JP3247361B2 - ボールスプラインのボール組付装置 - Google Patents

ボールスプラインのボール組付装置

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JP3247361B2 JP2000042978A JP2000042978A JP3247361B2 JP 3247361 B2 JP3247361 B2 JP 3247361B2 JP 2000042978 A JP2000042978 A JP 2000042978A JP 2000042978 A JP2000042978 A JP 2000042978A JP 3247361 B2 JP3247361 B2 JP 3247361B2
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場 伸 一 秋
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、無段変速
機のプーリを構成する固定シーブと一体をなす回転軸
(軸部材)に設けた外スプラインと、この回転軸に嵌装
されて固定シーブとともにプーリを構成する可動シーブ
(軸嵌装部材)に設けた内スプラインとの間にボールを
組付けてボールスプラインを形成するのに用いられるボ
ールスプラインのボール組付装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】上記した無段変速機のプーリを構成する
固定シーブと一体をなす回転軸およびこの回転軸に嵌装
されて固定シーブとともにプーリを構成する可動シーブ
には、複数本の外スプラインおよび内スプラインが各々
設けられており、相対向する内外スプライン間にボール
を複数個ずつ組付けてボールスプラインとなすことによ
り、可動シーブの回転軸に対する軸方向の摺動を許容す
るようになっている。
【0003】従来、上記無段変速機の回転軸と可動シー
ブとの間にボールスプラインを形成する場合には、ボー
ルスプラインのガタ量測定装置において、内外スプライ
ン間に複数個の基準ボールを互いに独立した状態で供給
して、内外スプラインが回転軸の略円周方向に変位する
ガタ量を測定し、ボールスプラインのボール組付装置に
おいて、ガタ量測定装置で測定したガタ量に応じた直径
のボールを内外スプライン間に組付けるようにしてい
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来におけ
るボールスプラインのボール組付装置では、内外スプラ
インが回転軸の略円周方向に変位するガタ量が正しく測
定されていなかったり、ガタ量測定装置で測定したガタ
量に応じていないボールを選択してしまったりした場合
であったとしても、これを認識することなくボールを内
外スプライン間に組付けてしまうことから、回転軸と可
動シーブとの間に精度の低いボールスプラインが形成さ
れてしまう可能性があるという問題を有しており、この
問題を解決することが従来の課題であった。
【0005】
【発明の目的】本発明は、上記した従来の課題にかんが
みてなされたもので、ボールの誤組付けを阻止して、常
に高精度のボールスプラインを形成することが可能であ
るボールスプラインのボール組付装置を提供することを
目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係わ
る発明は、直径の異なる複数種類のボールを収納したボ
ールストッカーと、軸部材に設けた外スプラインおよび
この軸部材に嵌装する軸嵌装部材に設けた内スプライン
が軸部材の略円周方向に変位するガタ量に応じた直径の
ボールをボールストッカーから選び出して軸部材の外ス
プラインと軸嵌装部材の内スプラインとの間に組付ける
組付け機構を備えたボールスプラインのボール組付装置
において、ボールストッカーから選び出したボールの内
外スプライン間への挿入力を測定可能とした構成とした
ことを特徴としており、このボールスプラインのボール
組付装置の構成を前述した従来の課題を解決するための
手段としている。
【0007】本発明の請求項2に係わる発明は、直径の
異なる複数種類のボールを収納したボールストッカー
