JP2023086694A - 猪忌避剤、猪忌避方法、猪忌避剤収容器および猪忌避剤製造方法 - Google Patents

猪忌避剤、猪忌避方法、猪忌避剤収容器および猪忌避剤製造方法 Download PDF

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泰啓 一瀬
Yasuhiro Ichinose
治喜 小畑
Haruki Obata
靖典 浴
Yasunori Yoku
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Abstract

【課題】費用を抑えてより効果的に猪を忌避可能な猪忌避剤を提供する。【解決手段】鹿の排泄物、鹿の身体構成物および鹿に寄生した寄生虫の少なくとも1つを鹿臭発生物とし、該鹿臭発生物からなり鹿の臭気を発する猪忌避剤1であり、この猪忌避剤1を猪Mの侵入を防止したい場所やその周辺に敷設して、猪Mの侵入を防止する。【選択図】図1

Description

本発明は、猪が農地や各種施設などに侵入するのを防止するための猪忌避剤、猪忌避方法、猪忌避剤収容器および猪忌避剤製造方法に関する。
近年、平野の外縁部から山間地までの中山間地域における猪の捕獲が激増した結果、猪の活動エリアが農耕地に留まらず都市部へ拡大している。このような猪の生息域の拡大は、農地での食害や人への被害(噛みつき、寄生虫など)、堤防や土手、盛り土などの土構造物に対する棄損などのさまざまな問題をもたらしている。特に、植物の根や昆虫・幼虫を捕食するために、猪が地面を掘り返すなどの有害行動が増加している。このような猪による被害は、中山間地域だけではなくゴルフ場や自然公園にも拡大し、さらには、住宅団地や学校などに侵入することによる危険度が拡大している。
このため、従来から、猪の侵入を防止するための施策がいろいろと考案されている。例えば、金属フェンスや合成樹脂製ネットなどで保護領域内を囲んで猪の侵入を防止するもの(例えば、特許文献1、2参照)が知られている。また、特有の臭気で猪などを忌避する、という害獣忌避剤(例えば、特許文献3参照)が知られている。この害獣忌避剤は、濃縮度が20%~50%である穀物酢、果実酢、米酢、米黒酢の濃縮液からなる忌避剤で、この害獣忌避剤を害獣が出没する可能性のある範囲内に置いて、害獣の侵入を防止するものである。
特開2001-008604号公報 特開2008-187951号公報 特開2015-044802号公報
しかしながら、特許文献1、2に記載の金属フェンスやネットなどを設置する場合、猪によって設備が破壊されないだけの強固な設備とし、しかも、広域に渡って設置しなければならない。このため、その設置に多大の費用と労力を要するだけではなく、金属フェンスやネットの破損状況の確認やその補修などを要し、ランニングコストの負担が大きい。さらに、金属フェンスやネットなどを設置しても、猪の侵入を防ぐことができずに畑などを荒らされ、農業継続を諦めるケースが増えている。
また、特許文献3に記載の害獣忌避剤は、穀物酢や果実酢などによる臭気によって猪などの侵入を防止するものであるが、猪が穀物酢や果実酢などの臭気に慣れて忌避効果が低下するおそれがある。
一方、授産施設においては、障害者にとって実施可能な作業が限られること等から、極めて安い工賃で作業が請け負われるケースも多く、障害者だからという理由で自治体が定めた最低労働賃金さえも支払われず、障害者の保護者が将来に大きな不安を抱えている等の社会問題が発生している。
そこで本発明は、上記課題を解決するために、費用を抑えてより効果的に猪を忌避可能な猪忌避剤、猪忌避方法、猪忌避剤収容器および猪忌避剤製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、鹿の排泄物、鹿の身体構成物および鹿に寄生した寄生虫の少なくとも1つを鹿臭発生物とし、当該鹿臭発生物からなり鹿の臭気を発する、ことを特徴とする猪忌避剤である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の猪忌避剤において、前記鹿臭発生物が液体に含浸されて液体状に形成された、ことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1に記載の猪忌避剤において、前記鹿臭発生物が肥料と混合されて固体状に形成された、ことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の猪忌避剤を、猪の侵入を防止したい場所およびその周辺の少なくとも一方に敷設する、ことを特徴とする猪忌避方法である。
