JP3248246B2 - 交流電鉄の給電方法 - Google Patents

交流電鉄の給電方法

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JP3248246B2 JP17609592A JP17609592A JP3248246B2 JP 3248246 B2 JP3248246 B2 JP 3248246B2 JP 17609592 A JP17609592 A JP 17609592A JP 17609592 A JP17609592 A JP 17609592A JP 3248246 B2 JP3248246 B2 JP 3248246B2
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達哉 松川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、3相電源をスコット結
線変圧器により単相電源に変換して電鉄の列車負荷に給
電する交流電鉄の給電方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、東海道新幹線等の交流電鉄におい
ては、列車負荷が単相負荷であるため、3相電源をスコ
ット結線変圧器により単相電源に変換し、この変圧器の
2次側のM座,T座の単相電源を上り,下りの列車等の
列車負荷(以下M座,T座の列車負荷という)に給電す
る。
【0003】そして、スコット結線変圧器は両座の列車
負荷が等しいときに、変圧器の1次側で3相電源に対し
て3相平衡負荷となり、電源電圧に悪影響を与えない利
点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記スコット結線変圧
器を用いる従来の給電方法の場合、両座の列車負荷の不
平衡に伴う3相電源の不平衡な電圧変動を防止するた
め、給電設備と別個の大規模,高価な補償装置を要する
問題点がある。
【0005】すなわち、両座の各列車は停止から走行に
移る加速時に最大電力を要する変動負荷であり、しか
も、通常の運行状態においては、両座の列車数が等しく
なく、各列車の状態も個々に異なる。
【0006】そのため、この種交流電鉄においては、ス
コット結線変圧器の両座の列車負荷が等しくない事態が
容易に発生し、この負荷の不平衡により3相電源の不平
衡な電圧変動が生じる。なお、M座の列車負荷の変動に
よって3相電源のU,W相の電流が増減し、T座の列車
負荷の変動によって3相電源のV相の電流が増減し、3
相電源の電圧が不平衡になる。
【0007】そして、この電圧不平衡を防止するため、
従来は、給電設備とは別個にスコット結線変圧器の2次
側に両座の負荷変動を抑制する大規模,高価なコンデン
サ設備等の補償装置を設ける必要がある。本発明は、従
来の補償装置を設けることなく、給電設備により両座の
列車負荷の不平衡に伴う3相電源の不平衡な電圧変動を
防止することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、本発明の交流電鉄の給電方法においては、スコット
結線変圧器のM座,T座の単相電源の電圧のみを監視
し、電圧不平衡の発生時に、両座の単相電源のうちの高
電圧側の電源から形成した不足補償電源を、低電圧側の
電源と列車負荷との間に直列注入し、両座の単相電源の
電圧不平衡を阻止して3相電源の不平衡電圧変動を抑制
する。
【0009】
【作用】前記のように構成された本発明の交流電鉄の給
電方法の場合、スコット結線変圧器の2次側のM座,T
座の列車負荷が不平衡になり電圧不平衡が発生すると、
この電圧不平衡の監視,検出に基づき、高電圧側軽負
荷側の単相電源から形成された不足補償電源が、低電
圧側(重負荷側)の単相電源と列車負荷との間に直列注
入され、この補償電源の直列注入により、低電圧側の単
相電源の電圧不足が補われ、両座の電圧不平衡が阻止さ
れる。
【0010】そして、両座の電圧不平衡が阻止される
と、列車負荷の不平衡に伴うスコット結線変圧器の1次
側の3相電圧の不平衡が防止され、上流の3相電源の不
平衡な電圧変動が抑制される。この場合、両座の単相電
源の電圧のみを検出して両座の電圧不平衡の発生を監
視,検出すればよく、しかも、両座の電圧不平衡の発生
時、低電圧側の電圧不足(高電圧側と低電圧側との電圧
の差)に応じた不足補償電力を、高圧側から低圧側に送
って低圧側の単相電源と列車負荷との間に直列注入すれ
ばよく、従来のような大規模,高価なコンデンサ設備等
の補償装置を設けることなく、簡単かつ安価にスコット
結線変圧器の2次側の列車負荷の不平衡に伴う上流の3
相電源の不平衡な電圧変動抑制することができる。
【0011】
【実施例】1実施例について、図1及び図2を参照して
