リン、塩化チオニル等の塩化物によって
調製されるビルスマイヤー試薬を用いる方法等がある。
これらの方法によって上記式(I)で示される2−アミ
ノチアゾール酢酸誘導体の塩及びその水和物は、7−ア
ミノセファロスポラン酸誘導体と温和な条件下で容易に
反応し、セファロスポリン系抗生物質誘導体へと導かれ
る。
応が何等制限なく用いることができる。その例を具体的
に挙げると、5塩化リン、オギザリルクロライド、ホス
ゲン等を用いることによる酸クロライド法、クロロ炭酸
メチル、クロロ炭酸エチル、無水酢酸等を用いることに
よる混合酸無水物法、ジメチルホルムアミドとホスゲ
ン、オキシ塩化リン、塩化チオニル等の塩化物によって
調製されるビルスマイヤー試薬を用いる方法等がある。
これらの方法によって上記式(I)で示される2−アミ
ノチアゾール酢酸誘導体の塩及びその水和物は、7−ア
ミノセファロスポラン酸誘導体と温和な条件下で容易に
反応し、セファロスポリン系抗生物質誘導体へと導かれ
る。
【0061】
【発明の効果】本発明によれば、上記式(I)で示され
た2−アミノチアゾール酢酸塩誘導体が多くの有機溶媒
に対して高い溶解度を有している。そのため、この2−
アミノチアゾール酢酸塩誘導体は、高濃度の有機溶液、
特に塩化メチレンに容易に調合可能であり、貯蔵、運搬
に有利である。さらには、かかる2−アミノチアゾール
酢酸塩誘導体の高濃度有機溶液は、2−アミノチアゾー
ル酢酸誘導体を合成原料とする種々の反応に利用可能で
あり、例えば、酸に変換することなくそのままの形で7
−アミノセファロスポラン酸との縮合反応に供すること
ができる。また、こうした7−アミノセファロスポラン
酸との縮合反応に供した場合、縮合反応に用いる塩基の
量をカルボン酸を中和するに必要な量だけ削減すること
ができるため、極めて経済的であるという利点も有す
る。
た2−アミノチアゾール酢酸塩誘導体が多くの有機溶媒
に対して高い溶解度を有している。そのため、この2−
アミノチアゾール酢酸塩誘導体は、高濃度の有機溶液、
特に塩化メチレンに容易に調合可能であり、貯蔵、運搬
に有利である。さらには、かかる2−アミノチアゾール
酢酸塩誘導体の高濃度有機溶液は、2−アミノチアゾー
ル酢酸誘導体を合成原料とする種々の反応に利用可能で
あり、例えば、酸に変換することなくそのままの形で7
−アミノセファロスポラン酸との縮合反応に供すること
ができる。また、こうした7−アミノセファロスポラン
酸との縮合反応に供した場合、縮合反応に用いる塩基の
量をカルボン酸を中和するに必要な量だけ削減すること
ができるため、極めて経済的であるという利点も有す
る。
【0062】
【実施例】以下、実施例を掲げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例に制限されるものではない。また
以下の実施例の中に水及び有機溶媒に対する溶解度が記
載されているが、これらの溶解度はいずれも溶質重量/
溶媒重量×100%で表される。溶解度の測定方法とし
ては、溶媒の温度を20〜21℃に保ちながら溶質を逐
次加え、激しく攪拌して、もうこれ以上溶解しない飽和
状態にした後、さらに同温度で2時間攪拌し、不溶の溶
質をメンブランフィルターで濾別した。
本発明はこれら実施例に制限されるものではない。また
以下の実施例の中に水及び有機溶媒に対する溶解度が記
載されているが、これらの溶解度はいずれも溶質重量/
溶媒重量×100%で表される。溶解度の測定方法とし
ては、溶媒の温度を20〜21℃に保ちながら溶質を逐
次加え、激しく攪拌して、もうこれ以上溶解しない飽和
状態にした後、さらに同温度で2時間攪拌し、不溶の溶
質をメンブランフィルターで濾別した。
【0063】実施例1 2Lの四つ口フラスコに、温度計、冷却管、攪拌翼を取
り付け、2−(2−t−ブトキシカルボニルアミノチア
ゾール−4−イル)−2−(Z)−ヒドロキシイミノ酢
酸57.6g(0.2mol)、炭酸カリウム60.8
g(0.44mol)、アセトニトリル1200mlを
加え、室温で1時間攪拌した。その後、トリチルクロラ
イド58.5g(0.21mol)を添加し、さらに1
