JP3246975B2 - 圧電型振動センサ - Google Patents

圧電型振動センサ

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JP3246975B2 JP03910393A JP3910393A JP3246975B2 JP 3246975 B2 JP3246975 B2 JP 3246975B2 JP 03910393 A JP03910393 A JP 03910393A JP 3910393 A JP3910393 A JP 3910393A JP 3246975 B2 JP3246975 B2 JP 3246975B2
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vibration sensor
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克彦 高橋
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、片持ち梁型の圧電型振
動センサに関し、特に2方向の振動を測定する圧電型振
動センサに関する。
【0002】
【従来の技術】ビーム状の検知部を有し、その長手方向
の一端を剛に固定した片持ち梁型の圧電型振動センサ
は、形状が単純で、比較的低コストで製造できるといっ
た点から、各種振動計測装置やOA機器等に多く利用さ
れている。
【0003】図3に、片持ち梁型の圧電型振動センサの
一従来例を示す。この圧電型振動センサ1は、台座2と
検知部3とから概略構成される。検知部3は、振動モー
ドを制御する振動板4と、この振動板4の両面に、極性
が反転するように設けられた圧電体5、5と、各圧電体
5、5の上面にそれぞれ設けられた電極6とからなる。
この検知部3は、その一端が剛に台座2に固定され、各
圧電体5、5の表面に設けられた電極6、6より出力を
取り出す構成とされている。
【0004】また図4は、他の従来例を示している。こ
の例の圧電型振動センサ1にあっては、その検知部3
が、振動板4と、この振動板4の片面に設けられた圧電
体5と、この圧電体5の両面に設けられた電極6とから
構成されている。
【0005】これらの圧電型振動センサ1は、両者と
も、振動板4の面に垂直な方向の振動を受けることによ
って該振動板4がたわみ、その表面に設けられた圧電体
5による圧電性から、出力を取り出すことができるとい
うものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前述した圧
電型振動センサにあっては、測定する振動の方向が1つ
の方向に限られていた。そのため、互いに直交する2方
向(二次元平面の振動)を測定するには、2つのセンサ
を用意し、互いに直交するように配置しなければならな
かった。よって、コストが嵩み、また大きなスペースを
必要とするなどの問題があった。
【0007】また、圧電体は、圧電性の他に焦電性をも
示すものであるから、この検知部に急激な温度変化が加
わった場合、焦電性による出力を生じ、誤動作の原因と
なり、正確な測定を行うことが困難であるといった問題
もあった。
【0008】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであって、一つのセンサで互いに直交する2方向
の振動を測定することができる圧電型振動センサを提供
することを目的としている。またさらに、焦電による誤
動作を無くして正確な測定を行える圧電型振動センサを
提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明の請求項1に記載の圧電型振動センサは、
振動モードを制御する振動ロッドの長手方向の一端を剛
に固定し、かつこの振動ロッドの長手方向に直交する断
面形状を、点対称でかつ90°回転時にも同一形状をな
す形状とし、この振動ロッドの側面には、互いに直交す
るようにして2つの圧電体を設け、各圧電体の両面にそ
れぞれ電極を配したことを特徴としている。
【0010】請求項2に記載の圧電型振動センサは、振
動モードを制御する振動ロッドの長手方向の一端を剛に
固定し、かつこの振動ロッドの長手方向に直交する断面
形状を、点対称でかつ90°回転時にも同一形状をなす
形状とし、この振動ロッドの側面には、互いに平行状態