説明する。図1において、1は上流の3相電源(系統電
源)、2はスコット結線変圧器であり、1次巻線2iが
3相電源1のU,V,Wの各相に接続され、2次側のM
座,T座の2巻線2m,2tに電圧位相差90゜の単相
電源が発生する。
【0012】3m,3tはM座,T座の列車負荷、4
m,4tは2巻線2m,2tと両座の架線5m,5tと
の間に設けられた給電路開閉用の常閉のバイパススイッ
チ、6m,6tは2巻線2m,2tの出力電圧(変圧器
2次側電圧)V1,V2を検出する変圧器、7m,7t
はスイッチ4m,4tより負荷側の列車負荷電圧V3,
V4を検出する変圧器である。
【0013】8m,8tはインバータであり、巻線2
m,2tの単相電源が充電用変圧器9m,9t及び整
流,平滑用のダイオード10m,10t,コンデンサ1
1m,11tを介して供給される。12m,12tはイ
ンバータ8m,8tの出力を架線5m,5tに直列注入
する注入用変圧器であり、2次側がスイッチ4m,4t
に並列に設けられている。
【0014】13はスイッチ4m,4tの開閉及びイン
バータ8m,8tの動作を制御する制御装置であり、変
圧器6m,6t及び7m,7tの検出電圧の信号が供給
される。また、制御装置13は図2に示すように構成さ
れ、同図において、14m,14t及び15m,15t
は平滑回路、16,17は減算器、18は開閉及び発停
の指令回路、19m,19tはスイッチ4m,4tの開
閉制御回路、20は駆動量演算回路、21m,21tは
インバータ8m,8tの駆動回路である。
【0015】そして、列車負荷3m,3tが等しく平衡
しているときは、V1=V2になり、制御装置13の指
令回路18がインバータ8m,8tの停止指令を出力
し、この指令が開閉制御回路19m,19tに閉指令と
して供給され、スイッチ4m,4tが共に閉成保持され
る。このとき、従来と同様に巻線2m,2tのM座,T
座の単相電源が架線5m,5tを介してそれぞれの列車
負荷3m,3tに給電される。
【0016】また、制御装置13において、変圧器6
m,6tの出力電圧V1,V2の検出信号は平滑回路1
4m,14tにより平均化されて減算器16に供給さ
れ、この減算器16によりV1−V2が演算される。こ
の減算器16のV1−V2の出力信号は指令回路18に
供給され、この回路18により減算器16の出力信号か
らM座,T座の単相電源の電圧が監視される。
【0017】さらに、変圧器7m,7tの列車負荷電圧
V3,V4の検出信号は平滑回路15m,15tにより
平均化されて減算器17に供給され、この減算器17に
よりV3−V4が演算される。この減算器17のV3−
V4の出力信号は駆動演算回路20に供給され、この演
算回路20により不平衡発生時のインバータ8m又は8
tの駆動量(出力電力量)が求められる。
【0018】そして、例えば列車負荷3mが列車負荷3
tより重負荷になる不平衡が発生し、V1〈V2の電圧
変動が生じて減算器16の出力信号の極性が負になる
と、指令回路18が軽負荷側のインバータ8tに起動指
令を出力してインバータ8tが起動されると同時に、こ
の指令が開閉制御回路19mに開指令として供給され、
スイッチ4mが開放されて巻線2mと架線5mとの間が
開放される。
【0019】また、減算器17の出力信号に基づき演算
回路20はM座の単相電源の不足量をインバータ8tの
駆動量として求め、この駆動量の制御を駆動回路21t
に通知し、この通知に基づき駆動回路21tがインバー
タ8tを駆動する。
【0020】そして、巻線2tの単相電源が変圧器
及びダイオード10t,コンデンサ11tにより直流電
源に変換されてインバータ8tに供給され、インバータ
8tにより前記不足量の交流が不足補償電源として形成
され、この電源が注入用変圧器12tを介してスイッチ
4mの両端間に注入される。
【0021】この注入により巻線2mの単相電源と不足
補償電源とが直列合成されて列車負荷3mに給電され、
列車負荷3mに対する巻線2mの単相電源の電圧不足が
不足補償電源で補われ、列車負荷電圧V3が上昇して出
力電圧V1が上昇する。なお、演算回路20の演算によ
り、不足補償電源はV3=V4になるように可変して形
成される。
【0022】そして、列車負荷3mが軽負荷に戻り、不
足補償電源が零になると、演算回路20からの通知の基
づき、指令回路18は停止指令を出力してインバータ8
tの出力を停止するとともにスイッチ4mを閉成する。
このとき、巻線2m,2tの単相電源が列車負荷3m,
3tそれぞれに給電される元の状態に戻るとともに、V
1=V2かつV3=V4になる。
【0023】つぎに、列車負荷3tが列車負荷3mより
重負荷になる不平衡が発生し、V1>V2の電圧変動が
生じて減算器16の出力信号の極性が正になるときは、
軽負荷側のインバータ8mが起動されるとともに重負荷