請求項5の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の猪忌避剤を収容し、前記猪忌避剤からの臭気を放出する収容器本体と、前記収容器本体を外部部材に取付可能な取付手段と、を備えることを特徴とする猪忌避剤収容器である。
請求項6の発明は、請求項1に記載の猪忌避剤において、前記鹿臭発生物が炭および海藻を含む多孔質材に吸着されている、ことを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項1に記載の猪忌避剤において、前記鹿臭発生物を液中の炭および海藻を含む多孔質材に吸着させるために、減圧後の加圧が行われている、ことを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項1に記載の猪忌避剤の製造方法であって、前記鹿臭発生物を高い圧力状態にして常温で溶融させ、その原液を水を含む液体で希釈する、ことを特徴とする。
請求項9の発明は、請求項8に記載の猪忌避剤の製造方法であって、所定量のアルコールを添加することによって、前記原液に対する前記水を含む液体の倍率を増加させる、
ことを特徴とする。
本願発明者は、猪が鹿を嫌うことを発見、確認した。すなわち、鹿は泥浴をする習性が一般になく(一部、発情期の雄が泥を首筋に擦り付ける習性はあるが)、多くのダニが体に寄生している。一方、猪はダニの寄生を嫌い、頻繁に泥浴びをする習性があり、寄生しているダニの数は鹿に比べ格段に少ない。そして、例えば、猪が地面を掘り返し後に草の新芽が出て鹿が来るようになると、猪はダニの寄生を避けるために生息範囲を変えて、その場所から居なくなる、ということを確認した。また、猪は犬と同等の優れた嗅覚を備え、臭いの少ない鹿の糞尿等も嗅ぎ分けることが可能で、鹿やその糞尿等の臭いを生理的に嫌って忌避し、しかも、その忌避効果が長期間にわたって持続する(臭いに慣れない)ことを確認した。
そして、請求項1に記載の発明によれば、猪忌避剤が鹿臭発生物で構成されて猪が生理的に嫌う鹿の臭気を発するため、猪を効果的かつ持続的に忌避することが可能となる。しかも、鹿の排泄物、鹿の身体構成物および鹿に寄生した寄生虫を鹿臭発生物とするため、低費用で容易に猪忌避剤を生成することが可能である。このため、授産作業で猪忌避剤を生成・生産することが可能となる。
また、鹿は草食性の動物であるため、糞の中には植物由来のフラボノイドなどの消臭効果を有する物質が存在している。さらに、鹿は反芻して食物を摂取するため、糞の中には未消化の有機物が少ない。このため、鹿の糞などからなる猪忌避剤を農地やゴルフ場等に散布などしても、悪臭を最小限に抑えることが可能で、人への影響が少ない。また、衛生面においても、近年、新型コロナ(COVID19)などへの対策として優れた有機系の除菌技術が開発されているため、安全に取り扱うことが可能である。
請求項2に記載の発明によれば、猪忌避剤が液体状に形成されているため、猪の侵入を防止したい場所やその周辺に猪忌避剤を散布・噴霧、塗布などすることで、広く任意の場所に容易かつ適正に適用・敷設することが可能となる。例えば、農地やゴルフ場等の地面だけではなく、建物の壁や電柱などにも容易かつ適正に適用することが可能となる。
請求項3に記載の発明によれば、猪忌避剤が固体状に形成されているため、猪の侵入を防止したい場所やその周辺に猪忌避剤を散布、配置などすることで、広く任意の場所に容易かつ適正に適用することが可能となる。しかも、固体状・固形であるため取り扱いや保存、運搬などが容易となる。また、鹿臭発生物と肥料とが混合されて猪忌避剤が形成されているため、猪忌避剤を肥料として使用することが可能となる。つまり、農地やゴルフ場等に散布などすることで、肥料を与えると同時に猪を忌避することが可能となる。
請求項4に記載の発明によれば、猪の侵入を防止したい場所やその周辺に猪忌避剤を敷設するだけでよいため、容易かつ低費用で猪を忌避することが可能となる。
請求項5に記載の発明によれば、収容器本体に猪忌避剤を収容して、取付手段で収容器本体を外部部材に取り付けることで、収容器本体内の猪忌避剤からの臭気が外部に放出され、周囲に猪が近づくのを防止することができる。すなわち、猪忌避剤を保護領域やその周辺・道路などに直接撒いたりする必要がないため、保護領域やその周辺を原状態に維持することができ、また、一時的に猪を忌避したい場合にも迅速、容易に対応することが可能となる。さらに、猪忌避剤が収容された収容器本体を猪の侵入を防止したい場所に運んだり外部部材に取り付けたりすればよく、猪忌避剤を直接手で扱う必要がないため、より衛生的で取り扱いが容易となる。