と、軸部材に設けた外スプラインおよびこの軸部材に嵌
装する軸嵌装部材に設けた内スプラインが軸部材の略円
周方向に変位するガタ量に応じた直径のボールをボール
ストッカーから選び出して軸部材の外スプラインと軸嵌
装部材の内スプラインとの間に組付ける組付け機構を備
えたボールスプラインのボール組付装置において、組付
け機構に、ボールストッカーから選び出したボールの内
外スプライン間への挿入力を測定する挿入力測定手段を
設けた構成としたことを特徴としており、このボールス
プラインのボール組付装置の構成を前述した従来の課題
を解決するための手段としている。
【0008】本発明の請求項3に係わるボールスプライ
ンのボール組付装置は、軸嵌装部材を嵌装した軸部材が
搬入されるワーク搬入位置の所定部位に前記軸部材をセ
ットする位置決め治具を具備し、この位置決め治具が内
外スプラインの位相合わせおよび内外スプラインの回転
方向位置決めの機能を有している構成とし、本発明の請
求項4に係わるボールスプラインのボール組付装置は、
軸部材に設けた外スプラインとこの軸部材に嵌装する軸
嵌装部材に設けた内スプラインとの間に複数個の基準ボ
ールを供給して、外スプラインおよび内スプラインが軸
部材の略円周方向に変位するガタ量を測定するボールス
プラインのガタ量測定装置の後工程側に設けられて、前
記ガタ量測定装置により測定記録された内外スプライン
が軸部材の略円周方向に変位するガタ量データを読み取
って、ワーク搬入位置に搬入された軸部材の外スプライ
ンと軸嵌装部材の内スプラインとの間に組付けるべきボ
ールをボールストッカーから選び出す構成としている。
【0009】
【発明の作用】本発明の請求項1および2に係わるボー
ルスプラインのボール組付装置では、軸部材の外スプラ
インおよび軸嵌装部材の内スプラインの間にボールを組
付けるに際して、内外スプラインが軸部材の略円周方向
に変位するガタ量が正しく測定されていない場合や、ボ
ールストッカーから選び出したボールが測定されたガタ
量に応じていない場合には、ボールを内外スプライン間
へ挿入するときの荷重を測定することで上記不具合を認
識し得るので、ボールの誤組付けが阻止されることとな
って、常に高精度のボールスプラインが形成されること
となる。
【0010】また、本発明の請求項3に係わるボールス
プラインのボール組付装置では、位置決め治具を用いて
軸嵌装部材を嵌装した軸部材をワーク搬入位置の所定部
位にセットすれば、内外スプラインの位相合わせおよび
内外スプラインの回転方向位置決めがこれと同時に完了
するので、これらの作業が確実かつ安価になされること
となり、本発明の請求項4に係わるボールスプラインの
ボール組付装置において、ワーク搬入位置に搬入される
軸部材および軸嵌装部材の全てに対する内外スプライン
のガタ量の測定は、前工程側に位置するガタ量測定装置
によって予めなされているので、ガタ量データに基づい
てボールストッカーから選び出したボールのほぼ全数が
適正荷重で内外スプライン間へ挿入されることとなり、
その結果、ボールの組付け効率が極めて良好なものとな
る。
【0011】
【発明の効果】本発明の請求項1および2に係わるボー
ルスプラインのボール組付装置では、上記した構成とし
たことから、内外スプライン間に対するボールの誤組付
けを防ぐことができ、したがって、常に高精度のボール
スプラインを形成することが可能であるという著しく優
れた効果がもたらされる。
【0012】本発明の請求項3に係わるボールスプライ
ンのボール組付装置では、上記した構成としたため、内
外スプラインの位相合わせおよび内外スプラインの回転
方向位置決め作業を確実かつ安価に行うことができ、本
発明の請求項4に係わるボールスプラインのボール組付
装置では、上記した構成としているので、ボールの組付
け効率を良好なものとすることが可能であるという極め
て優れた効果がもたらされる。
【0013】
【実施例】以下、本発明を図面に基づいて説明する。
【0014】図1ないし図13は本発明の一実施例に係
わるボールスプラインのボール組付装置およびこのボー
ル組付装置に隣接して配置されるガタ量測定装置を示す
ものであり、この実施例では、軸部材が無段変速機のプ