2時間室温下で攪拌した。
り付け、2−(2−t−ブトキシカルボニルアミノチア
ゾール−4−イル)−2−(Z)−ヒドロキシイミノ酢
酸57.6g(0.2mol)、炭酸カリウム60.8
g(0.44mol)、アセトニトリル1200mlを
加え、室温で1時間攪拌した。その後、トリチルクロラ
イド58.5g(0.21mol)を添加し、さらに1
2時間室温下で攪拌した。
【0064】反応終了後、アセトニトリルを可能なかぎ
り留去した。反応残渣に酢酸エチル800ml,水80
0mlを加え、有機溶媒への溶解成分を抽出した後、酢
酸エチル溶液を分液し、これに炭酸カリウム120gを
加えて溶解している水を取り除いた。固液分離した後、
酢酸エチルを700ml留去し、ヘキサン1200ml
を加えたところ、白色の結晶が析出したので、これを濾
取、真空乾燥したところ、2−(2−t−ブトキシカル
ボニルアミノチアゾール−4−イル)−2−(Z)−ト
リチルオキシイミノ酢酸カリウムの結晶体を105.3
2g得た。
り留去した。反応残渣に酢酸エチル800ml,水80
0mlを加え、有機溶媒への溶解成分を抽出した後、酢
酸エチル溶液を分液し、これに炭酸カリウム120gを
加えて溶解している水を取り除いた。固液分離した後、
酢酸エチルを700ml留去し、ヘキサン1200ml
を加えたところ、白色の結晶が析出したので、これを濾
取、真空乾燥したところ、2−(2−t−ブトキシカル
ボニルアミノチアゾール−4−イル)−2−(Z)−ト
リチルオキシイミノ酢酸カリウムの結晶体を105.3
2g得た。
【0065】このものの赤外吸収スペクトルを測定した
結果、1722cm-1にカルボニル基に基づく吸収を得
た。カールフィッシャー分析によってその水和量を測定
すると、4/5水和物に相当した。その元素分析値はC
60.01%、H4.70%、N7.12%、O15.
82%、S5.68%であって組成式C29H26N3O5S
1K・4/5H2O(582.10)に対する計算値であ
るC59.84%、H4.78%、N7.22%、O1
5.94%、S5.51%に良く一致した。
結果、1722cm-1にカルボニル基に基づく吸収を得
た。カールフィッシャー分析によってその水和量を測定
すると、4/5水和物に相当した。その元素分析値はC
60.01%、H4.70%、N7.12%、O15.
82%、S5.68%であって組成式C29H26N3O5S
1K・4/5H2O(582.10)に対する計算値であ
るC59.84%、H4.78%、N7.22%、O1
5.94%、S5.51%に良く一致した。
【0066】さらに、1H−核磁気共鳴スペクトル
(δ:ppm:テトラメチルシラン基準:重ジメチルス
ルフォキシド溶媒)を測定した結果は以下の通りであっ
た。
(δ:ppm:テトラメチルシラン基準:重ジメチルス
ルフォキシド溶媒)を測定した結果は以下の通りであっ
た。
【0067】
【化8】
【0068】1.44ppmにプロトン9個分の一重線
を示し、(a)のt−ブチル基のプロトンであった。
7.11ppmにプロトン1個分の一重線を示し、
(b)の複素環内のプロトンであった。7.20〜7.
39ppmにかけてプロトン15個分の多重線を示し、
(c)のベンゼン環のプロトンであった。11.73p
pmにプロトン1個分の一重線を示し、(d)のアミド
のプロトンであった。
を示し、(a)のt−ブチル基のプロトンであった。
7.11ppmにプロトン1個分の一重線を示し、
(b)の複素環内のプロトンであった。7.20〜7.
39ppmにかけてプロトン15個分の多重線を示し、
(c)のベンゼン環のプロトンであった。11.73p
pmにプロトン1個分の一重線を示し、(d)のアミド
のプロトンであった。
【0069】上記の結果から、単離生成物が2−(2−
t−ブトキシカルボニルアミノチアゾール−4−イル)
−2−(Z)−トリチルオキシイミノ酢酸カリウム・4
/5水和物であることが明かとなり、その収率は90.
5%であった。
t−ブトキシカルボニルアミノチアゾール−4−イル)
−2−(Z)−トリチルオキシイミノ酢酸カリウム・4
/5水和物であることが明かとなり、その収率は90.