で対向する1対の圧電体を、相互に直交するように2組
設け、各圧電体の両面にそれぞれ電極を配したことを特
徴としている。
【0011】
【作用】請求項1の圧電型振動センサによれば、振動ロ
ッドの断面形状が点対称でかつ90°回転時にも同一形
状をなす形状とされ、振動ロッドの側面に、互いに直交
するように2枚の圧電体が設けられているので、平面2
方向の振動をそれぞれの圧電体が受けて、各圧電体の両
面に配された電極間の電荷量または電位差から出力を得
ることから、それぞれの方向の振動を測定することがで
きる。
【0012】また、請求項2の圧電型振動センサによれ
ば、振動ロッドの側面に、互いに平行状態で対向する1
対の圧電体が、相互に直交するように2組設けられてい
るので、平面2方向の振動をそれぞれ測定することがで
きる。またこの時、対向する1対の圧電体の同極性面に
配された2組の電極のうち、1組を電気的に短絡させ、
もうう1組の電極間の電荷量または電位差から出力を得
るので、焦電による誤動作を防止することができる。
【0013】
【実施例】以下、図面を参照して、本発明の実施例を説
明する。図1は、請求項1に記載の圧電型振動センサの
一実施例を示すもので、図1(a)はこの圧電型振動セ
ンサの構成を示す斜視図、図1(b)および図1(c)
は配線図である。
【0014】本実施例の圧電型振動センサ11は、台座
12と検知部13とから、概略構成されている。台座1
2は、例えば金属あるいは繊維強化樹脂など、充分な剛
性を持つ材料よりなる。
【0015】検知部13は、長手方向の一端が前記台座
12に剛に固定された振動ロッド14と、この振動ロッ
ド14の側面に設けられた第1および第2の圧電体1
5、16と、各圧電体15、16の両面に配された電極
17a、17b、18a、18bとを主体として、概略
構成されている。
【0016】振動ロッド14は、真ちゅうなどの材料か
らなる直方体形状を有し、その長手方向に直交する断面
が正方形とされている。この断面の形状は、互いに直交
する2方向で同一の振動モードを与え、かつ感度や周波
数特性を同じにするために、点対称でかつ90°回転時
にも同一形状をなす形状とされ、先に述べた正方形の他
に、例えば真円形や正八角形などであってもよい。
【0017】圧電体は、振動ロッド14の隣接する2つ
の側面上に、互いに直交するように、2枚(第1圧電体
15および第2圧電体16)設けられている。これらの
圧電体15、16には、PVDF(ポリフッ化ビニリデ
ン)などからなる板状の圧電体が用いられ、第1圧電体
15と第2圧電体16とは、2方向の測定感度を等しく
するために、合同形状とされることが望ましい。
【0018】電極は、これら第1および第2の圧電体1
5、16の両面に設けられてなり、具体的には、第1圧
電体15の外表面に配された第1外側電極17aと、振
動ロッド14側に配された第1内側電極17bと、第2
圧電体16の外表面に配された第2外側電極18aと、
振動ロッド14側に配された第2内側電極18bとの4
枚が設けられるが、前記振動ロッド14が導電性材料か
らなる場合には、第1および第2の内側電極17b、1
8bはこの振動ロッド14で代用することも可能であ
る。これらの電極17a、17b、18a、18bに
は、ニッケル/銅蒸着電極や、銅箔、すず箔などが用い
られる。各圧電体15、16の外表面に配された第1外
側電極17aと第2外側電極18aは、図1(b)、
(c)に示すように、それぞれ出力端子19、出力端子
20に接続される。
【0019】このようにしてなる圧電型振動センサ11
によれば、振動ロッド14の断面形状が点対称でかつ9
0°回転時にも同一形状をなす形状とされ、振動ロッド
14の側面に、互いに直交するように2枚の圧電体1
5、16が設けられているので、平面2方向の振動をそ
れぞれの圧電体15、16が受け、各圧電体15、16
の両面に配された電極17a,17b、18a,18b
間の電荷量または電位差から出力を得ることから、それ
ぞれの方向の振動を測定することができる。そのため、
従来のように2つのセンサを使用する必要が無くなり、
センサの小型化および低コスト化を図ることができる。
【0020】また、共振点が高くなるため、測定可能な
周波数領域が拡がる利点もある。
【0021】次に、請求項2に記載の圧電型振動センサ
の一実施例について、図2を参照しつつ説明する。図2
