JP3248175B2 - 埋設物探知方法および埋設物探知装置 - Google Patents

埋設物探知方法および埋設物探知装置

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JP3248175B2
JP3248175B2 JP1950594A JP1950594A JP3248175B2 JP 3248175 B2 JP3248175 B2 JP 3248175B2 JP 1950594 A JP1950594 A JP 1950594A JP 1950594 A JP1950594 A JP 1950594A JP 3248175 B2 JP3248175 B2 JP 3248175B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、地中埋設物の探知に関
し、特にアースオーガなどの穴掘削機による既設埋設管
の衝突破損事故を未然に防止するための地中埋設物探知
方法および埋設物探知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電柱類の設置工事では、穴掘削作業を機
械掘りで行う場合、アースオーガなどの穴掘削機が使用
されている。しかし、近年、特に都市部においては通信
ケーブルの他、ガス、水道、電力などライフライン用の
管路設備が輻輳している状況にあり、しかもこれらの地
下埋設物のほとんどが地中2m程度以内の深さに存在す
るため、穴掘削機による既設埋設管の衝突破損事故がし
ばしば起きている。
【0003】従来、このような既設埋設管の衝突破損事
故を防止するための方法は、地下埋設物の設備記録図を
参照するとともに、パイプ・ロケーターなど電磁誘導方
式の金属埋設物探知装置や地中レーダなど電磁波方式の
地下埋設物探知装置を用いて工事箇所の事前調査を行う
ことであった。
【0004】また、穴掘削中にその掘り進む先に存在し
うる既設埋設管を探知するための方法としては、例え
ば、穴掘削機の接地部分及びこれより所定距離を取って
設置したアース棒との間の地中の電気抵抗(接地抵抗)
が金属埋設管に掘削機先端が接近するのに伴い減少する
ため、この電気抵抗の変化を検知する方法があった。さ
らに、掘削機先端部に電磁誘導型、磁気型、静電容量型
などのセンサを埋め込むことにより、金属埋設管の接近
もしくは接触を検知する方法があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
た既設埋設管の衝突破損事故を防止するための事前調査
においては、参照できる設備記録図が、不正確であった
り、最新データに更改されていなかったりする場合や、
古い埋設管については設備記録図の入手が困難である場
合が多々あった。
【0006】このため埋設物探知装置による事前調査は
やはり必要であると考えられる。しかし、電磁誘導方式
の場合、原理的に探知できる対象が金属埋設管に限られ
ることが大きな欠点であった。また、電磁雑音の多い場
所では使用できないうえ、埋設管の位置及び深度の測定
精度が優れているとはいえない。一方、地中レーダなど
電磁波方式の場合は、送信アンテナから地中に電波を発
射し、埋設物からの反射波を受信アンテナにより捕らえ
るため金属埋設管に限らず、コンクリート管、塩化ビニ
ル等のプラスチック管も探知可能である。ところが、電
磁波方式では、埋設管が交差あるいは近接している場
合、反射波が干渉するため正確な位置の把握が困難とな
る。また、土質が不均一であったり、水分が多い場合は
埋設管の正確な位置及び深度を知ることが難しいなどの
問題点があった。
【0007】したがって、穴掘削中にその掘り進む先に
存在しうる既設埋設管を探知する方法が、既設埋設管の
衝突破損事故防止には非常に有効となる。しかし、前記
した地中の電気抵抗変化を検知する方法は、通常の金属
埋設管の多くは絶縁性塗覆装を有するために掘削機の先
端が接近しただけでは検知できない欠点があった。ま
た、含水性の土質では水分の影響により十分な検知感度
が得られないという欠点もあった。この方法の最大の欠
点は、金属埋設管しか探知できないことである。一方、
掘削機先端部にいわゆる金属探知センサを内蔵する方法
では、金属埋設管以外のコンクリート管や塩化ビニル等
のプラスチック管の探知が不可能であることが欠点であ
った。