ーリを構成する固定シーブと一体をなす回転軸であり、
軸部材に嵌装される軸嵌装部材が固定シーブとともにプ
ーリを構成する可動シーブである場合を示す。
【0015】図3および図4に示すように、ボールスプ
ラインのボール組付装置30は、ガタ量測定装置10と
ともに無段変速機の組立てラインに沿って配置されてお
り、無段変速機を構成するプライマリプーリPPおよび
これと対をなすセカンダリプーリSPを並べて載置した
ワークベースBを搬送するコンベア1が両装置10,3
0の各ワーク搬入位置10A,30Aを通過するように
なっている。
【0016】ボール組付装置30の上流側に位置するガ
タ量測定装置10のワーク搬入位置10Aには、図9お
よび図10にも示すように、両プーリPP,SPを回転
自在に載置した状態で上下移動させるリフタ11と、こ
のリフタ11により上昇した両プーリPP,SPを上方
から支持して回転させる昇降可能なセンタユニット12
と、両プーリPP,SPにそれぞれ予め装着した位置決
め治具2の被検出突起2aを検出して両プーリPP,S
Pの回転を停止させる近接スイッチ13と、センタユニ
ット12に取り付けられて位置決め治具2を両側から把
持解放可能としたクランパ14が備えられており、この
クランパ14によって位置決め治具2を把持すること
で、両プーリPP,SPのワーク搬入位置10Aにおけ
る所定部位へのセットがなされるのと同時に、両プーリ
PP,SPの各回転軸SAにそれぞれ設けた外スプライ
ンOSと両プーリPP,SPの各可動シーブSEにそれ
ぞれ設けた内スプラインISとの位相合わせおよびこれ
らのスプラインOS,ISの回転方向位置決めがなされ
るようになっている。
【0017】また、このガタ量測定装置10は、図11
にも示すように、ワーク搬入位置10Aとガタ量測定位
置10Bとの間で両プーリPP,SPを搬送するローダ
15を備えている。このローダ15は、ワーク搬入位置
10Aとガタ量測定位置10Bとの間に設けたガイドレ
ール15aと、このガイドレール15aに沿って移動す
るワーク吊り下げ部15bを具備しており、このワーク
吊り下げ部15bは、上記のようにワーク搬入位置10
Aにおける所定部位へのセットを実行したセンタユニッ
ト12が位置決め治具2を把持したまま上昇した後に、
両プーリPP,SPを吊り下げてガタ量測定位置10B
まで搬送するようになっている。
【0018】この場合、ワーク吊り下げ部15bには、
回転軸SAの外スプラインOSと可動シーブSEの内ス
プラインISとが回転軸SAの略円周方向に変位するガ
タ量を測定するための複数個の基準ボールRBを保持す
る基準ボール治具16が設けてある。この基準ボール治
具16は、図8に拡大して示すように、回転軸SAに嵌
装される円筒部16aと、この円筒部16aの下端から
延出して複数個の基準ボールRBを串刺し状態で保持す
る保持軸16bを具備しており、この保持軸16bは内
外スプラインIS,OSの数および円周方向の間隔に合
わせて配置してある。そして、この基準ボール治具16
は、ローダ15のワーク吊り下げ部15bにより両プー
リPP,SPを吊り下げてワーク搬入位置10Aからガ
タ量測定位置10Bに搬送する段階において、円筒部1
6aが回転軸SAに嵌装されると共に、複数個の基準ボ
ールRBを数珠状に保持した保持軸16bがすでに回転
方向の位置決めがなされた内外スプラインIS,OS間
へ挿入されるようになっている。
【0019】さらに、ボールスプラインのガタ量測定装
置10のガタ量測定位置10Bには、図12および図1
3にも示すように、ローダ15のワーク吊り下げ部15
bにより搬送された両プーリPP,SPを載置して下降
する昇降可能なリフタ17と、このリフタ17により下
降した両プーリPP,SPを上方から支持してセンタ出
しを行う昇降可能なセンタユニット18と、両プーリP
P,SPの各回転軸SAを両側から挟み込んで固定する
回り止めクランパ19と、各可動シーブSEを周りから
押圧可能な複数個の外周クランパ20を介して各可動シ
ーブSEを支持するフローティングプレート21と、こ
のフローティングプレート21上においてその中心を間
にして当該中心からの距離を互いに違えて配置した3組