(a)は、この圧電型振動センサの構造を示す斜視図、
図2(b)および図2(c)は、配線図である。
【0022】この例の圧電型振動センサ21において
は、振動ロッド24の表面に、該表面を周方向に均等に
4分割するようにして互いに直交して、すなわち4つの
側面に沿って、それぞれ圧電体が設けられている。換言
すれば、互いに対向する一対の圧電体(第1圧電体25
と第2圧電体26、第3圧電体27と第4圧電体28)
が、相互に直交するように2組設けられている。第1圧
電体25と第2圧電体26、また第3圧電体27と第4
圧電体28は、それぞれ振動ロッド24側に向く極性が
互いに等しくなるように設けられる。
【0023】各圧電体25、26、27、28の両面に
は、それぞれ電極が配されている。すなわち、第1圧電
体25の外表面に配された第1外側電極29aと、振動
ロッド24側に配された第1内側電極29bと、第2圧
電体26の外表面に配された第2外側電極30aと、振
動ロッド24側に配された第2内側電極30bと、第3
圧電体27の外表面に配された第3外側電極31aと、
振動ロッド24側に配された第3内側電極31bと、第
4圧電体28の外表面に配された第4外側電極32a
と、振動ロッド24側に配された第4内側電極32bと
である。
【0024】第1内側電極29bと第2内側電極30
b、第3内側電極31bと第4内側電極32bとは、そ
れぞれ短絡され、第1外側電極29a、および第3外側
電極31aは、それぞれ出力端子33、出力端子34に
接続されている。あるいは、第1外側電極29aと第2
外側電極30a、第3外側電極31aと第4外側電極3
2aとがそれぞれ短絡され、第1内側電極29bおよび
第3内側電極31bが、それぞれ出力端子33、出力端
子34に接続されてもよい。
【0025】このように、本実施例の圧電型振動センサ
21によれば、振動ロッド24の側面に、互いに平行状
態で対向する1対の圧電体が、相互に直交するように2
組設けられているので、1つのセンサで平面2方向の振
動をそれぞれ測定することができる。またこの時、対向
する1対の圧電体の同極性面に配された電極間の電荷量
または電位差から出力を得るので、焦電による誤動作を
防止して、正確な測定を行うことができる。
【0026】以下、具体的な実施例を示して、本発明の
効果を明らかにする。 (実施例1)図1に示した構造の圧電型振動センサを作
製した。振動ロッドには、真ちゅう製の直方体状(縦1
mm、横1mm、長さ1cm)のものを使用した。圧電
体には、PVDF製の板状(幅1mm、長さ1cm、厚
さ110μm)のものを2枚使用した。電極は、第1お
よび第2外側電極を、ニッケル/銅蒸着電極とし、第1
および第2内側電極は、真ちゅう製の振動ロッドで代用
した。
【0027】(比較例1)図3に示した構造の圧電型振
動センサを作製した。振動板には、真ちゅう製の板状
(幅1mm、長さ1cm、厚さ0.2mm)のものを使
用した。圧電体、電極には、それぞれ実施例1と同様の
ものを使用した。
【0028】(比較例2)図4に示した構造を有する圧
電型振動センサを作製した。振動板、圧電体、電極に
は、比較例1と同様のものを使用した。ただし、圧電体
の使用枚数は1枚とした。
【0029】(振動測定)実施例1のセンサは1個用意
し、比較例1および2のセンサは各2個ずつ用意して、
それぞれ互いに直交するように固定した。こうして用意
した実施例1および比較例1、2のセンサに、それぞれ
直交する80Hz、1gの振動を加え、出力を測定し
た。出力は、実施例1の第1圧電体の一方向の出力を基
準とした。結果を、表1に示す。
【0030】(周波数領域の測定)加速度を1g一定と
し、周波数を変化させて、実施例1および比較例1、2
のセンサの出力を測定し、80Hzを基準に±10%以
内の領域を求めた。結果を表2に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】表1の結果より、実施例において、一つの
圧電型振動センサで2方向の振動をそれぞれ同時に測定
することができることが明らかとなった。また表2の結
果より、測定できる周波数領域が、比較例に比べ実施例
において、大幅に拡がっていることが確認された。
【0034】(実施例2)図2に示した構造の圧電型振
動センサを作製した。振動ロッドには、真ちゅう製の直
方体状(縦1mm、横1mm、長さ1cm)のものを使