5%であった。
【0070】また、得られた2−(2−t−ブトキシカ
ルボニルアミノチアゾール−4−イル)−2−(Z)−
トリチルオキシイミノ酢酸カリウム・4/5水和物の有
機溶媒及び水への溶解度を測定した。その結果を表1に
示した。
ルボニルアミノチアゾール−4−イル)−2−(Z)−
トリチルオキシイミノ酢酸カリウム・4/5水和物の有
機溶媒及び水への溶解度を測定した。その結果を表1に
示した。
【0071】
【表1】
【0072】実施例2アルカリ金属塩を炭酸ナトリウム
に、抽出溶媒を塩化メチレンに変更した以外は実施例1
と同様の反応を行った。
に、抽出溶媒を塩化メチレンに変更した以外は実施例1
と同様の反応を行った。
【0073】その結果、2−(2−t−ブトキシカルボ
ニルアミノチアゾール−4−イル)−2−(Z)−トリ
チルオキシイミノ酢酸ナトリウムの結晶体を82.7g
得た。
ニルアミノチアゾール−4−イル)−2−(Z)−トリ
チルオキシイミノ酢酸ナトリウムの結晶体を82.7g
得た。
【0074】このものの赤外吸収スペクトルを測定した
結果、1721cm-1にカルボニル基に基づく吸収を得
た。カールフィッシャー分析によってその水和量を測定
すると、1/7水和物に相当した。その元素分析値はC
62.70%、H4.91%、N7.53%、O14.
59%、S5.93%であって組成式C29H26N3O5S
1Na・1/7H2O(554.16)に対する計算値で
あるC62.86%、H4.78%、N7.53%、O
14.85%、S5.79%に良く一致した。
結果、1721cm-1にカルボニル基に基づく吸収を得
た。カールフィッシャー分析によってその水和量を測定
すると、1/7水和物に相当した。その元素分析値はC
62.70%、H4.91%、N7.53%、O14.
59%、S5.93%であって組成式C29H26N3O5S
1Na・1/7H2O(554.16)に対する計算値で
あるC62.86%、H4.78%、N7.53%、O
14.85%、S5.79%に良く一致した。
【0075】さらに、1H−核磁気共鳴スペクトル
(δ:ppm:テトラメチルシラン基準:重ジメチルス
ルフォキシド溶媒)を測定した結果は以下の通りであっ
た。
(δ:ppm:テトラメチルシラン基準:重ジメチルス
ルフォキシド溶媒)を測定した結果は以下の通りであっ
た。
【0076】
【化9】
【0077】1.44ppmにプロトン9個分の一重線
を示し、(a)のt−ブチル基のプロトンであった。
7.11ppmにプロトン1個分の一重線を示し、
(b)の複素環内のプロトンであった。7.20〜7.
39ppmにかけてプロトン15個分の多重線を示し、
(c)のベンゼン環のプロトンであった。11.73p
pmにプロトン1個分の一重線を示し、(d)のアミド
のプロトンであった。
を示し、(a)のt−ブチル基のプロトンであった。
7.11ppmにプロトン1個分の一重線を示し、
(b)の複素環内のプロトンであった。7.20〜7.