【0008】以上のように、穴掘削作業における既設埋
設管の衝突破損事故を未然に防止するための従来の方法
は、信頼性の高い事前調査が困難な場合が多いこと、探
知可能な埋設物が金属埋設管に限られる場合がほとんど
であることなどの欠点を有していた。このため、穴掘削
中に、埋設管の材質によらず、的確にこれを探知できる
方法が従来より望まれていた。
【0009】そこで、本発明は上記の事情に鑑みてなさ
れたもので、アースオーガなどの掘削機による穴掘削中
に、金属埋設管のみならず、コンクリート管や塩化ビニ
ル等のプラスチック管も確実に探知可能である地中埋設
物探知方法および埋設物探知装置を提供することを目的
とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の埋設物探知方法は、回転軸の先端部に掘削刃
を有し、該回転軸に沿って排土用の螺旋状ブレードを有
するアースオーガで穴を掘削する際に地中埋設物を探知
する方法であって、前記掘削刃の回転半径より大きい半
径で下端周縁部を所定ピッチの波状に形成した円筒型ケ
ーシングを前記掘削刃より下方に有し、前記円筒型ケー
シングの上下方向の振動を測定し、該振動を解析する振
動解析手段とを備え、前記振動解析手段で前記所定ピッ
チの波状に基づく振動を検出して地中埋設物を探知する
ことを特徴とする。
【0011】又、本発明の埋設物探知方法は、前記アー
スオーガの回転数を測定する回転数測定手段を備え、前
記円筒型ケーシングの下端周縁部の1周当たりの波数と
前記回転数より地中埋設物との接触時に発生する少なく
とも振動の基本周波数を求め、該基本周波数の振動レベ
ルが所定の接触振動判定レベルより大きい場合に地中埋
設物を探知したと判定することを特徴とする。
【0012】又、本発明の埋設物探知方法は、前記円筒
型ケーシングの下端周縁部の1周当たりの波数を4〜4
0の範囲で正弦波状であることを特徴とする。又、本発
明の埋設物探知装置は、回転軸の先端部に掘削刃を有
し、該回転軸に沿って排土用の螺旋状ブレードを有する
アースオーガで穴を掘削する際に地中埋設物を探知する
装置であって、前記掘削刃の回転半径より大きい半径で
下端周縁部を所定ピッチの波状に形成した円筒型ケーシ
ングを前記掘削刃より下方に有し、前記回転軸内部の先
端部近傍に内蔵した振動センサと、前記振動センサの出
力を解析する解析手段とを備えたことを特徴とするもの
である。
【0013】又、本発明の埋設物探知装置は、回転軸の
先端部に掘削刃を有し、該回転軸に沿って排土用の螺旋
状ブレードを有するアースオーガで穴を掘削する際に地
中埋設物を探知する装置であって、前記掘削刃の回転半
径より大きい半径で下端周縁部を所定ピッチの波状に形
成した円筒型ケーシングを前記掘削刃より下方に有し、
前記円筒型ケーシングの振動を測定する振動センサと前
記振動センサの出力を無線送信する送信部を前記円筒型
ケーシングに内蔵し、前記振動センサの出力を無線受信
する受信部と前記受信部で受信した信号を解析する解析
手段とを備え、前記円筒型ケーシングを前記アースオー
ガに着脱自在に構成したことを特徴とするものである。
【0014】又、本発明の埋設物探知装置は、前記アー
スオーガの回転数を測定する回転数測定手段と、前記円
筒型ケーシングの下端周縁部の1周当たりの波数と前記
回転数より地中埋設物との接触時に発生する少なくとも
振動の基本周波数を求める手段と、前記基本周波数の振
動レベルと所定の振動判定レベルを比較する手段とを備
えたことを特徴とするものである。
【0015】又、本発明の埋設物探知装置は、前記円筒
型ケーシングの下端周縁部を、1周当たりの波数を4〜
40の範囲で正弦波状に形成したことを特徴とするもの
である。又、本発明の埋設物探知装置は、前記振動セン
サに歪みゲージ形振動センサもしくは圧電形振動センサ
を用いたことを特徴とするものである。
【0016】
【作用】上記手段により本発明は、アースオーガで穴を
掘削する際に掘削刃より下方に有する円筒型ケーシング
の上下方向の振動を測定することにより、穴掘削中のア
ースオーガの振動状態を常時監視できる。もし、掘削途
中にその掘削半径内に埋設管が存在した場合、上記円筒
型ケーシングの下端が最初にその埋設管に突き当たるこ
とになる。しかし、円筒型ケーシングの下端周縁部が所
定ピッチの波状に形成されているため即座に埋設管を破
損することはない。この時、アースオーガは、その軸回
