JP3247547B2 - 冷却用ろ過循環貯水池構造 - Google Patents

冷却用ろ過循環貯水池構造

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JP3247547B2
JP3247547B2 JP15263494A JP15263494A JP3247547B2 JP 3247547 B2 JP3247547 B2 JP 3247547B2 JP 15263494 A JP15263494 A JP 15263494A JP 15263494 A JP15263494 A JP 15263494A JP 3247547 B2 JP3247547 B2 JP 3247547B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は冷却用ろ過循環貯水池構
造に係り、特にビル等の建物の前庭に景観用の池として
設けられるとともに、当該建物の空気調和設備の冷凍機
の水冷凝縮器の冷却水を連続的に冷却する冷却用ろ過循
環貯水池構造に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、オフィスビル等の規模の建物に
設けられている空気調和設備(以下、空調設備と記
す。)では、冷凍機内の水冷凝縮器内の冷媒ガスを冷
却、液化するために冷却水が使用されている。この冷却
水は冷却水路内を循環し、凝縮器で冷媒ガスと熱交換し
て、冷媒ガスを冷却するため、熱交換後は温度が高くな
る。このため冷却水路内に冷却装置を設置し、再度冷却
して循環して使用するようになっている。この冷却水の
冷却装置としては、建物の屋上等に設置されている冷却
塔(クーリングタワー)がもっとも普及している。冷却
塔はその冷却方法の違いにより数種のタイプのものが使
用されているが、基本原理として、冷却水と空気流との
接触による熱交換により冷却水の温度を下げようとする
ものである。このため熱交換効率を高め、冷却効果をア
ップさせるために充填材の材料改良や設計が行われてい
る。なお、冷却塔での冷却作用は、主として冷却水の蒸
発による気化熱により行われるため、冷却塔入口の湿球
温度までしか冷却できないが、アプローチ(冷却塔入口
の湿球温度と冷却塔出口温度との差)を5℃程度に設定
することにより、冷却塔からの冷却水温度は32℃程度
に設定されている。また、レンジ(入口温度と出口温度
との差)を5℃とすると、冷却塔の機能としては、37
℃の冷却水を32℃まで冷却して凝縮器に戻すことがで
きることになる。
【0003】図6は従来のビル等の建物の空調設備のう
ち、冷凍機、冷却塔及び空調機の設置例を示した模式設
備構成図である。同図に示したように冷却塔60は建物
51の屋上に設置されており、冷凍機52の凝縮器53
からの冷却水管54Aは冷却塔60まで延設され、冷却
塔60の上部位置で散水部61を構成し、この散水部6
1から散水された冷却水Wは充填材62内を通過して下
部水槽63まで流下する。このとき冷却塔60の上部に
は送風機64が設けられており、外部から取り入れられ
て塔内を上昇する空気流内を、冷却水Wが流れ落ちるよ
うになっている。このとき流れ落ちる水の一部が蒸発し
て気化熱が奪われ、冷却水の温度が下がる。そして温度
の下がった(冷却された)冷却水Wは下部水槽63に貯
留され、冷却水配管54B、冷却水ポンプ55を介して
再び凝縮器53に還流される。そして冷凍機52内の冷
凍サイクルにより冷却された封入冷媒が空調機56に送
られ、空調機56からの冷風は建物51内に配管された
ダクト57を介して建物51内の各所に設置された送風
口58、58…に供給される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この種の冷却塔は建物
屋上のような風通しの良い場所に設置することが好まし
い。しかし、冷却塔には通常、空気と冷却水との熱交換
効果を高めるために送風機が内蔵されているため、設置
場所によっては送風機の運転騒音が周囲の環境に影響を
及ぼすという問題がある。また、外気を塔体の周囲のル
ーバー部分から直接取り入れて冷却を行う開放式冷却塔
では、風が強い日には冷却塔内を流下する冷却水が冷却
塔の周囲に飛散したり、大気中のちりやガスで冷却水が
汚染されてしまうおそれがある。冷却水の汚染がひどい
場合には冷却水管や凝縮器が腐食してしまう場合もあ
る。
【0005】さらに、冷却能力を高めるためには、冷却
塔の規模や台数を大きくする必要があるが、屋上等では