請求項6~8に記載の発明によれば、猪忌避剤の取り扱いが容易になるので、製品化して販売ルートにのせることが可能となる。
請求項9に記載の発明によれば、猪忌避剤の原料となる野生の鹿の糞尿の入手が困難な場合やその量が不十分な場合であっても、猪忌避効果の高い猪忌避剤を製造することが可能となる。
この発明の実施の形態1に係る猪忌避剤を散布した状態を示す図である。 この発明の実施の形態2に係る猪忌避剤収容器を示す平面図(a)と、その側面図(b)と、蓋部を開けた状態を示す側面図(c)である。
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
(実施の形態1)
図1は、この実施の形態に係る猪忌避剤1を散布した状態を示す図である。この猪忌避剤1は、猪Mが農地やゴルフ場、各種施設などの保護領域101内に侵入するのを防止するための忌避剤であり、この実施の形態では、猪忌避剤1を保護領域101内やその周辺に直接敷設(配設)して猪Mを忌避する。
この猪忌避剤1は、鹿の排泄物、鹿の身体構成物および鹿に寄生した寄生虫の少なくとも1つを鹿臭発生物とし、この鹿臭発生物からなり鹿の臭気を発するものである。ここで、鹿の排泄物には、鹿の糞や尿、唾液などを含み、身体構成物には、鹿の肉、毛、皮、蹄などを含み、鹿に寄生した寄生虫には、ダニ、シラミ、ノミなどを含む。そして、このような鹿の排泄物、身体構成物および寄生虫のいずれか1つ、または、これらの複数の物質を鹿臭発生物とし、この鹿臭発生物から猪忌避剤1が生成され、鹿の臭気を発するようになっている。
この実施の形態では、対象の保護領域101や周囲環境などに応じて、液体状に形成された猪忌避剤1と固体状に形成された猪忌避剤1とを備える。まず、液体状の猪忌避剤1は、鹿臭発生物が液体に含浸されて液体状に形成されている。すなわち、鹿の糞尿等の鹿臭発生物に水、湯、酵素水等の液体が含浸され、環境衛生基準を満足する状態にして液体状に抽出され生成されたものである。
また、固体状の猪忌避剤1は、鹿臭発生物が肥料と混合されて固体状に形成されている。すなわち、鹿の糞尿等の鹿臭発生物を家畜の糞尿や腐葉土、生ごみ等の廃棄物・肥料と混合して、肥料として使用可能とし、かつ、環境衛生基準を満足する状態にして、固体状・塊状(粒状)に形成、生成されたものである。
次に、このような猪忌避剤1を用いた猪忌避方法について説明すると、猪Mの侵入を防止したい場所(保護領域101)およびその周辺の少なくとも一方に猪忌避剤1を敷設すればよい。すなわち、対象の保護領域101や周囲環境などに応じて、液体状の猪忌避剤1を使用するか固体状の猪忌避剤1を使用するかを選択し、保護領域101内やその周辺に猪忌避剤1を直接敷設する。
例えば、保護領域101が農地やゴルフ場などで肥料を要する場合には、肥料として使用可能な固体状の猪忌避剤1を農地やゴルフ場などの一面に敷設する。一方、保護領域101が学校や建築物などで、外観が害されるのを嫌ったり保護領域101内に直接敷設できなかったりする場合などには、液体状の猪忌避剤1を学校や建築物などの周囲に敷設する。この際、学校や建築物の壁や電柱の周面に液体状の猪忌避剤1を敷設してもよい。ここで、敷設には、噴霧、散布、撒く、配設、埋設などが含まれ、保護領域101や周囲環境などに応じて敷設方法を変えればよい。
以上のように、この猪忌避剤1および猪忌避方法によれば、猪忌避剤1が鹿臭発生物で構成されて猪Mが生理的に嫌う鹿の臭気を発するため、猪Mを効果的かつ持続的に忌避することが可能となる。また、猪Mの侵入を防止したい場所やその周辺に猪忌避剤1を敷設するだけでよいため、容易かつ低費用で猪Mを忌避することが可能となる。しかも、鹿の排泄物、鹿の身体構成物および鹿に寄生した寄生虫を鹿臭発生物とするため、低費用で容易に猪忌避剤1を生成することが可能である。このため、授産作業で猪忌避剤1を生成・生産することが可能となる。
また、鹿は草食性の動物であるため、糞の中には植物由来のフラボノイドなどの消臭効果を有する物質が存在している。さらに、鹿は反芻して食物を摂取するため、糞の中には未消化の有機物が少ない。このため、鹿の糞などからなる猪忌避剤1を農地やゴルフ場等に散布などしても、悪臭を最小限に抑えることが可能で、人への影響が少ない。また、衛生面においても、近年、新型コロナ(COVID19)などへの対策として優れた有機系の除菌技術が開発されているため、安全に取り扱うことが可能である。