39ppmにかけてプロトン15個分の多重線を示し、
(c)のベンゼン環のプロトンであった。11.73p
pmにプロトン1個分の一重線を示し、(d)のアミド
のプロトンであった。
【0078】上記の結果から、単離生成物が2−(2−
t−ブトキシカルボニルアミノチアゾール−4−イル)
−2−(Z)−トリチルオキシイミノ酢酸ナトリウム・
1/7水和物であることが明かとなり、その収率は7
4.6%であった。
t−ブトキシカルボニルアミノチアゾール−4−イル)
−2−(Z)−トリチルオキシイミノ酢酸ナトリウム・
1/7水和物であることが明かとなり、その収率は7
4.6%であった。
【0079】また、得られた2−(2−t−ブトキシカ
ルボニルアミノチアゾール−4−イル)−2−(Z)−
トリチルオキシイミノ酢酸ナトリウム・1/7水和物の
塩化メチレンの20℃における溶解度を測定したとこ
ろ、33.4%であり、1.4−ジオキサンに対しては
39.1%、t−ブタノールに対しては8.7%であっ
た。
ルボニルアミノチアゾール−4−イル)−2−(Z)−
トリチルオキシイミノ酢酸ナトリウム・1/7水和物の
塩化メチレンの20℃における溶解度を測定したとこ
ろ、33.4%であり、1.4−ジオキサンに対しては
39.1%、t−ブタノールに対しては8.7%であっ
た。
【0080】実施例3 アルカリ金属塩を炭酸リチウムに変更した以外は実施例
1と同様の反応を行った。
1と同様の反応を行った。
【0081】その結果、2−(2−t−ブトキシカルボ
ニルアミノチアゾール−4−イル)−2−(Z)−トリ
チルオキシイミノ酢酸リチウムの結晶体を50.0g得
た。
ニルアミノチアゾール−4−イル)−2−(Z)−トリ
チルオキシイミノ酢酸リチウムの結晶体を50.0g得
た。
【0082】このものの赤外吸収スペクトルを測定した
結果、1720cm-1にカルボニル基に基づく吸収を得
た。カールフィッシャー分析によってその水和量を測定
すると、無水物であった。その元素分析値はC64.8
8%、H5.01%、N7.74%、O14.79%、
S6.16%であって組成式C29H26N3O5S1Li
(535.54)に対する計算値であるC65.04
%、H4.89%、N7.85%、O14.94%、S
5.99%に良く一致した。
結果、1720cm-1にカルボニル基に基づく吸収を得
た。カールフィッシャー分析によってその水和量を測定
すると、無水物であった。その元素分析値はC64.8
8%、H5.01%、N7.74%、O14.79%、
S6.16%であって組成式C29H26N3O5S1Li
(535.54)に対する計算値であるC65.04
%、H4.89%、N7.85%、O14.94%、S
5.99%に良く一致した。
【0083】さらに、1H−核磁気共鳴スペクトル
(δ:ppm:テトラメチルシラン基準:重ジメチルス
ルフォキシド溶媒)を測定した結果は以下の通りであっ
た。
(δ:ppm:テトラメチルシラン基準:重ジメチルス
ルフォキシド溶媒)を測定した結果は以下の通りであっ
た。
【0084】
【化10】
【0085】1.44ppmにプロトン9個分の一重線
を示し、(a)のt−ブチル基のプロトンであった。
7.11ppmにプロトン1個分の一重線を示し、
(b)の複素環内のプロトンであった。7.20〜7.
39ppmにかけてプロトン15個分の多重線を示し、
(c)のベンゼン環のプロトンであった。11.73p
pmにプロトン1個分の一重線を示し、(d)のアミド
のプロトンであった。
を示し、(a)のt−ブチル基のプロトンであった。
7.11ppmにプロトン1個分の一重線を示し、
(b)の複素環内のプロトンであった。7.20〜7.
39ppmにかけてプロトン15個分の多重線を示し、
(c)のベンゼン環のプロトンであった。11.73p
pmにプロトン1個分の一重線を示し、(d)のアミド
のプロトンであった。
【0086】上記の結果から、単離生成物が2−(2−
t−ブトキシカルボニルアミノチアゾール−4−イル)
−2−(Z)−トリチルオキシイミノ酢酸リチウムであ
ることが明かとなり、その収率は46.7%であった。
t−ブトキシカルボニルアミノチアゾール−4−イル)
−2−(Z)−トリチルオキシイミノ酢酸リチウムであ
ることが明かとなり、その収率は46.7%であった。
【0087】また、得られた2−(2−t−ブトキシカ
ルボニルアミノチアゾール−4−イル)−2−(Z)−
トリチルオキシイミノ酢酸リチウムの有機溶媒及び水へ
の溶解度を測定した。溶解度は、その結果を表3に示
す。
ルボニルアミノチアゾール−4−イル)−2−(Z)−
トリチルオキシイミノ酢酸リチウムの有機溶媒及び水へ
の溶解度を測定した。溶解度は、その結果を表3に示
す。
【0088】
【表2】