の対向ゲージ22,23と、フローティングプレート2
1に回転負荷を与えるサーボモータ24と、フローティ
ングプレート21に振動を付与するバイブレータ25が
備えられており、フローティングプレート21は、サー
ボモータ24の出力軸24aに装着したピニオン24b
をフローティングプレート21側に設けたラック21a
に噛み合わせることにより、回動駆動されるようになっ
ている。
【0020】このガタ量測定位置10Bでは、回り止め
クランパ19で両プーリPP,SPの各回転軸SAを固
定すると共にフローティングプレート21で各可動シー
ブSEを支持したうえで、リフタ17およびセンタユニ
ット18を両プーリPP,SPから離間させ、この状態
でバイブレータ25からフローティングプレート21に
振動を与えて各可動シーブSEをフローティングプレー
ト21上の複数個の外周クランパ20に馴染ませつつ、
サーボモータ24によってフローティングプレート21
をトルクを適宜変えて回動駆動して、3組の対向ゲージ
22,23によるガタ量の測定を行うようになってお
り、これにより得られた測定データはワークベースBの
図示しないIDカードに記録されるようになっている。
【0021】一方、ボール組付装置30のワーク搬入位
置30Aには、図6にも示すように、ガタ量測定装置1
0によるガタ量の測定が終了してワークベースBととも
に搬入された両プーリPP,SPを回転自在に載置した
状態で上下移動させるリフタ31が備えられており、こ
のワーク搬入位置30Aでは、ガタ量測定装置10から
搬出される際に両プーリPP,SPに戻された位置決め
治具2をクランパ34で把持することによって、ガタ量
測定装置10のワーク搬入位置10Aの場合と同様にし
て、両プーリPP,SPのワーク搬入位置30Aにおけ
る所定部位へのセットがなされるようになっている。
【0022】また、ボール組付装置30は、図4および
図5に示すように、直径の異なる複数種類のボールBA
を収納しかつワークベースBのIDカードに記録された
測定データを読み出してガタ量測定装置10によって測
定されたガタ量に応じた直径のボールBAを定量数切り
出すボールストッカー32と、ボールストッカー32か
ら切り出されたボールBAを両プーリPP,SPの各回
転軸SAの外スプラインOSと各可動シーブSEの内ス
プラインISとの間に組付ける組付け機構40を備えて
おり、ボールストッカー32の近傍には、図7に示すよ
うに、ボールストッカー32ら切り出された複数個のボ
ールBAをプライマリプーリPP側およびセカンダリプ
ーリSP側に所定の個数ずつ振り分けるボール振り分け
部33と、ボール振り分け部33で振り分けられたボー
ルBAを受け止めるシャッター34が設けてある。
【0023】組付け機構40は、図1および図2にも示
すように、ボールBAを受け止めたシャッター34を開
放することにより自然落下するボールBAを装填するリ
ボルバー41と、このリボルバー41に装填したボール
BAの個数を確認するボールチェッカー42と、リボル
バー41をボール振り分け部33の下方からワーク搬入
位置30Aにセットされた両プーリPP,SPの各内外
スプラインIS,OS上に移動させるガイド43と、内
外スプラインIS,OS上に移動したリボルバー41の
シャッター41aを開放するのと同時に下降して内外ス
プラインIS,OS間にボールBAを挿入するプッシュ
バー44と、ボールBAを内外スプラインIS,OS間
へ挿入する際にプッシュバー44に負荷される挿入荷重
を測定する挿入力測定部45を備えている。
【0024】上記したボールスプラインのガタ量測定装
置10では、ワークベースBに並べて載置したプライマ
リプーリPPおよびセカンダリプーリSPがワーク搬入
位置10Aに搬入されると、まず、図10に示すよう
に、リフタ11が両プーリPP,SPを載置しつつ上昇
するのに続いて、センタユニット12が下降して両プー
リPP,SPを上方から支持するとともに回転駆動す
る。
【0025】そして、両プーリPP,SPに装着した位
置決め治具2の被検出突起2aを近接スイッチ13が検
出した時点で、両プーリPP,SPの回転を停止させ、
センタユニット12のクランパ14で位置決め治具2を
