JP3246662U - 害獣忌避用具 - Google Patents

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Abstract

【課題】低コストかつ低労力で作ることができ、害獣忌避処理を行っている箇所が一目瞭然でわかり、風雨等による流出の懸念がなく、さらに、事後の毛髪回収を容易に行うことができて、リンス・シャンプー・染料等の残存可能性が高い毛髪を土壌中に残してしまうことのない、害獣忌避用具を提供する。【解決手段】害獣忌避用具10は、収容体2と、収容体2に収容されている害獣忌避用混合物3とからなり、害獣忌避用混合物3は人の毛髪4と、人の毛髪4が混ぜられる混合媒体5とからなる構成とする。収容体2は、収容される人の毛髪4が有する独特の嗅覚刺激成分が外部へ発散されるように、通気性を有する素材や構造を用いて形成された物を用いる。【選択図】図1

Description

本考案は害獣忌避用具に係り、特に、イノシシ、クマ等の害獣を忌避させ、農地等への侵入防止に有効な害獣忌避用具に関するものである。
近年、イノシシ、クマ、シカ等の害獣による農作物の被害が増加し、さらには人間の居住域への侵入による人的な被害も増加しており、その有効な防止策が全国的に急務である。
このような問題を解決するための技術的提案も従来からなされており、たとえば後掲特許文献1には、害獣を忌避させたい場所に散布して害獣の侵入を防止する害獣忌避散布材として、人の毛髪を粉末化した人毛パウダーと、竹を長さ1~3cmにチップ化した竹チップに水分を含ませたものとが混合された構成が開示されている。 本散布材を農地に散布すると、人毛パウダーは竹チップの繊維間に入り込んで容易に分離されないため、人毛パウダーの臭気が長期間に亘り持続して害獣忌避効果が保持される上、竹チップの効果により雑草育成防止効果も得られる、としている。
特許第7197844号公報「害獣忌避散布材及びその製造方法」
しかし上記先行技術は、毛髪のパウダー化や竹のチップ化、水分付与といった各作業工程による散布材製造を要するものであり、コストも手間も相当にかかる。また、地面に対して散布処理して使用されるものであるため、散布後は忌避処理した箇所がどこなのかを目視しにくい状況も生じる。また、平坦な農地では使用できても、風雨等による流亡・流出が起きやすい状況であるほど、使用が難しくなる。さらに、リンス・シャンプー・染料等の残存可能性が高い毛髪からなる人毛パウダーを、事後に土壌から回収することは極めて困難ないしは不可能である。これらの問題が生じない害獣忌避技術が求められる。
そこで本考案が解決しようとする課題は、かかる従来技術の問題点をなくし、低コストかつ低労力で作ることができ、害獣忌避処理を行っている箇所が一目瞭然でわかり、風雨等による流亡・流出の懸念がなく、さらに、事後の毛髪回収を容易に行うことができて、リンス・シャンプー・染料等の残存可能性が高い毛髪を土壌中に残してしまうことのない、害獣忌避技術を提供することである。
考案者は上記課題について検討した結果、人の毛髪を、粉末化のような特別の処理をせずにそのまま土や砂と混合し、これを土嚢袋に詰めて害獣忌避用具とすることによって課題解決できることに想到し、それに基づいて本考案を完成するに至った。すなわち、上記課題を解決するための手段として本願で実用新案登録請求される考案、もしくは少なくとも開示される考案は、以下の通りである。
〔1〕 収容体と、該収容体に収容されている害獣忌避用混合物とからなる害獣忌避用具であって、該害獣忌避用混合物は人の毛髪と、該人の毛髪が混ぜられる混合媒体とからなることを特徴とする、害獣忌避用具。
〔2〕 前記収容体は通気性を有する袋であることを特徴とする、〔1〕に記載の害獣忌避用具。
〔3〕 前記収容体は土嚢袋であることを特徴とする、〔1〕に記載の害獣忌避用具。
〔4〕 前記混合媒体は土砂であることを特徴とする、〔1〕、〔2〕のいずれかに記載の害獣忌避用具。
〔5〕 前記人の毛髪は理美容業廃棄物であることを特徴とする、〔4〕に記載の害獣忌避用具。
本考案の害獣忌避用具は上述のように構成されるため、これによれば、低コストかつ低労力で当該用具を作ることができ、イノシシ・クマ・シカ等の害獣に対し、農地・住宅等人間の生活・生業領域への侵入を効果的に忌避させることができる。また、本害獣忌避用具は、害獣忌避用混合物が収容体に収容されている形態であるため、害獣忌避処理を行っている箇所が一目瞭然でわかり、風雨等による流亡・流出の心配がなく、忌避効果を設置期間中保持することができる。
また、理美容業廃棄物である毛髪を用いる本考案の害獣忌避用具によれば、廃棄物の有効活用ともなる。さらに、事後の毛髪回収を容易に行うことができて、リンス・シャンプー・染料等の残存可能性が高い毛髪を土壌中に残してしまうことがなく、環境に対して余計な負荷を掛けない。
本考案害獣忌避用具の基本構成を概念的に示す説明図である。 収容体として袋を用いる本考案害獣忌避用具の構成を概念的に示す説明図である。 本考案害獣忌避用具の使用例を概念的に示す上面視説明図である。