【0089】比較例12 Lの四つ口フラスコに、温度計、冷却管、攪拌翼を取り
付け、2−(2−t−ブトキシカルボニルアミノチアゾ
ール−4−イル)−2−(Z)−ヒドロキシイミノ酢酸
86.3g(0.3mol)、N,N−ジメチルホルム
アミド600ml、炭酸カリウム92.0g(0.67
mol)、トリチルクロライド100.0g(0.36
mol)を加え、室温で3日間攪拌する。反応終了後、
反応液を濃塩酸111mlと氷水1500mlの混合溶
液に注ぎ込み、酢酸エチル1200mlで抽出した。抽
出液を、水600ml、5%炭酸水素ナトリウム水溶液
600ml、2%塩酸水600ml、5%食塩水600
mlで次々と洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮
した。
付け、2−(2−t−ブトキシカルボニルアミノチアゾ
ール−4−イル)−2−(Z)−ヒドロキシイミノ酢酸
86.3g(0.3mol)、N,N−ジメチルホルム
アミド600ml、炭酸カリウム92.0g(0.67
mol)、トリチルクロライド100.0g(0.36
mol)を加え、室温で3日間攪拌する。反応終了後、
反応液を濃塩酸111mlと氷水1500mlの混合溶
液に注ぎ込み、酢酸エチル1200mlで抽出した。抽
出液を、水600ml、5%炭酸水素ナトリウム水溶液
600ml、2%塩酸水600ml、5%食塩水600
mlで次々と洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮
した。
【0090】得られた粘ちょうなオイルに塩化メチレン
1000mlを加えて結晶化させたところ、白色結晶と
して2−(2−t−ブトキシカルボニルアミノチアゾー
ル−4−イル)−2−(Z)−トリチルオキシイミノ酢
酸を139.8g(収率88.0%)得た。得られた2
−(2−t−ブトキシカルボニルアミノチアゾール−4
−イル)−2−(Z)−トリチルオキシイミノ酢酸の有
機溶媒及び水への溶解度を測定した。溶解度は、その結
果を表4に示す。
1000mlを加えて結晶化させたところ、白色結晶と
して2−(2−t−ブトキシカルボニルアミノチアゾー
ル−4−イル)−2−(Z)−トリチルオキシイミノ酢
酸を139.8g(収率88.0%)得た。得られた2
−(2−t−ブトキシカルボニルアミノチアゾール−4
−イル)−2−(Z)−トリチルオキシイミノ酢酸の有
機溶媒及び水への溶解度を測定した。溶解度は、その結
果を表4に示す。
【0091】
【表3】
【0092】実施例4 1Lの四つ口フラスコに、温度計、冷却管、攪拌翼を取
り付け、2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2
−(Z)−トリチルオキシイミノ酢酸エチル42.95
g(0.1mol)、水酸化ナトリウム40.0g
(1.0mol)、ジオキサン600mlを加え80℃
で3時間攪拌した。反応終了後、ジオキサンを留去し、
析出した結晶を濾過、さらに水300mlで洗浄し、真
空乾燥を行ったところ、ベージュ色の固体として2−
(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−(Z)−ト
リチルオキシイミノ酢酸ナトリウムを27.9g得た。
り付け、2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2
−(Z)−トリチルオキシイミノ酢酸エチル42.95
g(0.1mol)、水酸化ナトリウム40.0g
(1.0mol)、ジオキサン600mlを加え80℃
で3時間攪拌した。反応終了後、ジオキサンを留去し、
析出した結晶を濾過、さらに水300mlで洗浄し、真
空乾燥を行ったところ、ベージュ色の固体として2−
(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−(Z)−ト
リチルオキシイミノ酢酸ナトリウムを27.9g得た。
【0093】このものの赤外吸収スペクトルを測定した
結果、1600cm-1にカルボニル基に基づく吸収を得
た。カールフィッシャー分析によってその水和量を測定
すると、3/2水和物に相当した。その元素分析値はC
60.58%、H4.50%、N8.80%、O15.
30%、S6.80%であって組成式C24H18N3O3S
1Na・3/2H2O(474.49)に対する計算値で
あるC60.75%、H4.46%、N8.86%、O
15.17%、S6.76%に良く一致した。
結果、1600cm-1にカルボニル基に基づく吸収を得
た。カールフィッシャー分析によってその水和量を測定
すると、3/2水和物に相当した。その元素分析値はC
60.58%、H4.50%、N8.80%、O15.