転数と所定ピッチの波状の円筒型ケーシング下端周縁部
に依存する周波数スペクトルを持つ上下振動を生じる。
そこで、衝突前後のアースオーガの振動特性の差異を上
記所定ピッチの波状の円筒型ケーシング下端周縁部に由
来する周波数スペクトルの強度変化から判別し、埋設管
に致命的な損傷を与えることなく、これを検知すること
が可能である。
【0017】尚、アースオーガの軸回転数を20〜30
rpm程度の通常の軸回転数で使用する場合、円筒型ケ
ーシングの下端周縁部が所定ピッチの波状である上記円
筒型ケーシングの一周当たりの波数を4〜40の範囲の
正弦波状にすれば、各種埋設管の中で最も破損しやすい
プラスチック管の場合でも、かすり傷程度の損傷に抑え
ることができる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面に基づ
き説明する。図1は、本発明の一実施例におけるアース
オーガの概略図である。同図において、1はアースオー
ガの回転軸、2は回転軸1に沿って設けられた排土用の
螺旋状ブレード、3は回転軸1の先端部に設けられた掘
削刃、4は螺旋状ブレード2の外周部に掘削刃3より下
方に設けられ掘削刃3の回転半径より大きい半径で下端
周縁部を所定ピッチの波状に形成した円筒型ケーシン
グ、5は回転軸1の内部の先端部近傍に内蔵され円筒型
ケーシング4の上下方向の振動を測定する振動センサ、
6は振動センサ5に接続された周波数解析装置である。
【0019】前記円筒型ケーシング4の下端周縁部の波
状の形状については、図5(a)に示すように正弦波
状、図5(b)に示すように半波の正弦波状、あるいは
図5(c)に示すように回転方向に滑らかな非対称波の
形状が好ましく、三角波形などエッジの鋭い形状は適さ
ない。
【0020】前記振動センサ5としては、圧電形、歪ゲ
ージ形が適している。半導体素子からなる振動センサで
も、耐衝撃力が高く、測定可能な振動周波数が低いもの
があれば適用できる。尚、振動センサ5の取り付け位置
は、円筒型ケーシング4に近い場所が望ましい。円筒型
ケーシング4から離れた位置では、アースオーガにより
振動が減衰するため、測定精度が低下する。
【0021】前記周波数解析装置6は振動センサ5の出
力信号を周波数領域で解析するための計測器、すなわち
FFTアナライザを用いてもよい。このFFTアナライ
ザを用いた振動解析部の構成を図8を用いて説明する。
即ち、アースオーガの回転軸1の近傍に軸回転数測定部
21を設けた構成とし、この軸回転数測定部21により
測定された図4に示すような円筒型ケーシング4の下端
周縁部の1周当たりの波数aと回転軸1の回転数Nより
基本周波数算出部22で地中埋設物との接触時に発生す
る少なくとも振動の基本周波数fを求め、振動センサ5
の出力信号を周波数領域で解析するためのFFTアナラ
イザ19を用いて振動の周波数スペクトルから基本周波
数fにおける振動レベル(L1)を測定し、この振動レ
ベル(L1)を比較部20に供給する。この比較部20
ではFFTアナライザ19に入力された振動レベル(L
1)を振動判定レベル(L0)と比較して基本周波数f
の振動レベル(L1)が所定の接触振動判定レベル(L
0)より大きい場合(L1>L0)に地中埋設物の埋設
管に接触したと判定して出力を抽出し掘削停止等の所定
の動作を実行する。この装置構成の効果は、振動解析部
の構成を簡易にでき、安全性も向上する。
【0022】また、本実施例では、振動センサ5と周波
数解析装置6の間を接続し、振動センサ5の出力を外部
に取り出するための信号ケーブル7を回転軸1から外部
に取り出す部品として、図6に示すように回転軸1の上
部にスリップリング8を介在させている。このスリップ
リング8は図6に示すように振動センサ5に接続された
固定電極9を設け、この回転軸1の周囲にベアリング1
0を介して摺動電極11を前記固定電極9に摺動するよ
うにして設けて構成される。この摺動電極11には周波
数解析装置6が接続される。尚、振動センサ5の出力を
周波数解析装置6に供給する方式としては無線伝送方式
も可能である。この無線伝送方式としては、2通りの構
成がある。まず第1の構成は、回転軸1の内部に振動セ
ンサ5と、振動センサ5の出力を送信可能なデータに変
換する変換部と、データを無線で送信する送信部を内蔵
し、送信部のアンテナはアースオーガで代用する。受信