以下、図面により本考案を詳細に説明する。
図1は、本考案害獣忌避用具の基本構成を概念的に示す説明図である。図示するように本害獣忌避用具10は、収容体2と、収容体2に収容されている害獣忌避用混合物3とからなる害獣忌避用具であって、害獣忌避用混合物3は人の毛髪4と、人の毛髪4が混ぜられる混合媒体5とからなることを、主たる構成とする。なお、収容体2は、収容される人の毛髪4が有する独特の嗅覚刺激成分が外部へ発散されるように、通気性を有する素材あるいは構造を用いて形成された物を用いる。
かかる構成の害獣忌避用具10によれば、収容体2に収容されている害獣忌避用混合物3中の人の毛髪4から発する独特の嗅覚刺激成分が、通気性の収容体2から外部へと発散される。イノシシ・クマ・シカ等の害獣は、人の毛髪4の嗅覚刺激成分を忌避するため、害獣の侵入を防止したい箇所の前線に本害獣忌避用具10を置くことにより、害獣にこれを忌避させ、その侵入を防止することができる。
人の毛髪4のみでは、嵩高さ、その軽量さによる散乱しやすさにより、本害獣忌避用具10を作る際の取扱い性がよいとは言えない。本考案では、人の毛髪4は混合媒体5と混合される。混合媒体5は、人の毛髪4のみの場合の嵩高さや散乱しやすさを良好に抑制し、本害獣忌避用具10を作る際の取扱い性をよくする。
かかる混合媒体5としては、然るべき程度の比重や稠密さによって人の毛髪4の嵩高さや散乱しやすさを抑えられる物であれば適宜の物を用いることができる。さらには、本害獣忌避用具10が地面に設置された際に、風や人力、害獣の力によっては容易に移動しないような重量を有する物であることも望ましい。たとえば土や砂、すなわち土砂は、混合媒体5として好適に用いることができる。
本考案の害獣忌避用具10は、害獣忌避用混合物3をそのままで用いるのではなく、これが収容体2に収容された形態をとる。たとえば害獣忌避用混合物3を地面に直接散布して用いるのではなく、これを収容した収容体2を所望の箇所に置いて用いる。収容体2に害獣忌避用混合物3を収容する方式とすることにより、本害獣忌避用具10は、用具形成・運搬・設置・保管・害獣忌避用混合物3詰替え等の各取扱い作業をしやすく、便利である。
図2は、収容体として袋を用いる本考案害獣忌避用具の構成を概念的に示す説明図である。上述の通り収容体は、通気性を有する素材や構造を用いて形成された物であれば特に限定されない。しかしながら図示する害獣忌避用具210のように、通気性を有する袋を収容体22として用いる構成とすることができる。
たとえば土嚢袋は、収容体22として好適に用いることができる。人の毛髪24を混合する混合媒体25として土砂を用いて害獣忌避用混合物23を形成し、それを土嚢袋(22)に収容することで、運搬・設置・保管・害獣忌避用混合物23詰替え等の各取扱い作業が便利な害獣忌避用具210とすることができる。
なお、以上説明した本考案害獣忌避用具10等を構成する人の毛髪4等としては、理美容業廃棄物である毛髪を用いることができる。これは、廃棄物の湯有効利用策としても有意義である。
図3は、本考案害獣忌避用具の使用例を概念的に示す上面視説明図である。図示するように本害獣忌避用具10は、害獣侵入防止対象領域AHと害獣生活領域AVとの境界である人獣境界線(害獣忌避用具設置線)BL上に、一定間隔で置いて用いるものとすることができる。間隔は、たとえば2m程度とすればよい。なお、忌避効果の減衰を考慮し、必要に応じて収容体2に収容されている害獣忌避用混合物3の交換を行うことが推奨される。この期間は、たとえば2ヶ月である。
本考案の害獣忌避用具によれば、低コストかつ低労力で当該用具を作ることができ、イノシシ・クマ・シカ等の害獣に対し、農地・住宅等人間の生活・生業領域への侵入を効果的に忌避させることができる等、利点が多い。したがって、農業分野を初めとして、害獣によるあらゆる被害の防止対策に関わる産業・技術分野、および関連する全分野において、産業上利用性が高い考案である。
2、22…収容体
3、23…害獣忌避用混合物
4、24…人の毛髪
5、25…混合媒体
10、210…害獣忌避用具
AH…害獣侵入防止対象領域
AV…害獣生活領域
BL…人獣境界線(害獣忌避用具設置線)

Claims (5)

  1. 収容体と、
    該収容体に収容されている害獣忌避用混合物と
    からなる害獣忌避用具であって、
    該害獣忌避用混合物は、
    人の毛髪と
    該人の毛髪が混ぜられる混合媒体と
    からなることを特徴とする、害獣忌避用具。
  2. 前記収容体は通気性を有する袋であることを特徴とする、請求項1に記載の害獣忌避用具。
  3. 前記収容体は土嚢袋であることを特徴とする、請求項1に記載の害獣忌避用具。
  4. 前記混合媒体は土砂であることを特徴とする、請求項1、2のいずれかに記載の害獣忌避用具。
  5. 前記人の毛髪は理美容業廃棄物であることを特徴とする、請求項1、2のいずれかに記載の害獣忌避用具。














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