30%、S6.80%であって組成式C24H18N3O3S
1Na・3/2H2O(474.49)に対する計算値で
あるC60.75%、H4.46%、N8.86%、O
15.17%、S6.76%に良く一致した。
【0094】さらに、1H−核磁気共鳴スペクトル
(δ:ppm:テトラメチルシラン基準:重ジメチルス
ルフォキシド溶媒)を測定した結果は以下の通りであっ
た。
(δ:ppm:テトラメチルシラン基準:重ジメチルス
ルフォキシド溶媒)を測定した結果は以下の通りであっ
た。
【0095】
【化11】
【0096】6.49ppmにプロトン1個分の一重線
を示し、(b)の複素環内のプロトンであった。6.9
6ppmにプロトン2個分の一重線を示し、(a)のア
ミノ基のプロトンであった。7.19〜7.39ppm
にかけてプロトン15個分の多重線を示し、(c)のベ
ンゼン環のプロトンであった。
を示し、(b)の複素環内のプロトンであった。6.9
6ppmにプロトン2個分の一重線を示し、(a)のア
ミノ基のプロトンであった。7.19〜7.39ppm
にかけてプロトン15個分の多重線を示し、(c)のベ
ンゼン環のプロトンであった。
【0097】上記の結果から、単離生成物が2−(2−
アミノチアゾール−4−イル)−2−(Z)−トリチル
オキシイミノ酢酸ナトリウム・3/2水和物であること
が明かとなり、その収率は58.8%であった。
アミノチアゾール−4−イル)−2−(Z)−トリチル
オキシイミノ酢酸ナトリウム・3/2水和物であること
が明かとなり、その収率は58.8%であった。
【0098】また、得られた2−(2−アミノチアゾー
ル−4−イル)−2−(Z)−トリチルオキシイミノ酢
酸ナトリウム・3/2水和物の酢酸エチルの20℃にお
ける溶解度を測定したところ、21.6%であり、塩化
メチレンに対しては5.4%であった。
ル−4−イル)−2−(Z)−トリチルオキシイミノ酢
酸ナトリウム・3/2水和物の酢酸エチルの20℃にお
ける溶解度を測定したところ、21.6%であり、塩化
メチレンに対しては5.4%であった。
【0099】比較例2 1Lの四つ口フラスコに、温度計、冷却管、攪拌翼を取
り付け、2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2
−(Z)−トリチルオキシイミノ酢酸エチル42.95
g(0.1mol)、水酸化ナトリウム40.0g
(1.0mol)、ジオキサン600mlを加え80℃
で3時間攪拌した。反応終了後、氷冷下、5Nの塩酸水
200mlを加え、ジオキサンを留去し、析出した結晶
を濾過、さらに水300mlで洗浄し、真空乾燥を行っ
たところ、ベージュ色の固体として2−(2−アミノチ
アゾール−4−イル)−2−(Z)−トリチルオキシイ
ミノ酢酸を34.0g(収率80.0%)得た。得られ
た2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−
(Z)−トリチルオキシイミノ酢酸の20℃における塩
化メチレンへの溶解度を測定したところ、わずかに0.
2%しかなく、同様に酢酸エチルイに対する溶解度も
0.3%に留まった。
り付け、2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2
−(Z)−トリチルオキシイミノ酢酸エチル42.95
g(0.1mol)、水酸化ナトリウム40.0g
(1.0mol)、ジオキサン600mlを加え80℃
で3時間攪拌した。反応終了後、氷冷下、5Nの塩酸水
200mlを加え、ジオキサンを留去し、析出した結晶
を濾過、さらに水300mlで洗浄し、真空乾燥を行っ
たところ、ベージュ色の固体として2−(2−アミノチ
アゾール−4−イル)−2−(Z)−トリチルオキシイ
ミノ酢酸を34.0g(収率80.0%)得た。得られ
た2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−
(Z)−トリチルオキシイミノ酢酸の20℃における塩
化メチレンへの溶解度を測定したところ、わずかに0.