アンテナを備えた受信部と、振動解析部は、例えば運転
席に設置または携帯形とし、受信したデータを振動解析
部で解析して埋設管に円筒型ケーシング4が接触した場
合、警報などで通知する。本装置構成では無線伝送方式
であるためスリップリングが不要となる。第2の構成
は、円筒型ケーシング4の構造は、図7(a),(b)
に示すようにアースオーガの回転軸1に着脱可能な構造
とする。円筒型ケーシング4には振動センサ5に接続さ
れた変換部及び送信部よりなる発信部18が内蔵され
る。図7(a)は螺合式であり、ねじ溝12にねじ部1
3を螺入して取り付ける。図7(b)はボルト止め式で
あり、ボルト14を円筒型ケーシング4の中心軸部の孔
15及びアースオーガの回転軸1の孔16に通して後、
ナット17をボルト14に螺入して取り付ける。この装
置構成の効果は、円筒型ケーシング4がアースオーガの
回転軸1に着脱可能であるため、埋設管のない場所では
円筒型ケーシング4を外して掘削することができる。
【0023】実施例として示した図1のようなアースオ
ーガを用いた場合、地中埋設物探知の手順は次のように
なる。すなわち本方法によれば、振動センサ5の出力信
号を周波数解析し、穴掘削中のアースオーガの振動状態
を常時監視することができる。もし、掘削途中にその掘
削半径内に埋設管が存在した場合、上記円筒型ケーシン
グ4の下端が最初にその埋設管に突き当たることにな
る。しかし、円筒型ケーシング4の下端周縁部が正弦波
状等であるため即座に埋設管を破損することはない。こ
の時、アースオーガは、その軸回転数と正弦波状等の円
筒型ケーシング4の下端周縁部形状に依存する周波数ス
ペクトルを持つ上下振動を生じる。そこで、衝突前後の
アースオーガの振動特性の差異を円筒型ケーシング4の
下端周縁部形状に由来する周波数スペクトルの強度変化
から判別し、埋設管に致命的な損傷を与えずに検知でき
る。
【0024】図2、図3は、本実施例のアースオーガに
よる実験で得られた埋設管衝突前後におけるオーガの振
動特性を示す周波数スペクトルの例である。図2、図3
の測定結果は図5(a)に示すように円筒型ケーシング
4の下端周縁部を正弦波状に形成したものを用い、波の
振幅hP-P =1cmの場合のデータである。掘削時の軸
回転数は、土質の不均一性や土圧の影響を受けるために
多少の回転ムラを生じるが、20〜25rpmであっ
た。図2(a)は土中掘削時の埋設管衝突前のアースオ
ーガの振動スペクトルである。これは、アースオーガ先
端が埋設管に衝突する前のいわゆるバックグランド信号
となる。これに対し、衝突時には図2(b)、(c)、
図3(a)、(b)に示すような振動スペクトルが得ら
れた。図2(b)、(c)は埋設管が水道用などの塩化
ビニル管の場合、図3(a)、(b)は埋設管がガス用
などの鋼管の場合である。また図中、波数を示す数値
は、前記円筒型ケーシング4の下端周縁部における一周
当たりの波の繰り返し数(以下、ケーシング波数と記
す。)のことである。実験で得られた埋設管衝突前後に
おけるアースオーガの振動スペクトルの差に関して、ス
ペクトル強度がバックグランドに比べて数倍〜数十倍に
増加すること、軸回転数とケーシング波数に依存する周
波数スペクトルが現れることなどがわかった。したがっ
て、本発明の地中埋設物探知方法によれば、金属埋設管
に限らず、塩化ビニルなどのプラスチック管も致命傷と
なる前に衝突を検知し、破損事故を防ぐことが可能であ
った。
【0025】本実施例において、ケーシング波数を0〜
70個の範囲で変化させ、埋設管に対する衝突検知の確
実性・容易性と管路損傷の程度の関係を調べた結果、表
1のような傾向があることがわかった。ここで、ケーシ
ング波数0は、円筒型ケーシングの下端形状が正弦波状
ではなく、フラットである場合である。また、軸回転数
は約20rpmで一定とした。
【0026】
【表1】
【0027】表1の実験結果は、軸回転数を一定とする
とき、衝突検知の確実性・容易性を確保し、かつ管路損
傷を最小限に抑えられるケーシング波数の範囲があるこ
とを示している。このようなケーシング波数の実用的な
範囲について、以下に詳説する。
【0028】本実施例の場合、前述したように、埋設管
へ衝突したアースオーガの振動スペクトルには軸回転数
とケーシング波数に依存する特徴的な周波数スペクトル
が観測される。これら特徴的な周波数スペクトルは、軸
回転数をN(rpm)、ケーシング波数をa(個)とす