また、液体状の猪忌避剤1であれば、猪Mの侵入を防止したい場所やその周辺に猪忌避剤1を散布・噴霧、塗布などすることで、広く任意の場所に容易かつ適正に適用・敷設することが可能となる。例えば、農地やゴルフ場等の地面だけではなく、建物の壁や電柱などにも容易かつ適正に適用することが可能となる。
さらに、固体状の猪忌避剤1であれば、猪Mの侵入を防止したい場所やその周辺に猪忌避剤1を散布、配置などすることで、広く任意の場所に容易かつ適正に適用することが可能となる。しかも、固体状・固形であるため取り扱いや保存、運搬などが容易となる。また、鹿臭発生物と肥料とが混合されて猪忌避剤1が形成され、猪忌避剤1を肥料として使用可能なため、農地やゴルフ場等に散布などすることで、肥料を与えると同時に猪Mを忌避することが可能となる。
ところで、家畜の糞尿や腐葉土、生ごみ等の廃棄物事業において、従来、処理の副産物として生成・生産された肥料が売れずに、優れた廃棄物処理技術が活かされないという状況があった。しかしながら、このような肥料と鹿臭発生物を混合して猪忌避剤1を生成することで、廃棄物処理技術および肥料を有効に活用することができる。また、家畜の糞尿や生ごみ等から生産された肥料は、有機肥料として高い評価を得ているが、そのかすかな匂い(腐敗臭)に対して猪Mは高い嗜好性を有するため、施肥後に猪Mによる掘り返し被害を受けることが多く、結局は無機肥料を使わざるを得ない農家も少なくなかった。しかしながら、有機肥料と鹿臭発生物を混合して生成された猪忌避剤1を使用することで、猪Mを忌避しつつ有機肥料を農地に与えて有機栽培農業を行うことが可能となる。
(実施の形態2)
図2は、この実施の形態に係る猪忌避剤収容器2を示す平面図(a)と、その側面図(b)と、蓋部32を開けた状態を示す側面図(c)である。この猪忌避剤収容器2は、実施の形態1における猪忌避剤1を収容して外部部材に取り付けることで、周囲に猪Mが近づくのを防止するものである。
この猪忌避剤収容器2は、主として、収容器本体3とフック(取付手段)4とを備える。収容器本体3は、猪忌避剤1を収容して猪忌避剤1からの臭気を外に放出する容器である。この実施の形態では、厚みが薄い略直方体の箱型で、下側の収容部31と上側の蓋部32とが背面辺のヒンジ3aで連結され、このヒンジ3aによって収容部31に対して蓋部32が開閉自在となっている。収容部31の大きさは、所定量の猪忌避剤1を収容できるように設定されている。
また、蓋部32の正面と背面には、横方向に延びる長孔状で、雨水等の浸入を防止するための庇が設けられた通気孔32aが上下方向に複数形成され、この通気孔32aを介して収容部31内の猪忌避剤1からの臭気が外に放出されるようになっている。さらに、蓋部32の正面の下端中央には、収容部31側に延びる係止片32bが設けられ、収容部31の正面の上端中央には係止ピン31aが設けられている。そして、係止片32bに形成された係止孔に係止ピン31aを挿入、係止させることで、図2(a)に示すように、収容部31の上部開口が蓋部32で閉じられ、係止を解除することで、図2(c)に示すように、蓋部32が開いて収容部31の上部開口から猪忌避剤1を出し入れできるようになっている。
フック4は、収容器本体3を外部部材に取付可能にするものであり、この実施の形態では、逆J字状の棒状体で、蓋部32の上部に設けられている。すなわち、垂直部41が、蓋部32の上面から延びて、円弧部42の自由端が蓋部32側に向いて湾曲している。また、フック4は、垂直部41を軸に回転自在に蓋部32の上部に連結されている。そして、フェンス・柵や建物の部材などの外部部材にフック4を掛けることで、収容器本体3を外部部材に取り付けられるものである。
このような実施の形態によれば、収容器本体3に猪忌避剤1を収容して、フック4で収容器本体3を外部部材に取り付けることで、収容器本体3内の猪忌避剤1からの臭気が通気孔32aから外部に放出され、周囲に猪Mが近づくのを防止することができる。すなわち、猪忌避剤1を保護領域101やその周辺・道路などに直接撒いたりする必要がないため、保護領域101やその周辺を原状態に維持することができ、また、一時的に猪Mを忌避したい場合にも迅速、容易に対応することが可能となる。さらに、猪忌避剤1が収容された収容器本体3を猪Mの侵入を防止したい場所に運んだり外部部材に取り付けたりすればよく、猪忌避剤1を直接手で扱う必要がないため、より衛生的で取り扱いが容易となる。