2%しかなく、同様に酢酸エチルイに対する溶解度も
0.3%に留まった。
【0100】参考例1 塩化カルシウム管を備え付けた100mlの茄子型フラ
スコに、実施例1で得られた2−(2−t−ブトキシカ
ルボニルアミノチアゾール−4−イル)−2−(Z)−
トリチルオキシミノ酢酸カリウム・4/5水和物0.5
8g(1mmol)、トリエチルアミン0.15g
(1.5mmol)、塩化メチレン20mlを加え、氷
冷下攪拌した。この混合溶液に塩化メチレン10mlに
溶解させたクロロ炭酸メチル0.19g(1.5mmo
l)をゆっくり滴下した後、さらに氷冷下15分攪拌し
た。
スコに、実施例1で得られた2−(2−t−ブトキシカ
ルボニルアミノチアゾール−4−イル)−2−(Z)−
トリチルオキシミノ酢酸カリウム・4/5水和物0.5
8g(1mmol)、トリエチルアミン0.15g
(1.5mmol)、塩化メチレン20mlを加え、氷
冷下攪拌した。この混合溶液に塩化メチレン10mlに
溶解させたクロロ炭酸メチル0.19g(1.5mmo
l)をゆっくり滴下した後、さらに氷冷下15分攪拌し
た。
【0101】その後、塩化メチレン10mlに溶解させ
た7−アミノセファロスポラン酸t−ブチルエステル
0.39g(1.2mmol)を加え氷冷下1時間、室
温で3時間反応させた。反応終了後、水50mlを加
え、塩化メチレン層を分離した。
た7−アミノセファロスポラン酸t−ブチルエステル
0.39g(1.2mmol)を加え氷冷下1時間、室
温で3時間反応させた。反応終了後、水50mlを加
え、塩化メチレン層を分離した。
【0102】溶媒留去後、残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィーで分離精製したところ、t−ブチル 7
−[2−(2−t−ブトキシカルボニルアミノチアゾー
ル−4−イル)−2−(Z)−トリチルオキシイミノア
セトアミド]−3−アセチルオキシメチル−3−セフェ
ム−4−カルボキシレートを0.52g(収率62.8
%)で得た。
マトグラフィーで分離精製したところ、t−ブチル 7
−[2−(2−t−ブトキシカルボニルアミノチアゾー
ル−4−イル)−2−(Z)−トリチルオキシイミノア
セトアミド]−3−アセチルオキシメチル−3−セフェ
ム−4−カルボキシレートを0.52g(収率62.8
%)で得た。
【0103】参考例2 2−(2−t−ブトキシカルボニルアミノチアゾール−
4−イル)−2−(Z)−トリチルオキシミノ酢酸カリ
ウム・4/5水和物に代えて実施例2で得られた2−
(2−t−ブトキシカルボニルアミノチアゾール−4−
イル)−2−(Z)−トリチルオキシミノ酢酸ナトリウ
ム・1/7水和物を1mmol用いた以外は、参考例1
と同様の操作を行った。その結果を、t−ブチル 7−
[2−(2−t−ブトキシカルボニルアミノチアゾール
−4−イル)−2−(Z)−トリチルオキシイミノアセ
トアミド]−3−アセチルオキシメチル−3−セフェム
−4−カルボキシレートを0.58g(収率70.0
%)で得た。
4−イル)−2−(Z)−トリチルオキシミノ酢酸カリ
ウム・4/5水和物に代えて実施例2で得られた2−
(2−t−ブトキシカルボニルアミノチアゾール−4−
イル)−2−(Z)−トリチルオキシミノ酢酸ナトリウ
ム・1/7水和物を1mmol用いた以外は、参考例1
と同様の操作を行った。その結果を、t−ブチル 7−
[2−(2−t−ブトキシカルボニルアミノチアゾール
−4−イル)−2−(Z)−トリチルオキシイミノアセ
トアミド]−3−アセチルオキシメチル−3−セフェム
−4−カルボキシレートを0.58g(収率70.0
%)で得た。
【0104】参考例3 2−(2−t−ブトキシカルボニルアミノチアゾール−
4−イル)−2−(Z)−トリチルオキシミノ酢酸カリ
ウム・4/5水和物に代えて実施例3で得られた2−
(2−t−ブトキシカルボニルアミノチアゾール−4−
イル)−2−(Z)−トリチルオキシミノ酢酸リチウム
を1mmol用いた以外は、参考例1と同様の操作を行
った。その結果を、t−ブチル 7−[2−(2−t−
ブトキシカルボニルアミノチアゾール−4−イル)−2
−(Z)−トリチルオキシイミノアセトアミド]−3−
アセチルオキシメチル−3−セフェム−4−カルボキシ
レートを0.51g(収率61.4%)で得た。
4−イル)−2−(Z)−トリチルオキシミノ酢酸カリ
ウム・4/5水和物に代えて実施例3で得られた2−
(2−t−ブトキシカルボニルアミノチアゾール−4−
イル)−2−(Z)−トリチルオキシミノ酢酸リチウム
を1mmol用いた以外は、参考例1と同様の操作を行
った。その結果を、t−ブチル 7−[2−(2−t−
ブトキシカルボニルアミノチアゾール−4−イル)−2
−(Z)−トリチルオキシイミノアセトアミド]−3−
アセチルオキシメチル−3−セフェム−4−カルボキシ
レートを0.51g(収率61.4%)で得た。
【0105】参考例4 塩化カルシウム管を備え付けた100mlの茄子型フラ
スコに、実施例1で得られた2−(2−t−ブトキシカ
ルボニルアミノチアゾール−4−イル)−2−(Z)−
トリチルオキシミノ酢酸カリウム・4/5水和物0.5
8g(1mmol)、トリエチルアミン0.15g
(1.5mmol)、塩化メチレン20mlを加え、氷
冷下攪拌した。この混合溶液に塩化メチレン10mlに
溶解させたクロロ炭酸メチル0.19g(1.5mmo
l)をゆっくり滴下した後、さらに氷冷下15分攪拌し
た。
スコに、実施例1で得られた2−(2−t−ブトキシカ
ルボニルアミノチアゾール−4−イル)−2−(Z)−
トリチルオキシミノ酢酸カリウム・4/5水和物0.5
8g(1mmol)、トリエチルアミン0.15g
(1.5mmol)、塩化メチレン20mlを加え、氷
冷下攪拌した。この混合溶液に塩化メチレン10mlに
溶解させたクロロ炭酸メチル0.19g(1.5mmo
l)をゆっくり滴下した後、さらに氷冷下15分攪拌し
た。
【0106】その後、7−アミノセファロスポラン酸
0.33g(1.2mmol)、トリエチルアミン0.