用した。圧電体には、PVDF製の板状(幅0.9m
m、長さ9mm、厚さ110μm)のものを4枚使用し
た。電極は、ニッケル/銅蒸着電極とした。圧電体は、
いずれも、引っ張り応力を受けた時+の電荷を発生する
面を、振動ロッド側に向けて配置した。
【0035】(比較例3)図1に示した構造の圧電型振
動センサを作製した。振動ロッド、圧電体、電極には、
実施例2と同様のものを使用した。ただし、圧電体の使
用枚数は2枚とした。
【0036】(振動測定)実施例2および比較例3のセ
ンサに、80Hz、1gの正弦振動を2方向にそれぞれ
順次加え、2方向の出力を測定した。出力は、実施例2
の第1圧電体の一方向の出力を基準とした。結果を、表
3に示す。
【0037】
【表3】
【0038】(焦電出力の測定)実施例2および比較例
3のセンサを、室温から60℃の温水中に浸漬し、その
時の焦電出力を測定した。各センサは、防水のためビニ
ール袋内に密閉した状態で測定を行った。出力は、前記
振動測定試験における実施例2の第1圧電体の一方向の
出力を基準とした。結果を表4に示す。
【0039】
【表4】
【0040】表3の結果より、実施例2および比較例3
は、ともに1つの圧電型振動センサで、2方向の振動を
測定できることが確認された。さらに表4の結果より、
対向する2組の圧電体を設けた実施例2の圧電型振動セ
ンサにおいて、焦電出力が低く、そのために誤動作を防
止できることが明らかとなった。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の圧電型
振動センサによれば、1つのセンサで平面2方向の振動
をそれぞれ測定することができる。そのため、センサの
小型化および低コスト化を図ることができる。
【0042】請求項2の圧電型振動センサによれば、1
つのセンサで平面2方向の振動をそれぞれ測定すること
ができるうえに、焦電による誤動作を防止して正確な測
定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の圧電型振動センサの一実施例を示す
斜視図および配線図である。
【図2】請求項2の圧電型振動センサの一実施例を示す
斜視図および配線図である。
【図3】従来の圧電型振動センサの一例を示す斜視図お
よび配線図である。
【図4】従来の圧電型振動センサの他の例を示す斜視図
および配線図である。
【符号の説明】
11 圧電型振動センサ 14 振動ロッド 15、16 圧電体 17a,17b、18a,18b 電極 21 圧電型振動センサ 24 振動ロッド 25、26、27、28 圧電体 29a,29b、30a,30b、31a,31b、3
2a,32b 電極
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−188079(JP,A) 特開 昭49−88573(JP,A) 特開 平4−364466(JP,A) 特開 平4−213069(JP,A) 特開 平4−213070(JP,A) 特開 平4−282459(JP,A) 特開 平4−282460(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01P 15/09 G01P 15/18

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動モードを制御する振動ロッドの長手
    方向の一端を剛に固定し、かつこの振動ロッドの長手方
    向に直交する断面形状を、点対称でかつ90°回転時に
    も同一形状をなす形状とし、この振動ロッドの側面に
    は、互いに直交するように2つの圧電体を設け、各圧電
    体の両面にそれぞれ電極を配したことを特徴とする圧電
    型振動センサ。
  2. 【請求項2】 振動モードを制御する振動ロッドの長手
    方向の一端を剛に固定し、かつこの振動ロッドの長手方
    向に直交する断面形状を、点対称でかつ90°回転時に
    も同一形状をなす形状とし、この振動ロッドの側面に
    は、互いに平行状態で対向する1対の圧電体を、相互に
    直交するように2組設け、各圧電体の両面にそれぞれ電
    極を配したことを特徴とする圧電型振動センサ。
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