以上、この発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、上記の実施の形態2では、取付手段であるフック4が収容器本体3に一体的に設けられているが、収容器本体3とは別体の取付手段としてもよい。例えば、取付手段をベルトで構成し、収容器本体3の背面などにベルト通しを設け、ベルトをベルト通しに通して外部部材にベルトを結ぶことで、収容器本体3を外部部材に取り付けるようにしてもよい。
また、猪忌避剤を製品化して販売する場合などには、炭および海藻を含む多孔質材に鹿臭発生物を吸着させて猪忌避剤を構成したり、液中の炭および海藻を含む多孔質材に鹿臭発生物を吸着させるために、減圧後の加圧を行って、猪忌避剤を構成したりしてもよい。さらに、猪忌避剤の製造方法として、鹿臭発生物を高い圧力状態にして常温で溶融させ、その原液を水などの液体で希釈してもよい。
ところで、猪が鹿の糞尿の臭いを忌避するメカニズムについて研究を進めたところ、野生の鹿の糞尿には、鹿が食べた草や樹皮の主成分であるセルロースの未消化分と、セルロースをグルコースに分解できる微生物(セルロース分解細菌)とが混入しており、セルロースの分解(発酵)が進行すると、アルコールが生成され、腐敗臭にアルコール臭が混ざった臭いがすることから、猪が忌避する臭いにはアルコール臭が含まれるのではないかという知見が得られた。
この知見に基づき、前記猪忌避剤の製造方法において、所定量のアルコールを添加することによって、前記原液に対する前記水を含む液体の倍率(希釈倍率)を増加させてもよい。これにより、猪忌避剤の原料となる野生の鹿の糞尿の入手が困難な場合やその量が不十分な場合であっても、猪忌避効果の低下を防ぎつつ猪忌避剤を製造することが可能となる。ここで、所定量とは、鹿臭発生物の1/10程度であり、アルコールを添加した場合には10倍程度の希釈倍率に増加可能である。さらに、猪忌避剤として鹿臭発生物の代わりにアルコールを人工の鹿臭発生物として使用することも考えられる。具体例としては、有機肥料に鹿臭発生物を混合して生成された猪忌避剤を使用して有機栽培農業を行う場合において、鹿臭発生物の代わりに、アルコールを吸着したポリマー系、多孔質系吸着剤、二酸化ケイ素(シリカゲル)又は焼成雲母を使用する例が考えられる。
1 猪忌避剤
2 猪忌避剤収容器
3 収容器本体
31 収容部
32 蓋部
4 フック(取付手段)
101 保護領域
M 猪

Claims (9)

  1. 鹿の排泄物、鹿の身体構成物および鹿に寄生した寄生虫の少なくとも1つを鹿臭発生物とし、該鹿臭発生物からなり鹿の臭気を発する、
    ことを特徴とする猪忌避剤。
  2. 前記鹿臭発生物が液体に含浸されて液体状に形成された、
    ことを特徴とする請求項1に記載の猪忌避剤。
  3. 前記鹿臭発生物が肥料と混合されて固体状に形成された、
    ことを特徴とする請求項1に記載の猪忌避剤。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の猪忌避剤を、猪の侵入を防止したい場所およびその周辺の少なくとも一方に敷設する、
    ことを特徴とする猪忌避方法。
  5. 請求項1から3のいずれか1項に記載の猪忌避剤を収容し、前記猪忌避剤からの臭気を放出する収容器本体と、
    前記収容器本体を外部部材に取付可能な取付手段と、
    を備えることを特徴とする猪忌避剤収容器。
  6. 請求項1に記載の猪忌避剤において、前記鹿臭発生物が炭および海藻を含む多孔質材に吸着されている、
    ことを特徴とする猪忌避剤。
  7. 請求項1に記載の猪忌避剤において、前記鹿臭発生物を液中の炭および海藻を含む多孔質材に吸着させるために、減圧後の加圧が行われている、
    ことを特徴とする猪忌避剤。
  8. 請求項1又は2のいずれか1項に記載の猪忌避剤の製造方法であって、前記鹿臭発生物を高い圧力状態にして常温で溶融させ、その原液を水を含む液体で希釈する、
    ことを特徴とする猪忌避剤の製造方法。
  9. 請求項8に記載の猪忌避剤の製造方法であって、所定量のアルコールを添加することによって、前記原液に対する前記水を含む液体の倍率を増加させる、
    ことを特徴とする猪忌避剤の製造方法。
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