14g(1.4mmol)を溶解させた塩化メチレン1
0mlを加え氷冷下1時間、室温で3時間反応させた。
反応終了後、水50mlを加え、塩化メチレン層を分離
した。
0.33g(1.2mmol)、トリエチルアミン0.
14g(1.4mmol)を溶解させた塩化メチレン1
0mlを加え氷冷下1時間、室温で3時間反応させた。
反応終了後、水50mlを加え、塩化メチレン層を分離
した。
【0107】溶媒留去後、残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィーで分離精製したところ、7−[2−(2
−t−ブトキシカルボニルアミノチアゾール−4−イ
ル)−2−(Z)−トリチルオキシイミノアセトアミ
ド]−3−アセチルオキシメチル−3−セフェム−4−
カルボキシレートを0.35g(収率46.8%)で得
た。
マトグラフィーで分離精製したところ、7−[2−(2
−t−ブトキシカルボニルアミノチアゾール−4−イ
ル)−2−(Z)−トリチルオキシイミノアセトアミ
ド]−3−アセチルオキシメチル−3−セフェム−4−
カルボキシレートを0.35g(収率46.8%)で得
た。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 277/00 - 277/593 CA(STN) REGISTRY(STN) WPI(DIALOG)
Claims (2)
- 【請求項1】下記式(II) 【化】 (但し、R1は水素原子またはアルコキシカルボニル基
である。)で示されるチアゾール誘導体を有機溶媒中、
アルカリ金属塩存在下トリフェニルメチルハライドと反
応させた後、反応液から2−アミノチアゾール酢酸塩誘
導体を塩基性条件下で単離することを特徴とする、下記
式(I) 【化2】 (但し、R 1 は水素原子またはアルコキシカルボニル基
であり、Xはアルカリ金属であり、Trはトリフェニル
メチル基である。)で示される2−アミノチアゾール酢
酸塩誘導体の製造方法。 - 【請求項2】請求項1において、式(I)として記載の
2−アミノチアゾール酢酸塩誘導体が、塩化メチレンに
溶解されてなる有機溶液。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32512196A JP3248852B2 (ja) | 1996-12-05 | 1996-12-05 | 2−アミノチアゾール酢酸塩誘導体及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32512196A JP3248852B2 (ja) | 1996-12-05 | 1996-12-05 | 2−アミノチアゾール酢酸塩誘導体及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10168071A JPH10168071A (ja) | 1998-06-23 |
JP3248852B2 true JP3248852B2 (ja) | 2002-01-21 |
Family
ID=18173327
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32512196A Expired - Fee Related JP3248852B2 (ja) | 1996-12-05 | 1996-12-05 | 2−アミノチアゾール酢酸塩誘導体及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3248852B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20010002705A (ko) * | 1999-06-17 | 2001-01-15 | 고두모 | 신규 티아졸 초산의 반응성 포스페이트 유도체의 제조방법 |
KR20020051925A (ko) | 1999-10-29 | 2002-06-29 | 다케다 야쿠힌 고교 가부시키가이샤 | 옥시이미노알카노산 유도체의 제조 방법 |
-
1996
- 1996-12-05 JP JP32512196A patent/JP3248852B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH10168071A (ja) | 1998-06-23 |
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