設置場所が限られているため、美観上の処理が難しかっ
たり、適正な冷却能力の設備を設置できないという問題
もある。
【0006】ところで、以上に述べた冷却塔の問題点を
解消して冷却設備として機能し、また建物周辺の景観意
匠の効果を高めるために噴水池が建設された例もある。
この図7に一例を示した噴水池70は通常、建物等(図
示せず)の前庭に配置され、建物内の機械室等に設置さ
れた冷凍機の凝縮器(図示せず)から冷却水管71が導
かれるようになっている。冷却管71の端部を噴水池7
0の水面上に配設し、その一部に複数の噴霧ノズル7
2、72…を形成し、各噴霧ノズル72から冷却水を水
滴ないし霧状にして池に落下させる構造からなり、冷却
水を水滴ないし霧状にすることで空気との接触を図り、
冷却効果を期待している。
【0007】このような噴水池によれば、建設コストは
通常の景観意匠としての池構造とほとんど変わらないた
め、冷却塔設備に比べて、安価な冷却設備を提供でき
る。また、冷却塔のときに挙げられた騒音の発生、屋上
での設置場所等の問題が解決できる他、建物の周囲に水
辺を提供できるという利点がある。しかし、噴水池では
噴水効果により冷却された冷却水は一旦、噴水池70に
貯留され、その後、取水パイプ73、冷却水ポンプ(図
示せず)を介して冷凍機まで還流される。このため真夏
等のように強い日差しを受ける場合には、池の水温が上
昇してしまい、冷却効果が十分期待できないおそれもあ
る。また、池内に貯留している間に冷却水にゴミ等の不
純物が混入し、不純物を含んだまま再び冷凍機に還流さ
せてしまい、配管や設備の損傷を引き起こすおそれもあ
る。
【0008】そこで、本発明の目的は上述した従来の技
術が有する問題点を解消し、冷却塔設備に代えて効率よ
く冷却作用が期待できる冷却用ろ過循環貯水池構造を提
供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は貯水池底に透水性コンクリートからなる浸
透ろ過冷却層を敷設し、前記貯水池の水を該浸透ろ過冷
却層を構成する骨材の表面に沿って水膜状に流下させ、
前記水の冷却を連続的に行い、前記浸透ろ過冷却層の下
層に配設された集水管により前記ろ過冷却された水を集
水するようにしたことを特徴とするものである。
【0010】このとき前記貯水池に供給される水は、空
気調和設備に備えられた冷凍機の水冷凝縮器からの冷却
水であり、前記浸透ろ過冷却層を介して冷却された水は
前記冷却水の配管経路上に設けられたポンプにより回収
され、前記水冷凝縮器の冷却水として再度使用されるよ
うにすることが好ましい。
【0011】前記透水性コンクリートからなる浸透ろ過
冷却層は、プレキャストコンクリート板で構築すること
が好ましい。
【0012】
【作用】本発明によれば、貯水池底に透水性コンクリー
トからなる浸透ろ過冷却層を敷設し、前記貯水池の水を
該浸透ろ過冷却層を構成する骨材の表面に沿って水膜状
に流下させ、前記浸透ろ過冷却層を通過する際にろ過冷
却され、下層に配設された集水管により前記ろ過冷却さ
れた水を集水するようにしたので、前記透水性コンクリ
ート部分を流れ落ちる際に、ろ過による不純物除去が行
えるとともに、空隙部分の空気と前記水膜との接触によ
り水の一部が蒸発して気化熱を奪われ、骨材の表面を流
れ落ちる間に水の温度が低下する。そしてこのろ過冷却
された水が池底部で集水管により集水される。
【0013】このとき前記貯水池に、空気調和設備に備
えられた冷凍機の水冷凝縮器からの冷却水を供給して、
前記浸透ろ過冷却層を介して冷却された前記冷却水を前
記冷却水の配管経路上に設けられたポンプにより回収
し、前記水冷凝縮器の冷却水として循環させて再度使用
することができる。
【0014】前記透水性コンクリートからなる浸透ろ過
冷却層を、プレキャストコンクリート板で構築すると、
施工が容易になるとともに、施工スピードが向上する。
【0015】
【実施例】以下、本発明による冷却用ろ過循環貯水池構
造の一実施例を添付図面を参照して説明する。図1に示
した冷却用ろ過循環貯水池構造は、従来の技術で説明し
たような建物周囲の景観意匠の観点から建設される池構
造と同様の形状からなる。したがって池の平面形状は主
体となる建物の景観意匠にマッチするように自由に設定
することが可能であるが、池部分の面積は後述する冷却
用ろ過循環貯水池構造の有する冷却効果の観点から決定
することが好ましい。まず、図2の断面図を参照して冷
却用ろ過循環貯水池構造の全体構造について説明する。
図2に示したように、冷却水Wを貯留する冷却用ろ過循