両側から把持することによって、両プーリPP,SPの
ワーク搬入位置10Aにおける所定部位へのセットを行
うのと同時に、両プーリPP,SPの各回転軸SAの外
スプラインOSと両プーリPP,SPの各可動シーブS
Eの内スプラインISとの位相合わせおよびこれらのス
プラインOS,ISの回転方向位置決めを行ない、この
後、クランパ14で位置決め治具2を把持したままセン
タユニット12が上昇して、位置決め治具2を両プーリ
PP,SPから離間させる。
【0026】次に、図11に示すように、ワーク搬入位
置10Aにおいてローダ15のワーク吊り下げ部15b
が両プーリPP,SPをローディングして、ガタ量測定
位置10Bまで搬送する。この際、図8にも示すよう
に、ワーク吊り下げ部15bの基準ボール治具16の円
筒部16aが回転軸SAに嵌装されると共に、複数個の
基準ボールRBを数珠状に保持した保持軸16bがすで
に回転方向の位置決めがなされた内外スプラインIS,
OS間へ挿入される。
【0027】次いで、図12および図13に示すよう
に、ガタ量測定位置10Bにおいて、両プーリPP,S
Pを載置したリフタ17が下降すると共にセンタユニッ
ト18が下降して、両プーリPP,SPのセンタ出しが
実行され、続いて、回り止めクランパ19による両プー
リPP,SPの各回転軸SAの固定がなされると共に複
数個の外周クランパ20を介したフローティングプレー
ト21による両プーリPP,SPの各可動シーブSEの
支持がなされた後、リフタ17およびセンタユニット1
8が両プーリPP,SPから離間し、この状態でバイブ
レータ25からフローティングプレート21に振動を与
えて各可動シーブSEをフローティングプレート21上
の複数個の外周クランパ20に馴染ませながら、サーボ
モータ24によってそのトルクを適宜変えつつフローテ
ィングプレート21を回動駆動して、3組の対向ゲージ
22,23によるガタ量の測定を行い、これにより得ら
れた測定データをワークベースBの図示しないIDカー
ドに記録する。
【0028】そして、ガタ量の測定が終了した時点で、
回り止めクランパ19による両プーリPP,SPの各回
転軸SAの固定を解除すると共に複数個の外周クランパ
20による両プーリPP,SPの各可動シーブSEの固
定を解除し、リフタ17およびセンタユニット18がそ
れぞれ上昇した後、ローダ15により両プーリPP,S
Pがワーク搬入位置10Aまで搬送され、続いて、ワー
ク搬入位置10Aで両プーリPP,SPを解放したロー
ダ15のワーク吊り下げ部15bは、基準ボール治具1
6を把持したまま待機位置まで移動し、ワーク搬入位置
10Aに復帰した両プーリPP,SPには、下降したセ
ンタユニット12から位置決め治具2が戻され、これら
のプーリPP,SPはワークベースBに載置した状態で
コンベア1によって次工程に搬送される。
【0029】一方、ボール組付装置30では、ガタ量測
定装置10から搬出されたプライマリプーリPPおよび
セカンダリプーリSPがワーク搬入位置30Aに搬入さ
れると、まず、図6に示すように、両プーリPP,SP
を回転自在に載置した状態でリフタ31が上昇し、ガタ
量測定装置10から搬出される際に両プーリPP,SP
に戻された位置決め治具2をクランパ34で把持するこ
とによって、ガタ量測定装置10のワーク搬入位置10
Aの場合と同様にして、両プーリPP,SPのワーク搬
入位置30Aにおける所定部位へのセットを実施する。
【0030】この間、ボールストッカー32において、
図7に示すように、ワークベースBのIDカードに記録
された測定データを読み出してガタ量測定装置10によ
って測定されたガタ量に応じた直径のボールBAが定量
数切り出され、ボールストッカー32の近傍に位置する
ボール振り分け部33により、プライマリプーリPP側
およびセカンダリプーリSP側に所定の個数ずつ振り分
けられる。
【0031】次いで、振り分けられたボールBAを受け
止めたシャッター34を開放することにより自然落下す
るボールBAが装填される組付け機構40のリボルバー
41は、ボールチェッカー42によるボールBAの個数
の確認の後、図2に示すように、ガイド43に案内され
てワーク搬入位置30Aにセットされた両プーリPP,