るとき、次式により一義的に定まる基本周波数fの倍数
にほぼ一致することが明らかになった。
【0029】f=a×N/60(Hz) 図4は、軸回転数N(rpm)をパラメータとし、この
基本周波数f(Hz)とケーシング波数a個の関係を求
めたものである。衝突検知の確実性・容易性の点では、
基本周波数fが高いほど有利である。というのは、信号
のサンプリング時間はその周波数が高いほど短くなるの
で、瞬時に衝突検知が可能となるからである。したがっ
て、ケーシング波数aが一定の場合は軸回転数Nが高い
ほど、また軸回転数Nが一定の場合はケーシング波数a
が多いほど衝突検知には有利と言える。しかし、軸回転
数Nが高いことはケーシング下端の周速が大きいこと、
またケーシング波数aが多いことはケーシング下端形状
が鋸の歯のようになることを意味しており、衝突検知が
もし遅れた場合、塩化ビニル管等のプラスチック管に対
して致命傷を与えてしまう。
【0030】一方、管路損傷を最小限に抑えるという点
では、軸回転数N、ケーシング波数aともできるだけ小
さい値にした方がよい。しかし、少なくとも1Hz程度
より高い基本周波数fが得られないと衝突検知が困難で
あった。この点も考慮して軸回転数Nとケーシング波数
aの値を決定する必要がある。
【0031】ところで、アースオーガなどの穴掘削機に
おける軸回転数Nは通常、20〜30rpmであること
から、衝突検知の確実性・容易性と管路の衝突破損防止
を両立できるケーシング波数aの範囲を求めればよいわ
けである。
【0032】結局、本実施例の実験結果によれば、周縁
の下端形状が正弦波状である円筒型ケーシングの一周当
たりの波数が4〜40個の範囲であることを特徴とする
ことにより、各種埋設管の中で最も破損しやすいプラス
チック管の場合においても、かすり傷程度の損傷に抑え
て衝突を検知することが可能であった。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
電柱設置等のための穴掘削中に予期しない既設埋設管が
存在した場合でも、埋設管の材質に関係なく衝突検知が
可能であるため、管路破損事故を未然に防止できるとい
う大きな効果がある。
【0034】したがって、穴掘削作業における事前調査
は設備記録図を確認する程度で良いため、この事前調査
に従来要していた稼働や経費を大幅に軽減できるという
効果がある。
【0035】さらに、地下管路設備が輻輳しているよう
な都市部では、これまで穴掘削作業は手掘りで行うこと
が多かったが、本発明を採用すれば、作業効率の良い機
械掘りが可能であるため、3K(きつい、危険、汚い)
といわれる作業環境の改善や、近年深刻化しつつある作
業員不足などの問題解消にも貢献が期待できるという効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す構成説明図である。
【図2】本発明の一実施例に係るアースオーガによる実
験で得られた埋設管衝突前後におけるオーガの振動特性
を示す周波数スペクトル図である。
【図3】本発明の一実施例に係るアースオーガによる実
験で得られた埋設管衝突前後におけるオーガの振動特性
を示す周波数スペクトル図である。
【図4】本発明の一実施例に係る軸回転数をパラメータ
とし、オーガの振動の基本周波数とケーシング波数の関
係を求めた特性図である。
【図5】本発明の一実施例に係る円筒型ケーシングの下
端周縁部の波状形状を示す構成図である。
【図6】本発明の一実施例に係るスリップリングを示す
構成図である。
【図7】本発明の一実施例に係る円筒型ケーシングの構
造を示す斜視図である。
【図8】本発明の一実施例に係る振動解析部の構成を示
す構成説明図である。
【符号の説明】
1…オーガの回転軸、2…螺旋状ブレード、3…掘削
刃、4…円筒型ケーシング、5…振動センサ、6…周波