側のスイッチ4tが開放され、巻線2tの単相電源とイ
ンバータ8mにより形成された不足補償電源とが直列合
成されて列車負荷3tに給電され、列車負荷3tに対す
る巻線2tの単相電源の不足が不足補償電源で補われ
る。この場合も、不足補償電源はV3=V4になるよう
に可変して形成され、不足補償電源が零になると、イン
バータ8mの出力が停止するとともにスイッチ4tが開
放されて元の状態に戻る。
【0024】そのため、列車負荷3m,3tの不平衡が
生じて電圧V1,V2が不平衡になると、軽負荷側の巻
線2m又は2tの単相電源のエネルギがインバータ8m
又は8tを介して重負荷側に融通されて等価的に両列車
負荷3m,3tの均等化が図られ、両座の電圧不平衡が
阻止され、変圧器2の1次巻線2iの3相電圧の不平衡
が防止され、大規模,高価なコンデンサ設備等の不平衡
の補償設備を変圧器2の2次側に設けることなく、両座
の列車負荷3m,3tの不平衡に伴う3相電源1の不平
衡な電圧変動が抑制される。
【0025】このとき、インバータ8m又は8tにより
巻線2m又は2tの単相電源では不足電圧相当不足補
償電源のみを形成し、この電源を直列注入すればよい
め、インバータ8m,8t等比較的小容量のものでよ
く、小型かつ安価に形成される。そして、回路構成等は
実施例に限定されるものでなく、例えば巻線2m,2t
の単相電源のやりとりにインバータを用いなくてもよ
い。
【0026】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているため、以下に記載する効果を奏する。スコット結
線変圧器2の2次側のM座,T座の列車負荷3m,3t
が不平衡になって両座の電圧不平衡が生じると、この電
圧不平衡が両座の単相電圧の監視によって検出され、こ
検出に基づき、高電圧側軽負荷側の単相電源から
形成された不足補償電源が、低電圧側(重負荷側)の単
相電源と列車負荷3m又は3tとの間に直列注入され、
この直列注入により重負荷側の単相電源の電圧不足が補
われ、両座の電圧不平衡が阻止され列車負荷3m,3
tの不平衡に伴う変圧器2の1次側の3相電圧の不平衡
が防止され、上流の3相電源1の不平衡な電圧変動が抑
制される。
【0027】この場合、変圧器2の両座の単相電源の電
圧のみを検出して両座の電圧不平衡の発生を監視,検出
すればよく、しかも、両座の電圧不平衡の発生時、低電
圧側のM座又はT座の電圧不足を補う不足補償電源を、
低電圧側の単相電源と列車負荷3m又は3tとの間に直
列注入するため、高電圧側のT座又はM座の単相電源か
ら不足補償電源を形成するインバータ等が小容量で小型
かつ安価になり、従来のような大規模,高価なコンデン
サ設備等の補償装置を設けることなく、簡単かつ安価に
変圧器2の2次側の列車負荷3m,3tの不平衡に伴う
上流の3相電源1の不平衡な電圧変動を抑制することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の交流電鉄の給電方法の1実施例のブロ
ック結線図である。
【図2】図1の一部の詳細なブロック結線図である。
【符号の説明】
1 3相電源 2 スコット結線変圧器 2m,2t M座,T座の巻線 3m,3t 列車負荷
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−120529(JP,A) 特開 平5−108179(JP,A) 特開 平4−133826(JP,A) 特開 昭55−145028(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60M 3/00 - 3/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3相電源をスコット結線変圧器によりM
    座,T座の単相電源に変換し、該両座の単相電源を両座
    の列車負荷それぞれに給電する交流電鉄の給電方法にお
    いて、 前記両座の単相電源の電圧のみを監視し、電圧不平衡の
    発生時に、前記両座の単相電源のうちの高電圧側の電源
    から形成した不足補償電源を、低電圧側の電源と列車負
    荷との間に直列注入し、前記両座の単相電源の電圧不平
    衡を阻止して前記3相電源の不平衡電圧変動を抑制する
    ことを特徴とする交流電鉄の給電方法。
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CN114649815B (zh) * 2022-04-08 2023-10-10 沈阳农业大学 基于三相负载不平衡的柔性负荷需求响应方法和装置

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