SPの各内外スプラインIS,OS上に移動する。
【0032】次に、図1に示すように、内外スプライン
IS,OS上に移動したリボルバー41のシャッター4
1aが開放するのと同時に、プッシュバー44が下降し
て内外スプラインIS,OS間にボールBAを挿入し、
この際、プッシュバー44に負荷されるボールBAの挿
入荷重を挿入力測定部45により測定し、選択されたボ
ールBAの良否を判定すると共にストロークの確認を行
い、これによりボールスプラインのボール組付けが完了
する。
【0033】そして、プッシュバー44が回避動作を行
うのに続いて、両プーリPP,SPには位置決め治具2
が戻され、これらのプーリPP,SPはワークベースB
に載置した状態でコンベア1によって次工程に搬送され
る。
【0034】上記したように、このボールスプラインの
ボール組付装置30では、回転軸SAの外スプラインO
Sおよび可動シーブSEの内スプラインISの間にボー
ルBAを組付けるに際して、組付け機構40のプッシュ
バー44に負荷されるボールBAの挿入荷重を挿入力測
定部45で測定して、選択されたボールBAの良否を判
定するようにしていることから、内外スプラインIS,
OSが回転軸SAの略円周方向に変位するガタ量が正し
く測定されていない場合や、ボールストッカー32から
選び出したボールBAが測定されたガタ量に応じていな
い場合であったとしても、これらの不具合を認識し得る
こととなり、したがって、ボールBAの誤組付けが阻止
されることとなり、常に高精度のボールスプラインが形
成されることとなる。
【0035】また、上記したボールスプラインのボール
組付装置30では、位置決め治具2を用いて両プーリP
P,SPをワーク搬入位置30Aの所定部位にセットす
れば、内外スプラインIS,OSの位相合わせおよび内
外スプラインIS,OSの回転方向位置決めがこれと同
時に完了するので、これらの作業が確実かつ安価になさ
れることとなり、さらに、上記したボール組付装置30
において、ワーク搬入位置30Aに搬入されるプーリP
P,SPの全てに対する内外スプラインIS,OSのガ
タ量の測定は、前工程側に位置するガタ量測定装置10
によって予めなされているため、そのガタ量データに基
づいてボールストッカー32から選び出したボールBA
のほぼ全数が適正荷重で内外スプラインIS,OS間へ
挿入されることとなり、その結果、ボールBAの組付け
効率が極めて良好なものとなる。
【0036】上記した実施例では、軸部材が無段変速機
のプーリを構成する固定シーブと一体をなす回転軸であ
り、軸部材に嵌装される軸嵌装部材が固定シーブととも
にプーリを構成する可動シーブである場合を示したが、
これに限定されるものではない。
【0037】また、本発明に係わるボールスプラインの
ボール組付装置の詳細な構成は、上記した実施例に限定
されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるボールスプラインのボ
ール組付装置における組付け機構のプッシュバーにより
ボールを内外スプライン間へ挿入する状況を示す正面方
向からの説明図である。
【図2】図1に示したボール組付装置における組付け機
構のリボルバーがプーリの内外スプライン上に移動した
状態を示す平面方向からの説明図(a)および正面方向
からの説明図(b)である。
【図3】本発明の一実施例によるボールスプラインのボ
ール組付装置をガタ量測定装置とともにラインに沿って
配置した状況を示す正面方向からの説明図である。
【図4】本発明の一実施例によるボールスプラインのボ
ール組付装置をガタ量測定装置とともにラインに沿って
配置した状況を示す平面方向からの説明図である。
【図5】図3に示したボール組付装置の側面説明図であ
る。
【図6】図3に示したボール組付装置のワーク搬入位置
での正面説明図である。
【図7】図3に示したボール組付装置のボール振り分け
部での断面説明図である。
【図8】図3に示したガタ量測定装置の要部を示す基準
ボール治具の断面説明図(a),平面説明図(b)およ
びA−A線位置での断面説明図(c)である。
【図9】図3に示したガタ量測定装置の側面説明図であ
る。
【図10】図3に示したガタ量測定装置のワーク搬入位