数解析装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 増田 順一 東京都千代田区内幸町一丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (72)発明者 今井 通隆 東京都千代田区内幸町一丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (72)発明者 中山 邦彦 東京都千代田区内幸町一丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (72)発明者 今出 耕二 東京都千代田区内幸町一丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−82260(JP,A) 特開 平5−1497(JP,A) 実開 平3−72991(JP,U) 実開 昭64−34584(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E21B 7/00 E21B 10/44 G01V 1/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸の先端部に掘削刃を有し、該回転
    軸に沿って排土用の螺旋状ブレードを有するアースオー
    ガで穴を掘削する際に地中埋設物を探知する方法であっ
    て、 前記掘削刃の回転半径より大きい半径で下端周縁部を所
    定ピッチの波状に形成した円筒型ケーシングを前記掘削
    刃より下方に有し、 前記円筒型ケーシングの上下方向の振動を測定し、該振
    動を解析する振動解析手段とを備え、 前記振動解析手段で前記所定ピッチの波状に基づく振動
    を検出して地中埋設物を探知することを特徴とする埋設
    物探知方法。
  2. 【請求項2】 前記アースオーガの回転数を測定する回
    転数測定手段を備え、 前記円筒型ケーシングの下端周縁部の1周当たりの波数
    と前記回転数より地中埋設物との接触時に発生する少な
    くとも振動の基本周波数を求め、該基本周波数の振動レ
    ベルが所定の接触振動判定レベルより大きい場合に地中
    埋設物を探知したと判定することを特徴とする請求項1
    記載の埋設物探知方法。
  3. 【請求項3】 前記円筒型ケーシングの下端周縁部の1
    周当たりの波数を4〜40の範囲で正弦波状であること
    を特徴とする請求項1または2記載の埋設物探知方法。
  4. 【請求項4】 回転軸の先端部に掘削刃を有し、該回転
    軸に沿って排土用の螺旋状ブレードを有するアースオー
    ガで穴を掘削する際に地中埋設物を探知する装置であっ
    て、 前記掘削刃の回転半径より大きい半径で下端周縁部を所
    定ピッチの波状に形成した円筒型ケーシングを前記掘削
    刃より下方に有し、 前記回転軸内部の先端部近傍に内蔵した振動センサと、 前記振動センサの出力を解析する解析手段とを備えたこ
    とを特徴とする埋設物探知装置。
  5. 【請求項5】 回転軸の先端部に掘削刃を有し、該回転
    軸に沿って排土用の螺旋状ブレードを有するアースオー
    ガで穴を掘削する際に地中埋設物を探知する装置であっ
    て、 前記掘削刃の回転半径より大きい半径で下端周縁部を所
    定ピッチの波状に形成した円筒型ケーシングを前記掘削
    刃より下方に有し、 前記円筒型ケーシングの振動を測定する振動センサと前
    記振動センサの出力を無線送信する送信部を前記円筒型
    ケーシングに内蔵し、 前記振動センサの出力を無線受信する受信部と前記受信
    部で受信した信号を解析する解析手段とを備え、 前記円筒型ケーシングを前記アースオーガに着脱自在に
    構成したことを特徴とする埋設物探知装置。
  6. 【請求項6】 前記アースオーガの回転数を測定する回
    転数測定手段と、 前記円筒型ケーシングの下端周縁部の1周当たりの波数
    と前記回転数より地中埋設物との接触時に発生する少な
    くとも振動の基本周波数を求める手段と、 前記基本周波数の振動レベルと所定の振動判定レベルを
    比較する手段とを備えたことを特徴とする請求項4又は
    5記載の埋設物探知装置。
  7. 【請求項7】 前記円筒型ケーシングの下端周縁部を、
    1周当たりの波数を4〜40の範囲で正弦波状に形成し
    たことを特徴とする請求項4、5又は6記載の埋設物探
    知装置。
  8. 【請求項8】 前記振動センサに歪みゲージ形振動セン
    サもしくは圧電形振動センサを用いたことを特徴とする
    請求項4、5、6又は7記載の埋設物探知装置。
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