環貯水池構造1の主体構造は内側表面に所定の防水工が
施された鉄筋コンクリート構造の底版10及び側壁11
からなり、所定の水勾配のつけられた底版コンクリート
10の下流端10Aにはピット12が形成されている。
このピット12内には後述する集水パイプを通じて流下
してきた冷却水Wが流入するようになっている。
【0016】また、凝縮器(図示せず)から延設された
の冷却水配管13は貯水池1の一端まで導かれ、凝縮機
での熱交換により温度が高められた冷却水Wが池内に連
続的に貯留できるようになっている。一方、ピット12
の一部にはピット12内に流入した冷却水Wを回収する
ための取水管14が接続されている。このピット12内
の冷却水Wは冷却用ろ過循環貯水池構造1のろ過冷却層
(その構成は後述する)を通過してろ過により不純物等
が除去された冷却水であり、取水管14を介して図示し
ない冷却水ポンプにより再び凝縮器に回収、還流され
る。このように冷却水自体は配管経路内で循環して使用
されるが、前記冷却ろ過層でのろ過作用により不純物等
が除去され、設備の損傷等の発生を防止することができ
る。
【0017】次に、図1及び図2により冷却用ろ過循環
貯水池構造の構成について説明する。図1に示したよう
に貯水池構造1の底版コンクリート10上には上下流方
向に沿って集水パイプ15が所定間隔をあけて敷設され
ている。この集水パイプ15は円形パイプを半割りにし
た形状をなし、本実施例ではポリ塩化ビニル製パイプを
半割りにしたものが使用されている。さらにパイプの両
側部には小径の半割り筒状をなした冷却水流入孔16が
所定間隔をあけて形成されている。この集水パイプ15
は底版コンクリート10に図示しない固定具により固定
されており、図2に示したように冷却水流入孔16から
集水パイプ15内に流入した冷却水Wは集水パイプ15
内を下流に向け流下する。また、集水パイプ15の下流
端15Aには集水パイプ15と直交するようにして導水
パイプ17が底版コンクリート10の一部に形成されて
いる。この導水パイプ17は、各集水パイプ15から流
入した冷却水Wを集め、ピット12に導く役割をしてい
る。なお、図3では簡単化のために導水パイプの図示を
省略している。
【0018】冷却用貯水池1内にはさらに底版コンクリ
ート10上に配設された集水パイプ15を覆うように粒
径13〜5mm程度の砕石18が所定の層厚に撒き出さ
れ、さらにこの砕石層上には粒径5mm以下の中目の砕
砂19が積層され、フィルター層20が形成されてい
る。このフィルター層20は冷却水Wに混入しているち
り等の不純物を除去する第2のろ過層としても機能する
ようになっている。
【0019】さらにこのフィルター層20の上層には層
内を流下する冷却水Wを所定温度まで冷却する浸透ろ過
冷却層21が形成されている。この浸透ろ過冷却層21
は透水係数が10-2〜10-1(cm/sec)程度に設定された
透水性コンクリート構造からなる。
【0020】この透水性コンクリート構造は本実施例で
は所定の透水性を保持するようにあらかじめ締固められ
たフィルター層20の上に所定の層厚で打設された現場
打ちコンクリートで、その配合例としては下表を一例と
して挙げることができる。なお、同配合表は土木学会コ
ンクリート標準示方書の記載例に準じて示してある。例
えば、コンクリートの配合設計には一般に絶対容積法が
使用され、単位体積当たり(通常、1m3当たり)の容
量比と単位体積重量とから、それぞれ単位水量、単位セ
メント量(単位水量と設定水セメント比から求めるのが
一般的である。)等を算出し、さらにワーカビリティー
を考慮して使用骨材の細骨材率、単位粗骨材量を決定す
る。本発明の場合、透水性コンクリートとしての透水性
能を活かすために使用粗骨材としてJIS規格である6
号砕石、7号砕石を使用している。
【0021】
【表1】
【0022】この透水性コンクリートの配合例は出願人
が既に開示した透水性コンクリート舗装構造に用いたも
のと同様である(特開昭59−206502号、特開昭
60−215565号公報参照)。なお、上記表の配合
例はv=0%(空隙率=0)での値を示してあり、現場
配合では、対象となる透水性コンクリートが所定の透水
係数を得られるように空隙率をv=20〜30%の幅で
設定し、空隙率の値に応じて計量を行うことが好まし
い。たとえば、v=25%場合には現場計量値は表−1
の各値の0.75倍となる。また、本発明上記透水性コ
ンクリートの使用骨材は単一種類の砕石であるため、s
/a(細骨材率)は設定していない。なお、上記公報に