置での平面説明図(a)および正面説明図(b)であ
る。
【図11】図10におけるワーク搬入位置でプーリをロ
ーディングする状況を示す正面方向からの説明図であ
る。
【図12】図3に示したガタ量測定装置のガタ量測定位
置での正面説明図(a)および側面説明図(b)であ
る。
【図13】図3に示したガタ量測定装置のガタ量測定位
置での平面説明図である。
【符号の説明】
10 ボールスプラインのガタ量測定装置 30 ボールスプラインのボール組付装置 30A ワーク搬入位置 32 ボールボールストッカー 40 組付け機構 45 挿入力測定部(挿入力測定手段) BA ボール IS 内スプライン OS 外スプライン PP プライマリプーリ SA 回転軸(軸部材) SE 可動シーブ(軸嵌装部材) SP セカンダリプーリ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平11−151626(JP,A) 特開 昭53−109283(JP,A) 特開 平4−283033(JP,A) 特開 平11−142101(JP,A) 特開 昭59−83832(JP,A) 実開 平1−97839(JP,U) 特公 昭48−36133(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01L 5/00 B23P 21/00 F16C 43/06

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直径の異なる複数種類のボールを収納し
    たボールストッカーと、軸部材に設けた外スプラインお
    よびこの軸部材に嵌装する軸嵌装部材に設けた内スプラ
    インが軸部材の略円周方向に変位するガタ量に応じた直
    径のボールをボールストッカーから選び出して軸部材の
    外スプラインと軸嵌装部材の内スプラインとの間に組付
    ける組付け機構を備えたボールスプラインのボール組付
    装置において、ボールストッカーから選び出したボール
    の内外スプライン間への挿入力を測定可能としたことを
    特徴とするボールスプラインのボール組付装置。
  2. 【請求項2】 直径の異なる複数種類のボールを収納し
    たボールストッカーと、軸部材に設けた外スプラインお
    よびこの軸部材に嵌装する軸嵌装部材に設けた内スプラ
    インが軸部材の略円周方向に変位するガタ量に応じた直
    径のボールをボールストッカーから選び出して軸部材の
    外スプラインと軸嵌装部材の内スプラインとの間に組付
    ける組付け機構を備えたボールスプラインのボール組付
    装置において、組付け機構に、ボールストッカーから選
    び出したボールの内外スプライン間への挿入力を測定す
    る挿入力測定手段を設けたことを特徴とするボールスプ
    ラインのボール組付装置。
  3. 【請求項3】 軸嵌装部材を嵌装した軸部材が搬入され
    るワーク搬入位置の所定部位に前記軸部材をセットする
    位置決め治具を具備し、この位置決め治具が内外スプラ
    インの位相合わせおよび内外スプラインの回転方向位置
    決めの機能を有している請求項1または2に記載のボー
    ルスプラインのボール組付装置。
  4. 【請求項4】 軸部材に設けた外スプラインとこの軸部
    材に嵌装する軸嵌装部材に設けた内スプラインとの間に
    複数個の基準ボールを供給して、外スプラインおよび内
    スプラインが軸部材の略円周方向に変位するガタ量を測
    定するボールスプラインのガタ量測定装置の後工程側に
    設けられて、前記ガタ量測定装置により測定記録された
    内外スプラインが軸部材の略円周方向に変位するガタ量
    データを読み取って、ワーク搬入位置に搬入された軸部
    材の外スプラインと軸嵌装部材の内スプラインとの間に
    組付けるべきボールをボールストッカーから選び出す請
    求項2または3に記載のボールスプラインのボール組付
    装置。
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