記載の透水性コンクリート構築物は、施工対象が主とし
て道路舗装であるため、所定の道路荷重に対応する曲げ
強度を基準強度として設定し、使用セメント量等を規定
している。しかし、本発明における浸透ろ過冷却層21
を構成する透水性コンクリート構造は同様の板状構造体
であるが、本発明による透水性コンクリート層は貯水池
1内の静水圧に対する強度を保持すれば良いため、上表
に示したコンクリート使用量に対して低減して使用する
ことも可能である。
【0023】ここで、浸透ろ過冷却層21の冷却作用に
ついて簡単に説明する。この浸透ろ過冷却層21は前述
のように透水係数kがk=10-2〜10-1(cm/sec)程度
となるため、貯水池1の底版部分に使用すると、この浸
透ろ過冷却層21内を池内に貯留された冷却水Wが浸透
流下していく。この冷却水Wの浸透流下作用は、冷却水
Wが透水性コンクリートの骨材の表面で水膜を形成しな
がら、骨材の表面を重力作用により下方に流下していく
ことが確認されている。すなわち、所定の密度に締固め
られたコンクリート内の骨材は互いに噛み合い、多数の
空隙が形成された状態にあり、骨材の単位体積当たりの
表面積(比表面積m2/m3)がきわめて大きい。このた
め温度が高くなった冷却水Wが骨材の表面に沿って大き
な接触面積を保持しながら流れ落ちると、この間に空気
との接触により冷却されるとともに、水の一部(全体の
1.2%程度とされている。)が蒸発して気化熱により
水の冷却が進行する。また、浸透ろ過冷却層21は池底
部に位置しているので、外気の影響を受けにくく、この
ため水温は比較的低温状態を保持することができる。冷
却された水は地中の取水パイプ14を経由して冷却水ポ
ンプに導かれるので、熱の授受に対するロスが少なく、
良好な保温状態におくことができるという利点もある。
【0024】さらに、この浸透ろ過冷却層21を流下
し、冷却された冷却水Wはフィルター層20を通過す
る。このフィルター層20を通過する際に冷却水Wに混
入したゴミやちりがろ過により除去され、清浄な冷却水
Wが集水パイプ15を介してピット12に集水される。
【0025】図2(b)は変形例として冷却用ろ過循環
貯水池構造1の冷却効果を高めるために集水パイプ15
部分に換気経路25を形成したものである。図示したよ
うに貯水池1の側壁11の一部が2重壁構造11A、1
1Bになっており、2重壁11A、11Bの間には換気
経路25が形成されいる。この換気経路25の両端の地
上部にはルーバー26を備えた換気口27が設けられて
おり、この換気口27から浸透ろ過冷却層21の下部に
配設されている集水パイプ15に自然風を送り込み、冷
却効果を高めることができる。また、必要に応じて換気
経路25内の所定位置に送風機(図示せず)を設置し、
浸透による冷却効果に加えて送風によって冷却水Wの蒸
発を促進してその気化熱により冷却効果を高めることも
できる。
【0026】なお、図1、図2に示した集水パイプ15
は両側部に形成された冷却水流入孔16から浸透冷却さ
れた冷却水Wを集水するようになっている。この集水パ
イプ15の変形例として管の全面にわたり所定間隔で孔
が穿設されている各種の樹脂有孔管を使用できる。また
有孔管と冷却水流入孔16とを併用しても良い。
【0027】図4は他の実施例として、フィルター層2
0に代えて底版コンクリート10上にフィルタ層として
のプレキャストコンクリート板31を敷設し、その上に
さらに浸透ろ過冷却層としてのプレキャストコンクリー
ト板32を2層に積層した冷却用ろ過循環貯水池構造1
を示したものである。透水性コンクリート構造からなる
所定寸法のプレキャストコンクリート板をあらかじめ工
場生産しておき、底版コンクリートの現場施工が完了し
た状態の池部分にプレキャストコンクリート板31、3
2を敷き重ねるだけで、図3の浸透ろ過冷却層21、フ
ィルター層20に相当する各層を構築することができ
る。このときフィルター層を構成するプレキャストコン
クリート板31の底面には図3の集水パイプ15に相当
する半円筒状の凹部33が形成されている。この凹部3
3はプレキャストコンクリート板の打設成形時にあらか
じめ型枠内にセットされたボイド材等の半円筒状の型材
により型抜きされた部分であり、フィルター層を流下し
た水は底版コンクリート10上に形成された凹部33に
沿って図示しないピットまで流れることができるように
なっている。なお、プレキャストコンクリート板31、
32の製造に使用する骨材径は浸透ろ過冷却層を構成す
る板32では骨材の比表面積を高めるために粒径2.5
〜5mm程度の砕石(JIS規格:7号砕石に相当)を
使用し、比表面積をそれほど大きくとる必要のないフィ
ルター層を構成する板31では粒径5〜13mm程度の
砕石(JIS規格:6号砕石に相当)を使用すれば良
い。
【0028】図5は他の図4の変形例として複数本の角
柱状の透水性コンクリートブロック34、34…を浸透
ろ過冷却層の支持部材として底版コンクリート10上に
上下流方向に沿って所定の間隔をあけて並べ、隣合った
角柱34の間を冷却水Wが下流に流れるようにしたもの
である。このとき浸透ろ過冷却層には図4と同様に透水
性に富むプレキャストコンクリート板32を使用するこ
とができる。このプレキャストコンクリート板間の接合
には樹脂製等の接合部材35を使用すれば良い。接合部
材35としては隣合ったプレキャストコンクリート板と
底版コンクリート10上に並べられた透水性コンクリー
トブロックがずれない程度の固定能力があれば良い。
【0029】なお、以上に説明した浸透ろ過冷却層の冷
却能力は、水が流下する透水性コンクリート部分の比表
面積、すなわち層厚、透水性コンクリートに使用する骨
材の粒径、送風の有無により異なるので、大きな冷却能
力を必要とする場合であって池の面積を大きくとれない
場合には、この浸透ろ過冷却層での冷却能力を大きくと
るような部材設計を行うことが好ましい。一方、冷却能
力はさほど要求されないが、建物と池とのレイアウトの
関係から池の面積が決定するような場合にはデザインさ
れた池の形状の一部の底版位置にのみ浸透ろ過冷却層、
集水設備を構築すれば良いことは言うまでもない。
【0030】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、建物の景観設計に活かせるとともに、建物の
空調設備の冷却塔の代わりとして池構造においてろ過冷
却された水を循環させて連続的に冷却を行えるので、使
用水の清掃、冷却を同時に行え、経済的であるととも
に、屋上冷却塔等の屋外設備をなくすことができ、騒音
防止、景観上の観点からの効果も期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による冷却用ろ過循環貯水池構造の一実
施例の内部構造を示した部分断面斜視図。
【図2】本発明の冷却用ろ過循環貯水池構造の一例を示
した縦断面図。
【図3】図1に示したIII-III断面線に沿った断面図。
【図4】冷却用ろ過循環貯水池構造の他の実施例を示し
た部分断面図。
【図5】図4の変形例を示した部分断面図。
【図6】従来の冷却塔設備の一例を示した概略構成図。
【図7】従来の冷却用噴水池の一例を示した部分断面
図。
【符号の説明】
1 冷却用ろ過循環貯水池構造 10 底版コンクリート 12 ピット 13 冷却水配管 14 取水管 15 集水パイプ 20 フィルター層 21 浸透ろ過冷却層 31プレキャストコンクリート板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04H 5/10 F28F 25/08 F24F 5/00 102 B01D 23/10

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】貯水池底に透水性コンクリート構造からな
    る浸透ろ過冷却層を敷設し、前記貯水池の水を該浸透ろ
    過冷却層を構成する骨材の表面に沿って水膜状に流下さ
    せて前記水のろ過冷却を連続的に行い、前記浸透ろ過冷
    却層の下層に配設された集水管により前記ろ過冷却され
    た水を集水するようにしたことを特徴とする冷却用ろ過
    循環貯水池構造。
  2. 【請求項2】前記貯水池に供給される水は、空気調和設
    備に備えられた冷凍機の水冷凝縮器からの冷却水であ
    り、前記浸透ろ過冷却層を介してろ過冷却された水は前
    記冷却水の配管経路上に設けられたポンプにより回収さ
    れ、前記水冷凝縮器の冷却水として循環して繰り返し使
    用されることを特徴とする請求項1記載の冷却用ろ過循
    環貯水池構造。
  3. 【請求項3】前記透水性コンクリートからなる浸透ろ過
    冷却層は、プレキャストコンクリート板で構築されたこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2に記載の冷却用
    ろ過循環貯水池構造。
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